JP2016120458A - 水素型陽イオン交換樹脂の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水の電解により生成した水素イオン含有水により水素型陽イオン交換樹脂を再生する場合において、水素型陽イオン交換樹脂の再生効率を高める。【解決手段】イオン透過性を有する隔膜13により陽極11を有する陽極室14と陰極12を有する陰極室15とに区画された水槽10に水道水を貯留するとともに、再生処理が必要な水素型陽イオン交換樹脂群16を陽極室14に配置する。陽極11と陰極12との間に電流を流して水槽10に貯留された水道水を電解しながら、陽極室14で生成した酸性水を第1循環経路50を通じて循環させ、また、陰極室15で生成したアルカリ水を第2循環経路60を通じて循環させる。水素型陽イオン交換樹脂群16は、循環する酸性水に含まれる水素イオンとイオン交換し、再生される。【選択図】図1

Description

本発明は、陽イオン交換樹脂の再生方法、特に、水素型陽イオン交換樹脂の再生方法に関する。
水素型陽イオン交換樹脂は、交換基としてスルホン酸基(−SOH)やカルボン酸基(−COOH)などの酸基を有するものであり、水中において、対イオンである水素イオンを他の陽イオン(例えば、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなど。)と交換可能であるが、イオン交換が進むことで対イオンが減少するとイオン交換能が低下することから、適時に再生して再利用する必要がある。
水素型陽イオン交換樹脂の再生方法として、通常、塩酸または硫酸水溶液を用いて水素型陽イオン交換樹脂を処理する方法が知られている。しかし、このような再生方法は、再生処理に用いた塩酸または硫酸水溶液が廃液となることから、その処理設備が必要になる。
そこで、水の電解により水素イオンを含む電解液を製造し、この電解液を水素型陽イオン交換樹脂の再生液として用いる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、陰イオン交換膜を隔膜として用いることで陰極室と陽極室とに区画された電解槽において水を電解し、それにより生成した水素イオンを含む再生水を水素型陽イオン交換樹脂が充填されたイオン交換槽に通して水素型陽イオン交換樹脂を再生する方法が記載されている。
この方法は、イオン交換槽を通過した再生水を電解槽の陰極室へ循環させている。このとき、再生水に含まれる、水素型陽イオン交換樹脂から離脱したカルシウムイオンやマグネシウムイオンは、隔膜により陽極室へ透過するのが防止され、陰極室に留まる。しかし、水の電解により陰極室で生成した水酸化物イオン(OH)は隔膜を透過して陽極室へ移動することから、再生水において水素イオン濃度が高まりにくく、結果的にこの方法では水素型陽イオン交換樹脂の再生効率を高めにくい。
特開2003−53339号公報
本発明は、水の電解により生成した水素イオン含有水により水素型陽イオン交換樹脂を再生する場合において、水素型陽イオン交換樹脂の再生効率を高めようとするものである。
本発明は、水素型陽イオン交換樹脂の再生方法に関するものであり、この再生方法は、イオン透過性を有する隔膜により陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とに区画された水槽に水を貯留するとともに、再生処理が必要な水素型陽イオン交換樹脂を陽極室に配置する工程1と、陽極と陰極との間に電流を流すことで水槽に貯留された水を電解する工程2とを含む。工程2では、水槽に貯留された水を陽極室および陰極室のそれぞれにおいて循環させる。
この再生方法では、陽極と陰極との間に電流を流すことで水槽に貯留された水が電解され、陽極室側では水素イオンを含む酸性水が生成し、また、陰極室側では水酸化物イオンを含むアルカリ水が生成する。陽極室で生成した酸性水は、陽極室で循環することから、水素イオンが隔膜を透過して陰極室側へ移動しにくく、水素イオン濃度が維持されやすくなる。一方、陰極室で生成したアルカリ水は、陰極室で循環することから、水素化物イオンが隔膜を透過して陽極室側へ移動しにくく、水素化物イオン濃度が維持されやすくなる。この結果、陽極室に配置された、再生処理が必要な水素型陽イオン交換樹脂は、イオン交換により吸着していたカルシウムイオンなどの陽イオンが酸性水に含まれる水素イオンと効率的に交換され、再生される。
本発明に係る再生方法では、例えば、陽極室において循環する水および陰極室において循環する水のうちの少なくとも一方に炭酸ガスを供給することができる。この場合、供給した炭酸ガスが陰イオンである炭酸水素イオン(HCO )となり、当該イオンが水素型陽イオン交換樹脂からカルシウムイオンなどの陽イオンが離脱するのを促進することから、水型陽イオン交換樹脂の再生効率をより高めることができる。
他の観点に係る本発明は、水素型陽イオン交換樹脂を用いたイオン交換水の製造装置に関するものである。この製造装置は、水槽、水槽内に配置された陽極および陰極、陽極を有しかつ水素型陽イオン交換樹脂が配置された陽極室と陰極を有する陰極室とに水槽を区画するための、イオン透過性を有する隔膜、水槽に水を供給するための、止水可能な給水経路、水槽から水を廃棄するための、閉鎖可能な廃棄経路、陽極室から水を排水するための、閉鎖可能な排水経路、陽極室から水槽の外部に水を誘導して陽極室へ循環させるための第1循環経路、陰極室から水槽の外部に水を誘導して陰極室へ循環させるための第2循環経路、および、陽極と陰極との間に電流を流すための電源装置とを備えている。
この製造装置において、廃棄経路を閉鎖して給水経路から水槽に水を供給すると、この水は陽極室に配置された水素型陽イオン交換樹脂により処理され、排水経路から排出される。このとき、水に含まれるカルシウムイオンなどの陽イオンは、水素型陽イオン交換樹脂の水素イオンと交換される。したがって、排水経路からは、カルシウムイオンなどの陽イオンが取り除かれたイオン交換水が得られる。
水素型陽イオン交換樹脂のイオン交換能が低下したとき、給水経路を閉鎖して水の供給を停止するとともに排水経路を閉鎖し、電源装置により陽極と陰極との間に電流を流す。これにより、水槽内の水が電解され、陽極室側では水素イオンを含む酸性水が生成し、また、陰極室側では水酸化物イオンを含むアルカリ水が生成する。そして、陽極室の酸性水は、第1循環経路を循環することから、水素イオンが隔膜を透過して陰極室側へ移動しにくく、水素イオン濃度が維持されやすくなる。一方、陰極室のアルカリ水は、第2循環経路を循環することから、水素化物イオンが隔膜を透過して陽極室側へ移動しにくく、水素化物イオン濃度が維持されやすくなる。この結果、陽極室に配置された水素型陽イオン交換樹脂は、イオン交換により吸着していたカルシウムイオンなどの陽イオンが酸性水に含まれる水素イオンと効率的に交換され、再生される。再生終了後、廃棄経路を開放して水槽の水を廃棄してから廃棄経路を閉鎖し、供給経路および排水経路を開放すると、供給経路からの水は、水槽に供給され、再生された水素型陽イオン交換樹脂により処理されることでイオン交換水として排水経路から排出される。
この製造装置は、例えば、水槽の水平断面が円形または多角形であるとともに陽極および陰極が棒状の電極であり、かつ、隔膜が陰極を囲む筒状に形成されている。この場合、この製造装置は小型化が容易である。
また、この製造装置は、例えば、第1循環経路および第2循環経路のうちの少なくとも一つが水に対する炭酸ガスの供給装置を有している。この場合、供給した炭酸ガスが水中に溶解して炭酸水素イオン(HCO )が生成し、当該イオンが水素型陽イオン交換樹脂からカルシウムイオンなどの陽イオンが離脱するのを促進することから、水型陽イオン交換樹脂の再生効率をより高めることができる。
本発明に係る水素型陽イオン交換樹脂の再生方法は、水の電解により生成した水素イオン含有水により水素型陽イオン交換樹脂を再生する場合において、水素型陽イオン交換樹脂の再生効率を高めることができる。
本発明に係るイオン交換水の製造装置は、水槽へ供給した水に含まれるカルシウムなどの陽イオンを水槽内に配置された水素型陽イオン交換樹脂によりイオン交換することでイオン交換水を製造することができ、また、水素型陽イオン交換樹脂のイオン交換能が低下したとき、同じ水槽内において、水を電解することで生成した水素イオン含有水により水素型陽イオン交換樹脂を効率的に再生することができる。
本発明に係るイオン交換水の製造装置の一形態の概略図。 前記製造装置において用いられる水槽の変更例の平面概略図。 実験例において用いた試験装置の概略図。 実験例の再生試験1、2の結果を示すグラフ。
図1を参照して、本発明に係るイオン交換水の製造装置の一形態を説明する。図において、製造装置1は、水道水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンを水素型陽イオン交換樹脂により水素イオンと交換したイオン交換水を製造するためのものであり、水槽10、給水経路20、廃棄経路30、排水経路40、第1循環経路50、第2循環経路60および電源装置70を主に備えている。
水槽10は、水平方向の断面形状が円形に形成された容器であり、内部に陽極11と陰極12とを有している。陽極11の材料は特に限定されるものではないが、水の電解時に溶解しない不溶性材料、例えば、チタンを芯材とし、この芯材の表面を白金メッキまたは酸化イリジウム処理したものが好ましい。陰極12は、水の電解時に水素を発生し得る材料からなるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、陽極と同じ不溶性材料を用いることができ、また、ステンレス(例えば、SUS304、SUS316またはSUS316Lなど。)、鉄または炭素であってもよい。
陽極11および陰極12は、いずれも円筒形の棒状に形成されており、水槽10内において起立状体で配置されている。陰極11および陰極12は、上述の材料からなるメッシュ状に形成されていてもよい。陰極12は、それよりも径が大きな円筒状の隔膜13により全体が囲まれている。隔膜13は、陽イオンおよび陰イオンの両方のイオン透過性を有するものであり、それらのイオンを透過させるための微孔の形成が可能であり、かつ、耐酸化性を有する素材からなるもの、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデンまたはポリテトラフルオロエチレンを用いて形成されたものである。また、隔膜13は、水槽10内の水流を受けて容易に変形しないよう、円環状の部材を平行に多段に筒状に配列することで形成した骨格(図示省略)に対して内周面が固定されている。この隔膜13により水槽10内は、隔膜13の外部空間に当たる、陽極11を有する陽極室14と、隔膜13の内部空間に当たる、陰極12を有する陰極室15とに区画されている。
水槽10の陽極室14は、粒子状の水素型陽イオン交換樹脂群16が配置されている。ここで利用可能な水素型陽イオン交換樹脂は、交換基としてスルホン酸基(−SOH)やカルボン酸基(−COOH)などの酸基を有するものであり、水中において対イオンである水素イオンを他の陽イオン(例えば、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなど。)と交換可能なものである。
水槽10は、水素型陽イオン交換樹脂群16の漏出を防止するためのシート状フイルター17が底部に配置されており、また、内圧を大気圧と均衡させるための通気孔(図示省略)を上部に有している。
水槽10は、その貯水可能量に対して陽極室14に配置する水素型陽イオン交換樹脂群16の容量が多い場合、耐酸性素材を用いて形成した微細目のネット状または不織布状のカバーで陽極11の外周面を保護するのが好ましい。
給水経路20は、水槽10に対して水道水を供給するためのものであり、水槽10の上部から底部に延び、先端部21が陽極室14内において底部付近で水平方向に屈曲している。先端部21は、多数の噴水孔(図示省略)を有しており、この噴水孔から水道水を噴出可能である。また、給水経路20は、水道水の送水と止水とを制御するための給水制御弁22を有している。
廃棄経路30は、水槽10内の水を外部に廃棄するための経路であり、水の廃棄を制御するための廃棄制御弁31を有している。
排水経路40は、水槽10内で生成したイオン交換水を容器10外へ送り出すための経路であり、陽極室14において水槽10の側壁の上部から突出しており、イオン交換水の利用部へイオン交換水を送るための給水系統に連結可能である。水槽10において、排水経路40の連絡部は、水素型陽イオン交換樹脂群16の漏出を防止するためのフイルター(図示省略)が配置されている。また、排水経路40は、流路切換弁41を有しており、この流路切換弁41から第1循環経路50が延びている。流路切換弁41は、水槽10からの水の流通方向を給水系統への方向と第1循環経路50への方向とのいずれかに切換えるためのものである。
第1循環経路50は、第1炭酸ガス供給部51と第1送水ポンプ52とをこの順に有し、末端部が給水制御弁22の下流側において給水経路20に連絡している。第1炭酸ガス供給部51は、炭酸ガスボンベ(図示省略)に連絡しており、第1循環経路50を流れる水に対して炭酸ガスを供給するためのものである。
第2循環経路60は、陰極室15の底部から容器10の外部へ延びており、第2炭酸ガス供給部61と第2送水ポンプ62とをこの順に有し、末端部が陰極室15の上部に連絡している。第2炭酸ガス供給部61は、炭酸ガスボンベ(図示省略)に連絡しており、第2循環経路60を流れる水に対して炭酸ガスを供給するためのものである。
第1炭酸ガス供給部51および第2炭酸ガス供給部61は、例えば、水中に炭酸ガスを分散・溶解させやすい半透膜モジュールまたは螺旋溶解機を用いたものである。
電源装置70は、陽極11と陰極12とに接続されており、両電極間に電圧を印加して電流を流すためのものである。
製造装置1は、水槽10の水平断面が円形に形成されており、また、陽極11、陰極12および隔膜13が円筒状に形成されていることから、全体として小型化が容易である。
次に、製造装置1の動作を説明する。
製造装置1によりイオン交換水を製造する場合は、製造装置1をイオン交換水の製造動作に設定する。ここでは、電源装置70を停止した状態で廃棄制御弁31を閉鎖するとともに流路切換弁41をイオン交換水の利用部方向に切換え、給水制御弁22を開放する。これにより、水道水が給水経路20を流れ、その先端部21の噴水孔から水槽10内へ連続的に噴出する。この結果、水槽10内の全体において水道水の水位が上昇し、この水道水は排水経路40へ溢れて流れ出る。
ここで、水槽10内へ供給された水道水は、陽極室14内に配置された水素型陽イオン交換樹脂群16に接触しながら排水経路40へ流れる。このとき、水道水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンは、水素型陽イオン交換樹脂群16の対イオンである水素イオンと交換される。すなわち、水道水は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンが水素型陽イオン交換樹脂群16において捕捉されることで除去されたイオン交換水に変換され、排水経路40から利用部への給水系統に供給される。なお、排水経路40から給水系統へ流れるイオン交換水の流量は、給水経路20から水槽10へ供給する水道水の流量を給水制御弁22により制御することで制御することができる。
イオン交換水の製造量が増加するに従い、水素型陽イオン交換樹脂群16は対イオンである水素イオンが減少することからイオン交換能が低下する。また、水素型陽イオン交換樹脂群16は、水道水に不純物として含まれる微量の有機物が付着し、これを原因とするイオン交換能の低下も進行し得る。そこで、製造装置1は、適時に水素型陽イオン交換樹脂群16の再生動作に切換える。
再生動作への切替えでは、給水制御弁22を閉鎖し、水槽10への水道水の供給を停止する。また、流路切換弁41を第1循環経路50方向に切換えるとともに、第1送水ポンプ52、第2送水ポンプ62および電源装置70を作動させる。これにより、陽極室14の水は、第1送水ポンプ52により吸引され、排水経路40から第1循環経路50を経由して給水経路20へ流れ、陽極室14に循環する。一方、陰極室15の水は、第2送水ポンプ62により陰極室15の底部から吸引され、第2循環経路60を流れて陰極室15の上部へ循環する。
また、電源装置70の作動により、陽極11と陰極12との間に電流が流れ、水槽10内の水が電解される。これにより、陽極11側において水素イオンが生成し、それによって酸性水が生成するとともに酸素が発生する。生成した酸性水は、先述の通り、陽極室14から第1循環経路50へ流れて循環する。このとき、水槽10内の水の電解が進行することで、循環する酸性水のpHは通常4.0未満に低下する。一方、陰極12側において水酸化物イオンが生成し、それによってアルカリ水が生成するとともに水素が発生する。生成したアルカリ水は、先述の通り、陰極室15から第2循環経路60へ流れて循環する。
陽極室14において、水素型陽イオン交換樹脂群16は、循環する酸性水により攪拌され、水素型陽イオン交換樹脂群16に捕捉されたカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンが酸性水中の水素イオンと交換される。これにより、水素型陽イオン交換樹脂群16は再生される。
電解により生成した酸性水およびアルカリ水は、それぞれ第1循環経路50および第2循環経路60を循環することから、酸性水の水素イオンは陰極室15側へ透過しにくく、また、アルカリ水の水酸化物イオンは陽極室14側へ透過しにくい。特に、本実施の形態では、第2循環経路60に第2送水ポンプ62を配置し、この第2送水ポンプ62により陰極室15の水を吸引して循環させていることから、陰極室15が負圧となり、アルカリ水中の水酸化物イオンは陽極室14側へ透過しにくい。したがって、陽極室14において酸性水のpHは低下した状態で安定しやすく、水素型陽イオン交換樹脂群16の再生効率が高まる。
水素型陽イオン交換樹脂群16に付着した有機物は、水が電解されるのとともに酸化分解され得る。このような電解酸化分解により、水素型陽イオン交換樹脂群16は付着した有機物が除去され得ることから、その点においても水素型陽イオン交換樹脂群16はイオン交換能が回復する。
上述の製造装置1は、再生動作中において、第1循環経路50を循環する酸性水および第2循環経路60を循環するアルカリ水に対し、それぞれ、第1炭酸ガス供給部51および第2炭酸ガス供給部52から炭酸ガスを供給して溶解させることができる。この場合、酸性水およびアルカリ水に溶解した炭酸ガスは陰イオンである炭酸水素イオン(HCO )に変換される。この結果、水素型陽イオン交換樹脂群16は、捕捉したカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンの離脱がより促進され、これらの陽イオンが水素イオンとより交換されやすくなることから、再生効率がさらに高まる。
上述の実施の形態に係る製造装置1は、水槽20の水平方向の断面形状を円形に形成することで小型化を容易にしているが、同断面形状を多角形に形成した場合においても同様に小型化を図ることができる。また、陽極11および陰極12は、中実の棒状(例えば、円柱状や角柱状など。)に形成されていてもよい。
製造装置1の水槽10は、例えば、図2に示すように変更することもできる。この変更例の水槽10は、水平方向の断面形状が円形に形成された容器であり、その内壁と間隔を設けて円筒状の陽極11が配置されている。また、陽極11の内壁と間隔を設けて円筒状の隔膜13が配置されており、この隔膜13の内壁と間隔を設けて円筒状の陰極12が配置されている。この水槽10は、隔膜13の外側部分であって、水槽10の内壁までの空間の全体が陽極室14となり、また、隔膜13の内側部分の空間の全体が陰極室15となる。水槽10をこのように変更した場合、製造装置1はより小型化が容易になる。この変更例の場合、水槽10、陽極11、隔膜13および陰極12は、水平方向の断面形状を多角形に形成することもできる。また、陰極12は、中実の棒状(例えば、円柱状や角柱状など。)であってもよい。
また、製造装置1は、再生動作時において循環中の酸性水およびアルカリ水のそれぞれに対して炭酸ガスを供給可能であるが、酸性水またはアルカリ水のいずれか一方のみに炭酸ガスを供給するよう変更することもできる。
[実験例]
下記の仕様の試験装置を作成し、この試験装置を用いて水素型陽イオン交換樹脂の再生試験を実施した。
<試験装置>
試験装置Aは、図3に示すように、電解槽B、第1循環経路C、第2循環経路Dを備えている。電解槽Bは、一方の端部に配置された陽極B1(白金メッキを施したチタン板)、他方の端部に配置された陰極B2(白金メッキを施したチタン板)および電解槽Bの内部を陽極室B3と陰極室B4とに区画するためのイオン透過性の隔膜B5を有しており、水道水を貯留している。ここで用いた隔膜B5は、ポリエチレンテレフタレート樹脂繊維を用いて形成したシート状の骨格に対し、ポリフッ化ビニリデン樹脂製の膜を配置したものである。陽極B1および陰極B2は、これらの電極間に電流を流すための電源装置(図示省略)が接続されている。
第1循環経路Cは、陽極室B3で生成した酸性水を貯留するための第1貯水槽C1(容量5L)と、第1貯水槽C1に貯留された酸性水を陽極室B3へ戻すための送還経路C3とを有している。送還経路C3は、陽極室B3の水道水を第1貯水槽C1および送還経路C3の順に循環させるための第1ポンプC2を有するとともに、二経路に分岐しており、一方の分岐経路C4は陽極室B3に連絡し、他方の分岐経路C5は水素型陽イオン交換樹の再生処理槽E(容量:3L)に連絡している。再生処理槽Eは、環流経路C3からの酸性液を陽極槽B3へ戻すための流路E1を有している。第2循環経路Dは、陰極室B4で生成したアルカリ水を貯留するための第2貯水槽D1(容量5L)と、第2貯水槽D1に貯留されたアルカリ水を陰極室B4へ戻すための送還経路D3を有している。送還経路D3は、陰極室B4の水道水を第2貯水槽D1および送還経路D3の順に循環させるための第2ポンプD2を有するとともに、炭酸ガス供給装置D4を有している。炭酸ガス供給装置D4は、陰極室B4へ送還するアルカリ水に対し、炭酸ガスボンベ(図示省略)から炭酸ガスを供給して溶解させるためのものであり、炭酸ガスの溶解性を高めるために半透膜モジュールを用いたものである。
再生試験1
濃度1,390mg/Lの塩化カルシウム水溶液17Lを予め通水しておくことでイオン交換能が低下した水素型陽イオン交換樹脂(ダウケミカル社の商品名「ダウエックスMAC−3」)0.5Lを再生処理槽Eに収容し、この水素型陽イオン交換樹脂を再生処理した。この際、陽極B1と陰極B2との間に電源装置により18Vの一定電圧を印加し、0.6〜1.0Aの電流を流すことで電解槽Bの水道水を電解した。第1循環経路Cは、第1貯水槽C1を経由して分岐経路C4から陽極室B3へ循環する酸性水の流量を2.5L/分、再生処理槽Eから流路E1を通じて陽極室B3へ循環する酸性水の流量を0.5L/分に設定した。第2循環経路Dは、第2貯水槽D1を経由して送還経路D3から陰極室B4へ循環するアルカリ水の流量を3.0L/分に設定した。第2循環経路Dを循環するアルカリ水に対し、炭酸ガス供給装置D4から炭酸ガスは供給しなかった。
この再生試験において、第1循環経路Cを循環する酸性水は、電解槽Bにおいて水道水の電解が進行することでpHが低下し、再生処理槽Eの水素型陽イオン交換樹脂は循環する酸性水の一部が通過することで再生処理される。
再生試験2
第2循環経路Dを循環するアルカリ水に対して炭酸ガス供給装置D4から炭酸ガスを連続供給した点を除き、再生試験1で用いたものと同じ水素型陽イオン交換樹脂を再生試験1と同様に再生処理した。なお、炭酸ガスは、循環するアルカリ水中において炭酸ガス気泡が発生しないよう、半透膜モジュールの入口側の圧力が0.05〜0.06MPaになり、かつ、同モジュールの出口側の圧力が0.00MPaになるよう供給圧力を制御した。
再生試験1、2の評価
再生試験1、2での水素型陽イオン交換樹脂の再生処理過程において、分岐経路C5から再生処理槽Eへ供給される酸性水のpHを一定時間毎に調べたところ、酸性水のpHは経時的に低下していた。また、再生処理槽Eを通過して流路E1から陽極室B3へ流れる酸性水中の溶出硬度(mg/L)を上記pHの測定時点で調べた結果を表1および図4(表1をグラフ化したもの)に示す。
ここで、酸性水のpHは、HANNA Instruments社の簡易型pHテスター(品番:HI 98106 Champ)を用いて測定し、また、溶出硬度は、株式会社共立理化学研究所の商品名「ドロップテスト 全硬度 WAD−TH」を用いて測定した。
Figure 2016120458
再生試験1に関してpH4.1の溶出硬度の測定結果が3つあるのは、同試験の場合にpHが4.1未満に低下しなかったことを示している。また、再生試験2に関してpH4.1の溶出硬度の測定結果が2つあるのは、同試験の場合にpHが4.1から4.0へ低下するのに時間を要したことを示している。表1および図4によると、陽極室B3で生成した酸性水を循環しながら電解槽Bに貯留した水道水を電解すると、酸性水のpHが4.1付近まで順調に低下することがわかる。また、酸性水のpH低下に従って酸性水中の溶出硬度が増加していることから、酸性水のpH低下に従って水素型陽イオン交換樹脂の再生が進行していることがわかる。さらに、再生試験1と再生試験2との結果を対比すると、循環するアルカリ水に炭酸ガスを供給・溶解することで水素型陽イオン交換樹脂が再生されやすくなるとともに、酸性水のpHがより低下することから、水素型陽イオン交換樹脂の再生効率が高まることがわかる。
1 製造装置
10 水槽
11 陽極
12 陰極
13 隔膜
14 陽極室
15 陰極室
16 水素型陽イオン交換樹脂群
20 給水経路
30 廃棄経路
40 排水経路
50 第1循環経路
51 第1炭酸ガス供給部
60 第2循環経路
61 第2炭酸ガス供給部
70 電源装置

Claims (5)

  1. イオン透過性を有する隔膜により陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とに区画された水槽に水を貯留するとともに、再生処理が必要な水素型陽イオン交換樹脂を前記陽極室に配置する工程1と、
    前記陽極と前記陰極との間に電流を流すことで前記水槽に貯留された水を電解する工程2とを含み、
    工程2において、前記水槽に貯留された水を前記陽極室および前記陰極室のそれぞれにおいて循環させる、
    水素型陽イオン交換樹脂の再生方法。
  2. 前記陽極室において循環する前記水および前記陰極室において循環する前記水のうちの少なくとも一方に炭酸ガスを供給する、請求項1に記載の水素型陽イオン交換樹脂の再生方法。
  3. 水素型陽イオン交換樹脂を用いたイオン交換水の製造装置であって、
    水槽と、
    前記水槽内に配置された陽極および陰極と、
    前記陽極を有しかつ前記水素型陽イオン交換樹脂が配置された陽極室と、前記陰極を有する陰極室とに前記水槽を区画するための、イオン透過性を有する隔膜と、
    前記水槽に前記水を供給するための、止水可能な給水経路と、
    前記水槽から前記水を廃棄するための、閉鎖可能な廃棄経路と、
    前記陽極室から前記水を排水するための、閉鎖可能な排水経路と、
    前記陽極室から前記水槽の外部に前記水を誘導して前記陽極室へ循環させるための第1循環経路と、
    前記陰極室から前記水槽の外部に前記水を誘導して前記陰極室へ循環させるための第2循環経路と、
    前記陽極と前記陰極との間に電流を流すための電源装置と、
    を備えたイオン交換水の製造装置。
  4. 前記水槽は水平断面が円形または多角形であるとともに前記陽極および前記陰極が棒状の電極であり、かつ、前記隔膜が前記陰極を囲む筒状に形成されている、請求項3に記載のイオン交換水の製造装置。
  5. 前記第1循環経路および前記第2循環経路のうちの少なくとも一つが前記水に対する炭酸ガスの供給装置を有している、請求項3または4に記載のイオン交換水の製造装置。
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