JPH10216535A - 陽イオン交換樹脂の再生装置とその方法 - Google Patents

陽イオン交換樹脂の再生装置とその方法

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JPH10216535A
JPH10216535A JP9170132A JP17013297A JPH10216535A JP H10216535 A JPH10216535 A JP H10216535A JP 9170132 A JP9170132 A JP 9170132A JP 17013297 A JP17013297 A JP 17013297A JP H10216535 A JPH10216535 A JP H10216535A
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exchange resin
cation exchange
chamber
water
regenerating
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JP9170132A
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English (en)
Inventor
Yuuji Tsukita
祐二 槻田
Hironori Hatono
広典 鳩野
Akemi Takeshita
朱美 竹下
Shuji Nishiyama
修二 西山
Takao Imasaka
卓男 今坂
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済みの陽イオン交換樹脂を一般家庭でも
簡単に再生できる再生装置及びその方法を提供する。 【解決手段】 電解槽210内の陽極211側に陰イオ
ン透過膜215を、陰極212に陽イオン透過膜216
を設け、陰イオン透過膜215にて陽極側室213を画
成し、陽イオン透過膜215にて陰極側室214を画成
し、更に陰イオン透過膜215と陽イオン透過膜215
との間に中間室217を形成している。そして、配管2
18の途中には陽極側室213で生成された酸性水を一
旦貯留する酸性水室221を設け、配管219の途中に
は陰極側室214で生成されたアルカリ水のpHが上昇
するのを防止するためにクエン酸やアスコルビン酸等の
有機酸を添加するアルカリ水室222を設け、更に配管
220の途中には、中間室217に電解質溶液を供給す
る電解質供給室223を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水道水を弱酸性の軟
水に変換せしめる陽イオン交換樹脂を再生する陽イオン
交換樹脂の再生装置とその方法に関する。
【0002】
【従来技術】水には酸性水とアルカリ性水があり、弱酸
性水は肌や髪のpHに近いことから刺激が少なく、美容
によいとされ、アルカリ性水は健康によいため、飲料や
料理等に用いるとよいとされている。このような酸性水
とアルカリ性水を水道水から生成する装置として、特開
平4−371291号公報に開示されるイオン水生成装
置が既に知られている。
【0003】また、水にはカルシウムイオンやマグネシ
ウムイオンを多量に含んだ硬水とこれらの含有量が少な
い軟水があり、前者の硬水はミネラルウォータとして飲
用に供され、後者の軟水は石鹸の泡立ちがよいことから
洗濯等に適している。例えば、特開平6−39374号
公報によれば、内部に陽イオン交換樹脂からなる軟水槽
とを備え、この陽イオン交換樹脂により水の硬度を低下
させる軟水器が開示されている。
【0004】ところで、従来、カルシウムイオンやマグ
ネシウムイオン等の金属成分を吸着した陽イオン交換樹
脂を再生する場合には、官能基を再び水素型にするため
に塩酸や硫酸等の鉱酸(無機酸)が用いられており、危
険を伴い、また、再生のプラントも大掛かりなものとな
らざるを得ず、再生するための鉱酸も大量に必要とされ
ており、そのため、陽イオン交換樹脂の再生を一般家庭
で行うことは困難であった。
【0005】同様に、特開昭61−247998号公報
に開示される方法にあっても、硫酸と水酸化ナトリウム
を同時に必要とするため、一般家庭で用いるには不適当
である。
【0006】そこで、上記の特開平6−39374号公
報によれば、塩酸や硫酸等の添加が不要であり、容易か
つ安全に陽イオン交換樹脂を再生して利用することがで
きる軟水器を得るため、電解槽から成る電気分解器を備
えたものが提案されている。即ち、電解槽により水道水
を電気分解し、この電解槽からの酸性水により陽イオン
交換樹脂を再生するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では、理論的には水道水を電解槽により電気分
解することにより酸性水を生成して陽イオン交換樹脂を
再生することが一般家庭でも可能になるが、実際に水道
水を電解槽により電気分解することにより得られる酸性
水はそのままではpHが高く、これにより陽イオン交換
樹脂を再生することはできない。陽イオン交換樹脂の再
生にはpH2以下の強酸性水が必要である。また、従来
の手段によると、樹脂再生のための酸性水を得る際に、
多量のアルカリ性水が捨て水となって排出されるため、
無駄に水を使用してしまう欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく第
1発明に係る陽イオン交換樹脂の再生装置では、水道水
を電気分解する陽極室、陰極室及び隔膜を備えた電解槽
と、この電解槽の陽極室で生成された酸性水を陽イオン
交換樹脂を充填した容器に導く配管とを備え、更に、前
記電解槽の陰極室の水を循環させる手段を設ける構成と
した。尚、この陽イオン交換樹脂の再生装置では、更に
電解質を溶解した溶液を充填したアルカリ水室を設け、
かつ、前記循環手段は、前記電解槽の陰極室の水を前記
アルカリ水室を介して循環させる構成とすることも可能
である。
【0009】また、第1発明に係る他の陽イオン交換樹
脂の再生装置では、前記の陽イオン交換樹脂の再生装置
において、さらに、前記電解槽の陽極室で生成された酸
性水を前記配管を介して前記陽イオン交換樹脂を充填し
た容器に導いた後、当該酸性水を再び前記電解槽の陽極
室に戻すための循環手段を設ける構成とした。
【0010】また、第2発明に係る陽イオン交換樹脂の
再生装置では、水道水を電気分解する陽極室及び陰極室
を備えた電解槽と、この電解槽の陽極室で生成された酸
性水を陽イオン交換樹脂を充填した容器に導く配管とを
備え、前記陽極室は陰イオン透過膜にて画成され、前記
陰極室は陽イオン透過膜にて画成され、これら陰イオン
透過膜と陽イオン透過膜の間に電解質が供給される中間
室が形成される構成とした。
【0011】上記した第2発明に係る陽イオン交換樹脂
の再生装置にあっては、中間室から導出した水を中間室
に戻す配管を設け、この配管の途中に電解質を供給する
電解質供給室を設ける構成とすることができる。
【0012】また、第2発明に係る陽イオン交換樹脂の
再生装置にあっては、陽極室で生成された酸性水を陽イ
オン交換樹脂を充填した容器に導く配管の途中に、酸性
水を貯留する酸性水室を設ける構成とすることができ
る。
【0013】また、第2発明に係る陽イオン交換樹脂の
再生装置にあっては、陰極室から導出したアルカリ水を
陰極室に戻す配管を設け、この配管の途中にアルカリ水
のpH上昇を抑制するためのアルカリ水室を設ける構成
とすることができる。
【0014】また、第2発明に係る陽イオン交換樹脂の
再生装置にあっては、陽イオン交換樹脂を充填した容器
を、陽極室から導出した酸性水を陽極室に戻す配管の途
中に接続する構成とすることができる。
【0015】ここで、容器内に充填される陽イオン交換
樹脂としては、官能基末端型が水素型、弱酸性型陽イオ
ン交換樹脂またはキレート樹脂が適当である。
【0016】一方、第1発明に係る陽イオン交換樹脂の
再生方法では、水道水を陽極室と陰極室と隔膜を備えた
電解槽により電気分解し、これにより陽極室に得られた
酸性水を、使用済みの陽イオン交換樹脂の容器に導いて
内部に充填した陽イオン交換樹脂と接触させて再生を行
う陽イオン交換樹脂の再生方法において、前記電解槽で
電気分解により陰極室に生成される水を循環し、前記容
器内の陽イオン交換樹脂に導く陽極室からの酸性水をp
H2以下にするようにした。尚、前記電解槽の陽極室で
電気分解により生成される水をも循環することも可能で
ある。
【0017】上記第1発明に係る他の陽イオン交換樹脂
の再生方法では、循環する前記電解槽の陰極室で生成さ
れる水に電解質を添加するようにした。このようにする
ことで、容易に強酸性水を生成することが可能になる。
更に、アルカリ性水を循環させることで、従来の方法よ
りも大幅に捨て水を減らすことができる。
【0018】また、第2発明に係る陽イオン交換樹脂の
再生方法では、陰イオン透過膜にて画成された陽極室と
陽イオン透過膜で画成された陰極室を備えた電解槽によ
り水道水を電気分解し、陽極室で得られた酸性水を、使
用済みの陽イオン交換樹脂の容器に導いて内部に充填し
た陽イオン交換樹脂と接触させて再生を行うようにし
た。
【0019】上記第2発明に係る他の陽イオン交換樹脂
の再生方法では、陰イオン透過膜と陽イオン透過膜との
間に形成される中間室に電解質を添加する。
【0020】また、上記第2発明に係る他の陽イオン交
換樹脂の再生方法では、陽極室内で生成された酸性水を
循環せしめることでpHを低下せしめ、このpHが低下
した酸性水を陽イオン交換樹脂を充填した容器に導くこ
とが可能である。
【0021】また、上記第2発明に係る他の陽イオン交
換樹脂の再生方法では、陰極室内で生成されたアルカリ
水に酸を添加することでアルカリ水のpHの上昇を抑制
し、カルシウムやマグネシウム成分が電極表面に析出す
るのを防止することが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は第1発明に係る再生装
置の斜視図であり、この再生装置は電解槽等を収納する
本体1の側部に陽イオン交換樹脂を充填した容器2を着
脱自在にセットする受け部3を設けている。また、容器
2の底部には水道水の流入管4と流出管5が突出し、受
け部3にはこれら流入管4と流出管5が液密に嵌合する
穴6、7が形成されている。
【0023】尚、水栓金具8にも容器2をセットする容
器受け具(アダプタ)9が着脱自在に設けられ、この容
器受け具9には容器2の流入管4と流出管5に連結され
る流入管10及び流出管11が設けられ、水道水は容器
受け具9の流入管10及び容器2の流入管4を介して容
器2内に供給され、容器2内の陽イオン交換樹脂に接触
することで、水道水中のCaイオン等は陽イオン交換樹
脂の官能基端部の水素基と置換され、弱酸性の軟水とな
って容器2の流出管5及び容器受け具9の流出管11を
介して水栓金具8から放出される。
【0024】そして、容器2への水道水の通算の通水量
が所定量以上となると、陽イオン交換樹脂の官能基末端
の水素基の殆どがCaに交換され、陽イオン交換樹脂の
交換容量がなくなる。そこで、容器2を容器受け具9か
ら外し、別設した本発明に係る再生器を用いて陽イオン
交換樹脂を再生する。
【0025】次に、再生器の内部を図2に基づいて説明
する。再生器の内部には電解槽110とアルカリ水室1
20が設けられている。電解槽110内には陽極111
と陰極112が配置され、陽極が配置された陽極側室1
13と陰極が配置された陰極側室114とは塩素イオン
(Cl-)が透過可能な、例えば厚さ0.45mmの陰イ
オン透過膜115にて画成されている。
【0026】また、電解槽110の陰極側室114に
は、配管116、117による循環経路が形成され、こ
の循環経路内にはNaCl等の電解質を溶解した前記アル
カリ水室120や陰極側室内のアルカリ水を循環するた
めのポンプ130等が設けられている。
【0027】一方、陽極側室113からは強酸性水を前
記陽イオン交換樹脂の容器2に送り込む配管118が導
出されており、また、この容器2内で陽イオン交換樹脂
の官能基端部のCa等の殆んどを水素基に交換して再生
した酸性水は、排出管119を通して排出される。
【0028】このように、陰イオン透過膜115を陽極
111と陰極112の間に設置し、電解槽110の陰極
側室114のアルカリ水を、NaCl等の電解質を溶解し
た溶液を充填したアルカリ水室120を介して循環する
経路を形成することによって、陽極側室113と陰極側
室114に水を循環させながら電極に電圧を印加して電
解を行う際に、循環される陰極側室114の塩素イオン
が前記陰イオン透過膜115を通過して陽極側室113
に入る。このことにより、陽極側室113には強酸性水
が得られる。
【0029】例えば、陰極側室114とアルカリ水室1
20内の水を前記ポンプ130によって40ml/mi
nの流量で循環し、その状態にて陰陽両電極間に電圧を
かけながら陽極側室113には水道水を40ml/mi
nの流量で通水することにより、陰極側室114にはア
ルカリ水室120から電解質溶液である食塩水のナトリ
ウムイオン(Na+)と塩素イオン(Cl-)が循環されて
供給され、さらに、(Cl-)は陰極側室114から陰イ
オン透過膜115を通過して陽極側室113へ流れ入
み、(H+)と結合してHClを生成する。
【0030】即ち、陽極側室113にはpH2以下の強
酸性水である塩酸が生成される。このようにして得られ
たpH2以下の塩酸は、配管118を介して陽イオン交
換樹脂の容器2に送り込まれ、容器2内の陽イオン交換
樹脂の再生を行う。すなわち、強酸性水が陽イオン交換
樹脂に接触することで、陽イオン交換樹脂の官能基端部
のCa2+、Mg2+などの陽イオンがH+に交換され、官能
基の末端が水素型の陽イオン交換樹脂に再生される。
【0031】ここで、図3には、上記のようにして生成
される塩酸などのpH2以下の強酸性水を樹脂に通水す
ることにより再生された陽イオン交換樹脂(ここではキ
レート樹脂)の性能を、新品の性能との比較により示
す。図3のグラフにおいて、横軸には通水量(リットル)
が、縦軸には水道水を陽イオン交換樹脂の容器2に通水
して得られた弱酸性軟水のpHを示している。なお、新
品の樹脂を用いたときに得られた弱酸性軟水のpH値
は、横軸の通水量が0〜250(リットル)の範囲に示され
る。目的の弱酸性軟水はpH6以下であることが必要で
あることから、このグラフからは、新品の樹脂を用いる
ことにより、200(リットル)の弱酸性軟水を得ることが
できることが分かる。
【0032】一方、上述の方法により、使用後の樹脂に
pH2以下の強酸性水を通水して再生した陽イオン交換
樹脂に、再び、水道水を通水して得られた弱酸性軟水の
pHを、横軸の通水量が250〜500(リットル)の範囲
に示す。これより、pH6以下の弱酸性軟水の量は、前
記の新品の樹脂による場合と同様、200(リットル)であ
り、使用後の陽イオン交換樹脂がpH2以下の強酸性水
の通水により完全に再生されることがわかる。
【0033】次に、前記第1発明にかかる再生器の他の
実施例の内部構造を図4に基づいて説明する。図からも
明らかなように、この他の実施例によれば、電解槽11
0の陰極側室114が配管116、117やポンプ13
0により循環経路が形成され、この循環経路内にはNa
Cl等の電解質溶液が循環するだけではなく、さらに、
電解槽110の陽極側室113にも、配管121、12
2及びポンプ130により循環経路が形成されている。
なお、符号2は前記陽イオン交換樹脂の容器である。
【0034】このように、電解槽110の陰極側室11
4の水を、NaCl等の電解質を溶解したアルカリ水室
120を介して循環することによって塩素イオンを陰極
側室114に供給し、電気分解の際に塩素イオンが陰イ
オン透過膜115を通過して陽極側室113に入り、陽
極側室113に酸性水を生成すると共に、電気分解によ
り陽極側室113内に生成される酸性水をポンプ130
により循環させることにより、そのpHを必要な値(p
H2以下)にまで低下することが可能になる。また、水
を循環するために再生時の捨て水を大幅に減らすことが
できる。
【0035】図5には、電気分解により電解槽110の
陽極側室113内に生成される酸性水のpH(縦軸)の
循環時間(横軸)に対する変化状況がグラフにより示さ
れている。また、ここでは、電気分解の際の電流値や電
解質である塩化ナトリウム(NaCl)の量(濃度)に対
する依存性も示されている。
【0036】なお、既述の如く、使用後の陽イオン交換
樹脂を完全に再生させるためには、pH2以下の強酸性
水が必要である。また、循環流量は、82ml/min
とした。
【0037】その結果、図5のグラフからも明らかなよ
うに、陽極側室113内に生成される酸性水のpHは循
環することにより、必要なpH2以下の強酸性水にする
ことが可能であることが分かる。ただし、この陽極側室
113から発生される強酸性水のpHは電流値に大きく
依存し、より高い電流値により、より低いpHの強酸性
水が短時間で得られることが分かる。ちなみに、電解質
である塩化ナトリウム(NaCl)の量は強酸性水のpH
に大きな影響を与えない。
【0038】図6は第2発明に係る再生装置の内部構造
を模式的に示した図であり、第2発明にあっては、電解
槽210内に陽極211と陰極212を設けるととも
に、電解槽210内の陽極211側に陰イオン透過膜2
15を、陰極212に陽イオン透過膜216を設け、陰
イオン透過膜215にて陽極側室213を画成し、陽イ
オン透過膜216にて陰極側室214を画成し、更に陰
イオン透過膜215と陽イオン透過膜216との間に中
間室217を形成している。
【0039】前記電解槽210には、陽極側室213で
生成された酸性水を導出して再び陽極側室213に戻す
配管218、陰極側室214で生成されたアルカリ水を
導出して再び陰極側室214に戻す配管219、更には
中間室217を通過した水を再び中間室217に戻す配
管220が設けられている。
【0040】そして、前記配管218の途中には陽極側
室213で生成された酸性水を一旦貯留する酸性水室2
21を設け、前記配管219の途中には陰極側室214
で生成されたアルカリ水のpHが上昇するのを防止する
ためにクエン酸やアスコルビン酸等の水溶性の有機酸を
添加するアルカリ水室222を設け、更に前記配管22
0の途中には、中間室217に電解質溶液(実施例では
Na2SO4)を供給する電解質供給室223を設けてい
る。
【0041】以上において、陰陽両電極間に電圧をかけ
ながら中間室217に電解質が含まれる水道水を通水す
ることにより、陽極側室213には陰イオン透過膜21
5を介して(SO4 2-)が入り込み、(H+)と結合し
て、強酸であるH2SO4を生成し、このH2SO4の(H
+)と陽イオン交換樹脂の官能基端部の(Ca2+)、(M
g2+)などがイオン交換し、陽イオン交換樹脂の官能基
端部が(H+)に交換・再生される。一方、陰極側室2
14には陽イオン透過膜216を介して(Na+)が入り
込み、(OH-)と結合してNaOHを生成し、このNa
OHを含むアルカリ水はアルカリ水室222で中和され
る。
【0042】図7は第2発明に係る再生装置の他の実施
例の内部構造を模式的に示した図であり、この実施例に
あっては、配管218を1段目の配管218aと2段目
の配管218bに分け、1段目の配管218aに酸性水
室221を接続し、2段目の配管218bに陽イオン交
換樹脂を充填した容器2を接続する構成としている。
【0043】そして、この実施例にあっては、陽極側室
213と酸性水室221との間で酸性水を循環せしめる
ことで酸性水のpHを充分に低下させて強酸性水とし、
この強酸性水を2段目の配管218bを用いて容器2に
供給することで、再生を短時間のうちに効率よく行える
ようにしている。
【0044】第2発明に係る再生装置を説明する図6、
図7にあっては、容器からの排水を陽極室に戻すように
しているが、容器からの排水については、図2に示した
ように陽イオン交換樹脂の再生に供せられた酸性水を電
解槽に戻さずにそのまま廃棄或いは他の用途に使用する
ようにしてもよい。また、第2発明にあっては電解質と
してNa2SO4を用いたが、第1発明と同様にNaClを
用いてもよい。尚、発生ガスを吸着する活性炭などを再
生装置に付設することも可能である。
【0045】図8は第2発明に係る再生装置を用いた通
水試験の結果を示すグラフであり、このグラフから明ら
かなように、第2発明によって再生した陽イオン交換樹
脂は新品の陽イオン交換樹脂と同じ挙動を示すことが分
る。即ち、本発明によって陽イオン交換樹脂は100%
再生される。
【0046】
【発明の効果】以上に説明した如く第1発明に係る陽イ
オン交換樹脂の再生装置及びその方法によれば、水道水
を電解槽により電気分解し、電解槽の陰極室の水を循環
させることにより陽イオン交換樹脂の再生に必要なpH
2以下の強酸性水が水道水の電気分解により得られるこ
とから、使用済みの陽イオン交換樹脂の一般家庭での再
生が可能になる。また、電解槽の陰極室の水だけではな
く、陽極室の水をも循環する構造としても同様である。
【0047】また、アルカリ水室を設けて陰極室側を循
環する水に電解質を添加することにより、電解槽での水
の電気分解によるpH2以下の強酸性水の生成を促進す
ることができる。
【0048】一方、第2発明に係る陽イオン交換樹脂の
再生装置及びその方法によれば、上記の第1発明によっ
て達成される効果に加え、水酸イオン(OH-)が陽極
室側に移動しないので、電解を長時間連続して行っても
陽極室側の水のpHが上昇することがない。
【0049】また、第2発明において、陰極室にて生成
されるアルカリ水に水溶性の有機酸等を添加すること
で、アルカリ水中に存在しているカルシウムやマグネシ
ウム成分が陰極表面に析出して電解効率を低下させる不
利も解消できる。
【0050】更に、酸性水室を設け、この酸性水室と陽
極室との間で水を循環せしめることで、酸性水のpHを
更に低下せしめることができ、再生効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明に係る再生装置の斜視図
【図2】第1発明に係る再生装置の内部構造を模式的に
示した図
【図3】第1発明に係る再生装置により再生された陽イ
オン交換樹脂(キレート樹脂)と新品の性能との比較結
果を示すグラフ
【図4】第1発明に係る再生装置の他の実施例の内部構
造を模式的に示した図
【図5】前記他の実施例の再生装置における循環時間と
得られる酸性水のpHの関係を示すグラフ
【図6】第2発明に係る再生装置の内部構造を模式的に
示した図
【図7】第2発明に係る再生装置の他の実施例の内部構
造を模式的に示した図
【図8】第2発明に係る再生装置を用いた通水試験の結
果を示すグラフ
【符号の説明】
1…再生装置本体、2…陽イオン交換樹脂を充填した容
器、3…容器の受け部、4,10…水道水の流入管、
5,11…水道水の流出管、8…水栓金具、9…容器受
け具、110,210…電解槽、111,211…陽
極、112,212…陰極、113,213…陽極側
室、114,214…陰極側室、115,215…陰イ
オン透過膜、216…陽イオン透過膜、116,11
7,118,121,122,218,219,220
…配管、120,222…アルカリ水室、223…電解
質供給室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹下 朱美 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 西山 修二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 今坂 卓男 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水道水を電気分解する陽極室、陰極室及
    び隔膜を備えた電解槽と、この電解槽の陽極室で生成さ
    れた酸性水を陽イオン交換樹脂を充填した容器に導く配
    管と、前記電解槽の陰極室の水を循環させる手段とを備
    えたことを特徴とする陽イオン交換樹脂の再生装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の陽イオン交換樹脂
    の再生装置において、前記循環手段は、電解槽の陰極室
    の水をアルカリ水室を介して循環させることを特徴とす
    る陽イオン交換樹脂の再生装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の陽イオン交換樹脂
    の再生装置において、前記電解槽の陽極室で生成された
    酸性水を前記配管を介して前記陽イオン交換樹脂を充填
    した容器に導いた後、当該酸性水を再び前記電解槽の陽
    極室に戻す循環手段を設けたことを特徴とする陽イオン
    交換樹脂の再生装置。
  4. 【請求項4】 水道水を電気分解する陽極室及び陰極室
    を備えた電解槽と、この電解槽の陽極室で生成された酸
    性水を陽イオン交換樹脂を充填した容器に導く配管とを
    備え、前記陽極室は陰イオン透過膜にて画成され、前記
    陰極室は陽イオン透過膜にて画成され、これら陰イオン
    透過膜と陽イオン透過膜の間に電解質が供給される中間
    室が形成されることを特徴とする陽イオン交換樹脂の再
    生装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の陽イオン交換樹脂の再
    生装置において、前記中間室から導出した水を中間室に
    戻す配管が設けられ、この配管の途中に電解質を供給す
    る電解質供給室を設けたことを特徴とする陽イオン交換
    樹脂の再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の陽イオン交換樹脂の再
    生装置において、前記陽極室で生成された酸性水を陽イ
    オン交換樹脂を充填した容器に導く配管の途中に、酸性
    水を貯留する酸性水室を設けたことを特徴とする陽イオ
    ン交換樹脂の再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の陽イオン交換樹脂の再
    生装置において、前記陰極室から導出したアルカリ水を
    陰極室に戻す配管を設け、この配管の途中にアルカリ水
    のpH上昇を抑制するためのアルカリ水室を設けたこと
    を特徴とする陽イオン交換樹脂の再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の陽イオン交換樹脂の再
    生装置において、前記陽イオン交換樹脂を充填した容器
    は陽極室から導出した酸性水を陽極室に戻す配管の途中
    に接続されることを特徴とする陽イオン交換樹脂の再生
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8に記載の陽イオン
    交換樹脂の再生装置において、前記容器内に充填される
    陽イオン交換樹脂は、官能基末端型が水素型であること
    を特徴とする陽イオン交換樹脂の再生装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項8に記載の陽イオ
    ン交換樹脂の再生装置において、前記容器内に充填され
    る陽イオン交換樹脂は、弱酸性型陽イオン交換樹脂また
    はキレート樹脂であることを特徴とする陽イオン交換樹
    脂の再生装置。
  11. 【請求項11】 陽極室と陰極室と隔膜を備えた電解槽
    により水道水を電気分解し、陽極室で得られた酸性水
    を、使用済みの陽イオン交換樹脂の容器に導いて内部に
    充填した陽イオン交換樹脂と接触させて再生を行う陽イ
    オン交換樹脂の再生方法において、前記電解槽の陰極室
    で電気分解によって生成される水を循環し、前記容器内
    の陽イオン交換樹脂に導く陽極室からの酸性水をpH2
    以下にすることを特徴とする陽イオン交換樹脂の再生方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の陽イオン交換樹脂
    の再生方法において、前記電解槽で電気分解により陽極
    室で生成される水をも循環することを特徴とする陽イオ
    ン交換樹脂の再生方法。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の陽イオン交換樹脂
    の再生方法において、循環する前記電解槽の陰極室で生
    成される水に電解質を添加することを特徴とする陽イオ
    ン交換樹脂の再生方法。
  14. 【請求項14】 陰イオン透過膜にて画成された陽極室
    と陽イオン透過膜で画成された陰極室を備えた電解槽に
    より水道水を電気分解し、陽極室で得られた酸性水を、
    使用済みの陽イオン交換樹脂の容器に導いて内部に充填
    した陽イオン交換樹脂と接触させて再生を行うことを特
    徴とする陽イオン交換樹脂の再生方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の陽イオン交換樹脂
    の再生方法において、前記陰イオン透過膜と陽イオン透
    過膜との間に形成される中間室に電解質を添加すること
    を特徴とする陽イオン交換樹脂の再生方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の陽イオン交換樹脂
    の再生方法において、前記陽極室内で生成された酸性水
    を循環せしめることでpHを低下せしめ、このpHが低
    下した酸性水を陽イオン交換樹脂を充填した容器に導く
    ことを特徴とする陽イオン交換樹脂の再生方法。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の陽イオン交換樹脂
    の再生方法において、前記陰極室内で生成されたアルカ
    リ水に酸を添加することでアルカリ水のpHの上昇を抑
    制することを特徴とする陽イオン交換樹脂の再生方法。
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