JPH10213088A - 油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置 - Google Patents

油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置

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JPH10213088A
JPH10213088A JP1634397A JP1634397A JPH10213088A JP H10213088 A JPH10213088 A JP H10213088A JP 1634397 A JP1634397 A JP 1634397A JP 1634397 A JP1634397 A JP 1634397A JP H10213088 A JPH10213088 A JP H10213088A
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真 富澤
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正樹 松隈
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海 中西
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 圧縮機本体の再起動時期の制約がなく,且つ
装置の更なる小型化が可能な油冷式圧縮機の再起動方法
及びその装置を提供する。 【解決手段】 圧縮機本体が停止した時点では放気は開
始せず,圧縮機本体を再起動させるための所定の再起動
現象の発生を契機として,急速に放気を行う。この放気
により,油分離回収器を含む上記圧縮機本体の吐出側の
圧力値が低下し,まもなく上記圧縮機本体を起動可能な
所定の上限圧力値を下回る。それに遅れて上記油分離回
収器内の油面が徐々に上昇し,やがて所定の上限値に達
する。上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記所定の上
限圧力値を下回ってから,上記油分離回収器内の油面が
上記所定の上限値に達するまでの起動可能範囲内の所定
の時刻に,上記圧縮機本体が再起動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,油冷式圧縮機の再
起動方法及びその装置に係り,詳しくは,圧縮機本体の
吐出側に,圧縮ガスから油を分離して回収する油分離回
収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放
出する放気手段とを具備する油冷式圧縮機の再起動方法
及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油冷式圧縮機の概略構成を図3に示す。
モータ21により駆動される圧縮機本体22は,その吸
込側に吸込フィルタ23,及び吸気調節弁24が,その
吐出側に油分離回収器25,及びこれと一体的に形成さ
れたレシーバタンク26がそれぞれ設置されている。上
記油分離回収器25は,下部に油溜まり部27が形成さ
れ,上部に油分離エレメント28が取り付けられてい
る。上記圧縮機本体22の吐出側と上記油分離回収器2
5とは,吐出流路29によって接続されている。更に,
上記油分離回収器25の上記油分離エレメント28と上
記レシーバタンク26とは吐出流路29aによって接続
されており,該吐出流路29a上には,放気装置31
(放気手段に相当),安全弁32,及び保圧弁30がそ
れぞれ接続されている。また,上記油溜まり部27から
は,温度調節弁33,空冷式油クーラ34を経て,或い
は上記温度調節弁33から上記空冷式油クーラ34を経
ることなくバイパス流路35を経て,圧縮機本体22に
至る油循環流路36が設けられている。上記圧縮機本体
22は,上記吸込フィルタ23及び上記吸気調節弁24
を介して吸い込んだガスを,上記油循環流路36から冷
却用潤滑油の注油を受けつつ上記駆動モータ21の駆動
により圧縮し,潤滑油を含んだ圧縮ガスを吐出流路29
に吐出し,油分離回収器25に至らせる。圧縮ガスは,
該油分離回収器25内に入って上記油分離エレメント2
8を経由する過程で気液分離し,析出した潤滑油は一旦
上記油溜まり部27に溜められ,一方圧縮ガスは上記油
分離エレメント28を介して上記吐出流路29a内に送
られ,上記保圧弁30を介して上記レシーバタンク26
に至り,ここに一旦溜められる。このレシーバタンク2
6内に溜められた圧縮ガスは,その消費量に応じて送出
管37より機外に送出される。
【0003】また,上記油溜まり部27に一旦溜められ
た潤滑油は,油温が設定値以上の場合は上記温度調節弁
33,油クーラ34を経て,また油温が設定値より低い
場合は上記温度調節弁33,バイパス流路35を経て,
上記油循環流路36から上記圧縮機本体22内に再度供
給され,以後循環利用に供される。上記圧縮機本体22
の運転中に,圧縮ガスの消費量が上記レシーバタンク2
6に供給される量よりも少なく,該レシーバタンク26
内のガス圧力を測定する圧力測定部41の測定値が所定
の上限値を超えると,上記圧縮機本体22の運転は運転
制御部40により自動的に停止させられる。それと同時
に,上記保圧弁30より圧縮機本体22側の圧縮ガスが
上記放気装置31から機外に放出されることにより上記
吐出流路29内のガス圧力を低下させて,上記圧縮機本
体22の再起動時における上記モータ21への負荷を軽
減するようになっている。上記吐出流路29内のガス圧
力がある値よりも高いと,モータ21の起動電流が過大
となり,起動が不可能となる。また,起動可能な圧力で
あっても,その圧力が高いほどモータ21の発熱量が大
きくなり,最悪の場合には焼け付きを起こしてしまうこ
ともある。従って,圧縮機本体22の再起動時には上記
吐出流路29内のガス圧力は低いほどよく,大気圧まで
減圧されることが理想である。尚,このように放気装置
31から圧縮ガスが機外に放出されても,上記保圧弁3
0により上記レシーバタンク26内の圧縮ガスの圧力は
維持されると共に,吐出流路29a内の圧力が異常上昇
した場合には,上記安全弁32により圧縮ガスが機外に
逃がされ,上記吐出流路29a内の圧力が許容範囲内に
維持される。上記圧力測定部41の測定値が所定の下限
値を下回ると,上記運転制御部40は上記圧縮機本体2
2を自動的に再起動させる。
【0004】ところで,上記放気装置31によりガスを
放出する際には,圧縮機本体22の再起動時期を制限す
ることのないよう,なるべく短時間で放気してしまうこ
とが望ましい。しかしながら,放気によって圧力が急速
に低下すると,上記油溜まり部27に溜まっている潤滑
油の中に溶け込んでいる気泡が一気に膨張するため,該
油溜まり部27内の油面が上昇するという現象が起こ
る。例えば,吐出流路29a内の約7kg/cm2 Gの
圧力を一気に0kg/cm2 Gまで降下させると,潤滑
油の中に溶け込んでいる気泡の体積は,図4に示す例で
は8倍にまで増大する。また液体であった潤滑油の気化
も促進され,発泡も増加する。このように,潤滑油内の
気泡の膨張により上記油溜まり部27内の油面が上昇し
てその上限を超えると,該油溜まり部27内の潤滑油
が,吐出流路29からの圧縮ガスに飛ばされて吐出流路
29aへ送られることになり,下流側に潤滑油が送られ
ることによる不具合や,油回収効率が低下する等の問題
が発生する。一方,放気時間を長く(放気速度を遅く)
すれば,気泡の膨張による油面の上昇を,気泡の消滅に
より抑えることができるが,その間は圧縮機本体22の
再起動を行うことができないという問題が生じる。ま
た,上記油分離回収器25の容量を大きくすることも考
えられるが,圧縮機本体22と比較して大型の油分離回
収器25を更に大きくすることは,装置の小型化の要請
に反することになる。そこで,特開平5−296174
号公報に提案されている発明では,上記放気装置31か
らの放気量を可変とする放気方法を用いることで,これ
らの問題を克服している。即ち,一気に大気圧まで放気
すると,図4に示すように気泡の体積は8倍にまで増加
して上述の問題を生じるため,まず2kg/cm2 Gの
圧力になるまで一気に放気し,その後は徐々に放気する
ことにより,放気時間を短縮しつつ気泡の体積増加を
2.7倍程度に抑えている。これにより,放気時間の短
縮による圧縮機本体の再起動時期の制限の縮小と,気泡
の体積増加を抑えることによる装置の小型化とを両立さ
せている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが,上記従来の
放気方法は,放気時間と気泡の体積増加とのバランスの
上に成り立っているため,どちらか一方を優先させよう
とすると他方が犠牲になってしまう。そのため,更なる
装置の小型化,及び圧縮機本体の再起動時間の更なる短
縮は実質的に不可能である。本発明は上記事情に鑑みて
なされたものであり,その目的とするところは,圧縮機
本体の再起動時期の制約がなく,且つ装置の更なる小型
化が可能な油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明の方法は,圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガス
から油を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機
本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを
具備する油冷式圧縮機の再起動方法において,上記圧縮
機本体を再起動させるための所定の再起動現象の発生を
契機として上記放気手段による放気を開始し,上記圧縮
機本体の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能
な上限圧力値以下で,且つ上記油分離回収器内の油面高
さが所定の上限値を超えない下限圧力値以上の起動可能
範囲内に達したときに上記圧縮機本体を再起動させるこ
とを特徴とする油冷式圧縮機の再起動方法として構成さ
れている。更には,上記放気手段による放気を,所定の
放気速度により行う油冷式圧縮機の再起動方法である。
更に,上記所定の再起動現象の発生までの間,上記油分
離回収器内の油面が上昇しない程度に徐々に上記放気手
段による放気を行うようにすれば,上記所定の再起動現
象の発生後の放気時の上記油分離回収器内の油面の上昇
を抑えることができる。また,上記圧縮機本体の吐出側
の圧力値が上記起動可能範囲内に達したことの判断は,
例えば,上記油分離回収器内に設けた圧力検出器の検出
値,上記放気手段による放気開始からの経過時間,上記
油分離回収器内の油面高さ等をもとに行うことができ
る。尚,上記所定の再起動現象としては,上記圧縮ガス
の圧力の所定値以下への低下や,再起動スイッチの操作
等が考えられる。また,上記目的を達成するために,本
発明の装置は,圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油
を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の
吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備す
る油冷式圧縮機の再起動装置において,上記圧縮機本体
を再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機と
して上記放気手段による放気を開始させ,上記圧縮機本
体の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上
限圧力値以下で,且つ上記油分離回収器内の油面高さが
所定の上限値を超えない下限圧力値以上の起動可能範囲
内に達したときに上記圧縮機本体を再起動させる制御手
段を具備してなることを特徴とする油冷式圧縮機の再起
動装置として構成されており,上記再起動方法を全て適
用可能である。
【0007】
【作用】本発明に係る油冷式圧縮機の再起動装置では,
圧縮機本体が停止した時点では放気手段による放気は開
始されない。しかし,後述の放気時における上記油分離
回収器内の油面の上昇を少しでも抑えるため,上記油分
離回収器内の油面が上昇しない程度であれば徐々に放気
を行うことも可能である。圧縮機本体を再起動させるた
めの所定の再起動現象の発生,例えば圧縮ガスの圧力値
に基づいて自動的に圧縮機本体の停止及び再起動の制御
を行う運転制御手段からの再起動指令や再起動スイッチ
の操作等を契機として,制御手段の指示により,放気手
段による放気が開始される。この放気は,任意に定めら
れた所定の放気速度により行われる。この放気により,
油分離回収器を含む上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が
低下し,まもなく上記圧縮機本体を起動可能な所定の上
限圧力値を下回る。それに遅れて上記油分離回収器内の
油面が徐々に上昇し,やがて所定の上限値に達する。上
記制御手段により,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が
上記所定の上限圧力値を下回ってから,上記油分離回収
器内の油面が上記所定の上限値に達するまでの起動可能
範囲内の所定の時刻に,上記圧縮機本体が再起動され
る。上記起動可能範囲内に達したことの判断は,例え
ば,上記油分離回収器内に設けた圧力検出器の検出値,
上記放気手段による放気開始からの経過時間,上記油分
離回収器内の油面高さ等をもとに行うことができる。こ
のように,圧縮機本体の再起動時刻が放気時間によって
制限されることがなく,また,減圧後,それに遅れて潤
滑油の体積が増加し所定の上限値を超えるまでのタイム
ラグを利用して再起動を行うため,潤滑油の体積増加を
最小限に抑えることができ,それによって油分離回収器
の容量を小さくでき,装置全体をより小型化することが
可能となる。尚,上述のように放気手段による放気速度
は任意に設定されるが,放気速度が遅いほど上記タイム
ラグは長くなるため余裕のある再起動が可能となるが,
再起動までに時間がかかるという欠点を伴う。
【0008】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を
具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定す
る性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の
形態に係る油冷式圧縮機の再起動装置A1の概略構成を
示すブロック図,図2は油分離回収器内の圧力と油分離
回収器内の潤滑油の体積変化率の時刻暦の一例を示すグ
ラフ図である。本実施の形態に係る再起動装置A1は,
図1に示すように構成されている。尚,この再起動装置
A1を適用する油冷式圧縮機の基本構成は上記従来例の
ものと同様であるため,既に説明した構成要素について
は同符号を付してその説明は省略する。再起動制御部1
(制御手段に相当)は,圧力測定部41の測定値に基づ
いて圧縮機本体22の停止及び再起動の制御を行う運転
制御部40′,圧縮機本体22のモータ21,及び放気
装置31に接続される。上記運転制御部40′は,圧力
測定部41により測定されたレシーバタンク26内のガ
ス圧力が所定の上限値を超えると,上記圧縮機本体22
の運転を停止させる。やがて,上記圧力測定部41によ
る圧力測定値が所定の下限値を下回ると,上記運転制御
部40′は上記圧縮機本体22を直接再起動させるので
はなく,上記再起動制御部1に対して再起動指令を送出
する。再起動指令を受けた上記再起動制御部1によっ
て,放気装置31による放気と圧縮機本体22の再起動
が制御される。尚,上述の運転制御部40′から再起動
制御部1への再起動指令の送出が,上記「所定の再起動
現象」の一例であるが,この「所定の再起動現象」はこ
れに限られるものではなく,圧縮機本体を再起動させる
ための契機となるものであればよく,例えば人間による
再起動スイッチの操作等でもよい。
【0009】以下,図2を用いて,上記再起動制御部1
による再起動制御方法について詳述する。図2は,油分
離回収器25内の圧力(放気開始時を7kg/cm2
とする)と,該油分離回収器25内の潤滑油の体積変化
率(放気開始時を100%とする)の時刻暦の一例を示
したものである。この図に示した潤滑油の体積変化率で
いうところの「潤滑油の体積」とは,発泡のない,全て
液体状の潤滑油の体積のみを示すのではなく,特に油分
離回収器25内の油溜まり部27の上側に顕著に見られ
る,発泡状態の潤滑油も含んだ体積をも示している。図
2に示すように,放気装置31により急速に放気が行わ
れると,油分離回収器25内の圧力は一気に低下し,2
kg/cm2 Gとなった時点で,該油分離回収器25内
の潤滑油の体積が,内部の気泡の膨張によって増加を始
める。潤滑油の体積は,その後しばらくして最大値(1
50%)となり,その後は気泡の消滅により徐々に減少
する。このように,油分離回収器25内の潤滑油の体積
の増加は,該油分離回収器25内の圧力の低下に遅れて
進行し,圧力が所定値以下に低下してから潤滑油の体積
が増加して所定値を超えるまでには幾らかのタイムラグ
が存在する。そこで,再起動装置A1では,圧縮機本体
22を停止してもすぐには放気を開始せず,圧縮機本体
22の再起動指令が出た時点で一気に,或いは所定の放
気速度にて放気を行い,上記タイムラグの間に圧縮機本
体22の再起動を行う。放気速度が速いほど,上記タイ
ムラグは長くなり,余裕のある再起動が可能となるが,
再起動までに時間がかかるという欠点を伴う。
【0010】以下,再起動制御部1による再起動制御方
法について更に具体的に説明する。ここで,圧縮機本体
22の再起動が可能な油分離回収器25内圧力(吐出流
路29内圧力)の上限値を2kg/cm2 G,油分離回
収器25内の潤滑油の体積変化率の上限値を130%と
する。上記運転制御部40′は,圧力測定部41により
測定されたレシーバタンク26内のガス圧力が所定の上
限値を超えると,上記圧縮機本体22の運転を停止させ
る。従来例では,この時点で放気を開始するが,本実施
例ではこの時点ではまだ放気を開始しない。やがて,上
記圧力測定部41による圧力測定値が所定の下限値を下
回ると,上記運転制御部40′は上記再起動制御部1に
対して再起動指令を送出する。再起動指令を受けた上記
再起動制御部1は,放気装置31により所定の放気速度
(ここでは図2に示す放気速度)で急速に放気を行う。
この放気によって,油分離回収器25内の圧力は図2に
示すように低下し,まもなく再起動可能上限値2kg/
cm2 G以下となる(その時刻をT1 とする)。それに
遅れて油分離回収器25内の潤滑油の体積が増加を始
め,やがて体積変化上限値130%を超える(その時刻
をT2 とする)。上記再起動制御部1は,上記T1 〜T
2 の間で任意に設定された所定の時刻Tpに達した時点
で,圧縮機本体22の再起動を行う。図2に示す時刻暦
は毎回ほぼ一定であるため,上記再起動制御部1は,放
気開始からの経過時間によって,圧縮機本体22の再起
動時期(時刻Tp)に達したことを判断する。
【0011】この圧縮機本体22の再起動によって油分
離回収器25内の圧力は再び上昇するため,油分離回収
器25内の潤滑油の体積は時刻Tpの時点での体積(体
積変化率Vp時)よりも大きくなることはない。即ち,
再起動を行えば,それに遅れて発生するはずであった潤
滑油の体積増加が全く発生しないため,上記従来例の再
起動方法に比べて潤滑油の体積増加を小さく抑えること
が可能である。尚,上記時刻Tpは,T1 に近いほど圧
縮機本体22の再起動時のモータ21への負荷が大きく
なるため,装置への負担を軽くすることを優先するなら
ば時刻Tpはなるべく後方に設定することが望ましい。
しかしながら,上記時刻TpをT1 に近づけるほど,油
分離回収器25内の潤滑油の体積増加は小さくなるた
め,該油分離回収器25の容量を小さくでき,装置全体
をより小型化することが可能となる。また,放気速度が
速いほど,圧力が所定値以下に低下してから潤滑油の体
積が増加して所定値を超えるまでのタイムラグは長くな
り,余裕のある再起動が可能となるが,再起動までに時
間がかかるという欠点を伴う。従って,これらのバラン
スを考えて最適な放気速度,及び時刻Tpを設定する必
要がある。以上説明したように,本実施の形態に係る油
冷式圧縮機の再起動装置A1では,圧縮機本体22を停
止した時点では放気を開始せず,運転制御部40′から
の圧縮機本体の再起動指令を受けた時点で,再起動制御
部1により急速に放気を行い,油分離回収器25内の圧
力(吐出流路29内の圧力)が上記圧縮機本体22を起
動可能な上限値以下で,且つ上記油分離回収器25内の
潤滑油の体積が所定の上限値以下となる起動可能時間内
の所定の時刻Tpに達した時点で上記圧縮機本体22を
再起動させる。従って,圧縮機本体の再起動時刻が放気
時間によって制限されることがなく,また,減圧後,そ
れに遅れて潤滑油の体積が増加し所定の上限値を超える
までのタイムラグを利用して再起動を行うため,潤滑油
の体積増加を最小限に抑えることができ,それによって
油分離回収器の容量を小さくでき,装置全体をより小型
化することが可能となる。
【0012】
【実施例】上記実施の形態では,再起動制御部1は,放
気開始からの経過時間によって,圧縮機本体22の再起
動時期(時刻Tp)に達したことを判断しているが,再
起動時期の判断方法はこれに限られるものではない。例
えば,油分離回収器25内の圧力値を測定し,該測定値
が上記時刻Tpに対応する圧力値Ppに到達したことに
より再起動時期を判断するようにしてもよい。また,油
分離回収器25内の潤滑油の体積(油面高さ)を測定
し,該体積が上記時刻Tpに対応する体積Vpに到達し
たことにより再起動時期を判断するようにしてもよい。
また,圧縮機本体22を停止してから再起動指令を受け
て放気を始めるまでの間も,油分離回収器25内の油面
が上昇しない程度に徐々に放気を行うようにしてもよ
い。これによって,油分離回収器25内の圧力を少しで
も下げておくことができ,再起動指令を受けて急速に放
気を行う際の油面の上昇を抑えることができる。その場
合の装置構成の一例としては,放気装置31を開口面の
小さなバルブと大きなバルブにより構成し,再起動制御
部1によって,圧縮機本体22が停止した時点でまず上
記開口面の小さなバルブを開放し,運転制御部40′か
らの再起動指令を受けた時点で上記開口面の大きなバル
ブを開放するようにすることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明に係る油冷式圧縮機の再起動方法
は,圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を分離して
回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧
縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する油冷式圧
縮機の再起動方法において,上記圧縮機本体を再起動さ
せるための所定の再起動現象の発生を契機として上記放
気手段による放気を開始し,上記圧縮機本体の吐出側の
圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限圧力値以下
で,且つ上記油分離回収器内の油面高さが所定の上限値
を超えない下限圧力値以上の起動可能範囲内に達したと
きに上記圧縮機本体を再起動させることを特徴とする油
冷式圧縮機の再起動方法として構成されているため,圧
縮機本体の再起動時刻が放気時間によって制限されるこ
とがなく,また,減圧後,それに遅れて油の体積が増加
し所定の上限値を超えるまでのタイムラグを利用して再
起動を行うため,油の体積増加を最小限に抑えることが
でき,それによって油分離回収器の容量を小さくでき,
装置全体をより小型化することが可能となる。また,放
気速度が速いほど,圧力が所定値以下に低下してから潤
滑油の体積が増加して所定値を超えるまでのタイムラグ
は長くなり,余裕のある再起動が可能となるが,再起動
までに時間がかかるという欠点を伴う。従って,上記放
気手段による放気を所定の放気速度により行えることに
より,これらのバランスを考慮して最適な放気を行うこ
とが可能となる。更に,上記所定の再起動現象の発生ま
での間,上記油分離回収器内の油面が上昇しない程度に
徐々に上記放気手段による放気を行うようにすれば,上
記所定の再起動現象の発生後の放気時の上記油分離回収
器内の油面の上昇を抑えることができる。また,上記装
置の小型化による波及効果として,製造コスト,輸送コ
スト等の低減,設置位置の省スペース化等が期待でき
る。更に,油の体積増加を最小限に抑えられることによ
り,油の量を増やして給油回数を少なくすることも可能
となり,メンテナンス性の向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る油冷式圧縮機の再
起動装置A1の概略構成を示すブロック図。
【図2】 油分離回収器内の圧力と油分離回収器内の潤
滑油の体積変化率の時刻暦の一例を示すグラフ図。
【図3】 油冷式圧縮機の概略構成を示すブロック図。
【図4】 圧力の低下による油中の気泡の体積増加の一
例を示す圧力−体積対応表。
【符号の説明】
1…再起動制御部(制御手段に相当) 22…圧縮機本体 25…油分離回収器 31…放気装置(放気手段に相当)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松隈 正樹 兵庫県加古郡播磨町新島41番地 株式会社 神戸製鋼所播磨汎用圧縮機工場内 (72)発明者 中西 海 兵庫県加古郡播磨町新島41番地 株式会社 神戸製鋼所播磨汎用圧縮機工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油
    を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の
    吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備す
    る油冷式圧縮機の再起動方法において,上記圧縮機本体
    を再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機と
    して上記放気手段による放気を開始し,上記圧縮機本体
    の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限
    圧力値以下で,且つ上記油分離回収器内の油面高さが所
    定の上限値を超えない下限圧力値以上の起動可能範囲内
    に達したときに上記圧縮機本体を再起動させることを特
    徴とする油冷式圧縮機の再起動方法。
  2. 【請求項2】 上記放気手段による放気を,所定の放気
    速度により行う請求項1記載の油冷式圧縮機の再起動方
    法。
  3. 【請求項3】 上記所定の再起動現象の発生までの間,
    上記油分離回収器内の油面が上昇しない程度に徐々に上
    記放気手段による放気を行う請求項1又は2記載の油冷
    式圧縮機の再起動方法。
  4. 【請求項4】 上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記
    起動可能範囲内に達したことを,上記油分離回収器内に
    設けた圧力検出器の検出値により判断する請求項1〜3
    のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動方法。
  5. 【請求項5】 上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記
    起動可能範囲内に達したことを,それに対応する上記放
    気手段による放気開始からの経過時間により判断する請
    求項1〜3のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動方
    法。
  6. 【請求項6】 上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記
    起動可能範囲内に達したことを,それに対応する上記油
    分離回収器内の油面高さにより判断する請求項1〜3の
    いずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動方法。
  7. 【請求項7】 上記所定の再起動現象が,上記圧縮ガス
    の圧力の所定値以下への低下である請求項1〜6のいず
    れかに記載の油冷式圧縮機の再起動方法。
  8. 【請求項8】 上記所定の再起動現象が,再起動スイッ
    チの操作である請求項1〜6のいずれかに記載の油冷式
    圧縮機の再起動方法。
  9. 【請求項9】圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を
    分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐
    出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する
    油冷式圧縮機の再起動装置において,上記圧縮機本体を
    再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機とし
    て上記放気手段による放気を開始させ,上記圧縮機本体
    の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限
    圧力値以下で,且つ上記油分離回収器内の油面高さが所
    定の上限値を超えない下限圧力値以上の起動可能範囲内
    に達したときに上記圧縮機本体を再起動させる制御手段
    を具備してなることを特徴とする油冷式圧縮機の再起動
    装置。
  10. 【請求項10】 上記放気手段による放気を,所定の放
    気速度により行う請求項9記載の油冷式圧縮機の再起動
    装置。
  11. 【請求項11】 上記所定の再起動現象の発生までの
    間,上記油分離回収器内の油面が上昇しない程度に徐々
    に上記放気手段による放気を行う請求項9又は10記載
    の油冷式圧縮機の再起動装置。
  12. 【請求項12】 上記制御手段が,上記圧縮機本体の吐
    出側の圧力値の上記起動可能範囲内への到達を,上記油
    分離回収器内に設けた圧力検出器の検出値により判断す
    る請求項9〜11のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再
    起動装置。
  13. 【請求項13】 上記制御手段が,上記圧縮機本体の吐
    出側の圧力値の上記起動可能範囲内への到達を,それに
    対応する上記放気手段による放気開始からの経過時間に
    より判断する請求項9〜11のいずれかに記載の油冷式
    圧縮機の再起動装置。
  14. 【請求項14】 上記制御手段が,上記圧縮機本体の吐
    出側の圧力値の上記起動可能範囲内への到達を,それに
    対応する上記油分離回収器内の油面高さにより判断する
    請求項9〜11のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再起
    動装置。
  15. 【請求項15】 上記所定の再起動現象が,上記圧縮ガ
    スの圧力の所定値以下への低下である請求項9〜14の
    いずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動装置。
  16. 【請求項16】 上記所定の再起動現象が,再起動スイ
    ッチの操作である請求項9〜14のいずれかに記載の油
    冷式圧縮機の再起動装置。
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JP2015075057A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 株式会社日立産機システム 給油式圧縮機

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