JPH10215874A - 新規なクレアチニンアミドヒドロラーゼ - Google Patents

新規なクレアチニンアミドヒドロラーゼ

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JPH10215874A
JPH10215874A JP9022618A JP2261897A JPH10215874A JP H10215874 A JPH10215874 A JP H10215874A JP 9022618 A JP9022618 A JP 9022618A JP 2261897 A JP2261897 A JP 2261897A JP H10215874 A JPH10215874 A JP H10215874A
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creatinine
amino acid
creatinine amidohydrolase
amidohydrolase
dna
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Atsushi Toda
篤志 戸田
Yoshiaki Nishiya
西矢  芳昭
Yoshihisa Kawamura
川村  良久
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】クレアチニンの定量に用いることのできるクレ
アチニンアミドヒドロラーゼ活性を有する新規な酵素な
らびに該酵素をコードする遺伝子および遺伝子工学的技
術による該酵素の製造法の提供。 【解決手段】 至適温度約40℃、至適pH約7.0〜
7.5、熱安定性約60℃以下、pH安定性約6.5〜
9.0であり、かつ、Km値が約66mMであるアース
ロバクター属細菌由来のクレアチニンアミドヒドロラー
ゼおよび該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含有す
る組換えベクター、該ベクターで形質転換した形質転換
体、ならびに該形質転換体を培養し、クレアチニンアミ
ドヒドロラーゼを生成させ、該酵素を採取する製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクレアチニンの定量
に用いることのできるクレアチニンアミドヒドロラーゼ
活性を有する新規な酵素、ならびに該酵素をコードする
遺伝子および遺伝子工学的技術による該酵素の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、クレアチニンアミドヒドロラ
ーゼ(EC 3.5.2.10) は、臨床的に筋疾患、腎疾患の診断
の指標となっている体液中のクレアチニンの測定用酵素
として、他の酵素、例えばクレアチンアミジノヒドロラ
ーゼ、ザルコシンオキシダーゼおよびペルオキシダーゼ
と共に使用されている。クレアチニンアミドヒドロラー
ゼは、水の存在下にクレアチニンに作用してクレアチン
を生成する可逆的反応を触媒する酵素である。
【0003】このようなクレアチニンアミドヒドロラー
ゼは、シュードモナス属(Journalof Biochemistry, Vo
l.86, 1109-1117 (1979))あるいはアルカリゲネス属(C
hemical and Pharmaceutical Bulletin, Vol.34, No.1,
269-274 (1986)) の細菌が生産することが知られてい
る。さらに、これら以外の細菌としては、フラボバクテ
リウム属、コリネバクテリウム属、マイクロコッカス属
(特開昭51-115989 号公報) 、ペニシリウム属 (特開昭
47-43281号公報) 等の細菌が生産することが知られてい
るにすぎない。このうち、シュードモナス・プチダ(Ps
eudomonas putida)PS-7が産生するクレアチニンアミド
ヒドロラーゼをコードする遺伝子は既に分離され、アミ
ノ酸配列が公開されている(特許第2527035 号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、今ま
でに生産していない新しい細菌から、新規なクレアチニ
ンアミドヒドロラーゼを単離し、そして、該酵素をコー
ドする遺伝子をクローニングし、遺伝子工学的に該酵素
を多量に製造する方法を提供することにある。また、本
発明の別な目的は、該酵素を改変することにより、理化
学的性質の改良された新規なクレアチニンアミドヒドロ
ラーゼを製造する方法を導き出すことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために種々検討した結果、クレアチニンアミド
ヒドロラーゼ生産菌として、アースロバクター・エスピ
ー(Arthrobacter sp.)TE1826(FERM P−1
0637)を選び、該菌体から新規なクレアチニンアミ
ドヒドロラーゼを単離し、さらに、該菌体より抽出した
染色体DNAからクレアチニンアミドヒドロラーゼをコ
ードする遺伝子を分離することに成功し、該遺伝子より
発現される新規なクレアチニンアミドヒドロラーゼを単
離した。さらに、該遺伝子の全塩基配列を決定し、該酵
素を遺伝子工学的技術により高価なクレアチニンのよう
な誘導物質を培地に添加する必要なく、高生産させるこ
とに成功し、高純度な該酵素を安価に大量供給すること
を可能にした。
【0006】すなわち、本発明は下記理化学的性質を有
する新規なクレアチニンアミドヒドロラーゼである。 作用:水の存在下にクレアチニンに作用して、クレアチ
ンを生成する。 至適温度:約40℃ 至適pH:約7.0〜7.5 熱安定性:約60℃以下(pH7.5、30分間処理) pH安定性:約6.5〜9.0(25℃、16時間処
理) クレアチニンに対するKm:約66mM 分子量: 約30,000(SDS−PAGE) 28,497(アミノ酸組成から求めた計算値) 約200,000(ゲル濾過) 等電点:約6.9
【0007】また、本発明は以下の(a)又は(b)の
タンパク質であるクレアチニンアミドヒドロラーゼであ
る。 (a)配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列か
らなるタンパク質。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性
を有するタンパク質
【0008】本発明は、以下の(a)又は(b)のタン
パク質であるクレアチニンアミドヒドロラーゼをコード
する遺伝子である。 (a)配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列か
らなるタンパク質 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性
を有するタンパク質
【0009】また、本発明は以下の(c)、(d)又は
(e)のDNAからなるクレアチニンアミドヒドロラー
ゼをコードする遺伝子である。 (c)配列表の配列番号2に記載される塩基配列からな
るDNA (d)上記(c)の塩基配列において、1もしくは複数
の塩基が付加、欠失または置換されており、かつ、クレ
アチニンアミドヒドロラーゼ活性を有するアミノ酸配列
をコードしているDNA (e)上記(c)の塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、クレアチ
ニンアミドヒドロラーゼ活性を有するタンパク質をコー
ドする細菌由来のDNA
【0010】本発明は上記クレアチニンアミドヒドロラ
ーゼをコードする遺伝子を含有する組換えベクターであ
る。
【0011】また、本発明は上記組換えベクターにより
形質転換された形質転換体である。
【0012】さらに、本発明は上記形質転換体を培地で
培養し、クレアチニンアミドヒドロラーゼを生成させ、
該クレアチニンアミドヒドロラーゼを採取することを特
徴とするクレアチニンアミドヒドロラーゼの製造法であ
る。
【0013】また、本発明はアースロバクター・エスピ
ー(Arthrobacter sp.)TE1826(FERM P−1
0637)を培養し、クレアチニンアミドヒドロラーゼ
を生成させ、該クレアチニンアミドヒドロラーゼを採取
することを特徴とするクレアチニンアミドヒドロラーゼ
の製造法である。
【0014】
【発明の実施態様】本発明のクレアチニンアミドヒドロ
ラーゼは、クレアチニンアミドヒドロラーゼ生産微生
物、例えばアースロバクター・エスピー(Arthrobacter
sp.)TE1826(FERM P−10637)から入
手し得る。しかしながら、クレアチニンアミドヒドロラ
ーゼをコードする遺伝子を分離し、これより発現される
クレアチニンアミドヒドロラーゼを単離することによ
り、本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼを簡便、
かつ効率的に入手することもできる。本発明の一実施態
様としては、(a)配列表の配列番号1に記載されるア
ミノ酸配列からなるタンパク質または(b)アミノ酸配
列(a)において、1もしくは複数のアミノ酸が欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、
クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有するタンパク
質がある。アミノ酸の欠失、置換、付加の程度について
は、基本的な特性を変化させることなく、あるいはその
特性を改善するようにしたものを含む。これらの変異体
を製造する方法は、従来から公知である方法に従う。
【0015】本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ
をコードする遺伝子は、例えばアースロバクター・エス
ピー(Arthrobacter sp.)TE1826(FERM P−
10637)から抽出しても良く、また化学的に合成す
ることもできる。ポリメラーゼチェーンリアクション法
(PCR)の利用により、クレアチニンアミドヒドロラーゼ
遺伝子を含むDNA断片を得ることも可能である。
【0016】上記遺伝子としては、例えば(a)配列表
の配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパ
ク質をコードするDNA、または(b)アミノ酸配列
(a)において、1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ク
レアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有するタンパク質
をコードするDNAがある。DNAの欠失、置換、付加
の程度については、基本的な特性を変化させることな
く、あるいはその特性を改善するようにしたものを含
む。これらの変異体を製造する方法は、従来から公知で
ある方法に従う。
【0017】また、(c)配列表の配列番号2に記載さ
れる塩基配列からなるDNA、(d)上記(c)の塩基
配列において、1もしくは複数の塩基が付加、欠失また
は置換されており、かつ、クレアチニンアミドヒドロラ
ーゼ活性を有するアミノ酸配列をコードしているDNA
または(e)上記(c)の塩基配列からなるDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ク
レアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有するタンパク質
をコードする細菌由来のDNAがある。ここで、ストリ
ンジェントな条件とは、×2SSC(300mM Na
Cl、30mM クエン酸)、65℃、16時間であ
る。
【0018】本発明の遺伝子を得る方法としては、例え
ばアースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)TE
1826(FERM P−10637)の染色体DNA
を分離、精製した後、超音波破砕、制限酵素処理等を用
いてDNAを切断したものと、リニヤーな発現ベクター
とを両DNAの平滑末端または接着末端においてDNA
リガーゼなどにより結合閉鎖させて組換えベクターを構
築する。こうして得られた組換えベクターは複製可能な
宿主微生物に移入した後、ベクターのマーカーと酵素活
性の発現を指標としてスクリーニングして、クレアチニ
ンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を含有する組
換えベクターを保持する微生物を得る。次いで該微生物
を培養し、該培養菌体から該組換えベクターを分離・精
製し、該組換えベクターからクレアチニンアミドヒドロ
ラーゼ遺伝子を採取すれば良い。
【0019】遺伝子供与体であるアースロバクター・エ
スピー(Arthrobacter sp.)TE1826(FERM P
−10637)の染色体DNAは、具体的には、以下の
ように採取される。すなわち、供与微生物を例えば1〜
3日間撹拌培養して得られた培養物を遠心分離にて集菌
し、次いでこれを溶菌させることによりクレアチニンア
ミドヒドロラーゼ遺伝子の含有溶菌物を調製することが
できる。溶菌の方法としては、例えばリゾチームやβ−
グルカナーゼ等の溶菌酵素により処理が施され、必要に
応じてプロテアーゼや他の酵素やラウリル硫酸ナトリウ
ム(SDS)等の界面活性剤が併用され、さらに凍結融解や
フレンチプレス処理のような物理的破砕方法と組み合わ
せても良い。
【0020】このようにして得られた溶菌物からDNA
を分離・精製するには常法に従って、例えばフェノール
処理やプロテアーゼ処理による除蛋白処理や、リボヌク
レアーゼ処理、アルコール沈澱処理などの方法を適宜組
み合わせることにより行うことができる。微生物から分
離・精製されたDNAを切断する方法は、例えば超音波
処理、制限酵素処理などにより行うことができる。好ま
しくは特定のヌクレオチド配列に作用するII型制限酵素
が適している。
【0021】ベクターとしては、宿主微生物内で自律的
に増殖し得るファージまたはプラスミドから遺伝子組換
え用として構築されたものが適している。ファージとし
ては、例えばエシェリヒア・コリー(Escherichia col
i)を宿主微生物とする場合には、Lambda-gt10 、Lambd
a-gt11 などが使用できる。またプラスミドとしては、
例えばエシェリヒア・コリー(Escherichia coli)を宿
主微生物とする場合には、pBR322,pUC19、
pBluescript 、pLED−M1(Journal of Fermentati
on and Bioenzineering, Vol.76, 265-269 (1993))など
が使用できる。このようなベクターを、上述したクレア
チニンアミドヒドロラーゼ遺伝子供与体である微生物D
NAの切断に使用した制限酵素で切断してベクター断片
を得ることができるが、必ずしも該微生物DNAの切断
に使用した制限酵素と同一の制限酵素を用いる必要はな
い。微生物DNA断片とベクターDNA断片とを結合さ
せる方法は、公知のDNAリガーゼを用いる方法であれ
ば良く、例えば微生物DNA断片の接着末端とベクター
断片の接着末端とのアニーリングの後、適当なDNAリ
ガーゼの使用により微生物DNA断片とベクターDNA
断片との組換えベクターを作成する。必要なら、アニー
リングの後、宿主微生物に移入して生体内のDNAリガ
ーゼを利用し組換えベクターを作成することもできる。
【0022】宿主微生物としては、組換えベクターが安
定、かつ自律増殖可能で外来性遺伝子の形質発現できる
ものであれば良く、一般的にはエシェリヒア・コリーW3
110、エシェリヒア・コリーC600、エシェリヒア・コリ
ーHB101 、エシェリヒア・コリーJM109 などを用いるこ
とができる。
【0023】宿主微生物に組換えベクターを移入する方
法としては、例えば宿主微生物がエシェリヒア・コリー
の場合には、カルシウム処理によるコンピテントセル法
やエレクトロポレーション法などを用いることができ
る。
【0024】このようにして得られた形質転換体である
微生物は、栄養培地で培養されることにより、多量のク
レアチニンアミドヒドロラーゼを安定に生産し得る。宿
主微生物への目的組換えベクターの移入の有無について
の選択は、目的とするDNAを保持するベクターの薬剤
耐性マーカーとクレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を
同時に発現する微生物を検索すれば良く、例えば薬剤耐
性マーカーに基づく選択培地で生育し、かつ、クレアチ
ニンアミドヒドロラーゼを生成する微生物を選択すれば
良い。
【0025】上記の方法により得られたクレアチニンア
ミドヒドロラーゼ遺伝子の塩基配列はサイエンス(Scie
nce, Vol.214, 1205-1210 (1981))に記載されたジデオ
キシ法により解読し、またクレアチニンアミドヒドロラ
ーゼのアミノ酸配列は決定した塩基配列より推定した。
このようにして一度選択されたクレアチニンアミドヒド
ロラーゼ遺伝子を保有する組換えベクターは、形質転換
微生物から取り出され、他の微生物に移入することも容
易に実施することができる。また、クレアチニンアミド
ヒドロラーゼ遺伝子を保持する組換えベクターから制限
酵素やPCRによりクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺
伝子であるDNAを回収し、他のベクター断片と結合さ
せ、宿主微生物に移入することも容易に実施できる。
【0026】形質転換体である宿主微生物の培養形態
は、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択す
ればよく、通常、多くの場合は液体培養で行うが、工業
的には通気撹拌培養を行うのが有利である。培地の栄養
源としては、微生物の培養に通常用いられるものが広く
使用され得る。炭素源としては資化可能な炭素化合物で
あればよく、例えばグルコース、シュークロース、ラク
トース、マルトース、フラクトース、糖蜜、ピルビン酸
などが使用される。窒素源としては利用可能な窒素化合
物であればよく、例えばペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物などが
使用される。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグ
ネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛
などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが必
要に応じて使用される。培養温度は菌が発育し、クレア
チニンアミドヒドロラーゼを生産する範囲で適宜変更し
得るが、エシェリヒアコリーの場合、好ましくは20〜42
℃程度である。培養時間は条件によって多少異なるが、
クレアチニンアミドヒドロラーゼが最高収量に達する時
期を見計らって適当時期に培養を終了すればよく、通常
は6〜48時間程度である。培地pHは菌が発育しクレ
アチニンアミドヒドロラーゼを生産する範囲で適宜変更
し得るが、特に好ましくはpH6.0〜9.0程度であ
る。
【0027】培養物中のクレアチニンアミドヒドロラー
ゼを生産する菌体を含む培養液をそのまま採取し利用す
ることもできるが、一般には、常法に従ってクレアチニ
ンアミドヒドロラーゼが培養液中に存在する場合は濾
過、遠心分離などにより、クレアチニンアミドヒドロラ
ーゼ含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用され
る。クレアチニンアミドヒドロラーゼが菌体内に存在す
る場合には、得られた培養物から濾過または遠心分離な
どの手段により菌体を採取し、次いでこの菌体を機械的
方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また
必要に応じてEDTA等のキレート剤及びまたは界面活
性剤を添加してクレアチニンアミドヒドロラーゼを可溶
化し、水溶液として分離採取する。
【0028】このようにして得られたクレアチニンアミ
ドヒドロラーゼ含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、
更に硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処
理、或いは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノ
ール、アセトンなどによる分別沈澱法により沈澱せしめ
ればよい。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手
段である。その後、吸着剤或いはゲル濾過剤などによる
ゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーを行
うことにより、精製されたクレアチニンアミドヒドロラ
ーゼを得ることができる。
【0029】例えば、セファデックス(Sephadex) G-25
(ファルマシア バイオテク)などによるゲルろ過、DE
AEセファロースCL-6B(ファルマシア バイオテク)、オ
クチルセファロースCL6-B(ファルマシア バイオテク)
カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し、精製酵
素標品を得ることができる。この精製酵素標品は、電気
泳動(SDS-PAGE)的に、ほぼ単一のバンドを示す程度に純
化されている。
【0030】本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ
は、以下に示す理化学的性質を有する。 作用:水の存在下にクレアチニンに作用して、クレアチ
ンを生成する。 至適温度:約40℃ 至適pH:約7.0〜7.5 熱安定性:約60℃以下(pH7.5、30分間処理) pH安定性:約6.5〜9.0(25℃、16時間処
理) クレアチニンに対するKm:約66mM 分子量: 約30,000(SDS−PAGE) 28,497(アミノ酸組成から求めた計算値) 約200,000(ゲル濾過) 等電点:約6.9
【0031】本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ
と公知のクレアチニンアミドヒドロラーゼとの性質の比
較を表1に示す。また、本発明のクレアチニンアミドヒ
ドロラーゼのアミノ酸配列と唯一、公知であるシュード
モナス・プチダ(Pseudomonas putida)PS-7が産生する
クレアチニンアミドヒドロラーゼのアミノ酸配列との相
同性は37.0%であり、両者の比較を図1に示す。本発明
のクレアチニンアミドヒドロラーゼは、同一反応を触媒
する公知の酵素とは性質の異なる新規な酵素である。
【0032】
【表1】
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例中、クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性の
測定は以下の試薬および測定条件で行った。 <試薬> 試薬A クレアチニン測定試薬「ダイヤカラーCRE 」
(東洋紡製)のA溶解液(酵素試薬Aバイアルに90mlの
溶解液Aを加えて溶解したもの) 試薬B 400mM クレアチニン水溶液 試薬C 1.5%フェノール水溶液 試薬D 0.5%4−アミノアンチピリン溶液
【0034】<測定条件>まず、試薬A、試薬B、試薬
C、試薬Dを3:1:0.04:0.04の割合(容量
比)で混合し、試薬混液を作成する。この試薬混液3m
lを37℃で約5分予備加温後、0.1mlの酵素溶液
を加え,37℃で反応を開始し、4分間反応させた後、
500nmにおける1分間当たりの吸光度変化を分光光
度計にて測定する。盲検は酵素溶液の代わりに蒸留水を
試薬混液に加えて、以下同様に吸光度変化を測定する。
上記条件で1分間に1マイクロモルのクレアチニンを分
解する酵素量を1単位 (U)とする。
【0035】実施例1 染色体DNAの分離 アースロバクター・エスピーTE1826(FERM
P−10637)の染色体DNAを次の方法で分離し
た。同菌株を100mlの2×YT培地(1.6%ポリペト
ン、1%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム(pH7.2))で37
℃一晩振盪培養した後、遠心分離(8,000rpm、10分間)
により集菌した。15mMクエン酸ナトリウム、0.1
5M塩化ナトリウムを含んだ溶液で菌体を洗浄した後、
20%シュークロース、50mMトリス塩酸(pH7.
6)、1mM EDTAを含んだ溶液5mlに懸濁し、
1mlのリゾチーム溶液(100mg/ml)を加えて、37
℃、30分間保温し、次いで11mlの1%ラウロイル
サルコシン酸、0.1M EDTA(pH9.6)を含
む溶液を加えた。この懸濁液に臭化エチジウム溶液を
0.5%塩化セシウムを約100%加え、攪拌混合し、
55,000rpm 、20時間の超遠心分離でDNAを分取し
た。分取したDNAは1m EDTAを含んだ10mM
トリス塩酸、pH8.0溶液(以下,TEと略記)で透
析し、精製DNA標品とした。これを等量のクロロホル
ム・フェノール溶液で処理後遠心分離により水層を分取
し、2倍量のエタノールを加えて上記方法で、もう一度
DNAを分離し、2mlのTEで溶解した。
【0036】実施例2 クレアチニンアミドヒドロラー
ゼをコードする遺伝子を含有するDNA断片及び該DN
A断片を有する組換えベクターの調製 実施例1で得たDNA5μgを制限酵素 Sau3AI (東洋
紡製)で部分分解し、2kbp以上の断片に分解した
後、制限酵素 BamHI(東洋紡製)で切断した pBluescri
ptKS(+) 1μgとをT4−DNAリガーゼ(東洋紡製)
1単位で、16℃、12時間反応させ、DNAを連結し
た。連結したDNAはエシェリヒア・コリーJM109 のコ
ンピテントセル(東洋紡製)を用いて形質転換し、クレ
アチニンアミドヒドロラーゼ活性検出用寒天培地[1.0%
ポリペプトン、0.5%酵母エキス、0.5% NaCl 、1%クレア
チニン、200U/ml クレアチンアミジノヒドロラーゼ(東
洋紡製)、10U/mlザルコシンオキシダーゼ(東洋紡
製)、5U/ml ペルオキシダーゼ(東洋紡製)、0.01% ο
−ジアニシジン、50μg/mlアンピシリン、1.5%寒天]に
塗布した。クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性の検出
は、上記培地に生育し、且つ茶色に染色されるコロニー
を指標に行った。
【0037】使用したDNA1μg当たり約100,000 個
の形質転換体のコロニーが得られ、上記スクリーニング
の結果、茶色に染色されるコロニーを1株見いだした。
この株をLB液体培地(1%ポリペプトン、0.5%酵母エキ
ス、0.5% NaCl 、50μg/mlアンピシリン)で培養し、ク
レアチニンアミドヒドロラーゼ活性を測定したところ、
該活性が検出された。この株の保有するプラスミドには
約6.6kbpの挿入DNA断片が存在しており、この
プラスミドをpCNAB1とした。
【0038】次いで、pCNAB1の挿入DNAを制限
酵素 ApaI (東洋紡製)にて切り出し、同制限酵素で切
断した pBluescriptKS(+) に連結して、pCNHAA−
1を作成した。このpCNHAA−1の制限酵素地図を
図2に示す。
【0039】実施例3 塩基配列の決定 pCNHAA−1の約4.6kbpの挿入DNA断片に
ついて種々の制限酵素にてサブクローンを調製した。種
々のサブクローンは常法に従い、RadioactiveSequencin
g Kit(東洋紡製)を用いて、塩基配列を決定した。決
定した塩基配列およびアミノ酸配列を配列表に示した。
アミノ酸配列から求められる蛋白質の分子量は28,497で
あり、アースロバクター・エスピーTE1826のクレ
アチニンアミドヒドロラーゼの分子量とほぼ一致した。
【0040】実施例4 組換えベクターpCNHAR−
1の作成 pCNHAA−1の挿入DNA断片よりクレアチニンア
ミドヒドロラーゼ遺伝子以外の部分を除くため、PCR
による挿入DNA断片の小型化を実施した。PCRは以
下に示す反応液組成及び増幅条件にて行った。 <反応液組成> Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン製) 5U/100μl 10倍濃度Pfu DNA ポリメラーゼ用バッファー 10 μl/100μl pCNHAA-1(鋳型DNA) 0.1 μg/100μl dATP,dTTP,dGTP,dCTP 各0.2mM 2種のプライマー 各1μM (配列表の配列番号3、4に記載)
【0041】<増幅条件> 変性 95℃、30秒間 温度変更 1分30秒間 アニーリング 45℃、1秒間 温度変更 1秒間 反応 75℃、2分30秒間 温度変更 1秒間 (上記サイクルを計30サイクル実施)
【0042】増幅DNA断片約0.8kbpを制限酵素
NdeI と BamHI(東洋紡製)にて処理し、同じ制限酵素
で切断したpLED−M1に連結して、pCNHAR−
1を作成した。pCNHAR−1の制限酵素地図を図3
に示す。pCNHAR−1の挿入DNA断片は、クレア
チニンアミドヒドロラーゼ遺伝子以外の部分を含まな
い。すなわち、挿入DNA断片の両端には NdeI と Bam
HI制限酵素切断部位がそれぞれ存在し、 NdeI はクレア
チニンアミドヒドロラーゼ遺伝子の開始コドン(ATG) と
重なり、 BamHIはクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝
子の終止コドン(TGA) の直後に位置している。
【0043】実施例5 形質転換体の作成 エシェリヒア・コリーJM109 のコンピテントセル(東洋
紡製)をpCNHAR−1で形質転換し、形質転換体エ
シェリヒア・コリーJM109 (pCNHAR-1)を得た。
【0044】実施例6 エシェリヒア・コリーJM109
(pCNHAR-1)からのクレアチニンアミドヒドロラーゼの
製造 LB培地500mlを2Lフラスコに分注し、121
℃、15分間オートクレーブを行い、放冷後別途無菌ろ
過した50mg/mlアンピシリン(ナカライテスク
製)0.5mlを添加した。この培地にLB培地であら
かじめ,30℃、7時間振盪培養したエシェリヒア・コ
リーJM109 (pCNHAR-1)の培養液5mlを接種し、37℃
で18時間通気撹拌培養した。培養終了時のクレアチニ
ンアミドヒドロラーゼ活性は約18U/mlであった。
【0045】上記菌体を遠心分離にて集菌し、20mM
リン酸緩衝液、pH7.5に懸濁した。上記菌体懸濁液
をフレンチプレスで破砕し、遠心分離を行い上清液を得
た。得られた粗酵素液をポリエチレンイミンによる除核
酸処理および硫安分画処理を行った後、セファデックス
(Sephadex) G-25 (ファルマシア バイオテク)による
ゲルろ過により脱塩し、DEAEセファロースCL-6B (ファ
ルマシア バイオテク)カラムクロマトグラフィー、オ
クチルセファロースCL6-B(ファルマシア バイオテク)
カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し、精製酵
素表品を得た。本方法により得られたクレアチニンアミ
ドヒドロラーゼ標品は、電気泳動(SDS-PAGE)的にほぼ単
一なバンドを示し、この時の比活性は約30U/mg−
タンパク質であった。
【0046】以下に、上記方法により得られたクレアチ
ニンアミドヒドロラーゼの性質を示す。 作用:水の存在下にクレアチニンに作用してクレアチン
を生成する。 至適温度:約40℃ 至適pH:約7.0〜7.5 熱安定性:約60℃以下(pH7.5、30分間処理) pH安定性:約6.5〜9.0(25℃、16時間処
理) クレアチニンに対するKm値:約66mM 分子量: 約30,000(SDS−PAGE) 28,497(アミノ酸組成から求めた計算値) 約200,000(ゲル濾過) 等電点:約6.9
【0047】実施例7 アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)TE1
826(FERM P−10637)を2XYT培地
(1.6% ポリペトン、1%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウ
ム、pH7.2)にて、37℃、約1〜3日間培養し、培養液
を遠心分離して集菌し、次いで、これを溶菌させること
によって、クレアチニンアミドヒロラーゼを生成させ、
該クレアチニンアミドヒドロラーゼを採取した。
【0048】
【発明の効果】本発明により、アースロバクター属細菌
から新規なクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子が単
離され、遺伝子工学的技術による該酵素の製造法が確立
され、高純度な該酵素の大量供給とクレアチニンの定量
への利用が可能となった。また、該遺伝子を改変するこ
とにより、理化学的性質の改良された新規なクレアチニ
ンアミドヒドロラーゼを製造する方法を導き出すことが
できる。
【0049】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:258 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源 生物名:アースロバクター・エスピー(Arthrobacter s
p.) 株名:TE1826(FERM P-10637) 配列 Met Lys His Leu Ile Ser Asn Met Thr Trp Asn Glu Tyr Gln Asp Lys 1 5 10 15 Val Asp Lys Gly Phe Leu Ile Leu Pro Val Gly Ser Thr Glu Gln His 20 25 30 Gly Pro His Leu Pro Leu Gly Val Asp Ala Val Ile Ser Thr Gln Phe 35 40 45 Ser Leu Ala Ile Ala Arg Glu Leu Asn Ala Ala Val Ala Pro Val Leu 50 55 60 Ser Tyr Gly Tyr Lys Ser Leu Pro Ala Ser Gly Gly Gly Pro Met Phe 65 70 75 80 Pro Gly Thr Ile Asp Leu Lys Gly Ser Thr Leu Thr Ser Leu Val Tyr 85 90 95 Asp Leu Leu Glu Glu Phe Ile Ala Asp Gly Trp Lys Lys Ile Leu Ile 100 105 110 Phe Ser Ala His Phe Glu Asn Glu Ala Phe Leu Ser Glu Ala Cys Asp 115 120 125 Leu Leu Leu Arg Asn Gln Lys Glu Glu Phe Pro Lys Val Leu Ile Cys 130 135 140 Asn Trp Trp Asp Asn Leu Ser Ala Glu Thr Met Ser Lys Val Phe Asp 145 150 155 160 Glu Val Arg Phe Pro Gly Trp Ala Leu Glu His Ala Ala Ile Ser Glu 165 170 175 Thr Ser Leu Met Met His Phe Ser Pro Glu Leu Val Lys Glu Asp Leu 180 185 190 Ile Thr Asp Glu Gly Val Asn Asn Pro Pro Thr Tyr Gln Ser Phe Pro 195 200 205 Pro Ser Lys Thr Leu Ile Pro Ala Ser Gly Cys Leu His Ser Ala Tyr 210 215 220 Ser Ser Ser Ala Glu Lys Gly Lys Leu Ile Ala Leu Asp Ala Thr Lys 225 230 235 240 Asn Ile Val Ser Phe Leu Ile Lys Glu Phe Ser Leu Glu Met Val Pro 245 250 255 Ile Glu 258
【0050】配列番号:2 配列の長さ:777 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ゲノムDNA 起源 生物名:アースロバクター・エスピー(Arthrobacter s
p.) 株名:TE1826(FERM P-10637) 配列 ATG AAA CAT CTG ATT AGC AAT ATG ACC TGG AAT GAA TAC CAA GAC AAG 48 Met Lys His Leu Ile Ser Asn Met Thr Trp Asn Glu Tyr Gln Asp Lys 1 5 10 15 GTT GAT AAG GGT TTC TTA ATA TTA CCG GTT GGT TCC ACA GAG CAG CAT 96 Val Asp Lys Gly Phe Leu Ile Leu Pro Val Gly Ser Thr Glu Gln His 20 25 30 GGA CCA CAT TTG CCT CTT GGA GTT GAT GCT GTG ATT TCA ACG CAG TTT 144 Gly Pro His Leu Pro Leu Gly Val Asp Ala Val Ile Ser Thr Gln Phe 35 40 45 AGT TTA GCG ATT GCG CGT GAA TTA AAT GCA GCA GTG GCC CCG GTC TTA 192 Ser Leu Ala Ile Ala Arg Glu Leu Asn Ala Ala Val Ala Pro Val Leu 50 55 60 TCT TAT GGG TAT AAA TCT TTA CCA GCA AGC GGG GGA GGG CCG ATG TTT 240 Ser Tyr Gly Tyr Lys Ser Leu Pro Ala Ser Gly Gly Gly Pro Met Phe 65 70 75 80 CCC GGC ACG ATT GAT TTA AAA GGC TCA ACT TTA ACC TCA TTA GTC TAC 288 Pro Gly Thr Ile Asp Leu Lys Gly Ser Thr Leu Thr Ser Leu Val Tyr 85 90 95 GAT TTA TTG GAA GAA TTT ATA GCT GAC GGG TGG AAA AAA ATT CTT ATT 336 Asp Leu Leu Glu Glu Phe Ile Ala Asp Gly Trp Lys Lys Ile Leu Ile 100 105 110 TTT AGT GCG CAT TTT GAA AAC GAG GCT TTT CTT TCA GAA GCT TGT GAT 384 Phe Ser Ala His Phe Glu Asn Glu Ala Phe Leu Ser Glu Ala Cys Asp 115 120 125 CTT CTC CTT CGA AAT CAA AAA GAA GAA TTT CCA AAG GTG TTA ATT TGC 432 Leu Leu Leu Arg Asn Gln Lys Glu Glu Phe Pro Lys Val Leu Ile Cys 130 135 140 AAT TGG TGG GAT AAT CTA TCC GCT GAA ACG ATG TCA AAA GTA TTT GAT 480 Asn Trp Trp Asp Asn Leu Ser Ala Glu Thr Met Ser Lys Val Phe Asp 145 150 155 160 GAA GTA AGG TTC CCT GGC TGG GCC TTA GAA CAC GCA GCA ATC TCG GAA 528 G lu Val Arg Phe Pro Gly Trp Ala Leu Glu His Ala Ala Ile Ser Glu 165 170 175 ACA TCC TTA ATG ATG CAT TTT TCT CCA GAA CTT GTT AAA GAA GAT TTA 576 Thr Ser Leu Met Met His Phe Ser Pro Glu Leu Val Lys Glu Asp Leu 180 185 190 ATT ACA GAT GAG GGA GTC AAC AAT CCT CCT ACT TAT CAA TCG TTT CCT 624 Ile Thr Asp Glu Gly Val Asn Asn Pro Pro Thr Tyr Gln Ser Phe Pro 195 200 205 CCA TCT AAA ACT CTA ATT CCA GCT TCA GGC TGC TTG CAT TCA GCG TAT 672 Pro Ser Lys Thr Leu Ile Pro Ala Ser Gly Cys Leu His Ser Ala Tyr 210 215 220 TCT AGT TCA GCC GAA AAA GGG AAA CTC ATC GCC CTT GAT GCC ACA AAA 720 Ser Ser Ser Ala Glu Lys Gly Lys Leu Ile Ala Leu Asp Ala Thr Lys 225 230 235 240 AAT ATC GTT TCC TTT TTG ATC AAA GAA TTC TCC TTA GAA ATG GTT CCC 768 Asn Ile Val Ser Phe Leu Ile Lys Glu Phe Ser Leu Glu Met Val Pro 245 250 255 ATT GAA TAG 777 Ile Glu
【0051】配列番号:3 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ATTACAATTG AAAGGGGAAA GACATATGAA ACATCTGATT AGCAATATGA 50
【0052】配列番号:4 配列の長さ:49 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTTTTTGGAT CCCTATTCAA TGGGAACCAT TTCTAAGGAG AATTCTTTG 49
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼのア
ミノ酸配列とシュードモナス・プチダ(Pseudomonas pu
tida)PS-7が産生するクレアチニンアミドヒドロラーゼ
のアミノ酸配列との比較を示す図である。
【図2】pCNAA−1の制限酵素地図を示す図であ
る。
【図3】pCNHAR−1の制限酵素地図を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:06) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/86 C12R 1:06) (C12N 9/86 C12R 1:19)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記理化学的性質を有する新規なクレア
    チニンアミドヒドロラーゼ。 作用:水の存在下にクレアチニンに作用して、クレアチ
    ンを生成する。 至適温度:約40℃ 至適pH:約7.0〜7.5 熱安定性:約60℃以下(pH7.5、30分間処理) pH安定性:約6.5〜9.0(25℃、16時間処
    理) クレアチニンに対するKm:約66mM 分子量: 約30,000(SDS−PAGE) 28,497(アミノ酸組成から求めた計算値) 約200,000(ゲル濾過) 等電点:約6.9
  2. 【請求項2】 以下の(a)又は(b)のタンパク質で
    あるクレアチニンアミドヒドロラーゼ。 (a)配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列か
    らなるタンパク質 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは複数の
    アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
    からなり、かつ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性
    を有するタンパク質
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1に記載されるアミノ
    酸配列を有する請求項1記載のクレアチニンアミドヒド
    ロラーゼ。
  4. 【請求項4】 以下の(a)又は(b)のタンパク質で
    あるクレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝
    子。 (a)配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列か
    らなるタンパク質 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは複数の
    アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
    からなり、かつ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性
    を有するタンパク質
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号1に記載されるアミノ
    酸配列からなるタンパク質であるクレアチニンアミドヒ
    ドロラーゼをコードする遺伝子。
  6. 【請求項6】 以下の(c)、(d)又は(e)のDN
    Aからなるクレアチニンアミドヒドロラーゼをコードす
    る遺伝子。(c)配列表の配列番号2に記載される塩基
    配列からなるDNA (d)上記(c)の塩基配列において、1もしくは複数
    の塩基が付加、欠失または置換されており、かつ、クレ
    アチニンアミドヒドロラーゼ活性を有するアミノ酸配列
    をコードしているDNA (e)上記(c)の塩基配列からなるDNAとストリン
    ジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、クレアチ
    ニンアミドヒドロラーゼ活性を有するタンパク質をコー
    ドする細菌由来のDNA
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号2に記載される塩基配
    列からなるDNAを含有するクレアチニンアミドヒドロ
    ラーゼをコードする遺伝子。
  8. 【請求項8】 請求項4、5,6または7記載のクレア
    チニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を含有す
    る組換えベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の組換えベクターで宿主細
    胞を形質転換した形質転換体。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の形質転換体を培養し、
    クレアチニンアミドヒドロラーゼを生成させ、該クレア
    チニンアミドヒドロラーゼを採取することを特徴とする
    クレアチニンアミドヒドロラーゼの製造法。
  11. 【請求項11】 アースロバクター・エスピー(Arthrob
    acter sp.)TE1826(FERM P−10637)
    を培養し、クレアチニンアミドヒドロラーゼを生成さ
    せ、該クレアチニンアミドヒドロラーゼを採取すること
    を特徴とするクレアチニンアミドヒドロラーゼの製造
    法。
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