JP3865448B2 - 油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置 - Google Patents

油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置に係り,詳しくは,圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油冷式圧縮機の概略構成を図3に示す。
モータ21により駆動される圧縮機本体22は,その吸込側に吸込フィルタ23,及び吸気調節弁24が,その吐出側に油分離回収器25,及びこれと一体的に形成されたレシーバタンク26がそれぞれ設置されている。上記油分離回収器25は,下部に油溜まり部27が形成され,上部に油分離エレメント28が取り付けられている。上記圧縮機本体22の吐出側と上記油分離回収器25とは,吐出流路29によって接続されている。更に,上記油分離回収器25の上記油分離エレメント28と上記レシーバタンク26とは吐出流路29aによって接続されており,該吐出流路29a上には,放気装置31(放気手段に相当),安全弁32,及び保圧弁30がそれぞれ接続されている。
また,上記油溜まり部27からは,温度調節弁33,空冷式油クーラ34を経て,或いは上記温度調節弁33から上記空冷式油クーラ34を経ることなくバイパス流路35を経て,圧縮機本体22に至る油循環流路36が設けられている。
上記圧縮機本体22は,上記吸込フィルタ23及び上記吸気調節弁24を介して吸い込んだガスを,上記油循環流路36から冷却用潤滑油の注油を受けつつ上記駆動モータ21の駆動により圧縮し,潤滑油を含んだ圧縮ガスを吐出流路29に吐出し,油分離回収器25に至らせる。圧縮ガスは,該油分離回収器25内に入って上記油分離エレメント28を経由する過程で気液分離し,析出した潤滑油は一旦上記油溜まり部27に溜められ,一方圧縮ガスは上記油分離エレメント28を介して上記吐出流路29a内に送られ,上記保圧弁30を介して上記レシーバタンク26に至り,ここに一旦溜められる。このレシーバタンク26内に溜められた圧縮ガスは,その消費量に応じて送出管37より機外に送出される。
【0003】
また,上記油溜まり部27に一旦溜められた潤滑油は,油温が設定値以上の場合は上記温度調節弁33,油クーラ34を経て,また油温が設定値より低い場合は上記温度調節弁33,バイパス流路35を経て,上記油循環流路36から上記圧縮機本体22内に再度供給され,以後循環利用に供される。
上記圧縮機本体22の運転中に,圧縮ガスの消費量が上記レシーバタンク26に供給される量よりも少なく,該レシーバタンク26内のガス圧力を測定する圧力測定部41の測定値が所定の上限値を超えると,上記圧縮機本体22の運転は運転制御部40により自動的に停止させられる。それと同時に,上記保圧弁30より圧縮機本体22側の圧縮ガスが上記放気装置31から機外に放出されることにより上記吐出流路29内のガス圧力を低下させて,上記圧縮機本体22の再起動時における上記モータ21への負荷を軽減するようになっている。上記吐出流路29内のガス圧力がある値よりも高いと,モータ21の起動電流が過大となり,起動が不可能となる。また,起動可能な圧力であっても,その圧力が高いほどモータ21の発熱量が大きくなり,最悪の場合には焼け付きを起こしてしまうこともある。従って,圧縮機本体22の再起動時には上記吐出流路29内のガス圧力は低いほどよく,大気圧まで減圧されることが理想である。
尚,このように放気装置31から圧縮ガスが機外に放出されても,上記保圧弁30により上記レシーバタンク26内の圧縮ガスの圧力は維持されると共に,吐出流路29a内の圧力が異常上昇した場合には,上記安全弁32により圧縮ガスが機外に逃がされ,上記吐出流路29a内の圧力が許容範囲内に維持される。上記圧力測定部41の測定値が所定の下限値を下回ると,上記運転制御部40は上記圧縮機本体22を自動的に再起動させる。
【0004】
ところで,上記放気装置31によりガスを放出する際には,圧縮機本体22の再起動時期を制限することのないよう,なるべく短時間で放気してしまうことが望ましい。しかしながら,放気によって圧力が急速に低下すると,上記油溜まり部27に溜まっている潤滑油の中に溶け込んでいる気泡が一気に膨張するため,該油溜まり部27内の油面が上昇するという現象が起こる。例えば,吐出流路29a内の約7kg/cm2Gの圧力を一気に0kg/cm2Gまで降下させると,潤滑油の中に溶け込んでいる気泡の体積は,図4に示す例では8倍にまで増大する。また液体であった潤滑油の気化も促進され,発泡も増加する。このように,潤滑油内の気泡の膨張により上記油溜まり部27内の油面が上昇してその上限を超えると,該油溜まり部27内の潤滑油が,吐出流路29からの圧縮ガスに飛ばされて吐出流路29aへ送られることになり,下流側に潤滑油が送られることによる不具合や,油回収効率が低下する等の問題が発生する。
一方,放気時間を長く(放気速度を遅く)すれば,気泡の膨張による油面の上昇を,気泡の消滅により抑えることができるが,その間は圧縮機本体22の再起動を行うことができないという問題が生じる。また,上記油分離回収器25の容量を大きくすることも考えられるが,圧縮機本体22と比較して大型の油分離回収器25を更に大きくすることは,装置の小型化の要請に反することになる。
そこで,特開平5−296174号公報に提案されている発明では,上記放気装置31からの放気量を可変とする放気方法を用いることで,これらの問題を克服している。
即ち,一気に大気圧まで放気すると,図4に示すように気泡の体積は8倍にまで増加して上述の問題を生じるため,まず2kg/cm2Gの圧力になるまで一気に放気し,その後は徐々に放気することにより,放気時間を短縮しつつ気泡の体積増加を2.7倍程度に抑えている。これにより,放気時間の短縮による圧縮機本体の再起動時期の制限の縮小と,気泡の体積増加を抑えることによる装置の小型化とを両立させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが,上記従来の放気方法は,放気時間と気泡の体積増加とのバランスの上に成り立っているため,どちらか一方を優先させようとすると他方が犠牲になってしまう。そのため,更なる装置の小型化,及び圧縮機本体の再起動時間の更なる短縮は実質的に不可能である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,圧縮機本体の再起動時期の制約がなく,且つ装置の更なる小型化が可能な油冷式圧縮機の再起動方法及びその装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明の方法は,圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する油冷式圧縮機の再起動方法において,上記圧縮機本体を再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機として上記放気手段による放気を開始し,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限圧力値以下で,且つ予め定められた下限圧力値以上の起動可能範囲内に達したときに上記圧縮機本体を再起動させるものであって,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記起動可能範囲内に達したことを,それに対応する上記油分離回収器内の油面高さにより判断することを特徴とする油冷式圧縮機の再起動方法として構成されている。
更には,上記放気手段による放気を,所定の放気速度により行う油冷式圧縮機の再起動方法である。
更に,上記所定の再起動現象の発生までの間,予め定められた割合で徐々に上記放気手段による放気を行うようにすれば,上記所定の再起動現象の発生後の放気時の上記油分離回収器内の油面の上昇を抑えることができる
尚,上記所定の再起動現象としては,上記圧縮ガスの圧力の所定値以下への低下や,再起動スイッチの操作等が考えられる。
また,上記目的を達成するために,本発明の装置は,圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する油冷式圧縮機の再起動装置において,上記圧縮機本体を再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機として上記放気手段による放気を開始させ,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限圧力値以下で,且つ予め定められた下限圧力値以上の起動可能範囲内に達したときに上記圧縮機本体を再起動させる制御手段を具備してなり,上記制御手段が,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記起動可能範囲内に達したことを,それに対応する上記油分離回収器内の油面高さにより判断することを特徴とする油冷式圧縮機の再起動装置として構成されており,上記再起動方法を全て適用可能である。
【0007】
【作用】
本発明に係る油冷式圧縮機の再起動装置では,圧縮機本体が停止した時点では放気手段による放気は開始されない。しかし,後述の放気時における上記油分離回収器内の油面の上昇を少しでも抑えるため,上記油分離回収器内の油面が上昇しない程度であれば徐々に放気を行うことも可能である。
圧縮機本体を再起動させるための所定の再起動現象の発生,例えば圧縮ガスの圧力値に基づいて自動的に圧縮機本体の停止及び再起動の制御を行う運転制御手段からの再起動指令や再起動スイッチの操作等を契機として,制御手段の指示により,放気手段による放気が開始される。この放気は,任意に定められた所定の放気速度により行われる。この放気により,油分離回収器を含む上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が低下し,まもなく上記圧縮機本体を起動可能な所定の上限圧力値を下回る。それに遅れて上記油分離回収器内の油面が徐々に上昇し,やがて予め定められた所定の上限値に達する。なお,油面の上記所定の上限値に対応する上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が予め定められた下限圧力値に相当する。上記制御手段により,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記所定の上限圧力値を下回ってから,上記油分離回収器内の油面が上記所定の上限値に達するまでの起動可能範囲内の所定の時刻,即ち,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が,上記所定の上限圧力値を下回ってから上記予め定められた下限圧力値に達するまでの起動可能範囲内の所定の時刻に,上記圧縮機本体が再起動される。上記起動可能範囲内に達したことの判断は,上記油分離回収器内の油面高さ等をもとに行うことができる。
このように,圧縮機本体の再起動時刻が放気時間によって制限されることがなく,また,減圧後,それに遅れて潤滑油の体積が増加し所定の上限値を超えるまでのタイムラグを利用して再起動を行うため,潤滑油の体積増加を最小限に抑えることができ,それによって油分離回収器の容量を小さくでき,装置全体をより小型化することが可能となる。
尚,上述のように放気手段による放気速度は任意に設定されるが,放気速度が速いほど上記タイムラグは長くなるため余裕のある再起動が可能となるが,再起動までに時間がかかるという欠点を伴う。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して,本発明の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る油冷式圧縮機の再起動装置A1の概略構成を示すブロック図,図2は油分離回収器内の圧力と油分離回収器内の潤滑油の体積変化率の時刻暦の一例を示すグラフ図である。
本実施の形態に係る再起動装置A1は,図1に示すように構成されている。尚,この再起動装置A1を適用する油冷式圧縮機の基本構成は上記従来例のものと同様であるため,既に説明した構成要素については同符号を付してその説明は省略する。
再起動制御部1(制御手段に相当)は,圧力測定部41の測定値に基づいて圧縮機本体22の停止及び再起動の制御を行う運転制御部40′,圧縮機本体22のモータ21,及び放気装置31に接続される。
上記運転制御部40′は,圧力測定部41により測定されたレシーバタンク26内のガス圧力が所定の上限値を超えると,上記圧縮機本体22の運転を停止させる。やがて,上記圧力測定部41による圧力測定値が所定の下限値を下回ると,上記運転制御部40′は上記圧縮機本体22を直接再起動させるのではなく,上記再起動制御部1に対して再起動指令を送出する。再起動指令を受けた上記再起動制御部1によって,放気装置31による放気と圧縮機本体22の再起動が制御される。
尚,上述の運転制御部40′から再起動制御部1への再起動指令の送出が,上記「所定の再起動現象」の一例であるが,この「所定の再起動現象」はこれに限られるものではなく,圧縮機本体を再起動させるための契機となるものであればよく,例えば人間による再起動スイッチの操作等でもよい。
【0009】
以下,図2を用いて,上記再起動制御部1による再起動制御方法について詳述する。
図2は,油分離回収器25内の圧力(放気開始時を7kg/cm2Gとする)と,該油分離回収器25内の潤滑油の体積変化率(放気開始時を100%とする)の時刻暦の一例を示したものである。この図に示した潤滑油の体積変化率でいうところの「潤滑油の体積」とは,発泡のない,全て液体状の潤滑油の体積のみを示すのではなく,特に油分離回収器25内の油溜まり部27の上側に顕著に見られる,発泡状態の潤滑油も含んだ体積をも示している。
図2に示すように,放気装置31により急速に放気が行われると,油分離回収器25内の圧力は一気に低下し,2kg/cm2Gとなった時点で,該油分離回収器25内の潤滑油の体積が,内部の気泡の膨張によって増加を始める。潤滑油の体積は,その後しばらくして最大値(150%)となり,その後は気泡の消滅により徐々に減少する。このように,油分離回収器25内の潤滑油の体積の増加は,該油分離回収器25内の圧力の低下に遅れて進行し,圧力が所定値以下に低下してから潤滑油の体積が増加して所定値を超えるまでには幾らかのタイムラグが存在する。そこで,再起動装置A1では,圧縮機本体22を停止してもすぐには放気を開始せず,圧縮機本体22の再起動指令が出た時点で一気に,或いは所定の放気速度にて放気を行い,上記タイムラグの間に圧縮機本体22の再起動を行う。放気速度が速いほど,上記タイムラグは長くなり,余裕のある再起動が可能となるが,再起動までに時間がかかるという欠点を伴う。
【0010】
以下,再起動制御部1による再起動制御方法について更に具体的に説明する。ここで,圧縮機本体22の再起動が可能な油分離回収器25内圧力(吐出流路29内圧力)の上限値を2kg/cm2G,油分離回収器25内の潤滑油の体積変化率の上限値を130%とする。なお,この上限値に対応する吐出側の圧力値が予め定められた下限圧力値に相当する。
上記運転制御部40′は,圧力測定部41により測定されたレシーバタンク26内のガス圧力が所定の上限値を超えると,上記圧縮機本体22の運転を停止させる。従来例では,この時点で放気を開始するが,本実施例ではこの時点ではまだ放気を開始しない。やがて,上記圧力測定部41による圧力測定値が所定の下限値を下回ると,上記運転制御部40′は上記再起動制御部1に対して再起動指令を送出する。再起動指令を受けた上記再起動制御部1は,放気装置31により所定の放気速度(ここでは図2に示す放気速度)で急速に放気を行う。
この放気によって,油分離回収器25内の圧力は図2に示すように低下し,まもなく再起動可能上限値2kg/cm2G以下となる(その時刻をT1とする)。それに遅れて油分離回収器25内の潤滑油の体積が増加を始め,やがて体積変化上限値130%を超える(その時刻をT2とする)。上記再起動制御部1は,上記T1〜T2の間で任意に設定された所定の時刻Tpに達した時点で,圧縮機本体22の再起動を行う。上記再起動制御部1は,油分離回収器25内の潤滑油の油面高さを測定し,該油面高さにより圧縮機本体22の再起動時期(時刻Tp)に達したことを判断する。具体的には,上記油分離回収器25内の潤滑油の油面高さにより,上記油分離回収器25内の潤滑油の体積が上記時刻Tpに対応する体積(体積変化率Vp時)に到達したことが判断される。
【0011】
この圧縮機本体22の再起動によって油分離回収器25内の圧力は再び上昇するため,油分離回収器25内の潤滑油の体積は時刻Tpの時点での体積(体積変化率Vp時)よりも大きくなることはない。即ち,再起動を行えば,それに遅れて発生するはずであった潤滑油の体積増加が全く発生しないため,上記従来例の再起動方法に比べて潤滑油の体積増加を小さく抑えることが可能である。
尚,上記時刻Tpは,T1に近いほど圧縮機本体22の再起動時のモータ21への負荷が大きくなるため,装置への負担を軽くすることを優先するならば時刻Tpはなるべく後方に設定することが望ましい。しかしながら,上記時刻TpをT1に近づけるほど,油分離回収器25内の潤滑油の体積増加は小さくなるため,該油分離回収器25の容量を小さくでき,装置全体をより小型化することが可能となる。また,放気速度が速いほど,圧力が所定値以下に低下してから潤滑油の体積が増加して所定値を超えるまでのタイムラグは長くなり,余裕のある再起動が可能となるが,再起動までに時間がかかるという欠点を伴う。従って,これらのバランスを考えて最適な放気速度,及び時刻Tpを設定する必要がある。
以上説明したように,本実施の形態に係る油冷式圧縮機の再起動装置A1では,圧縮機本体22を停止した時点では放気を開始せず,運転制御部40′からの圧縮機本体の再起動指令を受けた時点で,再起動制御部1により急速に放気を行い,油分離回収器25内の圧力(吐出流路29内の圧力)が上記圧縮機本体22を起動可能な上限値以下で,且つ上記油分離回収器25内の潤滑油の体積が所定の上限値以下となる起動可能時間内の所定の時刻Tpに達した時点で上記圧縮機本体22を再起動させる。従って,圧縮機本体の再起動時刻が放気時間によって制限されることがなく,また,減圧後,それに遅れて潤滑油の体積が増加し所定の上限値を超えるまでのタイムラグを利用して再起動を行うため,潤滑油の体積増加を最小限に抑えることができ,それによって油分離回収器の容量を小さくでき,装置全体をより小型化することが可能となる。
【0012】
【実施例】
た,圧縮機本体22を停止してから再起動指令を受けて放気を始めるまでの間も,油分離回収器25内の油面が上昇しない程度に徐々に放気を行うようにしてもよい。これによって,油分離回収器25内の圧力を少しでも下げておくことができ,再起動指令を受けて急速に放気を行う際の油面の上昇を抑えることができる。その場合の装置構成の一例としては,放気装置31を開口面の小さなバルブと大きなバルブにより構成し,再起動制御部1によって,圧縮機本体22が停止した時点でまず上記開口面の小さなバルブを開放し,運転制御部40′からの再起動指令を受けた時点で上記開口面の大きなバルブを開放するようにすることができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明に係る油冷式圧縮機の再起動方法は,圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する油冷式圧縮機の再起動方法において,上記圧縮機本体を再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機として上記放気手段による放気を開始し,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限圧力値以下で,且つ予め定められた下限圧力値以上の起動可能範囲内に達したときに上記圧縮機本体を再起動させるものであって,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記起動可能範囲内に達したことを,それに対応する上記油分離回収器内の油面高さにより判断することを特徴とする油冷式圧縮機の再起動方法として構成されているため,圧縮機本体の再起動時刻が放気時間によって制限されることがなく,また,減圧後,それに遅れて油の体積が増加し所定の上限値を超えるまでのタイムラグを利用して再起動を行うため,油の体積増加を最小限に抑えることができ,それによって油分離回収器の容量を小さくでき,装置全体をより小型化することが可能となる。
また,放気速度が速いほど,圧力が所定値以下に低下してから潤滑油の体積が増加して所定値を超えるまでのタイムラグは長くなり,余裕のある再起動が可能となるが,再起動までに時間がかかるという欠点を伴う。従って,上記放気手段による放気を所定の放気速度により行えることにより,これらのバランスを考慮して最適な放気を行うことが可能となる。
更に,上記所定の再起動現象の発生までの間,予め定められた割合で徐々に上記放気手段による放気を行うようにすれば,上記所定の再起動現象の発生後の放気時の上記油分離回収器内の油面の上昇を抑えることができる。
また,上記装置の小型化による波及効果として,製造コスト,輸送コスト等の低減,設置位置の省スペース化等が期待できる。
更に,油の体積増加を最小限に抑えられることにより,油の量を増やして給油回数を少なくすることも可能となり,メンテナンス性の向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る油冷式圧縮機の再起動装置A1の概略構成を示すブロック図。
【図2】 油分離回収器内の圧力と油分離回収器内の潤滑油の体積変化率の時刻暦の一例を示すグラフ図。
【図3】 油冷式圧縮機の概略構成を示すブロック図。
【図4】 圧力の低下による油中の気泡の体積増加の一例を示す圧力−体積対応表。
【符号の説明】
1…再起動制御部(制御手段に相当)
22…圧縮機本体
25…油分離回収器
31…放気装置(放気手段に相当)

Claims (10)

  1. 圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する油冷式圧縮機の再起動方法において,
    上記圧縮機本体を再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機として上記放気手段による放気を開始し,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限圧力値以下で,且つ予め定められた下限圧力値以上の起動可能範囲内に達したときに上記圧縮機本体を再起動させるものであって,
    上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記起動可能範囲内に達したことを,それに対応する上記油分離回収器内の油面高さにより判断することを特徴とする油冷式圧縮機の再起動方法。
  2. 上記放気手段による放気を,所定の放気速度により行う請求項1記載の油冷式圧縮機の再起動方法。
  3. 上記所定の再起動現象の発生までの間,予め定められた割合で徐々に上記放気手段による放気を行う請求項1又は2記載の油冷式圧縮機の再起動方法。
  4. 上記所定の再起動現象が,上記圧縮ガスの圧力の所定値以下への低下である請求項1〜のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動方法。
  5. 上記所定の再起動現象が,再起動スイッチの操作である請求項1〜のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動方法。
  6. 圧縮機本体の吐出側に,圧縮ガスから油を分離して回収する油分離回収器と,上記圧縮機本体の吐出側の圧縮ガスを機外に放出する放気手段とを具備する油冷式圧縮機の再起動装置において,
    上記圧縮機本体を再起動させるための所定の再起動現象の発生を契機として上記放気手段による放気を開始させ,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が,上記圧縮機本体を起動可能な上限圧力値以下で,且つ予め定められた下限圧力値以上の起動可能範囲内に達したときに上記圧縮機本体を再起動させる制御手段を具備してなり,
    上記制御手段が,上記圧縮機本体の吐出側の圧力値が上記起動可能範囲内に達したことを,それに対応する上記油分離回収器内の油面高さにより判断することを特徴とする油冷式圧縮機の再起動装置。
  7. 上記放気手段による放気を,所定の放気速度により行う請求項記載の油冷式圧縮機の再起動装置。
  8. 上記所定の再起動現象の発生までの間,予め定められた割合で徐々に上記放気手段による放気を行う請求項又は記載の油冷式圧縮機の再起動装置。
  9. 上記所定の再起動現象が,上記圧縮ガスの圧力の所定値以下への低下である請求項6〜8のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動装置。
  10. 上記所定の再起動現象が,再起動スイッチの操作である請求項6〜8のいずれかに記載の油冷式圧縮機の再起動装置。
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