JPH10216821A - 高温鋼板の冷却方法および装置 - Google Patents

高温鋼板の冷却方法および装置

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JPH10216821A
JPH10216821A JP1712497A JP1712497A JPH10216821A JP H10216821 A JPH10216821 A JP H10216821A JP 1712497 A JP1712497 A JP 1712497A JP 1712497 A JP1712497 A JP 1712497A JP H10216821 A JPH10216821 A JP H10216821A
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洋 木部
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晃夫 藤林
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悟史 上岡
Shosei Kamata
正誠 鎌田
Akira Takane
章 多賀根
Yoshitaka Inoue
義隆 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延された高温鋼板を、オンラインにお
いて均一に温度むらが生ずることなく冷却することがで
き、且つ、冷却能力を広範囲にわたって制御することが
できる。 【解決手段】 熱間圧延され、テーブルロール2上を移
送される高温の鋼板1を、テーブルロール2に沿って設
けられた冷却ゾーンにおいて冷却する方法において、冷
却ゾーンを水切り装置6によって、鋼板の移送方向に複
数の冷却ブロックに区画し、各冷却ブロックにおいてノ
ズル4、5から噴射される冷却水による冷却を核沸騰状
態で行い、そして、ノズル4、5からの冷却水の噴射
を、各冷却ブロック単位または複数の冷却ブロック単位
でオンオフ制御することにより、鋼板に対する冷却速度
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延された
高温鋼板特に厚鋼板の冷却方法および冷却装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、厚鋼板の製造プロセスとして、熱
間圧延直後の高温の鋼板を、オンラインで制御冷却する
オンライン制御冷却法が行われている。この方法によれ
ば、鋼板に対し、高強度および高靱性が付与されるほ
か、合金元素の低減および省熱処理などによるコスト低
減効果も得られる。
【0003】しかしながら、一般に、熱間圧延された高
温鋼板の温度分布、板形状、表面性状等は、必ずしも均
一ではないので、冷却中に鋼板面内に冷却むらが発生し
やすく、その結果、冷却後の鋼板に、変形、残留応力、
材質の不均一等が生じ、品質不良や操業上のトラブルを
招いていた。
【0004】このような冷却むらの発生原因となる鋼板
の冷却現象について、以下に説明する。一般に、高温の
鋼板を水冷すると、冷却中の鋼板の表面温度に応じて、
3つの冷却形態即ち沸騰現象が生ずる。図1は冷却条件
を一定にした場合の、鋼板表面温度と熱流束との関係を
示した図である。図1に示すように、高温の鋼板を冷却
すると、まず、鋼板表面と冷却水との間に蒸気膜が存在
する膜沸騰状態になる。この膜沸騰状態においては、鋼
板の表面温度が非常に高いために、冷却水が鋼板の表面
に到達する前に蒸発し、直接鋼板に接触することがない
沸騰現象であり、鋼板と冷却水との間には常に蒸気膜が
存在するために、熱流束が小さく、冷却能が低い。
【0005】次に、鋼板の表面温度が低下してくると、
膜沸騰から遷移沸騰へと移行する。遷移沸騰領域におい
ては、鋼板表面を覆っていた蒸気膜が安定して存在でき
なくなり、局所的に崩壊して、冷却水と鋼板表面とが直
接接触するようになり、熱流束は急激に増大する。この
とき、蒸気膜の崩壊により冷却水が鋼板と直接接触する
面が均一でないと、温度むらの発生原因になる。即ち、
局所的に蒸気膜が崩壊して、冷却水が直接鋼板に接触し
た部分は低温となるのに対し、蒸気膜が存在する部分は
相対的に高温になるからである。
【0006】鋼板表面に冷却むらが発生すると、図1か
らわかるように、遷移沸騰領域の場合、低温部分は熱流
束が大きいために冷却が促進されるのに対し、高温部分
は、低温部分に比べて熱流束が小さいために、冷却が遅
れる結果、両者の温度差が拡大する。鋼板を冷却中に生
ずる温度むらは、ほとんどこの領域で発生している。
【0007】更に鋼板の表面温度が低下すると、鋼板表
面には蒸気膜が全く存在しなくなり、鋼板のほぼ全表面
が冷却水と接触した状態すなわち核沸騰状態になる。こ
の核沸騰領域では、鋼板のほぼ全表面が冷却水と接触し
ているため、遷移沸騰領域で発生するような温度むらは
生じにくい。
【0008】また、図1に示すように、核沸騰領域にお
いては、鋼板の温度が低下すると共に熱流束が減少する
ために、仮に、冷却前の鋼板に温度むらがあったとして
も、遷移沸騰領域とは逆に、高温部と低温部との温度差
は低下し、鋼板の温度むらは減少する。
【0009】上述した現象に基づいて、鋼板の冷却むら
の発生を防止するために、従来から数多くの均一冷却法
が提案されているが、未だ十分な方法は確立されていな
い。以下に、鋼板の板幅方向に設けられたスリット状の
ノズルから、鋼板の進行方向に向けて冷却水を流し鋼板
を冷却する方式について説明する。
【0010】この方式によれば、冷却水は、スリット状
のノズルから、鋼板の幅方向に均一に且つ鋼板の移送方
向に流れるので、他のスプレー冷却やラミナー冷却に比
べて、鋼板の幅方向に対する冷却の均一性が優れてい
る。その理由は、スプレー冷却やラミナー冷却の場合に
は、冷却水が鋼板に衝突する部分と、衝突した後、鋼板
表面を横流れする部分との冷却能の差が大きいのに対
し、スリット状ノズル冷却方式の場合には、冷却水が鋼
板の移送方向に一様に流れるために、冷却水の衝突点と
横流れ部分との冷却能の差が小さいからである。
【0011】図2に、スリット状ノズル冷却方式によっ
て鋼板を冷却した際の、水量密度と鋼板の冷却能及び冷
却後の鋼板の温度むらとの関係を示す。図2から明らか
なように、冷却能は、水量密度の低い領域では水量密度
の増加と共に増大するが、ある水量密度以上になると、
ほほぼ一定になる。一方、温度むらについてみると、水
量密度の低い領域では温度むらが大きく、その後ある水
量密度に近づくと、温度むらは急に減少し、その後はほ
ぼ一定になる。
【0012】この現象は、前述した沸騰現象に基づいて
次のように説明される。即ち、水量密度が低く、冷却能
が増加する領域は、部分的に蒸気膜が発生している遷移
沸騰領域であり、水量密度が増加するに従って蒸気膜の
面積が減少し、冷却水が鋼板と直接接触する面積が増加
するため、冷却能が増大している。
【0013】この領域においては、蒸気膜の存在する部
分と、冷却水が直接鋼板と接触している部分とが混在し
ており、しかも、各々の位置は、鋼板の表面状態などに
よって決まるために一定ではなく、制御することは困難
である。蒸気膜の存在する部分は、熱流束が低いために
高温となるのに対し、冷却水が直接鋼板に接触している
部分は、熱流束が高いために低温となる結果、温度むら
が発生する。水量密度が増加するに従って、蒸気膜の領
域が狭くなるために、冷却能は増大するが、温度むらは
ほとんど減少しない。
【0014】更に、水量密度が増加し、ある水量密度以
上で冷却能がほぼ一定になるのは、鋼板全面が直接冷却
水に接触し、核沸騰領域に達したためで、それ以上水量
密度を増加させても、冷却能は、鋼板内部から鋼板表面
に熱が伝達する速度、即ち鋼板の熱伝導率で律速されて
いるため、冷却能はほとんど増加しない。この領域で
は、鋼板全面が直接冷却水に接触し、ほぼ均一な冷却が
なされるため、温度むらは急激に減少するのである。
【0015】上述した現象は、鋼板の板幅方向に設けら
れたスリット状のノズルから鋼板の進行方向に冷却水を
流すスリット状ノズル冷却方式に限られるものではな
く、スプレー冷却やラミナー冷却においても、同様の現
象が生ずる。即ち、冷却速度を制御するために水量密度
を絞ると、温度むらの発生を避けることができず、一
方、温度むらの発生を抑えるために水量密度を上げる
と、冷却能力の制御ができないという問題がある。
【0016】高温の鋼板を均一に冷却して冷却むらの発
生を抑制する手段については、従来から数多くの提案が
なされており、例えば、次のような方法が開示されてい
る。 (1) 特開昭61−264137号公報:スリットジェッ
ト冷却方式において、水量を150〜200m3/hm 、吐
出圧力を1.5〜2Kg/cm2、スリットノズル角度を15
〜25°に限定することによって、蒸気膜を均一に除去
し、安定した冷却に移行させる(以下、先行技術1とい
う)。
【0017】(2) 特開平4−371519号公報:水冷
および空冷を複数回繰り返すことによって、鋼板の板厚
方向の温度差を低減し、冷却後の鋼板の残留応力を低減
させる(以下、先行技術2という)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1の方法によっては、均一冷却性を維持すると共に冷
却能力を制限することは困難である。また、先行技術2
の方法によっては、板厚方向の温度差を低減しようとす
ると、必然的に冷却速度が低下し、冷却速度の制御が困
難になる上、鋼板面内の温度むらを低減し、冷却後、鋼
板の歪みを低減することは困難である。
【0019】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、熱間圧延された高温鋼板を、温度むらが生ず
ることなく均一に冷却することができ、且つ、冷却能を
広範囲にわたって制御することができ、これによって冷
却後の鋼板の歪み矯正工程が不要になり、生産性の向
上、製造コストの低減を図ることができる、高温鋼板の
冷却方法および装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の高温鋼板の冷却方法は、熱間圧延され、テーブルロ
ール上を移送される高温の鋼板を、前記テーブルロール
に沿って設けられた冷却ゾーンにおいて冷却する方法に
おいて、前記冷却ゾーンを、水切り装置によって、前記
鋼板の移送方向に複数の冷却ブロックに区画し、各冷却
ブロックにおける前記鋼板の冷却水による冷却を核沸騰
状態で行い、そして、各冷却ブロックに対する冷却水の
供給を、各冷却ブロック単位または複数の冷却ブロック
単位でオンオフ制御することによって、前記鋼板に対す
る冷却速度を制御することに特徴を有するものである。
【0021】請求項2に記載の高温鋼板の冷却装置は、
テーブルロール上を移送される高温の鋼板を挟んで、そ
の上面に接触する水切りロールにより、前記鋼板の移送
方向に複数の冷却ブロックに区画されており、各冷却ブ
ロック毎に、前記鋼板の上面および下面に向け冷却水を
噴射するためのノズルが設けられており、少なくとも、
最初の冷却ブロックの鋼板上面に対する冷却水噴射ノズ
ルは、前記鋼板の板幅方向に設けられた前記鋼板の移動
方向に向けて冷却水を噴射するスリットノズルであり、
そして、各冷却ブロックのノズルには、前記鋼板に対す
る冷却速度を制御するためのオンオフ制御機構が設けら
れていることに特徴を有するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】一般に、熱間圧延された高温鋼板
を、大流速、大流量の冷却水で冷却すると、冷却水が鋼
板に接触している面を、常に核沸騰状態に維持すること
が可能になり、遷移沸騰領域で発生する冷却むらを抑制
することができる。ただし、このときの冷却面での冷却
能力は、鋼板の熱伝導律速になっているために、ほぼ一
定であり、冷却能力を広範囲で制御することは困難であ
る。
【0023】しかるに、この発明においては、鋼板を、
その通板方向に複数の冷却ブロックが水切り装置により
互いに分割されて配置されている冷却装置に通過させ冷
却する方式であるから、各冷却ブロックにおける冷却を
核沸騰状態とすることによって、遷移沸騰領域で発生す
る冷却むらを抑制し、鋼板を均一に冷却することが可能
になる。また、冷却水の供給を、各冷却ブロック単位ま
たは数冷却ブロック単位で、オンオフ制御することによ
り、冷却装置内で実際に冷却される面積を変化させ、こ
れにより鋼板から奪う熱量を制御し、冷却能力をコント
ロールすることができる。
【0024】図3(a) は、冷却ブロック毎にオンオフ制
御して間欠冷却したときの鋼板の温度履歴であり、図3
(b) は、従来の連続冷却で水量密度を調整し冷却したと
きの鋼板の温度履歴である。図3(a) および図3(b) か
ら、間欠冷却では、鋼板表面の温度は冷却のオンオフに
応じて、温度降下と復熱とを繰り返すが、鋼板の板厚中
心部は、連続的に温度が低下しており、連続冷却の場合
とほぼ同じ冷却曲線になることがわかる。
【0025】図4は、間欠冷却のときのオンオフ比と鋼
板の板厚中心部の冷却速度との関係を調べた結果を示す
図である。図4から、冷却ブロックのオンオフ比を変化
させることによって、種々の板厚の鋼板の冷却速度を制
御し得ることがわかる。
【0026】各冷却ブロックの冷却方式は、種々の方法
が考えられ特に限定されるものではないが、鋼板上面に
対する冷却方法として、鋼板の板幅方向に設けられたス
リット状のノズルから鋼板の進行方向に冷却水を流して
冷却するスリット状ノズル冷却方式は、スプレー冷却方
式やラミナー冷却方式に比べて、冷却水の衝突点と横流
れ部分の冷却能の差が小さいために比較的少ない水量で
鋼板全面にわたり均一に核沸騰領域を維持することがで
きるため好適である。
【0027】図5は、この発明の方法を実施するための
装置の一例を示す概略側面図である。この例において
は、複数個のテーブルロール2上を矢印X方向に連続的
に移送される高温の鋼板1の上面および下面に向け、板
幅方向にスリットノズル4,4が設けられており、これ
によって第1冷却ブロックが構成されている。3はスリ
ットノズル4に冷却水を供給するヘッダー管である。こ
の第1冷却ブロックに続き、鋼板1の上面および下面に
向け設けられた複数個のスプレーノズル5,5によっ
て、第2〜第20冷却ブロックが構成されている。
【0028】このような各冷却ブロックは、各々テーブ
ルロール2と、テーブルロール2の上方に、鋼板1を間
に挟んで設けられた水切りロール6とによって、隣接す
る冷却ブロックに冷却水が進入しないように区画されて
いる。スリットノズル4およびスプレーノズル5の各々
には、流量調整弁7または遮断弁が取り付けられてお
り、これをオンオフすることによって、望む冷却パター
ンを設定することができる。図6の(a) (b) (c) (d)
(e) に冷却パターンの一例を示す。図6において、9は
冷却ブロックを、10は非冷却ブロックをそして11は
パスラインを示している。
【0029】熱間圧延機で圧延された高温の鋼板1は、
テーブルロール2によって、上述した制御冷却装置に搬
送される。なお、制御冷却装置に入る前に、予め、ホッ
トレベラー等によって鋼板の圧延歪みを除去してもよ
い。制御冷却装置に運ばれた鋼板1は、水切りロール6
によって区画された冷却ゾーンを通過し、その間にスリ
ットノズル4およびスプレーノズル5の各々から鋼板の
上下面に向けて噴射される冷却水によって所定温度にま
で冷却される。
【0030】予め冷却計算によって間欠冷却パターンが
設定されており、これによって、冷却速度は所望の値に
制御される。このとき、冷却面内においては、全面にわ
たって核沸騰状態が維持されるように、各冷却ブロック
毎に冷却水の流速および流量が設定され、鋼板面内で均
一な冷却がなされる。
【0031】核沸騰を維持するために必要な冷却水量
は、鋼板表面温度によって異なり、鋼板表面温度が低く
なるに従って、少量の冷却水で核沸騰を維持することが
できる。従って、各冷却ブロックに進入したときの鋼板
表面温度に応じて冷却水量を設定して冷却する。冷却停
止温度は、鋼板の移送速度によって制御される。
【0032】図7は、この発明の方法を実施するための
装置の他の例を示す概略側面図である。この例において
は、複数個のテーブルロール2上を矢印X方向に連続的
に移送される高温の鋼板1の上面に向け、板幅方向に設
けられたスリットノズル4と、鋼板1の下面に向け設け
られた複数個のスプレーノズル5とによって1つの冷却
ブロックが構成されている。スリットノズル4とスプレ
ーノズル5とは、鋼板1の上下面の温度履歴を一致さ
せ、冷却中の鋼板の変形を抑えるために、鋼板の上下面
で冷却される領域が一致するように配置されている。
【0033】各冷却ブロックは、テーブルロール2の上
方に、鋼板1を間に挟んで設けられた水切りロール6に
よって、隣接する冷却ブロックに冷却水が進入しないよ
うに区画されている。スリットノズル4およびスプレー
ノズル5の冷却水ヘッダーには、流量調整弁7または遮
断弁が取り付けられており、これをオンオフすることに
よって、所望の冷却パターンを設定することができる。
【0034】熱間圧延機で圧延された高温の鋼板1は、
テーブルロール2によって、上述した制御冷却装置に搬
送される。制御冷却装置に運ばれた鋼板1は、水切りロ
ール6によって区画された冷却ゾーンを通過し、その間
にスリットノズル4およびスプレーノズル5の各々から
鋼板の上下面に向けて噴射された冷却水によって所定温
度にまで冷却される。
【0035】予め冷却計算によって間欠冷却パターンが
設定されており、これによって、冷却速度は所望の値に
制御される。このとき、冷却面内においては、全面にわ
たって核沸騰状態が維持されるように、各冷却ブロック
毎に冷却水の流速および流量が設定され、鋼板面内で均
一な冷却がなされる。冷却停止温度は、搬送速度によっ
て制御される。
【0036】
【実施例】次に、この発明の方法を実施例によって説明
する。 〔実施例1〕図5に示す装置を使用し、板厚15mm、板
幅4000mm、長さ12000mmの高温鋼板を、表1に
示す本発明方法により冷却し、本発明供試体No. 1〜4
を調製した。なお、冷却水の水量密度は0.5〜3.0
m3/ m2・min であった。比較のために、上記高温鋼板
を、表1に併せて示す本発明の範囲外の方法により冷却
し、比較用供試体No. 5〜8を調製した。なお、冷却水
の水量密度は0.15〜1.2m3/ m2・min であった。
このようにして得た本発明供試体および比較用供試体の
各々の温度むらおよび歪み量を調べ、表1に併せて示し
た。なお、冷却後の鋼板の歪み量は、鋼板の板幅方向の
変形量の、板長さに対する割合で示した。この値が低い
ほど歪み量は小さく、平坦度が良好であることを意味す
る。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、本発明方法によ
り核沸騰形態で冷却した本発明供試体においては、遷移
沸騰形態で冷却した比較用供試体に比べて、冷却後の鋼
板の冷却むらおよび歪み量が小さく且つ冷却速度を速め
ることができ、鋼板面内の冷却均一性が優れていた。こ
れに対し、遷移沸騰形態で冷却した比較用供試体におい
ては、鋼板面内の温度むらが連続冷却の場合とほとんど
変わらず、冷却後の鋼板の歪み量も大きかった。
【0039】〔実施例2〕図7に示す装置を使用し、板
厚40mm、板幅2000mm、長さ4000mmの高温鋼板
を、表2に示す本発明方法により冷却し、本発明供試体
No.9〜13を調製した。比較のために、上記高温鋼板
を、表2に併せて示す本発明の範囲外の方法により冷却
し、比較用供試体No. 14〜17を調製した。本発明供
試体は、間欠冷却によって冷却速度を制御し、比較用供
試体は、全冷却ブロックで冷却水の流量を制御し、冷却
速度を制御した。なお、冷却水の水量密度は、本発明供
試体の場合は0.5〜4.0m3/ m2・min であり、比較
用供試体の場合は0.15〜1.2m3/ m2・min であっ
た。このようにして得た本発明供試体および比較用供試
体の各々の温度むらおよび歪み量を調べ、表2に併せて
示した。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、本発明方法によ
る核沸騰形態で冷却した本発明供試体においては、遷移
沸騰形態で冷却した比較用供試体に比べて、冷却後の鋼
板の冷却むらおよび歪み量が小さく且つ冷却速度を速め
ることができ、鋼板面内の冷却均一性が優れていた。こ
れに対し、遷移沸騰形態で冷却した比較用供試体におい
ては、鋼板面内の温度むらが連続冷却の場合とほとんど
変わらず、冷却後の鋼板の歪み量も大きかった。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の方法によ
れば、熱間圧延された高温鋼板を、温度むらが生ずるこ
となく均一に冷却することができ、且つ、冷却能を広範
囲にわたって制御することができ、これによって冷却後
の鋼板の歪み矯正工程が不要になり、生産性の向上、製
造コストの低減が図られる、工業上有用な効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板を水冷する際の沸騰曲線図である。
【図2】冷却水の吐出流速と鋼板の冷却能および冷却後
の鋼板の温度むらとの関係を示す図である。
【図3】(a) は間欠冷却時の鋼板の温度履歴示す図であ
り、(b) は連続冷却時の鋼板の温度履歴示す図である。
【図4】冷却オンオフ比と冷却速度との関係を示す図で
ある。
【図5】この発明の方法を実施するための装置の一例を
示す概略側面図である。
【図6】本発明の冷却パターンの一例を示す図である。
【図7】この発明の方法を実施するための装置の他の例
を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 テーブルロール 3 冷却水ヘッダー 4 スリットノズル 5 スプレーノズル 6 水切りロール 7 流量調整弁 9 冷却ブロック 10 非冷却ブロック 11 パスライン
フロントページの続き (72)発明者 鎌田 正誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 多賀根 章 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 井上 義隆 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延され、テーブルロール上を移送
    される高温の鋼板を、前記テーブルロールに沿って設け
    られた冷却ゾーンにおいて冷却する方法において、前記
    冷却ゾーンを、水切り装置によって、前記鋼板の移送方
    向に複数の冷却ブロックに区画し、各冷却ブロックにお
    ける前記鋼板の冷却水による冷却を核沸騰状態で行い、
    そして、各冷却ブロックに対する冷却水の供給を、各冷
    却ブロック単位または複数の冷却ブロック単位でオンオ
    フ制御することによって、前記鋼板に対する冷却速度を
    制御することを特徴とする、高温鋼板の冷却方法。
  2. 【請求項2】 テーブルロール上を移送される高温の鋼
    板を挟んで、その上面に接触する水切りロールにより、
    前記鋼板の移送方向に複数の冷却ブロックに区画されて
    おり、各冷却ブロック毎に、前記鋼板の上面および下面
    に向け冷却水を噴射するためのノズルが設けられてお
    り、少なくとも、最初の冷却ブロックの鋼板上面に対す
    る冷却水噴射ノズルは、前記鋼板の板幅方向に設けられ
    た前記鋼板の移動方向に向けて冷却水を噴射するスリッ
    トノズルであり、そして、各冷却ブロックのノズルに
    は、前記鋼板に対する冷却速度を制御するためのオンオ
    フ制御機構が設けられていることを特徴とする、高温鋼
    板の冷却装置。
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