JP2013238190A - 圧縮機 - Google Patents

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孝義 室野
Yohei Nishide
洋平 西出
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Abstract

【課題】潤滑油と分離しやすい冷媒を用いたとしても、簡易な構造によって、冷媒と潤滑油とを極力混合できる圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機構15と、駆動モータ16と、内部に軸方向に延びる給油孔61が形成されているシャフト17と、底部に、シャフト17の下端が浸かり圧縮機構15の摺動部分を含む摺動部に供給される潤滑油を貯留するための油貯留部Pが形成されている圧縮機ケーシング10と、摺動部に供給された潤滑油を油貯留部Pへと戻す返油路と、を備える。返油路の一部は、圧縮機ケーシング10の外部に配置される外部管71を含む返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3によって形成されている。返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3を流れる潤滑油が、油貯留部Pにおいて、上向き又は下向きに流れるような潤滑油出口構造をさらに備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、特許文献1(特開2010−285930号公報)に開示の圧縮機のように、その底部に、圧縮機構の摺動部分を含む摺動部の潤滑性を高めるための潤滑油を貯留する油溜まり空間が形成されている圧縮機が存在している。この圧縮機では、圧縮機構と駆動モータとを連結する駆動軸の内部に、潤滑油の給油通路となる給油孔が形成されている。
特許文献1に開示のような圧縮機では、圧力状態や温度状態によっては、油溜まり空間において、冷媒と潤滑油とが分離してしまうことが考えられる。そして、潤滑油の下側に冷媒が位置するように分離してしまうと、給油孔において、冷媒が多く流れ潤滑油があまり流れないことが懸念される。このため、摺動部において潤滑不良が生じることが懸念される。特に、潤滑油と分離しやすい冷媒を用いた場合には、この傾向が顕著になることが懸念される。
そこで、本発明の課題は、潤滑油と分離しやすい冷媒を用いたとしても、簡易な構造によって、冷媒と潤滑油とを極力混合できる圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置の圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動する駆動モータと、中空形状のシャフトと、圧縮機ケーシングと、返油路と、を備える。シャフトは、圧縮機構及び駆動モータに連結され、内部に軸方向に延びる孔が形成されている。圧縮機ケーシングは、圧縮機構と駆動モータとシャフトとを収容し、底部に、シャフトの下端が浸かり圧縮機構の摺動部分を含む摺動部に供給される潤滑油を貯留するための油貯留部、が形成されている。返油路は、摺動部に供給された潤滑油を油貯留部へと戻す。返油路の一部は、圧縮機ケーシングの外部に配置される外部管、を含む返油管の内部空間によって形成されている。また、返油管の内部空間を流れる潤滑油が、油貯留部において、上向き又は下向きに流れるような潤滑油出口構造、をさらに備えている。
本発明では、返油管の内部空間を流れる潤滑油が、油貯留部において、上向き又は下向きに流れるような潤滑油出口構造を有していることにより、油貯留部に貯留された潤滑油において、上下方向の流れを発生させることができる。これにより、潤滑油と分離しやすい冷媒を用い、冷媒と潤滑油とが分離したとしても、冷媒と潤滑油とを攪拌することができ、混合できる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置の圧縮機は、本発明の第1観点に係る圧縮機であって、返油管は、外部管と、外部管に連結され圧縮機ケーシング内に位置する連結管と、によって形成されている。連結管には、出口開口が形成されている。出口開口は、潤滑油を油貯留部に流出させるための開口であって上向き又は下向きに開口している。この出口開口は、潤滑油出口構造を形成している。
本発明では、返油管がこのような構成を有することにより、簡易に、油貯留部において上下方向の流れを発生させることができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置の圧縮機は、本発明の第1観点に係る圧縮機であって、箱状部材をさらに備えている。箱状部材は、圧縮機ケーシング内に配置され、上面又は下面が開口し連結管の一部を覆う。箱状部材は、潤滑油出口構造を形成している。返油管は、外部管と、外部管に連結され圧縮機ケーシング内に位置する連結管と、によって形成されている。連結管には、水平方向に向かって開口する出口開口が形成されている。
本発明では、返油管の一部(連結管)を、上面又は下面が開口している箱状部材で覆うことによって、水平方向に流れる潤滑油を、油貯留部において、上向き又は下向きに流れるようにすることができる。このように、箱状部材を用いることにより、簡易に、油貯留部において、上下方向の流れを発生させることができる。
本発明に係る圧縮機では、潤滑油と分離しやすい冷媒を用いたとしても、簡易な構造によって、冷媒と潤滑油とを極力混合できる。
本発明の一実施形態に係る圧縮機を備える空気調和装置の冷媒回路図。 圧縮機の縦断面図。 室外ユニットの内部の概略の正面模式図。 変形例Bに係る圧縮機の縦断面図。 覆い部材の概略斜視図。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る圧縮機の一実施形態に係る圧縮機101を備える空気調和装置1について説明する。
(1)空気調和装置1
(1−1)構成
図1は、本発明に係る室外ユニット2を備える冷凍装置の一例としての空気調和装置1の冷媒回路図である。図2は、圧縮機101の縦断面図である。図3は、室外ユニット2の内部の概略の正面模式図である。尚、以下の説明においては、図2に示す駆動モータ16の中心軸線O−Oに沿った方向を軸方向又は上下方向とし、軸方向に直交する方向を径方向とする。
空気調和装置1は、図1に示すように、冷房運転が可能となるように構成された冷媒回路5を有し、冷媒回路5内に冷媒を循環させることによって冷凍サイクルを行う。尚、本実施形態では、冷媒として、R32冷媒を使用している。冷媒回路5は、室外ユニット2が有する室外側冷媒回路5aと、室内ユニット4が有する室内側冷媒回路5bとから構成されている。室外側冷媒回路5aは、圧縮機101と、熱源側熱交換器102と、膨張機構103とを有している。室内側冷媒回路5bは、利用側熱交換器104を有している。室外ユニット2と室内ユニット4とは、冷媒連絡配管7,8によって接続されている。ここで、室外ユニット2は、側面及び背面から空気を吸い込んで上方へと吹き出す上吹出型のユニット(図3を参照)であり、略直方体形状の本体ケーシング20(図3を参照)の内部に、圧縮機101、熱源側熱交換器102、及び、膨張機構103が配置されるように、構成されている。
圧縮機101は、冷媒を圧縮するために用いられるスクロール圧縮機である。圧縮機101は、高低圧ドーム型の圧縮機であって、互いに噛合する2つのスクロールの少なくとも一方のスクロールが自転することなく他方のスクロールに対して公転することにより、冷媒を圧縮する。尚、圧縮機101の具体的な構成については、後に詳述する。
熱源側熱交換器102は、室外ユニット2の本体ケーシング20内において、背面及び側面に沿って配置され、平面視において、コの字形状を有している。熱源側熱交換器102は、冷却源としての空気と、熱源側熱交換器102内を流れる冷媒との間で熱交換を行わせ、圧縮機101から吐出された高圧の冷媒を冷却する凝縮器である。尚、熱源側熱交換器102を通過する空気流A(図3を参照)は、ファン105(図1及び図3を参照)によって生成されている。ファン105は、室外ユニット2の本体ケーシング20内の上方部分に配置されている。
膨張機構103は、例えば、電動膨張弁であり、熱源側熱交換器102において冷却された高圧の冷媒を、利用側熱交換器104に送る前に、冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する。
利用側熱交換器104は、膨張機構103によって減圧された低圧の冷媒を加熱して蒸発させる蒸発器である。利用側熱交換器104は、加熱源としての空気と、利用側熱交換器104内を流れる冷媒との間で熱交換を行わせる。尚、利用側熱交換器104を通過する空気流れは、ファン106によって生成される。
(1−2)動作
以上のような冷媒回路5を有する空気調和装置1の冷房運転時の動作を、図1を用いて、冷媒回路5を循環する冷媒の流れに基づいて説明する。
まず、圧縮機101が駆動されると、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機101に吸入される。圧縮機101に吸入された低圧の冷媒は、圧縮機101によって冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮されて吐出される。圧縮機101から吐出された高圧の冷媒は、熱源側熱交換器102に送られる。熱源側熱交換器102に送られた高圧の冷媒は、熱源側熱交換器102内で外部の空気と熱交換されて冷却される。冷却された高圧の冷媒は、膨張機構103に送られる。膨張機構103に送られた高圧の冷媒は、膨張機構103を通過する際に減圧されて、冷凍サイクルにおける低圧且つ気液二相状態の冷媒となり、冷媒連絡配管7を通じて利用側熱交換器104に送られる。利用側熱交換器104に送られた低圧且つ気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器104内で外部の空気と熱交換されて加熱され蒸発する。加熱された低圧の冷媒は、冷媒連絡配管8を介して再び圧縮機101に吸入される。このようにして、空気調和装置1は、冷媒回路5内で冷媒を循環させて、冷房運転を行う。
(2)圧縮機101の詳細
(2−1)構成
圧縮機101は、室外ユニット2の本体ケーシング20内において、本体ケーシング20の底部を構成する底板20a(図3を参照)に載置されている。圧縮機101は、図2に示されるように、圧縮機ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、上部軸受33と、オルダム継手39と、駆動モータ16と、下部軸受60と、油分離板65と、シャフト17と、ガスガイド58と、返油管70と、を有している。圧縮機101は、圧縮機ケーシング10の内部空間に、圧縮機構15、ハウジング23、上部軸受33、オルダム継手39、駆動モータ16、下部軸受60、油分離板65、シャフト17、ガスガイド58、及び、返油管70の一部、が収容された密閉型構造を有している。以下、圧縮機101の構成要素について説明する。
(2−1−1)圧縮機ケーシング10
圧縮機ケーシング10は、軸方向に延びる縦型の円筒形状の容器であり、主として、略円筒状の筒状部11と、筒状部11の上端に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、筒状部11の下端に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。圧縮機ケーシング10には、吸入管18及び吐出管19が気密状に溶接されている。吸入管18は、上壁部12を貫通する管状部材であり、圧縮機ケーシング10の外部から圧縮機構15へ、冷媒回路内を循環する冷媒を導入するための部材である。吸入管18は、下端部が固定スクロール24に嵌入されている。吐出管19は、筒状部11に貫通する管状部材であり、高圧空間S1から圧縮機ケーシング10の外部へ、圧縮した冷媒を吐出するための部材である。
圧縮機ケーシング10の内部空間の底部には、潤滑油を貯留するための油貯留部Pが形成されている。潤滑油は、圧縮機101の運転中において、後述する圧縮機構の摺動部分を含む摺動部の潤滑性を良好に保つために、摺動部に供給されるものである。
また、圧縮機ケーシング10の外面の一部は、防音材(図示せず)によって覆われている。防音材は、圧縮機101の運転音が外部に伝わるのを抑制するために設けられており、圧縮機ケーシング10の外面の一部に密着するように設けられている。防音材は、ゴムシートやフェルトから構成されている。
(2−1−2)圧縮機構15
圧縮機構15は、低温低圧の冷媒を吸入し、低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒とした後に吐出する。圧縮機構15は、図2に示すように、シャフト17の上端に連結されている。圧縮機構15は、主として、固定スクロール24と、可動スクロール26とを有している。
(2−1−2−1)固定スクロール24
固定スクロール24は、円板形状の第1鏡板24aと、第1鏡板24aの下面に接続され第1鏡板24aの下面に対して直交する渦巻形状(インボリュート状)の第1ラップ24bとを有している。固定スクロール24には、主吸入孔(図示せず)と、主吸入孔に隣接する補助吸入孔(図示せず)とが形成されている。主吸入孔は、吸入管18の内部空間と、後述する圧縮室40とを連通する孔である。補助吸入孔は、後述する低圧空間S2と、圧縮室40とを連通する孔である。また、第1鏡板24aの中央部には、吐出孔41が形成されている。吐出孔41は、圧縮室40で圧縮された冷媒を吐出するための孔である。また、第1鏡板24aの上面には、吐出孔41と連通する拡大凹部42が形成されている。拡大凹部42は、第1鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる空間である。固定スクロール24の上面には、この拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルト44aにより締結固定されている。そして、拡大凹部42に蓋体44が覆い被せられることにより圧縮機構15の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間45が形成されている。固定スクロール24と蓋体44とは、ガスケット(図示せず)を介して密着させることによりシールされている。また、固定スクロール24には、マフラー空間45と連通し、固定スクロール24の下面に開口する第1連絡通路46が形成されている。
(2−1−2−2)可動スクロール26
可動スクロール26は、第2鏡板26aと、第2鏡板26aの上面に接続され第2鏡板26aの上面に対して直交する渦巻形状(インボリュート状)の第2ラップ26bとを有している。第2鏡板26aの下面中央部には、シャフト17の上端部を軸支する軸受となる上端軸受26cが形成されている。第2鏡板26aには、給油細孔63が形成されている。給油細孔63は、第2鏡板26aの上面外周部と、上端軸受26cの内側の空間とを連通している。
以上のような構成を有する圧縮機構15では、固定スクロール24の第1ラップ24bと可動スクロール26の第2ラップ26bとが噛み合うことにより、第1鏡板24a、第1ラップ24b、第2鏡板26a及び第2ラップ26bによって囲まれる空間である圧縮室40が形成されている。圧縮室40では、可動スクロール26の公転運動によって容積が減少されることにより、冷媒が圧縮される。
(2−1−3)ハウジング23
ハウジング23は、圧縮機構15の下方に配置され、その外周面が圧縮機ケーシング10の内壁に気密状に接合されている。圧縮機ケーシング10の内部空間は、ハウジング23によって、ハウジング23よりも下方の高圧空間S1とハウジング23よりも上方の低圧空間S2とに区画されている。ハウジング23は、ボルト等で固定することによって固定スクロール24を載置し、後述するオルダム継手39を介して、固定スクロール24と共に可動スクロール26を挟持している。また、ハウジング23の外周部には、軸方向に貫通する孔が形成されており、この孔が、第2連絡通路48を形成している。第2連絡通路48は、第1連絡通路46及び高圧空間S1と連通している。
また、ハウジング23には、ハウジング23の上面中央部から下面中央部に向かって軸方向に延びるハウジング貫通孔31が形成されている。ハウジング23のハウジング貫通孔31を形成する貫通孔形成面31bには、上部軸受33が密着して固定されている。尚、上述した上端軸受26cは、ハウジング貫通孔31に位置するように、且つ、上部軸受33の上方に位置するように、形成されている。
(2−1−4)上部軸受33
上部軸受33は、内輪33a、複数の転動体33b及び外輪33cを有する転がり軸受であり、シャフト17の上部を軸支する。
(2−1−5)オルダム継手39
オルダム継手39は、可動スクロール26の自転運動を防止するための環状の部材である。オルダム継手39は、ハウジング23に形成されている長円形状のオルダム溝26dに嵌め込まれている。
(2−1−6)駆動モータ16
駆動モータ16は、シャフト17に連結されており、シャフト17を介して圧縮機構15を駆動するブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、ハウジング23の下方に配置されている。駆動モータ16は、主として、圧縮機ケーシング10の筒状部11の内壁に固定されるステータ51と、このステータ51の径方向内側に回転自在に配置されるロータ52とを有している。ステータ51の内周面とロータ52の外周面との間には、僅かな間隙であるエアギャップが形成されている。
ステータ51は、導線が巻き付けられているコイル部(図示せず)と、コイル部の上方及び下方に形成されているコイルエンド53とを有している。また、ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、且つ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部(図示せず)が形成されている。このコアカット部は、筒状部11とステータ51との間に軸方向に延びるモータ冷却通路55を形成する。
ロータ52には、シャフト17が嵌めこまれている。具体的には、シャフト17は、上端部を除く部分の中心軸が、ロータ52の回転中心を通るように、すなわち、中心軸線O−Oと一致するように、ロータ52に嵌めこまれている。
(2−1−7)下部軸受60
下部軸受60は、駆動モータ16の下方に配設され、シャフト17の下部を軸支する軸受である。下部軸受60は、その外周面が、圧縮機ケーシング10の筒状部11の内壁に気密状に接合されている。
(2−1−8)油分離板65
油分離板65は、平板状の部材であり、下降する冷媒から潤滑油を分離する部材である。油分離板65は、下部軸受60の上端面に固定されている。
(2−1−9)シャフト17
シャフト17は、その上端部の軸心が、上端部を除く部分の軸心に対して、わずかに偏心している形状を有している。シャフト17は、上端部を除く部分の軸心が、中心軸線O−O上に位置する。また、シャフト17は、その上部が、上部軸受33に連結されている。また、シャフト17は、上部軸受33の下方且つ駆動モータ16の上方に位置する外周面において、バランスウェイト56が密着して固定されている。
シャフト17は、上から視て反時計回りに軸回転運動し、その外周面が、上端軸受26c、上部軸受33、及び、下部軸受60と摺動する。シャフト17は、その上端部が上端軸受26cの内側の空間に嵌入することで可動スクロール26と接続されている。
このように、シャフト17に、圧縮機構15(具体的には、可動スクロール26)と、駆動モータ16(具体的には、ロータ52)とが連結されていることによって、駆動モータ16に電流が流されると、まず、ロータ52が回転し、この回転駆動力がシャフト17に伝達されて、シャフト17が回転する。そして、シャフト17が回転することにより、シャフト17に連結される可動スクロール26(圧縮機構15)にロータ52(駆動モータ16)の回転駆動力が伝達されて、可動スクロール26が駆動するようになっている。
また、シャフト17は、内部に、軸方向に延びる給油孔61が形成される中空形状を有している。給油孔61は、油室83に連通している。油室83は、シャフト17の上端面と第2鏡板26aの下面とによって形成される空間である。油室83は、第2鏡板26aの給油細孔63を介して、固定スクロール24と可動スクロール26との摺動部分(本実施形態では、適宜、圧縮機構15の摺動部分という)に連通している。また、油室83は、圧縮室40を介して低圧空間S2に連通する。また、給油孔61は、シャフト17の下端が油貯留部Pに貯留された潤滑油に浸かっており、油貯留部Pにも連通している。
また、シャフト17には、軸方向に延びる給油孔61から分岐する第1給油横孔61a及び第2給油横孔61bが形成されている。第1給油横孔61a及び第2給油横孔61bは、給油孔61に対して直交して形成されている。第1給油横孔61aは、上端軸受26cとシャフト17の外周面との摺動部分に潤滑油が供給されるように形成されている。第2給油横孔61bは、下部軸受60とシャフト17の外周面との摺動部分に潤滑油が供給されるように形成されている。
(2−1−10)ガスガイド58
ガスガイド58は、第2連絡通路48を流れる圧縮冷媒を高圧空間S1に導くための部材である。ガスガイド58は、圧縮機ケーシング10の筒状部11に固定されており、筒状部11の内周面と共に、冷媒を高圧空間S1に導くための空間を形成する。
(2−1−11)返油管70
返油管70は、一部が、圧縮機ケーシング10の外部に配置される配管である。返油管70は、図2に示すように、径方向視においてコの字形状を有し、主として、外部管71と、連結管72とを有している、尚、本実施形態では、外部管71と連結管72とは、一体成形されているが、別体であってもよい。
外部管71は、径方向視においてコの字形状を有し、圧縮機ケーシング10の外面に接続される配管である。外部管71は、返油管70の大半(具体的には、80%以上)を占めており、主として、圧縮機ケーシング10の上部(具体的には、筒状部11の上部)の外面から径方向外側に水平方向に延びる上部水平部73と、圧縮機ケーシング10の下部(具体的には、底壁部13の側部)の外面から径方向外側に水平方向に延びる下部水平部74と、上部水平部73及び下部水平部74の径方向外端同士を連結し軸方向に延びる連結部75とを有している。また、外部管71は、外部管71の外部の空気を冷却源として内部空間IN1を流れる潤滑油を冷却する機能を有している。
連結管72は、外部管71に連結されて圧縮機ケーシング10内に位置する配管であり、外部管71の上部水平部73の径方向内端に連結され水平方向に延びる上部連結管72aと、外部管71の下部水平部74の径方向内端に連結され水平方向に延びる下部連結管72bとを有している。
上部連結管72aは、その内部空間IN2が外部管71の内部空間IN1と連通するように、外部管71に連結されている。また、上部連結管72aは、圧縮機ケーシング10の外面から内面に向かって貫通するように配置されており、その一端(径方向内端)がハウジング23のハウジング貫通孔31に開口するように、さらにハウジング23の外周面から内周面に向かって貫通している。
下部連結管72bは、圧縮機ケーシング10の外面から内面に向かって貫通するように配置されており、その内部空間IN3が、外部管71の内部空間IN1と連通するように、外部管71に連結されている。また、下部連結管72bは、ほとんどの部分(圧縮機ケーシング10を貫通する部分を除く部分)が油貯留部Pに位置しており、潤滑油が水平方向に流れる管状の水平部76と、水平部76の径方向内端の開口を塞ぐ円形状の板状部材である蓋部77とを有している。蓋部77は、平面部が径方向を向くように配置されており、下部連結管72bの内部空間IN3を流れる潤滑油が油貯留部Pにおいてそのまま水平方向に流出しないように、潤滑油の水平方向の進行を抑止する機能を有している。尚、下部連結管72bの内部空間IN3は、水平部76及び蓋部77の内面によって形成されている。
また、下部連結管72bの水平部76には、出口開口78が形成されている。そして、下部連結管72bは、出口開口78が上方に向かって開口するように、配置されている。ここで、出口開口78は、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3を流れる潤滑油を油貯留部Pに流出させる機能を有している。よって、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3を流れる潤滑油は、油貯留部Pにおいて、蓋部77の内面によって水平方向の進行が抑止されて出口開口78を介して上方に向かって流出されることになる。
尚、圧縮機ケーシング10の上部(具体的には、筒状部11の上部)には、上部連結管72aを水平方向に貫通させるための円形状の返油管貫通穴11aが形成されている。また、圧縮機ケーシング10の下部(底壁部13の側部)には、下部連結管72bを水平方向に貫通させるための円形状の返油管貫通穴13aが形成されている。
以上のように、返油管70は、その内部空間IN1,IN2,IN3がハウジング貫通孔31及び油貯留部Pと連通するように構成されており、ハウジング貫通孔31と油貯留部Pとを連通させている。よって、上端軸受26cとシャフト17との摺動部分を潤滑した潤滑油は、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3へと排出され、油貯留部Pへと戻されるようになっている。すなわち、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3は、摺動部に供給された潤滑油を油貯留部Pへと戻す返油路の一部を形成している。返油路には、モータ冷却通路55が含まれる。ここで、摺動部とは、圧縮機構15の摺動部分、上部軸受33とシャフト17との摺動部分、上端軸受26cとシャフト17の摺動部分、及び、下部軸受60とシャフト17の摺動部分を含む部分である。そして、上述の返油路の一部とは、上述したように、上端軸受26cとシャフト17との摺動部分に供給された潤滑油を油貯留部Pへと戻す流路のことである。
(2−2)動作
以下、圧縮機101内における冷媒及び潤滑油の流れについて説明する。
(2−2−1)冷媒の流れ
まず、駆動モータ16が駆動されることによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているシャフト17が、軸回転運動を行う。シャフト17の回転駆動力は、上端軸受26cを介して可動スクロール26に伝達される。尚、シャフト17の上端部の軸心は、中心軸線O−Oに対して偏心し、且つ、可動スクロール26は、オルダム継手39によって自転が防止される。これにより、可動スクロール26は公転運動を行う。
圧縮前の低温低圧の冷媒は、吸入管18から主吸入孔を経由して、又は、低圧空間S2から補助吸入孔を経由して、圧縮機構15の圧縮室40に吸入される。可動スクロール26の公転運動により、圧縮室40は固定スクロール24の外周部から中心部へ向かって移動しながら、その容積が徐々に減少される。その結果、圧縮室40内の冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出孔41からマフラー空間45へ吐出された後、第1連絡通路46及び第2連絡通路48を経由して、高圧空間S1(具体的には、圧縮機構15と駆動モータ16との軸方向における間の空間)へ排出される。尚、圧縮冷媒の一部は、ガスガイド58と圧縮機ケーシング10の筒状部11との間の空間を下方に向かって流れる。そして、この圧縮冷媒は、モータ冷却通路55を通ってさらに下降し、駆動モータ16の下方の空間に到達する。その後、この圧縮冷媒は、流れの向きを反転させて、モータ冷却通路55やエアギャップを上昇し、圧縮機構15と駆動モータ16との軸方向における間の空間に再度流入する。そして、最終的に、圧縮冷媒は、吐出管19から圧縮機ケーシング10の外部に吐出される。
(2−2−2)潤滑油の流れ
まず、駆動モータ16が駆動されることによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているシャフト17が、軸回転運動を行う。シャフト17の軸回転によって圧縮機構15が駆動し、高圧空間S1に圧縮冷媒が吐出されると、高圧空間S1の圧力が上昇する。ここで、シャフト17に形成される給油孔61は、油室83及び給油細孔63を介して低圧空間S2に連通している。これにより、給油孔61の上端部分と下端部分との間において、圧力差が発生する。その結果、給油孔61自体が差圧ポンプとして作用し、油貯留部Pに貯留される潤滑油が給油孔61に吸引されて給油孔61を上昇する。
給油孔61を上昇して油室83まで達した潤滑油は、給油細孔63を経由して、圧縮機構15の摺動部分に供給される。圧縮機構15の摺動部分を潤滑した潤滑油は、低圧空間S2及び圧縮室40に漏れ込む。このとき、元来高温高圧である潤滑油は、低圧空間S2及び圧縮室40に存在する圧縮前の冷媒を過熱する。また、潤滑油は、油滴の状態で圧縮冷媒に含有される。圧縮冷媒に含有される潤滑油は、圧縮冷媒と同じ経路を通って、圧縮室40から高圧空間S1へ吐出される。その後、潤滑油は、圧縮冷媒と共にモータ冷却通路55を下降した後に、一部が油分離板65に衝突する。このとき、油分離板65に付着した潤滑油は、高圧空間S1を落下して油貯留部Pに貯留される。
一方、油貯留部Pから吸引されて給油孔61を上昇する潤滑油の多くは、第1給油横孔61a及び第2給油横孔61bに分流される。第1給油横孔61aに分流される潤滑油及び油室83の潤滑油の一部は、シャフト17の上端部と上端軸受26cとの摺動部分を潤滑した後、一部が、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3に排出され、残りが、シャフト17の上部と上部軸受33との摺動部分に供給される。そして、シャフト17の上部と上部軸受33との摺動部分に供給された潤滑油は、そのまま、油貯留部Pに戻される。他方、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3に排出された潤滑油も、油貯留部Pへ戻される。このとき、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3を流れる潤滑油は、外部管71の内部空間IN1において、外部の空気によって冷却されることになる。また、第2給油横孔61bに分流される潤滑油は、シャフト17の下部と下部軸受60との摺動部分を潤滑して高圧空間S1に漏れ出した後、高圧空間S1を油貯留部Pまで落下する。
以上のように、油貯留部Pに貯留された潤滑油が摺動部に供給されて再度油貯留部Pへと戻るサイクルが繰り返されている。
(3)特徴
従来、特許文献1(特開2010−285930号公報)に開示の圧縮機のように、その底部に、圧縮機構の摺動部分を含む摺動部の潤滑性を高めるための潤滑油を貯留する油溜まり空間が形成されている圧縮機が存在している。この圧縮機では、圧縮機構と駆動モータとを連結する駆動軸の内部に、潤滑油の給油通路となる給油孔が形成されている。
特許文献1に開示のような圧縮機では、圧力状態や温度状態によっては、油溜まり空間において、冷媒と潤滑油とが分離してしまうことが考えられる。そして、潤滑油の下側に冷媒が位置するように分離してしまうと、給油孔において、冷媒が多く流れ潤滑油があまり流れないことが懸念される。このため、摺動部において潤滑不良が生じることが懸念される。特に、本実施形態のように潤滑油と分離しやすい冷媒であるR32冷媒を用いた場合には、この傾向が顕著になることが懸念される。
そこで、本実施形態の圧縮機101では、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3を流れる潤滑油が油貯留部Pにおいて上向きに流出されるような潤滑油出口構造、を有している。具体的には、下部連結管72bの水平部76に、上向きに開口する出口開口78が形成されており、この出口開口78が、潤滑油出口構造を形成している。
このように、本実施形態では、出口開口78が上方に開口するように形成されていることで、油貯留部Pに貯留された潤滑油において、上下方向(軸方向)の流れを発生させることができる。よって、本実施形態のように潤滑油と分離しやすいR32冷媒を用い、温度や圧力条件によって潤滑油と冷媒とが分離したとしても、二層状態に分離した潤滑油と冷媒とを攪拌することができ、これらを混合することができる。よって、給油孔61において、潤滑油を十分に流すことができ、摺動部における潤滑不良の発生を抑制できる。従って、圧縮機101の信頼性を維持できる。
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、出口開口78は、上向きに開口するように形成されると説明したが、これに限られるものではなく、下向きに開口するように形成されていてもよい。この場合、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN3を流れる潤滑油は、油貯留部Pにおいて、下向きに流れることになる。この場合であっても、油貯留部Pに貯留された潤滑油において、上下方向の流れを発生させることができるので、上記と同様の作用効果を得ることができる。尚、本変形例では、密度が大きく下側に溜まりやすい流体を掻き混ぜやすくなるので、より攪拌効果が高くなる。
(4−2)変形例B
図4は、本変形例Bに係る圧縮機201の縦断面図である。図5は、覆い部材280の概略斜視図である。
本発明に係る圧縮機として、上記実施形態の圧縮機101に代えて、図4に示す圧縮機201を採用してもよい。以下、圧縮機201について説明する。尚、圧縮機201の圧縮機101の構成要素と同様の構成要素については、同番号を付し説明を省略し、圧縮機201の圧縮機101と異なる部分についてのみ説明する。
<圧縮機201>
圧縮機201は、室外ユニット2の本体ケーシング20内において、本体ケーシング20の底部を構成する底板20a(図3を参照)に載置されている。圧縮機201は、図4に示されるように、圧縮機ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、上部軸受33と、オルダム継手39と、駆動モータ16と、下部軸受60と、油分離板65と、シャフト17と、ガスガイド58と、返油管270と、覆い部材280と、を有している。圧縮機201は、圧縮機ケーシング10の内部空間に、圧縮機構15、ハウジング23、上部軸受33、オルダム継手39、駆動モータ16、下部軸受60、油分離板65、シャフト17、ガスガイド58、返油管270の一部、及び、覆い部材280が収容された密閉型構造を有している。以下、圧縮機201の構成要素である返油管270及び覆い部材280について説明する。
(返油管270)
返油管270は、一部が、圧縮機ケーシング10の外部に配置される配管である。返油管270は、図4に示すように、径方向視においてコの字形状を有し、主として、外部管71と、連結管272とを有している。尚、本変形例では、外部管71と連結管272とは、一体成形されているが、別体であってもよい。
連結管272は、外部管71に連結されて圧縮機ケーシング10内に位置する配管であり、外部管71の上部水平部73の径方向内端に連結され水平方向に延びる上部連結管72aと、外部管71の下部水平部74の径方向内端に連結され水平方向に延びる下部連結管272bとを有している。
下部連結管272bは、圧縮機ケーシング10の外面から内面に向かって貫通するように配置されており、その内部空間IN4が、外部管71の内部空間IN1と連通するように、外部管71に連結されている。また、下部連結管72bは、ほとんどの部分が油貯留部Pに位置している。
また、下部連結管272bには、出口開口278が形成されている。出口開口278は、水平方向に向かって開口している。ここで、出口開口278は、返油管70の内部空間IN1,IN2,IN4を流れる潤滑油を、覆い部材280の内側の空間ISに流出させる機能を有している。
尚、圧縮機ケーシング10の下部(底壁部13の側部)には、下部連結管72bを水平方向に貫通させるための円形状の返油管貫通穴13aが形成されている。
以上のように、返油管270は、その内部空間IN1,IN2,IN4がハウジング貫通孔31及び油貯留部Pと連通するように構成されており、ハウジング貫通孔31と油貯留部Pとを連通させている。よって、上端軸受26cとシャフト17との摺動部分を潤滑した潤滑油は、返油管270の内部空間IN1,IN2,IN4へと排出され、油貯留部Pへと戻されるようになっている。すなわち、返油管270の内部空間IN1,IN2,IN4は、摺動部に供給された潤滑油を油貯留部Pへと戻す返油路の一部を形成している。
(覆い部材280)
覆い部材280は、図5に示すように、上面281が開口した箱状部材であり、その内面によって内側の空間ISを形成する部材である。覆い部材280は、下部連結管272bの一部(下部連結管272bの圧縮機ケーシング10に貫通している部分を除く部分)且つその上部を除いた部分を覆うように、配置されている。すなわち、覆い部材280の内側の空間ISには、下部連結管272bの一部(下部連結管272bの圧縮機ケーシング10に貫通している部分を除く部分)が位置していることになる。覆い部材280は、4側面のうち圧縮機ケーシング10側の側面であるケーシング側側面282が圧縮機ケーシング10の側部の内面(具体的には、底壁部13の内面)に溶接等により接続されている。ケーシング側側面282には、下部連結管272bを貫通させる貫通孔283が形成されている。
このように、圧縮機201では、覆い部材280は、開口面が上方を向くように配置されている。また、覆い部材280の、下部連結管272bの出口開口278に対向する対向面284は、下部連結管272bの内部空間IN4を流れる潤滑油が油貯留部Pにおいてそのまま水平方向に流出しないように、潤滑油の水平方向の進行を抑止する機能を有している。よって、圧縮機201では、返油管270の内部空間IN1,IN2,IN4を流れる潤滑油は、出口開口278を介して覆い部材280の内側の空間ISに水平方向に流出することになるが、覆い部材280の対向面284によって水平方向の進行が抑止される。そして、覆い部材280は上面281が開口しているので、覆い部材280の内側の空間ISに流出した潤滑油は、油貯留部Pにおいて、上向きに流出されることになる。
以上のように、圧縮機201では、返油管270の内部空間IN1,IN2,IN4を流れる潤滑油が油貯留部Pにおいて上向きに流出されるような潤滑油出口構造、を有している。具体的には、下部連結管272bの一部を覆う箱状部材である覆い部材280が、潤滑油出口構造を形成している。
本変形例では、覆い部材280が配置されていることによって、油貯留部Pに貯留された潤滑油において、上下方向(軸方向)の流れを発生させることができる。よって、潤滑油と分離しやすいR32冷媒を用い、温度や圧力条件によって潤滑油と冷媒とが分離したとしても、二層状態に分離した潤滑油と冷媒とを攪拌することができ、これらを混合することができる。よって、給油孔61において、潤滑油を十分に流すことができ、摺動部における潤滑不良の発生を抑制できる。従って、圧縮機201の信頼性を維持できる。
尚、上記では、覆い部材280は、上面281が開口した箱状部材であると説明したが、これに限られるものではなく、ケーシング側側面282がさらに開口した部材であってもよい。この場合、覆い部材は、この側面開口が圧縮機ケーシング10の側部の内面に沿うように、配置されることになる。
また、上記では、覆い部材280は、上面281が開口した箱状部材であると説明したが、これに限られるものではなく、下面285が開口した箱状部材であってもよい。この場合、返油管270の内部空間IN1,IN2,IN4を流れる潤滑油は、油貯留部Pにおいて、下向きに流出されることになる。よって、この場合であっても、油貯留部Pに貯留された潤滑油において、上下方向の流れを発生させることができるので、上記と同様の作用効果を得ることができる。尚、この場合は、変形例Aに記載したように、油貯留部Pにおける攪拌効果が高くなる。
(4−3)変形例C
上記実施形態では、圧縮機101として、固定スクロール24と可動スクロール26とを含み圧縮機構15を有するスクロール圧縮機を挙げて説明したが、スクロール圧縮機に限られるものではない。
具体的には、本発明は、潤滑油を用いて各摺動部分を潤滑する圧縮機、例えば、ロータリー式の圧縮機やスクリュー式の圧縮機に適用できる。
さらに、上記実施形態では、圧縮機101として、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。
具体的には、本発明は、上部軸受の上方及び下方共に高圧状態となる高圧ドーム型の圧縮機であっても適用できるし、上部軸受の上方が高圧よりも低い圧力であって低圧よりも高い中間圧の状態となり、上部軸受の下方が高圧の状態となる圧縮機であっても適用できる。さらに、本発明は、低圧ドーム型の圧縮機にも適用できる。
(4−4)変形例D
上記実施形態では、冷凍装置として、冷房運転が可能な空気調和装置1を例に挙げて説明したがこれに限られるものではない。例えば、冷房運転と暖房運転とを切換可能な空気調和装置であってもよいし、ヒートポンプ式の給湯装置であってもよい。
(4−5)変形例E
上記実施形態では、上端軸受26cとシャフト17との摺動部分に供給された潤滑油を、返油管70を用いて油貯留部Pに戻すと説明したが、これに限られるものではない。例えば、返油管70の一端(上部連結管72aの径方向内端)が、上部軸受33の下方(より具体的には、上部軸受33の下方であって駆動モータ16よりも上方部分)に位置するように返油管70を配置してもよい。この場合、上端軸受26cとシャフト17との摺動部分を潤滑して下方へと流れさらに上部軸受33とシャフト17との摺動部分を潤滑した潤滑油の一部を、返油管70の内部IN1,IN2,IN3へと流入させることができる。よって、上記実施形態よりも多くの潤滑油を冷却することができる。
本発明は、潤滑油を用いて各摺動部分を潤滑する圧縮機に適用できる。
10 圧縮機ケーシング
15 圧縮機構
16 駆動モータ
17 シャフト
61 給油孔(孔)
70,270 返油管
71 外部管
72b,272b 下部連結管(連結管)
78,278 出口開口
101,201 圧縮機
280 覆い部材(箱状部材)
281 覆い部材(箱状部材)の上面
285 覆い部材(箱状部材)の下面
IN1,IN2,IN3,IN4 返油管の内部空間
P 油貯留部
特開2010−285930号公報

Claims (3)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構(15)と、
    前記圧縮機構を駆動する駆動モータ(16)と、
    前記圧縮機構及び前記駆動モータに連結され、内部に軸方向に延びる孔(61)が形成されている中空形状のシャフト(17)と、
    前記圧縮機構と前記駆動モータと前記シャフトとを収容し、底部に、前記シャフトの下端が浸かり前記圧縮機構の摺動部分を含む摺動部に供給される潤滑油を貯留するための油貯留部(P)、が形成されている圧縮機ケーシング(10)と、
    前記摺動部に供給された潤滑油を前記油貯留部へと戻す返油路と、
    を備え、
    前記返油路の一部は、前記圧縮機ケーシングの外部に配置される外部管(71)、を含む返油管(70,270)の内部空間(IN1,IN2,IN3,IN4)によって形成され、
    前記返油管の内部空間を流れる潤滑油が、前記油貯留部において、上向き又は下向きに流れるような潤滑油出口構造(78,280)、をさらに備えている、
    圧縮機(101,201)。
  2. 前記返油管(70)は、前記外部管と、前記外部管に連結され前記圧縮機ケーシング内に位置する連結管(72b)と、によって形成され、
    前記連結管には、潤滑油を前記油貯留部に流出させるための開口であって上向き又は下向きに開口している出口開口(78)、が形成されており、
    前記出口開口は、前記潤滑油出口構造を形成している、
    請求項1に記載の圧縮機(101)。
  3. 前記返油管(270)は、前記外部管と、前記外部管に連結され前記圧縮機ケーシング内に位置する連結管(272b)と、によって形成され、
    前記連結管には、水平方向に向かって開口する出口開口(278)が形成されており、
    前記圧縮機ケーシング内に配置され、上面(281)又は下面(285)が開口し前記連結管の一部を覆う箱状部材(280)、をさらに備え、
    前記箱状部材は、前記潤滑油出口構造を形成している、
    請求項1に記載の圧縮機(201)。
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