JP2010025027A - 流体機械 - Google Patents

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Yasuhiro Takeuchi
康浩 武内
Mikio Matsuda
三起夫 松田
Kazuhide Uchida
和秀 内田
Michio Nishikawa
道夫 西川
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Abstract

【課題】潤滑オイル中から溶解冷媒を減圧脱泡して取り除く簡単な機構を機内に構成して、粘度の高い潤滑オイルを摺動部113c、113d、118bへ供給する。
【解決手段】オイルセパレータ106とオイル溜め部101との間のオイル通路143に減圧手段としてのフィルタ140を設けて潤滑オイル中に溶解している冷媒をガス化させるとともに、フィルタ140にて潤滑オイル中からガス化して分離した冷媒をオイル分離室111dに導くガス逃がし通路144、145を備えている。
これによれば、潤滑オイル中から溶解冷媒を減圧脱泡して取り除く簡単な機構として、フィルタ140とガス逃がし通路144、145とをハウジング121、131内に構成することにより、粘度の高い潤滑オイルを摺動部113c、113d、118bへ供給することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば内燃機関の排熱を加熱源とするランキンサイクルに配設される膨張発電機、あるいは冷媒循環用のポンプと一体的に形成される膨張発電機に適用して好適な流体機械に関するものである。
従来の流体機械においては、冷媒などの作動流体中に潤滑オイルを混入するとともに、密閉されたハウジングの底部に溜まった潤滑オイルを膨張部などへ供給して摺動部の潤滑を果たすようにしている。しかしながら、膨張部の吐出側は吸入側に比べて作動流体の温度が低くなり、潤滑オイルに多くの作動流体が溶け込んでしまい、潤滑オイルの粘度が低下する。その結果、摺動部の油膜厚さが充分に確保できなくなり、潤滑不良が生じて流体機械の損傷を招くという問題がある。
この問題に対して、例えば、下記の特許文献1に開示されたスクロール圧縮機では、クランクシャフトに設けた給油通路と主軸受部とを連通する給油孔とを通じて主軸受部や旋回軸受部に潤滑オイルを供給する給油機構を備え、給油通路内に絞り部を設けている。これにより、給油通路内を通じて供給される潤滑オイルは、絞り部で減圧され、潤滑オイル中の溶解冷媒はガス化し発泡する。さらに、給油通路内で遠心力によりオイルは通路壁面に付着し、給油孔を通じて主軸受部に供給され、ガス化した冷媒は給油通路を通って旋回軸部上端の旋回軸受部空間に達するため、各軸受部に溶解冷媒が供給されないようにしている。
また、下記の特許文献2に開示された密閉型圧縮機では、ケーシング内の高圧室は、その底部が液溜め容器に連通し、連通管は、その一端が液溜め容器の上端に、その他端が吸入管にそれぞれ接続されている。また、連通管の途中には、ガス容器と、第1および第2電磁弁とが設けられている。そして、第1電磁弁を閉鎖して第2電磁弁を開放すると、ガス容器が吸入管に連通してガス容器内が減圧される。その後、第1電磁弁を開放して第2電磁弁を閉鎖すると、ガス容器が液溜め容器に連通して液溜め容器内が減圧される。これにより、液溜め容器内の潤滑オイルの圧力が下がり、潤滑オイルに溶解していた冷媒がガス化するようにしている。
特開2006−9613号公報 特開2004−316493号公報
しかしながら、上述した従来技術の前者において、オイルポンプ後の流通抵抗は給油通路の絞りによるものと軸受隙間によるものとの2つである。一般に軸受隙間はシャフト外径の1/1000位の孔径に設定されるため、流通抵抗が非常に大きい。このため、有効な減圧を絞りで実現するためには、例えば数μm〜数十μmという孔径の絞りにする必要があり、その孔加工が難しいという問題点がある。
また、上述した従来技術の後者においては、ガス容器と電磁弁2つとを追加しなければならない構成であるうえ、2つの電磁弁がタイミング良く開閉するように制御しないと、オイル溜めが減圧された瞬間にフォーミングが起こり、潤滑オイル中に気泡が混ざった状態になってしまうおそれがある。冷媒の溶解度は平衡状態となるまでに時間が掛かるため、一度生じた泡は簡単には消えず、泡混じりの潤滑オイルが摺動部へ供給されるという問題点がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、潤滑オイル中から溶解冷媒を減圧脱泡して取り除く簡単な機構を機内に構成して、粘度の高い潤滑オイルを摺動部へ供給することのできる流体機械を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、加熱されて気相状態となった作動流体の膨張によって駆動力を発生する膨張部(110)と、膨張部(110)の下側に配設されて膨張部(110)とともに作動する回転電機部(120)と、回転電機部(120)の下側に配設されて作動流体から分離された潤滑オイルを溜めるオイル溜め部(101)と、膨張部(110)から吐出される作動流体を機外へ導く流体通路(111d、111e、116、121a)と、流体通路(111d)中に配設されて作動流体に含まれる潤滑オイルを分離する分離手段(106)と、分離手段(106)で分離された潤滑オイルをオイル溜め部(101)に導くオイル通路(111d、143)と、オイル溜め部(101)に溜められた潤滑オイルを膨張部(110)の摺動部(113c、113d、118b)に供給するオイル供給路(103)と、オイル供給路(103)内に潤滑オイルを圧送するオイルポンプ(105)とがハウジング(111、117、121、131)内に収容された流体機械において、
分離手段(106)とオイル溜め部(101)との間のオイル通路(143)に減圧手段(140)を設けて潤滑オイル中に溶解している作動流体をガス化させるとともに、減圧手段(140)にて潤滑オイル中からガス化して分離した作動流体を流体通路(111d、121a)に導くガス逃がし通路(144、145、145A)を備えていることを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、潤滑オイル中から溶解冷媒を減圧脱泡して取り除く簡単な機構として、減圧手段(140)とガス逃がし通路(144、145、145A)とをハウジング(121、131)内に構成することにより、粘度の高い潤滑オイルを摺動部(113c、113d、118b)へ供給することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の流体機械において、減圧手段(140)は、潤滑オイルの流通方向に複数の網状板部材(140a)を積層して構成していることを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、潤滑オイル通過時の圧力損失を試算して見積もることが容易であり、潤滑オイルや作動流体の性状に最適な網状板部材(140a)を設計して構成することが容易となる。また、流通する潤滑オイルから摺動部で発生した摩耗粉などを除去するフィルタ効果を持たせることができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の流体機械において、減圧手段(140)は、潤滑オイルの流通方向にポーラス状の多孔体(140b)で構成していることを特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、ポーラス状の多孔体(140b)は安価であり、少量の使用で大きな減圧効果が見込めるため、ハウジング(131)内に構成するのが容易となる。また、流通する潤滑オイルから摺動部で発生した摩耗粉などを除去する高いフィルタ効果を持たせることができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械において、ガス逃がし通路(145A)中にガスポンプ(146)を備えていることを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、ガス逃がし通路(145A)側からガスポンプ(146)で吸引することにより、減圧手段(140)での減圧脱泡をより促進させることができる。なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜4を用いて詳細に説明する。まず図1は、本発明の実施形態に係るシステム全体を示す模式図である。本実施形態は、本発明に係る流体機械を冷媒ポンプ一体型膨張発電機(以下、ポンプ膨張発電機と略す)100として、車両用冷凍サイクル30の凝縮器32および気液分離器33が共用されるランキンサイクル40に使用している。
ポンプ膨張発電機100は、膨張機(本発明で言う膨張部)110、電動機および発電機としてのモータジェネレータ(本発明で言う回転電機部)120、冷媒ポンプ130が一体的に構成されたものである。以下、全体のシステム構成について説明する。まず、冷凍サイクル30について簡単に説明すると、冷凍サイクル30は、低温側の熱を高温側に移動させて冷熱および温熱を空調に利用するものであり、圧縮機31、凝縮器32、気液分離器33、減圧器34、蒸発器35が順次環状に接続されて形成されている。
圧縮機31は、駆動ベルト12、プーリ31a、電磁クラッチ31bを介して車両走行用のエンジン10の駆動力が伝達されて作動し、冷凍サイクル30内の冷媒を高温高圧に圧縮するものである。凝縮器32は、圧縮機31で高温高圧に圧縮された冷媒を冷却して、凝縮液化する熱交換器である。なお、ファン32aは、凝縮器32に冷却風(外気)を送るものである。気液分離器33は、凝縮器32で凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出させるレシーバである。
減圧器34は、気液分離器33で分離された液相冷媒を減圧膨脹させる膨張弁である。蒸発器35は、減圧器34にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮する熱交換器であり、空調ケース30a内に配設されている。そして、送風機35aによって空調ケース30a内に供給される空調用空気(外気あるいは内気)を冷却する。
そして、ランキンサイクル40は、エンジン10で発生した廃熱からエネルギー(膨張機110にて発生される駆動力)を回収するものであり、上記冷凍サイクル30に対して、凝縮器32、気液分離器33が共用されて形成されている。すなわち、凝縮器32と気液分離器33とをバイパスするバイパス流路41が設けられており、このバイパス流路41の気液分離器33側から冷媒ポンプ130、加熱器42、膨張機110が配設されており、凝縮器32に繋がることでランキンサイクル40が形成されている。
冷媒ポンプ130は、ランキンサイクル40内の冷媒(本発明で言う作動流体であり、冷凍サイクル30内の冷媒と同一)を後述する加熱器42側へ圧送して循環させるものであり、詳細についてはポンプ膨張発電機100として後述する。加熱器42は、冷媒ポンプ130から圧送される冷媒と、エンジン10に設けられた温水回路20内を循環するエンジン冷却水(温水)との間で熱交換することにより、冷媒を加熱する(冷媒を過熱蒸気冷媒とする)熱交換器である。
なお、温水回路20には、エンジン冷却水を循環させる電動式の水ポンプ21、エンジン冷却水と外気との間で熱交換してエンジン冷却水を冷却するラジエータ22、およびエンジン冷却水を加熱源として空調用空気を加熱するヒータコア23が設けられている。また、ラジエータ22には、ラジエータバイパス流路22aが設けられており、エンジン冷却水の温度に応じて弁部が開閉するサーモスタット22bによってラジエータ22を流通するエンジン冷却水の流量が調節されるようになっている。
なお、ヒータコア23は、蒸発器35とともに空調ケース30a内に配設されており、蒸発器35とヒータコア23とによって空調用空気は、乗員が設定する設定温度に調整される。膨張機110は、上記加熱器42から流出される過熱蒸気冷媒(本発明で言う気相状態となった作動流体)の膨張によって駆動力を発生するものであり、詳細についてはポンプ膨張発電機100として後述する。
そして、上記冷凍サイクル30、ランキンサイクル40内の各種機器の作動を制御するための通電制御回路50が設けられている。通電制御回路50は、インバータ51と制御機器52とを有している。インバータ51は、モータジェネレータ120の作動を制御するものである。
すなわち、モータジェネレータ120を電動機として作動させる時には、車両用のバッテリ11からモータジェネレータ120に供給する電力を制御する。また、モータジェネレータ120が膨張機110の駆動力によって発電機として作動される時には、発電される電力をバッテリ11に充電するものである。また、制御機器52は、上記したインバータ51の作動を制御するとともに、冷凍サイクル30およびランキンサイクル40を作動させる際に電磁クラッチ31b、ファン32a、膨張機110内の図示しない均圧弁などを併せて制御するものである。
次に、ポンプ膨張発電機100の構成について図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施形態におけるポンプ膨張発電機100を示す断面図である。ポンプ膨張発電機100は、膨張機110と、モータジェネレータ120と、冷媒ポンプ130とが同軸上で連結され、一体的に構成されている。ポンプ膨張発電機100は、作動軸が天地方向となり、上から下に向けて順に膨張機110、モータジェネレータ120、冷媒ポンプ130となるように配設されている。
膨張機110は、周知のスクロール型圧縮機構と同一構造を有するものであり、具体的には、スクロールハウジング(本発明で言うハウジング)を成すトップハウジング111と、旋回側ハウジング(本発明で言うハウジング)を成すミドルハウジング117との間に、固定側の固定スクロール112、この固定スクロール112に対向して旋回変位する旋回スクロール113、図示しない高圧室から作動室Vに繋がる流入ポート115、図示しない連通路を開閉する前記均圧弁などから成るものである。
固定スクロール112は、板状の基板部112aおよび基板部112aから旋回スクロール113側に突出した渦巻状の歯部112bを有して構成され、一方、旋回スクロール113は、上記歯部112bに接触して噛み合う渦巻状の歯部113b、およびこの歯部113bが形成された基板部113aを有して構成されており、両歯部112b、113bが接触した状態で旋回スクロール113が旋回することにより、両スクロール112、113により形成される作動室Vの体積が拡大縮小するようになっている。
旋回スクロール113とミドルハウジング117との間には、後述する冷媒中の潤滑オイルが供給されて、旋回スクロール113の滑らかな旋回運動を助ける摺動プレート(本発明で言う摺動部)113cが介在されている。シャフト118は、ミドルハウジング117に固定されたベアリング(本発明で言う摺動部)118bによって回転可能に支持されている。また、ベアリング118b下方のミドルハウジング117には、シャフト118との間をシールして潤滑オイルの漏れを阻止するオイルシール109が設けられている。
シャフト118は、一方の長手方向端部に、回転中心軸に対して偏心したクランク部118aを有するクランクシャフトである。このクランク部118aは、ベアリング(本発明で言う摺動部)113dを介して旋回スクロール113に連結されている。また、自転防止機構119は、シャフト118が1回転する間に旋回スクロール113がクランク部118a周りに1回転するようにするものである。
このため、シャフト118が回転すると、旋回スクロール113は、自転せずにシャフト118の回転中心軸周りを公転旋回する。そして、作動室Vは、例えばシャフト118の回転(モータジェネレータ120からの駆動力)に伴い、もしくは、加熱器42からの過熱蒸気冷媒の膨張によって、旋回スクロール113の中心側から外径側に変位するほど、その体積が拡大するように変化する。
流入ポート115は、基板部112aの中心部に設けられており、前記高圧室と最小体積となる作動室Vとを連通させ、前記高圧室に導入された高温高圧の冷媒、つまり過熱蒸気冷媒を作動室Vに導くポートである。前記高圧室には、加熱器42に接続される図示しない高圧ポートが設けられている。また、膨張機110から凝縮器32に接続される低圧ポート(本発明で言う流体通路)121aは、後述するモータハウジング(本発明で言うハウジング)121の上方(膨張機110側)に設けられている。
そして、低圧ポート121aの反対側となるモータハウジング121の側方には、膨張機110の両スクロール112、113の低圧側(スクロールの外周側)から下方に向けて延びて、モータハウジング121内の上方に繋がる吐出ガス通路(本発明で言う流体通路)116を設けている。よって、低圧ポート121aと膨張機110の低圧側(スクロールの外周側)との間は、吐出ガス通路116と、モータハウジング121内の空間とによって連通されるようになっている。
前記均圧弁は、ランキンサイクル40内の異常発生時(例えば、モータジェネレータ120の回転数異常や制御不能などの場合)に、前記高圧室と両スクロール112、113の低圧側とを繋ぐ前記連通路を強制的に開くことで、作動室V内での過熱蒸気冷媒の膨張作動が成されないようにして、膨張機110を安全且つ確実に停止させるための弁である。なお、前記均圧弁の具体的な構造および作動は、説明を省略する。
モータジェネレータ120は、ステータ122およびステータ122内で回転するロータ123などから成るものであり、ミドルハウジング117の下方に接続されるモータハウジング121内に収容されている。ステータ122は、巻き線が巻かれたステータコイルであり、モータハウジング121の内周面に固定されている。
ロータ123は、永久磁石が埋設されたマグネットロータであり、モータ軸124に固定されている。モータ軸124の一端側は、上記膨張機110のシャフト118に接続されており、他端側は、直径が細くなるように形成されて、後述する冷媒ポンプ130のポンプ軸132に接続されている。
そして、モータジェネレータ120は、ランキンサイクル40の起動時において、バッテリ11からインバータ51を介して、ステータ122に電力が供給されることで、ロータ123を回転させて、膨張機110、および後述する冷媒ポンプ130を駆動するモータ(電動機)として作動する。
また、モータジェネレータ120は、膨張機110の膨張時に発生した駆動力によってロータ123を回転させるトルクが入力されると、冷媒ポンプ130を駆動するとともに、膨張機110での発生駆動力が冷媒ポンプ130用の駆動力を超えた時に、電力を発生させるジェネレータ(発電機)として作動する。そして、得られた電力は、インバータ51を介してバッテリ11に充電されるようになっている。
冷媒ポンプ130は、ローリングピストン型のポンプであり、モータジェネレータ120の反膨張機側に配設され、モータハウジング121の下方に接続されるポンプハウジング(本発明で言うハウジング)131内に収容されている。冷媒ポンプ130は、ポンプハウジング131の内部に形成されたシリンダ内にロータ134およびベーン135などを有している。
シリンダは、シリンダブロック133の中心部で、断面円形に穿設されて形成されている。ポンプ軸132は、上記モータ軸124と接続されており、シリンダブロック133を挟み込む端板137A、137Bのうち、下側の端板137Bに固定されたベアリング132bによって回転可能に支持されている。
ベアリング132bは、冷媒ポンプ130の主たる摺動部となる。ポンプ軸132には、このポンプ軸132に対して偏心した円形のカム部132aが形成されており、このカム部132aの外周側には扁平円筒状のロータ134が装着されている。ロータ134の外径は、シリンダの内径より小さく設定されてシリンダ内に挿入されており、ロータ134はカム部132aによってシリンダ内を公転する。
また、ロータ134の外周部には、ロータ134の半径方向に摺動可能として中心側に押圧されてロータ134に当接するベーン135が設けられている。そして、シリンダ内において、ロータ134およびベーン135によって囲まれる空間がポンプ作動室として形成されている。
シリンダブロック133には、ベーン135に近接して、このベーン135を挟むようにシリンダ内に連通する冷媒流入部および冷媒流出部(いずれも図示省略)が設けられている。冷媒流入部は、ポンプハウジング131を貫通する図示しない吸入ポートに接続されており、冷媒流出部は、図示しない吐出弁を介して、ポンプハウジング131とシリンダブロック133(端板137A、137B)との間に形成される高圧室136に連通している。
そして、高圧室136は、ポンプハウジング131のモータジェネレータ120側となる側壁に形成された図示しない吐出ポートに繋がっている。この冷媒ポンプ130において冷媒は、ロータ134の公転作動によって吸入ポート、冷媒流入部からポンプ作動室に流入され、冷媒流出部、吐出弁、高圧室136を経て吐出ポートから吐出される。なお、モータジェネレータ120と冷媒ポンプ130との間となるモータ軸124(ポンプ軸132)には、両者120、130間をシールして潤滑オイルの漏れを阻止するオイルシール107が設けられている。
本実施形態のポンプ膨張発電機100においては、ポンプ膨張発電機100内を冷媒とともに循環する潤滑オイルを溜めるとともに、その潤滑オイルの粘度を高めて摺動部に供給するための手段を備えている。その一部として、モータジェネレータ120のモータハウジング121の側壁には、上下方向に延びるオイル分離室(本発明で言う流体通路、オイル通路)111dが設けられている。
オイル分離室111dの上端側は、外部に開口して低圧ポート121aを形成している。また、低圧ポート121aの直下において、モータハウジング121に穿設された連通孔(本発明で言う流体通路)111eによって、モータハウジング121内とオイル分離室111d内とが連通されている。
連通孔111eと低圧ポート121aとの間には、分離手段としてのオイルセパレータ(遠心分離機、本発明で言う分離手段)106が設けられている。オイルセパレータ106は、上下方向に延びて、オイル分離室111dの内径よりも小径となる円筒状のパイプ部材から形成されている。
パイプ部材の上端側は大径部として形成されており、この大径部の外周面がオイル分離室111dの内周面に当接して、連通孔111eと低圧ポート121aとの間が閉塞されるとともに、パイプ部材の内部空間によって連通孔111eと低圧ポート121aとが連通されるようになっている。
そして、オイル分離室111dの下端側は、冷媒ポンプ130の下側に位置するオイル溜め部101内に連通している。つまり、ポンプハウジング131において、高圧室136の下側空間はオイル溜め部101として形成されている。そして、冷媒ポンプ130のシリンダブロック133を上下に挟み込む2つの端板137A、137Bのうち、下側となる端板137Bの下面には、高圧室136内に位置しつつオイル溜め部101と連通して、ポンプ軸132の回転に伴って作動するオイルポンプ105が設けられている。
このオイルポンプ105は、内歯歯車(アウタロータ)内で外歯歯車(インナロータ)が噛み合いながら公転して、流体(潤滑オイル)を圧送するトロコイドポンプ(ギアポンプ)としている。上記の両歯車が上側のポンプケース108Aの窪み部内に収容され、下側からポンプケース108Bで挟みこむ構造となっている。そして、下側のポンプケース108Bには、オイル溜め部101とオイルポンプの作動室とを繋ぐオイル吸入孔138が穿設されている。
一体的に形成されたシャフト118、モータ軸124、ポンプ軸132の内部には、下端から上端まで長手方向に連通するシャフト通路(本発明で言うオイル供給路)103が形成されている。シャフト通路103の下端はオイルポンプ105と連通し、上端はベアリング113d、118bに給油しつつ、摺動プレート113cを通ってモータハウジング121内に連通している。
つまり、オイル吸入孔138→オイルポンプ105→シャフト通路103と順次連通してオイル供給路102を形成し、このオイル供給路102から摺動部113c、113d、118b→吐出ガス通路116→モータハウジング121の内部→連通孔111e→オイル分離室111d→オイル溜め部101が順次連通して潤滑オイルの循環通路を形成している。
次に、上述した構造のポンプ膨張発電機100における本実施形態の特徴的な構造について説明する。本実施形態のポンプ膨張発電機100は、オイルセパレータ106とオイル溜め部101との間のオイル通路143に、フィルタ(本発明で言う減圧手段)140を設けている。
具体的には、図2に示すように、オイル分離室111dの下方に穿設されたオイル通路143とオイル溜め部101とが交わる部分に仕切り部材141を設けてオイル流路を迂回させる構造とし、その迂回部分にフィルタ140を配設している。なお、フィルタ140はポンプハウジング131の下方から組み付けられ、その挿入孔は蓋部材142で密閉される構造となっている。
本実施形態でのフィルタ140は、ポリエステル樹脂などの不織布を積層圧縮して円柱状に形成したものを用いているが、これに限らず、図3(a)に示すように、ステンレスなどの金属材料やナイロン6、ナイロン66などの樹脂材料で形成した網状板部材140aを複数積層したものや、図3(b)に示すように、金属粉の焼結体やセラミックの多孔体などポーラス状の多孔体140bを用いても良い。
オイル通路143からの潤滑オイルがこのフィルタ140を通過することにより、減圧されて潤滑オイル中に溶解している冷媒がガス化し、泡となって分離された冷媒は、フィルタ140の上に形成されたガス逃がし通路144、145を通ってオイルセパレータ106近傍のオイル分離室111d内に戻されるようになっている。
そして、溶解冷媒を減圧脱泡にて取り除き、粘度の高くなった潤滑オイルが、仕切り部材141下端の小穴からオイル溜め部101内に流入して溜められるようになっている。図4は、潤滑オイルの冷媒溶解度毎の温度に対する動粘度の変化を示すグラフである。例えば、50℃の温度状態において圧力を0.95MPaから0.85MPaまで低下させることができれば、冷媒溶解度が低くなり、動粘度は5ctsから8ctsと60%向上させることができる。
次に、本実施形態におけるポンプ膨張発電機100の作動の概要について説明する。ランキンサイクル40の作動時に、ポンプ膨張発電機100内においては、加熱器42によって加熱された高圧の過熱蒸気冷媒が前記高圧ポートから前記高圧室に流入し、以下、流入ポート115→作動室V→両スクロール112、113の低圧側(スクロールの外周側)を経てモータハウジング121内に至る。
そして、過熱蒸気冷媒は、モータハウジング121内から連通孔111eを通り、オイル分離室111dに流入する。オイル分離室111dにおいて過熱蒸気冷媒は、オイルセパレータ106の外周面に沿って旋回しながら下方へ流れる。この時、過熱蒸気冷媒中に含まれる潤滑オイルは、冷媒に対して比重量が大きいことから、冷媒から分離されてオイル分離室111dの内周面に集まり、重力によって下方へ流れる。
そして、フィルタ140で減圧脱泡された潤滑オイルはオイル溜め部101に溜められ、分離された冷媒はガス逃がし通路144、145を通ってオイル分離室111d内に戻される。一方、オイルセパレータ106によって潤滑オイルが分離された後の過熱蒸気冷媒は、オイルセパレータ106のパイプ部材の内部空間を通って低圧ポート121aから流出する。
オイル溜め部101に溜められた潤滑オイルは、ポンプ軸132の回転に伴って作動するオイルポンプ105により、オイル吸入孔138から吸引されてシャフト通路103内に流入する。シャフト通路103内を流通する潤滑オイルは、クランク部118aの端面からベアリング113d、118bおよび摺動プレート113cに供給されてモータハウジング121内に至る。
このとき潤滑オイルは、膨張機110から吐出されてモータハウジング121内に流入する過熱蒸気冷媒と合流して加熱されることになり、潤滑オイルの粘度が高められる。そして、潤滑オイルは過熱蒸気冷媒とともに連通孔111eからオイル分離室111dに流入して、更に下流側となるオイルセパレータ106に至り、上記循環を繰り返す。
これにより、上から順に膨張機110、モータジェネレータ120、冷媒ポンプ130を配置する場合に、モータハウジング121内から連通するオイル分離室111dと、オイル供給路102とによって循環通路が形成され、オイルポンプ105によって潤滑オイルが循環される。
次に、本実施形態の特徴と、その効果について述べる。まず、オイルセパレータ106とオイル溜め部101との間のオイル通路143に減圧手段としてのフィルタ140を設けて潤滑オイル中に溶解している冷媒をガス化させるとともに、フィルタ140にて潤滑オイル中からガス化して分離した冷媒をオイル分離室111dに導くガス逃がし通路144、145を備えている。
これによれば、潤滑オイル中から溶解冷媒を減圧脱泡して取り除く簡単な機構として、フィルタ140とガス逃がし通路144、145とをハウジング121、131内に構成することにより、粘度の高い潤滑オイルを摺動部113c、113d、118bへ供給することができる。また、フィルタ140は、潤滑オイルの流通方向に複数の網状板部材140aを積層して構成している。
これによれば、潤滑オイル通過時の圧力損失を試算して見積もることが容易であり、潤滑オイルや冷媒の性状に最適な網状板部材140aを設計して構成することが容易となる。また、流通する潤滑オイルから摺動部で発生した摩耗粉などを除去するフィルタ効果を持たせることができる。
また、フィルタ140は、図3(b)に示すように、潤滑オイルの流通方向にポーラス状の多孔体140bで構成しても良い。これによれば、ポーラス状の多孔体140bは安価であり、少量の使用で大きな減圧効果が見込めるため、ハウジング131内に構成するのが容易となる。また、流通する潤滑オイルから摺動部で発生した摩耗粉などを除去する高いフィルタ効果を持たせることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機を示す模式図である。なお、本実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。本実施形態では、ガス逃がし通路145Aとして、その上側端をオイル分離室111dではなく、低圧ポート121aに接続するとともに、そのガス逃がし通路145A中にガスポンプ146を備えたものである。
ガスポンプ146はモータ147によって駆動され、モータ147は制御機器52によって制御される。なお、ガスポンプ146は、ローリングピストン型、トロコイド型、もしくはその他の形式のポンプであっても良く、形式を問うものではない。これによれば、ガス逃がし通路145A側からガスポンプ146で吸引することにより、フィルタ140での減圧脱泡をより促進させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態においては、加熱器42における加熱源として、車両走行用のエンジン10のエンジン冷却水としたが、これに限らず、例えば、外燃機関、燃料電池車両の燃料電池スタック、各種モータ、インバータなどのように作動時に発熱を伴い、温度制御のためにその熱の一部を捨てるもの(廃熱が発生するもの)であれば、広く適用することができる。
また、上述の各実施形態では、膨張機110をスクロール型、冷媒ポンプ130をローリングピストン型、オイルポンプ105をトロコイド型としたが、その他の形式のものであっても良く、形式を問うものではない。
本発明の実施形態に係るシステム全体を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機100を示す断面図である。 フィルタ140の例として、(a)は網状板部材140a、(b)はポーラス状の部材140bを示す斜視図である。 潤滑オイルの冷媒溶解度毎の温度に対する動粘度の変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機100を示す模式図である。
符号の説明
101…オイル溜め部
103…シャフト通路(オイル供給路)
105…オイルポンプ
106…オイルセパレータ(分離手段)
110…膨張機(膨張部)
111…トップハウジング(ハウジング)
111d…オイル分離室(流体通路、オイル通路)
111e…連通孔(流体通路)
113c…摺動プレート(摺動部)
113d…ベアリング(摺動部)
116…吐出ガス通路(流体通路)
117…ミドルハウジング(ハウジング)
118b…ベアリング(摺動部)
120…モータジェネレータ(回転電機部)
121…モータハウジング(ハウジング)
121a…低圧ポート(流体通路)
131…ポンプハウジング(ハウジング)
140…フィルタ(減圧手段)
140a…網状板部材
140b…ポーラス状の多孔体
143…オイル通路
144、145、145A…ガス逃がし通路
146…ガスポンプ

Claims (4)

  1. 加熱されて気相状態となった作動流体の膨張によって駆動力を発生する膨張部(110)と、
    前記膨張部(110)の下側に配設されて前記膨張部(110)とともに作動する回転電機部(120)と、
    前記回転電機部(120)の下側に配設されて前記作動流体から分離された潤滑オイルを溜めるオイル溜め部(101)と、
    前記膨張部(110)から吐出される前記作動流体を機外へ導く流体通路(111d、111e、116、121a)と、
    前記流体通路(111d)中に配設されて前記作動流体に含まれる前記潤滑オイルを分離する分離手段(106)と、
    前記分離手段(106)で分離された前記潤滑オイルを前記オイル溜め部(101)に導くオイル通路(111d、143)と、
    前記オイル溜め部(101)に溜められた前記潤滑オイルを前記膨張部(110)の摺動部(113c、113d、118b)に供給するオイル供給路(103)と、
    前記オイル供給路(103)内に前記潤滑オイルを圧送するオイルポンプ(105)とがハウジング(111、117、121、131)内に収容された流体機械において、
    前記分離手段(106)と前記オイル溜め部(101)との間の前記オイル通路(143)に減圧手段(140)を設けて前記潤滑オイル中に溶解している前記作動流体をガス化させるとともに、
    前記減圧手段(140)にて前記潤滑オイル中からガス化して分離した前記作動流体を前記流体通路(111d、121a)に導くガス逃がし通路(144、145、145A)を備えていることを特徴とする流体機械。
  2. 前記減圧手段(140)は、前記潤滑オイルの流通方向に複数の網状板部材(140a)を積層して構成していることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記減圧手段(140)は、前記潤滑オイルの流通方向にポーラス状の多孔体(140b)で構成していることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  4. 前記ガス逃がし通路(145A)中にガスポンプ(146)を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械。
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