JP2002317786A - 油冷式圧縮機およびその運転方法 - Google Patents

油冷式圧縮機およびその運転方法

Info

Publication number
JP2002317786A
JP2002317786A JP2001119537A JP2001119537A JP2002317786A JP 2002317786 A JP2002317786 A JP 2002317786A JP 2001119537 A JP2001119537 A JP 2001119537A JP 2001119537 A JP2001119537 A JP 2001119537A JP 2002317786 A JP2002317786 A JP 2002317786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
temperature
discharge
value
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001119537A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Yoshimura
省二 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2001119537A priority Critical patent/JP2002317786A/ja
Publication of JP2002317786A publication Critical patent/JP2002317786A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きなスペースを要することなく、かつエネ
ルギ消費の増大を招くことなく圧縮ガスからの水の析出
の抑制を可能とした油冷式圧縮機およびその運転方法を
提供する。 【解決手段】 圧縮機本体11の吐出流路12に油分離
回収器13を備えるとともに、この油分離回収器13の
下部の油溜り部14の油を圧縮機本体11内の軸受・軸
封部およびガス圧縮空間等の注油箇所に導く油流路15
を備えた油冷式圧縮機1Aにおいて、上記注油箇所への
油量を、起動してから予め定めた時間が経過する迄は、
上記注油箇所への給油量を定常運転時の値より小で必要
最小限の値以上の値にする開閉弁17が油流路15の分
岐部である流路部15Bに設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受・軸封部およ
びガス圧縮空間に注油する油冷式圧縮機およびその運転
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油冷式圧縮機、なかでも油冷式空
気圧縮機の場合、吸込空気中に水蒸気が含まれているた
め、油への水の混入を防止する対策が採られている。即
ち、水蒸気を含んだ空気を圧縮すると、水蒸気の分圧も
上昇し、圧縮機本体から吐出された圧縮空気の温度がこ
の水蒸気圧における露点以下の場合には、水が析出する
ことになる。圧縮機本体からは圧縮空気は油を伴って吐
出されるため、圧縮空気から水が析出すると、この油に
水が混入し、圧縮空気とともにこの油が吐出流路に設け
られた油分離回収器に導かれる。さらに、この油分離回
収器にて回収された油が水を含んだ状態で圧縮機本体内
の軸受部等に供給され、繰返し循環させられる。そし
て、この油に含まれる水が金属腐食を招き、軸受破損等
の原因となる。
【0003】圧縮機の起動時は、上記油分離回収器内の
温度が低く、圧縮機本体への給油温度も低いため、圧縮
機本体から吐出された圧縮空気の温度の上昇は鈍く、こ
の圧縮空気の温度が露点以下となり、圧縮空気から水が
析出する。通常、斯かる状態は起動後5分程度迄続き、
圧縮機が連続運転されている場合には、その後、圧縮空
気の温度が露点を超え、油中に析出していた水は蒸発す
る。しかしながら、圧縮機が、短かい時間間隔で繰返し
起動、停止させられる場合には、圧縮空気の温度が十分
に上がらず、油中に混入した水の蒸発は起こらない。こ
の結果、油に混入した水の量が増大し、上述したよう軸
受破損等の破損を招くことになる。
【0004】斯かる事態の発生を防止するために、油分
離回収器から圧縮機本体に給油するための油流路に油水
分離装置を設け、これにより水を定期的に除く対策が採
られている。また、これとは別に、短い時間間隔で繰返
される圧縮機の起動・停止の回数がある値に達すると、
新たな圧縮空気の必要性がなくても、無条件に圧縮機を
連続運転させることにより、油中に析出していた水を蒸
発させる対策が採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した油中に析出し
た水を除く対策として、油水分離装置を設ける場合、こ
の油水分離装置のコストが高く、また大きなスペースが
必要になるという問題がある。これに対して、新たな圧
縮空気が必要でなくても、圧縮機を無条件に連続運転さ
せる場合、エネルギを浪費することになるという問題が
ある。本発明は、斯る従来の問題をなくすことを課題と
してなされたもので、大きなスペースを要することな
く、かつエネルギ消費の増大を招くことなく圧縮ガスか
らの水の析出の抑制を可能とした油冷式圧縮機およびそ
の運転方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第一発明は、圧縮機本体の吐出流路に油分離回収器
を備えるとともに、この油分離回収器の下部の油溜り部
の油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部およびガス圧縮
空間等の注油箇所に導く油流路を備えた油冷式圧縮機に
おいて、上記注油箇所への油量を、起動してから予め定
めた時間が経過する迄は、上記注油箇所への給油量を定
常運転時の値より小で必要最小限の値以上の値にする給
油量変更手段を上記油流路に設けた構成とした。
【0007】また、第二発明は、圧縮機本体の吐出流路
に油分離回収器を備えるとともに、この油分離回収器の
下部の油溜り部の油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部
およびガス圧縮空間等の注油箇所に導く油流路を備えた
油冷式圧縮機において、上記油流路に設けられ、上記注
油箇所への給油量を調整する給油量変更手段と、上記吐
出流路に温度検出可能に設けられ、検出した吐出温度に
基づき上記給油量変更手段を制御することにより、起動
してから上記吐出流路における吐出温度が吐出された圧
縮ガスに含まれる水蒸気の露点以上の予め定められた温
度に達する迄は、上記注油箇所への給油量を定常運転時
の値より小で必要最小限の値以上の値にするとともに、
上記吐出温度が上記露点以上の予め定められた温度を超
えた場合には、上記給油量を定常運転時の値にする温度
コントローラとを設けた構成とした。
【0008】さらに、第三発明は、圧縮機本体の吐出流
路に油分離回収器を備えるとともに、この油分離回収器
の下部の油溜り部の油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封
部およびガス圧縮空間等の注油箇所に導く油流路を備え
た油冷式圧縮機において、上記油流路に設けられ、上記
注油箇所への給油量を調整する給油量変更手段と、上記
吐出流路に温度検出可能に設けられ、検出した吐出温度
に基づき上記給油量変更手段を制御することにより、起
動してから上記吐出流路における吐出温度が吐出された
圧縮ガスに含まれる水蒸気の露点以上の予め定めた温度
に達する迄は、上記注油箇所への給油量を定常運転時の
値より小で必要最小限の値以上の値にするとともに、上
記吐出温度が上記露点以上の予め定めた温度を超えて油
劣化温度域の下限値に達する迄は、上記吐出温度が高い
程上記給油量を多くし、上記吐出温度が油劣化温度域の
下限値に達すると上記給油量を最大にする温度コントロ
ーラとを設けた構成とした。
【0009】さらに、第四発明は、圧縮機本体の吐出流
路に油分離回収器を備えるとともに、この油分離回収器
の下部の油溜り部の油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封
部およびガス圧縮空間等の注油箇所に導く油流路を備え
た油冷式圧縮機の運転方法において、上記注油箇所への
油量を、起動してから予め定めた時間が経過する迄は、
上記注油箇所への給油量を定常運転時の値より小で必要
最小限の値以上の値にするようにした。
【0010】さらに、第五発明は、圧縮機本体の吐出流
路に油分離回収器を備えるとともに、この油分離回収器
の下部の油溜り部の油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封
部およびガス圧縮空間等の注油箇所に導く油流路を備え
た油冷式圧縮機の運転方法において、上記注油箇所への
油量を、起動してから上記吐出流路における吐出温度が
吐出された圧縮ガスに含まれる水蒸気の露点以上の予め
定めた温度に達する迄は、上記注油箇所への給油量を定
常運転時の値より小で必要最小限の値以上の値にすると
ともに、上記吐出温度が上記露点以上の予め定めた温度
を超えた場合には、上記給油量を定常運転時の値にする
ようにした。
【0011】さらに、第六発明は、圧縮機本体の吐出流
路に油分離回収器を備えるとともに、この油分離回収器
の下部の油溜り部の油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封
部およびガス圧縮空間等の注油箇所に導く油流路を備え
た油冷式圧縮機の運転方法において、上記注油箇所への
油量を、起動してから上記吐出流路における吐出温度が
吐出された圧縮ガスに含まれる水蒸気の露点以上の予め
定めた温度に達する迄は、上記注油箇所への給油量を定
常運転時の値より小で必要最小限の値以上の値にすると
ともに、上記吐出温度が上記露点以上の予め定めた温度
を超えて油劣化温度域の下限値に達する迄は、上記吐出
温度が高い程上記給油量を多くし、上記吐出温度が油劣
化温度域の下限値に達すると上記給油量を最大にするよ
うにした。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。図1は、本発明の第一実施形態に
係る油冷式圧縮機1A、例えば油冷式スクリュ圧縮機を
示し、圧縮機本体11から延びる吐出流路12に油分離
回収器13が設けられている。油冷式圧縮機1Aの場
合、圧縮機本体11から圧縮ガスが油を伴って吐出さ
れ、油分離回収器13にて、圧縮ガスと油とが分離され
る。圧縮ガスは油分離回収器13の上部に接続された吐
出流路12の部分へと流出し、分離された油は油分離回
収器13の下部の油溜り部14に一旦溜められる。
【0013】さらに、油溜り部14からは油流路15が
延びている。この油流路15は、圧縮機本体11内の軸
受・軸封部に通じる流路部15Aと圧縮機本体11内の
軸受・軸封部を除く、その他のガス圧縮空間を含む箇所
に通じる流路部15Bとに分岐している。流路部15A
には、油冷却器16Aが設けられ、冷却された油が上記
軸受・軸封部に供給される。流路部15Bには、例えば
タイマーを内蔵し、油冷却器16Bと圧縮機本体11が
起動してから予め定めた時間が経過した後に開の状態と
なる給油量変更手段の一例である開閉弁17とが設けら
れている。この予め定めた時間は、油冷式圧縮機1Aが
起動して、吐出温度が圧縮ガスに含まれる水蒸気の露点
以上の予め定めた温度(例:露点(80℃))に達する
迄の時間と油劣化温度域の下限値(例:120℃)に達
するまでの時間との間の値になるように定められる。
【0014】したがって、この油冷式圧縮機1Aを起動
すると、初めのうちは油流路15の流路部15Aにのみ
油が流れ、上記軸受・軸封部に冷却油が供給される。こ
のため、ガス圧縮空間にはこの軸受・軸封部から流出し
た油のみが供給され、この供給される油が少量である
故、ガス圧縮空間において油に奪われる熱が少なく、吐
出温度の上昇速度が速められる。そして、上述した予め
定めた時間が経過すると、開閉弁17が開かれ、定常運
転時に必要な量の冷却油がガス圧縮空間に供給されるよ
うになり、吐出温度が適正温度範囲内に保たれる。即
ち、吐出温度は、圧縮ガス中の水蒸気の露点より高く、
油劣化温度域の下限値より低く保たれる。このように、
この油冷式圧縮機1Aでは、起動してから暫くは、ガス
圧縮空間への給油量を少なくすることにより、吐出温度
の上昇速度を速め、圧縮ガスからの水の析出を抑制して
いる。
【0015】一般に、油冷式圧縮機1Aの圧縮機本体1
1への給油量qは、供給されるエネルギと消費されるエ
ネルギとの間でのエネルギバランスの関係に基づき、次
式により求められる。
【数1】 W :軸動力 C:ガス比熱 Q :吐出ガス量 T:吐出温度 T:吸込温度 T:給油温度 C:油比熱 ρ:油密度
【0016】(1)式において、軸動力W、吐出ガス量
Qおよび吸込温度Tは圧縮機仕様として予め決定され
ており、給油温度Tについては、周囲温度および冷却
水温度により決まり、略一定であり、油冷式圧縮機1A
においては、以下に説明する理由から、吐出温度T
露点温度より高く、かつ油劣化温度域の下限値より低く
なるように給油量qが定められる。給油量qと吐出温度
とは、一方の値が大きくなれば、他方の値が小さく
なる関係にある。したがって、給油量qを少なくすると
吐出温度Tが上昇するが、給油量qを少なくし過ぎる
と吐出温度Tが高くなり過ぎて油劣化温度域に達し、
長時間運転することが困難となる。
【0017】また、油冷式圧縮機1Aの起動時は、圧縮
機本体11を含め、各部の温度は低く、油の温度も低
く、油冷式圧縮機1Aを起動しても、定常運転時の領域
に達するまでに若干時間(例:約5分)を要する。これ
に対して、吐出圧力は起動後、ごく短時間(例:数秒)
で定常運転時の領域に達し、上述した露点は吐出圧力に
より決まる。このため、吐出圧力が上昇し、定常運転時
の領域に達しても、吐出温度が遅々とした上昇速度で、
露点以下の状態が続き、この間に圧縮ガスから水が析出
する。
【0018】(1)式における吐出温度Tの上昇速度
は、定常運転時における吐出温度の値を高くすれば速く
なる。そこで、(1)式から、油冷却器16A,16B
を介さないで圧縮機本体11に給油するようにして給油
温度Tを高くすることにより、吐出温度Tを高くす
ることが考えられるが、現実には、油の比熱が大きく、
給油温度Tを短時間で上昇させることは困難である。
したがって、吐出温度Tの上昇速度を速めるには、給
油量qを少なくするのが最適と言える。つまり、吐出温
度Tの上昇速度を速めるには、給油量qは定常運転時
の値より小で必要最小限の値以上の値とするのが効果的
である。最も吐出温度Tの上昇速度を速めたいのであ
れば、給油量qをまさに必要最小限の値とすることが望
ましい。
【0019】図2は、上記起動の際に給油量qを調整し
ない従来の油冷式圧縮機における、その起動後経過した
時間tと吐出圧力および吐出温度との関係と、上記起動
の際に、所定時間だけ給油量qを少なくする本発明に係
る油冷式圧縮機1Aにおける、起動してからの時間tと
吐出圧力および吐出温度との関係とを対比して示したも
のである。実線で表した曲線Iは従来の場合における吐
出圧力、曲線IIは本発明の場合における吐出圧力、一点
鎖線で表した曲線IIIは従来の場合における吐出温度、
曲線IVは本発明の場合における吐出温度のそれぞれの変
化を示している。また、縦軸上のTは上述した露点を
示し、横軸上のt,t吐出圧力が定常運転時の状態P
に達する迄の時間を示し、いずれも数秒程度で、
t,tは吐出温度が露点に達する迄の時間を示し、t
が約5分であるのに対してtが20秒〜30秒で非
常に短い。さらに、t,tは圧縮ガスから水が析出す
る時間を示し、tに比してtの方が非常に短く、水の
析出量が少なくなる。
【0020】さらに、図3は油冷式圧縮機1Aの起動後
経過した時間tと吐出温度との関係を示し、この吐出温
度は、周囲の温度が高い場合には実線により表された曲
線Vのように変化し、周囲の温度が低い場合には実線に
より表された曲線VIのように変化する。なお、図3にお
いて、“C”で示す間は開閉弁17が閉の状態にあり、
“O”で示す間は開閉弁17が開の状態にあることを意
味し、縦軸上のTは上記同様、圧縮ガスに含まれる水
蒸気の露点、Tは油劣化温度域の下限値を示してい
る。また、図3において、二点鎖線で表された曲線は、
開閉弁17が閉の状態を続けた場合における吐出温度の
変化を示している。
【0021】図示するように、吐出温度は、起動当初は
速められ、油劣化温度域にまで上昇することなく、適正
温度範囲内に保たれる。ただし、この吐出温度の上昇速
度は周囲の温度に左右され、周囲温度が低い場合には、
上記上昇速度は遅くなるため、上述した予め定めた時間
は長く、逆に周囲温度が高い場合には、上記上昇速度は
速くなるため、上述した予め定めた時間は短くなる。し
たがって、開閉弁17は、これに閉状態を保たせるため
に設定される時間について、調整可能であるのがよい。
【0022】また、油冷式圧縮機1Aは、いかなる状況
下でも、定常運転状態に達すると、吐出温度が上記露点
と上記油劣化温度域の下限値との間に保たれるように、
圧縮機本体11への給油量について、調整可能であるの
が好ましい。なお、開閉弁17に代えて、開度調整可能
な弁を採用し、その開度を漸増させ、流路部15Bにお
ける油量を徐々に増大させるようにしてもよい。
【0023】図4は、本発明の第二実施形態に係る油冷
式圧縮機1Bを示し、図1に示す油冷式圧縮機1Aと互
いに共通する部分については、同一番号を付して説明を
省略する。この油冷式圧縮機1Bでは、吐出流路12に
温度検出可能に温度コントローラ21が設けられ、開閉
弁17が温度コントローラ21により、その検出された
吐出温度に基づき制御されるように設けられている。即
ち、油冷式圧縮機1Bを起動させた後に、温度コントロ
ーラ21により検出された吐出温度が、吐出された圧縮
ガスに含まれる水蒸気の露点以上の予め定めた温度、例
えば90℃に達する迄は開閉弁17は閉の状態に保た
れ、圧縮機本体11への給油量は定常運転時の値より小
で必要最小限の値以上の値に保たれる。これに対して、
上記吐出温度が上記露点以上の予め定めた温度を超える
と、開閉弁17は開の状態とされ、圧縮機本体11への
給油量は定常運転時の値となる。
【0024】そして、このようにして、この油冷式圧縮
機1Bでは、起動時における吐出温度の上昇速度を速く
し、起動直後における圧縮ガスからの水の析出は抑制す
るとともに、その後の吐出温度を適正範囲内に保つよう
してある。しかも、この油冷式圧縮機1Bの場合は、実
際に検出した吐出温度に基づいて、開閉弁17を開閉さ
せる故、上述した開閉弁17の開閉切換えのタイミング
は周囲温度により左右されることはない。
【0025】図5は、本発明の第三実施形態に係る油冷
式圧縮機1Cを示し、上述した油冷式圧縮機1Aおよび
1Bと互いに共通する部分については、同一番号を付し
て説明を省略する。この油冷式圧縮機1Cでは、吐出流
路12に吐出温度の検出が可能な温度コントローラ31
が設けられ、さらに流路部15Bに、開閉弁17に代え
て、温度コントローラ31により開度調整される給油量
変更手段の一例である流量調整弁32が設けられてい
る。そして、油冷式圧縮機1Bを起動させた後に、流量
調整弁32の開度は、温度コントローラ31により検出
された吐出温度が上記露点以上の予め定めた温度、例え
ば80℃に達する迄は0%(全閉状態)に保たれ、上記
露点以上の予め定めた温度を超えて、上昇するとともに
増大してゆき、上記油劣化温度域の下限値に達すると1
00%(全開状態)となる一方、上記吐出温度が降下し
てゆく場合には、流量調整弁22の開度は、上記とは逆
に縮小してゆくように制御される。
【0026】このように、この油冷式圧縮機1Cの場合
も、上記同様、起動されてから吐出温度が上記露点以上
の予め定めた温度に達する迄は、圧縮機本体11への給
油量は最少に保たれ、吐出温度がこの露点を超えると、
吐出温度に応じて上記給油量が調整され、圧縮ガスから
の水の析出は抑制されるとともに、上記油劣化温度域の
下限値に達すると上記給油量は最大となり、吐出温度の
上昇が抑制されるようになっている。しかも、この油冷
式圧縮機1Bの場合は、実際に検出した吐出温度に基づ
いて、流量調整弁22の開度調整がなされるため、調整
される開度の大小が周囲温度により左右されることはな
い。
【0027】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、圧縮機本体を起動してから、予め定めた時間
が経過する迄は、給油量を定常運転時の値より小で必要
最小限の値以上の値としている。このため、大きなスペ
ースを要する機器を設けることなく、かつエネルギ消費
の増大を招くことなく、圧縮機起動時において、吐出さ
れた圧縮ガスに含まれる水の析出を抑制することができ
るという効果を奏する。
【0028】また、本発明によれば、圧縮機の起動か
ら、検出された吐出温度が吐出された圧縮ガスに含まれ
る水蒸気の露点以上の予め定めた温度に達する迄は、圧
縮機本体への給油量を定常運転時の値より小で必要最小
限の値以上の値にし、この検出された吐出温度が上記露
点以上の予め定めた温度を超えると上記給油量を増大さ
せるようにしているため、この給油量を増減させるタイ
ミングが周囲温度により左右されることはなく、上記同
様吐出された圧縮ガスに含まれる水の析出を抑制するこ
とができるという効果を奏する。
【0029】しかも、本発明によれば、上述した予め定
めた時間が経過した後、或いは検出された吐出温度が吐
出された圧縮ガスに含まれる水蒸気の露点以上の予め定
めた温度を超えた場合には、上記給油量を増大させ、吐
出温度を異常上昇させることなく、適正範囲内に保つよ
うにしているため、油の劣化を抑制することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態に係る油冷式圧縮機の
全体構成を示す図である。
【図2】 本発明に係る油冷式圧縮機および従来の油冷
式圧縮機における起動後の経過時間と吐出圧力、吐出温
度との関係を示す図である。
【図3】 本発明に係る油冷式圧縮機における起動後の
経過時間と周囲温度影響される吐出温度との関係を示す
図である。を示す図である。
【図4】 本発明の第二実施形態に係る油冷式圧縮機の
全体構成を示す図である。
【図5】 本発明の第三実施形態に係る油冷式圧縮機の
全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C 油冷式圧縮機 11 圧縮
機本体 12 吐出流路 13 油分
離回収器 14 油溜り部 15 油流
路 15A,15B 流路部 16 油冷
却器 17 開閉弁 21 温度
コントローラ 31 温度コントローラ 32 流量
調整弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 29/10 321 F04C 29/10 321Z 331 331Z Fターム(参考) 3H003 AA05 AB07 AC02 BD02 BE07 BH05 CD07 3H029 AA03 AA17 AA21 AB02 BB01 BB06 BB07 BB11 BB12 BB37 BB41 BB48 CC42 CC46 CC56 CC61 3H045 AA06 AA12 AA26 BA19 BA41 CA19 DA11 EA16 EA43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機本体の吐出流路に油分離回収器を
    備えるとともに、この油分離回収器の下部の油溜り部の
    油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部およびガス圧縮空
    間等の注油箇所に導く油流路を備えた油冷式圧縮機にお
    いて、上記注油箇所への油量を、起動してから予め定め
    た時間が経過する迄は、上記注油箇所への給油量を定常
    運転時の値より小で必要最小限の値以上の値にする給油
    量変更手段を上記油流路に設けたことを特徴とする油冷
    式圧縮機。
  2. 【請求項2】 圧縮機本体の吐出流路に油分離回収器を
    備えるとともに、この油分離回収器の下部の油溜り部の
    油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部およびガス圧縮空
    間等の注油箇所に導く油流路を備えた油冷式圧縮機にお
    いて、上記油流路に設けられ、上記注油箇所への給油量
    を調整する給油量変更手段と、上記吐出流路に温度検出
    可能に設けられ、検出した吐出温度に基づき上記給油量
    変更手段を制御することにより、起動してから上記吐出
    流路における吐出温度が吐出された圧縮ガスに含まれる
    水蒸気の露点以上の予め定められた温度に達する迄は、
    上記注油箇所への給油量を定常運転時の値より小で必要
    最小限の値以上の値にするとともに、上記吐出温度が上
    記露点以上の予め定められた温度を超えた場合には、上
    記給油量を定常運転時の値にする温度コントローラとを
    設けたことを特徴とする油冷式圧縮機。
  3. 【請求項3】 圧縮機本体の吐出流路に油分離回収器を
    備えるとともに、この油分離回収器の下部の油溜り部の
    油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部およびガス圧縮空
    間等の注油箇所に導く油流路を備えた油冷式圧縮機にお
    いて、上記油流路に設けられ、上記注油箇所への給油量
    を調整する給油量変更手段と、上記吐出流路に温度検出
    可能に設けられ、検出した吐出温度に基づき上記給油量
    変更手段を制御することにより、起動してから上記吐出
    流路における吐出温度が吐出された圧縮ガスに含まれる
    水蒸気の露点以上の予め定めた温度に達する迄は、上記
    注油箇所への給油量を定常運転時の値より小で必要最小
    限の値以上の値にするとともに、上記吐出温度が上記露
    点以上の予め定めた温度を超えて油劣化温度域の下限値
    に達する迄は、上記吐出温度が高い程上記給油量を多く
    し、上記吐出温度が油劣化温度域の下限値に達すると上
    記給油量を最大にする温度コントローラとを設けたこと
    を特徴とする油冷式圧縮機。
  4. 【請求項4】 圧縮機本体の吐出流路に油分離回収器を
    備えるとともに、この油分離回収器の下部の油溜り部の
    油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部およびガス圧縮空
    間等の注油箇所に導く油流路を備えた油冷式圧縮機の運
    転方法において、上記注油箇所への油量を、起動してか
    ら予め定めた時間が経過する迄は、上記注油箇所への給
    油量を定常運転時の値より小で必要最小限の値以上の値
    にすることを特徴とする油冷式圧縮機の運転方法。
  5. 【請求項5】 圧縮機本体の吐出流路に油分離回収器を
    備えるとともに、この油分離回収器の下部の油溜り部の
    油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部およびガス圧縮空
    間等の注油箇所に導く油流路を備えた油冷式圧縮機の運
    転方法において、上記注油箇所への油量を、起動してか
    ら上記吐出流路における吐出温度が吐出された圧縮ガス
    に含まれる水蒸気の露点以上の予め定めた温度に達する
    迄は、上記注油箇所への給油量を定常運転時の値より小
    で必要最小限の値以上の値にするとともに、上記吐出温
    度が上記露点以上の予め定めた温度を超えた場合には、
    上記給油量を定常運転時の値にすることを特徴とする油
    冷式圧縮機の運転方法。
  6. 【請求項6】 圧縮機本体の吐出流路に油分離回収器を
    備えるとともに、この油分離回収器の下部の油溜り部の
    油を上記圧縮機本体内の軸受・軸封部およびガス圧縮空
    間等の注油箇所に導く油流路を備えた油冷式圧縮機の運
    転方法において、上記注油箇所への油量を、起動してか
    ら上記吐出流路における吐出温度が吐出された圧縮ガス
    に含まれる水蒸気の露点以上の予め定めた温度に達する
    迄は、上記注油箇所への給油量を定常運転時の値より小
    で必要最小限の値以上の値にするとともに、上記吐出温
    度が上記露点以上の予め定めた温度を超えて油劣化温度
    域の下限値に達する迄は、上記吐出温度が高い程上記給
    油量を多くし、上記吐出温度が油劣化温度域の下限値に
    達すると上記給油量を最大にすることを特徴とする油冷
    式圧縮機の運転方法。
JP2001119537A 2001-04-18 2001-04-18 油冷式圧縮機およびその運転方法 Pending JP2002317786A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001119537A JP2002317786A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 油冷式圧縮機およびその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001119537A JP2002317786A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 油冷式圧縮機およびその運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002317786A true JP2002317786A (ja) 2002-10-31

Family

ID=18969744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001119537A Pending JP2002317786A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 油冷式圧縮機およびその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002317786A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501891A (ja) * 2004-05-18 2008-01-24 キャリア コーポレイション 圧縮機の潤滑
JP2011516771A (ja) * 2008-03-31 2011-05-26 アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ 液体注入式圧縮機要素部の冷却方法及びこのような方法が適用される液体注入式圧縮機要素部
JP2012154261A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 液冷式圧縮機
JP2017527740A (ja) * 2014-09-19 2017-09-21 アトラス コプコ エアーパワー, ナームローゼ フェンノートシャップATLAS COPCO AIRPOWER, naamloze vennootschap 油冷式圧縮機設備を制御する方法
CN108591026A (zh) * 2017-12-25 2018-09-28 中国成达工程有限公司 一种天然气制乙炔中真空压缩机的密封方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501891A (ja) * 2004-05-18 2008-01-24 キャリア コーポレイション 圧縮機の潤滑
JP2011516771A (ja) * 2008-03-31 2011-05-26 アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ 液体注入式圧縮機要素部の冷却方法及びこのような方法が適用される液体注入式圧縮機要素部
US10927836B2 (en) 2008-03-31 2021-02-23 Atlas Copco Airpower, Naamloze Vennootschap Method for cooling a liquid-injected compressor element and liquid-inject compressor element for applying such a method
JP2012154261A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 液冷式圧縮機
JP2017527740A (ja) * 2014-09-19 2017-09-21 アトラス コプコ エアーパワー, ナームローゼ フェンノートシャップATLAS COPCO AIRPOWER, naamloze vennootschap 油冷式圧縮機設備を制御する方法
CN108591026A (zh) * 2017-12-25 2018-09-28 中国成达工程有限公司 一种天然气制乙炔中真空压缩机的密封方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8151584B2 (en) Refrigeration system
CN110475973B (zh) 气体压缩机
KR100353784B1 (ko) 가변 속도 스크류 압축기의 개선된 부분 부하 성능
CN101400953A (zh) 带有解决溢流压缩机操作问题的控制器的制冷系统
CN109282516B (zh) 风冷螺杆机组及其控制方法
KR200471061Y1 (ko) 냉각시스템
JP4767133B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2009121398A (ja) 油冷式空気圧縮機
JP2002317786A (ja) 油冷式圧縮機およびその運転方法
JP4418321B2 (ja) 圧縮機およびその運転方法
JP4750092B2 (ja) 冷凍装置および冷凍装置の運転方法
JP4792383B2 (ja) スクリュー圧縮機の運転方法
JPH09222087A (ja) 油冷式スクリュー圧縮機及びその運転方法
JP4795977B2 (ja) 圧縮機の運転方法
JP2002115925A (ja) 油冷圧縮形冷凍機の運転方法
JP2009287844A (ja) 冷凍装置
JPH0821665A (ja) 冷凍装置のスクロール圧縮機の吐出ガス温度制御方法及び装置
JP4301546B2 (ja) 冷凍装置
JP5464447B2 (ja) 液冷式圧縮機
US20210222706A1 (en) Compressor and method of operating same
WO2019111341A1 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2008232564A (ja) 冷凍装置及び冷凍装置の制御方法
JP4463011B2 (ja) 流体圧縮機の容量制御方法及び容量制御装置
JPH0972619A (ja) 冷凍機
JP2011190948A (ja) 冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の制御方法