JP2001246381A - アルカリイオン水の製造方法及び装置 - Google Patents

アルカリイオン水の製造方法及び装置

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JP2001246381A
JP2001246381A JP2000058735A JP2000058735A JP2001246381A JP 2001246381 A JP2001246381 A JP 2001246381A JP 2000058735 A JP2000058735 A JP 2000058735A JP 2000058735 A JP2000058735 A JP 2000058735A JP 2001246381 A JP2001246381 A JP 2001246381A
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Sanjiro Fukuyama
賛次郎 福山
Masaharu Iwamatsu
正治 岩松
Takumi Horie
巧 堀江
Satoru Miyamoto
悟 宮本
Takami Shibuya
貴美 澁谷
Nobuhiko Takeshita
暢彦 竹下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長時間、連続的に運転した場合も、電圧が上昇
せず、陽極水の排出、交換の必要がなく、かつ陽極水へ
の陽イオンの補充も容易に行うことのできるアルカリイ
オン水の製造方法及び装置を提供する。 【解決手段】 隔膜で区画された陽極室及び陰極室を有
する電解槽の陰極室に原水を供給して電解することによ
り、陰極室にアルカリイオン水を製造する方法におい
て、電解により陽極室に生成した酸性水を取り出し、固
形のアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する塩
基を収容した中和槽を通過させた後に陽極室に循環、供
給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長時間、連続的に
ほとんどメンテナンスフリーで運転できるアルカリイオ
ン水の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電極を有する密閉した電解槽により、水
道水などの原水を電気分解して製造されたアルカリイオ
ン水は、ミネラル分を多く含み、近年の健康指向の高ま
りとともに注目され、そのための電解装置もひろく製
造、販売されている。
【0003】この電解装置は、陽極、陰極からなる電極
間を隔膜で仕切って形成される電解槽に原水を供給し
て、直流電圧を印加することにより、陰極室にアルカリ
イオン水及び陽極室に酸性水を得るものである。陽極室
に得られる酸性水は、水素イオンを多く含み酸性を有す
るため、医療水、殺菌水、化粧水としてそれなりの有用
性があるが、陰極室から得られるアルカリイオンとほぼ
同量生成されるので、特に家庭用の場合には、ほぼ捨て
られているのが実状である。この場合、原水のほぼ半分
は、無駄になり、節水性の点から問題になるとともに、
酸性水を廃棄する場合の連続式の電解槽においては、廃
棄するための設備などが必要とされる場合がある。
【0004】このために、電解槽の陰極室のみに原水を
供給し、陽極室には原水を供給せず、陽極室には生成さ
れる酸性水を捨てることなく、この酸性水を循環使用す
る方式が特公平4−76752号公報、特開平9−22
0572号公報などに提案されている。これらの方式の
場合、電解槽の陽極室における酸性水は、陽極室から陽
極室を通じて循環されており、従来の如く捨て水をする
ことがなく有利である。この節水型の電解槽の場合に
は、酸性水を循環している間に、次第に陽イオンが減少
していくために、電圧が上昇することになるので、これ
を防止するために乳酸カルシウムやグリセロリン酸カル
シウムなどの固形の陽イオン補給剤を添加し、上記陽イ
オンの補充を行っている。
【0005】しかしながら、このような陽極水を循環す
る従来の電解槽においては、粒状の乳酸カルシウムを循
環する酸性水に添加することにより陽イオンを補充する
場合には、粒状の乳酸カルシウムの溶解速度は必ずしも
大きくなく、溶解を促進するために特別な工夫が必要で
あった。加えて、かかる節水型の電解槽を連続して長時
間にわたって運転する場合には、上記陽イオンの補充に
も拘らず、次第に電圧が上昇していき、電解効率が大幅
に低下していき、実用的運転が困難になるという現象が
起こることが判明した。この現象の原因は明らかではな
いが、このような場合には、循環する陽極水の一部又は
全部を廃棄し、新たな原水と交換することにより解決で
きるが、電解槽の運転の中断とともにその手間が煩雑で
あり、実用的でなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した陽極水を循環させる節水型のアルカリイオンの製造
する方式で、陽極水に陽イオンの補充を容易に行うこと
のでき、更には、長時間、連続的に運転した場合も、電
圧が上昇せず、電解効率の低下を起こさず,陽極水の排
出、交換の必要がなく、アルカリイオン水を製造する方
法及びそのための装置を提供することにある。
【0007】更に本発明の目的は、連続長時間の運転に
より電解槽の循環する陽極水の量が少なくなった場合に
それを容易に補給でき、同時に電解槽の陰極室及び隔膜
に堆積し、電解効率の低下や圧損の増加の原因となる付
着物、雑菌、カビなどを容易に溶解除去できるアルカリ
イオン水を製造する方法及び装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、隔膜で区画さ
れた陽極室及び陰極室を有する電解槽の陰極室に原水を
供給して電解することにより、陰極室にアルカリイオン
水を製造する方法において、電解により陽極室に生成し
た酸性水を取り出し、固形のアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属を含有する塩基物質を収容した中和槽を通過
させた後に陽極室に循環、供給することを特徴とするア
ルカリイオン水の製造方法にある。
【0009】また、本発明は、上記アルカリイオン水の
製造方法を実施するための装置であって、隔膜で区画さ
れた陽極室及び陰極室を有する電解槽と、固形のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を含有する塩基物質を収
容した中和槽と、四方切替弁とを備え、前記四方切替弁
の第1モードにより、電解される原水を前記電解槽の陰
極室に供給し、かつ電解により陽極室に生成した酸性水
を取り出し、前記中和槽を通過させた後に陽極室に循
環、供給し、前記四方切替弁の第2モードにより、電解
される原水を一時的に前記電解槽の陽極室に供給し、か
つ電解により陽極室に生成した酸性水を取り出し、前記
中和槽を通過させた後に一時的に陰極室に循環、供給す
るようにしたことを特徴とするアルカリイオン水の製造
装置にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、更に詳しく説明されるよ
うに、本発明によれば、上記の本発明の目的が十分に達
されるが、本発明者の知見によると、上記陽極水を循環
する電解槽における長期連続運転による電圧上昇や電解
効率の低下は、連続運転により陽極近傍に次第に塩酸や
次亜塩素酸などの酸性物質が蓄積していくことに起因す
ることが判明した。即ち、長時間の電解により、陽極近
傍における酸性物質のイオン濃度が大きくなり過ぎる
と、これらの各イオンは水和物を形成しているために自
由な水分子が少なくなり、各イオンの移動が阻害され、
同時に、上記陽極近傍における酸性物質の濃度の増大
は、該酸性物質による陽極表面の劣化を招き、陽極過電
圧が上昇する結果、電圧上昇や電解効率の低下をもたら
すものと思われる。
【0011】本発明では、そのために陽極水を循環する
過程で、かかる酸性物質を中和するために塩基物質と接
触させることで上記問題が解決できることを見出した。
同時に、かかる陽極水中の酸性物質を中和する塩基とし
て、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有する塩基
物質を使用した場合には、陽極水に陽イオンを補給する
陽イオン補給物質としても働くので極めて有利なことが
判明した。
【0012】上記とアルカリ金属又はアルカリ土類金属
を含有する塩基物質は、水溶液などの液状としても使用
できるが、粉末乃至粒状の固形状態で使用するのが好ま
しく、この場合には、添加量を制御するための特別な添
加設備も必要なく、循環中に陽極水を上記固形の塩基を
接触させるだけで目的の所望量の酸性物質の中和及び陽
イオンの補給が達成できる。それは、陽極水に含まれる
酸性物質に応じて固形の塩基との反応量が自動的に制御
され、酸性物質が多いほど塩基との反応が進み、酸性物
質が中和され、減少するとともに、同時に反応により陽
イオンが補給されることになる。
【0013】アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有
する塩基物質としては、上記目的にかなう限り、いずれ
のものも使用できるが、なかでも、陽極水に補給され、
最終的には、アルカリイオン水に供給されるミネラル分
となる陽イオンの性質、陽極水に含有し蓄積する酸性物
質との反応性などからして、水に溶かした場合に強アル
カリ性を示す弱酸塩が好ましく、特には、アルカリ土類
金属の炭酸塩、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウムなどが好ましい。なかでも、化石サンゴは、主成分
がカルシウムやマグネシウムの炭酸塩であり、有害物な
どを含むことがなく、従来から飲料水の浄化などにも使
用されたことがある天然の物資であり、また、その物理
的構造は、表面積の大きい多孔性構造を有しているた
め、陽極水との反応性が極めて良好であることから、上
記本発明の目的に最良であることが判明した。
【0014】図1は、本発明の製造方法及び装置の好ま
しい一実施態様を説明する概略図である。図1におい
て、矢印は、水の流れる方向を示している。本発明で電
解される原水は、水道管に接続されている水道水の蛇口
1を開けることによって、システム内へ原水が供給され
る。蛇口1には、切換弁(図示されない)を設置して、
水道水の出口流路をシステムへの供給とそれ以外への供
給の2系統に分岐することができる。
【0015】蛇口1から供給された原水は、必須ではな
いが、好ましくは浄水器2を通過される。浄水器2に
は、無数の細密孔を有するフィルター及び活性炭などが
充填されており、該浄水器2を通じて、原水中の不純物
やカルキ成分などがろ過される。浄水器2を通過した原
水は、必要に応じて設置される流路センサー3を経由し
て、四方切換弁5に供給される。
【0016】四方切換弁5は、必須ではないが、本発明
を実施する場合において有利である。四方切換弁5は、
第1モードと第2モードへの切換弁を有する。第1モー
ドでは、原水を電解槽6の陰極室7に供給し、電解によ
りアルカリイオン水を生成させ、かつ電解により陽極室
8に生成した酸性水を取り出し、中和槽9を通過させた
後に陽極室8に循環する。第2モードでは、原水を一時
的に前記電解槽6の陽極室8に供給し、かつ電解により
陽極室8に生成した酸性水を取り出し、前記中和槽9を
通過させた後に一時的に陰極室7に供給する。
【0017】電解槽6は、陰極10と陽極11を有し、
両電極は、隔膜12によって、陰極室7と陽極室8とに
区画されている。隔膜12には、ポリプロピレンなどの
高分子膜、表面にイオン交換樹脂を被覆し電解質を選択
的に透過させるようにした膜、更には無機の多孔膜やイ
オン交換膜などが使用される。隔膜13は、好ましく
は、原水の流れと平行になるように配置されている。電
解槽6の材質は、耐アルカリ性や耐酸性に優れた樹脂か
ら好ましくは形成される。また、陰極や陽極の電極の材
質としては、過電圧が小さく、かつ電解により劣化しに
くい不溶性のものが好ましく。例えばステンレスや白金
メッキされたチタン薄板などが使用される。また、電解
槽6は、複数の隔膜12や陰極10、陽極11をそれぞ
れ複数使用し、複数の陰極室7及び陽極室8を有する単
極型や複極型にして構成することができる。
【0018】上記四方切換弁5による第1モードでの運
転の場合、電解槽6の陽極室8内で陽極水は、循環ポン
プ14によって電解槽6の陽極室8から排出され、中和
槽9に入る。中和槽9は、耐酸性に優れたABS樹脂な
どの樹脂から形成されており、その上部に設置されたエ
アー抜き弁14によって、中和槽9の内部に発生したガ
スを外部に放出させることができる。かかるエアー抜き
弁14の作用は、長時間連続した電解により発生する酸
素などのガスが陽極室8に堆積し、次第に電解槽内の陽
極室8と陰極室7の圧力バランスを悪くし、電解効率が
低下してしまう現象を解消することにある。
【0019】更に、中和槽9には、水位センサー15が
好ましくは設置されており、中和槽9内に入る陽極水の
水量や水位を検知することができる。中和槽9の内部に
は、上記した塩基物質16が収容されている。塩基物質
16は、陽極水と十分に接触するように、中和槽9に充
填されているのが好ましい。かくして、中和槽9に供給
された陽極水が該塩基物質16と接触することによって
陽極水に含まれる酸性物質が中和され減少するととも
に、陽極水中には、塩基物質16の溶解によりもたらさ
れた陽イオンが供給される。
【0020】中和槽9を通過した陽極水は、循環ポンプ
13により四方切換弁5を経由し、循環水として再度電
解槽6の陽極室8に戻される。このように陽極水は、中
和槽9を通じて循環されることによって、捨て水として
外部に排出することがない。かくして、電解槽6の陰極
室7からは、アルカリイオン水のみが得られることにな
る。
【0021】図2は、四方切換弁5における第1モード
及び第2モードでの流路を示している。四方切換弁5の
流路は、入り口2箇所(入り口24、25)、出口2箇
所(26、27)から構成されており、各々入り口と出
口とを独立に連通させることができる。入り口24は、
循環ポンプ13から供給された循環水が入るように接続
されており、入り口25は、蛇口1から供給された原水
が入るように接続されている。他方、出口26は、電解
槽6の陽極室8に接続され、出口27は、電解槽6の陰
極室7に接続されている。四方切換弁5の上記各モード
への切り換え動作は、手動であっても電動であってもよ
いが、電磁弁などを使用して瞬時に切り換えられるよう
にするのが好ましい。
【0022】四方切換弁5の第1のモードは、飲料モー
ドとも呼ぶことができ、このモードでの運転により電解
槽6からアルカリイオン水をうる動作である。この場
合、四方切換弁5は、入り口24が出口26に連通して
おり、他方の入り口25は、出口2に連通している。こ
れにより、ポンプ13による循環水は、陽極室8に、原
水は、陰極室7に送り込まれる。
【0023】一方、四方切換弁5の第2モードは、中和
槽供給モードとも呼ぶことができ、この場合には、入り
口24は、出口27に連通し、入り口25は出口26に
連通する。これによりポンプ13による循環水は、陰極
室7に、原水は、陽極室8に送り込まれる。かかる第2
モードでは、水位センサー15により検出される中和槽
9内の水量が規定値よりも低い場合、蛇口1からの原水
を中和槽9に送り込む。同時に、ポンプ13による陽極
水を陰極室7に送り込むことにより、陰極室8の内部や
配管、陰極10や隔膜12の表面に付着していたカルシ
ウムやマグネシウムなどの無機固形物を溶解除去し、ま
た場合により繁殖した雑菌やカビを殺菌、除去する。
【0024】次いで、本発明における動作についてさら
に詳しく説明すると、蛇口1、好ましくは浄水器2、四
方切換弁5を通じて、水道水などの原水が電解槽6に供
給された状態で、電解槽6に直流電圧が印加されると、
原水が電気分解される。この場合、電解槽6の陽極11
では、原水中に溶解している陰イオンが酸化反応を起す
ことにより、陽極室8には、pHが2〜5程度の酸性水
が生成される。陽極での酸化反応の代表的なものとして
以下の(1)〜(3)がある。下記の(2)及び(3)
の反応により生成した塩素や二酸化炭素が溶解すること
により陽極水は強い酸性を示すことになる。
【0025】 (1) 2OH → HO + 1/2O+ 2e (2) 2Cl → Cl+ 2e (Cl+HO→HCl+HClO) (3) 2HCO →HO +2CO+ 1/2O+ 2e (HO+ CO→2H +CO 2−
【0026】一方、陰極10では、原水中の陽イオンが
還元反応を起す。pHが8〜11程度のアルカリ水とな
る。陰極10での還元反応の代表的なものとして以下の
反応が挙げられる。
【0027】 (4) 2HO + 2e→ H + 2OH
【0028】 上記(4)の反応で生じた水酸化物イオン
は,もともと水道水などの原水中に含まれるナトリウム
イオンやカルシウムイオン、更には電解により陽極室8
から隔膜12を通じて移行してきたナトリウムイオンや
カルシウムイオンと反応し、強いアルカリ性を示すこと
になる。
【0029】このようにして、電解槽6においては、電
解により陽極室8では、酸性水が陰極室7では、アルカ
リイオン水が生成されることになり、陰極室7で生成し
たアルカリイオン水は、陰極室7より取り出される。一
方で、陽極室8から中和槽9に送り込まれた陽極水は、
中和槽9に充填された塩基物質16が、例えば炭酸カル
シウムの場合には、次の(5)及び(6)の反応によ
り、弱酸性の物質に転換される。
【0030】 (5)CaCO+HCl→ Ca2+ + Cl+ HCO (6)CaCO+CO+HO→ Ca2++ 2HCO
【0031】また、上記反応によりカルシウムイオン
は、循環ポンプ13により再度電解槽の陽極室8に戻さ
れたときには、電解の際のキャリアとして利用され、隔
膜12を通して陰極室7に移行する。これにより、陽極
室8から陰極室7に陽イオンを連続的に供給しつづける
ことが可能になる。
【0032】図3は、本発明の一実施例についての電解
槽によりアルカリイオン水を製造する場合において、電
解槽の電解時間(分)と陰極室から得られるアルカリイ
オン水のpH値との関係を示したものである。
【0033】電解槽に供給する原水として、川崎市の水
道水(pH値が7.6、水温が15℃、電気伝導度が1
60μS/cm)を使用し、中和槽には、300gの天
然の化石サンゴ(Ca分:37重量%、比表面積:0.
36m/g)を充填し、電解槽に印可する直流電圧
は、電流密度が0.012A/cmになるように制御
して運転した。電解槽の運転は、四方切換弁の第1モー
ドにより行い、陰極室から吐出するアルカリイオン水は
2リットル/分、電解槽の陽極室における陽極水の循環
量は1リットル/分とした。一方、比較のために、中和
槽に化石サンゴを充填しない他は、上記と全く同様に実
施する比較例を行った。
【0034】図3における本発明の実施例と比較例を比
べることにより明らかなように、本発明の実施例の場合
は、陰極室から得られるアルカリイオン水のpHは、
9.0〜9.5の範囲で安定している。これに対して、
比較例の場合には、運転開始後10分程度で陰極室から
得られるアルカリイオン水のpHは、原水のものと同じ
レベルに低下してしまった。
【0035】図4は、本発明の一実施例である上記と同
じ電解槽において、四方切換弁の第1モードによりアル
カリイオン水を得る場合において、電解槽の陽極室を出
て中和槽に流入する陽極水のpH及びカルシウム濃度
が、電解槽の運転条件によってどのように変化するかを
見るために行った試験の結果を示すものである。電解槽
の運転は、5分電解→55分休止→5分電解→55分電
解のサイクルにて行った。
【0036】図4に見られるように、電解開始後は、陽
極水のpHは、急激に低くなり、電解を休止すると、陽
極水のpHは、徐々に上昇し、またpHの上昇に伴って
陽極水中のカルシウム濃度も徐々に増加する。電解槽の
運転が再開されると、pH及びカルシウム濃度が共に低
下し、また電解を休止するとpH及びカルシウム濃度が
共に上昇し、pHが6.5、カルシウム濃度が70pp
m付近で安定していることがわかる。
【0037】上記図4の結果より、陽極水に含まれる酸
性物質は、中和槽中に充填された塩基物質である化石サ
ンゴと中和反応を起し、陽極水のpHが,中性近くまで
上昇し、同時にカルシウム濃度が増加していることがわ
かる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、陽極水を循環させる節
水型のアルカリイオン水を製造する方式で、陽極水に陽
イオンの補充を容易に行うことのでき、更には、長時
間、連続的に運転した場合も、電圧が上昇せず、電解効
率の低下を起こさず,陽極水の排出、交換の必要がな
く、アルカリイオン水を製造する方法及びそのための装
置が提供される。
【0039】また、本発明によれば、連続長時間の運転
により電解槽の循環する陽極水の量が少なくなった場合
にそれを容易に補給でき、同時に電解槽の陰極室及び隔
膜に堆積し、電解効率の低下や圧損の増加の原因となる
付着物、雑菌、カビなどを容易に溶解除去できるアルカ
リイオン水を製造する方法及び装置が提供される。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりアルカリイオン水を製造する一実
施態様の概略図。
【図2】本発明で使用される四方切換弁における第1モ
ード及び第2モードでの流路を示す説明図。
【図3】本発明の一実施例についての電解槽によりアル
カリイオン水を製造する場合において、電解槽の電解時
間(分)と陰極室から得られるアルカリイオン水のpH
値との関係を示すグラフ。
【図4】本発明の図3と同じ電解槽において、アルカリ
イオン水を得る場合において、電解槽の陽極室を出て中
和槽に流入する陽極水のpH及びカルシウム濃度が、電
解槽の運転条件によってどのように変化するかを見るた
めに行った試験の結果を示すグラフ。
【符号の説明】 1: 蛇口 5:四方切換弁
6:電解槽 7:陰極室 8:陽極室
9:中和槽 10:陰極 11:陽極 1
2:隔膜 13:中和槽 14:エアー抜き弁
15:水位センサー 16:塩基物質 24、25:四方切換弁の入り
口 25,26:四方切換弁の出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀江 巧 神奈川県川崎市幸区南加瀬二丁目15番12号 リビングテクノロジー株式会社内 (72)発明者 宮本 悟 神奈川県川崎市幸区南加瀬二丁目15番12号 リビングテクノロジー株式会社内 (72)発明者 澁谷 貴美 神奈川県川崎市幸区南加瀬二丁目15番12号 リビングテクノロジー株式会社内 (72)発明者 竹下 暢彦 神奈川県川崎市幸区南加瀬二丁目15番12号 リビングテクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA16 HA42 HA93 JA20A JA55A JA63A KA01 KA17 KA33 KA50 KA64 KB12 KB14 KD17 KD19 KD30 KE01P KE02P KE15P KE16P KE17Q KE18P KE19P KE21P KE22Q KE24Q KE28Q MA03 MA06 MA12 MC01 MC23 PB06 PC80 4D061 DA03 DB07 DB08 EA02 EB01 EB04 EB12 EB13 EB17 EB19 EB20 EB28 EB30 EB37 EB39 ED12 FA06 FA13 GA06 GA07 GA09 GA22 GC14 GC19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隔膜で区画された陽極室及び陰極室を有す
    る電解槽の陰極室に原水を供給して電解することによ
    り、陰極室にアルカリイオン水を製造する方法におい
    て、電解により陽極室に生成した酸性水を取り出し、固
    形のアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有する塩基
    物質を収容した中和槽を通過させた後に陽極室に循環、
    供給することを特徴とするアルカリイオン水の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記固形の塩基物質が、アルカリ土類金属
    の炭酸塩である請求項1に記載のアルカリイオン水の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記固形のアルカリ土類金属を含有する塩
    基物質が、化石サンゴである請求項1又は2に記載のア
    ルカリイオン水の製造方法。
  4. 【請求項4】前記陰極室に供給する原水を一時的に陽極
    室に供給し、前記陽極室に循環、供給する酸性水を一時
    的に陰極室に供給する請求項1、2又は3に記載のアル
    カリイオン水の製造方法。
  5. 【請求項5】隔膜で区画された陽極室及び陰極室を有す
    る電解槽と、固形のアルカリ金属またはアルカリ土類金
    属を含有する塩基物質を収容した中和槽と、四方切替弁
    とを備え、前記四方切替弁の第1モードにより、電解さ
    れる原水を前記電解槽の陰極室に供給し、かつ電解によ
    り陽極室に生成した酸性水を取り出し、前記中和槽を通
    過させた後に陽極室に循環、供給し、前記四方切替弁の
    第2モードにより、電解される原水を一時的に前記電解
    槽の陽極室に供給し、かつ電解により陽極室に生成した
    酸性水を取り出し、前記中和槽を通過させた後に一時的
    に陰極室に循環、供給するようにしたことを特徴とする
    アルカリイオン水の製造装置。
  6. 【請求項6】前記中和槽にエアー抜き弁が設置されてい
    る請求項5に記載のアルカリイオン水の製造装置。
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