JPH10211429A - 吸液性複合体 - Google Patents

吸液性複合体

Info

Publication number
JPH10211429A
JPH10211429A JP32894297A JP32894297A JPH10211429A JP H10211429 A JPH10211429 A JP H10211429A JP 32894297 A JP32894297 A JP 32894297A JP 32894297 A JP32894297 A JP 32894297A JP H10211429 A JPH10211429 A JP H10211429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
absorbing
water
substrate
absorbent composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32894297A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Okamoto
功一 岡本
Norisuke Suminaga
憲資 角永
Yoshihiko Masuda
善彦 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP32894297A priority Critical patent/JPH10211429A/ja
Publication of JPH10211429A publication Critical patent/JPH10211429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みが薄く取り扱い性、加工性に優れ、吸液
膨潤による体積膨張性が高く、一度吸液膨潤した後は乾
燥しても膨張形態を保持する吸液性複合体を提供する。
また、物体間の隙間に存在させたときには、その膨張形
態の保持により、高い閉塞性を有する吸液性複合体を提
供する。 【解決手段】 少なくとも吸液性ポリマーとこの吸液性
ポリマーを支持する基材とを備えた吸液性複合体であっ
て、次のA〜Cの条件を満たすことを特徴とする吸液性
複合体。 A.圧縮されており、最初の吸液が起きるまでは圧縮状
態を維持すること B.最初の吸液が起きたときには前記圧縮状態が解か
れ、吸液膨潤すること C.吸液により膨潤した後に乾燥したときは膨張形態を
保持すること

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸液性複合体に関
する。さらに、詳しく述べると、少なくとも吸液性ポリ
マーとこの吸液性ポリマーを支持する基材とを備えた吸
液性複合体で、取り扱い性に優れ、吸液膨潤性による膨
張形態を保持する吸液性複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、壁と壁との隙間やブロックとブロ
ックとの隙間などの物体間の隙間から空気や水、セメン
トミルクなどの流体が漏れないように該隙間を閉塞した
いという要望があった。該隙間を閉塞するために、隙間
を閉塞するだけの厚みを有する充填材を該隙間に介在さ
せる方法が考えられたが、厚みがあるため充填材を隙間
に介在させる作業が極めて複雑なものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
厚みの薄いシート状の吸液性複合体を該隙間に介在させ
ることで、該隙間を吸液膨潤により簡便に閉塞する方法
を考えた。例えば特開昭62−22810号公報では、
アクリル酸のアルカリ金属塩等の水溶性モノマーを繊維
質基体(基材)に施した後、重合開始剤を用いて重合す
る吸水性複合体の製造方法が提案されている。この方法
で得られた吸水性複合体は、水の吸水膨潤により膨張し
て厚みが厚くなるものであるが、環境が低湿状態や乾燥
状態になると、吸水した水分を放湿して収縮が起こり、
元の厚さまで再び薄くなってしまうものである。したが
って、かかる吸水性複合体を上記隙間の閉塞に用いた場
合には、経時的な乾燥によって水分の放湿が起こり収縮
してしまうために再び隙間が形成されてしまうという課
題があった。
【0004】したがって、本発明の課題は、上記課題を
解決するものであり、厚みが薄く取り扱い性、加工性に
優れ、吸液膨潤による体積膨張性が高く、一度吸液膨潤
した後乾燥しても膨張形態を保持する吸液性複合体を提
供することにある。また、物体間の隙間に存在させたと
きには、その膨張形態の保持により、高い閉塞性を有す
る吸液性複合体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸液性ポリマ
ーとこの吸液性ポリマーを支持する基材とを備えた圧縮
された吸液性複合体であって、一度吸液膨潤した後は乾
燥してもその膨張形態を保持することを特徴とする吸液
性複合体、あるいは、少なくとも吸液性ポリマーとこの
吸液性ポリマーを支持する基材とを備えた吸液性複合体
であって、次のA〜Cの条件を満たすことを特徴とする
吸液性複合体を提供する。
【0006】A.圧縮されており、最初の吸液が起きる
までは圧縮状態を維持すること B.最初の吸液が起きたときには前記圧縮状態が解か
れ、吸液膨潤すること C.吸液により膨潤した後に乾燥したときは膨張形態を
保持すること 本発明はまた、条件Cとして、最大膨張時の厚みに対し
て、60%以上の厚みを保持する前記の吸液性複合体を
提供する。
【0007】本発明はさらに、基材の圧縮弾性比が3以
上である前記の吸液性複合体を提供する。本発明はま
た、基材がスポンジ基材である前記の吸液性複合体を提
供する。本発明はさらに、水溶性不飽和モノマーを基材
上で重合して得られた前記の吸液性複合体を提供する。
【0008】本発明はまた、湿潤保形率が10%以上で
ある、前記の吸液性複合体を提供する。本発明は、基材
上で、水溶性不飽和モノマーを重合する時または水溶性
ポリマーを架橋する時に圧縮して得られたことを特徴と
する吸液性複合体を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の吸液性複合体は、一度吸液膨潤した後は乾燥し
てもその膨張形態を保持するものである。すなわち、ま
ず条件Aとして「圧縮されており、最初の吸液が起きる
までは圧縮状態を維持すること」が必要である。圧縮状
態を維持とは、圧縮状態から最初の吸液が起きるまでの
間に厚みの変化が実質的にないことをいい、圧縮前の厚
みに対して60%以下の厚みを保持することをいう。
【0010】このような圧縮により吸液性複合体の厚み
が薄くなるので、保管、輸送が容易で、施工時の取り扱
い作業が簡便となる。また、圧縮により得られる吸液性
複合体の密度は大きくなり、風合いに「こし」が出てく
るので、貼り付け、切断等の施工作業がさらに容易とな
る。圧縮する度合いは、取り扱いが簡便となる厚みにな
るまで圧縮すればよく、一般に、常態での基材厚みの2
/3から1/100の範囲の厚みになるようにする。特
に1/2から1/10の範囲が好ましい。圧縮度の値が
2/3より大きくなり厚みが厚くなると取り扱いが煩雑
となる場合があり、1/100より小さくなると吸液膨
潤による膨張性の低下や硬くなって取り扱いにくくなる
場合がある。
【0011】本発明の吸液性複合体を圧縮する方法とし
ては、 (1)得られた吸液性複合体を圧縮する方法。必要であれ
ば、得られた吸液性複合体を基材に固着している吸液性
ポリマーを水で軟化したり、水溶性の接合剤を用いた
り、加熱しながら圧縮してもよい。また、圧縮方法は公
知の方法を採用できるが、巻き取り機で強いテンション
で巻き付けて圧縮する方法が生産性、作業性の観点から
好ましい。 (2)基材を重合前に予め圧縮して薄くし、その圧縮基材
を用いて吸液性複合体を製造する方法。 (3)重合により吸液性ポリマーに転換し得る水溶性不飽
和モノマーを基材上で重合するときに、そのモノマーが
付着した基材を圧縮する方法。(重合と圧縮を同時に行
う) (4)水溶性ポリマー等を基材に付着させ基材上で架橋す
るときに、その水溶性ポリマー等が付着した基材を圧縮
する方法。(架橋と圧縮を同時に行う)等が挙げられ
る。
【0012】中でもモノマーを基材上で重合しながら圧
縮する方法は、生成する吸液性ポリマー自体が接合剤と
なるため他の接合剤を使用しなくても圧縮した形状を保
持することができる。従って、重合と圧縮行程を一工程
で行うことができ、吸液膨潤を阻害する他の接合剤を使
用しないため優れた吸液膨潤性を発現する。このことか
ら、モノマーを基材上で重合しながら圧縮する方法が最
も好ましい。この圧縮された吸液性複合体は、水と接触
するときには吸液性ポリマーの吸液膨潤により圧縮形態
は解放され体積膨張する。
【0013】また、水溶性ポリマー等を基材上で架橋し
ながら圧縮する方法は、架橋により生成する吸液性ポリ
マー自体が接合剤となり圧縮形状を保持する。従って架
橋による吸液性ポリマーの生成工程と圧縮行程とを一つ
の行程で行うことができる。また、他の接合剤を使用し
ないため優れた吸液膨潤性を発現する。このことから水
溶性ポリマー等を架橋しながら圧縮する方法も好まし
い。
【0014】本発明の吸液性複合体は、次に条件Bとし
て「最初の吸液が起きたときには前記圧縮状態が解か
れ、吸液膨潤すること」が必要である。つまり、本発明
の吸液性複合体は圧縮され薄くなっていて、最初の吸液
が起きるまでは圧縮状態を維持しているが、液体との接
触により常態での元の基材厚みと同じかそれ以上の厚み
にまで吸液膨潤する。膨潤の度合いは、圧縮時の厚みに
対して1.5倍以上が好ましく、より好ましくは2倍以
上である。1.5倍未満であると物体間の隙間を閉塞し
たい場合にその閉塞性が低下する。
【0015】吸液性複合体を膨潤させうる液体として
は、水、水溶液、電解質溶液、セメントミルク、体液、
アルコール、有機溶剤、油などが挙げられ、それらの二
種以上の混合液または分散液であってもよい。本発明の
吸液性複合体は、さらに条件Cとして「吸液により膨潤
した後に乾燥したときは吸液性複合体の膨張力により膨
張状態を保持すること」が必要である。「膨張形態を保
持する」とは、吸液膨潤により体積膨張した後におい
て、乾燥しても基材等の圧縮復元弾性により収縮が起こ
らず膨張した形態が保持される状態をいい、最大膨張時
の厚みに対して、60%以上の厚みを保持する状態をい
う。中でも80%以上の厚みを保持する状態が、物体間
の閉塞性の観点から好ましく、90%以上が特に好まし
い。
【0016】尚、本発明の吸液性複合体の吸液時の最大
膨張厚みは、常態での元の基材厚みと同じかそれ以上と
なる。ここで、基材の常態での厚みとは、吸液性複合体
形成前の基材を十分に水に接触させ無加重下で風乾した
ものの厚みをいう。この条件Cにより、本発明の吸液性
複合体を物体間の隙間に介在させた場合、水との接触に
より隙間にフィットした形で隙間を閉塞させるととも
に、乾燥状態になっても吸液性複合体の膨張形態は保持
され、隙間は長期に渡り閉塞された状態を維持すること
ができるのである。従って、本発明の吸液性複合体を用
いると極めて高い閉塞性を発現する。
【0017】また、本発明の吸液性複合体は吸液により
膨潤した後、乾燥する前にもその状態を保持することが
好ましい。具体的には、湿潤保形率が10%以上である
ことが好ましく、より好ましくは60%以上、さらに好
ましくは95%以上である。湿潤保形率の測定方法は実
施例に示したとおりであり、湿潤保形率の値が大きいほ
ど変形させた吸液性複合体が元の形態に復元しやすいこ
とを表している。
【0018】上記条件A〜Cを満足する吸液性複合体に
ついて具体的に説明する。本発明の吸液性複合体は、少
なくとも吸液性ポリマーとこれを支持する基材とを備え
ている。そのような吸液性複合体としては下記の種類の
ものが挙げられる。 イ)透水性の不織布やスポンジ等の基材で、吸液性ポリ
マーの少なくとも一部を被覆して得られた吸液性複合
体。 ロ)不織布やスポンジ等の基材に水などの溶媒で軟化し
た吸液性ポリマーを直接プレスし、必要により乾燥して
得られた吸液性複合体。 ハ)接合剤を用いて不織布やスポンジ等の基材に吸液性
ポリマーを付着させて得られた吸液性複合体。 ニ)吸液性ポリマーに転換しうるポリアクリル酸ナトリ
ウム塩、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコ
ール等の水溶性ポリマーを基材に施した後に架橋せしめ
て得られた吸液性複合体。 ホ)重合により吸液性ポリマーに転換しうる、アクリル
酸金属塩モノマー等の水溶性不飽和モノマーを基材に施
した後、その基材上で重合せしめて得られた吸液性複合
体。等が挙げられる。
【0019】中でも、吸液膨潤性、耐久性、製造の容易
さ、経済性の観点から、重合により吸液性ポリマーに転
換し得るモノマーを基材に付着せしめた後、該モノマー
を基材上で重合して得られた吸液性複合体が好ましい。
本発明の吸液性複合体に用いられる基材としては、例え
ば、親水性または疎水性の織布、不織布、紙、編地、ス
ポンジ等の多孔質材を挙げることができる。基材がその
中に空隙を有していることで、吸液性ポリマーの膨潤許
容空間を確保でき、また水などが吸液性ポリマーと有効
に接触できるので好ましい。また、形状は、シート状ま
たはテープ状のものが取り扱い性の観点から好ましい。
【0020】基材として使用される素材としては、基材
が繊維基材の場合、親水性のものとしては木材パルプ、
綿、羊毛、レーヨン、アセテート、ビニロン等の繊維が
挙げられ、疎水性のものとしてはポリエステル、アクリ
ル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウ
レタン、グラスウール、ロックウール等の繊維、金属繊
維(メタルウール)、形状記憶合金繊維を挙げることが
できる。
【0021】また、基材がスポンジ状の場合には、ポリ
ウレタン系スポンジ、セルロース系スポンジ、ビスコー
ス系スポンジ、ポリビニルアルコール系スポンジ、ポリ
エチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ゴム系ス
ポンジ、ポリビニルアセタール系スポンジ、ポリアセタ
ール系スポンジ、フェノール樹脂スポンジ、金属スポン
ジ等を挙げることができる。
【0022】また、上記基材の2種以上の複合体も用い
ることができる。さらにまた、着色または難燃化された
上記基材も用いることができる。中でも、得られる吸液
性複合体の吸液膨潤性(膨張性)及び膨張形態の保持、
物体間の隙間の閉塞性などの観点から、高い圧縮復元弾
性を有するスポンジ基材が好ましく、中でもセルロース
系スポンジまたはポリウレタン系スポンジ基材を用いる
ことが好ましい。
【0023】スポンジ基材は、連続気泡の空隙を有して
おり、水との接触する表面積が広いので、得られる吸液
性複合体の吸液速度は速くなる。また、気泡空間と吸液
性ポリマーの吸液膨潤性との複合により、極めて高い水
などの液体の保持性を発現する。従って、スポンジ基材
を用いると極めて高い吸液膨潤性を示すのである。ま
た、高い圧縮復元弾性を有する基材を用いることによ
り、本発明の吸液性複合体は、液体を加えると高い吸液
膨潤性と基材の復元弾性力とにより、吸液膨潤による極
めて迅速な体積膨張を発現する。その体積膨張の速さ
は、水に浸漬するとき、最大膨張厚みの90%の厚みに
到達するまでに要する時間が10分以内であり、好まし
くは5分以内、より好ましくは2分以内である。10分
を越えて膨張時間が長くなると物体間に存在させたとき
の閉塞性、作業性が低下する。そして、一度膨潤した後
は、その基材の高い圧縮復元弾性により乾燥しても収縮
はほとんど起こらず、膨張形態を保持するものとなるの
で、条件Cを満足するものを容易に得ることができる。
【0024】本発明で用いられる基材としては、上記し
たように高い圧縮復元弾性を有するものが好ましいが、
具体的には下記に示した圧縮弾性比が3以上、好ましく
は5以上のものが好適に使用される。圧縮弾性比が3未
満だと得られる吸液性複合体は膨張形態を充分に保持す
ることができにくくなる。ここで、圧縮弾性比は下記の
式にて求めた。
【0025】圧縮弾性比=(T2−T1)/T1 T1:基材を15枚重ね10kgf/20cm2の荷重
を1分間かけたときの厚さ T2:T1測定後に荷重を除去し1分間放置後に、30
gf/20cm2の荷重を1分間かけたときの厚さ 本発明に用いられる基材の常態での厚みは特に制限はな
いが、一般に0.2mmから100mmの範囲で、特に
2mmから10mmであることが好ましい。0.2mm
未満だと、得られる吸液性複合体は吸液膨潤による膨張
性や材料強度が低下する場合があり、100mmを越え
ると取り扱いが煩雑となる。
【0026】上記基材に固着させる吸液性ポリマーとし
ては、例えば、アクリル酸またはアクリル酸塩あるいは
スルホン酸基含有アクリル酸エステルを主成分とし、場
合により架橋剤を添加してなる水溶性のエチレン性不飽
和モノマーを重合させて得られる、自重の10〜100
0倍の水を吸収し膨潤する吸水性ポリマーを挙げること
ができ、好ましく用いられる。
【0027】上記の吸液性ポリマー以外の例としては、
例えば、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオ
キシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリス
チレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポ
リ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化
物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(およびその
塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無
水マレイン酸(塩)の反応物、架橋ポリビニルアルコー
ルスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グ
ラフト共重合物等の吸水性ポリマーも例示できる。
【0028】さらに、上記吸水性ポリマー以外の吸液性
ポリマーとしては、下記モノマーを主成分とし、必要に
応じて架橋剤を添加してなる、油や各種溶剤類に対して
2〜100倍の吸収倍率を有する吸油性ポリマーを挙げ
ることができる。例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル
(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オク
チル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、オクチルフェニル(メタ)アクリレ
ート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ジノニル
フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、ポ
リアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ア
ルキルポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリ(ジ)アルキルシロキサンモノ(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、、ジブ
チルマレエート、ジドデシルマレエート、ドデシルクロ
トネート、ジドデシルイタコネートなどの不飽和カルボ
ン酸エステル;(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、
(ジ)ドデシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ステア
リル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ブチルフェニル
(メタ)アクリルアミド、(ジ)オクチルフェニル(メ
タ)アクリルアミドなどの炭化水素基を有する(メタ)
アクリルアミド;1−ヘキセン、1−オクテン、イソオ
クテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセンなどの
α−オレフィン;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式ビ
ニル化合物;ドデシルアリルエーテルなどの炭化水素基
を有するアリルエーテル;カプロン酸ビニル、ラウリン
酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルな
どの炭化水素基を有するビニルエステル;ブチルビニル
エーテル、ドデシルビニルエーテルなどの炭化水素基を
有するビニルエーテル:スチレン、t−ブチルスチレ
ン、オクチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物などを
挙げることができる。
【0029】また上記吸水性ポリマーと吸油性ポリマー
とを二種以上混在させた吸液性複合体は、親水性、疎水
性の液体を問わず吸液することができ、優れた吸液膨潤
性を示す。本発明において、上記吸液性ポリマーと基材
の重量比としては、基材100重量部に対し、吸液性ポ
リマー10〜1000重量部の範囲であることが好まし
い。吸液性ポリマーの量が10重量部よりも少ない場合
には、吸液膨潤性が低下し、一方1000重量部よりも
多い場合には、吸液性複合体の基材からポリマーが脱離
したり、柔軟性が低下し、作業性の点から好ましくな
い。
【0030】重合により吸液性ポリマーに転換し得るモ
ノマーを基材に付着せしめた後、該モノマーを基材上で
重合する方法により得られた本発明の吸液性複合体は、
上記したように吸液膨潤性、耐久性、製造の容易さ、経
済性の観点から好ましく、下記の作用を有する。 (1) 吸液膨潤性を阻害する、接着剤や粘着剤、ゴムなど
のバインダーを使用していないので、高い吸液膨潤性を
示す。 (2) 吸液性ポリマーが基材自体と直接強固に固着するの
でポリマーの脱落が極めて少なく周辺を汚染しない。 (3) シート状であるので取り扱い易く、何らかの加工や
施工作業が簡便で、使用後の廃棄、除去が容易である。 (4) 基材にモノマーを直接含浸などにより付着させるの
で、基材全体(表面及び内部)に均一にポリマーを形成
させることができる。従って、吸液膨潤性にムラがなく
高い吸液膨潤性を示す。
【0031】基材に付着させるモノマーの具体例として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、シトラコン酸、
ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−
(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、(メタ)ア
リルスルホン酸、および、それらのアルカリ金属塩やア
ンモニウム塩;N,N’−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートおよびその4級化物、(メタ)アクリ
ルアミド、N,N’ジメチル(メタ)アクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコ−ル(メ
タ)アクリレ−ト等が挙げられ、これらの1種または2
種以上を用いることができる。
【0032】吸液性複合体の吸液膨潤性の観点から、ア
クリル酸、メタクリル酸、および、それらのアルカリ金
属塩やアンモニウム塩が好ましく用いられる。また、長
期間に渡り高い吸液膨潤性を保持させるためには、重合
により耐塩性またはノニオン性の吸液性ポリマーが得ら
れるモノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、および、
それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩とを共重合さ
せることが特に好ましい。
【0033】耐塩性またはノニオン性のモノマーとして
は、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸や、2
−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸お
よび、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等のス
ルホン酸基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマー、
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホ
リン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル
(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド及
びその誘導体;ポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レートやメトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレートなどに代表されるポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
に代表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト;N−ビニルピロリドンやN−ビニルサクシイミドに
代表されるN−ビニルモノマー;N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド等
のN−ビニルアミドモノマー:ビニルメチルエーテル等
が挙げられる。
【0034】中でもアクリルアミド、メタアクリルアミ
ド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選
ばれる1種または2種以上が好ましく用いられる。基材
に付着させるモノマーは100%成分でも水溶液の状態
でも用いられるが、水溶液とした方が取扱い易い。水溶
液として取り扱う場合のモノマー濃度は、2重量%以上
90重量%未満の範囲が好ましく、より好ましくは20
重量%以上50重量%未満である。2重量%未満だと重
合性が低下し、90重量%以上だと得られる吸液性複合
体の吸液膨潤性が低下する。
【0035】尚、必要に応じ上記モノマー水溶液には、
架橋剤や重合開始剤、ヒドロキシエチルセルロース等の
増粘剤及び水溶性ポリマー、吸液性ポリマー粉末、吸湿
・湿潤剤等の添加剤を添加しても良い。又、モノマー水
溶液は、水溶性有機溶媒が少量溶存したものであっても
よい。特に、吸水性ポリマー粉末を添加した場合、得ら
れる吸液性複合体の吸液膨潤性が向上するので好まし
い。吸液膨潤性やモノマーとの混合性の観点から、粒径
150μ以下さらに好ましくは75μ以下のものが好適
に使用される。
【0036】架橋剤としては、共重合可能な多官能性の
水溶性または油溶性のエチレン性不飽和モノマーやモノ
マーの官能基と反応することのできるものを用いること
ができる。上記モノマー中に加えておいたり、予め基材
に施し付着させておいたり、重合後に添加することがで
きる。架橋剤の具体的な例としては、N,N′−メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミドおよびエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール、ポ
リアルキレングリコールジグリシジルエーテル、多価ア
ルコール、多価エポキシ化合物、多価アミン、アルキレ
ンカーボネート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0037】架橋剤の使用により、得られる吸液性複合
体の耐久性や保形性、吸液膨潤性を向上させることがで
きる。架橋剤の使用量は、上記モノマーの種類や重合条
件により適宜選択することができるが、一般に0.00
1〜10モル%(対モノマー)の範囲であり、好ましく
は0.01〜5モル%(対モノマー)の範囲である。使
用量が0.001モル%未満だと吸液性ポリマーが基材
から脱離する場合があり、10モル%以上だと吸液膨潤
性及び重合性が低下してしまうので好ましくない。
【0038】重合を促進するためには、重合開始剤の使
用が好ましい。本発明に用いられる重合開始剤は、水溶
性または水と混合・分散可能な酸化性またはアゾ系のラ
ジカル性重合開始剤で、それらの1種または2種以上の
開始剤を用いても良い。また、還元性物質を加えて、レ
ドックス開始剤としてもよい。さらにまた、アゾ系開始
剤と酸化性開始剤と還元性物質とを複合して、三元系の
開始剤としても良く、これは特に重合性、吸液膨潤性の
観点から好ましい。
【0039】モノマー中にアゾ系開始剤と酸化性開始剤
を加えて基材に付着した後に還元性物質を添加する方法
がモノマーの安定性が良好で取扱いが容易である。ま
た、スクリューノズルを用いて、基材に付着させる直前
に、モノマーと上記三成分を混合して基材に吹き付けて
も良い。酸化性重合開始剤としては、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩;過酸化水素等の無機過酸化物;ジ第3ブチルペルオ
キシド、アセチルペルオキシド等の有機過酸化物等が挙
げられる。
【0040】アゾ系重合開始剤としては、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−
アゾビス(N,N’ジメチレンイソブチルアミジン)2
塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ化合物を挙げることができる。還元性物質
としては、亜硫酸塩、L−アスコルビン酸、アミン等を
挙げることができる。還元性物質は、酸化性重合開始剤
と酸化還元系を形成しその分解を促進する。これは、レ
ドックス開始剤として知られている。
【0041】重合開始剤の添加量は、一般的に、モノマ
ーに対して0.001g/モル以上10g/モル未満で
あるが、重合性、経済性及び変色等の観点から0.1g
/モル以上5g/モル未満の範囲が好ましい。添加量が
0.001g/モル未満であると重合性が低下し多量の
未反応のモノマーが残存する場合があり、10g/モル
以上だと得られる吸液性ポリマーシートの吸液膨潤性が
低下し、経済性にも問題が生じる。
【0042】上記モノマーを基材に付着させる方法とし
ては、モノマーが基材上に均一または所望する通りに分
散保持され、重合しうる限り、何れの公知の手段も用い
ることができる。具体的には、モノマー水溶液を基材に
含浸、噴霧、塗布または印刷することである。又、必要
に応じて噴霧、含浸、塗布または印刷後にローラー等で
搾り取り、モノマー付着量をコントロールすることがで
きる。モノマー水溶液は基材全面に付着したり、あるい
は一方の面にのみ付着したりすることができる。基材の
厚さ方向に対し濃度勾配を与えることもできる。また、
点状・ストライプ状・格子状・その他の模様状にモノマ
ー水溶液を付着させることもできる。
【0043】基材に付着させたモノマーは、公知の手段
により重合し基材に吸液性ポリマーを直接固着できる。
モノマーを重合する方法としては、例えば、熱、光、γ
線、電子線、紫外線、マイクロ波等を用いる方法を採用
できる。中でも、圧縮加工性、生産性、重合性の観点か
ら、モノマーが付着した基材を不活性なベルトでプレス
しながら挟んで加熱重合する方法が好ましい。
【0044】本発明の吸液性複合体の厚みは、取り扱い
性を向上させるために、できるだけ薄い方が好ましい。
本発明の吸液性複合体の厚みは、0.1mm以上10m
m未満の範囲で、0.2mmから5mmの範囲が好まし
い。0.1mm未満だと吸液膨潤性が低下し、10mm
以上だと取り扱い性が低下し、加工や施工時の作業、保
管や輸送が煩雑となるので好ましくない。
【0045】このようにして得られる吸液性複合体は、
単独で使用できるが、複合体の少なくとも一部分に粘着
剤または接着剤を付与したり、シートの吸液膨潤性を阻
害しない範囲で不織布やフィルムと複合化してもよい。
特に、吸液性複合体の片面に粘着剤層を設けた吸液性複
合体は、施工、設置を極めて容易にするので好ましい。
【0046】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、吸液量は、下記の方法で測定した。 (吸液量)5*5cmに切り取った吸液性複合体の乾燥
試料をイオン交換水100mlが入った120mlビー
カー内に入れ1時間浸漬した。その後、濾紙上で20秒
間吸引し余分な水を取り除き試料重量を測定した。下記
の式に従い吸液量を算出した。
【0047】吸液量(g/m2)=(吸液後の重量−初
期乾燥重量)/試料サイズ また、湿潤保形率は下記の方法で測定した。 (湿潤保形率)まず、7cm*7cmの試料に純水を注
ぎ飽和吸水させた後、18gの紙(キムタオル、十條キ
ンバリー(株)製)を試料表面に重ね荷重をかけ余分な
水を除去した。
【0048】次に、この7cm*7cmの試料を二つ折
りにして0.2kg/cm2の荷重を10秒間かけた
後、荷重を除き5分間放置した。次に、折れ曲がった辺
の両端間の直線距離を測った。その距離の値を元の辺の
長さ(7cm)で除して求めた。 実施例1 99モル%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中
和アクリル酸ナトリウム70モル%及びアクリルアミド
30モル%水溶液に、N,N’−メチレンビスアクリル
アミド0.1モル%(対モノマー)および過硫酸ナトリ
ウム1.0g/モル(対モノマー)及び2,2’−アゾ
ビス(N,N’ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩
0.5g/モル(対モノマー)を溶解し36重量%のモ
ノマー水溶液を調製した。
【0049】次にこのモノマー水溶液に、圧縮弾性比が
7、厚みが5mm、坪量が200g/m2のセルロース
スポンジ基材を浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余分
なモノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含浸物
を2枚の不活性なベルトで挟み圧縮しながら加熱による
ラジカル重合を基材上で行った。得られた吸液性複合体
(1)は、350g/m2の吸液性ポリマーが基材に直接固
着し、圧縮により厚みが2mmまで薄くされていたので
取り扱いが易いものであった。尚、吸液性複合体(1)の
湿潤保形率は50〜80%で、吸液量は5000g/m
2であった。 (膨張形態の保持性)得られた吸液性複合体(1)に水を
加えたところ、吸液膨潤により体積膨張が起こり、1分
間の短時間で厚みが2mmから5mmまで大きくなっ
た。次に、この体積膨張した吸液性複合体(1)を120
℃に設定された乾燥機に入れ1時間放置した。乾燥後の
厚みを測定したところ、厚みは4.5mmであった。吸
液性複合体(1)は、吸液時の膨張形態を乾燥後も保持し
ていた。 比較例1 99モル%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中
和アクリル酸ナトリウム70モル%及びアクリルアミド
30モル%水溶液に、N,N’−メチレンビスアクリル
アミド0.5モル%(対モノマー)および過硫酸ナトリ
ウム1.0g/モル(対モノマー)及び2,2’−アゾ
ビス(N,N’ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩
0.5g/モル(対モノマー)を溶解し36重量%のモ
ノマー水溶液を調製した。
【0050】次にこのモノマー水溶液に、圧縮弾性比が
2、厚みが0.5mm、坪量が25g/m2のポリエス
テル不織布基材を浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余
分なモノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含浸
物を圧縮せずに加熱しラジカル重合を行った。得られた
比較吸液性複合体(1)は、60g/m2の吸液性ポリマー
が基材に直接固着し、厚みは0.5mmであった。尚、
比較吸液性複合体(1)の湿潤保形率は5%で、吸液量は
5000g/m2であった。 (膨張形態の保持性)得られた比較吸液性複合体(1)に
水を加えたところ、吸液膨潤により体積膨張がゆっくり
起こり、30分間後にようやく厚みが2mmから5mm
まで大きくなった。次に、この体積膨張した比較吸液性
複合体(1)を120℃に設定された乾燥機に入れ1時間
放置した。乾燥後の厚みを測定したところ、体積の収縮
が起こり厚みは0.5mmまで小さくなっていた。比較
吸液性複合体(1)は、吸液時の膨張形態を保持すること
ができなかった。 実施例2 95モル%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中
和アクリル酸ナトリウム70モル%及びアクリルアミド
30モル%水溶液に、N,N’−メチレンビスアクリル
アミド0.1モル%(対モノマー)および過硫酸ナトリ
ウム1.0g/モル(対モノマー)及び2,2’−アゾ
ビス(N,N’ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩
0.5g/モル(対モノマー)を溶解し36重量%のモ
ノマー水溶液を調製した。
【0051】次にこのモノマー水溶液に、圧縮弾性比が
15、厚みが5mm、坪量が120g/m2のポリウレ
タンスポンジ基材を浸漬し、該水溶液を含浸させた後、
余分なモノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含
浸物を2枚の不活性なベルトで挟み圧縮しながら加熱に
よるラジカル重合を基材上で行った。得られた吸液性複
合体(2)は、240g/m2の吸液性ポリマーが基材に直
接固着し、圧縮により厚みが2.4mmまで薄くされて
いたので取り扱いが易いものであった。尚、吸液性複合
体(2)の湿潤保形率はほぼ100%で、吸液量は400
0g/m2であった。 (膨張形態の保持性)得られた吸液性複合体(2)に水を
加えたところ、吸液膨潤により体積膨張が起こり、1分
間の短時間で厚みが2.4mmから5mmまで大きくな
った。次に、この体積膨張した吸液性複合体(2)を12
0℃に設定された乾燥機に入れ1時間放置した。乾燥後
の厚みを測定したところ、厚みは4.7mmであった。
吸液性複合体(2)は、吸液時の膨張形態を乾燥後も保持
していた。
【0052】
【発明の効果】本発明の吸液性複合体は、圧縮されてい
て、最初の吸液が起きるまでは圧縮状態を維持しており
厚みが薄いので、保管、輸送が容易で、施工時の取り扱
い作業が簡便となる。また、圧縮により得られる吸液性
複合体の密度は大きくなり、風合いに「こし」が出てく
るので、貼り付け、切断等の施工作業がさらに容易とな
る。
【0053】また、本発明の吸液性複合体は、一度吸液
膨潤した後は乾燥してもその膨張形態を保持するので、
物体間の隙間に介在させた場合、長期に渡りその隙間を
吸液させなくても閉塞させることができる。従って、極
めて高い閉塞性を発現する。さらに、スポンジなどの高
い圧縮復元弾性を有する基材を用いた場合、その基材の
復元弾性力と、吸液性ポリマーの吸液膨潤性により、迅
速な吸液性と共に極めて高い体積膨張性を示す。
【0054】従って、本発明の吸液性複合体は、歩道な
どのブロック間の目止め材やタイル間の目止め材、ケー
ブルの走水防止材、岩盤や堤防等の割れ目からの水漏れ
を防止する材料、天井や壁の防水材、廃棄物処理場など
の遮水材、工事現場での止水材、建築土木資材接合部の
目止め材、建築分野や土木分野の各種の止水材、紙おむ
つや生理綿等の吸収材、植物の保水ポット等の育苗用保
水材、農園芸用保水材などに好適に用いられる。また、
結露防止材、ガソリンや灯油タンク等の油中水分除去
材、建材や衣料や家電分野の除湿材、水を吸液させて加
湿材や冷却材、塵埃除去材、耐火材、消火材としても好
適に用いられる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも吸液性ポリマーとこの吸液性
    ポリマーを支持する基材とを備えた圧縮された吸液性複
    合体であって、一度吸液膨潤した後は乾燥してもその膨
    張形態を保持することを特徴とする吸液性複合体。
  2. 【請求項2】 少なくとも吸液性ポリマーとこの吸液性
    ポリマーを支持する基材とを備えた吸液性複合体であっ
    て、次のA〜Cの条件を満たすことを特徴とする吸液性
    複合体。 A.圧縮されており、最初の吸液が起きるまでは圧縮状
    態を維持すること B.最初の吸液が起きたときには前記圧縮状態が解か
    れ、吸液膨潤すること C.吸液により膨潤した後に乾燥したときは膨張形態を
    保持すること
  3. 【請求項3】 条件Cとして、最大膨張時の厚みに対し
    て、60%以上の厚みを保持する請求項1または2に記
    載の吸液性複合体。
  4. 【請求項4】 基材の圧縮弾性比が3以上である請求項
    1から3のいずれかに記載の吸液性複合体。
  5. 【請求項5】 基材がスポンジ基材である請求項1から
    4のいずれかに記載の吸液性複合体。
  6. 【請求項6】 水溶性不飽和モノマーを基材上で重合し
    て得られた請求項1から5のいずれかに記載の吸液性複
    合体。
  7. 【請求項7】 湿潤保形率が10%以上である、請求項
    1から6のいずれかに記載の吸液性複合体。
  8. 【請求項8】 基材上で、水溶性不飽和モノマーを重合
    する時または水溶性ポリマーを架橋する時に圧縮して得
    られたことを特徴とする吸液性複合体。
JP32894297A 1996-11-29 1997-11-28 吸液性複合体 Pending JPH10211429A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32894297A JPH10211429A (ja) 1996-11-29 1997-11-28 吸液性複合体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31918396 1996-11-29
JP8-319183 1996-11-29
JP32894297A JPH10211429A (ja) 1996-11-29 1997-11-28 吸液性複合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10211429A true JPH10211429A (ja) 1998-08-11

Family

ID=26569635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32894297A Pending JPH10211429A (ja) 1996-11-29 1997-11-28 吸液性複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10211429A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170048498A (ko) * 2014-09-04 2017-05-08 칼 프로이덴베르크 카게 케이블 내로 물의 침투 및 확산을 방지하기 위한 텍스타일 패브릭

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170048498A (ko) * 2014-09-04 2017-05-08 칼 프로이덴베르크 카게 케이블 내로 물의 침투 및 확산을 방지하기 위한 텍스타일 패브릭
US10689798B2 (en) 2014-09-04 2020-06-23 Carl Freudenberg Kg Textile fabric for preventing the penetration and the spreading of water in cables

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6849665B2 (en) Absorbent compositions
KR100633350B1 (ko) 초흡수성 중합체를 포함하는 복합체, 그 제조방법 및 이 복합체를 포함하는 흡수성 제품
PL209646B1 (pl) Środek absorbujący wodę i sposób jego wytwarzania
US20040265387A1 (en) Super-absorbing hydrogel with specific particle size distribution
JP2008528752A (ja) ポリアミン・コーティングされた高吸水性ポリマー
US10161080B2 (en) Ventilation insert
US5213893A (en) Waterproofing agent for cable
US5204175A (en) Water absorptive fabric, and process of producing the same
CN111225945B (zh) 制备超吸收性聚合物片材的方法
JPH10211429A (ja) 吸液性複合体
JPH10258229A (ja) 吸液性複合体
JP2606988B2 (ja) 吸水剤組成物および該吸水剤組成物を含んでなる止水材
JPS6397677A (ja) 多孔性感圧接着剤フィルム物品およびその製造方法
JP2003165865A (ja) 吸水性ポリウレタン発泡体の製造方法とその方法により製造された吸水性ポリウレタン発泡体とクッション材およびシール材
JP2613934B2 (ja) 吸水性複合体の製造方法
JP2807126B2 (ja) 接着性吸水性樹脂粒子
EP0316457B1 (en) Method for the production of a water blocking agent and band
JPH08283697A (ja) 光ケーブル用止水剤および複合止水材
JPH04140139A (ja) 吸水性シートおよびその製造方法
JP3919882B2 (ja) 覆工板用水漏れ防止材
JP2592631B2 (ja) レイタンス発生防止材および防止方法
KR960009061B1 (ko) 흡수제 조성물
JPH07292142A (ja) 吸水性複合体の製造方法
JP3436791B2 (ja) 吸水性複合体の製造方法
JPH02195652A (ja) 乾電池の電解液ゲル化剤及びゲル状電解液