JP5791760B2 - 冷媒圧縮機 - Google Patents

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Description

この発明は、冷凍空調機器に用いる冷媒圧縮機に係り、特に、冷媒配管の一部が扁平な配管で構成された冷媒圧縮機に関するものである。
従来、この種の冷媒圧縮機としては、例えば特許文献1によるスクロール流体機械が知られている。このスクロール流体機械は、密閉容器内に、固定スクロールおよび旋回スクロールを組み合わせて圧縮室を形成した圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機と、クランク部を旋回スクロールに連結する駆動軸と、電動機の一側に設けた軸受と、軸受を潤滑した油を電動機のステータ外周の凹部を通して案内する排油パイプとを収納したものであり、凹部を通る排油パイプの部分がステータの径方向に薄い扁平筒形状に形成されると共に、凹部が排油パイプの扁平筒形状に対応して浅く形成されている。
一方、特許文献2によるヒートポンプ式給湯機は、冷媒圧縮機、ガスクーラ、絞り弁、および蒸発器を環状に接続して成る絞り弁開度調整可能な冷媒回路と、給湯用の液体が水循環ポンプを介してガスクーラを通過した後、断面が扁平形状であり圧縮機表面と面接触する、冷媒圧縮機と接する熱交換部分を有する圧縮機シェル熱交換器を通って給湯タンクへ供給される水回路とを備えている。このヒートポンプ式給湯機では、圧縮機シェル熱交換器の水入り口配管側を下部とし、水出口配管側を上部として配置されている。
特許第4315339号公報 特許第4244038号公報
上記した各特許文献記載の技術は、冷媒圧縮機の内部に扁平パイプを用いたり、圧縮機外部の熱交換器に扁平配管を使用したりしている。しかし、冷媒圧縮機の密閉容器に接続される配管について扁平な配管を用いることの言及はない。また、使用する冷媒についての言及もない。
ところで、近年、地球温暖化対策への取り組みの強化が進み、地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒への移行が検討されている。しかし、従来と同等以上の高効率と低GWPを両立するためには、各冷媒に応じた対応が必要になる。現在、家庭用や業務用空調機に使用されているR410A冷媒に替わる冷媒として検討されているのが、HFO1234yfなどのフロン系低GWP冷媒や、プロパンなどの炭化水素系自然冷媒である。これらの冷媒で従来と同等以上の冷凍能力や暖房能力、あるいは効率を得るためには、冷媒回路の冷媒循環量を大きくする必要があるが、圧縮機では、運転回転数を増速するか、または、押しのけ量を大きくするなどの対応が必要になる。冷媒循環量を大きくする目安は、R410Aの冷媒循環量と比べて、HFO1234yfなどのフロン系低GWP冷媒では、おおよそ2〜2.5倍、プロパンなどの炭化水素系自然冷媒ではおおよそ1.5〜2倍である。
前記のように冷媒循環量を大きくすると、従来と同じ口径の冷媒配管を使用する場合、流速が大きくなって圧力損失の増加を招く恐れがあり、効率の低下が懸念される。この効率の低下を避けるためには、冷媒回路内の冷媒配管の口径を大きくし、管内流の流速を下げる必要がある。冷媒回路内の冷媒配管の口径を大きくする目安としては、冷媒循環量の場合と同様で、R410Aを使用する場合と比べて、HFO1234yfなどのフロン系低GWP冷媒では、おおよそ2〜2.5倍、プロパンなどの炭化水素系自然冷媒ではおおよそ1.5〜2倍である。しかし、圧縮機への配管接続は、通常、筒状をした圧縮機の密閉容器の側面の曲面に接続穴を形成し、この接続穴に円筒の配管の開口端部を挿し込んだ後に溶接やロウ付けなどで固定している。このような接続構造において配管口径を大きくすると、密閉容器の曲面の曲率により、圧縮機の密閉容器内への配管突出量が大きくなり、圧縮機の内部構成部品に制約を受ける等の問題がある。また、圧縮機の密閉容器内へ突出した配管の無効部を切削加工などで削除する場合は、加工コストの増加や配管の削除部分のコストが無駄になるなどの問題もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、密閉容器の円筒部に形成された接続穴を貫通して接続される冷媒配管の密閉容器内への配管突出量を小さくすることのできる冷媒圧縮機を得ることを目的とする。
この発明に係る冷媒圧縮機は、密閉容器内に、電動機部と、前記電動機部に連結されて冷媒を圧縮する圧縮機構部と、潤滑油を貯留する油溜めと、を備え、前記密閉容器の少なくとも一部が円筒部で構成され、冷媒吐出配管前記密閉容器の前記円筒部に貫通接続される冷媒圧縮機において、前記圧縮機構部は、巻方向が互いに逆の渦巻部を組み合わせることにより圧縮室を形成する固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動スクロールの反圧縮室側に設けられて前記揺動スクロールを揺動自在に支持する揺動軸受と、前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングを支持するフレームと、前記フレームの中心部に設けられた主軸受を貫通して油溜め内の潤滑油を各摺動部に供給するためのオイルポンプに連結されるとともに前記揺動スクロールに駆動力を伝達する主軸とを備えて構成され、前記冷媒吐出配管の接続開口部の断面を扁平に形成し、前記冷媒吐出配管は、該冷媒吐出配管の短径方向を前記円筒部の周方向に沿わせ、且つ、前記冷媒吐出配管の長径方向を前記円筒部の筒心方向に沿わせるように配置して前記円筒部に接続したものである。
この発明の冷媒圧縮機は、密閉容器の円筒部に接続される配管の接続開口部の断面を扁平にして、その短径方向を円筒部の周方向に沿わせて接続するので、扁平な配管の密閉容器内への配管突出量を小さくすることができる。このように突出した部分は、役に立たないかあるいは他の部品配置を阻害する無効部分である。従って、このような配管無効部を極力小さくすることや、追加で実施される配管無効部の切削加工を行う必要がないことによる低コスト化が図れるという効果を有する。これは、口径がより大きな冷媒配管を密閉容器に接続する場合にも同様の効果が得られる。また、密閉容器内への配管突出量を小さくすることで、圧縮機の内部構成部品の配設に制約が少なくなる。あるいは、冷媒による冷却効果を摺動部や電動機部の冷却に有効に利用できる位置に吸入接続配管を配設することで、高効率、高信頼性を確保できるという効果を有する。更に、摺動部や電動機部により近い位置の密閉容器に冷媒配管を接続することは、密閉容器を小型化できてコスト低減が可能になり、冷媒圧縮機そのものをコンパクトに構成できるという効果を有する。
この発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の縦断面図である。 前記冷媒圧縮機の密閉容器中と冷媒吸入配管との接続部分を示す部分斜視図である。 前記冷媒圧縮機の密閉容器中と冷媒吸入配管との接続部分を示す部分側面図である。 前記冷媒圧縮機の密閉容器中と冷媒吸入配管との接続部分を示す一部断面を含む部分平面図である。 前記冷媒圧縮機に用いられる冷媒吸入配管の接続開口部の断面を示す正断面図である。 前記冷媒圧縮機の冷媒吸入配管における接続開口部の扁平率と冷媒吸入配管の密閉容器内への配管突出量との関係を示すグラフである。 前記冷媒圧縮機の冷媒吸入配管における接続開口部の扁平率と冷媒吸入配管における圧力損失増加率との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2における冷媒圧縮機に用いられる冷媒吸入配管の接続開口部の断面を示す正断面図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1について図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の縦断面図である。
図に示した冷媒圧縮機において、符号の1は渦巻部を有する固定スクロール、2は固定スクロール1の渦巻部とは巻方向が逆の渦巻部を有する揺動スクロール、3は固定スクロール1を固定配置して主軸受3aを中央部に備えるフレーム、4は揺動スクロール2を軸心方向に支承するスラスト軸受となるスラストプレート、5は揺動スクロール2の自転を防止し揺動運動を与えるためにフレーム3に揺動自在に支持されるオルダムリング、6は電動機ロータ、7は電動機ステータである。これらの電動機ロータ6および電動機ステータ7から電動機部31が構成される。そして、8はその外周に固着された電動機ロータ6が固着されて揺動スクロール2に駆動力を伝達する主軸、9は揺動スクロール2を公転運動させるために揺動スクロール2を支承するスライダ、8aはスライダ9が主軸8に対して偏心するように主軸8の上部に設置されたスライダ装着軸である偏芯スライダ軸部、2aは揺動スクロール2の反圧縮室側に設けられて偏芯スライダ軸部8aに揺動自在に支持される揺動軸受である。10は偏芯スライダ軸部8aの近傍にあってフレーム3の主軸受3aおよび主軸8を円滑に回転運動させるためのスリーブである。11,12はそれぞれ、偏芯スライダ軸部8aにより揺動運動を行う揺動スクロール2の主軸8の回転中心に対してアンバランスを相殺するためのバランサである。すなわち、少なくとも、固定スクロール1、揺動スクロール2、揺動軸受2a、フレーム3、および主軸8を含む構成が、電動機部31に連結されて冷媒を圧縮する圧縮機構部29の構成となる。
そして、主軸8の偏芯スライダ軸部8aと軸方向下方にはサブフレーム13が配備され、サブフレーム13の中央に形成された軸受収納部にボールベアリング14の外輪が圧入固定されている。サブフレーム13には、潤滑油を各摺動部に供給するための容積型のオイルポンプ15が備わっており、オイルポンプ15に回転力を伝達するポンプ軸部8bが主軸8と一体成形されている。また、主軸8にはポンプ軸部8bの下端から偏芯スライダ軸部8aの上端に至る上下貫通した油穴8cが設けられており、下端側はオイルポンプ15と連通している。これらを収容する密閉容器20は、円筒状の密閉容器中17(本発明に係る円筒部の例)と、密閉容器中17の下面開口部に熔接などで封着される密閉容器下18と、密閉容器中17の上面開口部に熔接などで封着される密閉容器上19とから構成される耐圧容器である。密閉容器中17は、冷媒回路の一部を成して冷媒を密閉容器20内に取り込むための冷媒吸入配管21が接続され、その上端部内周にフレーム3が固定され、その中間部内周に電動機ステータ7が固定されている。密閉容器下18の底部は、各軸受を潤滑する潤滑油を貯留する油溜め16を構成している。密閉容器上19には、圧縮した冷媒を密閉容器20から冷媒回路に吐き出す冷媒吐出配管22が接続されている。そして、符号の23は互いに組み合わせた固定スクロール1の渦巻部および揺動スクロール2の渦巻部との間に形成される圧縮室、24は固定スクロール1から吐出された冷媒の戻りを止める吐出弁、25は固定スクロール1の渦巻部の先端に配備されたシール、26は揺動スクロール2の渦巻部の先端に配備されたシール、28は冷媒吸入配管21がロウ付けなどで固着される接続穴であり、ロウ付けなどに先立って冷媒吸入配管21の接続開口部30が貫通される。
上記のように構成された冷媒圧縮機において、図2は密閉容器中17と冷媒吸入配管21との接続部分を示す部分斜視図、図3は密閉容器中17と冷媒吸入配管21との接続部分を示す部分側面図、図4は密閉容器中17と冷媒吸入配管21との接続部分を示す一部断面を含む部分平面図、図5は冷媒吸入配管21の接続開口部30の断面を示す正断面図である。
図2において、冷媒吸入配管21は、一端側が垂直方向を向いたほぼ円筒形状の管が概略90度折り曲げられて他端側が水平向きにされている。この冷媒吸入配管21は、ほぼ円筒形状である密閉容器中17の筒心Sと、冷媒吸入配管21の垂直配置の円管部分の管心SAがおおよそ並行に配置されて、その水平配置の先端部が接続穴28を通して密閉容器中17内に貫通され、その状態で溶接あるいはロウ付けなどの接続方法により固定されている。通常、密閉容器中17は鉄系の金属で構成され、内径Lがおおよそ125〜250mmの大きさに形成されている。密閉容器中17の肉厚については、使用する冷媒や使用圧力により決定されており、おおよそ2〜15mmである。冷媒吸入配管21は通常、銅系の金属で構成されており、円管部分の内径AAはおおよそ10〜55mmに形成されている。冷媒吸入配管21の肉厚については、これもまた使用する冷媒や使用される圧力により決定されており、おおよそ1〜5mmである。密閉容器中17や冷媒吸入配管21の材料については、それぞれ鉄系の金属や銅系の金属により構成した例を示したが、それ以外の金属を用いても構わない。密閉容器中17と冷媒吸入配管21との接続方法は、溶接あるいはロウ付けなどとしたが、密閉容器中17の材料と冷媒吸入配管21の材料に応じて、それぞれの組合せにより適正な方法で接続することが望まれる。
次に、冷媒吸入配管21の形状につき図3〜図5に基づいて説明する。冷媒吸入配管21の管端の断面形状は、一方が円形状であるのに対し、他方は扁平で縦長の長円形状となっている。この冷媒吸入配管21の扁平な接続開口部30は、その長径方向(外径Cの方向)が密閉容器中17の筒心Sに沿い、その短径方向(外径Bの方向)が密閉容器中17の周方向に沿うように配置される。更に、密閉容器中17の接続穴28に貫通されたのち、例えばロウ付けで接続される。冷媒吸入配管21は概略円筒形状の管を概略90度折り曲げて形成されるが、その際に、管端の一方に扁平加工が施されて一体構造に構成されている。
前記した扁平の接続開口部30は、次の式(1)の関係を満たすように形成される。
圧縮機側接続長さ(横:短径方向の外径B)
< 冷媒吸入配管21の円管部分の外径A
< 圧縮機側接続長さ(縦:長径方向の外径C)
・・・(1).
また、次の式(2)により扁平率Dが算出される。
扁平率D=圧縮機側接続長さC(長径) ÷ 圧縮機側接続長さB(短径)
・・・(2).
この扁平率Dが高いほど、密閉容器中17内への配管突出量が小さくなる。
扁平率Dと密閉容器中17内への配管突出量との関係は、図6に示したグラフの関係を満たしている。この場合、密閉容器中17の内径Lと冷媒吸入配管21の短径方向の外径Bとの比R1は、1.9〜20.5:1である。この冷媒圧縮機において、前記した比R1は、密閉容器中17の内径Lと冷媒吸入配管21の長径方向の外径Cとの比R2よりも小さく設定されている。
尚、図1〜4では、密閉容器中17と冷媒吸入配管21との接続において、バーリング加工を施した接続穴28を密閉容器中17に形成した例を示しているが、密閉容器中17の肉厚が大きく、溶接あるいはロウ付けに必要な接続長さを十分に確保できる場合などは、バーリング加工を省略した接続穴を適用しても構わない。
次に動作について説明する。
上記のように構成された冷媒圧縮機において、電動機ステータ7に電源が供給されると、電動機ロータ6により主軸8が回転駆動される。電源には50Hzや60Hzの一般商用電源が使用されるが、冷媒循環量を可変にするため、駆動回転数を600〜10000rpmの範囲で駆動できるようにインバータ電源が使用される。主軸8が回転駆動すると、偏芯スライダ軸部8aがスライダ9を介して揺動軸受2a内で回転し揺動スクロール2へ駆動力を伝える。このとき、オルダムリング5のキー部(図示せず)を収容した揺動スクロール2のオルダム溝(図示せず)と、フレーム3のオルダム溝(図示せず)内で往復運動するオルダムリング5とにより、揺動スクロール2は自転を抑制され揺動運動を行う。
尚、フレーム3とサブフレーム13は密閉容器中17内に固定されているが、この固定時の精度ばらつきや部品個々の精度のばらつきにより、主軸受3aとボールベアリング14の軸芯ずれが生じる。また、主軸8のたわみも加わり、主軸受3aと主軸8、ボールベアリング14と主軸8は必ずしも平行にならない。ここで、主軸受3a内の摺動面を平行にするために、主軸8と主軸受3aの間にスリーブ10を収容している。主軸受3aとボールベアリング14の軸芯ずれが生じた場合、主軸8は主軸受3aに対して傾斜するが、第二ピポッド部(図示せず)がスリーブ10の内周面に接触して主軸8の傾きを第二ピポッド部が吸収する。これにより、スリーブ10の外周は常時平行に主軸受3aと摺動することが可能となる。
そこで、遠心力を生じた揺動スクロール2は、主軸8の偏芯スライダ軸部8aとスライダ9内のスライド可能範囲内で摺動し、揺動スクロール2の渦巻部(符号付け省略)と固定スクロール1の渦巻部(符号付け省略)が接触して圧縮室23を形成する。揺動スクロール2の遠心力、および冷媒を圧縮するために発生する半径方向の荷重が主軸8の偏芯スライダ軸部8aにかかって偏芯スライダ軸部8aが撓むことで、偏芯スライダ軸部8aは、揺動スクロール2の下面中央に設けられた揺動軸受2aの内面に対し、必ずしも平行にならなくなる。ここで、揺動軸受2a内の摺動面を平行にするために、主軸8の偏芯スライダ軸部8aと揺動軸受2aとの間にスライダ9を収容している。偏芯スライダ軸部8aが撓むことで、主軸8の偏芯スライダ軸部8aは揺動軸受2aに対して傾斜するが、第一ピポッド部(図示せず)がスライダ9のスライダ面に接触して主軸8の傾きを第一ピポッド部が吸収する。これにより、スライダ9の外周は、常時平行に揺動軸受と摺動することが可能となる。
この冷媒圧縮機に使用される冷媒は、組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、炭化水素、またはそれらを含んで成る混合物である。前記のハロゲン化炭化水素としては、例えばオゾン層破壊係数がゼロであるHFC冷媒、フロン系低GWP冷媒と呼ばれているHFO1234yfやHFO1234zeやHFO1243zfなどが例示される。前記の炭化水素としては、例えば自然冷媒であるプロパンやプロピレンなどが例示される。
そして、冷媒回路中の冷媒は、冷媒吸入配管21から密閉容器20内に吸入され、フレーム3の吸入ポート(図示せず)から揺動スクロール2の渦巻部と固定スクロール1の渦巻部により形成される圧縮室23に入る。圧縮室23は、揺動スクロール2の揺動運動により揺動スクロール2の中心へ移動し、更に体積が縮小されることにより圧縮される。このとき、圧縮された冷媒によって固定スクロール1と揺動スクロール2にはそれぞれを軸方向(筒心Sに沿う方向)に離そうとする荷重が働くが、揺動スクロール2はその揺動軸受2aとスラストプレート4により構成された軸受によって荷重が支えられている。圧縮された冷媒は、固定スクロール1の吐出ポート(図示せず)を通り吐出弁24を押し開けて密閉容器上19内の高圧部を通り、冷媒吐出配管22を経て密閉容器20から冷媒回路に吐出される。
以上のような一連の動作の中で、回転する主軸8のポンプ軸部8bでオイルポンプ15が駆動されて、密閉容器20の下端の油溜め16から潤滑油が油穴8cを通して汲み上げられ、密閉容器20内にある複数個所の摺動部に供給される。これら摺動部は、高温になることを防ぐため、密閉容器20内に吸入された比較的低温の冷媒により冷却される。前記したオイルポンプ15の駆動により潤滑油を供給される摺動部としては、例えば揺動スクロール2の揺動軸受2aとスラストプレート4との摺動部、揺動スクロール2の渦巻部と固定スクロール1の渦巻部との摺動部、固定スクロール1の渦巻部先端のシール25と揺動スクロール2の渦巻部側の歯底面との摺動部、揺動スクロール2の渦巻部先端のシール26と固定スクロール1の渦巻部側の歯底面との摺動部、揺動スクロール2のオルダム溝とオルダムリング5のキー部との摺動部や、フレーム3の主軸受3a近傍のオルダム溝とオルダムリング5のキー部との摺動部、揺動スクロール2の下面中央の揺動軸受2aとスライダ9の外周との摺動部、偏芯スライダ軸部8aの第一ピポッド部とスライダ9のスライド面との摺動部、フレーム3の主軸受3aとスリーブ10の外周との摺動部、スリーブ10の内側と主軸8の第二ピポッド部との摺動部などである。
また、この密閉容器20内に吸入された比較的低温の冷媒は、電動機ロータ6や電動機ステータ7を冷却する効果もあり、冷媒回路から冷媒を取り込む冷媒吸入配管21は、フレーム3と電動機ステータ7のそれぞれの近傍に接続されることが好ましい。一方で、この冷媒圧縮機においては、日本および諸外国の電気用品の対する安全規格、例えば日本の電気用品安全法などの規格を満足するために、冷媒吸入配管21は電動機ステータ7に対して、絶縁のために必要な空間距離を保てる位置に接続されている。
以上のように、冷媒吸入配管21の接続開口部30の短径方向(横方向)の外径Bを冷媒吸入配管21の外径Aよりも小さくすることで、密閉容器中17内への配管突出量である、配管無効部27(図4参照)を極力少なくすることができる。これにより、圧縮機の内部構成部品に制約を与えず、低温の冷媒を吸入する冷媒吸入配管21を摺動部や電動機部の近傍に接続することができる。その結果、高効率で高信頼性を確保した冷媒圧縮機を得ることができる。また、配管無効部27をなくすことで、低コスト化を図ることも可能となる。因みに、図4に2点鎖線で示すように、接続される接続開口部30Aの断面が円形であり、且つ、垂直配置の円管部分と同じ外径Aである冷媒吸入配管を用いたとすると、その冷媒吸入配管の配管突出量は、扁平部を有する冷媒吸入配管21の配管突出量よりも格段に大きくなる。従って、その配管無効部27Aは冷媒吸入配管21の配管無効部27よりも非常に大きい。尚、冷媒吸入配管21の接続開口部30の長径方向(縦方向)の外径Cを冷媒吸入配管21の円管部分の外径Aよりも大きくすることで、冷媒吸入配管21の必要開口断面積を十分に確保でき、冷媒の圧力損失の増加を小さくすることができる。
上記したように、この冷媒圧縮機は、接続される冷媒配管の密閉容器中17内へ突出した配管無効部27が極めて少ないため、追加で行なう配管無効部27の切削加工が少なくて済むか、または切削加工の必要がない。従って、密閉容器中17に接続される冷媒配管の口径を大きくした場合でもコストを低減できる。また、密閉容器中17内への配管突出量を小さくすることで、内部構成部品の配置に制約を与えない冷媒圧縮機を得ることができ、低温の冷媒を吸入する冷媒吸入配管21を摺動部や電動機部31のより近傍に設置することができる。その結果、冷媒による冷却効果を摺動部や電動機部31の冷却に有効に利用することで、高効率、高信頼性を確保できる。更に、冷媒吸入配管21を摺動部や電動機部31のより近傍に設置することは、密閉容器20の小型化とコスト低減が可能になる。その結果、冷媒圧縮機そのものをコンパクトに構成することができる。
図7に、冷媒吸入配管21の接続開口部30における扁平率Dと冷媒吸入配管21における圧力損失の増加率との関係の一例であるグラフを示す。このグラフは冷媒吸入配管21の扁平率Dを大きくすると、圧力損失が大きくなることを示している。この扁平率Dは、図6で示した密閉容器中17内への配管突出量との兼ね合い、更には冷媒吸入配管21の開口断面積により決定される。ところで、オゾン層破壊係数がゼロであるHFC冷媒や、フロン系低GWP冷媒と呼ばれているHFO1234yfやHFO1234zeやHFO1243zfなどのように、組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、または自然冷媒であるプロパンやプロピレンなどの炭化水素など、若しくはそれらを含んで成る混合物を冷媒として使用する場合、現在、主に使用されているフロン系冷媒のR410Aと同等の性能を得るためには、冷媒循環量を1.5〜2.5倍に高流量化する必要がある。しかしながら、上記のような冷媒の圧力損失の増加を防ぐ構成を採用したことで、地球温暖化係数の小さな冷媒を使用する圧縮機を高効率のまま提供することが可能となる。
上記の効果は、大きな冷媒循環量が必要になる、HFO1234yfなどのフロン系低GWP冷媒や、プロパンなどの炭化水素系自然冷媒を使用する場合に、より大きくなる。冷媒回路内の冷媒配管の口径を大きくする目安は、冷媒循環量が大きくする場合とほぼ同じであり、R410Aの冷媒循環量と比べて、HFO1234yfなどのフロン系低GWP冷媒では、おおよそ2〜2.5倍、プロパンなどの炭化水素系自然冷媒ではおおよそ1.5〜2倍である。また、接続される冷媒配管の密閉容器内への配管突出量も、前記した冷媒循環量に関する倍数値とほぼ同じである。
実施の形態2.
次に、冷媒吸入配管の接続開口部の扁平形状として楕円形状を採用した実施の形態2について説明する。
図8は冷媒吸入配管21Aにおける接続開口部30Aの断面が楕円形状であるものを示している。尚、冷媒吸入配管21Aの接続開口部30Aの断面形状以外の構成は実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
以上のように、冷媒吸入配管21Aにおける扁平部の接続開口部30Aの断面は楕円形状になっているので、実施形態1のように長円形状の接続開口部30を持つ冷媒吸入配管21と比べると、接続開口部30Aの内壁面に内圧がより均等にかかる。これによって、冷媒吸入配管21Aの耐圧強度が増すから薄肉化を図ることができ、コストダウンを実現することができる。
ところで、上記した各々の実施形態では、密閉容器20の円筒部である密閉容器中17に冷媒吸入配管21のみを接続した構成について説明したが、その他の態様として、円筒部である密閉容器中17に、冷媒吸入配管21および冷媒吐出配管22の双方を接続したり、あるいは冷媒吐出配管22のみを接続したりする構成についても、本発明を適用できることは言うまでもない。
一般に、密閉容器の円筒部の曲面に溶接やロウ付けなどで接続される冷媒配管は大別すると、高圧側配管(冷媒吐出配管)と低圧側配管(冷媒吸入配管)の2種類に分けられる。通常は、低圧側配管の方が冷媒密度により口径を大きく設定されている。使用される冷媒や、使用される冷媒回路で決定される圧縮比にもよるが、通常、冷媒吸入配管の口径は、冷媒吐出配管の口径に対し、おおよそ1〜2倍であり、そのときの密閉容器内への冷媒吸入配管の配管突出量はほぼ1〜4倍になる。従って、密閉容器の円筒部に冷媒吸入配管を接続する方が、効果はより大きくなる。
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、2a 揺動軸受、3 フレーム、3a 主軸受、5 オルダムリング、8 主軸、15 オイルポンプ、16 油溜め、17 密閉容器中(円筒部)、20 密閉容器、21 冷媒吸入配管、21a 冷媒吸入配管、22 冷媒吐出配管、23 圧縮室、27 配管無効部、28 接続穴、29 圧縮機構部、30 接続開口部、31 電動機部、B 短径方向の外径、BA 短径方向の外径、C 長径方向の外径、CA 長径方向の外径、L 内径、S 筒心。

Claims (4)

  1. 密閉容器内に、電動機部と、前記電動機部に連結されて冷媒を圧縮する圧縮機構部と、潤滑油を貯留する油溜めと、を備え、前記密閉容器の少なくとも一部が円筒部で構成され、冷媒吐出配管前記密閉容器の前記円筒部に貫通接続される冷媒圧縮機において、
    前記圧縮機構部は、巻方向が互いに逆の渦巻部を組み合わせることにより圧縮室を形成する固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動スクロールの反圧縮室側に設けられて前記揺動スクロールを揺動自在に支持する揺動軸受と、前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングを支持するフレームと、前記フレームの中心部に設けられた主軸受を貫通して油溜め内の潤滑油を各摺動部に供給するためのオイルポンプに連結されるとともに前記揺動スクロールに駆動力を伝達する主軸とを備えて構成され、
    前記冷媒吐出配管の接続開口部の断面を扁平に形成し、
    前記冷媒吐出配管は、該冷媒吐出配管の短径方向を前記円筒部の周方向に沿わせ、且つ、前記冷媒吐出配管の長径方向を前記円筒部の筒心方向に沿わせるように配置して前記円筒部に接続したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 前記密閉容器の前記円筒部に接続される前記冷媒吐出配管は、一端側が前記円筒部に接続される水平部と、前記水平部の他端側から前記円筒部の筒心と平行に管心が配置される垂直部とにより構成され、
    前記垂直部の断面形状は円形であり、
    前記水平部の断面形状は前記長径方向と前記短径方向とを有する扁平であり、
    前記垂直部の外径は、前記水平部の長径方向の外径よりも小さく、前記水平部の短径方向の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の冷媒圧縮機。
  3. 使用される冷媒が、炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、若しくは、前記ハロゲン化炭化水素を含んで成る混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
  4. 使用される冷媒が、炭化水素、若しくは、前記炭化水素を含んで成る混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
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