JP5119309B2 - 油冷式スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は油冷式スクリュー圧縮機に係わり、この圧縮機を駆動する電動機や電源回路への負担増大を回避する技術に関する。
油冷式スクリュー圧縮機は、対となるロータの歯溝との噛み合いや、各ロータとケーシング内面との隙間を小さくすることにより形成された作動室と呼ばれる複数の閉じられた空間を、その内部に有している。
双方のロータの回転に伴って作動室は移動するとともに、その容積は拡大と縮小を繰り返す。また、作動室は、ロータの回転位置により、ケーシングに設けた開口部を通じて外部と連通したり密閉空間となったりする。作動室の容積の拡大中には吸入口と呼ばれる開口部と連通が継続し、外部から作動室内に被圧縮気体が吸入される。作動室が最大容積時に吸入口との連通は終了し被圧縮気体は閉じ込められて、容積が縮小することにより被圧縮気体を圧縮する。所定の圧力になったところで、吐出口と呼ぶ開口部に連通し、それ以降容積が0となるまで被圧縮気体を吐出する。
特開2003−3976号公報
油冷式スクリュー圧縮機は、圧縮過程にある作動室の内部に油を注入しながら圧縮動作が進行する。油を注入する理由はロータの潤滑と冷却、そしてロータ相互間やロータとケーシング内面との隙間を油で埋めて、高圧となった作動室から低圧の作動室への被圧縮気体の漏洩を抑制するためである。
運転中の油の温度は空気圧縮機の場合、50〜70℃であり、粘度(厳密には動粘度、以下同じ)は40mm/s2以下と低く、ロータの周囲にある油は回転の支障にならない。
作動室内に油を注入する機構として圧縮機自身が作り出した吸入側と吐出側の圧力差を利用した差圧給油機構が一般的である。この機構は、作動室から出た直後の被圧縮気体に混在した油を分離して溜めた高圧下にある油溜めと、圧縮開始直後の吸入圧力に近い作動室とを配管でつなぎ、両端の差圧を利用して送油するものである。この機構では圧縮機のロータが停止した後に、約10〜20秒程度の間は残っている差圧で圧縮機への給油が継続するため、作動室に油が多く溜まり、その状態で圧縮機が停止となる。
運転中は圧縮熱等で圧縮機は吐出流路付近を中心に80〜100℃程度の高温となっているが、長く停止していると圧縮機全体が周囲環境と同じ温度となる。寒冷地の冬季にあっては氷点下となることもあり、作動室内に溜まった油は低温のため粘度が150mm/s
2以上に上昇する。
このため、低温で起動しようとすると高粘度の油がロータの回転を阻害し起動に必要なトルクを増大させてしまう。特にスクリュー圧縮機においては、作動室が移動し吐出端面に達したときに端面に衝突した油の反力が歯面に作用し、大きな慣性力をトルクという形で発生する。
大容量の電動機を採用し、可変速運転する機種ではインバータに代表される電力装置を強化すれば、必要な大きな起動トルクを電動機に発生させて圧縮機は起動できる。しかし、低温環境での起動だけを目的に、運転中に必要な容量の何倍もの電動機や電力装置を備えることは無駄である上に運転中の効率も適正容量の電動機よりも劣ってしまう。
誘導式など旧来の一部の電動機においては、極短時間であれば過大な起動トルクであっても短時間であれば耐える余力があり、起動は可能であった。しかし、その場合には、圧縮機は瞬間的に大電流を消費していた。
近年使用が広がってきた電動機にはインバータ等に代表される半導体素子により電流を制御して駆動される方式が多い。この方式では、過大電流は一瞬でも半導体素子を損傷するため、大きな起動トルクを受容できず、過大トルクがある場合の起動は苦手である。
駆動力の伝達系では、電動機の出力軸と、ロータの回転軸とを一体化したものや、軸継手による結合、歯車やベルト等を介して回転伝達されるものなど、いくつかの形式がある。柔軟な軸継手やベルトを介した結合では、瞬間的に過大な起動トルクが発生しても途中の軸継手やベルトが緩衝材となり、電動機への負担が軽減される効果がある。しかし、結合が剛であれば、その効果が無く、特にロータと電動機の軸が一体化していれば、過大トルクは直に伝達するため電動機への負担は大きいままであり、電動機にとっては過酷な条件となりやすい。
スクリュー圧縮機において起動トルクの問題は古くからの課題であり、種々の取り組みがなされている。例えば、特許文献1には、通常の吐出口に加え起動時のみ開口する吐出口を設け、起動トルクを軽減する方法が示されている。
この方法は従来の圧縮機本体に新たに弁装置ならびにその開閉手段を付加する必要があり、構造の複雑化や製造コストの増加に課題がある。
本発明の目的は上記課題に鑑み、油によって発生する過大な起動トルクを軽減することで、定常運転時に適正な容量となる電動機を備えながら、低温環境にあっても確実な起動が可能である油冷式スクリュー圧縮機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電動機の起動状況に応じてインバータに指令を与える制御装置を備えたモータ駆動システムを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の油冷式スクリュー圧縮機は、ケーシングと、ケーシングに内蔵され、ねじ山状の歯溝を有する一対のロータと、これらのロータを回転駆動する電動機と、この電動機を制御する制御装置と、前記一対のロータの歯溝を噛み合わせて、前記ロータと前記ケーシングにより囲まれて形成した作動室内へ油を供給する油供給機構と、前記作動室から吐出された圧縮気体から油を分離する油分離機構と、を有する油冷式スクリュー圧縮機において、前記ロータが通常運転状態から回転停止状態となり、この回転停止状態から前記電動機を起動して前記ロータが通常運転状態となる間に、前記制御部は、前記一対のロータを収納するケーシング内の空間に供給された油の少なくとも一部を前記空間の外に排出するものである。
また、上記目的を達成するために本発明のモータ駆動システムは、駆動対象物と接続される電動機と、この電動機の回転数を制御するインバータと、前記駆動対象物の運転条件を設定する設定装置からの設定情報及び前記駆動対象物の出力情報を検出する検出器からの検出情報に基づいて前記インバータに対して第一の回転速度指令を付与する制御装置とを備え、この制御装置は、前記電動機の起動時に、前記インバータに対して、前記駆動対象物の起動トルク推定情報に基づいて前記第一の回転速度指令よりも低い回転速度となる第二の回転速度指令を付与し、前記電動機が前記第二の回転速度指令に基づいて駆動された後に、前記インバータに対して前記第一の回転速度指令を付与するものである。
本発明によれば、油冷式スクリュー圧縮機の円滑な起動を確実に行うことができる。また、小型小出力の機器で十分起動できるため、小型軽量そして製造コストの低減が可能であり、通常運転時に最適な電動機を選択できエネルギ効率も良くなる。
第1と第2の実施例の油冷式スクリュー圧縮機の本体周辺と油系統の模式図である。 起動前後のロータの回転速度の変化を示すグラフである。 停止動作の間のロータの回転速度や注油量の変化のグラフである。 第3の実施例の油冷式スクリュー圧縮機の本体周辺と油系統の模式図である。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例における油冷式スクリュー圧縮機は、ケーシングと、ケーシングに内蔵され、ねじ山状の歯溝を有する一対のロータと、これらのロータを回転駆動する電動機と、この電動機を制御する制御装置と、一対のロータの歯溝を噛み合わせて、ロータとケーシングにより囲まれて形成した作動室内へ油を供給する油供給機構と、作動室から吐出された圧縮気体から油を分離する油分離機構と、を有する。
このような油冷式スクリュー圧縮機において、円滑な起動を確実に行うために、ロータが通常運転状態から回転停止状態となり、また、この回転停止状態から電動機を起動してロータが通常運転状態となる間に、制御装置は、一対のロータを収納するケーシング内の空間に供給された油の少なくとも一部を前記空間の外に排出するようにしたものである。
従来の油冷式スクリュー圧縮機では、ケーシング内に設けられたロータが配された空間に油が溜まっていても、起動から一気に加速し通常の運転速度に至る。
それに対し本実施例では、起動時には、通常の運転速度に比較し十分に遅い回転速度で一定の間だけロータを回転させ、その後に、通常の回転速度まで加速するようにした。具体的には、例えば毎分3000回転を定格運転速度とする圧縮機においては、毎分300回転以下の回転速度で、3秒間程度あるいはロータの回転回数で約5回転だけロータを回転させるものである。
この圧縮機の起動は、温度感知手段により、起動時の温度が定められた温度よりも低いときに限り、通常の運転速度に比較し十分に遅い回転速度で一定の間だけ回転した後に通常の回転速度まで加速するようにしてもよい。
また、停止時には、圧縮機が運転中に停止指令を受けたとき、電動機を停止する動作がなされるが、それとともにケーシング吐出側に連なる配管内部に残留する高圧力を開放する動作がなされる。そのため吐出側の高圧は次第に吸入側圧力と同程度まで圧力が低下する。その後に、低速で短時間だけロータを回転させるように制御する。
また、ロータを収納した吸入側空間の下部から、それよりも下方に位置する前記油貯めに連通する流路を設け、その流路の途中にロータ収納空間から油貯め方向にのみ流れることを許す逆止弁を備えるようにしてもよい。
次に、具体的に実施例を説明する。本発明の第1の実施例を、図1と図2を用いて説明する。図1は空気用油冷式スクリュー圧縮機を示す模式図である。図2は起動前後のロータの回転速度の変化を示すグラフである。
空気圧縮機1はその内部に圧縮機本体2を備え、その中には互いに噛み合った雌雄のロータ3,4が回転可能に設けられている。各ロータ3,4は、軸方向表面にねじ山状の歯溝を有している。
両ロータを収納するケーシング5は、ロータ3,4の軸半径方向の外周と軸方向の端面とを塞ぐ内部空間を有している。この内部空間には、被圧縮気体を吸い込むための開口部である吸入口6と、圧縮された気体を排出する開口部である吐出口7とがその内部空間に設けられている。
吐出口7から先の流路は、一旦は軸方向に向かって伸びその後で下向きに曲がってUターンし、圧縮機本体2の下部に位置し、ケーシング5と一体に設けられた油分離器8と接続する。
雄ロータ3の一部である軸は電動機9の回転軸と接続する。電源装置であるインバータ10から供給される電力で電動機9は雄ロータ3を回転させる回転動力を生み出す。インバータ10は、付属するモータ制御装置である制御装置11の指令に基づいて電動機9に送る電力の周波数や電圧を制御する。
吐出口7の下流側には温度検出手段として温度センサ12を備え、その出力は制御装置11に入力される。この温度センサ12は圧縮機の吐出温度を監視し異常の有無を判断するためのものである。
油分離器8は、サイクロンセパレータの原理で圧縮空気に混じって圧縮機本体2から吐出される油を遠心分離し、油は内部下方に落下して溜まる。その油は油分離器8下方より引き出した管路から油冷却器13を経て再び圧縮機本体2の圧縮開始直後の作動室14ならびに両ロータ3,4を軸支する軸受15に注入される。油分離器8内はほぼ吐出圧力に等しい高圧であり、作動室14の内圧や軸受15の周囲の圧力は、吸入圧力よりやや高いものの油分離器8の内圧よりも低い圧力である。そのため本実施例における油供給機構は、油ポンプを油分離器8と作動室14や軸受15との間に設けなくとも、油は差圧で給油することができる差圧給油機構を形成している。これらの構成により、作動室14に注入された油は圧縮空気の流れに混じって吐出口7から出て、再び油分離器8に戻り循環する。
油分離器8の上部中央には圧縮空気の出口があって、大部分の油を分離した圧縮空気の流路と接続する。その流路から分岐する放気流路を設け、分岐直後に電磁弁16を備える。この電磁弁16は制御装置11の指示で開閉する。電磁弁16の2次(下流)側は消音器を経て圧縮空気を大気に開放する。電磁弁16は、後述するように、運転時は閉じておき、停止時には開く制御がなされる。
運転状態にある圧縮機1の制御装置11に対し使用者がスイッチをオフにするなどの停止操作をすると、制御装置11はインバータ10に減速と停止の指示を出す。直ちにインバータ10は電動機9への供給電力の周波数を下げていき、停止に至る。電動機9とその出力軸に直結した雄ロータ3とそれに噛み合った雌ロータ4の回転も、若干の慣性による遅れはあるものの、供給電力が停止された直後には回転を止める。制御装置11からは電動機9の停止指示とほぼ同時に電磁弁16へ開く指示が出される。圧縮機本体2の吐出口7から油分離器8そして更に下流に連なる高圧の配管内にある圧縮空気は、開かれた電磁弁16を経て大気へ放出され、その空間の内圧は約10〜30秒の時間をかけて次第に低下する。この間、油分離器8と作動室14の間の差圧は残っているため、ロータが停止してから暫くの間は停止した作動室内14への油の注入が続くことになる。この油は差圧がなくなった後にも作動室14内部に溜まったままとなり、長時間停止が続くと周囲温度まで次第に冷える。
次に本実施例の油冷式スクリュー圧縮機の起動プロセスについて説明する。
圧縮機の起動スイッチが押されたときに、温度センサ12が周囲環境の温度を定められた温度、例えば10℃以下であると感知した場合は、制御装置11が判断して通常の起動とは異なる低温モードを採用する。図2に示すように通常モードでは、時刻T0の起動直後からロータを加速し通常運転時の回転速度Nまで一気に加速する。そうすることによって、使用者が必要とする圧縮空気をいち早く供給することができる。低温モードにおいては起動直後に一定の間(T0〜T1)だけ低速Nsで回転させる。具体例として3秒間だけ毎分300回転程度の速さでロータを回転することを想定している。その後は通常運転時の回転速度N(毎分3000〜4000回転)まで一気に加速する。
低温時に一定の間だけ低速Nsでロータを回転させる理由は、作動室14内部に溜まっていた油を排出するためである。油を排出するのに要するトルクはロータの回転速度と相関があり、低温で粘度が高くなった油であっても、低速で押し出せばトルクは小さくてすむ。しかも、内部に溜まった油の量は限られているため、ロータを例えば5回転程度あるいは1〜2秒間だけ回せばスクリューロータの性質で溜まっていた油の大部分を吐出口7から排出させることができる。油を排出した後には、油の排出トルクは発生しないので電動機9やインバータ10に負担をかけることなく一気に加速することができる。
また、一気に加速する前に低速で数回転させることは、軸受や軸封などの油潤滑を必要とする機械要素に油を行き渡らせてから、負荷を増すことになる。これは潤滑条件をよくする効果があり、これら機械要素の摩耗防止ひいては寿命延長の効果を享受することができる。
説明した起動プロセスは、特に長時間停止後の起動時に対して有効である。低温時にも一気に加速したい場合には、余裕をもたせた大容量の電動機9やインバータ10を備える方法もある。しかし、定常運転時には必要のない大容量の機器を備えることはエネルギ効率の面でも製造コストの面でも無駄が大きくなる。したがって、本実施例の構成によれば、コスト増と定常運転時のエネルギ効率を犠牲にすることなく、油冷式スクリュー圧縮機を低温環境でも円滑に起動できる。
また、周囲温度が十分高い場合には従来どおりの加速により迅速な圧縮空気の供給が可能である。停止期間中には作動室14内に油が溜まっているので、圧縮機内部の防錆効果も期待できる。さらに、本実施例では従来の空気圧縮機に対して高額の部品の追加が不要で、設計変更も容易である。
本実施例のモータ駆動システムは、半導体の電流制限から必要性の高いインバータによる可変速運転する機種を例としたが、インバータを持たない一定速運転の機種でも同様の作用と効果がある。電動機9の出力軸と雄ロータ3の入力軸が直結せず、間に軸継手や歯車,ベルトなどの動力伝達手段を仲介した機種でも同様の効果がある。ただし、誘導電動機でベルトを介して駆動する方式では、瞬間的な起動トルクのピークは柔らかいベルトで緩和され、更に半導体を用いたインバータ等を経由しない誘導電動機は瞬間的ならば過大なトルクも発生できるので、本実施例の構成を必ずしも要しない。また、本実施例では空気圧縮機を例としたが、冷媒ガスや燃料ガス等、他の気体を圧縮する目的の油冷式スクリュー圧縮機であっても同様の効果がある。
本実施例において、一定の間だけ低速Nsでロータを回転させたが、低速Nsは必ずしも一定速度である必要はない。例えば、通常運転時の回転速度Nに対して十分に低いならば、徐々に加速しても同様の効果を得ることができる。
本発明の他の実施例を、図3を用いて説明する。図3は空気用油冷式スクリュー圧縮機において、停止動作がなされている間のロータの回転速度,吐出側圧力,注入油量,作動室内部に溜まっている油量の時間変移を示すグラフである。本実施例において第1の実施例と共通する構造,作用や効果、そして適応可能な範囲については説明を省略する。
本実施例における空気圧縮機の機器構成は図1に示した第1の実施例と同じであるが、制御装置11に内蔵されるソフトウェアが異なり、停止動作が従来と異なる手順となる。
また、温度センサ12は必ずしも必要とされない。
本実施例は停止操作時に特徴があり、その作用を図3を用いて説明する。
運転状態にあり回転速度N,吐出圧力Pdで圧縮空気を供給しているスクリュー圧縮機1の運転スイッチを使用者がオフにするなどして、時刻T5に停止操作がなされる。直ちに制御装置11はインバータ10へ停止の指示を出し、インバータ10は電動機9への供給電力の周波数を下げていき、時刻T6(具体例として2〜5秒後)には電力供給を停止する。これに合わせて電動機9ならびに両ロータ3,4の回転速度も次第に低下しほぼ時刻T6に停止に至る。
制御装置11からは電動機9の停止指示とほぼ同時刻T5に電磁弁16へ弁を開く指示が出される。圧縮機本体2の吐出口7から油分離器8、そして更に下流に連なる高圧の管路内から電磁弁16を通って圧縮空気が大気へ放出され、管路内の圧力は運転時の吐出圧Pdから約10〜30秒の時間をかけて次第に低下し、時刻T6にはほぼ大気圧Paとなる。時刻T6からT7まで時間差があるので、ロータの回転停止後暫くの間は差圧が残っており、停止した作動室内14への油の注入が続く。図3に示すように、運転中にはロータの回転で次々に排出されていた油は、ロータ停止により排出が無くなった時刻T6から急激に作動室14内部に溜まり時刻T7まで増加が続く。
従来の油冷式スクリュー圧縮機においては、この油の溜まった状態で次の起動となっていた。本実施例では、この後の動作に特徴がある。
残圧が十分に低くなったT8の時点で、制御装置11は低速Nsで短時間(T8〜T9)だけの回転を指示し、インバータ10は低い周波数で電動機9を駆動し両ロータ3,4が毎分100回転程度の低速Nsで回転して、作動室14内部に溜まった油を吐出口7から排出する。このとき、圧縮機本体2全体は運転中の温度からそれほど低下しておらず油の粘度も低いので排出するに要するトルクは軽く、ロータ3,4は容易に回転できる。また、低速で短時間の回転であり、電磁弁16も開いたままなので吐出側の圧力は上がらず、油分離器8から作動室14へ油が送られることはない。
したがって、このロータ3,4の回転によって圧縮機本体2の内部に溜まった油の多くは、低速運転の終了する時刻T9には排出されている。この状態で停止動作は完了し次回の起動まで待機することになる。なお、低速運転を開始する時刻T8や終了する時刻T9は、制御装置11に内蔵したタイマー機能で停止操作されたT5を基準に定めておく。
以上の停止動作がなされた次の起動では、低温環境からであっても、ロータの周囲に油は多くは溜まっておらず、油排出に要するトルクは問題となるレベルではない。したがって、電動機9やインバータ10を大容量にせずとも円滑で確実な起動が可能となる。
停止動作の過程における短時間で低速のロータの回転は、制御装置11に内蔵したソフトウェアの設定で制御される。この回転の量は例えば2〜3秒間といった時間で制御してもかまわないし、ロータを5〜10回転といった回転総数で制御してもかまわない。いずれにしても油量やトルクを検出するセンサは不要で従来機種に対しソフトウェアの変更以外に大きな設計変更は必要ない。
本実施例によれば、従来の機種に大きな設計変更を加えることなく、本発明の目的を達することができる。また、低温時であっても起動直後から加速できるので、スイッチを入れてから短時間で圧縮空気を供給することができる。
本発明の次の実施例を図3を用いて説明する。図3は空気用油冷式スクリュー圧縮機において、停止動作がなされている間のロータの回転速度,吐出側圧力,注入油量,作動室内部に溜まっている油量の時間変移を示すグラフである。本実施例において第1の実施例と共通する構造,作用や効果、そして適応可能な範囲については説明を省略する。
本実施例における空気圧縮機の機器構成は図1に示した第1の実施例と同じであるが、特段の制御装置ならびに制御ソフトウェアは必要としない。また、温度センサ12は必ずしも必要とされない。
代わって、雌雄のロータ3,4が収納されたケーシング5内部の空間のうち、吸入側で最下部となる吸入室下部25から油分離器上部空間26に連通する連通路21を設ける。
この連通路21の途中には断面積が広い弁室22を設け、その中で自在に動ける球形の弁体23を収納する。弁室の下方には弁室壁面より内側に向けて複数個の突起24を設けておき、弁体23が通り抜けない構造とし落下を防止する。一方で弁室22上部で連通路21につながる部分は弁体23で塞がれる構造としておく。
本圧縮機の運転状態においては、圧縮の作用により吸入室下部25内の圧力よりも油分離器上部空間26内の圧力の方が高くなる。したがって、弁体23は弁室22の上端まで押し上げられ、連通路21を塞ぐ。そのため、圧縮が完了した高い圧力の気体が吸入室下部25に戻ってしまうことはない。
本圧縮機の停止状態においては、内部の圧力が均一となり、弁体23は重力で下方に落下し突起24に引っかかる。弁体23の外径は弁室22の内径よりも小さく、突起24の周囲も隙間が開いている。そのため、連通路21を通って吸入室下部25から油分離器上部空間26まで連通し、吸入室に溜まる油は連通路21を通って重力で油分離器8に落下する。したがって、次回の再起動時にはロータ3,4の周囲の油はわずかしかなく、起動に支障となることはない。
本実施例によれば、特段の電気的あるいは制御的機能を付加することなく、目的を達成することができる。したがって一定速度で運転することを想定し、インバータ等の可変速機能を有しない機種に採用することが可能である。
本実施例においては、逆止弁として球体で円形穴を塞ぎ、開くときは重力を利用する方式とした。同じ機能があれば、もちろん他の方式の逆止弁であってもよく、ちょうつがいで開閉する板状の弁体や、ばねの作用で開くなどの方式であってもかまわない。
1 空気圧縮機
2 圧縮機本体
3 雄ロータ
4 雌ロータ
5 ケーシング
6 吸入口
7 吐出口
8 油分離器
9 電動機
10 インバータ
11 制御装置
12 温度センサ
13 油冷却器
14 作動室
15 軸受
16 電磁弁
21 連通路
22 弁室
23 弁体
24 突起
25 吸入室下部
26 油分離器上部空間

Claims (4)

  1. ケーシングと、ケーシングに内蔵され、ねじ山状の歯溝を有する一対のロータと、これらのロータを回転駆動する電動機と、この電動機を制御する制御装置と、前記一対のロー
    タの歯溝を噛み合わせて、前記ロータと前記ケーシングにより囲まれて形成した作動室内
    へ油を供給する油供給機構と、前記作動室から吐出された圧縮気体から油を分離する油分
    離機構と、を有する油冷式スクリュー圧縮機において、
    前記ロータが通常運転状態から回転停止状態となり、この回転停止状態から前記電動機
    を起動して前記ロータが通常運転状態となる間に、前記制御装置は、前記一対のロータを
    収納するケーシング内の空間に供給された油の少なくとも一部を前記空間の外に排出し、
    停止指令を受けた際には電動機を停止して前記ロータを回転停止状態にして、前記ケー
    シングと接続して前記作動室の吐出口と連通する吐出配管の内部に残留する高圧力の圧縮
    空気を大気に開放し、前記作動室と連通する吸入口の圧力まで前記吐出口内の圧力が低下
    した後に、前記ロータを所定時間回転させることを特徴とする油冷式スクリュー圧縮機。
  2. 請求項1記載の油冷式スクリュー圧縮機において、
    前記油供給機構は、前記油分離機構で油を分離した気体の気体圧力と、前記作動室内の
    吐出前の気体圧力との差圧を利用して前記作動室内に油を供給し、前記油分離機構で分離
    した油を溜める油溜めと、前記油分離機構で油を分離した気体が供給された空間と吐出前
    の圧力状態にある前記作動室とを接続する流路と、を有することを特徴とする油冷式スク
    リュー圧縮機。
  3. 請求項1記載の油冷式スクリュー圧縮機において、
    前記電動機は前記制御装置を経由した電流により駆動され、前記電動機の出力軸と前記
    ロータの回転軸とが接続してあることを特徴とする油冷式スクリュー圧縮機。
  4. 請求項1記載の油冷式スクリュー圧縮機において、
    前記ロータを収納した空間の下方に前記油分離機構で分離した油を溜める油溜めと、当該油溜めに連通する流路と、その流路の途中に前記ロータを収納した空間から前記油溜め
    方向にのみ流れることを許す逆止弁とを有することを特徴とする油冷式スクリュー圧縮機。
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