JP3815039B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は塗布型の磁気記録媒体に関するものであり、特に良好な電磁変換特性及び走行耐久性を経時変化なく長期にわたり保持でき、塗膜の保存性に優れた高密度記録可能な磁気記録媒体を提供することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録は、近年、特に高密度化が進み、記録波長は短くなり、トラック幅は狭くなる方向に進んでいる。例えばビデオテープ等の磁気テープは、業務用はもちろんのこと、民生用でもDVC(デジタルビデオカセット)に代表されるデジタル化が急速に進んで来ている。それに伴い、電磁変換特性に加え、経時変化のない保存性に優れた磁気記録媒体が求められている。同時にDVC規格の発展形のものが発売され、コストパフォーマンス競争も激しくなってきている。さらに、このような状況の中で当社のデジタルSテープも発売され、競争の度合いを増してきている。
【0003】
業務用媒体には、従来よりユーザーから要求される品質特性に関して、できる限りの技術改良が続けられている。そして民生用以上に、スチル等の使用に耐える走行耐久性に加え、記録したソースの保存性にも十分考慮されたものになっている。特に耐スチル性については、広い環境下でのカメラ撮りや編集作業時の相当回数の使用を想定した走行耐久性が要求される。ハード側からの開発はもちろんであるが、ソフト側である媒体に対する要求も強くなってきている。
【0004】
この高密度化等の要求に対して、磁性層に金属薄膜を用いた磁気記録媒体が提案されている。生産性、腐食等の実用信頼性の点では、強磁性粉末を結合剤(バインダー樹脂)中に分散して、支持体上に塗布したいわゆる塗布型の磁気記録媒体が優れる。しかしながら、金属薄膜に対して塗布型媒体は磁性体の充填度が低いために、電磁変換特性が劣る。このため、塗布型媒体においては、強磁性粉末の磁気特性の改良、表面の平滑化、磁性層薄膜化など、性能向上に向けて種々の方法が提案されているが、高密度化に対して十分なものではない。さらに、長時間の繰り返し使用あるいは長時間の保存後使用において、初期の電磁変換特性並びに走行耐久性を保持することが難しく、塗膜の保存性も過酷な条件下においては十分なものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、これらの問題点を解決するために、特開平5ー217149号公報に開示されているように、上層磁性層の平均厚みが1.0μm以下であり、かつ、下層非磁性層に平均粒径が規定された非磁性粉末等を含有した磁気記録媒体が提案されている。また、特開平7ー93740号公報に開示されているように、支持体上にAlとSiの元素重量比及び表面に存在する平均比率が規定されたα酸化鉄粉末を含有する下層、強磁性粉末を含有する層を上層として設けた磁気記録媒体が提案されている。しかし、いずれも十分に問題点を解決したものではない。特に、経時変化の少ない保存性の改善に関しては、これら含めてまだまだ不十分な点が多い。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これらを有効に解決すべく創案されたものであり、その目的は、電磁変換特性が良好であり、かつ、良好な電磁変換特性及び走行耐久性を経時変化なく長期にわたり保持できる保存性に優れた高密度記録可能な磁気記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、課題を解決するために本発明は、
非磁性支持体上に設けられた非磁性層と、この非磁性層上に設けられた磁性層とを備えた磁気記録媒体において、
前記磁性層の平均厚みが1.1μm以上であり、
前記磁性層及び前記非磁性層に、潤滑剤として下記一般式化1,化2で示される2種類の脂肪酸エステルA,Bを含有させると共に、
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
その2種類の脂肪酸エステルA,Bの含有量が、下記式を満足するものであることを特徴とする磁気記録媒体。
W1A:W1B=10:90〜40:60 … 式1
W2A:W2B=40:60〜60:40 … 式2
0.3≦(W1A+W1B)/(W2A+W2B)≦1.0 … 式3
[W1A:磁性層中の脂肪酸エステルAの量、W1B:磁性層中の脂肪酸エステルBの量、W2A:非磁性層中の脂肪酸エステルAの量、W2B:非磁性層中の脂肪酸エステルBの量]
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者は、かかる事情に鑑みて鋭意検討した結果、特定の強磁性粉末を含んだ磁性層の特定の厚みを選択し、かつ、特定の潤滑剤である脂肪酸エステルを含有する磁性層及び非磁性層からなる構造を形成することにより、保存性等に優れた高密度記録可能な磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、非磁性支持体と、少なくとも、該非磁性支持体上に設けられた非磁性層と、該非磁性層上に設けられた磁性層とを備えた磁気記録媒体において、前記磁性層の平均厚みが1.1μm以上であることを特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。そして、前記磁性層及び非磁性層に少なくとも含まれる2種類の脂肪酸エステルが、下式で表わされるものであり、
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
かつ、前記磁性層及び前記非磁性層に含まれる2種類の脂肪酸エステルの量が、下式を満足するものであることを特徴とする磁気記録媒体である。
W1A:W1B=10:90〜40:60 … 式1
W2A:W2B=40:60〜60:40 … 式2
0.3≦(W1A+W1B)/(W2A+W2B)≦1.0 … 式3
[W1A:磁性層中の脂肪酸エステルAの量、W1B:磁性層中の脂肪酸エステルBの量、W2A:非磁性層中の脂肪酸エステルAの量、W2B:非磁性層中の脂肪酸エステルBの量]
【0016】
非磁性支持体上に設けられる非磁性層は潤滑剤、無機質粉末等を含有する。非磁性層上に設けられる磁性層は、強磁性粉末、潤滑剤、カーボンブラック等を含有する。
【0017】
本発明においては、磁性層の平均厚みは1.1μm以上に設定されている。磁性層厚が1.1μmより薄い場合は、次の問題点が現われてくる。
・帯電による異物付着等によるドロップアウト上昇を抑える為に、磁性層にカーボンブラックを含ませている。しかし、磁性層厚を1.1μmより薄くしていくと表面電気抵抗が高くなり、帯電性が増加しドロップアウトが上昇してしまう。さらに繰り返しテープを走行させると、この傾向は顕著になる。
・磁性層厚が1.1μmより薄くなると、相対的に潤滑剤量が減少し、スチル等の走行耐久性が劣化してしまう。潤滑剤量を増加させると、磁性層の強度が低下する。また、保存性も劣化してしまう。
・これらの特性のバランスを取ろうとしても、磁性層厚が1.1μmより薄いと、出力等の電磁変換特性が劣化してしまう。
【0018】
前記の強磁性粉末としては公知の材料を用いることができる。例えば、γーFeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γーFeOx(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金微粉末、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなどの六方晶フェライト等が使用できる。これらの強磁性粉末には所定の元素以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn,Ni、Sr、B等の元素を含有しても良い。
【0019】
本発明においては、磁性層及び非磁性層に含まれる2種類の脂肪酸エステルは前記した化1,化2に示されるものであり、これらの添加量の関係は前記した式1〜3で表わされるものである。
【0020】
2種類の脂肪酸エステルの分子式で、R1及びR2の炭素数が条件の範囲外であると、走行耐久性のひとつである耐スチル性を確保できなくなる。また、添加量については次の理由による。
・W1A:W1B=10:90〜40:60においては、W1A比率が小さくなると低温下での耐スチル性が劣化してしまう。同時にW1B比率は大きくなり貼り付き等により走行性が劣化してしまう。一方、W1A比率が大きくなると磁性層の強度が下がりヘッド当たりが悪くなり、出力が低下してしまう。同時にW1B比率は小さくなり室温以上の環境下での耐スチル性が劣化してしてしまう。
・W2A:W2B=40:60〜60:40においては、非磁性層は潤滑剤の貯蔵等を目的とし、この比率範囲外であると長時間の使用条件下で磁性層での潤滑剤減少量と非磁性層から磁性層への潤滑剤供給量の種類比率バランスがくずれ、耐スチル性等の走行耐久性が確保できなくなる。
・0.3≦(W1A+W1B)/(W2A+W2B)≦1.0
においては、1.0より大きいと長時間の使用条件下で非磁性層から磁性層への潤滑剤供給量が不足してしまい、繰り返し走行の途中で画質等に支障をきたす。一方、0.3より小さいと非磁性層の強度が劣化し、媒体折れ等のダメージが発生してしまう。さらに長時間保存した後に使用した時、多量な潤滑剤の磁性層表面への滲みだし等により、貼り付きによる走行性劣化が現われる。
【0021】
前記無機質粉末としては、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、非磁性の酸化鉄、炭酸カルシウム等が好ましく用いられる。また、前記非磁性の無機質粉末には、これらの分散性等を向上させるための有機及び/または無機処理を施しても良い。前記無機質粉末の形状は好ましくは針状で、平均長軸径が0.05〜0.30μm、平均短軸径が0.010〜0.050μm、及び軸比(長軸径/短軸径)が3〜30である。
【0022】
前記カーボンブラックとしては、導電性カーボン等を用いることができる。また、カーボンブラックを磁性塗料等に添加する前にあらかじめ結合剤等で分散しても構わない。これらのカーボンブラックは単独、または組み合わせて用いることもできる。
【0023】
バインダー樹脂に用いる樹脂としては、磁気記録媒体に使用可能な公知の樹脂が使用可能である。例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系共重合体、アクリル酸エステルーアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルースチレン共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
非磁性層及び磁性層中には、脂肪酸エステル以外の添加剤を含まさせても問題ない。潤滑剤としては、脂肪酸、シリコーン等の液状潤滑剤が挙げられる。
【0024】
磁気記録媒体の製法に関しては、従来公知の製法を用いることができるが、分散に関しては分散初期に塗料粘度の高い状態で混練を行う、いわゆる”固練り”を行うことが望ましい。この混練の方法は特に制限はなく、また各成分の添加順序などは適宜設定することができる。非磁性塗料、磁性塗料及びバックコート塗料の調整には通常の混練機、例えばロールミル、連続ニーダー、高圧ニーダー、高速度衝撃ミキサー、サンドミル等を用いることができる。
【0025】
非磁性支持体上への前記非磁性層及び磁性層を塗布する方法としてはダイコート、スピンコート、スプレイコート、グラビアコート等が好ましい。
前記非磁性層の厚みは、好ましくは0.5〜2μmが好ましい。非磁性層の厚みが0.5μm未満であると、非磁性層による磁性層表面の平滑効果が低下する傾向にあり、3μmを超えると出力変動が徐々に増加する傾向にあるので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0026】
表面性を形成するカレンダー工程においても良好な表面平滑性を得るための方法、例えば、スティールカレンダー処理等の手法をとることが好ましい。
【0027】
以下に本発明を実施例により具体的に説明する。ここに示す成分、割合、操作手順等は本発明の考えから逸脱しない範囲において変更しうるものであることは本業界に携わるものにとっては容易に理解されることである。従って、本発明は下記の実施例に制限されるべきではない。尚、ここでは、磁気記録媒体として、バックコート層を有する磁気テープを作製した。
【0028】
<実施例、比較例に用いる磁性塗料の組成>
(1)強磁性合金粉末 100重量部
(組成:Fe 94%、Ni 2%
飽和磁化量:150emu/g
比表面積:55m2 /g、長軸長:0.1μm)
(2)結合剤
・ポリウレタン 9重量部
・塩化ビニル樹脂 9重量部
・ニトロセルロース 2重量部
(3)その他添加剤
・カーボンブラック 1重量部
・αーアルミナ 3重量部
・脂肪酸エステル 2種類(炭素数、比率:表1に記載) 2重量部
・メチルエチルケトン 150重量部
・シクロヘキサノン 150重量部
【0029】
<実施例、比較例に用いる非磁性塗料の組成>
(1)無機質粉末 100重量部
・α−酸化鉄粉末
(2)結合剤
・ポリウレタン 5重量部
・塩化ビニル樹脂 5重量部
【0030】
上記2つの塗料のそれぞれについて、各成分を連続ニーダーで混練した後、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを20重量部加え撹拌して、フィルターを用いて濾過し、それぞれの塗布液を調整した。
【0031】
得られた非磁性塗料を支持体上に1.0μmの厚みで、磁性塗料を非磁性塗料で塗設された非磁性層上に所定(表1記載)の厚みになるように塗布した。非磁性支持体にはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。
【0032】
次に、スティールカレンダーを用いて表面平滑処理を行った。さらに、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層を設けた面とは反対側の面にカーボンブラックを主成分とするバックコート層を設けた。そして、前記フィルム状媒体を温度50℃環境に24hr入れ、エージング処理を行い,こうして作製したフィルム状媒体を幅12.65mmに裁断し、試料用の磁気テープ(デジタルSテープ)とした。
上述の方法で作製した実施例1〜15、比較例1〜12について下記の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
磁気テープに関しては、裁断しカセットハーフに巻き込んだ直後の測定値を初期値とし、60℃90%RH環境下で24hr保存させた後の測定値を保存後値とした。
【0035】
出力、ドロップアウト(D/O)等の測定に用いたデジタルS機器は、日本ビクター(株)製 据え置き型PR−D80である。測定環境は、特にことわりがない場合は、室温環境(20℃60%RH)である。また走行はPRーD80を用いて、記録・再生・巻き戻しを100回繰り返す内容とした。
【0036】
出力は周波数24.75MHzの正弦波を記録し、再生したときの測定値である。基準値0.0dBは日本ビクター(株)内の基準テープ値とした。
D/Oは周波数12.375MHzの正弦波を記録・再生したときの1分間当たりの信号欠落数である。欠落基準は、長さが0.5μsec以上、出力低下が8dB以上とした。そして、D/O評価基準を下の内容とした。
〇: 500未満
△: 500以上1000未満
×:1000以上
【0037】
耐スチル性は各環境下で周波数24.75MHzの正弦波を記録・再生した後に、スチル(一時停止)モードで60分再生したときの、再生出力の初期レベルに対する減衰量で表わす。そして、スチル評価基準を下の内容とした。
〇: 3dB未満
△: 3dB以上6dB未満
×: 6dB以上
【0038】
表面電気抵抗は、断面が半径10mmの4分の1の円をなす2本の棒状金属電極を12.7mm離して置き、これらの上に直角に磁気テープの磁性面を接して置いてテープの両端に各50gの分銅をつるし、絶縁抵抗計を用いて、直流500Vの電圧をかけたときの抵抗値である。そして、表面電気抵抗評価基準を下の内容とした。
〇: 1×1010Ω/sq未満
△: 1×1010Ω/sq以上 1×1012Ω/sq未満
×: 1×1012Ω/sq以上
【0039】
動摩擦係数μkは、φ6のステンレスピンに磁気テープを巻付角180゜で巻き付け、バックテンション50g、速度58mm/secで走行させ、その時のステンレスピンに対する入口側テンションT1と出口側テンションT2との比T2/T1を下記式に挿入して求めた値である。
μk=(1/π)ln(T2/T1)
【0040】
表1から明らかなように、磁性層の厚みが1.1μmより薄い比較例1〜2は、走行前で表面電気抵抗が既に高く、走行後ではさらに高くなっている。そのために、D/Oが多い。また、耐スチル性も低下する傾向が見られ、好ましくない。
【0041】
磁性層及び非磁性層に含まれる2種類の脂肪酸エステルの炭素数が前記化1,化2の範囲外にある比較例3〜5は、耐スチル性が初期でも悪く、保存によりさらに悪くなっている。同時に動摩擦係数も高く、テープ走行性に支障をきたし、出力が低下してしまっている。
【0042】
磁性層及び非磁性層に含まれる2種類の脂肪酸エステルの添加比率が前記式1,2の範囲外にある比較例6〜8は、各々の添加量と環境の変化によって耐スチル性が悪くなっている。同時にテープ強度が低下し、出力も低下しているものも見られる。これらの程度は保存により、さらに悪化している。
【0043】
磁性層及び非磁性層に含まれる2種類の脂肪酸エステルの各総量比が前記式3の範囲外にある比較例9〜12は、下限値を下回った場合と上限値を上回った場合とで傾向が全く異なっている。下限値を下回った比較例9〜10は、初期で動摩擦係数が高く、保存によりこれに加え、出力の低下及び耐スチル性の劣化が現われている。一方、上限値を上回った比較例11〜12は、初期及び保存後の耐スチル性が各々の環境で悪い。
【0044】
これに対して、磁性層及び非磁性層に含まれる2種類の脂肪酸エステルが前記化1,化2を満たし、かつ、2種類の脂肪酸エステルの添加比率が前記式1〜3を満たす実施例1〜15は、出力、D/O、耐スチル性、表面電気抵抗、動摩擦係数のいずれの初期値も十分に優れた値である。さらに、実施例1〜15は、保存後においても出力、耐スチル性、動摩擦係数、表面電気抵抗のいずれも初期値と同等の優れた値を維持している。よって、各実施例は、電磁変換特性が良好であり、かつ、良好な電磁変換特性及び走行耐久性を経時変化なく長期にわたり保持できる保存性に優れた高密度記録可能な磁気記録媒体となっている。
【0045】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の磁気記録媒体は磁性層の厚みが1.1μm以上であり、磁性層及び非磁性層に含まれる脂肪酸エステルの種類、添加比率等の規定により、電磁変換特性が良好であり、かつ、良好な電磁変換特性及び走行耐久性を経時変化なく長期にわたり保持できる保存性に優れた高密度記録可能な磁気記録媒体を提供できる。
Claims (1)
- 非磁性支持体上に設けられた非磁性層と、この非磁性層上に設けられた磁性層とを備えた磁気記録媒体において、
前記磁性層の平均厚みが1.1μm以上であり、
前記磁性層及び前記非磁性層に、潤滑剤として下記一般式化1,化2で示される2種類の脂肪酸エステルA,Bを含有させると共に、
W1A:W1B=10:90〜40:60 … 式1
W2A:W2B=40:60〜60:40 … 式2
0.3≦(W1A+W1B)/(W2A+W2B)≦1.0 … 式3
[W1A:磁性層中の脂肪酸エステルAの量、W1B:磁性層中の脂肪酸エステルBの量、W2A:非磁性層中の脂肪酸エステルAの量、W2B:非磁性層中の脂肪酸エステルBの量]
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