JPH10215757A - 冷凍パン生地 - Google Patents

冷凍パン生地

Info

Publication number
JPH10215757A
JPH10215757A JP33148597A JP33148597A JPH10215757A JP H10215757 A JPH10215757 A JP H10215757A JP 33148597 A JP33148597 A JP 33148597A JP 33148597 A JP33148597 A JP 33148597A JP H10215757 A JPH10215757 A JP H10215757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
bread
pts
parts
diglycerin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33148597A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Miura
康広 三浦
Mikihiko Nakamura
幹彦 中村
Kesatoshi Suzuki
今朝利 鈴木
Tatsuya Tokunaga
達也 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP33148597A priority Critical patent/JPH10215757A/ja
Publication of JPH10215757A publication Critical patent/JPH10215757A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の冷凍パンに比べ焼成後の風味・匂いが
良く、食感も優れ、スクラッチで作製されたパンに近い
パンを得ることができる冷凍パン生地を提供する。 【解決手段】 小麦粉に対し、(A) パン用酵素製剤0.00
01〜5重量%、(B)ジグリセリン脂肪酸エステル0.01〜2
0重量%を添加した冷凍パン生地。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は冷凍パン生地に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製パン業界においては、消費者の
焼き立てパンに対するニーズなどから冷凍パン生地の需
要が年々増加している。しかし、パンは冷凍及び解凍す
ることにより、パン体積の低下、火ぶくれ、梨肌などの
外観の劣化、食感の劣化およびパン本来の風味の低下等
の冷凍障害を受けるという問題がある。このような問題
を解決するために、従来より冷凍パン生地の品質改善に
ついて、製造工程及び品質改良剤の面から、各種方法が
提案されており(特開平6−276920号公報、特開
平6−292498号公報、特開平7−8159号公
報、特開平7−170904号公報等)、また酵素とモ
ノグリセリドとからなる品質改良剤が市販され、一般的
に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討では、上記のような従来の添加剤の使用による
生地の性質や食感および風味の改良は、まだ十分満足で
きるものではなく、更に改良の余地がある。本発明の目
的は、従来の冷凍パンに比べ焼成後の風味・匂いが良
く、食感も優れ、スクラッチで作製されたパンに近いパ
ンを得ることができる冷凍パン生地を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、パン用酵素製剤と共にジ
グリセリン脂肪酸エステルを配合することが極めて有効
であることを見出し、本発明を完成するに到った。即ち
本発明は、小麦粉に対し、(A) パン用酵素製剤0.0001〜
5重量%、(B) ジグリセリン脂肪酸エステル0.01〜20重
量%を添加したことを特徴とする冷凍パン生地である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で(A) 成分として使用するパン用酵素製剤
とは、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナー
ゼ、ヘミセルラーゼ(ペントサナーゼ)、トランスグル
タミナーゼ、プロテアーゼ、リポキシゲナーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ等の酵素およびこれらの酵素を含む改
良剤やイーストフードであり、特にα−アミラーゼが好
ましい。その添加量は小麦粉に対し0.0001〜5重量%、
好ましくは0.0001〜1.5 重量%、特に0.05〜1重量%で
ある。添加量が0.0001重量%未満では効果が乏しく、添
加量が5重量%を越えると風味等に問題が生じる。ま
た、酵素の活性単位として量から規定すると、例えばα
−アミラーゼの場合、小麦粉1kgに対してα−アミラー
ゼを10〜1000ユニット単位添加することが好ましい。
【0006】本発明で用いる(B) 成分はジグリセリン脂
肪酸エステルである。本発明で用いるジグリセリン脂肪
酸エステルに使用される脂肪酸は特に限定されないが、
炭素数10〜24の飽和又は不飽和のものが用いられる。
又、分岐鎖のものが一部含まれていても使用可能であ
る。これらは単独又は混合物として用いられる。具体的
には、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレイン酸が挙げられるが、中でも飽和脂肪酸
が好ましい。本発明で用いるジグリセリン脂肪酸エステ
ルは、ジグリセリン脂肪酸のモノ、ジ、トリエステル等
であり、中でもジエステルが好ましい。本発明で特に好
ましく用いられるのは、特定の構造を有するジグリセリ
ンジ脂肪酸エステルであり、ジグリセリンの一つの末端
の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一
方、及び他の一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接す
る水酸基のいずれか一方が飽和及び/又は不飽和脂肪酸
によりエステル化された構造を有するジグリセリンジ脂
肪酸エステル、特に好ましくは下記式(I)、(II)及
び(III)で示されるような構造、特に下記式(I)で示
されるような構造のジグリセリンジ飽和脂肪酸エステル
である。このような特定の構造を有するジグリセリンジ
飽和脂肪酸エステルを80重量%以上の高濃度で有するジ
グリセリンジ脂肪酸エステル組成物として使用するのが
望ましい。
【0007】
【化1】
【0008】上記R1 〜R2 で表されるアシル基は、そ
れぞれ同一であっても異なっていてもよい、直鎖状の炭
素数10〜24(更に好ましくは、炭素数12〜22、特に炭素
数16〜20)の脂肪族アシル基が好ましい。このようなジ
グリセリン飽和脂肪酸エステル組成物は、例えば特開平
7−228550号公報に記載されている。本発明のジ
グリセリン脂肪酸エステル組成物を利用して改質剤(又
は改質剤組成物)を調製する際には、対象とするパン生
地に応じて種々の使用形態をとることができる。好まし
い形態としては、上記組成物を適当な乳化剤を用いて水
に分散させてなる分散物の形態、上記組成物を含む水中
油型の乳化油脂組成物の形態、上記組成物を食用油脂に
溶解又は分散させてなる形態、及び上記組成物を含む油
中水型の乳化油脂組成物の形態、更にゲル状形態を挙げ
ることができる。
【0009】上記ジグリセリン脂肪酸エステル組成物が
水に分散させてなる形態においては、該組成物と水との
混合重量比は、1:1〜1:1000(更に好ましく
は、1:2〜1:50)であることが好ましい。
【0010】水中油型の乳化油脂組成物(改質剤組成
物)としては、例えば、以下の組成のものが好ましい。
上記ジグリセリン脂肪酸エステル組成物1〜50重量%
(好ましくは、5〜20重量%)、食用油脂及び/又は
ジグリセリド5〜50重量%(好ましくは、5〜30重
量%)、及び水20〜85重量%(好ましくは、20〜
70重量%)からなるもの。上記ジグリセリン脂肪酸エ
ステル組成物1〜50重量%(好ましくは、5〜20重
量%)、食用油脂及び/又はジグリセリド5〜50重量
%(好ましくは、5〜30重量%)、糖5〜40重量%
(好ましくは、15〜35重量%)、及び水20〜85
重量%(好ましくは、20〜70重量%)からなるも
の。上記ジグリセリン脂肪酸エステル組成物が食用油脂
に溶解又は分散させてなる形態にある改質剤組成物にお
いては、該組成物と食用油脂との混合重量比は、1:2
〜1:1000(更に好ましくは、1:2〜1:10
0)であることが好ましい。
【0011】また油中水型の乳化油脂組成物(改質剤組
成物)としては、例えば、以下の組成のものが好まし
い。上記ジグリセリン脂肪酸エステル組成物1〜50重
量%(好ましくは、2〜50重量%)、食用油脂及び/
又はジグリセリド30〜99重量%(好ましくは、50
〜98重量%)、及び水0.1〜60重量%(好ましく
は、1〜40重量%)からなるもの。
【0012】上記形態の改質剤組成物の調製に用いる食
用油脂としては、通常食用に供する油脂でよく、例え
ば、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、オリー
ブ油、綿実油、ゴマ油、ハイエルシンナタネ油、パーム
油、パーム核油、椰子油、乳脂、ラード、牛脂、魚油、
鯨油及びこれらの硬化油、分別油、ランダム化油などか
ら選ばれた一種以上の油脂を挙げることができる。また
ジグリセリドは、上記のような食用油脂を原料としてエ
ステル交換反応などの公知の方法で得られたジグリセリ
ドを用いることができる。
【0013】上記水中油型の乳化油脂組成物に用いる糖
としては、例えば、砂糖、麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、果
糖、ガラクトース、水飴、異性化糖、転化糖、プルラン
などの糖類;ソルビトール、マルチトール、キシリトー
ルなどの糖アルコール類;澱粉加水分解物などの還元糖
類;及び澱粉、デキストラン、グリコーゲン、セルロー
ス、デキストリン、イヌリン、ガラクタン、キチン、ア
ルギン酸、ペクチンなどの多糖類を挙げることができ
る。これらは、一種または二種以上を組み合わせて使用
することができる。上記の中では、二糖類以上の糖類及
び糖アルコール類が好ましい。
【0014】上記ジグリセリン脂肪酸エステル混合物と
水が、ゲルを形成してなる形態の改質剤組成物の場合、
該混合物の水に対する重量比(混合物:水)は、1:
0.5〜1:1000であることが好ましく、1:1〜
1:50であることが更に好ましい。
【0015】上記のような改質剤又は改質剤組成物は、
常法に従い調製することができる。その際必要により、
(B) 成分以外の乳化剤を使用することができる。このよ
うな乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸モノエ
ステル、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸モノエステルとポリカルボン酸のエステル、ソル
ビタン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。これ
らの乳化剤は、改質剤又は改質剤組成物の形態により選
ばれる。例えば、乳化油脂組成物の場合は、油相部には
親油性の乳化剤が、また水相部には親水性の乳化剤が一
種または二種以上を使用できる。親油性の乳化剤は、通
常食用油脂及び/又はジグリセリド100重量部に対し
て、0.1〜50重量部(好ましくは、0.5〜10重
量部)、親水性の乳化剤は、水100重量部に対して、
0.1〜20重量部(好ましくは、1〜10重量部)使
用される。
【0016】本発明において、(B) ジグリセリン脂肪酸
エステルの添加量は小麦粉に対し0.01〜20重量%、好ま
しくは0.5 〜5重量%である。添加量が0.01重量%未満
では効果が乏しく、添加量が20重量%を越えると風味等
に問題が生じる。
【0017】本発明における、「冷凍パン生地」とは、
主原料としての小麦粉に、食塩、水(捏水)及びイース
トと、その他の原料、例えばイーストフード、油脂類
(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状
油等)、乳製品、糖類、親水性乳化剤、調味料(グルタ
ミン酸類、核酸類)、化学膨張剤、フレーバー等を添加
し、得られた混合物を混捏して得られた生地を冷凍した
もので、冷凍の手法としては、生地玉冷凍、成型後冷
凍、ホイロ後冷凍、焼成後冷凍などが挙げられる。ま
た、本発明で対象とするパンは、食パン、特殊パン、菓
子パンなどである。例えば、食パンとしては、白パン、
黒パン、フランスパン、バラエティブレッド、ロール
(テーブルロール)、バンズ、バターロール等)を挙げ
ることができる。特殊パンとしては、グリッシーニ、マ
フィン、ラスク等、調理パンとしては、ホットドッグ、
ハンバーガー、ピザパイ等、菓子パンとしては、ジャム
パン、アンパン、クリームパン、レーズンパン、メロン
パン、スイートロール、リッチグッズ(クロワッサン、
ブリオッシュ、デニッシュペストリー)などが挙げられ
る。なお、本発明の改質剤あるいは改質剤組成物は、他
の改質剤あるいは改質剤組成物として公知のものと組み
合わせて使用することもできる。例えば(C) 成分として
(B) 成分以外の乳化剤を用いることができる。このよう
な(C) 成分としては、例えばグリセリン脂肪酸モノエス
テル、グリセリン脂肪酸モノエステルとポリカルボン酸
のエステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、リン
脂質類等の乳化剤が挙げられる。これらの乳化剤の内、
特に好ましいのはグリセリン脂肪酸モノエステルであ
り、牛脂や綿実油などの天然油脂から得られる蒸留又は
未蒸留のグリセリン脂肪酸モノエステルや、脂肪酸の炭
素数が10〜24の飽和又は不飽和脂肪酸の1種又は2種以
上の混合物からなるグリセリン脂肪酸モノエステルが挙
げられる。特に炭素数が16、18の脂肪酸を主とするグリ
セリン脂肪酸モノエステルが望ましい。本発明におい
て、(C) (B) 成分以外の乳化剤を改質剤として併用する
場合、その添加量は小麦粉に対し0.1 〜20重量%、好ま
しくは0.5 〜5重量%である。添加量が0.1 重量%未満
では効果が乏しく、添加量が20重量%を越えると風味等
に問題が生じる。
【0018】また、本発明ではその他の公知の改質剤を
併用することも可能であり、このような公知の改質剤と
しては、例えば、アスコルビン酸、及びその誘導体、有
機酸類、アミノ酸類、塩類等を挙げることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明の冷凍パン生地によれば、風味改
善、体積向上、食感向上(口溶け、やわらか、しっと
り、歯切れ等)などの効果が発揮され、冷凍障害を防止
できる。特に、これまで冷凍では風味低下等が著しかっ
たアンパン等の包餡ものについて、顕著な効果が得られ
る。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を記載し、本発明
を更に具体的に説明する。なお、「%」は重量%を表わ
す。 参考例1 (ジグリセリンジステアリン酸エステルAの調製)ステ
アリン酸100 重量部を70℃で溶解し、これにムコール・
ミーハイ由来のリパーゼを陰イオン交換樹脂に固定した
固定化リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme,IM20,N
OVO社製)10重量部と直鎖型ジグリセリン29重量部を
加え、減圧(2Torr)下、70℃で4時間反応させた。反
応生成物から濾過によって固定化酵素を除いた後、薄膜
式連続蒸留装置によって未反応の脂肪酸、ジグリセリン
とモノエステルを除去した。更にシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによってトリエステルを除去し、ジグリ
セリン−1,6−ジステアレート(約50%)、ジグリセ
リン−1,5−ジステアレート(約45%)、及びジグリ
セリン−2,5−ジステアレート(約5%)の混合物
(ジグリセリンジステアリン酸エステルA)を得た。
【0021】比較例1 下記の基本組成からなる冷凍用パン生地を用い、下記の
製造工程にてロールパンを製造した。 〔ロールパンの配合〕 強力粉 100.0 部(2000g) 砂糖 12.0 部( 240g) 食塩 1.8 部( 36g) 卵 10.0 部( 200g) 油脂 15.0 部( 300g) イースト 5.0 部( 100g) 水 46.0 部( 920g) 〔製造工程〕 ミキシング 低速4分、高速8分 こね上げ温度22℃
スパイラルミキサー使用 フロア 27.5℃、75%、20分 分割 35g(モルダー) ベンチ 室温、20分 成型 冷凍 生地中心温度−12℃(−20℃の冷蔵庫で
1ヵ月保管) 解凍 室温、1時間 ホイロ 30℃、85−90%、約1時間 焼成 210 ℃、7−8分、リールオープン 比較例2 上記基本組成の冷凍用パン生地に、ミキシングの段階
で、α−アミラーゼ製剤(FDサーブ、カリフ・ジャポ
ン社製)0.3 部(6g)とモノグリセリド(パスティ
ー、カリフ・ジャポン社製)2.0 部(40g)を添加した
以外は比較例1と同様にしてロールパンを製造した。 実施例1 上記基本組成の冷凍用パン生地に、ミキシングの段階
で、α−アミラーゼ製剤(FDサーブ、カリフ・ジャポ
ン社製)0.3 部(6g)と参考例1で調製したジグリセ
リンジステアリン酸エステルA 2.0 部(40g)を添加
した以外は比較例1と同様にしてロールパンを製造し
た。 実施例2 上記基本組成の冷凍用パン生地に、ミキシングの段階
で、α−アミラーゼ製剤(FDサーブ、カリフ・ジャポ
ン社製)0.3 部(6g)とモノグリセリド(パスティ
ー、カリフ・ジャポン社製)2.0 部(40g)と参考例1
で調製したジグリセリンジステアリン酸エステルA 2.
0 部(40g)を添加した以外は比較例1と同様にしてロ
ールパンを製造した。 比較例3 上記基本組成の冷凍用パン生地において、水を 48.0 部
( 960g)とすると共に、ミキシングの段階で、α−ア
ミラーゼ製剤(FDサーブ、カリフ・ジャポン社製)0.
3 部(6g)とモノグリセリド(パスティー、カリフ・
ジャポン社製)2.0 部(40g)を添加した以外は比較例
1と同様にしてロールパンを製造した。 実施例3 上記基本組成の冷凍用パン生地において、水を 48.0 部
( 960g)とすると共に、ミキシングの段階で、α−ア
ミラーゼ製剤(FDサーブ、カリフ・ジャポン社製)0.
3 部(6g)と参考例1で調製したジグリセリンジステ
アリン酸エステルA 2.0 部(40g)を添加した以外は
比較例1と同様にしてロールパンを製造した。 実施例4 上記基本組成の冷凍用パン生地において、水を 48.0 部
( 960g)とすると共に、ミキシングの段階で、α−ア
ミラーゼ製剤(FDサーブ、カリフ・ジャポン社製)0.
3 部(6g)とモノグリセリド(パスティー、カリフ・
ジャポン社製)2.0 部(40g)と参考例1で調製したジ
グリセリンジステアリン酸エステルA2.0 部(40g)を
添加した以外は比較例1と同様にしてロールパンを製造
した。実施例・比較例で得られた各ロールパンについ
て、専門パネラーにより、風味・匂いと食感を、◎、
○、△、×の4段階で官能評価した。又、ロールパンの
容積を市販のレーザー体積測定装置で測定した。結果を
表1にまとめて示す。尚、上記実施例で用いたα−アミ
ラーゼ製剤(FDサーブ、カリフ・ジャポン社製)のα
−アミラーゼ活性は14ユニット/gなので小麦粉1kgに
対して42ユニットを使用したことになる。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果からも明らかなように、本発明
の冷凍パン生地を用いた場合、得られるパンの風味・匂
いと食感に優れている。
【0024】参考例2 (ジグリセリンジステアリン酸エステルBの調製)ステ
アリン酸100 重量部を70℃で溶解し、これにムコール・
ミーハイ由来のリパーゼを陰イオン交換樹脂に固定した
固定化リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme,IM20,N
OVO社製)10重量部とジグリセリン29重量部(直鎖型
ジグリセリン69%と分岐型ジグリセリン31%)を加え、
減圧(2Torr)下、70℃で4時間反応させた。反応生成
物から濾過によって固定化酵素を除いた後、薄膜式連続
蒸留装置によって未反応のステアリン酸、ジグリセリン
とモノエステルの大部分を除去し、粗ジグリセリンジス
テアリン酸エステル86重量部を得た。得られた粗ジグリ
セリンジステアリン酸エステルを350 重量部のアセトン
に加熱して溶かした後、0℃まで冷却し、結晶を析出さ
せた。結晶を濾過により採取し、減圧乾燥し、白色固体
(アセトン晶析品)を得た。得られた白色固体(アセト
ン晶析品)をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、エステル部分(ジグリセリンジステアリン酸エステ
ルB)の組成は、ジグリセリンモノステアリン酸エステ
ル1.9%、ジグリセリンジステアリン酸エステル6
7.4%、ジグリセリントリステアリン酸エステル2
6.5%、及びジグリセリンテトラステアリン酸エステ
ル4.2%であった。
【0025】参考例3 (ジグリセリンジステアリン酸エステル組成物1の調
製)参考例1で得たジグリセリンジステアリン酸エステ
ルA 10重量部、ショ糖脂肪酸エステル(商品名:S−
1170S、三菱化成(株)製)1重量部、及び水89重
量部を70℃でディスパーサーで分散し、本発明に従う改
質剤を含む水分散物(組成物1)を得た。
【0026】参考例4 (ジグリセリンジステアリン酸エステル組成物2の調
製)参考例1で得たジグリセリンジステアリン酸エステ
ルA 12重量部、グリセリンジオレイン酸エステル7重
量部、菜種白絞油15重量部を混合し、80℃にて加熱、融
解、分散させて油性液を調製した(油相部)。一方、D
−ソルビット液(70%)40重量部、水23重量部、及びシ
ョ糖エステルS−1170S(HLB11、三菱化成
(株)製)3重量部を60℃で混合して水性液を調製した
(水相部)。
【0027】上記油性液に水性液を添加しながら70℃で
ディスパーサー(商品名:ヒスコトロン、日音医理科機
械制作所(株)製)で乳化し、本発明に従う水中油型乳
化油脂組成物(組成物2)を得た。
【0028】参考例5 (ジグリセリンジステアリン酸エステル組成物3の調
製)ビーカーに、参考例1で得たジグリセリンジステア
リン酸エステルA 20重量部、ジグリセリンモノステア
リン酸エステル(商品名:サンソフトQ−18D、太陽
化学(株)製)20重量部及び水40重量部を入れた。この
混合物を、75℃にて5分間攪拌し、その後、攪拌下、ビ
ーカーを氷水で冷却し、本発明に従うゲル上の改質剤組
成物(組成物3)を得た。
【0029】参考例6 (ジグリセリンジステアリン酸エステル組成物4の調
製)参考例2で得たジグリセリンジステアリン酸エステ
ルB 10重量部、ショートニング(ニューエコナV、花
王(株)製)85重量部、及びナタネ油5重量部を70℃に
加熱し、溶解させて、均一化した。その後、これを0℃
に冷却した容器に移し、攪拌させながら急冷固化し、本
発明に従う改質剤組成物(組成物4)を得た。
【0030】参考例7 (ジグリセリンジステアリン酸エステル組成物5の調
製)参考例2で得たジグリセリンジステアリン酸エステ
ルB 7重量部、ショートニング(ニューエコナV、花
王(株)製)76重量部、及びモノグリセリン脂肪酸エス
テル(T−95、花王(株)製)0.5 重量部を70℃に加
熱し、溶解させて、均一化した。その後、これを攪拌さ
せながら水16.5重量部を少しずつ加え、油中水型乳化油
脂組成物を調製した。得られた油中水型乳化油脂組成物
を混練しながら急冷し、本発明に従う改質剤組成物(組
成物5)を得た。
【0031】参考例8 (ジグリセリンジステアリン酸エステル組成物6の調
製)ビーカーに、参考例2で得たジグリセリンジステア
リン酸エステルB 20重量部、ジグリセリンモノステア
リン酸エステル(商品名:サンソフトQ−18D、太陽
化学(株)製)20重量部及び水40重量部を入れた。この
混合物を、75℃にて5分間攪拌し、その後、攪拌下、ビ
ーカーを氷水で冷却し、本発明に従うゲル上の改質剤組
成物(組成物6)を得た。
【0032】参考例9〜13 (比較用の組成物7〜11の調製)参考例3〜8におい
て、ジグリセリンジステアリン酸エステルAまたはBの
代わりに、グリセリンモノステアリン酸エステル(エキ
セルT−95、花王(株)製)を用いた以外は同様にし
て、組成物1〜6に対応する比較用の組成物7〜11を
得た。
【0033】実施例5〜8、比較例4〜9 上記組成物と市販酵素を用いて冷凍テーブルロールを製
造し、評価した。酵素は、α−アミラーゼとして「ファ
ンガミル 2500BG」(ノボノルディスクバイオイ
ンダストリー(株)製)を対小麦粉0.0002%使用した。
α−アミラーゼとペントサナーゼの併用系として「ファ
ンガミルスーパーMA」(ノボノルディスクバイオイン
ダストリー(株)製)を対小麦粉0.002 %使用した。こ
こで、「ファンガミル 2500BG」のα−アミラー
ゼ活性は7.6 ×104 ユニット/gなので小麦粉1kgに対
して152 ユニットを使用したことになる。また、「ファ
ンガミルスーパーMA」のα−アミラーゼ活性は7.6 ×
103 ユニット/gなので小麦粉1kgに対して152 ユニッ
トを使用したことになる。尚、α−アミラーゼ活性の測
定法は、1ユニット/g=1SKB単位とし、AAAC
(American Association of Cereal Chemists )Met
hod 22−01:「ALPHA−AMYLASE
ACTIVITY OF MALT」に準拠した。ま
た、上記各組成物の添加量は、表2にまとめて示す通り
である。
【0034】
【表2】
【0035】テーブルロールの基本配合は以下の通りで
ある。 強力小麦粉 100.0 部 砂糖 12.0 部 食塩 1.8 部 全卵 10.0 部 イースト*1 5.0 部 イーストフード*2 0.3 部 マーガリン 15.0 部 水 48.0 部 *1;「YFイースト」旭フーズ(株)製 *2;「C冷凍生地用フード」オリエンタル酵母工業
(株)製 上記基本配合に酵素、組成物を加えてボールに入れ、縦
型ミキサー(10コート、フック、関東混合機(株)製)
を用いて混捏(低速5分、高速8分、捏ね上げ温度22
℃)し、生地を調製した。フロアタイムは27.5℃で20分
とった。次に、生地を35gずつ分割し、室温で20分のベ
ンチタイムをとり、クレセントモルダー(KC200
A、(株)鎌田機械製作所)で成型した。これを−30℃
のショックフリーザーで中心温度−12℃まで冷凍し、−
20℃で30日間保存した。これを室温で1時間解凍し、ホ
イロ(温度30℃、相対湿度90%、1時間)後、オーブン
(220℃)で8分焼成し、テーブルロールを得て評価し
た。評価は、専門パネラーによる官能評価(風味、口溶
け、やわらかさ、しっとり感)とレーザー体積測定装置
を用いた体積測定による。尚、体積はα−アミラーゼ単
独添加系(比較例5)を100 として相対値で表した。結
果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】実施例9〜12、比較例10〜15 上記組成物と市販酵素を用いて冷凍あんぱんを製造し、
評価した。酵素の種類及び配合量については、前記実施
例と同様である。また、上記各組成物の添加量は、表4
にまとめて示す通りである。
【0038】
【表4】
【0039】あんぱんの基本配合は以下の通りである。 強力小麦粉 100.0 部 砂糖 23.0 部 食塩 1.2 部 卵黄 10.0 部 脱脂粉乳 3.0 部 イースト*1 7.0 部 イーストフード*2 0.3 部 ショートニング 10.0 部 水 47.0 部 *1;「YFイースト」旭フーズ(株)製 *2;「C冷凍生地用フード」オリエンタル酵母工業
(株)製 上記基本配合に酵素、組成物を加えてボールに入れ、縦
型ミキサー(10コート、フック、関東混合機(株)製)
を用いて混捏(低速4分、中高速3分、高速4分、捏ね
上げ温度24℃)し、生地を調製した。フロアタイムは2
7.5℃で20分とった。次に、生地を50gずつ分割し、室
温、20分のベンチタイムをとり、モルダーでガス抜きを
した後、手包餡を行った(餡重量40g)。これを−30℃
のショックフリーザーで中心温度−12℃まで冷凍し、−
20℃で30日間保存した。これを室温で1.5 時間解凍し、
ホイロ(温度35℃、相対湿度70%、1.5 時間)後、オー
ブン(200 ℃)で9分焼成し、あんぱんを得て、前記実
施例と同様に評価した。尚、体積はα−アミラーゼ単独
添加系(比較例11)を100 として相対値で表した。結果
を表5に示す。
【0040】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳永 達也 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20 花王株式会 社研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉に対し、(A) パン用酵素製剤0.00
    01〜5重量%、(B)ジグリセリン脂肪酸エステル0.01〜2
    0重量%を添加したことを特徴とする冷凍パン生地。
  2. 【請求項2】 小麦粉に対し、(A) パン用酵素製剤0.00
    01〜5重量%、(B)ジグリセリン脂肪酸エステル0.01〜2
    0重量%、(C) (B) 成分以外の乳化剤0.1 〜20重量%を
    添加したことを特徴とする冷凍パン生地。
  3. 【請求項3】 (A) パン用酵素製剤がα−アミラーゼで
    ある請求項1又は2記載の冷凍パン生地。
  4. 【請求項4】 (B) ジグリセリン脂肪酸エステルがジグ
    リセリンジ脂肪酸エステルである請求項1又は2記載の
    冷凍パン生地。
  5. 【請求項5】 (B) ジグリセリン脂肪酸エステルが水と
    ゲルを形成している形態で用いられる請求項1又は2記
    載の冷凍パン生地。
JP33148597A 1996-12-04 1997-12-02 冷凍パン生地 Pending JPH10215757A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33148597A JPH10215757A (ja) 1996-12-04 1997-12-02 冷凍パン生地

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-324170 1996-12-04
JP32417096 1996-12-04
JP33148597A JPH10215757A (ja) 1996-12-04 1997-12-02 冷凍パン生地

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10215757A true JPH10215757A (ja) 1998-08-18

Family

ID=26571406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33148597A Pending JPH10215757A (ja) 1996-12-04 1997-12-02 冷凍パン生地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10215757A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014113101A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Kaneka Corp 冷凍パン生地

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014113101A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Kaneka Corp 冷凍パン生地

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101525278B1 (ko) 유화 유지 조성물
JP6803720B2 (ja) ベーカリー練り込み用油脂組成物と可塑性油脂およびベーカリー製品の製造方法
US5789011A (en) Modifier for protein-containing materials and modifier composition
US8192781B2 (en) Fat composition for bakery product and bakery product
JP2006166909A (ja) 焼き菓子類
JP4360600B2 (ja) 製パン用油脂組成物
JP7407522B2 (ja) 製菓練り込み用油脂組成物とそれを用いた製菓
JP3439568B2 (ja) パン用品質改良剤、その製法およびパンの製造法
JP7195694B2 (ja) 製パン用油脂組成物、製パン用生地、及びパン類
JPH10215757A (ja) 冷凍パン生地
JP3017035B2 (ja) 蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品
JP2889505B2 (ja) トリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物、蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉食品
JP7137864B2 (ja) 油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法並びにパン又は菓子
JP3706235B2 (ja) 小麦粉製品用の生地
JP6430753B2 (ja) 油脂組成物、該油脂組成物が配合された製菓製パン類
JP6307780B2 (ja) ベーカリー用油脂組成物
JP4425625B2 (ja) ベーカリー製品用マスキング剤
JP6727389B1 (ja) 焼き菓子用生地及び焼き菓子
JP3989920B2 (ja) パン用冷凍生地
JP4360627B2 (ja) チルド温度流通パン類製造用油脂組成物
JP3194990B2 (ja) プロテアーゼ含有ロールイン油脂組成物及びこれを使用したパフペーストリー
JPH05227873A (ja) パンの製造法
JP2693837B2 (ja) パンの改質方法
JP3694168B2 (ja) 小麦粉製品の改質剤
JP2022175885A (ja) 製パン練り込み用油脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040406

A621 Written request for application examination

Effective date: 20040406

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20040913

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041005

A521 Written amendment

Effective date: 20041201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050329