JPH1021534A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH1021534A JPH1021534A JP19402296A JP19402296A JPH1021534A JP H1021534 A JPH1021534 A JP H1021534A JP 19402296 A JP19402296 A JP 19402296A JP 19402296 A JP19402296 A JP 19402296A JP H1021534 A JPH1021534 A JP H1021534A
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- polymer beads
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高密度記録に適し、電磁変換特性、耐久性に
優れた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2の一面側に、強磁性粉を
含む磁性層3を少なくとも形成し、この磁性層の厚みが
0.3μm以下になされた磁気記録媒体において、前記
磁性層中に平均粒径R1が前記磁性層の厚みdに対し
て、R1≦0.8dに示す関係になされたポリイミド微
粒子を含み、且つこのポリイミド微粒子の添加量を強磁
性粉に対して1〜5重量部の範囲内に設定する。これに
より、電磁変換特性、耐久性に優れた磁気記録媒体を提
供する。
優れた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2の一面側に、強磁性粉を
含む磁性層3を少なくとも形成し、この磁性層の厚みが
0.3μm以下になされた磁気記録媒体において、前記
磁性層中に平均粒径R1が前記磁性層の厚みdに対し
て、R1≦0.8dに示す関係になされたポリイミド微
粒子を含み、且つこのポリイミド微粒子の添加量を強磁
性粉に対して1〜5重量部の範囲内に設定する。これに
より、電磁変換特性、耐久性に優れた磁気記録媒体を提
供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に係
り、特に、高密度記録に適し、耐久性に優れた磁気記録
媒体に関する。
り、特に、高密度記録に適し、耐久性に優れた磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器、オーディオ機器、ビデ
オ機器、通信装置類などの情報産業の発達に伴って、取
り扱う情報量が益々増大しており、アナログ信号と比較
してノイズの混入の少ない、しかも、取り扱いに汎用性
のあるデジタル信号が主に用いられる傾向にある。特
に、デジタル信号は、短波長信号による高密度記録が可
能となる。このような状況下において、記録媒体の一つ
である磁気記録媒体においても高密度デジタル記録の検
討が行なわれ、製品化されている。磁気記録媒体におい
てデジタル信号を記録再生するためには、オーバーライ
ト特性等を向上する必要から磁性層が薄いことが望まし
いことが知られている。しかしながら、磁性層の厚みを
単に薄くすると当然のこととしてビデオヘッドが磁性層
に当たるときに磁性層に傷を付け、甚だしい時には磁性
層を破壊する現象が起き易くなり、特に、低温下での繰
り返し摺動(いわゆる低温スチル)で、この問題が生じ
易い。
オ機器、通信装置類などの情報産業の発達に伴って、取
り扱う情報量が益々増大しており、アナログ信号と比較
してノイズの混入の少ない、しかも、取り扱いに汎用性
のあるデジタル信号が主に用いられる傾向にある。特
に、デジタル信号は、短波長信号による高密度記録が可
能となる。このような状況下において、記録媒体の一つ
である磁気記録媒体においても高密度デジタル記録の検
討が行なわれ、製品化されている。磁気記録媒体におい
てデジタル信号を記録再生するためには、オーバーライ
ト特性等を向上する必要から磁性層が薄いことが望まし
いことが知られている。しかしながら、磁性層の厚みを
単に薄くすると当然のこととしてビデオヘッドが磁性層
に当たるときに磁性層に傷を付け、甚だしい時には磁性
層を破壊する現象が起き易くなり、特に、低温下での繰
り返し摺動(いわゆる低温スチル)で、この問題が生じ
易い。
【0003】また、磁性層の薄膜化が進むことによって
媒体に含まれる滑剤の長期保存が困難になってくるため
に、繰り返し走行時に磁性層の表面近傍における滑剤量
が減少して動摩擦係数の上昇を伴い、負荷が多くかかる
ことによって走行が不安定になったり、停止してしまう
という問題も生じてくる。
媒体に含まれる滑剤の長期保存が困難になってくるため
に、繰り返し走行時に磁性層の表面近傍における滑剤量
が減少して動摩擦係数の上昇を伴い、負荷が多くかかる
ことによって走行が不安定になったり、停止してしまう
という問題も生じてくる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
るために、例えば特開平5−84818号公報には記録
媒体の最表層部に平均粒径が規定された2種類の粒子を
含ませて表面が削り取られ難くした2軸配向の記録媒体
が提案されている。また、本出願人も特開平2−263
316号公報に示すように磁性層やバックコート層に多
孔性架橋ポリマー粒子を含ませて潤滑性に優れた記録媒
体を提案した。
るために、例えば特開平5−84818号公報には記録
媒体の最表層部に平均粒径が規定された2種類の粒子を
含ませて表面が削り取られ難くした2軸配向の記録媒体
が提案されている。また、本出願人も特開平2−263
316号公報に示すように磁性層やバックコート層に多
孔性架橋ポリマー粒子を含ませて潤滑性に優れた記録媒
体を提案した。
【0005】また、その他にも、これらの問題に対し
て、滑剤の効果的な使用法、無機粒子(研磨剤)の添加
などの方法が提案されているが、何れの方法も効果が小
さな点があったり表面性にマイナスの影響を及ぼすなど
の問題点があり、十分なまでには改善がなさていないの
が現状である。本発明は、以上のような問題点に着目
し、これを有効に解決すべく創案されたものであり、そ
の目的は高密度記録に適し、電磁変換特性、耐久性に優
れた磁気記録媒体を提供することにある。
て、滑剤の効果的な使用法、無機粒子(研磨剤)の添加
などの方法が提案されているが、何れの方法も効果が小
さな点があったり表面性にマイナスの影響を及ぼすなど
の問題点があり、十分なまでには改善がなさていないの
が現状である。本発明は、以上のような問題点に着目
し、これを有効に解決すべく創案されたものであり、そ
の目的は高密度記録に適し、電磁変換特性、耐久性に優
れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に規定する第1
の発明は、非磁性支持体の一面側に、強磁性粉を含む磁
性層を少なくとも形成し、この磁性層の厚みが0.3μ
m以下になされた磁気記録媒体において、前記磁性層中
に平均粒径R1が前記磁性層の厚みdに対して数1に示
す関係になされたポリイミド微粒子を含み、且つこのポ
リイミド微粒子の添加量が強磁性粉に対して1〜5重量
部の範囲内で含むように構成したものである。 R1≦0.8d …数1 請求項2に規定する第2の発明は、非磁性支持体の一面
側に、強磁性粉を含む磁性層を少なくとも形成し、この
磁性層の厚みが0.3μm以下になされた磁気記録媒体
において、前記磁性層中に平均粒径R2が、前記磁性層
の厚みdに対して数2に示す範囲内になされたポリマー
ビーズを含み且つ前記ポリマービーズの添加量が前記強
磁性粉に対して1〜5重量部の範囲内で含むように構成
したものである。 0.4d≦R2≦0.8d …数2 請求項5に規定する第3の発明は、非磁性支持体の一面
側に、アンカーコート層を設け、このアンカーコート層
上に強磁性粉を含む磁性層を形成し、この磁性層の厚み
が0.3μm以下になされた磁気記録媒体において、前
記アンカーコート層中に平均粒径が0.08〜0.15
μmの範囲内のポリマービーズを含むように構成したも
のである。
の発明は、非磁性支持体の一面側に、強磁性粉を含む磁
性層を少なくとも形成し、この磁性層の厚みが0.3μ
m以下になされた磁気記録媒体において、前記磁性層中
に平均粒径R1が前記磁性層の厚みdに対して数1に示
す関係になされたポリイミド微粒子を含み、且つこのポ
リイミド微粒子の添加量が強磁性粉に対して1〜5重量
部の範囲内で含むように構成したものである。 R1≦0.8d …数1 請求項2に規定する第2の発明は、非磁性支持体の一面
側に、強磁性粉を含む磁性層を少なくとも形成し、この
磁性層の厚みが0.3μm以下になされた磁気記録媒体
において、前記磁性層中に平均粒径R2が、前記磁性層
の厚みdに対して数2に示す範囲内になされたポリマー
ビーズを含み且つ前記ポリマービーズの添加量が前記強
磁性粉に対して1〜5重量部の範囲内で含むように構成
したものである。 0.4d≦R2≦0.8d …数2 請求項5に規定する第3の発明は、非磁性支持体の一面
側に、アンカーコート層を設け、このアンカーコート層
上に強磁性粉を含む磁性層を形成し、この磁性層の厚み
が0.3μm以下になされた磁気記録媒体において、前
記アンカーコート層中に平均粒径が0.08〜0.15
μmの範囲内のポリマービーズを含むように構成したも
のである。
【0007】第1の発明によれば、磁性層に所定の平均
粒径のポリイミド微粒子を加えたので、優れた高密度記
録特性を維持しつつスチル特性などの耐久性を高めるこ
とができる。この場合、平均粒径の下限値は、好ましく
は0.4d程度である。第2の発明によれば、磁性層に
所定の平均粒径のポリマービーズを加えたので、優れた
高密度記録特性を維持しつつスチル特性などの耐久性を
向上させることができる。この場合、ポリマービーズに
脂肪酸、或いは脂肪酸エステルを含浸させてもよいし、
硬化剤を含浸させるようにしてもよい。第3の発明によ
れば、アンカーコート層に所定の平均粒径のポリマービ
ーズを加えるようにしたので、優れた高密度記録特性を
維持しつつスチル特性などの耐久性を向上させることが
できる。この場合、ポリマービーズの添加量は、コート
層の樹脂100重量部に対して100〜300重量部の
範囲内が好ましい。また、このポリマービーズに脂肪
酸、或いは脂肪酸エステルを含浸させるようにしてもよ
い。
粒径のポリイミド微粒子を加えたので、優れた高密度記
録特性を維持しつつスチル特性などの耐久性を高めるこ
とができる。この場合、平均粒径の下限値は、好ましく
は0.4d程度である。第2の発明によれば、磁性層に
所定の平均粒径のポリマービーズを加えたので、優れた
高密度記録特性を維持しつつスチル特性などの耐久性を
向上させることができる。この場合、ポリマービーズに
脂肪酸、或いは脂肪酸エステルを含浸させてもよいし、
硬化剤を含浸させるようにしてもよい。第3の発明によ
れば、アンカーコート層に所定の平均粒径のポリマービ
ーズを加えるようにしたので、優れた高密度記録特性を
維持しつつスチル特性などの耐久性を向上させることが
できる。この場合、ポリマービーズの添加量は、コート
層の樹脂100重量部に対して100〜300重量部の
範囲内が好ましい。また、このポリマービーズに脂肪
酸、或いは脂肪酸エステルを含浸させるようにしてもよ
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る磁気記録媒
体の一実施例について添付図面を参照して詳述する。
体の一実施例について添付図面を参照して詳述する。
【0009】(第1の発明)図1は第1の発明に係る磁
気記録媒体を示す部分拡大断面図である。図示するよう
に、この磁気記録媒体1は、例えばPET(ポリエチレ
ンテレフタレート)フィルムよりなる非磁性支持体2
と、この一面に形成された磁性層3により構成される。
この磁性層3中には、Feを主成分とする強磁性粉が混
入されると共に本発明の特徴とするポリイミド微粒子4
が混入されている。図示例においては、発明の理解を容
易にするためにポリイミド微粒子を誇張して大きく記載
している。磁性層3の厚みdは、0.3μm以下に設定
されており、この厚みdが0.3μmを越えて大きく設
定するとオーバーライト特性が悪化する。
気記録媒体を示す部分拡大断面図である。図示するよう
に、この磁気記録媒体1は、例えばPET(ポリエチレ
ンテレフタレート)フィルムよりなる非磁性支持体2
と、この一面に形成された磁性層3により構成される。
この磁性層3中には、Feを主成分とする強磁性粉が混
入されると共に本発明の特徴とするポリイミド微粒子4
が混入されている。図示例においては、発明の理解を容
易にするためにポリイミド微粒子を誇張して大きく記載
している。磁性層3の厚みdは、0.3μm以下に設定
されており、この厚みdが0.3μmを越えて大きく設
定するとオーバーライト特性が悪化する。
【0010】また、ポリイミド微粒子4の平均粒径R1
は、磁性層3の厚みdに対して数1に示す関係を満足す
るように設定する。 R1≦0.8d …数1 この平均粒径の下限値は0.4d程度が好ましい。これ
は、平均粒径が0.4dよりも小さいと、スチル特性が
劣化するためである。また、この添加量は、強磁性粉に
対して1〜5重量部の範囲内に設定するのが好ましい。
は、磁性層3の厚みdに対して数1に示す関係を満足す
るように設定する。 R1≦0.8d …数1 この平均粒径の下限値は0.4d程度が好ましい。これ
は、平均粒径が0.4dよりも小さいと、スチル特性が
劣化するためである。また、この添加量は、強磁性粉に
対して1〜5重量部の範囲内に設定するのが好ましい。
【0011】添加剤として使用するポリイミド粒子4
は、例えば芳香族ポリアミック酸の溶液(脱水剤、触媒
を含む)をスプレードライヤーで微粒子化したものを用
いることができるが、これに限定されない。このように
構成することにより、短波長信号に対するオーバーライ
ト特性が高く維持できて高密度記録が可能であり、しか
も、スチル特性などの耐久性も大幅に向上させることが
できる。
は、例えば芳香族ポリアミック酸の溶液(脱水剤、触媒
を含む)をスプレードライヤーで微粒子化したものを用
いることができるが、これに限定されない。このように
構成することにより、短波長信号に対するオーバーライ
ト特性が高く維持できて高密度記録が可能であり、しか
も、スチル特性などの耐久性も大幅に向上させることが
できる。
【0012】<第1の発明の実施例1〜3>次に、第1
の発明の実施例と比較例を具体的に挙げて説明する。磁
性塗料として、表1に示す磁性塗料組成の混合物をサン
ドミルにより混合・分散して、磁性塗料を作成した。そ
して、強磁性粉特性、磁性塗料の塗布条件、配向条件、
カレンダリング条件を調節することで、長手方向(媒体
走行方向)の飽和磁束密度Bmが3500〜5000G
(ガウス)の範囲内、保磁力Hcが1800〜2100
Gの範囲内、磁性層の表面粗さSRaが2〜5nmの範囲
内となるように制御し、磁気テープを作成した。
の発明の実施例と比較例を具体的に挙げて説明する。磁
性塗料として、表1に示す磁性塗料組成の混合物をサン
ドミルにより混合・分散して、磁性塗料を作成した。そ
して、強磁性粉特性、磁性塗料の塗布条件、配向条件、
カレンダリング条件を調節することで、長手方向(媒体
走行方向)の飽和磁束密度Bmが3500〜5000G
(ガウス)の範囲内、保磁力Hcが1800〜2100
Gの範囲内、磁性層の表面粗さSRaが2〜5nmの範囲
内となるように制御し、磁気テープを作成した。
【0013】磁性層3に混入する添加剤の種類、その添
加量、磁性層の厚み、添加剤の平均粒径を種々変更して
表2に示すような、実施例1〜3及び比較例1〜6を作
成した。それ以外の条件は、実施例1と同じである。こ
こで、添加剤の種類としては、ポリイミド微粒子の他
に、ステアリン酸、塩化ビニルが用いられている。この
表2中の添加剤の種類は、表3に示されている。
加量、磁性層の厚み、添加剤の平均粒径を種々変更して
表2に示すような、実施例1〜3及び比較例1〜6を作
成した。それ以外の条件は、実施例1と同じである。こ
こで、添加剤の種類としては、ポリイミド微粒子の他
に、ステアリン酸、塩化ビニルが用いられている。この
表2中の添加剤の種類は、表3に示されている。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】そして、作成した実施例1〜3、比較例1
〜6の特性評価を行なった。その結果を表4に示す。
〜6の特性評価を行なった。その結果を表4に示す。
【0018】
【表4】
【0019】尚、表4中において矢印↑は上欄と同一数
値であることを示す。媒体評価は、オーバーライト特
性、スチル特性、走行性の3つについて行った。オーバ
ーライト特性の評価は、1MHzの信号を記録した後、
信号の消去を行わず、その同一トラックに7MHzの信
号を上書きし、1MHzの信号の低下を測定した。スチ
ル特性については、−10℃の環境下で行った。走行性
については、25℃・60%の環境下で100回の繰り
返し走行を行った。
値であることを示す。媒体評価は、オーバーライト特
性、スチル特性、走行性の3つについて行った。オーバ
ーライト特性の評価は、1MHzの信号を記録した後、
信号の消去を行わず、その同一トラックに7MHzの信
号を上書きし、1MHzの信号の低下を測定した。スチ
ル特性については、−10℃の環境下で行った。走行性
については、25℃・60%の環境下で100回の繰り
返し走行を行った。
【0020】上記のオーバーライト特性の評価において
は、−40dB以上であれば問題はない。また、走行性
の評価について問題の無いものを○、走行後、テープに
軽微なエッジダメージが認められたものを△、走行はし
たがテープに重度のエッジダメージのあったものを△
△、走行途中で停止したものを×とした。表4から明ら
かなように添加剤としてポリイミド樹脂を用いている
が、その添加量が0.5重量部しかない比較例1は、添
加量が少な過ぎるためにスチル特性、走行性が劣ってし
まう。逆に、添加剤としてポリイミド樹脂を用いている
が、その添加量が6重量部と多くなった比較例2と添加
剤の平均粒径R1が磁性層の厚みdの80%を越えるも
のを添加した比較例4は、磁性層の表面が荒れるために
スペーシングロスが生じ、走行性に問題がある。特に比
較例4は、オーバーライト特性もかなり劣る。磁性層が
0.3μmよりも厚い比較例3は、オーバーライト特性
が悪くなっている。添加剤として、ポリイミド微粒子に
代えてステアリン酸のみ添加した比較例5は、スチル特
性がかなり劣化している。比較例6は、ポリイミド微粒
子以外のポリマー微粒子を添加したものであるが、走行
性が僅かに低い。これに対して、実施例1〜3は、オー
バーライト特性、スチル特性、走行性について良好な結
果を示している。
は、−40dB以上であれば問題はない。また、走行性
の評価について問題の無いものを○、走行後、テープに
軽微なエッジダメージが認められたものを△、走行はし
たがテープに重度のエッジダメージのあったものを△
△、走行途中で停止したものを×とした。表4から明ら
かなように添加剤としてポリイミド樹脂を用いている
が、その添加量が0.5重量部しかない比較例1は、添
加量が少な過ぎるためにスチル特性、走行性が劣ってし
まう。逆に、添加剤としてポリイミド樹脂を用いている
が、その添加量が6重量部と多くなった比較例2と添加
剤の平均粒径R1が磁性層の厚みdの80%を越えるも
のを添加した比較例4は、磁性層の表面が荒れるために
スペーシングロスが生じ、走行性に問題がある。特に比
較例4は、オーバーライト特性もかなり劣る。磁性層が
0.3μmよりも厚い比較例3は、オーバーライト特性
が悪くなっている。添加剤として、ポリイミド微粒子に
代えてステアリン酸のみ添加した比較例5は、スチル特
性がかなり劣化している。比較例6は、ポリイミド微粒
子以外のポリマー微粒子を添加したものであるが、走行
性が僅かに低い。これに対して、実施例1〜3は、オー
バーライト特性、スチル特性、走行性について良好な結
果を示している。
【0021】(第2の発明)次に、第2の発明について
説明する。先の第1の発明においては、平均粒径が数1
の関係を満たすポリイミド微粒子を磁性層に添加した
が、これに代え、第2の発明では平均粒径が数2の関係
を満たすポリマービーズを磁性層に添加している。その
他の点は、第1の発明と同様である。すなわち、本発明
の目的は、平均粒径が磁性層の厚みに対して、40〜8
0%のポリマービーズを磁性層に1〜5重量部添加する
ことで達成される。
説明する。先の第1の発明においては、平均粒径が数1
の関係を満たすポリイミド微粒子を磁性層に添加した
が、これに代え、第2の発明では平均粒径が数2の関係
を満たすポリマービーズを磁性層に添加している。その
他の点は、第1の発明と同様である。すなわち、本発明
の目的は、平均粒径が磁性層の厚みに対して、40〜8
0%のポリマービーズを磁性層に1〜5重量部添加する
ことで達成される。
【0022】図2は第2の発明に係る磁気記録媒体を示
す部分拡大断面図であり、磁性層3中には、ポリイミド
微粒子に代えてポリマービーズ5が添加されている。そ
して、このポリマービーズ5の平均粒径R2は、数2の
関係を満たす大きさに設定されている。 0.4d≦R2≦0.8d …数2 また、非磁性支持体2の、磁性層3が形成された面とは
反対側の面にはバックコート層6が形成されている。他
の部分の構成は図1に示す第1の発明の構成と同じであ
る。
す部分拡大断面図であり、磁性層3中には、ポリイミド
微粒子に代えてポリマービーズ5が添加されている。そ
して、このポリマービーズ5の平均粒径R2は、数2の
関係を満たす大きさに設定されている。 0.4d≦R2≦0.8d …数2 また、非磁性支持体2の、磁性層3が形成された面とは
反対側の面にはバックコート層6が形成されている。他
の部分の構成は図1に示す第1の発明の構成と同じであ
る。
【0023】この第2の発明においては、磁性層にポリ
マービーズを加えること以外には特に制約はなく、従来
知られている方法により記録媒体を作成することで目的
が達成される。但し、磁性層の厚みは0.3μm以下と
する必要があり、0.3μmを越えるオーバーライト特
性が悪化する。用いるポリマービーズに関しては、溶剤
に容易に溶けない必要があるが、ポリマービーズの種類
は、用いる溶剤との関係で選択される。一般には高分子
量の塩化ビニル系樹脂、同じく高分子量ポリウレタン、
エチレン系樹脂、ポリエステル、シリコーン樹脂等の汎
用樹脂から溶剤との関係で選択される。
マービーズを加えること以外には特に制約はなく、従来
知られている方法により記録媒体を作成することで目的
が達成される。但し、磁性層の厚みは0.3μm以下と
する必要があり、0.3μmを越えるオーバーライト特
性が悪化する。用いるポリマービーズに関しては、溶剤
に容易に溶けない必要があるが、ポリマービーズの種類
は、用いる溶剤との関係で選択される。一般には高分子
量の塩化ビニル系樹脂、同じく高分子量ポリウレタン、
エチレン系樹脂、ポリエステル、シリコーン樹脂等の汎
用樹脂から溶剤との関係で選択される。
【0024】第2の発明の磁気記録媒体の製法に対して
は特に制約はなく、非磁性支持体2に、磁性層3を規定
の厚みになるように設ければよい。尚、ここで言う磁性
層の厚みdは、記録媒体としての厚みであり、周知のよ
うなカレンダーなどの工程を設ける場合は、この工程の
処理後の厚みをさす。又、磁性層の製法、塗布法、配向
法、裁断法に関しても従来知られている方法を用いて製
造される。その他、磁性層、非磁性支持体などに添加さ
れる無機物なども従来提唱されているものが利用でき、
請求の範囲に示された物性を満足すれば特に制約はな
い。このように構成された、第2の発明の磁気記録媒体
によれば、短波長信号の記録再生を行なう場合に、電磁
変換特性に優れ、しかもスチル特性を大幅に向上させる
ことが可能となる。
は特に制約はなく、非磁性支持体2に、磁性層3を規定
の厚みになるように設ければよい。尚、ここで言う磁性
層の厚みdは、記録媒体としての厚みであり、周知のよ
うなカレンダーなどの工程を設ける場合は、この工程の
処理後の厚みをさす。又、磁性層の製法、塗布法、配向
法、裁断法に関しても従来知られている方法を用いて製
造される。その他、磁性層、非磁性支持体などに添加さ
れる無機物なども従来提唱されているものが利用でき、
請求の範囲に示された物性を満足すれば特に制約はな
い。このように構成された、第2の発明の磁気記録媒体
によれば、短波長信号の記録再生を行なう場合に、電磁
変換特性に優れ、しかもスチル特性を大幅に向上させる
ことが可能となる。
【0025】<第2の発明の実施例1〜8>次に、第2
の発明の実施例と比較例を具体的に挙げて説明する。ま
ず、 表5に示す組成成分を有する磁性塗料組成物をロ
ールミル、ニーダー、ビーズミル等を用いて十分に混練
り、分散し、磁性塗料のベースとする。次に、表6に示
す組成物を攪拌機を用いて十分攪拌し、ポリマービーズ
の組成物とする。上記磁性塗料のベースに表7に示す後
添加物を加え、攪拌する。その後、更に、上記ポリマー
ビーズ組成物を加え攪拌し、最終的な磁性塗料とする。
の発明の実施例と比較例を具体的に挙げて説明する。ま
ず、 表5に示す組成成分を有する磁性塗料組成物をロ
ールミル、ニーダー、ビーズミル等を用いて十分に混練
り、分散し、磁性塗料のベースとする。次に、表6に示
す組成物を攪拌機を用いて十分攪拌し、ポリマービーズ
の組成物とする。上記磁性塗料のベースに表7に示す後
添加物を加え、攪拌する。その後、更に、上記ポリマー
ビーズ組成物を加え攪拌し、最終的な磁性塗料とする。
【0026】次に、この磁性塗料を非磁性支持体上に厚
さ0.3μmになるように塗布し、更に、表8のバック
コート層の組成物を同様に分散した塗料を、厚さ0.5
μmになるように反対側面に塗布した。但し、ここで示
した磁性層の厚みは、カレンダー工程処理後の厚み、バ
ックコート層の厚みは乾燥後の厚みを示す。その後、カ
レンダー処理を行ない、3.81mm幅に裁断して磁気
テープとした。
さ0.3μmになるように塗布し、更に、表8のバック
コート層の組成物を同様に分散した塗料を、厚さ0.5
μmになるように反対側面に塗布した。但し、ここで示
した磁性層の厚みは、カレンダー工程処理後の厚み、バ
ックコート層の厚みは乾燥後の厚みを示す。その後、カ
レンダー処理を行ない、3.81mm幅に裁断して磁気
テープとした。
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】上記したように作成した磁気記録媒体を実
施例1とする。実施例1において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表9に示すように種々変更した以
外は、実施例1と同様に作成し、実施例2〜4とした。
また、実施例1において用いるポリマービーズの材料を
塩化ビニルからポリウレタン(分子量:500000M
w,平均粒径:0.18μm)に変更した以外は実施例
1と同様に作成し、実施例5とした。また、実施例1に
おいて用いるポリマービーズの材料を塩化ビニルから塩
素化ポリエチレン(分子量:塩素含有率=30%,平均
粒径:0.18μm)に変更した以外は実施例1と同様
に作成し、実施例6とした。更に、実施例1において用
いるポリマービーズの平均粒径と添加量を表9に示すよ
うに変更した以外は、実施例1と同様に作成し、実施例
7、8とした。
施例1とする。実施例1において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表9に示すように種々変更した以
外は、実施例1と同様に作成し、実施例2〜4とした。
また、実施例1において用いるポリマービーズの材料を
塩化ビニルからポリウレタン(分子量:500000M
w,平均粒径:0.18μm)に変更した以外は実施例
1と同様に作成し、実施例5とした。また、実施例1に
おいて用いるポリマービーズの材料を塩化ビニルから塩
素化ポリエチレン(分子量:塩素含有率=30%,平均
粒径:0.18μm)に変更した以外は実施例1と同様
に作成し、実施例6とした。更に、実施例1において用
いるポリマービーズの平均粒径と添加量を表9に示すよ
うに変更した以外は、実施例1と同様に作成し、実施例
7、8とした。
【0031】次に、比較例について説明する。実施例1
において用いるポリマービーズの平均粒径、添加量を表
9に示すように変更した以外は、実施例1と同様に作成
し、比較例1〜4とした。また、実施例1において用い
るポリマービーズの代わりに表9に示す無機研磨粒子を
用いた以外は、実施例1と同様に作成し、比較例5〜8
とした。このように作成した各実施例及び比較例の特性
を評価した。その結果を表9に示す。また、表9を参照
して作成した各テープ特性の関係を図3及び図4に示
す。
において用いるポリマービーズの平均粒径、添加量を表
9に示すように変更した以外は、実施例1と同様に作成
し、比較例1〜4とした。また、実施例1において用い
るポリマービーズの代わりに表9に示す無機研磨粒子を
用いた以外は、実施例1と同様に作成し、比較例5〜8
とした。このように作成した各実施例及び比較例の特性
を評価した。その結果を表9に示す。また、表9を参照
して作成した各テープ特性の関係を図3及び図4に示
す。
【0032】
【表9】
【0033】表9中の矢印↑は、上欄のものと同じ材
料、または同じ数値であることを示す。以下に記す表に
おいても同じである。評価に際しては、各実施例及び比
較例のテープをDATカセットに巻き込み、カセットテ
ープとした。これを、DATデッキ(XD−Z505,
日本ビクター製)を用い、記録電流を各テープの最適記
録電流になるように改造してRF出力を測定した。記
録、再生の評価に際しては、記録周波数は4.7MHz
にて測定を行ない、リファレンステープとの差を表示し
た。リファレンステープにはRSD−1079:IEC
DAT REFERENCE TAPEを用いた。ス
チル特性は、DATデッキ(XD−Z505,日本ビク
ター製)をスチルモードでRF出力を得られるように改
造したものを用い、0℃にてRF出力が初期値に対し、
−6dB低下した時までの時間で示した。
料、または同じ数値であることを示す。以下に記す表に
おいても同じである。評価に際しては、各実施例及び比
較例のテープをDATカセットに巻き込み、カセットテ
ープとした。これを、DATデッキ(XD−Z505,
日本ビクター製)を用い、記録電流を各テープの最適記
録電流になるように改造してRF出力を測定した。記
録、再生の評価に際しては、記録周波数は4.7MHz
にて測定を行ない、リファレンステープとの差を表示し
た。リファレンステープにはRSD−1079:IEC
DAT REFERENCE TAPEを用いた。ス
チル特性は、DATデッキ(XD−Z505,日本ビク
ター製)をスチルモードでRF出力を得られるように改
造したものを用い、0℃にてRF出力が初期値に対し、
−6dB低下した時までの時間で示した。
【0034】図3はポリマービーズの平均粒径とRF出
力、スチル特性の関係を示す。図3から明らかなように
ポリマービーズの平均粒径とRF出力の間には相関があ
り、平均粒径が大きいとRF出力が低くなる傾向があ
り、特に平均粒径が全厚の80%(実施例4参照)を越
えると、RF出力が大幅に低下する事が判る。又、スチ
ル特性に関しては逆に平均粒径が小さいとスチル時間が
短くなり、平均粒径が全厚の40%(実施例1参照)を
下回る範囲ではスチル特性が大きく劣る事が判る。従っ
て、ポリマービーズの平均粒径は、磁性層の厚みに対し
て40%〜80%の範囲内に設定する必要があることが
判明する。図4はポリマービーズの添加量とRF出力、
スチル特性の関係を示す。図4から明らかなように、ポ
リマービーズの添加量に関してもRF出力とスチル特性
の間に相関があり、添加量が1部以下(比較例3参照)
ではスチル特性が劣り、5部を越えると(比較例4参
照)RF出力が急激に低下する事が判る。従って、ポリ
マービーズの添加量は、1部から5部の範囲内に設定す
る必要があることが判明する。
力、スチル特性の関係を示す。図3から明らかなように
ポリマービーズの平均粒径とRF出力の間には相関があ
り、平均粒径が大きいとRF出力が低くなる傾向があ
り、特に平均粒径が全厚の80%(実施例4参照)を越
えると、RF出力が大幅に低下する事が判る。又、スチ
ル特性に関しては逆に平均粒径が小さいとスチル時間が
短くなり、平均粒径が全厚の40%(実施例1参照)を
下回る範囲ではスチル特性が大きく劣る事が判る。従っ
て、ポリマービーズの平均粒径は、磁性層の厚みに対し
て40%〜80%の範囲内に設定する必要があることが
判明する。図4はポリマービーズの添加量とRF出力、
スチル特性の関係を示す。図4から明らかなように、ポ
リマービーズの添加量に関してもRF出力とスチル特性
の間に相関があり、添加量が1部以下(比較例3参照)
ではスチル特性が劣り、5部を越えると(比較例4参
照)RF出力が急激に低下する事が判る。従って、ポリ
マービーズの添加量は、1部から5部の範囲内に設定す
る必要があることが判明する。
【0035】更に、表9から、ポリマービーズのポリマ
ーの種類を変更しても効果に差がなく良好な結果を得ら
れる事が判る(実施例5〜8)。又、無機研磨剤の添加
では(比較例5〜8)、スチル特性は良好であるが、R
F出力が大きく低下しており、従ってポリマービーズの
添加による電磁変換特性の向上が確認できる。以上か
ら、本発明の磁気記録媒体は、磁性層の厚みが0.3μ
m以下と薄くても磁性層中に含まれたポリマービーズが
ビデオデッキの衝撃に対してクッションの役割を果たす
ことから耐久性、スチル特性に優れ、RF出力も大きい
というようにデジタル記録媒体として優れた記録特性を
有している。
ーの種類を変更しても効果に差がなく良好な結果を得ら
れる事が判る(実施例5〜8)。又、無機研磨剤の添加
では(比較例5〜8)、スチル特性は良好であるが、R
F出力が大きく低下しており、従ってポリマービーズの
添加による電磁変換特性の向上が確認できる。以上か
ら、本発明の磁気記録媒体は、磁性層の厚みが0.3μ
m以下と薄くても磁性層中に含まれたポリマービーズが
ビデオデッキの衝撃に対してクッションの役割を果たす
ことから耐久性、スチル特性に優れ、RF出力も大きい
というようにデジタル記録媒体として優れた記録特性を
有している。
【0036】<第2の発明の実施例9〜18>上記各実
施例1〜8においては、ポリマービーズを単独で用いた
が、これに脂肪酸或いは脂肪酸エステルを含浸させるよ
うにしてもよい。脂肪酸或いは脂肪酸エステルの含浸に
関しては、ポリマービーズ組成物の作成時に脂肪酸或い
は脂肪酸エステルを添加し、攪拌を十分に行なうことで
達成される。また、含浸する滑剤の含浸量については、
磁気記録媒体を使用するフォーマット、例えばVHS,
8mm、DAT等の最終形態の媒体によって、各々の種
類、含浸量は決定されるものであり、ここでは特に規定
する事項ではない。ポリマービーズに滑剤が含浸してい
るかどうかが重要となってくる。
施例1〜8においては、ポリマービーズを単独で用いた
が、これに脂肪酸或いは脂肪酸エステルを含浸させるよ
うにしてもよい。脂肪酸或いは脂肪酸エステルの含浸に
関しては、ポリマービーズ組成物の作成時に脂肪酸或い
は脂肪酸エステルを添加し、攪拌を十分に行なうことで
達成される。また、含浸する滑剤の含浸量については、
磁気記録媒体を使用するフォーマット、例えばVHS,
8mm、DAT等の最終形態の媒体によって、各々の種
類、含浸量は決定されるものであり、ここでは特に規定
する事項ではない。ポリマービーズに滑剤が含浸してい
るかどうかが重要となってくる。
【0037】この磁気記録媒体は、磁性層の厚みが0.
3μm以下と薄くても磁性層中に設けられたポリマービ
ーズが、ビデオヘッドの衝撃に対してクッション性の役
割をはたす事から耐久性に優れ、また、上記ポリマービ
ーズが滑剤を含浸していることで、繰り返し走行時にお
ける磁性層表面の潤滑性を満足することができ、動摩擦
係数(μk)を抑えることにつながり、さらに磁性層の
表面性への影響が少なく表面性粗さが良い事から電磁変
換特性に優れる等の特徴を持つ。
3μm以下と薄くても磁性層中に設けられたポリマービ
ーズが、ビデオヘッドの衝撃に対してクッション性の役
割をはたす事から耐久性に優れ、また、上記ポリマービ
ーズが滑剤を含浸していることで、繰り返し走行時にお
ける磁性層表面の潤滑性を満足することができ、動摩擦
係数(μk)を抑えることにつながり、さらに磁性層の
表面性への影響が少なく表面性粗さが良い事から電磁変
換特性に優れる等の特徴を持つ。
【0038】まず、表10に示す磁性塗料組成物を、ロ
ールミル,ニーダー,ビーズミル等を用いて十分に混練
り,分散し、磁性塗料のベースとする。次に、表11に
示す組成物を攪拌機を用いて十分攪拌し、ポリマービー
ズ組成物とする。ここでは脂肪酸としてミリスチン酸を
用いる。そして、これらの両組成物を攪拌しながら混合
することで塗布用の最終的な磁性塗料とする。これを非
磁性支持体上に厚さ0. 3μmになるように塗布し、更
に、先の表8に示すと同じ組成のバックコート層組成物
を同様に分散し、上述の磁性塗料とは反対の面に厚さ
0. 7μmになるように塗布した。但し、ここで示した
磁性層の厚みはカレンダー工程処理後の厚みであり、バ
ックコート層の厚みは乾燥後の厚みを示す。その後、カ
レンダー処理を行ない、3.81mm幅に裁断して磁気
テープとした。
ールミル,ニーダー,ビーズミル等を用いて十分に混練
り,分散し、磁性塗料のベースとする。次に、表11に
示す組成物を攪拌機を用いて十分攪拌し、ポリマービー
ズ組成物とする。ここでは脂肪酸としてミリスチン酸を
用いる。そして、これらの両組成物を攪拌しながら混合
することで塗布用の最終的な磁性塗料とする。これを非
磁性支持体上に厚さ0. 3μmになるように塗布し、更
に、先の表8に示すと同じ組成のバックコート層組成物
を同様に分散し、上述の磁性塗料とは反対の面に厚さ
0. 7μmになるように塗布した。但し、ここで示した
磁性層の厚みはカレンダー工程処理後の厚みであり、バ
ックコート層の厚みは乾燥後の厚みを示す。その後、カ
レンダー処理を行ない、3.81mm幅に裁断して磁気
テープとした。
【0039】
【表10】
【0040】
【表11】
【0041】上記したように作成した磁気記録媒体を実
施例9とする。実施例9において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表12に示すように種々変更した
以外は、実施例9と同様に作成し、実施例10〜12と
した。また、実施例9において用いるポリマービーズの
材料を塩化ビニルからポリウレタン(分子量:5000
00Mw,平均粒径:0.18μm)に変更した以外は
実施例9と同様に作成し、実施例13とした。実施例9
において用いるポリマービーズの材料を塩化ビニルから
塩素化ポリエチレン(分子量:塩素含有率=30%,平
均粒径:0.18μm)に変更した以外は実施例9と同
様に作成し、実施例14とした。
施例9とする。実施例9において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表12に示すように種々変更した
以外は、実施例9と同様に作成し、実施例10〜12と
した。また、実施例9において用いるポリマービーズの
材料を塩化ビニルからポリウレタン(分子量:5000
00Mw,平均粒径:0.18μm)に変更した以外は
実施例9と同様に作成し、実施例13とした。実施例9
において用いるポリマービーズの材料を塩化ビニルから
塩素化ポリエチレン(分子量:塩素含有率=30%,平
均粒径:0.18μm)に変更した以外は実施例9と同
様に作成し、実施例14とした。
【0042】実施例9において用いるポリマービーズの
平均粒径と添加量を表12に示すように変更した以外
は、実施例9と同様に作成し、実施例15、16とし
た。実施例9において用いるポリマービーズ組成物中の
滑剤をミリスチン酸から脂肪酸エステルの一種であるス
テアリン酸ブチルに変更した以外は実施例9と同様に作
成し、実施例17とした。実施例9において用いるポリ
マービーズ組成物中の滑剤をミリスチン酸から脂肪酸の
一種であるパルミチン酸に変更した以外は実施例9と同
様に作成し、実施例18とした。
平均粒径と添加量を表12に示すように変更した以外
は、実施例9と同様に作成し、実施例15、16とし
た。実施例9において用いるポリマービーズ組成物中の
滑剤をミリスチン酸から脂肪酸エステルの一種であるス
テアリン酸ブチルに変更した以外は実施例9と同様に作
成し、実施例17とした。実施例9において用いるポリ
マービーズ組成物中の滑剤をミリスチン酸から脂肪酸の
一種であるパルミチン酸に変更した以外は実施例9と同
様に作成し、実施例18とした。
【0043】次に比較例について説明する。実施例9に
おいて用いるポリマービーズ組成物中の含浸用の滑剤を
全く含まない以外は、実施例9と同様に作成し、比較例
9とした。実施例9において用いるポリマービーズ組成
物中の含浸用の滑剤を全く含まず、磁性塗料組成物中に
同量の滑剤を添加した以外は、実施例9と同様に作成
し、比較例10とした。実施例9において用いるポリマ
ービーズの平均粒径、添加量を表12に示すように種々
変更した以外は、実施例9と同様に作成し、比較例11
〜14とした。実施例9において用いるポリマービーズ
組成物中の含浸用の滑剤の種類を表12に示すようにフ
ッ素変性シリコーンオイル(TA30730:信越化学
製)に変更した以外は実施例9と同様に作成し、比較例
15とした。
おいて用いるポリマービーズ組成物中の含浸用の滑剤を
全く含まない以外は、実施例9と同様に作成し、比較例
9とした。実施例9において用いるポリマービーズ組成
物中の含浸用の滑剤を全く含まず、磁性塗料組成物中に
同量の滑剤を添加した以外は、実施例9と同様に作成
し、比較例10とした。実施例9において用いるポリマ
ービーズの平均粒径、添加量を表12に示すように種々
変更した以外は、実施例9と同様に作成し、比較例11
〜14とした。実施例9において用いるポリマービーズ
組成物中の含浸用の滑剤の種類を表12に示すようにフ
ッ素変性シリコーンオイル(TA30730:信越化学
製)に変更した以外は実施例9と同様に作成し、比較例
15とした。
【0044】実施例9において用いるポリマービーズの
代わりとして、表9に示す無機研磨粒子に変更した以外
は実施例9と同様に作成し、比較例16、17とした。
このように作成した各実施例及び比較例の特性を評価し
た。その結果を表12に示す。
代わりとして、表9に示す無機研磨粒子に変更した以外
は実施例9と同様に作成し、比較例16、17とした。
このように作成した各実施例及び比較例の特性を評価し
た。その結果を表12に示す。
【0045】
【表12】
【0046】評価に際しては、先に実施例1〜8に対し
て行なったと同様に行なった。また、表面粗さRaは、
中心線表面粗さで定義される値であり(株)小坂研究所
の触針式表面粗さ計(SURFCORDERSE-30C)を用いて測定
した。測定条件は下記の通りである。 a)触針先端半径:2μm b)測定圧力 :30mg c)カットオフ :0. 25mm 繰り返し走行後の動摩擦係数μkについては、φ4mm
のステンレスのガイドピンに上述のテープの磁性面を1
80゜で巻き付けたμk測定機において繰り返し走行を
行ない、500pass走行させた後のμkとした。
て行なったと同様に行なった。また、表面粗さRaは、
中心線表面粗さで定義される値であり(株)小坂研究所
の触針式表面粗さ計(SURFCORDERSE-30C)を用いて測定
した。測定条件は下記の通りである。 a)触針先端半径:2μm b)測定圧力 :30mg c)カットオフ :0. 25mm 繰り返し走行後の動摩擦係数μkについては、φ4mm
のステンレスのガイドピンに上述のテープの磁性面を1
80゜で巻き付けたμk測定機において繰り返し走行を
行ない、500pass走行させた後のμkとした。
【0047】表12から明らかなように、ポリマービー
ズに脂肪酸を含浸させていない比較例9は、スチル特
性、μkが特に劣っている。また、脂肪酸をポリマービ
ーズではなく、磁性層に含ませた比較例10ではμkが
低い。すなわち、ポリマービーズ中に予め脂肪酸、或い
は脂肪酸エステルの滑剤を含浸させてから磁性塗料中に
添加することで、繰り返し走行時のμkの上昇を抑える
ことが可能となった。これにより、ポリマービーズのみ
を含ませた先の実施例1〜8よりも更に良好な効果を発
揮することができることが判明する。
ズに脂肪酸を含浸させていない比較例9は、スチル特
性、μkが特に劣っている。また、脂肪酸をポリマービ
ーズではなく、磁性層に含ませた比較例10ではμkが
低い。すなわち、ポリマービーズ中に予め脂肪酸、或い
は脂肪酸エステルの滑剤を含浸させてから磁性塗料中に
添加することで、繰り返し走行時のμkの上昇を抑える
ことが可能となった。これにより、ポリマービーズのみ
を含ませた先の実施例1〜8よりも更に良好な効果を発
揮することができることが判明する。
【0048】また、ポリマービーズの平均粒径と表面
性、RF出力の間には相関があり、平均粒径が大きいと
表面性が悪化してRF出力が低くなる傾向がある。特
に、平均粒径が磁性層の全厚みの80%を越えると(比
較例12)、RF出力が大幅に低下する事がいえる。ま
た、スチル特性に関しては、逆に平均粒径が小さいとス
チル時間が短くなり、平均粒径が磁性層の全厚みの40
%を下回る範囲ではスチル特性が大きく劣ることが判る
(比較例11)。更に、ポリマービーズの添加量に関し
ても、表面性、RF出力とスチル特性の間に関係があ
り、比較例13に示すように添加量が1部以下ではスチ
ル特性が劣り、比較例14に示すように5部を越えると
表面性が粗くなり、RF出力が低下する傾向となってい
る。
性、RF出力の間には相関があり、平均粒径が大きいと
表面性が悪化してRF出力が低くなる傾向がある。特
に、平均粒径が磁性層の全厚みの80%を越えると(比
較例12)、RF出力が大幅に低下する事がいえる。ま
た、スチル特性に関しては、逆に平均粒径が小さいとス
チル時間が短くなり、平均粒径が磁性層の全厚みの40
%を下回る範囲ではスチル特性が大きく劣ることが判る
(比較例11)。更に、ポリマービーズの添加量に関し
ても、表面性、RF出力とスチル特性の間に関係があ
り、比較例13に示すように添加量が1部以下ではスチ
ル特性が劣り、比較例14に示すように5部を越えると
表面性が粗くなり、RF出力が低下する傾向となってい
る。
【0049】また、無機研磨剤を添加した場合には(比
較例16、17)、スチル特性は良好なもののRF出力
が大きく低下している。滑剤としてシリコーンを含浸さ
せた比較例15は、スチル時間が大幅に劣化してしま
う。これに対して、ポリマービーズに脂肪酸、或いは脂
肪酸エステルを含浸させた実施例9〜18は、RF出力
特性、スチル特性が良好になるのみならず、μk特性や
表面粗さ特性も大幅に改善できることが判明する。
較例16、17)、スチル特性は良好なもののRF出力
が大きく低下している。滑剤としてシリコーンを含浸さ
せた比較例15は、スチル時間が大幅に劣化してしま
う。これに対して、ポリマービーズに脂肪酸、或いは脂
肪酸エステルを含浸させた実施例9〜18は、RF出力
特性、スチル特性が良好になるのみならず、μk特性や
表面粗さ特性も大幅に改善できることが判明する。
【0050】特に、ポリマービーズに滑剤を含浸させて
いない比較例9と比べると本実施例9〜18ではμkの
上昇を抑制してこの特性も改善できることが判明する。
尚、ここでは、含浸させる脂肪酸エステルとしては、ス
テアリン酸ブチルを用いた場合を例にとって説明した
が、他の脂肪酸エステルを滑剤として用いた場合にも同
様な作用効果を発揮することができるのは勿論である。
いない比較例9と比べると本実施例9〜18ではμkの
上昇を抑制してこの特性も改善できることが判明する。
尚、ここでは、含浸させる脂肪酸エステルとしては、ス
テアリン酸ブチルを用いた場合を例にとって説明した
が、他の脂肪酸エステルを滑剤として用いた場合にも同
様な作用効果を発揮することができるのは勿論である。
【0051】<第2の発明の実施例19〜27>上記実
施例9〜18においては、ポリマービーズに脂肪酸を含
浸させたが、これに代えて、硬化剤を含浸させるように
してもよい。ここでポリマービーズ表面に含浸させる硬
化剤の量は、使用する樹脂及び硬化剤の種類によりその
必要量が決定されるものでここで特に制約するものでは
ない。ここで用いる硬化剤としては、従来公知のポリイ
ソシアネート化合物がいずれも使用可能である。この磁
気記録媒体は、その磁性塗料が長期の保存安定性に優
れ、且つ磁性層の厚みが0.3μm以下と薄くても耐久
性に優れ、また、表面性も良いため電磁変換特性に優れ
る等の特徴を持つ。
施例9〜18においては、ポリマービーズに脂肪酸を含
浸させたが、これに代えて、硬化剤を含浸させるように
してもよい。ここでポリマービーズ表面に含浸させる硬
化剤の量は、使用する樹脂及び硬化剤の種類によりその
必要量が決定されるものでここで特に制約するものでは
ない。ここで用いる硬化剤としては、従来公知のポリイ
ソシアネート化合物がいずれも使用可能である。この磁
気記録媒体は、その磁性塗料が長期の保存安定性に優
れ、且つ磁性層の厚みが0.3μm以下と薄くても耐久
性に優れ、また、表面性も良いため電磁変換特性に優れ
る等の特徴を持つ。
【0052】先の実施例1〜8において表5に示したと
同じ組成成分を有する磁性塗料組成物をロールミル、ニ
ーダー、ビーズミル等を用いて十分に混練り、分散し、
磁性塗料のベースとする。次に、表13に示す組成物を
攪拌機を用いて十分攪拌し、ポリマービーズに硬化剤
(ポリイソシアネート)を含浸させ、ポリマービーズ組
成物とする。磁性塗料組成物のベースに表14に示す後
添加物を加え、攪拌する。その後、更に、上記ポリマー
ビーズ組成物を加え攪拌し、最終的な磁性塗料とする。
1時間攪拌後、この磁性塗料を非磁性支持体に厚さ0.
3μmになるように塗布し、更に先の表8と同じ組成の
バックコート層組成物を同様に分散した塗料を、厚さ
0.5μmになるように塗布した。但し、ここで示した
磁性層の厚みは、カレンダー工程処理後の厚み、バック
層の厚みは乾燥厚みを示す。その後、カレンダー処理を
行ない、3.81mm幅に裁断して磁気テープとした。
同じ組成成分を有する磁性塗料組成物をロールミル、ニ
ーダー、ビーズミル等を用いて十分に混練り、分散し、
磁性塗料のベースとする。次に、表13に示す組成物を
攪拌機を用いて十分攪拌し、ポリマービーズに硬化剤
(ポリイソシアネート)を含浸させ、ポリマービーズ組
成物とする。磁性塗料組成物のベースに表14に示す後
添加物を加え、攪拌する。その後、更に、上記ポリマー
ビーズ組成物を加え攪拌し、最終的な磁性塗料とする。
1時間攪拌後、この磁性塗料を非磁性支持体に厚さ0.
3μmになるように塗布し、更に先の表8と同じ組成の
バックコート層組成物を同様に分散した塗料を、厚さ
0.5μmになるように塗布した。但し、ここで示した
磁性層の厚みは、カレンダー工程処理後の厚み、バック
層の厚みは乾燥厚みを示す。その後、カレンダー処理を
行ない、3.81mm幅に裁断して磁気テープとした。
【0053】
【表13】
【0054】
【表14】
【0055】上記のように作成した磁気記録媒体を実施
例19とする。実施例19において用いるポリマービー
ズの平均粒径を後述する表15に示すように種々変更し
た以外は、実施例19と同様に作成し、実施例20〜2
2とした。実施例19において用いるポリマービーズの
材料を塩化ビニルからポリウレタン(分子量:5000
00Mw,平均粒径:0.18μm)に変更した以外は
実施例19と同様に作成し、実施例23とした。
例19とする。実施例19において用いるポリマービー
ズの平均粒径を後述する表15に示すように種々変更し
た以外は、実施例19と同様に作成し、実施例20〜2
2とした。実施例19において用いるポリマービーズの
材料を塩化ビニルからポリウレタン(分子量:5000
00Mw,平均粒径:0.18μm)に変更した以外は
実施例19と同様に作成し、実施例23とした。
【0056】実施例19において用いるポリマービーズ
の材料を塩化ビニルから塩素化ポリエチレン(分子量:
塩素含有率=30%,平均粒径:0.18μm)に変更
した以外は実施例19と同様に作成し、実施例24とし
た。実施例19において用いるポリマービーズの平均粒
径と添加量を表15に示すように変更した以外は、実施
例19と同様に作成し、実施例25、26とした。実施
例19においてポリマービーズ組成物の添加後の攪拌時
間を後述する表16に示すように10時間とし、それ以
外は実施例19と同様に作成し、実施例27とした。
の材料を塩化ビニルから塩素化ポリエチレン(分子量:
塩素含有率=30%,平均粒径:0.18μm)に変更
した以外は実施例19と同様に作成し、実施例24とし
た。実施例19において用いるポリマービーズの平均粒
径と添加量を表15に示すように変更した以外は、実施
例19と同様に作成し、実施例25、26とした。実施
例19においてポリマービーズ組成物の添加後の攪拌時
間を後述する表16に示すように10時間とし、それ以
外は実施例19と同様に作成し、実施例27とした。
【0057】次に、比較例について説明する。実施例1
9において用いるポリマービーズの平均粒径、添加量を
表15に示すように種々変更した以外は、実施例19と
同様に作成し、比較例18〜21とした。実施例19に
おいて用いるポリマービーズの代わりに表15に示す無
機研磨粒子に変更した以外は、実施例19と同様に作成
し、比較例22〜25とした。実施例19において、硬
化剤ポリイソシアネートをポリマービーズに含浸させず
に、この硬化剤を後添加組成物と共に添加し、それ以外
は実施例1と同様にして作成し、表16に示すように比
較例26とした。比較例26において、ポリマービーズ
添加後の攪拌を10時間行ない、それ以外は比較例26
と同様に作成し、比較例27とした。
9において用いるポリマービーズの平均粒径、添加量を
表15に示すように種々変更した以外は、実施例19と
同様に作成し、比較例18〜21とした。実施例19に
おいて用いるポリマービーズの代わりに表15に示す無
機研磨粒子に変更した以外は、実施例19と同様に作成
し、比較例22〜25とした。実施例19において、硬
化剤ポリイソシアネートをポリマービーズに含浸させず
に、この硬化剤を後添加組成物と共に添加し、それ以外
は実施例1と同様にして作成し、表16に示すように比
較例26とした。比較例26において、ポリマービーズ
添加後の攪拌を10時間行ない、それ以外は比較例26
と同様に作成し、比較例27とした。
【0058】このように作成した各実施例及び比較例の
特性を評価した。その結果を表15、表16に示す。ま
た、各表15、表16から得られる各テープの特性を図
5及び図6に示す。
特性を評価した。その結果を表15、表16に示す。ま
た、各表15、表16から得られる各テープの特性を図
5及び図6に示す。
【0059】
【表15】
【0060】
【表16】
【0061】評価に際しては、先に実施例1〜8に対し
て行なったと同様に行なった。また、塗料粘度はB型粘
度計を用いて測定した。光沢度は、非磁性支持体上に塗
布後の磁性層側面を、反射型光沢度計を用いて測定し
た。表15に示される各実施例19〜26及び比較例1
8〜25の数値及び組成は、測定結果も含めて先の表9
に示すそれと全く同じであり、従って、先の実施例1〜
8と同様な作用効果を呈すことが判明する。すなわち、
ポリマービーズの粒径は、磁性層の厚みに対して40%
〜80%の範囲内に設定する必要があり、40%よりも
小さいとスチル特性が劣り、80%を越えるとRF出力
が大幅に低下する。また、ポリマービーズの添加量は1
部から5部の範囲内に設定する必要があり、1部以下で
はスチル特性が劣り、5部を越えるとRF出力が急激に
低下してしまう。また、ポリマービーズのポリマーの種
類を変更しても効果に差がなく良好な結果を得られる。
更に、無機研磨剤の添加では、スチル特性は良好となる
が、RF出力が大きく低下しており、従って、ポリマー
ビーズの添加による電磁変換特性の確認をすることがで
きる。
て行なったと同様に行なった。また、塗料粘度はB型粘
度計を用いて測定した。光沢度は、非磁性支持体上に塗
布後の磁性層側面を、反射型光沢度計を用いて測定し
た。表15に示される各実施例19〜26及び比較例1
8〜25の数値及び組成は、測定結果も含めて先の表9
に示すそれと全く同じであり、従って、先の実施例1〜
8と同様な作用効果を呈すことが判明する。すなわち、
ポリマービーズの粒径は、磁性層の厚みに対して40%
〜80%の範囲内に設定する必要があり、40%よりも
小さいとスチル特性が劣り、80%を越えるとRF出力
が大幅に低下する。また、ポリマービーズの添加量は1
部から5部の範囲内に設定する必要があり、1部以下で
はスチル特性が劣り、5部を越えるとRF出力が急激に
低下してしまう。また、ポリマービーズのポリマーの種
類を変更しても効果に差がなく良好な結果を得られる。
更に、無機研磨剤の添加では、スチル特性は良好となる
が、RF出力が大きく低下しており、従って、ポリマー
ビーズの添加による電磁変換特性の確認をすることがで
きる。
【0062】更に、硬化剤をポリマービーズに含浸させ
る効果については、表16からわかるように、硬化剤を
ポリマービーズに含浸させずにこれを後添加組成物と共
に添加した比較例26、27に関しては、攪拌後の放置
時間が1時間のもの(比較例26)は実施例19と略同
じ塗料性状、測定結果を示しており、問題がないことが
わかるが、攪拌後の放置時間が10時間のもの(比較例
27)は、塗料性状が変化し、そのため、測定結果も好
ましくない。これに対して、表16中の実施例19、2
7に示すように硬化剤をポリマービーズに含浸させた場
合には、攪拌後10時間放置後も塗料粘度や光沢度にほ
とんど変化がなく、良好な磁性塗料であり、しかも、こ
れを用いてテープ化した時も、優れた電磁変換特性及び
スチル特性を発揮している。以上から、硬化剤をポリマ
ービーズに含浸させてなるこの磁気記録媒体は、その磁
性塗料が保存安定性に優れ、磁性層の厚みが0.3μm
以下と薄くてもスチル特性に優れており、RF出力も大
きいというようにデジタル記録媒体として優れた記録特
性を有していることが判明する。
る効果については、表16からわかるように、硬化剤を
ポリマービーズに含浸させずにこれを後添加組成物と共
に添加した比較例26、27に関しては、攪拌後の放置
時間が1時間のもの(比較例26)は実施例19と略同
じ塗料性状、測定結果を示しており、問題がないことが
わかるが、攪拌後の放置時間が10時間のもの(比較例
27)は、塗料性状が変化し、そのため、測定結果も好
ましくない。これに対して、表16中の実施例19、2
7に示すように硬化剤をポリマービーズに含浸させた場
合には、攪拌後10時間放置後も塗料粘度や光沢度にほ
とんど変化がなく、良好な磁性塗料であり、しかも、こ
れを用いてテープ化した時も、優れた電磁変換特性及び
スチル特性を発揮している。以上から、硬化剤をポリマ
ービーズに含浸させてなるこの磁気記録媒体は、その磁
性塗料が保存安定性に優れ、磁性層の厚みが0.3μm
以下と薄くてもスチル特性に優れており、RF出力も大
きいというようにデジタル記録媒体として優れた記録特
性を有していることが判明する。
【0063】(第3の発明)次に、第3の発明について
説明する。第2の発明においては、ポリマービーズを磁
性層に含めるようにしたが、第3の発明では、ポリマー
ビーズをアンカーコート層に含めており、その他の点
は、第2の発明と同様である。すなわち、本発明の目的
は、非磁性支持体上にアンカーコート層を設け、この中
に平均粒径が0.08〜0.15μmのポリマービーズ
を100〜300重量部含み、その上層に磁性層を形成
する事で達成される。図5は第3の発明に係る磁気記録
媒体を示す部分拡大図であり、非磁性支持体2と磁性層
3との間には、例えば塩化ビニル等によるアンカーコー
ト層7が設けられており、磁性層3中ではなく、このア
ンカーコート層7中にポリマービーズ5が添加されてい
る。この場合、磁性層3の厚みは、先の発明と同様に
0.3μm以下に設定されている。
説明する。第2の発明においては、ポリマービーズを磁
性層に含めるようにしたが、第3の発明では、ポリマー
ビーズをアンカーコート層に含めており、その他の点
は、第2の発明と同様である。すなわち、本発明の目的
は、非磁性支持体上にアンカーコート層を設け、この中
に平均粒径が0.08〜0.15μmのポリマービーズ
を100〜300重量部含み、その上層に磁性層を形成
する事で達成される。図5は第3の発明に係る磁気記録
媒体を示す部分拡大図であり、非磁性支持体2と磁性層
3との間には、例えば塩化ビニル等によるアンカーコー
ト層7が設けられており、磁性層3中ではなく、このア
ンカーコート層7中にポリマービーズ5が添加されてい
る。この場合、磁性層3の厚みは、先の発明と同様に
0.3μm以下に設定されている。
【0064】上記ポリマービーズ5の平均粒径R2は、
0.08〜0.15μmの範囲内に設定し、これが0.
08μmよりも小さいとスチル特性が劣化し、逆に0.
15μmよりも大きいと表面粗さやRF出力が劣化して
しまう。また、このポリマービーズの添加量は、アンカ
ーコート層の樹脂100重量部に対して100〜300
重量部の範囲内に設定し、これが100重量部よりも小
さいとスチル特性が悪化し、また、300重量部よりも
大きいと表面粗さやRF特性が劣化してしまう。他の部
分の構成は、図2に示す第2の発明の構成と同じであ
る。また、アンカーコート層の厚みは、例えば0.5μ
m〜4.0μmの範囲内に設定し、これが0.5μmよ
りも小さいと、この層の効果がなくなるという問題が生
じ、4.0μmより大きいと、塗工性が難しくなるとい
う問題が生ずる。
0.08〜0.15μmの範囲内に設定し、これが0.
08μmよりも小さいとスチル特性が劣化し、逆に0.
15μmよりも大きいと表面粗さやRF出力が劣化して
しまう。また、このポリマービーズの添加量は、アンカ
ーコート層の樹脂100重量部に対して100〜300
重量部の範囲内に設定し、これが100重量部よりも小
さいとスチル特性が悪化し、また、300重量部よりも
大きいと表面粗さやRF特性が劣化してしまう。他の部
分の構成は、図2に示す第2の発明の構成と同じであ
る。また、アンカーコート層の厚みは、例えば0.5μ
m〜4.0μmの範囲内に設定し、これが0.5μmよ
りも小さいと、この層の効果がなくなるという問題が生
じ、4.0μmより大きいと、塗工性が難しくなるとい
う問題が生ずる。
【0065】第3の発明においては、アンカコート層7
にポリマービーズ5を加えること以外には特に制約はな
く、従来知られている方法により記録媒体を作成するこ
とで目的が達成される。但し、上層の磁性層3の厚みd
は、先の説明と同様な作用効果を発揮するために0. 3
μm以下とする必要がある。磁性層3が0. 3μmより
厚い場合は、長波長記録の出力電圧の増加に対して短波
長記録の出力電圧が同程度に増加しないために、両者の
差が大きくなり、デジタル記録の場合、長波長記録と短
波長記録とが隣接した場合に出力波形が歪み、ピークが
本来あるべき姿から大きくずれてしまう問題やリニアオ
ーディオ、デジタル等の消去特性、すなわちオーバライ
ト特性が悪化する問題が発生するためである。用いるポ
リマービーズに関しては、溶剤に容易に溶けない必要が
あるが、用いる溶剤との関係で選択される。
にポリマービーズ5を加えること以外には特に制約はな
く、従来知られている方法により記録媒体を作成するこ
とで目的が達成される。但し、上層の磁性層3の厚みd
は、先の説明と同様な作用効果を発揮するために0. 3
μm以下とする必要がある。磁性層3が0. 3μmより
厚い場合は、長波長記録の出力電圧の増加に対して短波
長記録の出力電圧が同程度に増加しないために、両者の
差が大きくなり、デジタル記録の場合、長波長記録と短
波長記録とが隣接した場合に出力波形が歪み、ピークが
本来あるべき姿から大きくずれてしまう問題やリニアオ
ーディオ、デジタル等の消去特性、すなわちオーバライ
ト特性が悪化する問題が発生するためである。用いるポ
リマービーズに関しては、溶剤に容易に溶けない必要が
あるが、用いる溶剤との関係で選択される。
【0066】一般には高分子量の塩化ビニル系樹脂、同
じく高分子量ポリウレタン、エチレン系樹脂、ポリエス
テル、シリコーン樹脂等の汎用樹脂から溶剤との関係で
選択される。第3の発明の磁気記録媒体の製法に対して
は特に制約はなく、非磁性支持体2に、アンカーコート
層7を介して磁性層を規定の厚みになるように設ければ
よい。尚、ここで言う磁性層やアンカーコート層の厚み
は、記録媒体としての厚みであり、周知のようなカレン
ダーなどの工程を設ける場合は、この工程の処理後の厚
みをさす。又、磁性層の製法、塗布法、配向法、裁断法
に関しても従来知られている方法を用いて製造される。
じく高分子量ポリウレタン、エチレン系樹脂、ポリエス
テル、シリコーン樹脂等の汎用樹脂から溶剤との関係で
選択される。第3の発明の磁気記録媒体の製法に対して
は特に制約はなく、非磁性支持体2に、アンカーコート
層7を介して磁性層を規定の厚みになるように設ければ
よい。尚、ここで言う磁性層やアンカーコート層の厚み
は、記録媒体としての厚みであり、周知のようなカレン
ダーなどの工程を設ける場合は、この工程の処理後の厚
みをさす。又、磁性層の製法、塗布法、配向法、裁断法
に関しても従来知られている方法を用いて製造される。
【0067】その他、磁性層、非磁性支持体などに添加
される無機物なども従来提唱されているものが利用で
き、請求の範囲に示された物性を満足すれば特に制約は
ない。この第3の発明の磁気記録媒体は、磁性層の厚み
が0.3μm以下と薄くてもアンカコート層に設けられ
たポリマービーズが、ビデオヘッドの衝撃に対してクッ
ション性の役割をはたす事から耐久性に優れ、また、磁
性層の表面性への影響が少なく表面性粗さが良い事から
電磁変換特性に優れる等の特徴を持つ。
される無機物なども従来提唱されているものが利用で
き、請求の範囲に示された物性を満足すれば特に制約は
ない。この第3の発明の磁気記録媒体は、磁性層の厚み
が0.3μm以下と薄くてもアンカコート層に設けられ
たポリマービーズが、ビデオヘッドの衝撃に対してクッ
ション性の役割をはたす事から耐久性に優れ、また、磁
性層の表面性への影響が少なく表面性粗さが良い事から
電磁変換特性に優れる等の特徴を持つ。
【0068】<第3の発明の実施例1〜8>次に、第3
の発明の実施例と比較例を具体的に挙げて説明する。ま
ず、表17に示すアンカーコート塗料組成物に、表18
に示すポリマービーズ組成物を加えて攪拌し、アンカー
コート塗料とする。そして、これを非磁性支持体上に
1. 0μm以下になるように塗布・乾燥する。表19に
示す磁性塗料組成物を、ロールミル,ニーダー,ビーズ
ミル等を用いて十分に混練り,分散後、磁性塗料を作成
し、前記アンカーコート層の上層に0. 3μmになるよ
うに塗布した。その後、磁性面とは反対面に先の表8に
示すと同じ組成のバックコート組成物を分散した塗料を
1. 0μm以下になるよう塗布した。但し、ここで示し
た磁性層の厚みはカレンダー工程処理後の厚みでバック
層の厚みは乾燥後の厚みを示す。その後、カレンダー処
理を行ない3.81mm幅に裁断して磁気テープとし
た。
の発明の実施例と比較例を具体的に挙げて説明する。ま
ず、表17に示すアンカーコート塗料組成物に、表18
に示すポリマービーズ組成物を加えて攪拌し、アンカー
コート塗料とする。そして、これを非磁性支持体上に
1. 0μm以下になるように塗布・乾燥する。表19に
示す磁性塗料組成物を、ロールミル,ニーダー,ビーズ
ミル等を用いて十分に混練り,分散後、磁性塗料を作成
し、前記アンカーコート層の上層に0. 3μmになるよ
うに塗布した。その後、磁性面とは反対面に先の表8に
示すと同じ組成のバックコート組成物を分散した塗料を
1. 0μm以下になるよう塗布した。但し、ここで示し
た磁性層の厚みはカレンダー工程処理後の厚みでバック
層の厚みは乾燥後の厚みを示す。その後、カレンダー処
理を行ない3.81mm幅に裁断して磁気テープとし
た。
【0069】
【表17】
【0070】
【表18】
【0071】
【表19】
【0072】上記したように作成した磁気記録媒体を実
施例1とする。実施例1において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表20に示すように種々変更した
以外は、実施例1と同様に作成し、実施例2〜4とし
た。実施例1において用いるポリマービーズの材料を塩
化ビニルからポリウレタン(分子量:500000M
w,平均粒径:0.08μm)に変更した以外は実施例
1と同様に作成し、実施例5とした。実施例1において
用いるポリマービーズの材料を塩化ビニルから塩素化ポ
リエチレン(分子量:塩素含有率=30%,平均粒径:
0.08μm)に変更した以外は実施例1と同様に作成
し、実施例6とした。実施例1において用いるポリマー
ビーズの平均粒径と添加量を表20に示すように変更し
た以外は、実施例1と同様に作成し、実施例7、8とし
た。
施例1とする。実施例1において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表20に示すように種々変更した
以外は、実施例1と同様に作成し、実施例2〜4とし
た。実施例1において用いるポリマービーズの材料を塩
化ビニルからポリウレタン(分子量:500000M
w,平均粒径:0.08μm)に変更した以外は実施例
1と同様に作成し、実施例5とした。実施例1において
用いるポリマービーズの材料を塩化ビニルから塩素化ポ
リエチレン(分子量:塩素含有率=30%,平均粒径:
0.08μm)に変更した以外は実施例1と同様に作成
し、実施例6とした。実施例1において用いるポリマー
ビーズの平均粒径と添加量を表20に示すように変更し
た以外は、実施例1と同様に作成し、実施例7、8とし
た。
【0073】次に、比較例について説明する。実施例1
のアンカコート層にポリマービーズを全く含まない以外
は、実施例1と同様に作成し比較例1とした。実施例1
において用いるポリマービーズの平均粒径、添加量を表
20に示すように変更した以外は、実施例1と同様に作
成し、比較例2〜5とした。実施例1のアンカーコート
層にポリマービーズを含まないで、その代わりに表20
に示す無機研磨粒子(平均粒径0. 1μm)を含む以外
は、実施例1と同様に作成し比較例6、7とした。実施
例1のアンカーコート層にポリマービーズを含まないで
上層の磁性層に表20に示す無機研磨粒子(平均粒径
0. 1μm)を含む以外は、実施例1と同様に作成し比
較例8、9とした。このように作成した各実施例及び比
較例の特性を評価した。その結果を表20に示す。
のアンカコート層にポリマービーズを全く含まない以外
は、実施例1と同様に作成し比較例1とした。実施例1
において用いるポリマービーズの平均粒径、添加量を表
20に示すように変更した以外は、実施例1と同様に作
成し、比較例2〜5とした。実施例1のアンカーコート
層にポリマービーズを含まないで、その代わりに表20
に示す無機研磨粒子(平均粒径0. 1μm)を含む以外
は、実施例1と同様に作成し比較例6、7とした。実施
例1のアンカーコート層にポリマービーズを含まないで
上層の磁性層に表20に示す無機研磨粒子(平均粒径
0. 1μm)を含む以外は、実施例1と同様に作成し比
較例8、9とした。このように作成した各実施例及び比
較例の特性を評価した。その結果を表20に示す。
【0074】
【表20】
【0075】評価に際しては、第2の発明において評価
した時と同様な装置及び手法を用いた。表20から明ら
かなように、アンカーコート層にポリマービーズを含ま
ない比較例1は、スチル特性は、大幅に劣化している。
ポリマービーズの平均粒径が小さ過ぎる比較例2は、ス
チル特性が劣化している。また、ポリマービーズの平均
粒径が大き過ぎる比較例3は、表面粗さ、RF出力が劣
化している。ポリマービーズの添加量が少な過ぎる比較
例4は、スチル特性が劣化している。逆に、ポリマービ
ーズの添加量が多過ぎる比較例5は、表面粗さ、RF出
力が劣化している。また、ポリマービーズを含まないで
無機研磨粒子を含めた比較例6、7や、ポリマービーズ
を含まないで磁性層中に無機研磨粒子を含めた比較例
8、9は、共に表面粗さ及びRF出力がかなり劣化して
いる。
した時と同様な装置及び手法を用いた。表20から明ら
かなように、アンカーコート層にポリマービーズを含ま
ない比較例1は、スチル特性は、大幅に劣化している。
ポリマービーズの平均粒径が小さ過ぎる比較例2は、ス
チル特性が劣化している。また、ポリマービーズの平均
粒径が大き過ぎる比較例3は、表面粗さ、RF出力が劣
化している。ポリマービーズの添加量が少な過ぎる比較
例4は、スチル特性が劣化している。逆に、ポリマービ
ーズの添加量が多過ぎる比較例5は、表面粗さ、RF出
力が劣化している。また、ポリマービーズを含まないで
無機研磨粒子を含めた比較例6、7や、ポリマービーズ
を含まないで磁性層中に無機研磨粒子を含めた比較例
8、9は、共に表面粗さ及びRF出力がかなり劣化して
いる。
【0076】これに対して実施例1〜8は、表面粗さ、
RF出力及びスチル特性について全て良好な特性を示し
ている。すなわち、ポリマービーズの平均粒径は0. 0
8〜0. 15μmの範囲内、その添加量は100〜30
0部の範囲内であれば、RF出力とスチル耐久性、双方
の特性を満足し、しかも電磁変換特性と信頼性に優れた
磁気記録媒体を提供する事が出来る。ポリマービーズの
平均粒径がこの範囲よりも小さい場合は(比較例1)、
表面性が平滑となってRF出力は向上するもののアンカ
ーコート層がヘッドの衝撃を吸収出来ず、塗膜が破壊さ
れ、スチル耐久性が大きく低下する。また、平均粒径が
この範囲より大きい場合は(比較例3)、アンカーコー
ト層がヘッドの衝撃を吸収する為、十分なスチル耐久性
が維持されるものの表面性が粗くなり、RF出力の低下
を招く。ポリマービースの添加量に関しても同様の見解
を得た。
RF出力及びスチル特性について全て良好な特性を示し
ている。すなわち、ポリマービーズの平均粒径は0. 0
8〜0. 15μmの範囲内、その添加量は100〜30
0部の範囲内であれば、RF出力とスチル耐久性、双方
の特性を満足し、しかも電磁変換特性と信頼性に優れた
磁気記録媒体を提供する事が出来る。ポリマービーズの
平均粒径がこの範囲よりも小さい場合は(比較例1)、
表面性が平滑となってRF出力は向上するもののアンカ
ーコート層がヘッドの衝撃を吸収出来ず、塗膜が破壊さ
れ、スチル耐久性が大きく低下する。また、平均粒径が
この範囲より大きい場合は(比較例3)、アンカーコー
ト層がヘッドの衝撃を吸収する為、十分なスチル耐久性
が維持されるものの表面性が粗くなり、RF出力の低下
を招く。ポリマービースの添加量に関しても同様の見解
を得た。
【0077】また、アンカーコート層及び磁性層に無機
研磨粒子を含む場合は、スチル耐久性にはその効果は大
きいものの反面、表面性の粗れが大きく、極端にRF出
力が低下する等双方の特性を満足させる事が困難であ
る。
研磨粒子を含む場合は、スチル耐久性にはその効果は大
きいものの反面、表面性の粗れが大きく、極端にRF出
力が低下する等双方の特性を満足させる事が困難であ
る。
【0078】<第3の発明の実施例9〜17>上記各実
施例においては、ポリマービーズを単独で用いたが、こ
れに脂肪酸、或いは脂肪酸エステルを含浸させるように
してもよい。この実施例においては、脂肪酸、或いは脂
肪酸エステルを含浸させたポリマービーズをアンカーコ
ート層に加えること以外は特に制約はなく、従来知られ
ている方法により記録媒体を作成することで目的が達成
される。また、アンカーコート層の厚みに関しては、
0.5〜4.0μmが望ましく、薄過ぎる場合は効果が
無くなり、逆に厚過ぎる場合は塗工性が難しくなる。更
に、含浸に関しては、ポリマービーズ組成物を脂肪酸或
いは脂肪酸エステルの入ったタンクにある時間浸すこと
で達成できる。また、含浸する滑剤の種類、量について
は、記録媒体を使用するフォーマット、例えばVHS、
8mm、DAT等の最終形態によって、各々の種類、含
浸量は決定されるものであり、ここでは特に規定はしな
い。ポリマービーズに滑剤が含浸しているかどうかが重
要となる。
施例においては、ポリマービーズを単独で用いたが、こ
れに脂肪酸、或いは脂肪酸エステルを含浸させるように
してもよい。この実施例においては、脂肪酸、或いは脂
肪酸エステルを含浸させたポリマービーズをアンカーコ
ート層に加えること以外は特に制約はなく、従来知られ
ている方法により記録媒体を作成することで目的が達成
される。また、アンカーコート層の厚みに関しては、
0.5〜4.0μmが望ましく、薄過ぎる場合は効果が
無くなり、逆に厚過ぎる場合は塗工性が難しくなる。更
に、含浸に関しては、ポリマービーズ組成物を脂肪酸或
いは脂肪酸エステルの入ったタンクにある時間浸すこと
で達成できる。また、含浸する滑剤の種類、量について
は、記録媒体を使用するフォーマット、例えばVHS、
8mm、DAT等の最終形態によって、各々の種類、含
浸量は決定されるものであり、ここでは特に規定はしな
い。ポリマービーズに滑剤が含浸しているかどうかが重
要となる。
【0079】この磁気記録媒体は、磁性層が0.3μm
以下と薄くてもアンカーコート層に設けられたポリマー
ビーズがビデオヘッドの衝撃に対してクッション性の役
割を果たし、更に、ポリマービーズが滑剤を含浸してい
ることで、潤滑性が長期間保持することができるため、
繰り返し走行時のμkの上昇を抑制することができる。
また、磁性層の表面性への影響が少なく表面粗さが良い
ことから電磁変換特性に優れる等の特徴を持つ。
以下と薄くてもアンカーコート層に設けられたポリマー
ビーズがビデオヘッドの衝撃に対してクッション性の役
割を果たし、更に、ポリマービーズが滑剤を含浸してい
ることで、潤滑性が長期間保持することができるため、
繰り返し走行時のμkの上昇を抑制することができる。
また、磁性層の表面性への影響が少なく表面粗さが良い
ことから電磁変換特性に優れる等の特徴を持つ。
【0080】まず、脂肪酸よりなる滑剤としてステアリ
ン酸の入ったタンクに、先の表18に示したと同様な組
成のポリマービーズを2時間ほど浸し、このポリマービ
ーズを取り出して、先の表17に示したと同様な組成の
アンカーコート塗料組成物に加え、攪拌する。これをア
ンカーコート塗料とし、非磁性支持体上に1.5μm前
後になるように塗布、乾燥する。
ン酸の入ったタンクに、先の表18に示したと同様な組
成のポリマービーズを2時間ほど浸し、このポリマービ
ーズを取り出して、先の表17に示したと同様な組成の
アンカーコート塗料組成物に加え、攪拌する。これをア
ンカーコート塗料とし、非磁性支持体上に1.5μm前
後になるように塗布、乾燥する。
【0081】表21に示す磁性塗料組成物をロールミ
ル、ニーダー、ビーズミル等を用いて十分に混練り、分
散後、磁性塗料を作成し、前記アンカーコート層の上層
に厚み0.3μmになるように塗布した。その後、磁性
面とは裏面に先の表8に示すと同じ組成のバックコート
組成物を分散した塗料を厚み1.0μm以下になるよう
塗布した。但し、ここで示した磁性層の厚みは、カレン
ダー工程処理後の厚みであり、バックコート層の厚みは
乾燥後の厚みを示す。その後、カレンダー処理を行な
い、3.81mm幅に裁断して磁気テープとした。
ル、ニーダー、ビーズミル等を用いて十分に混練り、分
散後、磁性塗料を作成し、前記アンカーコート層の上層
に厚み0.3μmになるように塗布した。その後、磁性
面とは裏面に先の表8に示すと同じ組成のバックコート
組成物を分散した塗料を厚み1.0μm以下になるよう
塗布した。但し、ここで示した磁性層の厚みは、カレン
ダー工程処理後の厚みであり、バックコート層の厚みは
乾燥後の厚みを示す。その後、カレンダー処理を行な
い、3.81mm幅に裁断して磁気テープとした。
【0082】
【表21】
【0083】上記したように作成した磁気記録媒体を実
施例9とする。実施例9において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表22に示すように種々変更した
以外は、実施例9と同様に作成し、実施例10、11と
した。実施例9において用いるポリマービーズの種類を
塩化ビニルからポリウレタン(分子量:500000M
w、平均粒径:0.10μm)に変更した以外は、実施
例9と同様に作成し、実施例12とした。実施例9にお
いて用いるポリマービーズの種類を塩化ビニルからポリ
エチレン(分子量:塩素含有率=30%、平均粒径:
0.10μm)に変更した以外は、実施例9と同様に作
成し、実施例13とした。
施例9とする。実施例9において用いるポリマービーズ
の平均粒径を後述する表22に示すように種々変更した
以外は、実施例9と同様に作成し、実施例10、11と
した。実施例9において用いるポリマービーズの種類を
塩化ビニルからポリウレタン(分子量:500000M
w、平均粒径:0.10μm)に変更した以外は、実施
例9と同様に作成し、実施例12とした。実施例9にお
いて用いるポリマービーズの種類を塩化ビニルからポリ
エチレン(分子量:塩素含有率=30%、平均粒径:
0.10μm)に変更した以外は、実施例9と同様に作
成し、実施例13とした。
【0084】実施例9において用いるポリマービーズの
平均粒径と添加量を表22に示すように変更した以外
は、実施例9と同様に作成し、実施例14、15とし
た。実施例9において用いるポリマービーズに含浸させ
る滑剤の種類を表22に示すように変更した以外は、実
施例9と同様に作成し、実施例16、17とした。ここ
で、実施例17の滑剤は、脂肪酸エステルである。
平均粒径と添加量を表22に示すように変更した以外
は、実施例9と同様に作成し、実施例14、15とし
た。実施例9において用いるポリマービーズに含浸させ
る滑剤の種類を表22に示すように変更した以外は、実
施例9と同様に作成し、実施例16、17とした。ここ
で、実施例17の滑剤は、脂肪酸エステルである。
【0085】次に、比較例について説明する。実施例9
のアンカーコート層にポリマービーズを全く含まず、滑
剤も添加しない以外は、実施例9と同様に作成した比較
例10とした。実施例9のアンカーコート層にポリマー
ビーズを全く含まず、滑剤(ステアリン酸)を10部添
加した以外は、実施例9と同様に作成し比較例11とし
た。実施例9において用いるポリマービーズの平均粒
径、添加量を表22に示すように変更した以外は、実施
例9と同様に作成し、比較例12〜15とした。実施例
9において用いるポリマービーズに滑剤を含浸させない
以外は、実施例9と同様に作成し、比較例16とした。
のアンカーコート層にポリマービーズを全く含まず、滑
剤も添加しない以外は、実施例9と同様に作成した比較
例10とした。実施例9のアンカーコート層にポリマー
ビーズを全く含まず、滑剤(ステアリン酸)を10部添
加した以外は、実施例9と同様に作成し比較例11とし
た。実施例9において用いるポリマービーズの平均粒
径、添加量を表22に示すように変更した以外は、実施
例9と同様に作成し、比較例12〜15とした。実施例
9において用いるポリマービーズに滑剤を含浸させない
以外は、実施例9と同様に作成し、比較例16とした。
【0086】実施例9のアンカーコート層にポリマービ
ーズを含まないで、その代わりに表22に示す無機研磨
粒子(平均粒径0.10μm)を含み、滑剤(ステアリ
ン酸)を8部添加した以外は、実施例9と同様に作成し
比較例17、18とした。実施例9のアンカーコート層
にポリマービーズを含まないで、上層の磁性層に表22
に示す無機研磨粒子(平均粒径0.10μm、添加量4
部)を含み、滑剤(ステアリン酸)を2部添加した以外
は、実施例9と同様に作成し比較例19、20とした。
このように作成した各実施例及び比較例の特性を評価し
た。その結果を表22に示す。
ーズを含まないで、その代わりに表22に示す無機研磨
粒子(平均粒径0.10μm)を含み、滑剤(ステアリ
ン酸)を8部添加した以外は、実施例9と同様に作成し
比較例17、18とした。実施例9のアンカーコート層
にポリマービーズを含まないで、上層の磁性層に表22
に示す無機研磨粒子(平均粒径0.10μm、添加量4
部)を含み、滑剤(ステアリン酸)を2部添加した以外
は、実施例9と同様に作成し比較例19、20とした。
このように作成した各実施例及び比較例の特性を評価し
た。その結果を表22に示す。
【0087】
【表22】
【0088】評価に際しては、第2の発明において評価
した時と同様な装置及び手法を用いた。但し、繰り返し
μkは、DATデッキ(XD−Z505、日本ビクター
製)を用いてリモートコントローラにより2分間再生
し、その後巻き戻しを行なうプログラムを作成し、10
0繰り返しを行なった。そのテープの初期部(走行して
いない所)と、100回走行部をμk測定器(φ4mm
のステンレスのガイドピンにテープを180°で巻き付
けて測定する)で磁性層面の初期部と走行部のμkの上
昇度合を見た。
した時と同様な装置及び手法を用いた。但し、繰り返し
μkは、DATデッキ(XD−Z505、日本ビクター
製)を用いてリモートコントローラにより2分間再生
し、その後巻き戻しを行なうプログラムを作成し、10
0繰り返しを行なった。そのテープの初期部(走行して
いない所)と、100回走行部をμk測定器(φ4mm
のステンレスのガイドピンにテープを180°で巻き付
けて測定する)で磁性層面の初期部と走行部のμkの上
昇度合を見た。
【0089】表22から明らかなように、比較例16に
示すようにポリマービーズに脂肪酸を含浸させなかった
場合には、繰り返しμkが特に劣っており、従って、ポ
リマービーズに脂肪酸や脂肪酸エステルを含浸させるこ
とによって表面粗さ、RF出力、スチル特性のみなら
ず、繰り返しμkも改善できることが判明する。すなわ
ち、アンカーコート層に予め脂肪酸、或いは脂肪酸エス
テルを含浸させたポリマービーズを添加することによ
り、ポリマービーズを含まない比較例11、またはポリ
マービーズ単独の比較例16のアンカーコート層に比
べ、繰り返し走行後のμk上昇を大幅に抑えることが可
能となった。
示すようにポリマービーズに脂肪酸を含浸させなかった
場合には、繰り返しμkが特に劣っており、従って、ポ
リマービーズに脂肪酸や脂肪酸エステルを含浸させるこ
とによって表面粗さ、RF出力、スチル特性のみなら
ず、繰り返しμkも改善できることが判明する。すなわ
ち、アンカーコート層に予め脂肪酸、或いは脂肪酸エス
テルを含浸させたポリマービーズを添加することによ
り、ポリマービーズを含まない比較例11、またはポリ
マービーズ単独の比較例16のアンカーコート層に比
べ、繰り返し走行後のμk上昇を大幅に抑えることが可
能となった。
【0090】また、実施例9〜17に示すようにポリマ
ービーズの平均粒径は0.08〜0.15μmの範囲内
とし、且つその添加量は100〜300重量部の範囲で
あれば、RF出力と耐スチル性、双方の特性を満足し、
更に、ポリマービーズに滑剤を含浸したことで繰り返し
走行後のμk特性も向上でき、電磁変換特性と耐久性に
優れた磁気記録媒体を提供することができることが判明
する。ポリマービーズの平均粒径がこの範囲よりも小さ
い場合は(比較例12)、表面が平滑となってRF出力
は向上するもののアンカーコート層がヘッドの衝撃を吸
収できず、塗膜が破壊されて耐スチル性が大きく低下す
る。また、平均粒径がこの範囲より大きい場合は(比較
例13)、アンカーコート層がヘッドの衝撃を吸収し、
耐スチル性は十分に維持されるものの表面が粗くなりR
F出力の低下を招く。ポリマービーズの添加量に関して
も同様の見解を得た。ポリマービーズの種類について
は、変更しても請求の範囲であれば効果に大差が無いこ
とが判る。
ービーズの平均粒径は0.08〜0.15μmの範囲内
とし、且つその添加量は100〜300重量部の範囲で
あれば、RF出力と耐スチル性、双方の特性を満足し、
更に、ポリマービーズに滑剤を含浸したことで繰り返し
走行後のμk特性も向上でき、電磁変換特性と耐久性に
優れた磁気記録媒体を提供することができることが判明
する。ポリマービーズの平均粒径がこの範囲よりも小さ
い場合は(比較例12)、表面が平滑となってRF出力
は向上するもののアンカーコート層がヘッドの衝撃を吸
収できず、塗膜が破壊されて耐スチル性が大きく低下す
る。また、平均粒径がこの範囲より大きい場合は(比較
例13)、アンカーコート層がヘッドの衝撃を吸収し、
耐スチル性は十分に維持されるものの表面が粗くなりR
F出力の低下を招く。ポリマービーズの添加量に関して
も同様の見解を得た。ポリマービーズの種類について
は、変更しても請求の範囲であれば効果に大差が無いこ
とが判る。
【0091】これに対し、アンカーコート層或いは磁性
層に無機研磨粒子を含むことは(比較例17〜20)、
耐スチル性は良好なものの、表面性が悪く、RF出力が
大きく低下している。また、磁性層に添加したものは
(比較例19、20)、厚み0.3μm以下という薄さ
では、長時間の滑剤保持が困難のため、繰り返し走行後
のμk特性も悪化するなど特性を満足させることが困難
であるがポリマービーズによりこれらの特性の向上が確
認できる。
層に無機研磨粒子を含むことは(比較例17〜20)、
耐スチル性は良好なものの、表面性が悪く、RF出力が
大きく低下している。また、磁性層に添加したものは
(比較例19、20)、厚み0.3μm以下という薄さ
では、長時間の滑剤保持が困難のため、繰り返し走行後
のμk特性も悪化するなど特性を満足させることが困難
であるがポリマービーズによりこれらの特性の向上が確
認できる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体によれば、次のように優れた作用効果を発揮するこ
とができる。第1の発明によれば、磁性層に所定のポリ
イミド微粒子を含ませるようにしたので、高い電磁変換
特性を維持しつつ、耐久性も向上させることができる。
第2の発明によれば、磁性層中に所定のポリマービーズ
を含ませるようにしたので、高い電磁変換特性を維持し
つつ、スチル特性も向上させることができる。また、こ
のポリマービーズに、脂肪酸、脂肪酸エステルを含浸さ
せることにより、動摩擦係数μkも向上させることがで
きる。更に、このポリマービーズに硬化剤を含浸させる
ことにより磁性塗料の保存安定性も向上させることがで
きる。第3の発明によれば、アンカーコート層中に所定
のポリマービーズを含ませるようにしたので、高い電磁
変換特性を維持しつつ、スチル特性も向上させることが
できる。また、このポリマービーズに、脂肪酸、脂肪酸
エステルを含浸させることにより、動摩擦係数μkも向
上させることができる。
媒体によれば、次のように優れた作用効果を発揮するこ
とができる。第1の発明によれば、磁性層に所定のポリ
イミド微粒子を含ませるようにしたので、高い電磁変換
特性を維持しつつ、耐久性も向上させることができる。
第2の発明によれば、磁性層中に所定のポリマービーズ
を含ませるようにしたので、高い電磁変換特性を維持し
つつ、スチル特性も向上させることができる。また、こ
のポリマービーズに、脂肪酸、脂肪酸エステルを含浸さ
せることにより、動摩擦係数μkも向上させることがで
きる。更に、このポリマービーズに硬化剤を含浸させる
ことにより磁性塗料の保存安定性も向上させることがで
きる。第3の発明によれば、アンカーコート層中に所定
のポリマービーズを含ませるようにしたので、高い電磁
変換特性を維持しつつ、スチル特性も向上させることが
できる。また、このポリマービーズに、脂肪酸、脂肪酸
エステルを含浸させることにより、動摩擦係数μkも向
上させることができる。
【図1】第1の発明に係る磁気記録媒体を示す部分拡大
断面図である。
断面図である。
【図2】第2の発明に係る磁気記録媒体を示す部分拡大
断面図である。
断面図である。
【図3】ポリマービーズの平均粒径とRF出力、スチル
特性の関係を示す図である。
特性の関係を示す図である。
【図4】ポリマービーズの添加量とRF出力、スチル特
性の関係を示す図である。
性の関係を示す図である。
【図5】第3の発明に係る磁気記録媒体を示す部分拡大
断面図である。
断面図である。
1…磁気記録媒体、2…非磁性支持体、3…磁性層、4
…ポリイミド微粒子、5…ポリマービーズ、6…バック
コート層、7…アンカーコート層、d…磁性層の厚み、
R1…ポリイミド微粒子の平均粒径、R2…ポリマービ
ーズの平均粒径。
…ポリイミド微粒子、5…ポリマービーズ、6…バック
コート層、7…アンカーコート層、d…磁性層の厚み、
R1…ポリイミド微粒子の平均粒径、R2…ポリマービ
ーズの平均粒径。
フロントページの続き (72)発明者 田村 幸喜 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 菊地 賢一 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 永山 靖 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 高橋 成典 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 松本 郁夫 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 非磁性支持体の一面側に、強磁性粉を含
む磁性層を少なくとも形成し、この磁性層の厚みが0.
3μm以下になされた磁気記録媒体において、前記磁性
層中に平均粒径R1が前記磁性層の厚みdに対して数1
に示す関係になされたポリイミド微粒子を含み、且つこ
のポリイミド微粒子の添加量が強磁性粉に対して1〜5
重量部の範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体。 R1≦0.8d …数1 - 【請求項2】 非磁性支持体の一面側に、強磁性粉を含
む磁性層を少なくとも形成し、この磁性層の厚みが0.
3μm以下になされた磁気記録媒体において、前記磁性
層中に平均粒径R2が、前記磁性層の厚みdに対して数
2に示す範囲内になされたポリマービーズを含み且つ前
記ポリマービーズの添加量が前記強磁性粉に対して1〜
5重量部の範囲内であることを特徴とする磁気記録媒
体。 0.4d≦R2≦0.8d …数2 - 【請求項3】 前記ポリマービーズが、脂肪酸、或いは
脂肪酸エステルを含浸していることを特徴とする請求項
2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 前記ポリマービーズが、硬化剤を含浸し
ていることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 非磁性支持体の一面側に、アンカーコー
ト層を設け、このアンカーコート層上に強磁性粉を含む
磁性層を形成し、この磁性層の厚みが0.3μm以下に
なされた磁気記録媒体において、前記アンカーコート層
中に平均粒径が0.08〜0.15μmの範囲内のポリ
マービーズを含むように構成したことを特徴とする磁気
記録媒体。 - 【請求項6】 前記アンカーコート層に含まれるポリマ
ービーズ層の添加量は、前記アンカーコート層の樹脂1
00重量部に対して100〜300重量部の範囲内であ
ることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 前記ポリマービーズは、脂肪酸、或いは
脂肪酸エステルを含浸していることを特徴とする請求項
5または6記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19402296A JPH1021534A (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19402296A JPH1021534A (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1021534A true JPH1021534A (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=16317649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19402296A Pending JPH1021534A (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1021534A (ja) |
-
1996
- 1996-07-04 JP JP19402296A patent/JPH1021534A/ja active Pending
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