JP2008297945A - 油冷式圧縮機の運転方法 - Google Patents

油冷式圧縮機の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スクリュロータが回転駆動される油冷式スクリュ圧縮機において、駆動モータの焼付き等の異常や油分離回収器内の潤滑油を発泡させることなく、早期にかつ確実に駆動モータの再起動が可能な油冷式圧縮機の運転方法を提供する。
【解決手段】圧縮機本体1内に収納されたスクリュロータ2を回転させる駆動モータ5と、吸込流路3の吸込口1aから吸込まれた気体を前記スクリュロータ2の回転により圧縮する圧縮機本体1と、この圧縮機本体1の吐出口1bに接続された吐出流路4と、この吐出流路4を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段11とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記吐出圧検出手段11により吐出圧Pdを検出し、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体1の駆動トルクTcが前記駆動モータ5の起動トルクTmより小さくなる圧力以下となると、前記圧縮機本体1を再起動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、油冷式圧縮機の運転方法に関し、より詳しくは、圧縮機本体を停止した後、駆動モータの異常を誘発することなく早期に再起動可能な油冷式圧縮機の運転方法に関するものである。
スクリュ圧縮機では、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を圧縮機本体に取り込み、この圧縮機本体に収納された雌雄一対のスクリュロータを駆動モータによって回転させて圧縮し、この圧縮された圧縮気体を前記圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路を経て需要先に供給している。そして通常、圧縮機本体の吸込口側には吸込調整弁を備え、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放出する放気弁を備えた圧縮機では、吐出側の圧力が高くなると前記吸込調整弁を閉じ、前記放気弁を開き、逆に吐出側の圧力が低くなると前記吸込調整弁を開き、前記放気弁を閉じるロード・アンロード制御運転により吐出容量の調整が行われている。
ところが、この様なスクリュ圧縮機では、吐出圧力が高い停止状態においては、駆動モータの起動トルクよりも圧縮機本体の駆動トルクの方が大きくなり、この状態で圧縮機本体を起動しようとすると駆動モータの焼付き等の異常を引き起こしてしまうため、実際には圧縮機本体の再起動は不可能である。このため、圧縮機本体停止後に前記放気弁により圧縮気体を放気し、吐出圧力が圧縮機本体の再起動可能となる所定圧力まで低下するまでの時間を予め想定しておき、この時間内には圧縮機本体を再起動させない様にしている。
この様な従来例につき、図2を参照しながら説明する。図2は、インバータを内蔵したパッケージ形スクリュ圧縮機ユニットの全体構成を示すフローシートである。そして、この従来例に係るパッケージ形スクリュ圧縮機の制御方法は、インバータトリップ発生時からセパレータ26内圧を圧縮機本体21の再起動可能な圧力まで低下させるために必要なリトライ待ち時間を予め設定しておき、インバータトリップ発生時に、インバータ24からの指令によりセパレータ26の内圧が圧縮機本体21の再起動可能な圧力まで低下する予め設定された前記リトライ待ち時間だけ、セパレータ26内の圧縮空気を吸い込み絞り弁25に形成された放気穴を通して大気に放出するものである(特許文献1参照)。
特許第3255213号公報
この従来例に係るパッケージ形スクリュ圧縮機の制御方法によれば、再起動までの停機時間(リトライ待ち時間)は、最も高い吐出圧で停機した場合でも再起動可能となる時間を想定して設定するため、殆どの場合この停機時間が経過するまでに再起動可能な圧力状態となり、上述の停機時間(リトライ待ち時間)は得てして冗長となる。また、一旦圧縮機本体を停止させると、再起動までの時間は圧縮機を起動させることが出来ないので、場合によっては圧縮気体の需要先での圧力低下を招く恐れがある。
また、油冷式スクリュ圧縮機を停止後、より早期に再起動するためには、放気時間を短縮することが望ましいが、吐出圧力を急激に低下させると、油分離回収器内の潤滑油中に溶け込んでいる気泡が一気に膨張し油面が上昇する。そして、この油面が上限を超えると油分離回収器内の潤滑油が圧縮気体に同伴されて、前記油分離回収器よりも下流側の吐出流路に送られ、これによる不具合や油回収効率の低下等の問題が発生する。
従って、本発明の目的は、スクリュロータが回転駆動される油冷式スクリュ圧縮機において、駆動モータの焼付き等の異常や油分離回収器内の潤滑油を発泡させることなく、早期にかつ確実に駆動モータの再起動が可能な油冷式圧縮機の運転方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る油冷式圧縮機の運転方法が採用した手段は、圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記吐出圧検出手段により吐出圧Pdを検出し、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となると、前記圧縮機本体を再起動させることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る油冷式圧縮機の運転方法が採用した手段は、圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段と、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放気する放気手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記圧縮機本体を停止する前に、前記放気手段により圧縮気体を放気して前記吐出圧Pdを低下させ、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となった状態で圧縮機本体を停止させることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る油冷式圧縮機の運転方法が採用した手段は、請求項1または2に記載の油冷式圧縮機の運転方法において、前記吐出圧Pdが次式(1)を満足すると、前記圧縮機本体を再起動または停止させることを特徴とするものである。
Pd≦[{n・(Tm・c・t−J・n)/α・β・c・t・Q}+1]−β (1)
ここで、 n:圧縮機本体の回転数
c,α,β:定数
t:加速時間
J:駆動軸により回転させられる部分の慣性モーメント
Q:n×β
本発明の請求項4に係る油冷式圧縮機の運転方法が採用した手段は、圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記吐出圧検出手段にて検出された吐出圧Pdに基づき前記圧縮機本体の駆動トルクTcを演算し、算出された前記駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなると、前記圧縮機本体を再起動させることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る油冷式圧縮機の運転方法が採用した手段は、圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段と、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放気する放気手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記圧縮機本体を停止する前に、前記放気手段により圧縮気体を放気し、前記吐出圧検出手段にて検出された吐出圧Pdに基づき前記圧縮機本体の駆動トルクTcを演算し、算出された前記駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなった状態で圧縮機本体を停止させることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る油冷式圧縮機の運転方法は、圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法に関する。
そして、本発明の請求項1に係るこの様な油冷式圧縮機の運転方法によれば、前記吐出圧検出手段により吐出圧Pdを検出し、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となると、前記圧縮機本体を再起動させるので、駆動モータの焼付き等の異常や油分離回収器内の潤滑油を発泡させることなく、早期にかつ確実に圧縮機本体が再起動可能となる。そのため、圧縮気体の需要先で圧力低下を招くことが無い。
また、本発明の請求項2に係る油冷式圧縮機の運転方法は、圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段と、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放出する放気手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法に関する。
そして、本発明の請求項2に係る油冷式圧縮機の運転方法によれば、前記圧縮機本体を停止する前に、前記放気手段により圧縮気体を放気して前記吐出圧Pdを低下させ、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となった状態で圧縮機本体を停止させるので、駆動モータの焼付き等の異常や油分離回収器内の潤滑油を発泡させることなく、停機後直ぐにでも圧縮機本体の再起動が可能となると共に、エア出しが早期に可能となる。
更に、本発明の請求項3に係る油冷式圧縮機の運転方法によれば、請求項1または2に記載の油冷式圧縮機の運転方法において、前記吐出圧Pdが前式(1)を満足すると、前記圧縮機本体を再起動または停止させるので、駆動モータの焼付き異常や油分離回収器内の潤滑油を発泡させることなく、圧縮機本体を再起動可能とする具体的条件を提供するものである。
また、本発明の請求項4に係る油冷式圧縮機の運転方法によれば、上述の本発明の請求項1に係る油冷式圧縮機の運転方法とほぼ同等の効果を奏することができる。なお、吐出圧検出手段にて検出された吐出圧Pdに基づき圧縮機本体の駆動トルクTcを演算することが必須であるが、更に、吸込圧力Ps、スクリュロータの回転数nを所定の検出手段にて検出し、吐出圧Pdのみならず、吸込圧力Ps、スクリュロータの回転数nにも基づいて駆動トルクTcを演算することが好ましい。これにより、正確な駆動トルクTcの算出が可能となる。ひいては、「早期にかつ確実に圧縮機本体が再起動可能になる」という効果を一層顕著に奏することができる。
更にまた、本発明の請求項5に係る油冷式圧縮機の運転方法によれば、上述の本発明の請求項2に係る油冷式圧縮機の運転方法とほぼ同等の効果を奏することができる。なお、この場合も、吸込圧力Ps、スクリュロータの回転数nを所定の検出手段にて検出し、吐出圧Pdのみならず、吸込圧力Ps、スクリュロータの回転数nにも基づいて駆動トルクTcを演算することが好ましい。これにより、正確な駆動トルクTcの算出が可能となる。ひいては、「停機後直ぐにでも圧縮機本体の再起動が可能になると共に、エア出しが早期に可能になる」という効果を一層顕著に奏することができる。
先ず、本発明の実施の形態1に係る油冷式圧縮機の運転方法を、添付図1を参照しながら以下説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る油冷圧縮機の運転方法を説明するための系統図である。この油冷式圧縮機はスクリュ圧縮機であって、雌雄一対のスクリュロータ2が噛み合って、ロータケーシング内部に回転可能に収容されてなる構造を有する圧縮機本体1を備えている。
圧縮機本体1の吸込口1aには、吸込流路3が接続され、その吐出口1bには吐出流路4が接続されている。そして、圧縮機本体1を構成する前記雌雄一対のスクリュロータ2のうちの一方(通常は雄ロータ)が駆動モータ5の駆動軸5aに接続されている。この駆動モータ5によりスクリュロータ2を回転させることによって、吸込流路3から供給される気体を、圧縮機本体1にて圧縮し高圧気体として吐出流路4に吐出する。尚、ここでは、スクリュロータ2は、通常の運転の際には一定回転数にて運転するものとする。
前記吸込流路3には、その吸込流路3を通過する気体の流量を調整する吸込調整弁6が設けられ、前記吸込調整弁6の弁6aの開度を、制御器15により制御して吸込流量を調整している。そして、この圧縮機の運転時には、前記吸込調整弁6の弁6bの開度を全開して吸気を吸い込み、後述する放気弁10を全閉して吐出圧を上げて圧縮気体を製造している。
また、前記吐出流路4には油分離回収器7が介装され、油分離回収器7の内部には油分離エレメント7aが備えられている。この油分離回収器7に流入した高圧気体には僅かに油が混入しているので、この油を油分離回収器7の内部に備えられた油分離エレメント7aにて捕捉する。油分離エレメント7aにて捕捉された油は自重により滴下して、油分離回収器7の内部下方に油溜り7bが形成される。この様にして油溜り7bに回収された油は、前記油分離回収器7から前記圧縮機本体1に連通する図示しない油循環流路を通して循環される。
更に、前記吐出流路4には、保圧逆止弁8が設けられている。そして、前記吐出口1bと保圧逆止弁8の間の吐出流路4から、大気に連通する放気流路9が分岐されており、前記放気流路9には放気弁10が設けられている。即ち、この放気流路9によって、吐出流路4を通過する圧縮気体の一部を大気に放出することができる。そして、圧縮機本体1が停止した際には、前記吸込調整弁6を全閉とするとともに、前記放気弁10から徐々に圧縮空気を大気に放気して、吐出流路4内の圧縮空気の圧力を少しずつ低下させる様に構成されている。
更に、前記吐出口1bより下流の吐出流路4、換言すれば、前記保圧逆止弁8の設けられた箇所より上流側の吐出流路4または油分離回収器7には、その流路の吐出圧Pdを検出可能な様に吐出圧検出手段11が設けられている。この吐出圧検出手段11は、検出した吐出圧Pdを圧力信号として発信可能な周知の圧力計で構成され、検出された圧力信号は制御器15に送信される様に構成されている。
そして、本発明の実施の形態1に係る油冷式圧縮機の運転方法は、運転されていた圧縮機本体1を一旦停止した後、前記吐出圧検出手段11によって検出され前記制御器15に送信された吐出圧Pdが、この制御機15内に予め設定された、前記圧縮機本体1の駆動トルクTcが前記駆動モータ5の起動トルクTmより小さくなる圧力以下となると、前記圧縮機本体1を再起動するものである。この様な、前記圧縮機本体1の駆動トルクTcが前記駆動モータ5の起動トルクTmより小さくなる圧力は、実験的に求めて前記制御機15内に予め設定することも出来るが、以下説明する様な演算式を基に、前記制御器15内に予め演算回路を組み込んでおくことも可能である。
一般的に、圧縮機本体1の出力動力P(kW)は次式(2)で表される。
P=κ/(κ−1)×Ps×Q×{(Pd/Ps)κ/(κ−1)−1} (2)
ここで、
Ps:圧縮機本体の吸込圧力(MPa)
Pd:圧縮機本体の吐出圧力(MPa)
Q:圧縮機本体の吸込気体流量(m/min)
κ:ポリトロープ指数
一方、圧縮機本体1を駆動するときに必要な全負荷トルクTc(kg・m)は、次式(3)で表される。
Tc=Tcd+Tca (3)
ここで、
Tcd:一定回転での定常運転時に駆動軸に作用する定常的負荷トルク(kg・m)
Tca:駆動軸の回転を加速するための過渡的負荷トルク(kg・m)
上記定常的負荷トルクTcd及び過渡的負荷トルクTcaは、夫々次式(4),(5)の様に表される。
Tcd=(P/n)×α (4)
ここで、
n:圧縮機本体の回転数(rpm)
α:定数(=1/(9.8×2π×0.06))
Tca=J×Δn/(C×t) (5)
ここで、
J:駆動軸により回転させられる部分の慣性モーメント(kg・m
t:加速時間(sec)
Δn:時間tの間におけるロータの回転数変化量(rpm/sec)
C:定数(理想的には重力加速度g=9.8[m/sec]であるが
、実際には駆動軸の回転数に応じたエネルギーロスの差異等を考慮
して経験的に定められる)
よって、電動モータにより駆動される圧縮機本体の再起動のためには、電動モータの最大駆動トルクTm(kg・m)と前記全負荷トルクTc(kg・m)との間に、次式(6)が成立していなければならない。
Tc≦Tm (6)
上式(6)の全負荷トルクTcを判断するための吐出圧Pdが前記吐出圧検出手段11によって検出されると共に、この吐出圧信号が前記制御器15に送信され、この制御機15内に収納された演算手段によって全負荷トルクTcが算出される様に構成されている。そして、この制御器15は、圧縮機本体1が停止して以降、前記吐出圧Pdから算出される全負荷トルクTcが、上式(6)を満足する状態に至ったことを判断して、直ちに圧縮機本体1を起動させるように動作する。
ここで、
β=κ/(κ−1)
とすると、駆動モータ5の起動時には、負荷トルクとして(Tc+Tm)が全トルクとして発生するので、
Δn=n
として計算すれば、(3)〜(5)式より、
Tc=Tca+Tcd
=(P・α/n)+(J・Δn/c・t)
={c・t(P・α)+J・n}/n・c・t
=〔c・t・α[β・Ps・Q{(Pd/Ps)β−1}/n]+J・n〕/n・c・t
となる。
また、Ps=1(MPa,大気圧)とすると、上式は更に次の通りとなる。
Tc=〔c・t・α[β・Q{(Pd)β−1}/n]+J・n〕/n・c・t≦Tm
この式をPdについて解くと次式が求められる。
(Pd)β≦{n・(Tm・n・c・t−J・n)/α・β・c・t・Q}+1
Pd≦[{n・(Tm・c・t−J・n)/α・β・c・t・Q}+1]−β (1)
即ち、Tc≦Tmであるか否かを判断することは、上式(1)を判断することと同義である。
尚、
Q:回転数に比例するのでβ×n(但し、βは定数)
n:一定回転数による運転のため、次式で任意に決定される。
n=120×f(周波数)/Pm(モータのポール数)
t:加速時間(予め決定出来る変数)
である。
以上の様に、本発明に係る油冷式圧縮機の運転方法によれば、吐出圧検出手段により吐出圧Pdを検出し、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となると、前記圧縮機本体を再起動させるので、駆動モータの焼付き異常や油分離回収器内の潤滑油を発泡させることなく、早期にかつ確実に圧縮機本体が再起動可能となる。そのため、圧縮気体の需要先で圧力低下を招くことが無い。
次に、本発明の実施の形態2に係る油冷式圧縮機の運転方法を、前図1を参照しながら説明する。但し、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、制御器内15に組み込まれた運転方法に相違があり、これらの相違以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、以下その相違する点について説明する。
即ち、上記実施の形態1においては、吐出圧検出手段11により吐出圧Pdを検出し、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体1の駆動トルクTcが駆動モータ5の起動トルクTmより小さくなる圧力以下となると、前記圧縮機本体1を再起動させる構成とした。これに対し、本発明の実施の形態2に係る油冷式圧縮機の運転方法は、圧縮機本体1の停止する前に、前記放気手段10により圧縮気体を徐々に放気して前記吐出圧Pdを低下させ、この吐出圧Pdが、Tc≦Tmとなった状態で圧縮機本体1を停止させる様な再起動方法を、前記制御機15内に組み込んで構成するものである。
従って、本発明に係る油冷式圧縮機の運転方法によれば、圧縮機本体を停止する前に、放気手段により圧縮機体を放気して前記吐出圧Pdを低下させ、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となった状態で圧縮機本体を停止させるので、停止直前には既に(6)式の関係が成立しており、停機後直ぐにでも圧縮機本体の再起動が可能となると共に、エア出しが早期に可能となる。
尚、上記実施の形態1に代えて、前記吐出圧検出手段11にて検出された吐出圧Pdに基づき前記圧縮機本体1の駆動トルクTcを演算し、算出された前記駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなると、前記圧縮機本体1を再起動させる様に構成しても良い。この場合、吸込流路3にその部分の圧力、吸込圧力Psを検出可能な様に吸込圧検出手段(吐出圧検出手段11と同様の圧力計)を設けることが好ましい。またスクリュロータの回転数nを検出可能な様に、スクリュロータ2の軸端部にエンコーダやポテンショメータを設けることが好ましい。
あるいは、駆動モータ5がいわゆるインバータによって任意の回転数にて回転可能に構成されている場合にあっては、そのインバータからモニタリング用に出力されている周波数fの信号からスクリュロータの回転数nを算出しても良い。そして、検出された吐出圧Pdのみならず、検出あるいは算出された吸込圧力Ps、スクリュロータの回転数nにも基づいて、駆動トルクTcを演算することが好ましい。駆動トルクTcは、上式(2)、(3)、(4)、(5)などに従って、演算することができる。これにより、正確な駆動トルクTcを得ることが可能となり、「早期にかつ確実に圧縮機本体が再起動可能になる」という効果を一層顕著に奏することができる。
また、上記実施の形態2に代えて、前記吐出圧検出手段11にて検出された吐出圧Pdに基づき前記圧縮機本体1の駆動トルクTcを演算し、算出された前記駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなると、前記圧縮機本体1を再起動させる様に構成しても良い。この場合も、吸込流路3に吸込圧検出手段を設けるなど、吸込圧力Ps、スクリュロータの回転数nを検出あるいは算出することができる様に構成することが好ましい。
そして、検出された吐出圧Pdのみならず、検出あるいは算出された吸込圧力Ps、スクリュロータの回転数nにも基づいて、駆動トルクTcを演算することが好ましい。駆動トルクTcは、上式(2)、(3)、(4)、(5)などに従って、演算することができる。これにより、正確な駆動トルクTc得ることが可能となり、「停機後直ぐにでも圧縮機本体の再起動が可能になると共に、エア出しが早期に可能になる」という効果を一層顕著に奏することができる。
本発明の実施の形態に係る油冷式圧縮機の運転方法を説明するための系統図である。 インバータを内蔵したパッケージ形スクリュ圧縮機ユニットの全体構成を示すフローシートである。
符号の説明
1:圧縮機本体, 1a:吸込口, 1b:吐出口,
2:スクリュロータ, 3:吸込流路, 4:吐出流路,
5:駆動モータ, 5a:駆動軸,
6:吸込調整弁, 6a:弁,
7:油分離回収器, 7a:油分離エレメント, 7b:油溜り,
8:保圧逆止弁, 9:放気流路, 10:放気弁,
11:吐出圧検出手段, 15:制御器

Claims (5)

  1. 圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記吐出圧検出手段により吐出圧Pdを検出し、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となると、前記圧縮機本体を再起動させることを特徴とする油冷式圧縮機の運転方法。
  2. 圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段と、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放気する放気手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記圧縮機本体を停止する前に、前記放気手段により圧縮気体を放気して吐出圧Pdを低下させ、この吐出圧Pdが、前記圧縮機本体の駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなる圧力以下となった状態で圧縮機本体を停止させることを特徴とする油冷式圧縮機の運転方法。
  3. 前記吐出圧Pdが次式(1)を満足すると、前記圧縮機本体を再起動または停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の油冷式圧縮機の運転方法。
    Pd≦[{n・(Tm・c・t−J・n)/α・β・c・t・Q}+1]−β (1)
    ここで、 n:圧縮機本体の回転数
    c,α,β:定数
    t:加速時間
    J:駆動軸により回転させられる部分の慣性モーメント
    Q:n×β
  4. 圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記吐出圧検出手段にて検出された吐出圧Pdに基づき前記圧縮機本体の駆動トルクTcを演算し、算出された前記駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなると、前記圧縮機本体を再起動させることを特徴とする油冷式圧縮機の運転方法。
  5. 圧縮機本体内に収納されたスクリュロータを回転させる駆動モータと、吸込流路の吸込口から吸込まれた気体を前記スクリュロータの回転により圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出口に接続された吐出流路と、この吐出流路を通過する圧縮気体の圧力を検出する吐出圧検出手段と、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放気する放気手段とが備えられた油冷式圧縮機の運転方法において、前記圧縮機本体を停止する前に、前記放気手段により圧縮気体を放気し、前記吐出圧検出手段にて検出された吐出圧Pdに基づき前記圧縮機本体の駆動トルクTcを演算し、算出された前記駆動トルクTcが前記駆動モータの起動トルクTmより小さくなった状態で圧縮機本体を停止させることを特徴とする油冷式圧縮機の運転方法。
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