JPH11273059A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH11273059A
JPH11273059A JP9104798A JP9104798A JPH11273059A JP H11273059 A JPH11273059 A JP H11273059A JP 9104798 A JP9104798 A JP 9104798A JP 9104798 A JP9104798 A JP 9104798A JP H11273059 A JPH11273059 A JP H11273059A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic layer
recording medium
recording
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9104798A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Ishikawa
信夫 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP9104798A priority Critical patent/JPH11273059A/ja
Publication of JPH11273059A publication Critical patent/JPH11273059A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性が良好であり、かつ、良好な電
磁変換特性及び走行耐久性を長期にわたり保持できる保
存性に優れた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 磁性層表面に下記式1〜4に示す寸法関
係を満足する凹凸形状の溝を形成する。 0.1≦H/λ≦1.0 … 式1 5≦Dt/P … 式2 5≦Du/P … 式3 1≦θV/θ≦10 … 式4 但し、H:溝の深さ、λ:最短記録波長、Dt:凸部の
幅、P:記録トラックのピッチ、Du:凹部の幅、θ
V:溝パターンの傾斜角、θ:記録トラックパターンの
傾斜角

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布型の磁気記録媒
体に関するものであり、特に良好な電磁変換特性及び走
行耐久性を経時変化なく長期にわたり保持でき、塗膜の
保存性に優れた高密度記録可能な磁気記録媒体を提供す
ることを目的としている。
【0002】
【従来の技術】磁気記録は、近年、特に高密度化が進
み、記録波長は短くなり、トラック幅は狭くなる方向に
進んでいる。例えばビデオテープ等の磁気テープは、業
務用はもちろんのこと、民生用でもDVC(デジタルビ
デオカセット)に代表されるデジタル化が急速に進んで
来ている。それに伴い、電磁変換特性に加え、経時変化
のない保存性に優れた磁気記録媒体が求められている。
同時にDVC規格の発展形のものが発売され、コストパ
フォーマンス競争も激しくなってきている。さらに、こ
のような状況の中で当社のデジタルSテープも発売さ
れ、競争の度合いを増してきている。
【0003】業務用媒体には、従来よりユーザーから要
求される品質特性に関して、できる限りの技術改良が続
けられている。そして民生用以上に、スチル等の使用に
耐える走行耐久性に加え、記録したソースの保存性にも
十分考慮されたものになっている。特に耐スチル性につ
いては、広い環境下でのカメラ撮りや編集作業時の相当
回数の使用を想定した走行耐久性が要求される。ハード
側からの開発はもちろんであるが、ソフト側である媒体
に対する要求も強くなってきている。
【0004】この高密度化等の要求に対して、磁性層に
金属薄膜を用いた磁気記録媒体が提案されている。生産
性、腐食等の実用信頼性の点では、強磁性粉末を結合剤
(バインダー樹脂)中に分散して、支持体上に塗布した
いわゆる塗布型の磁気記録媒体が優れる。しかしなが
ら、金属薄膜に対して塗布型媒体は磁性体の充填度が低
いために、電磁変換特性が劣る。このため、塗布型媒体
においては、強磁性粉末の磁気特性の改良、表面の平滑
化、磁性層薄膜化など、性能向上に向けて種々の方法が
提案されているが、高密度化に対して十分なものではな
い。さらに、長時間の繰り返し使用あるいは長時間の保
存後使用において、初期の電磁変換特性並びに走行耐久
性を保持することが難しく、塗膜の保存性も過酷な条件
下においては十分なものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、これらの問題
点を解決するために、特開平5−217149号公報に
開示されているように、上層磁性層の平均厚みが1.0
μm以下であり、かつ、下層非磁性層に平均粒径が規定
された非磁性粉末等を含有した磁気記録媒体が提案され
ている。また、特開平7−93740号公報に開示され
ているように、支持体上にAlとSiの元素重量比及び
表面に存在する平均比率が規定されたα酸化鉄粉末を含
有する下層、強磁性粉末を含有する層を上層として設け
た磁気記録媒体が提案されている。しかし、いずれも十
分に問題点を解決したものではない。特に、経時変化の
少ない保存性の改善に関しては、これら含めてまだまだ
不十分な点が多い。
【0006】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これらを有効に解決すべく創案されたものであり、その
目的は、電磁変換特性が良好であり、かつ、良好な電磁
変換特性及び走行耐久性を経時変化なく長期にわたり保
持できる保存性に優れた高密度記録可能な磁気記録媒体
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、課題を解決する
ために本発明は、非磁性支持体上に設けられた非磁性層
と、この非磁性層上に設けられた磁性層とを備えた磁気
記録媒体において、前記磁性層の平均厚みが1.1μm
以上であり、前記磁性層表面に凹凸形状の溝を有し、前
記凹凸形状の溝は、機器側の記録および/または再生ヘ
ッドの走行方向に平行及び/または直交するように形成
され、かつ、前記凹凸形状の溝の寸法特性が下記式1〜
4を満足するものであることを特徴とする磁気記録媒
体。 0.1≦ H/λ ≦1.0 … 式1 5≦ Dt/P … 式2 5≦ Du/P … 式3 1 ≦ θV/θ ≦10 … 式4 但し、H:溝の深さ、 λ:最短記録波長、Dt:凸部
の幅、 P:記録トラックのピッチ、Du:凹部の幅、
θV:溝パターンの傾斜角、 θ:記録トラックパター
ンの傾斜角を、提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、かかる事情に鑑みて
鋭意検討した結果、強磁性粉末を含んだ磁性層の特定の
厚みを選択し、かつ、磁性層表面に凹凸形状の溝を形成
させることにより、保存性等に優れた高密度記録可能な
磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は、非磁性支持体と、少なくと
も、非磁性支持体上に設けられた非磁性層と、この非磁
性層上に設けられた磁性層とを備えた磁気記録媒体にお
いて、磁性層の平均厚みが1.1μm以上であり、か
つ、磁性層表面に凹凸形状の溝を形成させたことを特徴
とする磁気記録媒体を提供するものである。
【0009】そして、磁性層表面に形成させた凹凸形状
の溝は、機器側の記録及び/または再生ヘッドの走行方
向に平行及び/または直交するように形成され、かつ、
凹凸形状の溝の寸法特性が下式を満足するものであるこ
とを特徴とする磁気記録媒体である。
【0010】 0.1≦ H/λ ≦1.0 … 式1 5≦ Dt/P … 式2 5≦ Du/P … 式3 1 ≦ θV/θ ≦10 … 式4 但し、H:溝の深さ、 λ:最短記録波長、Dt:凸部
の幅、 P:記録トラックのピッチ、Du:凹部の幅、
θV:溝パターンの傾斜角、 θ:記録トラックパター
ンの傾斜角
【0011】本発明における磁性層表面の凹凸形状の溝
は、前記式1〜式4を満足することがポイントである。
従来より磁気記録媒体の高密度化には、磁性層表面の平
滑化が必要条件とされているが、磁気記録媒体のフォー
マット等には種々あり、それぞれに要求される表面平滑
性も異なってくる。本発明はこの点に着目し、要求特性
と表面平滑性との関係を徹底して解析した。特にデジタ
ルS規格のテープを基本に鋭意検討を進めた。
【0012】その結果、前記式1〜4を満足すれば、電
磁変換特性に加え、走行耐久性及び保存性を大幅に改善
できることを見出した。特に磁性層表面に凹凸形状の溝
を斜めに形成させることが重要である。
【0013】デジタルSのように記録及び再生ヘッドが
通称「中ドラム回転方式」の場合、従来の「上ドラム回
転方式」等に比べ、ヘッドと媒体との間に空気層を形成
しやすく、これにより媒体のヘッド当たりを不安定にし
てしまう。その結果、出力、ドロップアウト、エラーレ
ート等が低下してしまう。この発生メカニズムに対し
て、磁性層表面に凹凸形状の溝を斜めに形成させること
によって、空気の流れを円滑にし、ヘッドと媒体の間に
形成された空気層の厚みを薄くし、かつ、安定化させる
ことができた。そして、長時間繰り返し走行させても、
磁性層等からの異物付着によるドロップアウト上昇を抑
えることができた。また、長時間保存しても、初期の電
磁変換特性等を維持できることができた。図1に磁性層
表面の凹凸形状の溝の構成を寸法関係は無視して概念的
な断面図として示し、図2にその概念的な平面図を示
す。
【0014】次に、式1〜式4のそれぞれについて説明
する。 0.1≦ H/λ ≦1.0 … 式1 5≦ Dt/P … 式2 5≦ Du/P … 式3 1 ≦ θV/θ ≦10 … 式4 但し、H:溝の深さ、 λ:最短記録波長、Dt:凸部
の幅、 P:記録トラックのピッチ、Du:凹部の幅、
θV:溝パターンの傾斜角、 θ:記録トラックパター
ンの傾斜角
【0015】式1は溝の深さを規定したものである。す
なわち、H/λが0.1未満になると空気の流れが滞
り、ヘッド当たりが悪化してしまう。逆にH/λが1.
0を超えると、媒体とヘッドとのスペーシングロスが大
きくなり、出力が低下する。式2は凸部の幅を規定した
ものである。すなわち、Dt/Pが5未満になると、凸
部でのヘッド走査時間が短くなり、ヘッド当たりが安定
しない。
【0016】式3は凹部の幅を規定したものである。す
なわち、Du/Pが5未満になると空気の流れが滞り、
かつ、凹部でのヘッド走査時間が短くなり、ヘッド当た
りが悪化してしまう。式4は溝パターンの傾斜角を規定
したものである。すなわち、θV/θが1未満になる
と、ヘッドが常時、連続して凹凸部を通過することにな
り、ヘッド当たりが安定しない。逆にθV/θが10を
超えると、ヘッド走査(記録パターンの傾斜)角と空気
が流れる磁性層表面の溝の傾斜角との隔たりが大きくな
り、ヘッド当たりが悪化し安定しない。
【0017】本発明の凹凸形状の溝の形成方法は、例え
ば、磁性層表面を平滑にするカレンダ工程においてステ
ィールロール等に同様の溝を形成させて処理すること、
塗布工程においてグラビアロール方式により形成しその
後表面平滑処理して深さ等を調整すること、表面研磨工
程において研磨ロール等に同様の溝を形成させて処理す
ること等が挙げられる。以上より、凹凸の形成方法は特
に限定されるものではない。
【0018】非磁性支持体上に設けられる非磁性層は潤
滑剤、無機質粉末等を含有する。非磁性層上に設けられ
る磁性層は、強磁性粉末、カーボンブラック等を含有す
る。非磁性支持体の非磁性層及び磁性層を設けた面とは
反対側の面にカーボンブラック等を含有するバックコー
ト層を形成しても良い。
【0019】本発明においては、磁性層の平均厚みは
1.1μm以上に設定されている。磁性層厚が1.1μ
mより薄い場合は、次の問題点が現われてくる。 ・帯電による異物付着等によるドロップアウト上昇を抑
える為に、磁性層にカーボンブラックを含ませている。
しかし、磁性層厚を1.1μmより薄くしていくと表面
電気抵抗が高くなり、帯電性が増加しドロップアウトが
上昇してしまう。さらに繰り返しテープを走行させる
と、この傾向は顕著になる。 ・磁性層厚が1.1μmより薄くなると、相対的に潤滑
剤量が減少し、スチル等の走行耐久性が劣化してしま
う。潤滑剤量を増加させると、磁性層の強度が低下す
る。また、保存性も劣化してしまう。 ・これらの特性のバランスを取ろうとしても、磁性層厚
が1.1μmより薄いと、出力等の電磁変換特性が劣化
してしまう。
【0020】磁性層に用いられる強磁性粉末としては、
公知の材料を用いることができる。例えば、γ−FeO
x(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx
(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはCo
を主成分(75%以上)とする強磁性合金微粉末、バリ
ウムフェライト、ストロンチウムフェライトなどの六方
晶フェライト等が使用できる。これらの強磁性粉末には
所定の元素以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、C
r、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、
Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、B
i、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn,
Ni、Sr、B等の元素を含有しても良い。
【0021】各層に用いる無機質粉末としては、酸化チ
タン、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、非磁性の酸化
鉄、炭酸カルシウム等が好ましく用いられる。また、前
記非磁性の無機質粉末には、これらの分散性等を向上さ
せるための有機及び/または無機処理を施しても良い。
前記無機質粉末の形状は好ましくは針状で、平均長軸径
が0.05〜0.30μm、平均短軸径が0.010〜
0.050μm、及び軸比(長軸径/短軸径)が3〜3
0である。
【0022】非磁性層に含有されるカーボンブラックと
しては、導電性カーボン等を用いることができる。ま
た、カーボンブラックを磁性塗料等に添加する前にあら
かじめ結合剤等で分散しても構わない。これらのカーボ
ンブラックは単独、または組み合わせて用いることもで
きる。
【0023】バインダー樹脂に用いる樹脂としては、磁
気記録媒体に使用可能な公知の樹脂が使用可能である。
例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビ
ニル系共重合体、アクリル酸エステルーアクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステルースチレン共重合体、
ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、フェノール
樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
【0024】磁性層、非磁性層及びバックコート層中に
は、その他の添加剤を含有させても問題ない。潤滑剤と
しては、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーン等の液状
潤滑剤が挙げられる。
【0025】磁気記録媒体の製法に関しては、従来公知
の製法を用いることができるが、分散に関しては分散初
期に塗料粘度の高い状態で混練を行う、いわゆる”固練
り”を行うことが望ましい。この混練の方法は特に制限
はなく、また各成分の添加順序などは適宜設定すること
ができる。非磁性塗料、磁性塗料及びバックコート塗料
の調整には通常の混練機、例えばロールミル、連続ニー
ダー、高圧ニーダー、高速度衝撃ミキサー、サンドミル
等を用いることができる。非磁性支持体上への前記非磁
性層、磁性層等を塗布する方法としてはダイコート、ス
ピンコート、スプレイコート、グラビアコート等が好ま
しい。
【0026】上記非磁性層の厚みは、0.5〜2μmが
好ましい。非磁性層の厚みが0.5μm未満であると、
非磁性層による磁性層表面の平滑効果が低下する傾向に
ある。3μmを超えると出力変動が大きくなる傾向にあ
る。表面性を形成するカレンダー工程においても良好な
表面平滑性を得るための方法、例えば、スティールカレ
ンダー処理等の手法をとることが好ましい。
【0027】以下に本発明を実施例により具体的に説明
する。ここに示す成分、割合、操作手順等は本発明の考
えから逸脱しない範囲において変更しうるものであるこ
とは本業界に携わるものにとっては容易に理解されるこ
とである。従って、本発明は下記の実施例に制限される
べきではない。
【0028】 <実施例、比較例に用いる磁性塗料の組成> (1)強磁性合金粉末 100重量部 (組成:Fe 94%、Ni 2% 飽和磁化量:150emu/g 比表面積:55m2 /g、長軸長:0.1μm) (2)結合剤 ・ポリウレタン 9重量部 ・塩化ビニル樹脂 9重量部 ・ニトロセルロース 2重量部 (3)その他添加剤 ・カーボンブラック 1重量部 ・α−アルミナ 3重量部 ・ブチルステアレート 2重量部 ・メチルエチルケトン 150重量部 ・シクロヘキサノン 150重量部
【0029】 <実施例、比較例に用いる非磁性塗料の組成> (1)無機質粉末 100重量部 ・α−酸化鉄粉末 (2)結合剤 ・ポリウレタン 5重量部 ・塩化ビニル樹脂 5重量部 (3)その他添加剤 ・カーボンブラック 10重量部 ・ブチルステアレート 2重量部 ・メチルエチルケトン 125重量部 ・シクロヘキサノン 125重量部
【0030】 <実施例、比較例に用いるバックコート塗料の組成> (1)非磁性粉末 ・カーボンブラック 100重量部 ・酸化チタン 5重量部 (2)結合剤 ・ポリウレタン 15重量部 ・塩化ビニル樹脂 15重量部 (3)その他添加剤 ・ブチルステアレート 1重量部 ・パルミチン酸 1重量部 ・メチルエチルケトン 100重量部 ・シクロヘキサノン 100重量部
【0031】上記3つの塗料のそれぞれについて、各成
分を連続ニーダーで混練した後、サンドミルを用いて分
散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを20
重量部加え撹拌して、フィルターを用いて濾過し、それ
ぞれの塗布液を調整した。得られた非磁性塗料を支持体
上に1.0μmの厚みで、磁性塗料を非磁性塗料で塗設
された非磁性層上に所定(表1記載)の厚みになるよう
に塗布した。非磁性支持体には厚みが10μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。
【0032】次に、所定(表1記載)の凹凸形状の溝を
形成させたロールによるスティールカレンダーを用いて
表面平滑処理を行った。さらに、非磁性支持体の非磁性
層及び磁性層を設けた面とは反対側の面にバックコート
層を設けた。そして前記フィルム状媒体を温度50℃環
境に24hr入れ、エージング処理を行い、こうして作
製したフィルム状媒体を幅12.65mmに裁断し、試
料用の磁気テープ(デジタルSテープ)とした。上述の
方法で作製した実施例1〜15、比較例1〜14につい
て下記の測定及び評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】磁気テープに関しては、裁断しカセットハ
ーフに巻き込んだ直後の測定値を初期値とし、60℃9
0%RH環境下で24hr保存させた後の測定値を保存
後値とした。出力、ヘッド当たり、ドロップアウト(D
/O)等の測定に用いたデジタルS機器は、日本ビクタ
ー(株)製 据え置き型PR−D80である。測定環境
は、特にことわりがない場合は、室温環境(20℃60
%RH)である。また走行はPRーD80を用いて、記
録・再生・巻き戻しを100回繰り返す内容とした。
【0035】出力は周波数24.75MHzの正弦波を
記録し、再生したときの測定値で表わす。基準値0.0
dBは日本ビクター(株)内の基準テープ値とした。ヘ
ッド当たりは出力測定と同一条件で記録・再生したとき
のエンベロープの平担度を測定値とした。平坦度は最大
振幅値に対する最小振幅値の百分率(%)である。そし
て、ヘッド当たり評価基準を下の内容とした。 〇: 90%以上 △: 50%以上90%未満 ×: 50%未満
【0036】D/Oは周波数12.375MHzの正弦
波を記録・再生したときの1分間当たりの信号欠落数で
ある。欠落基準は、長さが0.5μsec以上、出力低
下が8dB以上とした。そして、D/O評価基準を下の
内容とした。 〇: 500未満 △: 500以上1000未満 ×:1000以上
【0037】表面電気抵抗は、断面が半径10mmの4
分の1の円をなす2本の棒状金属電極を12.7mm離
して置き、これらの上に直角に磁気テープの磁性面を接
して置いてテープの両端に各50gの分銅をつるし、絶
縁抵抗計を用いて、直流500Vの電圧をかけたときの
抵抗値である。そして、表面電気抵抗評価基準を下の内
容とした。 〇: 1×1010Ω/sq未満 △: 1×1010Ω/sq以上 1×1012Ω/sq未
満 ×: 1×1012Ω/sq以上
【0038】表1から明らかなように、磁性層の厚みが
1.1μmより薄い比較例1〜3は、初期で表面電気抵
抗が高く、さらに走行によって高くなっている。そのた
めに、D/Oが多い。また、ヘッド当たりが悪く、出力
も低い。さらに動摩擦係数も上昇する傾向にあり、好ま
しくない。
【0039】磁性層表面に凹凸形状の溝が無い比較例4
は、ヘッド当たりがあまり良くなく、保存すると出力が
低下してしまう。また、走行後及び保存後の動摩擦係数
も高く、D/Oもある程度多い。
【0040】H/λが0.1未満である比較例5は、ヘ
ッド当たりが悪い上に、走行後の動摩擦係数が高い。ま
た、保存後の動摩擦係数も高い。H/λが1.0を超え
る比較例6〜7は、媒体とヘッドとのスペーシングが大
きくなり、出力が低下している。Dt/Pが5未満であ
る比較例8〜9は、ヘッド当たりが悪く、出力が低い。
また、走行後の動摩擦係数も高い。
【0041】Du/Pが5未満である比較例10〜11
は、同様にヘッド当たりが悪く、出力が低い。また、走
行後の動摩擦係数も高い。θV/θが1未満である比較
例12は、ヘッド当たりが悪く、D/Oが多い。そして
保存により、ヘッド当たりがさらに悪くなる。θV/θ
が10を超える比較例13〜14は、ヘッド当たりが悪
く、走行後及び保存後の動摩擦係数が高い。
【0042】これに対して実施例1〜15は、出力、ヘ
ッド当たり、D/O、表面電気抵抗、動摩擦係数のいず
れの初期値も十分に優れた値である。さらに、実施例1
〜15は、保存後においても出力、ヘッド当たり、表面
電気抵抗、動摩擦係数のいずれも初期値と同等の優れた
値を維持している。よって、各実施例は、電磁変換特性
が良好であり、かつ、良好な電磁変換特性及び走行耐久
性を経時変化なく長期にわたり保持できる保存性に優れ
た高密度記録可能な磁気記録媒体となっている。
【0043】
【発明の効果】以上の通り、本発明の磁気記録媒体は、
電磁変換特性が良好であり、かつ、良好な電磁変換特性
及び走行耐久性を経時変化なく長期にわたり保持できる
保存性に優れており、高密度記録可能な磁気記録媒体と
して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の磁性層表面の凹凸形状の溝の構成を
概念的に示す断面図である。
【図2】一実施例の磁性層表面の凹凸形状の溝の構成を
概念的に示す平面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に設けられた非磁性層と、
    この非磁性層上に設けられた磁性層とを備えた磁気記録
    媒体において、 前記磁性層の平均厚みが1.1μm以上であり、 前記磁性層表面に凹凸形状の溝を有し、 前記凹凸形状の溝は、機器側の記録および/または再生
    ヘッドの走行方向に平行及び/または直交するように形
    成され、かつ、前記凹凸形状の溝の寸法特性が下記式1
    〜4を満足するものであることを特徴とする磁気記録媒
    体。 0.1≦H/λ≦1.0 … 式1 5≦Dt/P … 式2 5≦Du/P … 式3 1≦θV/θ≦10 … 式4 但し、H:溝の深さ、 λ:最短記録波長、 Dt:凸部の幅、 P:記録トラックのピッチ、 Du:凹部の幅、 θV:溝パターンの傾斜角、 θ:記録トラックパター
    ンの傾斜角
JP9104798A 1998-03-19 1998-03-19 磁気記録媒体 Pending JPH11273059A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9104798A JPH11273059A (ja) 1998-03-19 1998-03-19 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9104798A JPH11273059A (ja) 1998-03-19 1998-03-19 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11273059A true JPH11273059A (ja) 1999-10-08

Family

ID=14015601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9104798A Pending JPH11273059A (ja) 1998-03-19 1998-03-19 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11273059A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7580223B2 (en) 2005-06-28 2009-08-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording media, substrate for magnetic recording media, and magnetic recording apparatus
US7662264B2 (en) 2005-04-19 2010-02-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Method for producing magnetic recording medium

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7662264B2 (en) 2005-04-19 2010-02-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Method for producing magnetic recording medium
US7580223B2 (en) 2005-06-28 2009-08-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording media, substrate for magnetic recording media, and magnetic recording apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3339662B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPS6286541A (ja) 磁気記録媒体
KR100438345B1 (ko) 자기기록매체
JPS58171721A (ja) 磁気記録媒体
JPH11273059A (ja) 磁気記録媒体
JPH11273053A (ja) 磁気記録媒体
JP3296252B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3014009B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2000173046A (ja) 磁気記録媒体
JP3815039B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3852198B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH11353643A (ja) 磁気記録媒体
JP2000011366A (ja) 磁気記録媒体
JPH11339246A (ja) 磁気記録媒体
JPH1173629A (ja) 磁気記録媒体
JPH10340444A (ja) 磁気記録媒体
JP2605464B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3252226B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2001351224A (ja) 磁気記録媒体
JPH11288514A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH09180170A (ja) 磁気記録媒体
JPH11219512A (ja) 磁気記録媒体
JPH0463525B2 (ja)
JP2005032383A (ja) 磁気記録媒体
JP2002197639A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040831

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060306

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060317

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060714

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02