JP6655327B2 - 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置 - Google Patents

密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6655327B2
JP6655327B2 JP2015175306A JP2015175306A JP6655327B2 JP 6655327 B2 JP6655327 B2 JP 6655327B2 JP 2015175306 A JP2015175306 A JP 2015175306A JP 2015175306 A JP2015175306 A JP 2015175306A JP 6655327 B2 JP6655327 B2 JP 6655327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge gas
discharge
scroll
compressor
baffle plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015175306A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017053222A (ja
Inventor
香曽我部 弘勝
弘勝 香曽我部
柳瀬 裕一
裕一 柳瀬
野崎 務
務 野崎
坪野 勇
勇 坪野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Original Assignee
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc filed Critical Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority to JP2015175306A priority Critical patent/JP6655327B2/ja
Publication of JP2017053222A publication Critical patent/JP2017053222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6655327B2 publication Critical patent/JP6655327B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Description

本発明は、密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置に関し、特に空気調和機や冷凍機等の冷凍サイクルに使用される密閉形スクロール圧縮機及びこの密閉形スクロール圧縮機を備えている冷凍空調装置に係わるものである。
密閉形スクロール圧縮機は、スクロール圧縮要素と、このスクロール圧縮要素を駆動する電動機と、前記スクロール圧縮要素及び前記電動機を収容する密閉容器と、前記固定スクロールに形成された吸入ポート及び吐出ポートと、前記吸入ポートに接続された吸入パイプと、前記密閉容器に固定され前記固定スクロールの吐出ポートから流出する吐出ガスを圧縮機外部に導く吐出パイプなどを備えている。
前記スクロール圧縮要素は、端板(鏡板)面に直立する渦巻き状のスクロールラップを有する固定スクロールと旋回スクロールをその主要構成部品として構成されている。このスクロール圧縮要素においては、旋回スクロールが固定スクロールに対して相対的に自転せずに略一定半径の公転運動をすることにより、両者のスクロールラップ間に形成される作動室の容積を縮小させ、作動流体を圧縮するものである。また、前記密閉形スクロール圧縮機は、前記密閉容器内の圧力が圧縮機の吐出圧力(高圧)になっている高圧タイプの密閉形スクロール圧縮機となっている。
前記スクロール圧縮要素における各摺動部などの潤滑や、前記電動機の冷却を行うために、前記作動流体に少量の潤滑油を混入した状態で、この作動流体は前記スクロール圧縮要素に吸入され、圧縮されて吐出される。作動流体が圧縮機の密閉容器から外部に吐出される際、前記潤滑油の一部が作動流体に混入されるが、圧縮機の信頼性を確保し、冷凍空調装置の性能向上を図るためには、圧縮機から外部に吐出される作動流体中の潤滑油の割合(オイルレート)をできるだけ低く抑えることが望まれている。
近年、冷凍空調装置の小型化やコスト低減を図るため、圧縮機は小型・高速化される傾向にある。この小型・高速化を実現するためにも、圧縮機の前記オイルレート低減は重要である。また、最近では、地球温暖化防止の観点から、冷凍空調装置の冷媒として、従来のR410A冷媒に代わって、温暖化係数の小さいR32冷媒が注目されてきている。
なお、外部に吐出される作動流体中の潤滑油の割合を低減するものとしては、特開2007−315366号公報(特許文献1)に記載されたものなどがある。この特許文献1のものには、密閉形のスクロール圧縮機において、吐出室と吐出配管の間に、冷媒に含まれる潤滑油を分離する遠心式の油分離手段を備えたものが記載されている。また、前記油分離手段は、中空体部、冷媒入口部及び油出口部を設け、吐出配管の入口には、この油分離手段を通過した冷媒が導かれるように構成されている。
特開2007−315366号公報
上記特許文献1のものでは、一般的な遠心式の油分離器と同様の油分離手段を用いて、これを密閉容器内に配設しているため、前記油分離手段内での冷媒(吐出ガス)と分離された潤滑油の再混合を防ぐためには、油分離手段の寸法、即ち前記中空体部の径と高さ寸法を大きくする必要があり、また油分離手段の大形化に伴い、前記密閉容器も大形化するため、スクロール圧縮機が大形化し、製造コストも上昇する課題がある。
また、この特許文献1のものでは、分離した潤滑油をハウジング底部の油溜りまで速やかに回収することについては配慮されておらず、圧縮機から外部に吐出される作動流体中の潤滑油の割合(オイルレート)を低く抑えることはできず、十分な油流出防止効果を得ることができない課題もある。
本発明の目的は、大形化を抑制しつつ、圧縮機外部への油流出防止効果を向上することのできる密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置を得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、固定スクロール及び旋回スクロールを備えるスクロール圧縮要素と、このスクロール圧縮要素を駆動する電動機と、前記スクロール圧縮要素及び前記電動機を収容する密閉容器と、前記固定スクロールに形成された吸入ポート及び吐出ポートと、前記吸入ポートに接続された吸入パイプと、前記密閉容器に固定され前記固定スクロールの吐出ポートから流出する吐出ガスを圧縮機外部に導く吐出パイプを備える密閉形スクロール圧縮機であって、前記固定スクロールにおける前記吐出ポートの出口側を覆うように該固定スクロールに設けられ、前記吐出ポートから吐出される吐出ガスの吐出空間を形成すると共に、該吐出空間に吐出された吐出ガスを外周側に導く吐出ガス流路を形成している吐出ガス流出部材を備え、この吐出ガス流出部材の外周面と前記密閉容器の内壁面との間に円環形状の吐出ガス旋回領域を形成し、前記吐出ガス流出部材の吐出ガス流路は、前記吐出ガス旋回領域に吐出ガスを旋回運動させるように流出させる形状とし、前記吐出ガス旋回領域の上部には、この吐出ガス旋回領域の吐出ガスを前記密閉容器の中心側方向に導くバッフル板が設けられていることを特徴とする。
本発明の他の特徴は、圧縮機、凝縮器、膨張装置及び蒸発器を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの冷媒としてR32を用いると共に、前記圧縮機として上記の密閉形スクロール圧縮機を使用していることにある。
本発明によれば、大形化を抑制しつつ、圧縮機外部への油流出防止効果を向上することのできる密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置を得ることができる効果がある。
本発明の密閉形スクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図である。 図1の要部拡大断面図である。 図2のA−A線矢視断面図である。 図2のB−B線矢視断面図である。 図2に示す吐出ガス旋回領域付近を拡大して示す要部拡大断面図である。 本発明の実施例1おける吐出ガス旋回領域の幅に対するバッフル板の幅の比と、油循環率比との関係の実験結果を示す線図である。 本発明の実施例1おける吐出ガス旋回領域の幅に対するバッフル板の開口高さの比と、油循環率比との関係の実験結果を示す線図である。 本発明の実施例1における吐出ガス流出部材の構成を説明する図で、吐出ガス流出部材の部分の平面断面図である。 図8に示し吐出ガス流出部材の他の例を示す図で、図8に相当する図である。 本発明の密閉形スクロール圧縮機の実施例2を示す縦断面図で、図2に相当する図である。 図10の要部拡大図である。 図10のC−C線矢視断面図である。 図10に示すバッフル板の斜視図である。 本発明の密閉形スクロール圧縮機を備えた冷凍空調装置を示す冷凍サイクル構成図である。
以下、本発明の密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置の具体的実施例を図面を用いて説明する。各図において同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
本発明の密閉形スクロール圧縮機30の実施例1を図1〜図9を用いて説明する。
まず、図1を用いて本実施例1における密閉形スクロール圧縮機の全体構成を説明する。図1は本発明の密閉形スクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図である。
図1において、1は密閉容器で、この密閉容器1の内部には、スクロール圧縮要素20と、このスクロール圧縮要素20を駆動する電動機7などが収容されている。前記スクロール圧縮要素20は、固定スクロール2と旋回スクロール3をその主要部品としている。前記密閉容器1内は吐出ガスが導入される高圧の雰囲気となっている。また、前記旋回スクロール3の背面部には、高圧と低圧の中間の圧力に保たれる背圧室21が区画されて形成されている。前記スクロール圧縮要素20は、前記固定スクロール2及び旋回スクロール3の両方共、端板(鏡板)と、この端板から直立する渦巻き形状のスクロールラップなどから構成されている。
前記固定スクロール2には、スクロールラップ外周部に吸入ポート2aが、前記スクロールラップの中心部には吐出ポート2bが設けられている。また、前記旋回スクロール3におけるスクロールラップとは反対側の面の中心部には旋回軸受3aが設けられている。
4はクランク軸で、このクランク軸4の上端部は偏心部4aとなっており、前記旋回スクロール2の前記旋回軸受3aに、前記偏心部4aが挿入されている。従って、前記クランク軸4が回転することにより、前記旋回スクロール2は前記偏心部4aにより旋回運動を行うように構成されている。前記クランク軸4内には、給油穴4bが軸内部を貫通して形成されている。
5は、前記クランク軸4を、主軸受5aを介して支持するフレームで、このフレーム5と前記旋回スクロール2の端板背面により前記背圧室21が形成されている。前記主軸受5aは前記フレーム5の中心に設けられている。5bは前記主軸受5a及び前記旋回軸受3aの摺動部の潤滑を終えた潤滑油を回収し、前記密閉容器1の底部に形成された油溜り17に油戻しパイプ11を介して導く油戻し流路である。前記油戻しパイプ11は前記フレーム5の油戻し流路5bに連結されている。6は、前記旋回スクロール3と前記フレーム5に係合され、前記旋回スクロール3の自転を防止して旋回運動をさせるためのオルダムリングである。
前記電動機7は、前記密閉容器1内に固定されたステータ7aと、前記クランク軸4に固定されると共に前記ステータの中心に配置されているロータ7bを備え、電動機7を駆動することにより、ロータ7bが回転し、前記クランク軸4を回転駆動させる。8は、前記クランク軸4の前記偏心部4aとは反対側の軸端を支持する副軸受で、この副軸受8は、前記密閉容器1内面に固定された副軸受フレーム9に、副軸受ハウジング9aを介して取り付けられている。10は前記クランク軸4の下端部に装着された給油ポンプで、前記クランク軸4が回転すると、この給油ポンプ10のポンプ作用により、クランク軸4に形成された前記給油穴4bを通して、前記各軸受摺動部に潤滑油を供給する。
12は、冷凍空調装置を構成する冷凍サイクルを流れる冷媒(以下、作動流体ともいう)を圧縮機の吸入ポート2aに導くための吸入パイプで、この吸入パイプ12は前記密閉容器1を貫通し、前記固定スクロール2の前記吸入ポート2aに接続されている。15は、前記冷凍サイクルに、圧縮した冷媒ガスを吐出するための吐出パイプで、前記密閉容器1を貫通し、前記固定スクロール2の吐出ポート2bから吐出された吐出ガスを、前記密閉容器1の外部に導く。なお、密閉容器1底部の前記油溜り17には潤滑油が貯留されている。
16は、前記旋回スクロール3の前記旋回軸受3aを設けているボス部の下端と前記フレーム5との間をシールする背圧シール機構で、この背圧シール機構16により、前記背圧室21と、前記密閉容器1内の吐出ガス雰囲気の高圧部とをシールし、前記背圧室21を、高圧(吐出圧力)と低圧(吸込圧力)の中間の圧力に保持するようにしている。
本実施例においては、前記固定スクロール2の上部には、該固定スクロール2の吐出ポート2bの出口側を覆う(囲む)ように設けられ、前記吐出ポート2bから吐出される吐出ガスの吐出空間(吐出空間)1aを形成する円盤状の吐出ガス流出部材(旋回器)13が固定ボルト13cにより取り付けられている。この吐出ガス流出部材13には、前記吐出空間1aに吐出された吐出ガスを外周側に導く吐出ガス流路13aも形成されている。なお、前記吐出空間1aに吐出された吐出ガスには潤滑油も混合されている。
また、前記吐出ガス流出部材13の外周面と前記密閉容器1の内壁面との間には円環形状の吐出ガス旋回領域1bが形成されており、前記吐出ガス流路13aから出た流体は前記吐出ガス旋回領域1bを旋回し、吐出ガスから潤滑油を分離して、潤滑油を下方の油戻し空間1cに流し、吐出ガスは旋回しながら上昇する。前記吐出ガス旋回領域1bの上部には、この吐出ガス旋回領域1bから上昇する吐出ガスを前記密閉容器1の中心側方向に導くバッフル板14が設けられている。
次に、図2〜図4を用いて、前記吐出ガス流出部材13と前記バッフル板14の構成を詳しく説明する。図2は図1の要部拡大断面図、図3は図2のA−A線矢視断面図、図4は図2のB−B線矢視断面図である。
図2に一点鎖線で示すように、前記吐出ガス旋回領域1bは前記吐出ガス流出部材13の外周面と前記密閉容器1の内壁面との間に形成され、この吐出ガス旋回領域1bは、図3に示すように、円環形状の空間に形成されている。
一方、前記吐出ガス流出部材13には、前記吐出ガスの吐出空間1aに吐出された流体をその外周側に導く前記吐出ガス流路13aが、図3に示すように複数(この例では3本)形成されている。この吐出ガス流路13aは、前記吐出空間1aの流体が前記吐出ガス旋回領域1bに吐出されて旋回運動するように、円弧状などの曲線状の形状に構成されている。なお、13bは、前記吸入パイプ12を貫通させて前記固定スクロール2に接続させるための設けられている吸入パイプ貫通孔である。
前記バッフル板14は、図2、図4に示すように、前記吐出ガス旋回領域1bの上部に配設され、前記吐出ガス旋回領域1bで旋回しながら上昇する吐出ガスを前記密閉容器1の中心側方向に導くリング状部材14aと、外周側の円筒部材14bを一体化して構成されている。本実施例では、前記円筒部材14bの部分を前記密閉容器1の上蓋内壁にスポット溶接等で固定することで、前記バッフル板14を密閉容器1に固定している。
本実施例の密閉形スクロール圧縮機におけるガス圧縮動作について図1を用いて説明する。電動機7に通電することによりクランク軸4が回転し、クランク軸4の偏心部4aにより、旋回スクロール3の中心は一定半径の公転運動をして、固定スクロール2と旋回スクロール3の両スクロールラップ間に形成される作動室が、その容積を縮小して作動流体の圧縮作用が行われる。冷凍サイクルを流れる作動流体(冷媒)は、吸入パイプ12を通って前記作動室に流入する。この作動室で圧縮された作動流体は、固定スクロール2の中心部に設けられている吐出ポート2bから吐出ガスの吐出空間1aを経て密閉容器1内に流出する。
次に、本実施例の密閉形スクロール圧縮機30における各軸受の摺動部及びスクロール圧縮要素20の摺動部の潤滑について説明する。密閉容器1の底部の油溜り17に貯留されている潤滑油は、クランク軸4の回転により軸下端に設けられている給油ポンプ10によって吸い上げられ、前記クランク軸4内部の給油穴4bを介して、副軸受8、主軸受5a、旋回軸受3aの各軸受摺動部に供給される。密閉容器1下部の副軸受8に供給された潤滑油は副軸受8を潤滑後前記油溜り17に回収される。
前記主軸受5a及び前記旋回軸受3aに供給された潤滑油は、各々の軸受摺動部を潤滑した後、フレーム5の油戻し流路5bで合流し、油戻しパイプ11を通して密閉容器1底部の油溜り17に回収される。
前記スクロール圧縮要素20における摺動部の潤滑は、旋回スクロール3の旋回軸受3aを設けているボス部の下端面に凹設された給油ポケット(図示せず)により、背圧室21内に潤滑油が定量供給され、これにより潤滑油が前記旋回スクロール3のオルダムリング6などの摺動部に供給され、潤滑が行なわれる。また、前記背圧室21に供給された油は、背圧室21内の圧力を調整する背圧制御弁(図示せず)を通して、前記作動室内に流入し、該作動室のシールや潤滑に供されて、その後作動流体と共に吐出ポート2bから吐出される。
密閉形スクロール圧縮機における性能や信頼性を確保し、性能向上を図るためには、圧縮機から吐出される作動流体中の潤滑油の割合(オイルレート)をできるだけ低く抑える必要がある。本実施例のように構成することにより、吐出ポート2bから流出する作動流体中の潤滑油を効果的に分離し、速やかに密閉容器1底部の油溜り17に回収することができる。以下、図2〜図4を用いて、本実施例における油分離作用について説明する。
固定スクロール2の上部に配設された吐出ガス流出部材(旋回器)13は、吐出ポート2bから吐出ガスの吐出空間1aに流出した吐出ガスを、吐出ガス流路13aを通して吐出ガス流出部材13の外周部(固定スクロール2の外周部も一部含む)と密閉容器1の内壁面.との間に区画された円環状の吐出ガス旋回領域1bに流出させて、吐出ガスに旋回運動を付与する。
吐出ポート2bから吐出される吐出ガスには、作動流体中に潤滑油が混入した気液二相の噴霧流の状態になっているが、前記吐出ガス流出部材(旋回器)13の吐出ガス流路13aを通過する際に、噴霧流は旋回速度成分を付与され、前記吐出ガス旋回領域1b内では、質量の大きい油滴は遠心力によって密閉容器1の内側壁に押し付けられて液膜流となり、前記吐出ガス旋回領域1bの内周側を流れる密度の小さいガスと分離される。
圧縮機のオイルレートを低減するためには前記吐出ガス旋回領域1bで分離された油とガスの混合をなくして、ガスのみを前記吐出ガス旋回領域1bから流出させ、吐出パイプ15が設けられている吐出パイプ入口空間1dに導くようにしなければならない。
本実施例では、分離油の飛散を防止するために、前記吐出ガス旋回領域1b上部に、吐出ガスの旋回運動を阻止しない形で、吐出ガスの流出方向を密閉容器1の中心側方向に導くバッフル板14を配設している。即ち、前記吐出ガス流出部材13から離間して前記吐出ガス旋回領域1b上方を覆うように、前記密閉容器1に固定されたバッフル板14は、リング状部材14aにより分離油及びガスの軸方向上方に向かう流れを阻止するが、吐出ガス自身の旋回運動を邪魔することがないため、遠心分離作用を継続した状態で、吐出ガスは前記リング状部材13aの内端側の開口から密閉容器1の中心側に向けて流出し、前記吐出パイプ入口空間1dに導かれる。
また、前記吐出ガス旋回領域1bで分離され、前記密閉容器1内壁面に液膜状態で付着した潤滑油は、重力の作用で油戻し空間1cに滴下し、この油戻し空間1cから、固定スクロール2の外周部及びフレーム5の外周部に軸方向に形成された油戻し通路1eを通って、前記密閉容器1底部の油溜り17に回収される。
本発明者等の実験の結果、本実施例における上記油分離作用を更に向上するためには、分離油とガスとの混合を抑え、油滴の飛散を防止する前記バッフル板14の適切な配設が重要であり、オイルレート(油循環率(OCR:Oil Circulation Rate)で、圧縮機から外部に吐出される作動流体中の潤滑油の割合)低減に重要な役割を果たしていることが明らかになった。以下、図5〜図7を用いて、前記バッフル板14の効果的な配設について説明する。
図5は図2に示す吐出ガス旋回領域付近を拡大して示す要部拡大断面図(吐出ガス流出部材とバッフル板との配設関係を説明する図)、図6は本発明の実施例1おける吐出ガス旋回領域の幅に対するバッフル板の幅の比と、油循環率比との関係の実験結果を示す線図、図7は本発明の実施例1おける吐出ガス旋回領域の幅に対するバッフル板の開口高さの比と、油循環率比との関係の実験結果を示す線図である。
図5において、Lは前記吐出ガス旋回領域1bの幅寸法で、吐出ガス流出部材13の外周部と密閉容器1の内壁面との間の円環状空間の寸法である。また、wは前記バッフル板14のリング状部材14aの部分における幅寸法(以下、単にバッフル板の幅寸法ともいう)、hは前記バッフル板14の開口高さ寸法である。
図6は、前記リング状部材14aの幅寸法wを変化させて、オイルレート(OCR)への影響を調べた実験結果を示している。
この図6において、横軸はバッフル板幅寸法比w/Lで、前記吐出ガス旋回領域1bの幅寸法Lに対する前記バッフル板幅寸法wの比である。縦軸は油循環率(OCR)比で、油循環率が最も小さい値に対する比で表している。
この図6に示す実験結果から、前記吐出ガス旋回領域1bの幅寸法Lに対する前記バッフル板幅寸法wの比w/Lを、
0.4≦w/L≦1.0
の範囲に設定することにより、高いオイルレート低減効果が得られることがわかった。
図7は、前記バッフル板14の開口高さ寸法hを変化させて、オイルレート(OCR)への影響を調べた実験結果を示している。
この図7において、横軸は開口高さ寸法比h/Lで、前記吐出ガス旋回領域1bの幅寸法Lに対する前記バッフル板開口高さ寸法hの比である。縦軸は油循環率(OCR)比で、油循環率が最も小さい値に対する比で表しており、規格化して無次元表示にしている。
この図7に示す実験結果から、前記吐出ガス旋回領域1bの幅寸法Lに対する前記バッフル板の開口高さ寸法hの比h/Lを、
0.4≦h/L≦0.7
の範囲に設定することにより、高いオイルレート低減効果が得られることがわかった。
次に、前記吐出ガス流出部材(旋回器)13における前記吐出ガス流路13aの好ましい形状について図8を用いて説明する。図8は本発明の実施例1における吐出ガス流出部材の構成を説明する図で、吐出ガス流出部材の部分の平面断面図である。
吐出ガス流出部材13の外周部(固定スクロール2の外周部も一部含む)と密閉容器1の内壁面間に区画された円環状空間である前記吐出ガス旋回領域1bでの吐出ガスの滑らかな旋回運動を実現するためには、前記吐出ガス流出部材13に形成された吐出ガス流路13aの形状が重要となる。そこで、本実施例1における前記吐出ガス流路13aの好ましい形状について図8により説明する。
まず、前記吐出ガス流出部材13の中央部に形成されている前記吐出ガスの吐出空間1aの内壁に、吐出ガス流出開始点Piを定める。この点から密閉容器1の中心を通る直線が密閉容器1の内壁に接する点をPoとし、両者を結ぶ線分を直径とする円弧(半径Ro、中心Og)により、吐出ガス流路13aを形成する一方の曲線が描かれる。もう一方の曲線は、吐出ガス流路13aの個数や溝断面積等を考慮して溝幅bを決めることにより半径Roと同一中心の半径Ri(=Ro−b)の円弧により決められる。このような円弧により前記吐出ガス流路13aを形成することにより、吐出ガス旋回領域1bに流出した吐出ガスは、密閉容器1の内壁面に接するように流れるので、滑らかな旋回運動を実現することができる。
図9は図8に示し吐出ガス流出部材の他の例を示す図で、図8に相当する図である。
この図9に示す吐出ガス流出部材13は、吐出ガス流路13aの基本形状は図8で説明した形状を保ったまま、吐出ガスの吐出空間1aの容積をできるだけ拡大したものである。このため、吐出ガスの吐出空間1a周囲の前記吐出ガス流出部材13の部分をできるだけ薄肉に形成したものである。即ち、前記吐出ガス流出部材13を固定している固定ボルト13cのボルト穴周辺と、吸入パイプ貫通孔13bの周辺だけを残して、前記吐出空間1aを形成している。また、前記吐出ガス流路13aは前記ボルト穴の外周側に形成する。
このように構成することにより、吐出ポート2bから吐出ガスが流出する最初の空間である前記吐出ガスの吐出空間1aの容積を拡大することができるから、前記吐出ガスの吐出空間1a内の圧力脈動を軽減することが可能となり、圧縮機の過圧縮損失を低減して圧縮機効率を向上することができる効果が得られる。
以上説明したように、本実施例1の密閉形スクロール圧縮機30によれば、比較的簡単な構成で、オイルレートを低減して、外部(冷凍サイクルを構成している熱交換器や冷媒配管など)への油流出防止効果を大幅に向上することのできる密閉形スクロール圧縮機を得ることができる。この結果、密閉形スクロール圧縮機の大形化を抑制しつつ、圧縮機の性能向上並びに信頼性向上を図ることも可能となる。
本発明の密閉形スクロール圧縮機の実施例2を、図10〜図13を用いて説明する。図10は本発明の密閉形スクロール圧縮機の実施例2を示す縦断面図で、図2に相当する図、図11は図10の要部拡大図、図12は図10のC−C線矢視断面図、図13は図10に示すバッフル板の斜視図である。これらの図において、図1と同一符号を付したものは同一或いは相当する部分を示しており、上記実施例1と異なる部分を中心に説明する。
本実施例2が上述した実施例1と異なる部分は、図10、図11に示すように、バッフル板14がスペーサ14dを介して吐出ガス流出部材13と共に、固定スクロール2の上部の端板部に固定ボルト13cにより固定するようにしている点である。即ち、図11の要部拡大図に示すように、前記バッフル板14の円筒部材14bは、実施例1のように、密閉容器1に直接固定されてはおらず、前記円筒部材14bと前記密閉容器1の上蓋内壁面との間には微小すき間δが形成されている。このため、上記実施例1で説明したバッフル板14に比べて、前記吐出ガス流出部材13と前記バッフル板14を、固定スクロールに取り付けて組立てた後、前記密閉容器1の上蓋を溶接で固定できるため、前記吐出ガス流出部材13と前記バッフル板14の組立精度が向上し、この組立精度に起因するオイルレートのばらつきを低減することができる。
また、本実施例2における前記バッフル板14は、図12及び図13に示すように、リング状部材14aの内端から中心側に突き出した複数本(この例では4本)の取り付けアーム14cを設け、これらの取り付けアーム14cのそれぞれの先端部に取り付け穴14c´を形成している。固定ボルト13cを、前記取り付け穴14c´と、前記吐出ガス流出部材13に設けられたボルト穴に通して、前記固定スクロール1の端板部に固定することにより、前記吐出ガス流出部材13と前記バッフル板14を同時に固定スクロール2に固定することができる。他の構成は上記実施例1と同様である。
本実施例2によれば、前記取り付けアーム14cは前記リング状部材14aの内端から中心側に突き出させて固定ボルト13cで固定しているため、前記吐出ガス流出部材13の外周面と前記密閉容器1の内壁面との間に形成されている吐出ガス旋回領域1bで旋回する吐出ガスの旋回運動を邪魔することはない。従って、遠心分離作用を継続して潤滑油を分離しつつ吐出ガスを吐出パイプ入口空間1dに導くことができるので、上記実施例1と同様に、分離油とガスとの混合を抑えることができ、これにより油滴の飛散が防止されて、圧縮機のオイルレートを低減することができる。
本発明の実施例3を図14により説明する。図14は、本発明の密閉形スクロール圧縮機を備えた冷凍空調装置を示す冷凍サイクル構成図である。なお、図14において、上述した図1と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
図14において、30は図1に示すような本発明の密閉形スクロール圧縮機である。また、本実施例3に示す冷凍空調装置は、前記密閉形スクロール圧縮機30、凝縮器32、膨張弁33、蒸発器34などが、順次冷媒配管35により接続されて、冷凍サイクルを構成している。なお、本実施例3においては、冷媒としてR32を用いている。冷媒R32は、冷凍空調装置において従来用いられてきた冷媒R410Aより、地球温暖化係数(GWP)が小さく、地球温暖化防止の観点から、近年注目されてきている冷媒である。
本実施例の冷凍空調装置における冷媒の流れについて説明する。
密閉形スクロール圧縮機30から吐出された高温、高圧の冷媒は、凝縮器32に入って放熱し温度低下する。この凝縮器32から出た冷媒は、膨張弁33で低温、低圧の気液二相冷媒となって流出する。この膨張弁33を出た気液二相冷媒は、前記蒸発器34に入り、吸熱、ガス化して、前記密閉形スクロール圧縮機30に戻り、再び圧縮されて、以下同様のサイクルが繰り返される。
これにより、前記冷凍空調装置が冷凍装置であれば、前記蒸発器34で被冷却物を冷却する。前記冷凍空調装置が空調装置であれば、前記蒸発器34で室内空気を冷却して冷房運転を行うか、或いは前記凝縮器32で室内空気を加熱して暖房運転が為される。
本実施例3によれば、冷凍空調装置を構成している圧縮機として、本発明の密閉形スクロール圧縮機30、即ち上記実施例1や2で説明したような密閉形スクロール圧縮機を用いているので、圧縮機30から外部(冷凍サイクルを構成している前記凝縮器32や蒸発器34などの熱交換器、或いは前記冷媒配管など)への油流出防止を十分に行うことが可能になる。従って、冷凍空調装置の性能向上や信頼性向上を図ることができる。
以上説明した本発明の実施例によれば、固定スクロールにおける吐出ポートの出口側を覆うように該固定スクロールに設けられ、前記吐出ポートから吐出される吐出ガスの吐出空間を形成すると共に、該吐出空間に吐出された吐出ガスを外周側に導く吐出ガス流路を形成している円盤状の吐出ガス流出部材を備え、この吐出ガス流出部材の外周面と前記密閉容器の内壁面との間に円環形状の吐出ガス旋回領域を形成し、前記吐出ガス流路は吐出ガスを前記吐出ガス旋回領域で旋回運動するように流出させ、前記吐出ガス旋回領域の上部には、この吐出ガス旋回領域の吐出ガスを密閉容器の中心側方向に導くバッフル板が設けられているので、大形化を抑制しつつ、圧縮機外部への油流出防止効果を向上することのできる密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置を得ることができる。
また、前記バッフル板は、吐出ガスを、その旋回運動を阻止せずに上部に導き、密閉容器の中心に導くと共に、前記吐出ガス旋回領域の下部には油戻し空間と、この油戻し空間の潤滑油を密閉容器底部に導く油戻し通路を備えているので、吐出ガス自身の旋回運動による遠心作用でガスと油を効果的に分離することができると共に、分離油とガスの混合を抑制して油滴の飛散を軽減できる。従って、本実施例によれば、圧縮機外部への油の流出を防止し、性能及び信頼性に優れた高圧タイプの密閉形スクロール圧縮機が得られると共に、これを用いた冷凍空調装置の性能及び信頼性も向上することができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
更に、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1…密閉容器、1a…吐出ガスの吐出空間(吐出空間)、1b…吐出ガス旋回領域、
1c…油戻し空間、1d…吐出パイプ入口空間、1e…油戻し通路、
2…固定スクロール、2a…吸入ポート、2b…吐出ポート、
3…旋回スクロール、3a…旋回軸受、4…クランク軸、4a…偏心部、4b…給油穴、
5…フレーム、5a…主軸受、5b…油戻し流路、
6…オルダムリング、7…電動機、7a…ステータ、7b…ロータ、
8…副軸受、9…副軸受フレーム、
10…給油ポンプ、11…油戻しパイプ、12…吸入パイプ、
13…吐出ガス流出部材(旋回器)、13a…吐出ガス流路、
13b…吸入パイプ貫通孔、13c…固定ボルト、
14…バッフル板、14a…リング状部材、14b…円筒部材、
14c…取り付けアーム、14c’…取り付け穴、14d…スペーサ、
15…吐出パイプ、16…背圧シール機構、17…油溜り、18…ボルト、
20…スクロール圧縮要素、21…背圧室、
30…密閉形スクロール圧縮機、31…冷凍サイクル、32…凝縮器、
33…膨張弁、34…蒸発器、35…冷媒配管。

Claims (10)

  1. 固定スクロール及び旋回スクロールを備えるスクロール圧縮要素と、このスクロール圧縮要素を駆動する電動機と、前記スクロール圧縮要素及び前記電動機を収容する密閉容器と、前記固定スクロールに形成された吸入ポート及び吐出ポートと、前記吸入ポートに接続された吸入パイプと、前記密閉容器に固定され前記固定スクロールの吐出ポートから流出する吐出ガスを圧縮機外部に導く吐出パイプを備える密閉形スクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロールにおける前記吐出ポートの出口側を覆うように該固定スクロールに設けられ、前記吐出ポートから吐出される吐出ガスの吐出空間を形成すると共に、該吐出空間に吐出された吐出ガスを外周側に導く吐出ガス流路を形成している吐出ガス流出部材を備え、
    この吐出ガス流出部材の外周面と前記密閉容器の内壁面との間に円環形状の吐出ガス旋回領域を形成し、前記吐出ガス流出部材の吐出ガス流路は、前記吐出ガス旋回領域に吐出ガスを旋回運動させるように流出させる形状とし、
    前記吐出ガス旋回領域の上部には、この吐出ガス旋回領域の吐出ガスを前記密閉容器の中心側方向に導くバッフル板が設けられ
    前記バッフル板はリング状に形成され、前記吐出ガス旋回領域の吐出ガスは、前記バッフル板の外方端側から前記密閉容器の中心側に向けて流出するように構成されていることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載の密閉形スクロール圧縮機において、前記密閉容器の底部に潤滑油を保持する油溜りが設けられ、前記吐出ガス旋回領域の下部の前記固定スクロール外周部には、油戻し空間が形成され、この油戻し空間下部に前記密閉容器底部の前記油溜り側に潤滑油を導く油戻し通路が設けられていることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  3. 請求項に記載の密閉形スクロール圧縮機において、前記バッフル板は、前記吐出ガス旋回領域を上昇する吐出ガスを前記密閉容器の中心側方向に導くリング状部材と、このリング状部材の外周側に設けられた円筒部材を一体化して構成されていることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  4. 請求項に記載の密閉形スクロール圧縮機において、前記円筒部材を前記密閉容器に固定することにより、前記バッフル板を固定していることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  5. 請求項に記載の密閉形スクロール圧縮機において、前記リング状部材を前記固定スクロールに固定することにより、前記バッフル板を固定していることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  6. 請求項に記載の密閉形スクロール圧縮機において、前記バッフル板の径方向の幅寸法をw、前記吐出ガス旋回領域の幅寸法をLとしたとき、
    0.4≦w/L≦1.0
    となるように構成していることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の密閉形スクロール圧縮機において、前記バッフル板の内端側と、前記吐出ガス流出部材との間の開口高さ寸法をh、前記吐出ガス旋回領域の幅寸法をLとしたとき、
    0.4≦h/L≦0.7
    となるように構成していることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  8. 固定スクロール及び旋回スクロールを備えるスクロール圧縮要素と、このスクロール圧縮要素を駆動する電動機と、前記スクロール圧縮要素及び前記電動機を収容する密閉容器と、前記固定スクロールに形成された吸入ポート及び吐出ポートと、前記吸入ポートに接続された吸入パイプと、前記密閉容器に固定され前記固定スクロールの吐出ポートから流出する吐出ガスを圧縮機外部に導く吐出パイプを備える密閉形スクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロールにおける前記吐出ポートの出口側を覆うように該固定スクロールに設けられ、前記吐出ポートから吐出される吐出ガスの吐出空間を形成すると共に、該吐出空間に吐出された吐出ガスを外周側に導く吐出ガス流路を形成している吐出ガス流出部材を備え、
    この吐出ガス流出部材の外周面と前記密閉容器の内壁面との間に円環形状の吐出ガス旋回領域を形成し、前記吐出ガス流出部材の吐出ガス流路は、前記吐出ガス旋回領域に吐出ガスを旋回運動させるように流出させる形状とし、
    前記吐出ガス旋回領域の上部には、この吐出ガス旋回領域の吐出ガスを前記密閉容器の中心側方向に導くバッフル板が設けられ、
    前記吐出ガス流出部材における前記吐出空間の内壁に、吐出ガス流出開始点を定め、この点と、この点から前記密閉容器の中心を通る直線が前記密閉容器の内壁に接する点とを結ぶ線分を直径とする円弧Roにより、前記吐出ガス流路を形成する一方の曲線とし、前記吐出ガス流路を形成するもう一方の曲線は、前記一方の曲線の円弧Roよりも溝幅だけ小さい半径であって、前記円弧Roと同一中心の円弧Riにより決められた円弧とし、これらの円弧Ro及びRiにより前記吐出ガス流路が形成されていることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  9. 固定スクロール及び旋回スクロールを備えるスクロール圧縮要素と、このスクロール圧縮要素を駆動する電動機と、前記スクロール圧縮要素及び前記電動機を収容する密閉容器と、前記固定スクロールに形成された吸入ポート及び吐出ポートと、前記吸入ポートに接続された吸入パイプと、前記密閉容器に固定され前記固定スクロールの吐出ポートから流出する吐出ガスを圧縮機外部に導く吐出パイプを備える密閉形スクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロールにおける前記吐出ポートの出口側を覆うように該固定スクロールに設けられ、前記吐出ポートから吐出される吐出ガスの吐出空間を形成すると共に、該吐出空間に吐出された吐出ガスを外周側に導く吐出ガス流路を形成している吐出ガス流出部材を備え、
    この吐出ガス流出部材の外周面と前記密閉容器の内壁面との間に円環形状の吐出ガス旋回領域を形成し、前記吐出ガス流出部材の吐出ガス流路は、前記吐出ガス旋回領域に吐出ガスを旋回運動させるように流出させる形状とし、
    前記吐出ガス旋回領域の上部には、この吐出ガス旋回領域の吐出ガスを前記密閉容器の中心側方向に導くバッフル板が設けられ、
    前記吐出ガス流出部材の前記吐出空間は、前記吐出ガス流出部材を固定している固定ボルトのボルト穴周辺と、吸入パイプ貫通孔の周辺だけを残して、前記吐出空間の容積をできるだけ拡大して形成し、前記吐出ガス流路は前記ボルト穴の外周側に形成していることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  10. 圧縮機、凝縮器、膨張装置及び蒸発器を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの冷媒としてR32を用いると共に、前記圧縮機として請求項1に記載の密閉形スクロール圧縮機を使用していることを特徴とする冷凍空調装置。
JP2015175306A 2015-09-07 2015-09-07 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置 Active JP6655327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175306A JP6655327B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175306A JP6655327B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017053222A JP2017053222A (ja) 2017-03-16
JP6655327B2 true JP6655327B2 (ja) 2020-02-26

Family

ID=58317373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015175306A Active JP6655327B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6655327B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6584470B2 (ja) * 2017-10-17 2019-10-02 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 容積形圧縮機
JP6661589B2 (ja) * 2017-10-19 2020-03-11 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 圧縮機、及び、これを備える冷凍サイクル装置
CN112283103B (zh) * 2020-10-23 2022-01-28 珠海格力电器股份有限公司 压缩机上盖及压缩机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017053222A (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7819644B2 (en) Scroll compressor with crankshaft venting
JP2008101559A (ja) スクロール圧縮機およびそれを用いた冷凍サイクル
US20070183916A1 (en) Oil pump for a scroll compressor
JP2013137030A (ja) 圧縮機
JP6655327B2 (ja) 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置
JP6464006B2 (ja) 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置
JP4979503B2 (ja) スクロール圧縮機
EP3325807B1 (en) Compressor bearing housing drain
JP7119812B2 (ja) 圧縮機
JP4256801B2 (ja) 圧縮機および空気調和装置
JP2006348928A (ja) 圧縮機
WO2018139308A1 (ja) 密閉型圧縮機
JP2013238190A (ja) 圧縮機
JP2013238191A (ja) 圧縮機
JP2006090180A (ja) 密閉型圧縮機
JP2001271749A (ja) 密閉型電動圧縮機
JP2017101557A (ja) 密閉型圧縮機
JPH07189964A (ja) 密閉型電動圧縮機
WO2022070812A1 (ja) スクロール圧縮機
JP2005240560A (ja) 横置き型スクロール圧縮機および空気調和装置
JP3632223B2 (ja) 横形密閉電動圧縮機
JP2008082309A (ja) 圧縮機
JP4396401B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP2005163637A (ja) スクロール圧縮機
JP2006299837A (ja) 流体圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160404

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171018

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180723

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6655327

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150