JPH10212819A - 床 材 - Google Patents

床 材

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JPH10212819A
JPH10212819A JP9018631A JP1863197A JPH10212819A JP H10212819 A JPH10212819 A JP H10212819A JP 9018631 A JP9018631 A JP 9018631A JP 1863197 A JP1863197 A JP 1863197A JP H10212819 A JPH10212819 A JP H10212819A
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foam
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resin
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Katsuhiko Yamaji
克彦 山路
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防音性能を満足しながら、歩行感にも優れた
床材を提供する。 【解決手段】 硬質板状体(A)を表層とし、JIS
K7220に準拠した圧縮弾性率が4kg/cm2 以上
で、JIS K7203に準拠した曲げ弾性率が300
0kg/cm2 以下の硬質発泡体(B)と、軟質発泡体
(C)とが積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床材に関し、詳し
くは防音性能が良好でかつ歩行感に優れた床材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、表面に木目の化粧を施した、
厚みが8〜10mm程度の合板の裏面に、防音のために
樹脂発泡体や不織布などの緩衝層を積層一体化したもの
が、防音床材として知られている。そして防音性能の優
劣は、その緩衝層で左右される。
【0003】しかし、緩衝層の厚みを十分に厚くする
と、防音性については問題がなくなるが、重い家具など
の重量物を置いた際、床が局部的に沈下するし、また歩
行のたびに浮沈が生じ歩き心地が低下するという問題が
あった。
【0004】そこで、 1)緩衝層として、倍率の異なる2種類の発泡体を積層
して、防音性能を満足し、かつ、荷重に対する床の変形
が小さい床材とする方法(実公平3─21395、実公
平4─53387号公報等)、 2)木質フロア材に溝を設け、見かけの弾性率を低下さ
せ防音性能を向上する方法(特開平7−4011号公報
等)、などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1)の方法に
よると、単に発泡倍率を変えただけでは、防音性能を満
足するためには、5mm程度の緩衝層が必要となり、防
音性能は向上するものの、床材の上を人が歩いたときに
「ふかふかする」という所謂「船酔い現象」が生じ、歩
行感が悪くなるという問題があり、2)の方法において
は、木質材料の曲げ弾性率が元々70000〜1000
0kg/cm2 あり、溝を切って、見かけの弾性率(試
料の厚みを、溝を切っていないと仮定して計算したとき
の弾性率)を下げるようにしても、施工時に折れやすく
なるため、深く切ることはできず、結局5000〜70
00kg/cm2 の曲げ弾性率(市販品実測値)まで下
げるのが限界で、防音性能も不十分なものであった。
【0006】本発明の目的は、上記の課題を解決し、防
音性能を満足しながら、歩行感にも優れた床材を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載(本発明
1)の床材は、硬質板状体(A)を表層とし、JISK
7220に準拠して測定した圧縮弾性率が4kg/cm
2 以上で、JIS K7203に準拠して測定した曲げ
弾性率が3000kg/cm2 以下の硬質発泡体(B)
と、軟質発泡体(C)とが積層されていることを特徴と
する。
【0008】上記硬質板状体(A)は、荷重を受けた際
に容易に割れたり傷ついたりしない材料であれば特に限
定されず、例えば、単板、合板、樹脂板、繊維
強化合成樹脂板等が挙げられる。これらは、単独で使用
されてもよいが、一般に表面を加飾して使用される。
【0009】単板 通常「むく板」とよばれる一枚板であり、ニスや油を塗
るだけで木質感に優れた化粧板となる。
【0010】合板 従来からフロア材に用いられているもの(中密度繊維板
「MDF」とよばれるものを含む)を用いることができ
る。
【0011】樹脂板 ポリエチレン板(超高分子量ポリエチレン板が特に好ま
しい)、ポリプロピレン板、またはポリ塩化ビニル板な
どの所謂硬質樹脂からなる板が好ましく用いられる。
【0012】繊維強化合成樹脂板 ガラス繊維で補強された、熱硬化性ポリエステル樹脂
板、エポキシ樹脂板、(必要に応じて2〜3倍程度に発
泡されている)硬質ポリウレタン板、ポリ塩化ビニル板
などを用いることができる。
【0013】硬質板状体の厚みは、薄すぎると強度、剛
性が不足し、厚すぎると床衝撃音遮断性能が低下するの
で、1〜5mmが好ましく、より好ましくは2〜4mm
である。
【0014】表面加飾 上記硬質板状体の表面には、意匠性を高めるために、木
目模様、大理石模様、御影石模様などを印刷することに
より装飾をしてもよい。
【0015】化粧シート状物 また、表面を加飾するために、硬質板状体の表面に、意
匠性を高めるための化粧シート状物をさらに積層しても
よい。この化粧シート状物としては、木目模様、大理石
模様あるいは御影石模様などが印刷された合成樹脂シー
ト、例えば、塩化ビニルシートなどを用いることができ
る。あるいは、一般に市販されている木材をスライスす
ることにより構成された「突き板」などを化粧シート状
物として硬質板状体の表面に接着してもよい。
【0016】上記化粧シート状物を硬質板状体に接着す
るための接着剤や粘着剤としては、一般的に用いられて
いるアクリル系接着剤や天然もしくは合成ゴム系接着剤
を用いることができる。
【0017】表面コーティング 本発明1において必要に応じて、表面の耐磨耗性を高め
たり、色艶を発現させたりするために、表面(硬質板状
体の表面あるいは化粧シート状物をさらに積層した場合
には該化粧シート状物の表面)上にコーティングを施し
てもよい。このようなコーティング方法としては、一般
的にセラミックコーティングと称されている方法を採用
することができ、それによって表面の耐磨耗性を高める
ことができる。セラミックコーティングは、コロイダル
シリカなどの無機微粒子を含有してなるアクリルシリコ
ン系、アクリルウレタン系、炭素数10以下のアルキル
基を含有するアルキルシリケート系などの塗料を塗布
し、乾燥させることにより行い得る。
【0018】上記硬質発泡体(B)は、JIS K72
20に準拠して測定した圧縮弾性率が4kg/cm2
上で、JIS K7203に準拠して測定した曲げ弾性
率が3000kg/cm2 以下のものである。
【0019】上記圧縮弾性率は、小さすぎると人の体重
や家具の荷重により浮沈するので4kg/cm2 以上に
限定され、好ましくは5kg/cm2 以上である。
【0020】上記曲げ弾性率は、大きすぎると床衝撃音
遮断性能が低下するので、3000kg/cm2 以下に
限定され、好ましくは500〜2200kg/cm2
ある。
【0021】上記硬質発泡体(B)としては、特開平8
−112873号公報に記載のもの、倍率が5〜25倍
の硬質ポリウレタン発泡体、倍率が10〜30倍のポリ
スチレン発泡体及びなどが挙げられるが、以下に示す、
熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層と、連続発泡層の少な
くとも片面上に複数配置される熱可塑性樹脂よりなる高
発泡体と、高発泡体の外表面を被覆する熱可塑性樹脂よ
りなる低発泡薄膜とを備え、前記複数の高発泡体が互い
に前記低発泡薄膜を介して熱融着されている熱可塑性樹
脂発泡体が好ましい。
【0022】上記連続発泡層に用いられる熱可塑性樹脂
と、低発泡薄膜及び高発泡体に用いられる熱可塑性樹脂
とは、同一の樹脂である必要はないが、熱融着力が強く
曲げ強度が向上することから、同種の樹脂を用いること
が好ましい。
【0023】上記硬質発泡体(B)の発泡倍率は、上記
連続発泡層、低発泡薄膜及び高発泡体として共にポリオ
レフィン樹脂を用いる場合、通常2〜20倍であり、好
ましくは5〜15倍、さらに好ましくは7〜12倍であ
る。
【0024】上記熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法
は、特に限定されるものではないが、例えば、発泡剤を
含有している発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均
一に配置され、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性
熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡
性熱可塑性樹脂シート状体を、発泡剤の分解温度以上に
加熱し発泡させることにより得ることができる。
【0025】上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体を構成
する発泡性熱可塑性樹脂粒状体及び発泡性熱可塑性樹脂
薄膜に用いられる熱可塑性樹脂としては、発泡可能な熱
可塑性樹脂であれば、特に限定されるものではない。こ
のような熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(以下、「ポリエチレン」とは、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
またはこれらの混合物をいう。)、ランダムポリプロピ
レン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン
(以下、「ポリプロピレン」とは、ランダムポリプロピ
レン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレ
ン、またはこれらの混合物をいう。)等のオレフィン系
樹脂、及びエチレン酢酸ビニル樹脂等のオレフィン系共
重合体;ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、AB
S樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、及びこれらの
共重合体等が挙げられ、これらは、単独で用いられて
も、併用されてもよい。
【0026】上記熱可塑性樹脂の中でも、得られる熱可
塑性樹脂発泡体の表面平滑性を高め得るので、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれ
らの混合物が好ましく、表面平滑性と圧縮強度を両立す
るためには、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン
またはこれらの少なくとも一方を含む混合物が特に好ま
しい。
【0027】上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体に用いられ
る熱可塑性樹脂と、発泡性熱可塑性樹脂薄膜に用いられ
る熱可塑性樹脂とは、同一の樹脂である必要性はない
が、発泡性及び接着性等の観点から、同種の樹脂を用い
ることが好ましい。
【0028】上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体に用い
られる熱可塑性樹脂は必要に応じて架橋されていてもよ
い。架橋された熱可塑性樹脂を用いることにより、発泡
倍率の向上及び得られる熱可塑性樹脂発泡体の軽量化を
図り得るため、架橋されたものを用いることが好まし
い。架橋方法としては、特に限定されず、例えば、シ
ラングラフト重合体を熱可塑性樹脂に溶融混練後、水処
理を行い、架橋する方法、熱可塑性樹脂に過酸化物を
該過酸化物の分解温度より低い温度で溶融混練後、過酸
化物の分解温度以上に加熱して架橋する方法、放射線
を照射して架橋する方法等が挙げられる。
【0029】上記のシラングラフト重合体を用いた架
橋方法を説明する。上記シラングラフト重合体として
は、特に限定されず、例えば、シラングラフトポリエチ
レンやシラングラフトポリプロピレン等を例示すること
ができる。
【0030】前述の水処理方法は、水中に浸漬する方法
のほか、水蒸気にさらす方法も含まれ、かかる場合、1
00℃より高い温度で処理する場合には、加圧下におい
て行えばよい。
【0031】上記水処理の際の水及び水蒸気の温度が低
いと、架橋反応速度が低下し、また、高すぎると発泡性
熱可塑性樹脂が熱でくっついてしまうので、50〜13
0℃が好ましく、90〜120℃が特に好ましい。
【0032】また、水処理する際の時間が短いと、架橋
反応が完全に進行しない場合があるので、水処理時間は
0.5〜12時間の範囲とすることが好ましい。
【0033】シラングラフト重合体を混合する方法は、
均一に混合し得る方法であれば、特に限定されない。例
えば、熱可塑性樹脂及びシラングラフト重合体を1軸ま
たは2軸押出機に供給し、溶融混練する方法、ロールを
用いて溶融混練する方法、ニーダーを用いて溶融混練す
る方法等が挙げられる。
【0034】シラングラフト重合体の添加量が多すぎる
と、架橋がかかりすぎ、得られる熱可塑性樹脂発泡体の
発泡倍率が低下し、また、少なすぎると、セルが破泡
し、均一な発泡セルが得られなくなるので、シラングラ
フト重合体の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対
して5〜50重量部が好ましく、20〜35重量部が特
に好ましい。
【0035】また、シラングラフト重合体を用いてシラ
ン架橋する場合には、必要に応じてシラン架橋触媒を用
いてもよい。シラン架橋触媒は、シラングラフト重合体
同士の架橋反応を促進するものであれば、特に限定され
ず、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸錫、
オレイン酸錫、オクタン錫鉛、2−エチルヘキサン酸亜
鉛、オクタン酸コバルト、ナフテン酸鉛、カブリル酸亜
鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0036】上記シラン架橋触媒の添加量が多くなる
と、得られる熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率が低下し、
また、少なくなると、架橋反応速度が低下し、水処理に
時間を要するので、上記熱可塑性樹脂100重量部に対
して、シラン架橋触媒の添加量は、0.001〜10重
量部の範囲が好ましく、0.01〜0.1重量部がより
好ましい。
【0037】前述したの上記過酸化物により熱可塑性
樹脂を架橋する方法について述べる。本方法において用
いられる過酸化物は特に限定されず、例えば、ジブチル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド
等が挙げられるが、例えば熱可塑性樹脂としてポリオレ
フィン樹脂を使用する場合は、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイドが好ましく、ジク
ミルパーオキサイドが特に好ましい。
【0038】過酸化物の添加量が、多すぎると、熱可塑
性樹脂の分解反応が進行しやすくなり、得られる熱可塑
性樹脂発泡体が着色し、また、少なすぎると、熱可塑性
樹脂の架橋が不十分となることがあるので、熱可塑性樹
脂100重量部に対して、過酸化物の添加量は0.5〜
5重量部が好ましく、1〜3重量部が特に好ましい。
【0039】上記の放射線を照射し、熱可塑性樹脂を
架橋する方法について述べる。放射線の照射量が多すぎ
ると、熱可塑性樹脂が架橋しすぎるため、得られる発泡
体の発泡倍率が低下し、また、少なすぎると発泡セルが
破泡し、均一な発泡セルが得られないので、放射線照射
量は、1〜20Mradが好ましく、3〜10Mrad
が特に好ましい。
【0040】放射線を照射する方法は、特に限定され
ず、例えば、2台の電子線発生装置を用い、その間を熱
可塑性樹脂を通過させ、熱可塑性樹脂に電子線を照射す
る方法等が挙げられる。
【0041】上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体に用いられ
る熱可塑性樹脂は、上述したように特に限定されない
が、発泡剤と、互いにほとんど相溶性を有しない高架橋
熱可塑性樹脂と、低架橋もしくは無架橋熱可塑性樹脂と
の混合物であることが好ましい。この場合、発泡時には
低架橋もしくは無架橋熱可塑性樹脂が流動し易いので、
得られる熱可塑性樹脂発泡体の表面平滑性が高められ
る。
【0042】上記互いにほとんど相溶性を有さない上記
2種類の樹脂に使用される熱可塑性樹脂(架橋前)とし
ては、前述した熱可塑性樹脂の内2種類〔以下、樹脂そ
のものの架橋性能には拘らず、高架橋熱可塑性樹脂を形
成する樹脂を「高架橋性樹脂」、低架橋もしくは無架橋
熱可塑性樹脂を形成する樹脂を「低(無)架橋性樹脂」
という〕を適宜選択して用いることができるが、上記高
架橋熱可塑性樹脂と、低架橋もしくは無架橋熱可塑性樹
脂が互いに相溶せずに均一微細に分散するためには、高
架橋性樹脂と、低(無)架橋性樹脂の熱可塑性樹脂の溶
解度パラメーターの差が0.1〜2.0であることが好
ましく、0.2〜1.5であることがさらに好ましい。
【0043】溶解度パラメーターの差が2.0を超える
と、架橋して得られる高架橋熱可塑性樹脂と、低架橋も
しくは無架橋熱可塑性樹脂が非常に粗く分散するため、
得られる発泡体の発泡倍率が低下する。他方、溶解性パ
ラメーターの差が0.1より小さいと、架橋して得られ
る高架橋熱可塑性樹脂と、低架橋もしくは無架橋熱可塑
性樹脂の相溶性が高くなり、得られる熱可塑性樹脂発泡
体の表面平滑性が低下する。
【0044】上記溶解パラメーターは、σ=ρΣFi
/Mにより求めた値をいう。なお、ρは樹脂成分の密
度、Mは樹脂成分を構成するモノマーの分子量、Fi
は、モノマーの構成グループのモル吸引数である。
【0045】上記、高架橋性樹脂と、低(無)架橋性樹
脂のメルトインデックス(MI)の差が、大きくなる
と、架橋して得られる高架橋熱可塑性樹脂と、低架橋も
しくは無架橋熱可塑性樹脂とが非常に粗く分散するた
め、得られる発泡体の発泡倍率が低下し、小さくなる
と、架橋して得られる高架橋熱可塑性樹脂と、低架橋も
しくは無架橋熱可塑性樹脂の相溶性が高くなり、得られ
る熱可塑性樹脂発泡体の表面平滑性が低下することがあ
るため、高架橋熱可塑性樹脂と、低架橋もしくは無架橋
熱可塑性樹脂とが互いに相溶せずに均一微細に分散し、
かつ高発泡倍率の熱可塑性樹脂発泡体を得るには、MI
の差は5〜13g/10分が好ましく、7〜11g/1
0分がより好ましい。
【0046】なお、本明細書におけるMIは、JIS
K7210に従って、測定された値である。架橋して得
られる高架橋熱可塑性樹脂と、低架橋もしくは無架橋熱
可塑性樹脂とが均一微細に分散し、かつ表面平滑性に優
れた高発泡倍率の熱可塑性樹脂発泡体を得るためには、
高架橋性樹脂と、低(無)架橋性樹脂との混合比率は重
量比で、2:8〜8:2であることが望ましく、4:6
〜6:4がより好ましい。
【0047】高架橋熱可塑性樹脂の架橋度が高すぎる
と、架橋がかかりすぎ、得られる熱可塑性樹脂発泡体の
発泡倍率が低下し、逆に、低すぎると発泡時にセルが破
泡し、均一なセルが得られないことがあるので、架橋度
の指標となるゲル分率で5〜60重量%が好ましく、1
0〜30重量%がより好ましい。
【0048】低架橋または無架橋熱可塑性樹脂の架橋度
が高いと、架橋がかかりすぎ、得られる熱可塑性樹脂発
泡体の流動性が低下し、熱可塑性樹脂発泡体の表面平滑
性が低くなることがあるので、架橋度の指標となるゲル
分率で5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好
ましい。
【0049】なお、本明細書におけるゲル分率とは、架
橋樹脂成分を120℃のキシレン中に24時間浸漬した
後の残渣重量のキシレン浸漬前の架橋樹脂成分の重量に
対する重量百分率をいう。
【0050】互いにほとんど相溶性を有さない、高架橋
熱可塑性樹脂と、低架橋もしくは無架橋熱可塑性樹脂の
混合物を調製する方法としては、上記2種類の熱可塑性
樹脂を混合し、高架橋性樹脂のみを、または低(無)架
橋性樹脂より高架橋性樹脂を優先的に架橋することによ
り達成される。
【0051】高架橋性樹脂のみを、または低(無)架橋
性樹脂より高架橋性樹脂を優先的に架橋する方法として
は、例えば、高架橋性樹脂のみを、または低(無)架
橋性樹脂より高架橋性樹脂を優先的に架橋する架橋剤を
用いて架橋する方法、第1段階で、架橋性官能基を有
する、高架橋性樹脂と同種の高架橋性樹脂とを混合し架
橋して、高架橋熱可塑性樹脂を形成させた後、第2段階
で、これを低(無)架橋性樹脂と混合する方法等が挙げ
られる。
【0052】もっとも、高架橋熱可塑性樹脂と、低架橋
もしくは無架橋熱可塑性樹脂とが均一微細に分散できる
こと、高架橋性樹脂を優先的に架橋し易いこと、並びに
熱可塑性樹脂を容易に調製し得ることから、高架橋性樹
脂とほとんど同じメルトインデックスを有し、かつ架橋
性官能基を有する、高架橋性樹脂と同種の架橋性樹脂
を、高架橋性樹脂及び低(無)架橋性樹脂と共に混合し
た後、架橋させる方法が最も好ましい。
【0053】高架橋性樹脂とほとんど同じメルトインデ
ックスを有した架橋性官能基を有する高架橋性樹脂と同
種の架橋性樹脂としては、反応性官能基を有し、架橋す
ることができる熱可塑性樹脂であれば特に限定されな
い。このような官能基としては、例えば、ビニル基、ア
リル基、プロペニル基等の不飽和基、水酸基、カルボキ
シル基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、シラネ
ート基等を有する前述した熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0054】高架橋性樹脂の具体的な例としては、マレ
イン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレ
ン、シラン変性ポリエチレン、シラン変性ポリプロピレ
ン等が挙げられる。高架橋性樹脂のみに、または低
(無)架橋性樹脂より高架橋性樹脂を優先的に架橋する
ことが容易なこと、及び混合後の架橋が容易なことか
ら、シラン変性ポリエチレン、シラン変性ポリプロピレ
ンが最も好ましい。
【0055】上記架橋性官能基を有する高架橋性樹脂を
架橋する方法としては、過酸化物を用いて架橋する方
法、イソシアネートを用いて架橋する方法、アミンを用
いて架橋する方法、反応性官能基を加水分解した後、水
架橋する方法等が挙げられる。
【0056】混合後の架橋が容易なことから、反応性官
能基を加水分解した後水架橋する方法が最も好ましい。
【0057】発泡剤 本発明において、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体及び発
泡性熱可塑性樹脂薄膜に含有される発泡剤として熱分解
型の発泡剤が用いられる。
【0058】上記熱分解型発泡剤としては、用いられる
熱可塑性樹脂の溶融温度より高い分解温度を有するもの
であれば、特に限定されず、例えば、重炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化
合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡
剤;アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウ
ム、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、P−トルエンスルホニルヒドラ
ジド、P,P´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、トリヒドラジノトリアジン等が挙げられ、熱可塑
性樹脂としてポリオレフィン系エチレン樹脂を用いる場
合は、分解温度や分解速度の調整が容易でガス発生量が
多く、衛生上優れているアゾジカルボンアミドが好まし
い。
【0059】上記熱分解型発泡剤の添加量が多すぎる
と、破泡し、均一なセルが形成されず、逆に少なすぎる
と十分に発泡しなくなることがあるため、熱分解型発泡
剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜25重量
部の割合で含有させることが好ましい。
【0060】他に添加し得る成分 熱可塑性樹脂発泡体の強度を高めるために、上記発泡性
熱可塑性樹脂粒状体及び発泡性熱可塑性樹脂薄膜に用い
られる上記熱可塑性樹脂には、必要に応じて、ガラス短
繊維、炭素短繊維、ポリエステル短繊維等の補強材;炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスパウダー等
の充填材等を添加してもよい。
【0061】補強材として、上記短繊維を添加する場
合、補強材の添加割合が多すぎると、発泡時にセルが破
壊し、高発泡倍率の発泡体を得ることができず、逆に少
なすぎると、得られる発泡体を補強する効果が十分に得
られなくなる。従って、上記短繊維を添加する場合に
は、その配合割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対し
1〜20重量部が好ましく、3〜10重量部が特に好ま
しい。
【0062】短繊維の長さが長すぎると、発泡時にセル
が破壊し、高発泡倍率の発泡体を得ることができず、短
すぎると、得られる発泡体を補強する効果が十分に得ら
れなくなることがあるため、短繊維の長さは、1〜20
mmが好ましく、3〜5mmが特に好ましい。
【0063】また、上記充填剤を添加する場合、添加量
が多いと、発泡時にセルが破壊し、高発泡倍率の発泡体
を得ることができず、また、少ないと、得られる発泡体
を補強する効果が充分に得られないことがある。従っ
て、充填剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対
して、10〜100重量部が好ましく、30〜50重量
部が特に好ましい。
【0064】発泡性熱可塑性樹脂シート状体 発泡性熱可塑性樹脂シート状体は、発泡性熱可塑性樹脂
粒状体が平面的に略均一に配置しており、上記発泡性熱
可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介して一
体的に連結されているものである。上記発泡性熱可塑性
樹脂粒状体の形状は、特に限定されず、例えば、六方
体、円柱状、球状体などが挙げられるが、発泡性熱可塑
性樹脂粒状体が発泡する際に、発泡を均一に行わせるに
は、円柱状が最も好ましい。
【0065】発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円柱状の場
合、その径は、目的とする発泡体の発泡倍率や厚さによ
っても異なるため特に限定されるものではないが、大き
すぎると発泡速度が低下し、小さすぎると発泡時の加熱
で円柱が溶融し、変形し易く一次元発泡性を発現できな
くなり、厚み精度、重量精度のばらつきが大きくなる。
また表面平滑性も低下する。従って、発泡性熱可塑性樹
脂粒状体が円柱の場合、その径は、1mm〜30mmが
好ましく、2mm〜20mmの範囲が特に好ましい。
【0066】発泡性熱可塑性樹脂粒状体が円柱状の場
合、その高さは、目的とする発泡体の発泡倍率や厚さに
よっても異なるため特に限定されるものではないが、高
すぎると発泡速度が低下し、低すぎると発泡性熱可塑性
樹脂薄膜と同時に発泡するため、幅方向及び長手方向に
おいて大きく膨張することになる。従って、円柱状の発
泡性熱可塑性樹脂粒状体の高さは1mm〜30mmが好
ましく、2mm〜20mmが特に好ましい。
【0067】発泡性熱可塑性樹脂粒状体間の距離は、目
的とする発泡体の発泡倍率や厚さ等によっても異なるた
め、特に限定されるものではないが、上記距離が長すぎ
ると発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡した時に充填不足
が発生する可能性があり、短すぎると発泡時膨張できる
面積が不足し、幅方向及び長手方向において大きく膨張
しがちとなる。従って、発泡性熱可塑性樹脂粒状体間の
中心間距離は、2mm〜50mmが好ましく、3mm〜
30mmが特に好ましい。
【0068】最終的に得られる発泡体の厚み精度、重量
精度を向上し、高い表面平滑性を付与し、発泡倍率を均
一化するには、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体は、発泡
性熱可塑性樹脂シート状体において平面的に略均一に配
置されることが必要である。熱可塑性樹脂粒状体を平面
的に略均一に配置する態様としては、特に限定されるも
のではなく、格子状に配置されていてもよいが、千鳥状
に配置されていると、個々の発泡性熱可塑性樹脂粒状体
が発泡して得られる高発泡体が六角柱の形状となるた
め、擬似的なハニカム構造を構成することになる。その
ため、得られる発泡体の表面平滑性が高められ、圧縮強
度が向上する。従って、好ましくは、発泡性熱可塑性樹
脂粒状体は、千鳥状に配置される。
【0069】上記発泡性熱可塑性樹脂薄膜の厚みは、目
的とする発泡体の発泡倍率や厚み等によっても異なるた
め、特に限定されるものではないが、厚くなりすぎる
と、発泡時に発泡性熱可塑性樹脂粒状体を移動させ、幅
方向及び長手方向における膨張が大きくなり、薄すぎる
と発泡性熱可塑性樹脂粒状体を保持できなくなる。従っ
て、発泡性熱可塑性樹脂薄膜の厚みは、0.05〜3m
mが好ましく、0.1〜2mmが特に好ましい。
【0070】発泡性熱可塑性樹脂シート状体の製造方法 上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体の製造方法として
は、特に限定されるものではなく、例えば、1)発泡性
熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂及び発泡剤
などを射出成形機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度
より低い温度で溶融混練し、発泡性熱可塑性樹脂粒状体
の形状に応じた凹部を有する金型に射出した後冷却する
方法等が挙げられるが、2)発泡性熱可塑性樹脂シート
状体を構成する熱可塑性樹脂及び発泡剤などを押出機に
供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融
混練した後、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂
を、該シート状発泡性熱可塑性樹脂の厚みより狭いクリ
アランスを有し、少なくとも一方の外周面に多数の凹部
が均一に配設された異方向に回転する一対の賦形ロール
に導入し、前記凹部に軟化状態のシート状発泡性熱可塑
性樹脂の一部を圧入した後、冷却、離型する方法が最も
好ましい。
【0071】上記2)の方法をさらに詳しく説明する。
先ず、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を得るに
は、通常、押出機により発泡性熱可塑性樹脂を溶融混練
押出しする方法やカレンダーロールを用いて溶融化する
方法が挙げられ、押出機を用いた溶融化が連続重量精
度、定量性の点から最も好ましい。
【0072】軟化状態の発泡性熱可塑性樹脂の形態は、
連続的に成形できる形態であれば特に限定されず、シー
ト形態、多数のストランド形態等が挙げられるが、流れ
直角方向(幅方向)の定量性の点からシート形態が最も
好ましい。
【0073】賦形ロールの外周面の凹部の配設は、得ら
れる発泡性熱可塑性樹脂シート状体の重量精度、厚み精
度の向上のため、略均一に配置されることが好ましい。
賦形ロールの外周面の凹部の配設は、賦形ロール外周面
全体で略均一にあれば特に限定されないが、より均一で
あることから、格子または千鳥に配設されていることが
最も好ましい。
【0074】賦形ロールの外周面の凹部の形状は、特に
限定されず、例えば、六方体状、円柱状、球状体等が挙
げられるが、凹部を成形し易い点、発泡性熱可塑性樹脂
粒状体を均一に成形し易い点、冷却後の離型が行い易い
点から円柱状が最も好ましい。
【0075】賦形ロールの外周面の凹部の形状が円柱状
であるとき、円柱の径は、目的とする発泡性熱可塑性樹
脂シート状体の形状により変化するため、特に限定され
ないが、大きすぎると冷却後の離型が行い難く、発泡性
熱可塑性樹脂薄膜が破れ、小さすぎると冷却後の離型時
に発泡性熱可塑性樹脂粒状体が破壊するため、1mm〜
30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に好まし
い。
【0076】賦形ロールの外周面の凹部の形状が円柱状
であるとき、円柱の高さは、目的とする発泡性熱可塑性
樹脂シート状体の形状により変化するため、特に限定さ
れないが、高すぎると冷却後の離型が行い難く、発泡性
熱可塑性樹脂薄膜が破れ、低すぎると一次元発泡を行え
る発泡性熱可塑性樹脂シート状体が形成できないため、
1mm〜30mmが好ましく、2mm〜20mmが特に
好ましい。
【0077】賦形ロールのクリアランスは、軟化状態の
シート状発泡性熱可塑性樹脂の厚みより狭いことが必要
である。よって、この範囲であれば、目的とする発泡性
熱可塑性樹脂シート状体の形状により変化するため、特
に限定されないが、厚すぎると、一次元発泡を行える発
泡性熱可塑性樹脂シート状体が形成できなくなり、薄す
ぎると冷却後の離型時に発泡性熱可塑性樹脂薄膜が破れ
易いため、0.05mm〜3mmが好ましく、0.1m
m〜2mmが特に好ましい。
【0078】軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂の
一部を凹部への圧入する方法は、1対の賦形ロールのク
リアランスを変化させないことにより、軟化状態のシー
ト状発泡性熱可塑性樹脂に賦形ロールからの圧力が付与
されて成し遂げられる。
【0079】一部を圧入され賦形された軟化状態のシー
ト状発泡性熱可塑性樹脂の冷却方法は、発泡性熱可塑性
樹脂の融点以下に下げることができれば、特に限定され
ず、例えば賦形ロール内部に冷却水を流すなどの方法が
ある。
【0080】熱可塑性樹脂発泡体 前記熱可塑性樹脂発泡体は、好ましくは上記発泡性熱可
塑性樹脂シート状体を、前記発泡剤の分解温度以上に加
熱し発泡させ、得られた発泡体を冷却することにより、
製造することができる。
【0081】すなわち、上記発泡性熱可塑性樹脂シート
状体を発泡させると、発泡性熱可塑性樹脂粒状体の部分
が発泡するが、このとき、発泡性粒状体の外表面は発泡
により生じる気泡を保持し難いため内部に比べ発泡倍率
が低くなり、低発泡薄膜となる。このような低発泡薄膜
は、粒状体の内部の発泡により、隣接する粒状体の低発
泡薄膜と近接し熱融着する。この結果、発泡性粒状体の
内部の高い発泡倍率の高発泡体の外表面を低発泡薄膜が
被覆した状態となり、かつ複数の高発泡体が互いに低発
泡薄膜を介して熱融着されている状態となる。
【0082】また発泡性熱可塑性樹脂シート状体の発泡
性粒状体を連結している発泡性熱可塑性樹脂薄膜は、連
続発泡層となり、この連続発泡層の上に高発泡体が複数
配置された状態となる。なお、連続発泡層も厚みが薄
く、気泡保持が困難であるため低発泡になる。しかしな
がら、上記熱可塑性樹脂発泡体は、上記発泡性熱可塑性
樹脂シート状体を発泡して製造される熱可塑性樹脂発泡
体に限定されるものではない。
【0083】よって、熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層
と、該連続発泡層の少なくとも片面上に複数配置される
熱可塑性樹脂よりなる高発泡体と、該高発泡体の外表面
を被覆する熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜とを備え、
上記複数の高発泡体が互いに上記低発泡薄膜を介して熱
融着されている熱可塑性樹脂発泡体を得ることができ
る。
【0084】上記高発泡体は、上記連続発泡層の少なく
とも片面に配置され、かつ厚み方向(一次元的)には重
ならないように単一の層として配置されており、面方向
(二次元的)においては上記低発泡薄膜を介して互いに
熱融着されているものが好ましい。
【0085】高発泡体が、上記のように配置されている
と、熱可塑性樹脂発泡体の厚み方向に均一となり、かつ
熱可塑性樹脂発泡体の厚さ方向に熱可塑性樹脂低発泡薄
膜が連続した疑似トラス構造になるため、熱可塑性樹脂
発泡体の圧縮強度がさらに向上し、かつ圧縮強度のばら
つきも減少する。
【0086】熱可塑性樹脂発泡体の形態は、通常、シー
ト状または板状である。低発泡薄膜の発泡倍率は、低す
ぎると、熱可塑性樹脂発泡体の柔軟性が低下し、また熱
伝導度が大きくなり、断熱性が損なわれ、高すぎると、
高い圧縮強度を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られない
ので、1.1〜10倍が好ましく、さらに好ましくは
1.2〜7倍であり、さらに好ましくは1.2〜5倍で
ある。
【0087】低発泡薄膜の厚みは、厚すぎると、熱可塑
性樹脂発泡体の軽量化が図れず、また薄すぎると、高い
圧縮強度を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られないの
で、30μm〜500μmが好ましく、さらに好ましく
は40μm〜400μmであり、さらに好ましくは50
μm〜400μmである。
【0088】なお、低発泡薄膜の厚みは、均一である必
要はなく、不均一であってもよい。ここで、低発泡薄膜
の厚みとは、熱可塑性樹脂発泡体の横断面方向の低発泡
薄膜の平均厚さをいう。
【0089】本発明において、低発泡薄膜の発泡倍率が
1.1〜10倍、厚みが30μm〜500μmのとき、
熱可塑性樹脂発泡体の圧縮強度と軽量化が両立されるた
め、これらの発泡倍率及び厚みが好ましい。さらに好ま
しくは発泡倍率1.2〜7倍、厚み40μm〜400μ
mであり、さらに好ましくは発泡倍率1.2〜5倍、厚
み50μm〜400μmである。
【0090】高発泡体の発泡倍率は、低すぎると、軽量
化が困難となり、また熱可塑性樹脂発泡体の熱伝導率が
増大し、得られる発泡成形体の断熱性が低下し、また高
すぎると、高い曲げ強度を有する熱可塑性樹脂発泡体が
得られないので、2〜100倍が好ましく、さらに好ま
しくは5〜50倍であり、さらに好ましくは10〜35
倍である。
【0091】高発泡体の大きさは、大きすぎると、得ら
れる熱可塑性樹脂発泡体の曲げ強度が低下し、また小さ
すぎると、軽量化が困難となるので、3〜50mmが好
ましく、さらに好ましくは5〜30mmである。
【0092】なお、高発泡体の大きさは均一である必要
はなく、不均一であってもよい。ここで、高発泡体の大
きさとは、横断面方向の大きさの最大値をいう。低発泡
薄膜の発泡倍率は、一般に高発泡体の発泡倍率の1/2
以下である。
【0093】連続発泡層の発泡倍率は、低すぎると、軽
量化が困難となり、また高すぎると、高い曲げ強度を有
する熱可塑性樹脂発泡体が得られないので、1.1〜2
0倍が好ましく、さらに好ましくは2〜15倍であり、
さらに好ましくは5〜12倍である。
【0094】連続発泡層の厚みは、厚すぎると、熱可塑
性樹脂発泡体の軽量化が図れず、また薄すぎると、高い
曲げ強度を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られないの
で、100μm〜5mmが好ましく、さらに好ましくは
300μm〜3mmであり、さらに好ましくは500μ
m〜2mmである。
【0095】なお、連続発泡層の厚みは、均一である必
要はなく、不均一であってもよい。ここで、連続発泡層
の厚みとは、熱可塑性樹脂発泡体の縦断面方向の連続発
泡層の平均厚さをいう。
【0096】上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が千鳥状に
配置されている発泡性熱可塑性樹脂シート状体を発泡し
て製造される熱可塑性樹脂発泡体は、複数の高発泡体が
千鳥状に配置される。複数の高発泡体が、千鳥状に配置
されている場合、複数の高発泡体は六角柱状の形状とな
り、各高発泡体は低発泡薄膜を介して熱融着されている
構造となり、全体としてハニカム状の熱可塑性樹脂発泡
体が得られる。このようなハニカム状の熱可塑性樹脂発
泡体は、表面平滑性に優れ、圧縮強度、曲げ強度が特に
優れた熱可塑性樹脂発泡体となる。
【0097】上記連続発泡層、低発泡薄膜及び高発泡体
にポリオレフィン系発泡体を用いる場合には、発泡体全
体としての発泡倍率は2〜20倍が好ましく、より好ま
しくは5〜15倍であり、さらに好ましくは7〜12倍
である。
【0098】熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 上記熱可塑性樹脂発泡体は、上述のように、上記発泡性
熱可塑性樹脂シート状体を、発泡剤の分解温度以上に加
熱して発泡させた後、発泡により得られた発泡体を冷却
することにより発泡して製造することができるものであ
るが、これに限定されるものではない。
【0099】例えば、発泡剤を含有した発泡性熱可塑性
樹脂ペレットを発泡させて、連続発泡層以外の低発泡薄
膜を介して熱融着した高発泡体を成形し、これに別工程
で成形した熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層を熱融着さ
せることにより製造してもよい。
【0100】本発明に用いられる硬質発泡体(B)は上
記のようにして得られた熱可塑性樹脂発泡体の中から、
JIS K7220に準拠した圧縮弾性率が4kg/c
2以上で、JIS K7203に準拠した曲げ弾性率
が3000kg/cm2 以下のものを選定すればよい。
【0101】上記硬質発泡体(B)の厚みは、防音性能
をあげるために硬質板状体(A)の厚みを薄くしても良
好な歩行感を得るためには、3mm以上あることが好ま
しい。
【0102】本発明に用いられる軟質発泡体(C)は上
記硬質発泡体(B)と相対的に圧縮弾性率の小さいもの
であれば特に限定されず、例えば、発泡倍率が10〜3
0倍のポリエチレン製発泡体、発泡倍率が20〜40倍
のポリウレタン発泡体などがあげられる。
【0103】上記軟質発泡体(C)の圧縮弾性率は特に
限定されないが、小さすぎると歩行感が低下し(上述し
た「ふかふかする」状態)、大きすぎると防音性能が低
下するので、0.2〜3kg/cm2 が好ましい。
【0104】上記軟質発泡体(C)の厚みも特に限定さ
れないが、薄すぎると防音性能が低下し、厚すぎると歩
行感が低下(上述した「ふかふかする」状態)するの
で、3mm以下が好ましく、さらに好ましくは1〜2m
mである。
【0105】なお、上記硬質発泡体(B)及び軟質発泡
体(C)には、必要に応じてさらに防音性能をあげ、ま
たは被貼着体(一般にはコンクリート)の不陸に対処す
るために、溝加工や凹凸加工を施してもよい。
【0106】積層構成 本発明1の床材は、前記硬質板状体(A)を表層とし、
前記硬質発泡体(B)と、軟質発泡体(C)とが積層さ
れているものである。積層順序は(A)/(B)/
(C)の順が良好な歩行感を得るためには好ましいが、
軟質発泡体(C)が薄い場合には(A)/(C)/
(B)の順に積層されてもよい。さらに必要に応じ、
(A)/(C)/(B)/(C)の順に積層されてもよ
い。
【0107】なお、本発明1の床材において、さらに、
ゴム、軟質エラストマー層、不織布または発泡樹脂シー
トなどからなる防音性に優れた防音シートを、各層の間
に介在させてもよく、それによって防音性能を高めるこ
とができ、好ましい。
【0108】上記床材の各層を積層するには、上記硬質
発泡体(B)の両面に接着剤や粘着剤を塗布してその両
面に硬質板状体(A)と軟質発泡体(C)を積層するこ
とにより一体化させてもよいし、硬質発泡体(B)の両
面に両面テープを貼り、硬質板状体(A)と軟質発泡体
(C)を積層してもよい。上記接着剤及び粘着剤として
は、酢酸ビニルエマルジョン(例えば、積水化学工業社
製、商品名:エスダイン#6354)やアクリル系粘着
剤(例えば、積水化学工業社製、商品名:エスダイン#
7850など)、クロロプレン系接着剤(例えば、積水
化学工業社製、商品名:エスダイン#280L)を使用
することができる。
【0109】上記硬質発泡体(B)が、ポリオレフィン
樹脂などの接着性に乏しい場合には、他の層との接着性
を改善するため予め硬質発泡体(B)をコロナ処理など
補助手段を用いてもよい。又、発泡時に、表面に合成繊
維からなる不織布を一体化して積層すると、他の層を積
層するときにアンカー効果により接着性が改善できる。
さらに、硬質発泡体(B)が硬質ポリウレタンからなる
ときには、発泡時に紙を一体に積層しておくと、硬質板
状体(A)との接着性がよいので好ましい。
【0110】本発明1の床材の厚みは特に限定されない
が、畳(通常、厚み10〜55mm)の部屋との段差を
無くするためには60mm以下が好ましい。
【0111】請求項2記載(以下「本発明2」という)
の床材は、上記硬質板状体(A)、硬質発泡体(B)、
及び軟質発泡体(C)の厚みが、1:(1〜5):
(0.2〜2)であることを特徴とする。
【0112】上記硬質発泡体(B)、(C)の厚み比
は、全体の厚みが一定としたときに、(A)に比べて薄
すぎると防音性能が低下し、厚すぎると歩行感が低下
し、床上を歩いたときにひびがはいったりするので、
1:(1〜5):(0.2〜2)が好ましい。
【0113】本発明1及び本発明2の床材は、コンクリ
ート等の床下地材に直接貼着されてもよいし、床下にス
ペースが必要ならば、根太等を介して敷設されてもよい
し、さらに必要に応じてパーティクルボードを介して敷
設されてもよい。又、ピールアップ材等の層を床下地材
と床材との間に設けて、貼り替えを容易にしてもよい。
【0114】本発明3の床材は、本発明1又は2の床材
を、マンションの床下地材に直貼りするものである。上
記床材の厚みは一般に5〜20mmが適当であり、12
mmと15mmが標準サイズとして多用される。
【0115】(作用)本発明1の床材は、硬質板状体
(A)を表層とし、JIS K7220に準拠した圧縮
弾性率が4kg/cm2 以上で、JIS K7203に
準拠した曲げ弾性率が3000kg/cm2 以下の硬質
発泡体(B)と、軟質発泡体(C)とが積層されている
ものであるから、硬質発泡体(B)が床材として必要な
圧縮弾性率を確保しながら、曲げ弾性率が低くなされて
おり、よって軟質発泡層(C)の厚みを薄くできるの
で、高い防音性能でありながら、歩行時の「船酔い現
象」を無くすことができ、歩行感のよい床材となる。
【0116】本発明2の床材は、本発明1の床材におい
て、硬質板状体(A)、硬質発泡体(B)、及び軟質発
泡体(C)の厚み比が、1:1〜5:0.2〜2とされ
ているので、高い防音性能でありながら、歩行感のよい
ものとなる。
【0117】本発明3の床材は、軟質発泡体(C)層を
有しているものであるから、マンション等のコンクリー
トに直貼りに好適に使用できる。
【0118】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しつつ詳細に説明する。図1は、本発明に使用され得る
発泡性熱可塑性樹脂シート状体の一例を説明するための
部分切欠断面図である。この発泡性熱可塑性樹脂シート
状体を例にとり以下に説明する。発泡性熱可塑性樹脂シ
ート状体1では、円柱状の発泡性熱可塑性樹脂粒状体2
が、発泡性熱可塑性樹脂薄膜3により一体的に連結され
ている。言い方を変えれば、上記発泡性熱可塑性樹脂シ
ート状体1は、発泡性熱可塑性樹脂粒状体2で構成され
る柱状突出部が、発泡性熱可塑性樹脂薄膜3の一方面か
ら突出するように形成されている形状を有する。
【0119】図2は、本発明に使用され得る発泡性熱可
塑性樹脂シート状体における発泡性熱可塑性樹脂粒状体
が配置されている形態を説明するための平面図である。
上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体1では、発泡性熱可
塑性樹脂粒状体2は、図2に示すように千鳥状に配置さ
れている。
【0120】図3は、本発明に使用され得る発泡性熱可
塑性樹脂シート状体を製造する工程を説明するための略
図的側面図である。発泡性熱可塑性樹脂シートを構成す
る熱可塑性樹脂及び熱分解型発泡剤などを押出機11に
供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融
混練した後、ダイ12からシート状に押し出し、軟化状
態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を、発泡性熱可塑性粒
状体の形状に対応した凹部13aを有し、クリアランス
が保持された賦形ロール13と賦形ロール14とで賦形
しつつ冷却することにより、発泡性熱可塑性樹脂粒状体
2で構成される柱状突出部が、発泡性熱可塑性樹脂薄膜
3の一方面から突出するように形成されている形状の発
泡性熱可塑性樹脂シート状体が得られる。
【0121】上記のようにして得られた発泡性熱可塑性
樹脂シート状体から熱可塑性樹脂発泡体を得るには、上
記発泡性熱可塑性樹脂シート状体をその発泡剤の分解温
度以上に加熱し発泡させ、得られた発泡体を冷却する。
【0122】図4は本発明の床材に使用され得る熱可塑
性樹脂発泡体の一例を示す略図的断面図である。図4に
示すように、熱可塑性樹脂発泡体4は、熱可塑性樹脂よ
りなる連続発泡層4cの少なくとも片面上に発泡倍率の
高い熱可塑性樹脂よりなる高発泡体4aが複数配置され
ており、この高発泡体4aの外表面は発泡倍率の低い熱
可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜4bにより被覆されてい
る。また隣接する高発泡体4aは、低発泡薄膜4bを介
して熱融着されている。
【0123】上述のように、上記発泡性熱可塑性樹脂粒
状体を一体的に連結する発泡性熱可塑性樹脂薄膜(図1
における3)が連続発泡層4cとなり、発泡性熱可塑性
樹脂粒状体が発泡し、その外表面が低発泡薄膜4bとな
り、その内部が高発泡体4aとなる。隣接する低発泡薄
膜4bは熱融着されて一体的となる。従って、高発泡体
4aは、その外表面を低発泡薄膜4b及び4cで被覆さ
れ一体化されている。
【0124】また、複数の高発泡体が、図2に示すよう
に発泡性熱可塑性樹脂粒状体2が千鳥状に配置されてい
る場合、図5に示すように、複数の高発泡体4aは六角
柱状の形状となり、各高発泡体4aは低発泡薄膜4bを
介して熱融着されている構造となり、全体としてハニカ
ム状の熱可塑性樹脂発泡体が得られる。このようなハニ
カム状の熱可塑性樹脂発泡体は、表面平滑性に優れ、圧
縮強度、曲げ強度が特に優れた熱可塑性樹脂発泡体とな
る。
【0125】本発明に用いられる硬質発泡体(B)は上
記のようにして得られた熱可塑性樹脂発泡体の中から、
JIS K7220に準拠した圧縮弾性率が4kg/c
2以上で、JIS K7203に準拠した曲げ弾性率
が200kg/cm2 以下のものを選定する。
【0126】図6は、本発明1の床材の一例を示す断面
図である。本発明1の床材は、上記硬質発泡体(B)の
一面に硬質板状体(A)を表層として積層し、反対側の
面に軟質発泡体(C)とが積層されているものである。
【0127】上記床材の各層を積層するには、上記硬質
発泡体(B)に両面テープを貼り、その両面に硬質板状
体(A)と軟質発泡体(C)を積層することにより一体
化するとよい。
【0128】
【実施例】本発明を実施例をもって、さらに詳しく説明
する。 硬質発泡体(B)1〜9の製造 表1に示した割合(重量部)の熱可塑性樹脂100重量
部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商品名:S
O−20、分解温度210℃)及びシラン架橋触媒とし
てのジブチル錫ジラウレート0.1重量部を含有する組
成物を、図3に示した2軸押出機11に供給した。2軸
押出機11としては、径44mmのものを用いた。2軸
押出機11において、上記組成物を180℃で溶融混練
し、面長500mm、リップ1.0mmのTダイ12に
より軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を押し出し
た。
【0129】さらに、表1に示した粒状体に対応する形
状の凹部が千鳥状に配置された、径250mm及び面長
500mmのロール13,14間で該発泡性熱可塑性樹
脂シート状体を賦形しつつ冷却し、さらに発泡性熱可塑
性シート状体を98℃の水中に2時間浸漬した後乾燥す
ることにより、表1に示した形態の発泡性熱可塑性樹脂
シート状体を得た。
【0130】上記のようにして得た発泡性熱可塑性樹脂
シート状体では、上記賦形ロール13の凹部に対応する
部分において発泡性熱可塑性樹脂粒状体が構成されてお
り、該発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂
薄膜により連結されて、全体として発泡性熱可塑性樹脂
シート状体が構成されていた。
【0131】得られた発泡性熱可塑性樹脂シート状体
を、ポリフッ化エチレンシート上に配置し、さらに上記
ポリフッ化エチレンシートをその上面に配置して、ハン
ドプレスにより表1記載の所定厚みとなるようにして、
210℃で10分間加熱発泡した後、30℃の冷却プレ
スで10分間冷却し、硬質発泡体(B)を得た。
【0132】なお、表1において、HDPEは、高密度
ポリエチレン(三菱化学社製、商品名「HY340」、
MI=1.5g/10分)、シラン変成HDPEは、シ
ラン変成高密度ポリエチレン(三菱化学社製、商品名
「HM600A」、MI=10g/10分、到達ゲル分
率60%)を、LDPEは、低密度ポリエチレン(三菱
化学社製、商品名「MF−90」、MI=1.5g/1
0分)を、PPは、ポリプロピレン(三菱化学社製、商
品名「MA3」、メルトインデックス(MI)=11g
/10分)を、シラン変成PPは、架橋性シラン変成ポ
リプロピレン(三菱化学社製、商品名「XPM800
H」、MI=11g/10分、架橋後のゲル分率80重
量%)を示す。
【0133】得られた硬質発泡体(B)の発泡倍率、発
泡体の厚み、圧縮弾性率、曲げ弾性率を以下の方法で測
定し、表1に纏めて示した。
【0134】(発泡倍率)JIS K6767に準拠し
て発泡倍率を測定した。 (発泡体の厚み)ノギスを用い、得られた発泡体の厚み
を測定した。 (圧縮弾性率)JIS K7220に準拠して圧縮弾性
率を測定した。 (曲げ弾性率)JIS K7203に準拠して曲げ弾性
率を測定した。
【0135】
【表1】
【0136】実施例1〜9、比較例1、2 硬質板状体(A) 表2に示した厚みに調整した合板(一部鉋で削って所定
厚みにした)に、0.2mm厚の突き板(北三社製)を
接着し、エポキシ系樹脂を塗装して紫外線で硬化させ、
硬質板状体を得た。
【0137】軟質発泡体(C) 表2に示した所定厚みのブリジストン社製30倍軟質ウ
レタン発泡体(圧縮弾性率0.5kg/cm2 、曲げ弾
性率21kg/cm2 )を使用した。
【0138】表2に種類が記載された硬質発泡体(B)
の両面に両面テープ(積水化学工業社製ダブルタックテ
ープ(400mm幅)を貼り、それぞれに硬質板状体
(A)、軟質発泡体(C)を接着積層し、床材を得た。
【0139】実施例10 硬質板状体(A)と硬質発泡体(B)の間に厚さ1.0
mmのゴムを接着積層したこと以外は、実施例2と同様
にして床材を得た。
【0140】比較例3 硬質板状体(A)の厚みを10mmとし、硬質発泡体
(B)を積層しなかったこと以外は、実施例2と同様に
して床材を得た。
【0141】比較例4 軟質発泡体(C)を積層しなかったこと以外は、実施例
2と同様にして床材を得た。
【0142】比較例5 硬質発泡体(B)に変えて発泡スチロールの7倍発泡品
(圧縮弾性率38kg/cm2 、曲げ弾性率6500k
g/cm2 )を使用したこと以外は比較例4と同様にし
て床材を得た。
【0143】得られた床材を以下の方法で評価し、表2
に纏めて示した。
【0144】性能評価 防音性能 JIS A1418に準拠して床衝撃音レベルを測定し
た。 沈み込み量 圧子(直径50mmの鋼球)を床材の表面〔硬質板状体
(A)側〕に80kgfの力で押しつけた時の変位を沈
み込み量とした。(3mm以上沈み込むと歩行感が悪い
とされている。)
【0145】
【表2】
【0146】表2から明らかなように、比較例1で得ら
れた熱可塑性樹脂発泡体では、使用した硬質発泡体
(B)の圧縮弾性率が3kg/cm2 と低すぎるので、
沈み込み量が著しく大きくなる。又、比較例2で得られ
た熱可塑性樹脂発泡体では、使用した硬質発泡体(B)
の曲げ弾性率が4000kg/cm2 と高すぎるので、
床衝撃音レベルが著しく大きくなる。
【0147】又、実施例3〜7に見られるように、硬質
発泡体(B)の厚みが硬質板状体(A)の厚みに比べて
薄くなると床衝撃音レベルは大きくなる傾向にあり、
又、比較例3に見られるように、硬質発泡体(B)が積
層されて無いと床衝撃音レベルは著しく大きくなる。さ
らに、実施例8に見られるように、硬質発泡体(B)の
厚みが硬質板状体(A)の厚みに比べて厚くなりすぎる
と、沈み込み量試験において床表面にひびがはいるので
好ましくない。
【0148】又、実施例3と実施例8、9を比較すると
軟質発泡体(C)の厚みが硬質板状体(A)の厚みに比
べて厚くなると床衝撃音レベルは小さくなるが、軟質発
泡体(C)の厚みが硬質板状体(A)の厚みに比べて厚
くなりすぎると、沈み込み量が大きくなり歩行感が低下
するので好ましくない(実施例9)。又、比較例4に見
られるように示すように、軟質発泡体(C)が無いと、
沈み込み量は小さくなるが、床衝撃音レベルは著しく大
きくなる。
【0149】さらに、実施例10にみられるように、硬
質板状体(A)と硬質発泡体(B)の間にゴムを積層す
ると床衝撃音レベルはさらに小さくすることができる。
【0150】
【発明の効果】本発明1の床材は、硬質板状体(A)を
表層とし、硬質発泡体(B)及び軟質発泡体(C)とが
積層され、かつ、硬質発泡体(B)の圧縮弾性率及び曲
げ弾性率が特定のものとされているものであるから、硬
質板状体(A)の厚みを薄くすることができるもで、防
音性能が良く、かつ歩行感に優れた床材となる。
【0151】本発明2の床材は、本発明1の床材上の硬
質板状体(A)、硬質発泡体(B)及び軟質発泡体
(C)の厚みが特定のものとされているから、さらに防
音性能を向上させ歩行感に優れた床材となる。
【0152】本発明3の床材は、本発明1又はの床材を
マンションの直貼用としているものであり、防音性能を
向上させ歩行感に優れた床材としているだけでなく、コ
ンクリート等の床下地材の不陸を容易に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用され得る発泡性熱可塑性樹脂シー
ト状体の一例を説明するための部分切欠断面図である。
【図2】本発明に使用され得る発泡性熱可塑性樹脂シー
ト状体において発泡性熱可塑性樹脂粒状体が配置されて
いる形態を説明するための平面図である。
【図3】本発明に使用され得る発泡性熱可塑性樹脂シー
ト状体を製造する工程を説明するための略図的側面図で
ある。
【図4】本発明の床材に使用され得る熱可塑性樹脂発泡
体の一例を示す略図的縦断面図である。
【図5】本発明の床材に使用され得る熱可塑性樹脂発泡
体の一例を示す略図的横断面図である。
【図6】本発明1の床材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
A 硬質板状体 B 硬質発泡体 C 軟質発泡体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質板状体(A)を表層とし、JIS
    K7220に準拠して測定した圧縮弾性率が4kg/c
    2 以上で、JIS K7203に準拠して測定した曲
    げ弾性率が3000kg/cm2 以下の硬質発泡体
    (B)と、軟質発泡体(C)とが積層されていることを
    特徴とする床材。
  2. 【請求項2】 硬質板状体(A)、硬質発泡体(B)、
    及び軟質発泡体(C)の厚み比が、1:1〜5:0.2
    〜2であることを特徴とする請求項1に記載の床材。
  3. 【請求項3】 マンションの直貼用であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の床材。
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