JP3919882B2 - 覆工板用水漏れ防止材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、覆工板用水漏れ防止材に関する。さらに詳しくは、地下鉄工事等の際に道路を開削し、仮設道路として敷設される覆工板の間の隙間から雨水等の水が漏れ落ちることを防ぐことのできる覆工板用水漏れ防止材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地下鉄工事や地下街建設工事、下水道工事などの開削工事では、地表面に図1および図2に示すように複数の覆工板1を敷設して、仮設路面や仮設床を形成させることが行われている。図1は覆工板を並べた状態を上から見た図であり、図2はそのA−A’断面図である。しかしながら、雨天時には覆工板1間の隙間2から雨水が漏れ落ち下方の工事現場に落下し、しばしば工事の中断など支障をきたす場合があった。特に隙間2の下に受け桁3のない隙間2aでは、受け桁3のある隙間2bと比べてこの問題は深刻である。
【0003】
これを防止するために、敷設した覆工板表面全体を防水シートで覆う方法が考えられたが、車両や人の交通に支障をきたしたり、その交通によりシート自体が損傷するという問題があった。また、特開平7−139187号公報では、覆工板の隙間にポリウレタン系接着剤を主剤とする目地材を塗布し硬化させる方法が提案されている。しかしながら、覆工板の隙間は車両の交通により一定ではなく経時的に隙間の間隔が大きく変動し、又、車両の通過により覆工板相互の上下動が異なるため、上記接着剤による方法においても水漏れ防止は不十分であった。また、覆工板間の隙間に目地材を塗布する作業は時間がかかるものであり煩雑であった。さらに、覆工板から目地材を剥がすことが容易ではなく再使用時の作業(洗浄)も煩雑となる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、車両や人の交通に支障をきたすことなく覆工板間の隙間から雨水等の水が漏れ落ちるのを防ぐことができ、かつ経時的な隙間の間隔の変動にも対応可能で、さらに作業性の優れた、覆工板用水漏れ防止材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかる覆工板用水漏れ防止材は、重合により吸水性ポリマーに転換し得るモノマーを圧縮弾性比が5以上であるスポンジ基材上で重合しながら圧縮する方法で得られた吸水性複合体を備え、この吸水性複合体の片面に、吸水性ポリマーおよび粘着剤と反応させた架橋成分を含む粘着剤層が設けられている、ことを特徴とする。
本発明にかかる覆工板用水漏れ防止材は、上記において、圧縮度合いが、常態における基材の厚みの1/2から1/10の厚みになるような度合いであることが好ましく、モノマーが少なくとも耐塩基性もしくはノニオン性のモノマーを含むモノマーであることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水漏れ防止材は、少なくとも吸水性ポリマーを含む吸水性複合体を備えていればよく、吸水性複合体としては下記の種類のものが挙げられる。
イ)透水性の不織布やスポンジ等の基材に、吸水性ポリマーを被覆して得られた吸水性複合体。
ロ)不織布やスポンジ等の基材に水で軟化した吸水性ポリマーを直接プレスし、必要により乾燥して得られた吸水性複合体。
ハ)接合剤を用いて不織布やスポンジ等の基材に吸水性ポリマーを付着させて得られた吸水性複合体。
ニ)吸水性ポリマーに転換しうるポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性ポリマーを基材に施した後に架橋せしめて得られた吸水性複合体。
ホ)重合により吸水性ポリマーに転換しうる、アクリル酸金属塩モノマー等の水溶性不飽和モノマーを基材に施した後、その基材上で重合せしめて得られた吸水性複合体。
等が挙げられる。
【0007】
中でも、吸水膨潤性、耐久性、製造の容易さ、経済性の観点から、重合により吸水性ポリマーに転換し得るモノマーを基材に付着せしめた後、該モノマーを基材上で重合して得られた吸水性複合体が好ましい。
本発明において、吸水性複合体はそのまま用いてもよいが、圧縮されていることが好ましい。圧縮されていることにより、吸水性複合体の厚みが薄くなるので、保管、輸送が容易で、施工時の取り扱い作業が簡便となる。また、圧縮により得られる吸水性複合体の密度は大きくなり、風合いに「こし」が出てくるので、貼り付け、切断などの施工作業がさらに容易となる。
【0008】
吸水性複合体を圧縮する方法としては、
(1) 得られた吸水性複合体を圧縮する方法。必要であれば、得られた吸水性複合体を基材に固着している吸水性ポリマーを水で軟化したり、水溶性の接合剤を用いたり、加熱しながら圧縮してもよい。また、圧縮方法は公知の方法を採用できるが、巻き取り機で強いテンションで巻き付けて圧縮する方法が生産性、作業性の観点から好ましい。
(2) 基材を重合前に予め圧縮して薄くし、その圧縮基材を用いて吸水性複合体を製造する方法。
(3) 重合により吸水性ポリマーに転換し得る水溶性不飽和モノマーを基材上で重合するときに、そのモノマーが付着した基材を圧縮する方法。(重合と圧縮を同時に行う)
(4) 水溶性ポリマー等を基材に付着させ基材上で架橋するときに、その水溶性ポリマー等が付着した基材を圧縮する方法。(架橋と圧縮を同時に行う)
等が挙げられる。
【0009】
中でもモノマーを基材上で重合しながら圧縮する方法は、生成する吸水性ポリマー自体が接合剤となるため他の接合剤を使用しなくても圧縮した形状を保持することができる。従って、重合と圧縮行程を一工程で行うことができ、吸水膨潤を阻害する他の接合剤を使用しないため優れた吸水膨潤性を発現する。このことから、モノマーを基材上で重合しながら圧縮する方法が最も好ましい。この圧縮された吸水性複合体は、水と接触するときには吸水性ポリマーの吸水膨潤により圧縮形態は解放され体積膨張する。
【0010】
また、水溶性ポリマー等を基材上で架橋しながら圧縮する方法は、架橋により生成する吸水性ポリマー自体が接合剤となり圧縮形状を保持する。従って架橋による吸水性ポリマーの生成工程と圧縮工程とを一つの工程で行うことができる。また、他の接合剤を使用しないため優れた吸水膨潤性を発現する。このことから水溶性ポリマー等を架橋しながら圧縮する方法も好ましい。
【0011】
圧縮する度合いは、取り扱いが簡便となる厚みになるまで圧縮すればよく、一般に、常態での基材厚みの2/3から1/100の範囲の厚みになるようにする。特に1/2から1/10の範囲が好ましい。圧縮度の値が2/3より大きくなり厚みが厚くなると取り扱いが煩雑となる場合があり、1/100より小さくなると吸水膨潤による膨張性の低下や硬くなって取り扱いにくくなる場合がある。
【0012】
本発明における吸水性複合体が圧縮され薄くなっている場合、水分との接触により圧縮状態が解かれ常態での元の基材厚みと同じかそれ以上の厚みにまで吸水膨潤する。膨潤の度合いは、圧縮時の厚みに対して1.5倍以上が好ましく、より好ましくは2倍以上である。1.5倍未満であると覆工板間の隙間を閉塞する場合の閉塞性が低下する。
【0013】
本発明に用いられる、基材としては、例えば、親水性または疎水性の織布、不織布、紙、編地、スポンジ等の多孔質材を挙げることができる。基材がその中に空隙を有していることで、吸水性ポリマーの膨潤許容空間を確保でき、また水が吸水性ポリマーと有効に接触できるので好ましい。また、形状は、シート状またはテープ状のものが取り扱い性の観点から好ましい。
【0014】
基材として使用される素材としては、基材が繊維基材の場合、親水性のものとしては木材パルプ、綿、羊毛、レーヨン、アセテート、ビニロン等の繊維が挙げられ、疎水性のものとしてはポリエステル、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、グラスウール、ロックウール等の繊維、金属繊維(メタルウール)、形状記憶合金繊維を挙げることができる。
【0015】
また、基材がスポンジ状の場合には、ポリウレタン系スポンジ、セルロース系スポンジ、ビスコース系スポンジ、ポリビニルアルコール系スポンジ、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ゴム系スポンジ、ポリビニルアセタール系スポンジ、ポリアセタール系スポンジ、フェノール樹脂スポンジ、金属スポンジ等を挙げることができる。
【0016】
また、上記基材の2種以上の複合体も用いることができる。さらにまた、着色または難燃化された上記基材も用いることができる。
中でも、得られる吸水性複合体の吸水膨潤性(膨張性)及び膨張形態の保持、覆工板間の隙間の閉塞性、止水性、水漏れ防止性などの観点から、高い圧縮復元弾性を有するスポンジ基材が好ましく、中でもセルロース系スポンジまたはポリウレタン系スポンジ基材を用いることが好ましい。
【0017】
スポンジ基材は、連続気泡の空隙を有しており、水と接触する表面積が広いので、得られる吸水性複合体の吸水速度は速くなる。また、気泡空間と吸水性ポリマーの吸水膨潤性との複合により、極めて高い水の保持性を発現する。
従って、スポンジ基材を用いると極めて高い吸水膨潤性を示すのである。
また、高い圧縮復元弾性を有する基材を用いることにより、本発明における吸水性複合体は、液体を加えると高い吸水膨潤性と基材の復元弾性力とにより、吸水膨潤による極めて迅速な体積膨張を発現する。そして、一度膨潤した後は、その基材の高い圧縮復元弾性により乾燥しても収縮はほとんど起こらず、その後、膨張形態を保持するものとなる。
【0018】
このように、「膨張形態を保持する」とは、吸水膨潤により体積膨張した後において、乾燥しても基材の圧縮復元弾性により収縮が起こらず膨張した形態が保持される状態をいい、最大膨張時の厚みに対して、60%以上の厚みを保持する状態をいう。中でも80%以上の厚みを保持する状態が、覆工板間の閉塞性の観点から好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0019】
尚、本発明で用いられる吸水性複合体の吸水時の最大膨張厚みは、常態での元の基材厚みと同じかそれ以上となる。ここで、基材の常態での厚みとは、吸水性複合体形成前の基材を十分に水に接触させ無加重下で風乾したものの厚みをいう。
本発明で用いられる基材としては、上記したように高い圧縮復元弾性を有するものが好ましいが、下記に示した圧縮弾性比が3以上、好ましくは5以上のものが好適に使用される。圧縮弾性比が3未満だと得られる吸水性複合体は膨張形態を充分に保持することができない場合がある。
【0020】
ここで、圧縮弾性比は下記の式にて求めた。
圧縮弾性比=(T2−T1)/T1
T1:基材を15枚重ね10kgf/20cm2の荷重を1分間かけたときの厚さ
T2:T1測定後に荷重を除去し1分間放置後に、30gf/20cm2の荷重を1分間かけたときの厚さ
本発明において圧縮した吸水性複合体を、覆工板間の隙間に介在させた場合、水との接触により隙間にフィットした形で隙間を閉塞させるとともに、乾燥状態になっても吸水性複合体の膨張形態は保持され、隙間は長期に渡り閉塞された状態を維持することができるのである。従って、圧縮された吸水性複合体を用いると極めて高い止水性、水漏れ防止性を発現する。
【0021】
本発明に用いられる基材の常態での厚みは特に制限はないが、一般に0.2mmから100mmの範囲で、特に2mmから10mmであることが好ましい。0.2mm未満であると、得られる吸水性複合体は吸水膨潤による膨張性や材料強度が低下する場合があり、100mmを越えると取り扱いが煩雑となる。
上記基材に固着させる吸水性ポリマーとしては、例えば、アクリル酸またはアクリル酸塩あるいはスルホン酸基含有アクリル酸エステルを主成分とし、場合により架橋剤を添加してなる水溶性のエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られる、自重の10〜1000倍の水を吸収し膨潤する吸水性ポリマーを挙げることができ、好ましく用いられる。
【0022】
上記の吸水性ポリマー以外の例としては、例えば、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(およびその塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)の反応物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合物等の吸水性ポリマーも例示できる。
【0023】
本発明において、上記吸水性ポリマーと基材の重量比としては、基材100重量部に対し、吸水性ポリマー10〜1000重量部の範囲であることが好ましい。吸水性ポリマーの量が10重量部よりも少ない場合には、吸水膨潤性が低く、一方1000重量部よりも多い場合には、吸水性複合体の基材からポリマーが脱離したり、柔軟性が低下し、作業性の点から好ましくない。
【0024】
重合により吸水性ポリマーに転換し得るモノマーを基材に付着せしめた後、該モノマーを基材上で重合する方法により得られた本発明の吸水性複合体は、上記したように吸水膨潤性、耐久性、製造の容易さ、経済性の観点から好ましく、下記の作用を有する。
(1) 吸水膨潤性を阻害する、接着剤や粘着剤、ゴムなどのバインダーを使用していないので、高い吸水膨潤性を示す。
(2) 吸水性ポリマーが基材自体と直接強固に固着するのでポリマーの脱落が極めて少なく周辺を汚染しない。
(3) シート状であるので取り扱い易く、更なる加工や施工作業が簡便で、使用後の廃棄、除去が容易である。
(4) 基材にモノマーを直接含浸などにより付着させるので、基材全体(表面及び内部)に均一にポリマーを形成させることができる。従って、吸水膨潤性にムラがなく高い吸水膨潤性を示す。
【0025】
基材に付着させるモノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、および、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩;N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級化物、(メタ)アクリルアミド、N,N’ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0026】
吸水性複合体の吸水膨潤性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、および、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、長期間に渡り高い吸水膨潤性を保持させるためには、重合により耐塩性またはノニオン性の吸水性ポリマーが得られるモノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、および、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩とを共重合させることが特に好ましい。
【0027】
耐塩性またはノニオン性のモノマーとしては、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸や、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマー、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートやメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどに代表されるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等に代表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N−ビニルピロリドンやN−ビニルサクシイミドに代表されるN−ビニルモノマー;N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド等のN−ビニルアミドモノマー:ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
【0028】
中でもアクリルアミド、メタアクリルアミド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種または2種以上が好ましく用いられる。
基材に付着させるモノマーは100%成分でも水溶液の状態でも用いられるが、水溶液とした方が取扱い易い。水溶液として取り扱う場合のモノマー濃度は、2重量%以上90重量%未満の範囲が好ましく、より好ましくは20重量%以上50重量%未満である。2重量%未満であると重合性が低下し、90重量%以上であると得られる吸水性複合体の吸水膨潤性が低下する。
【0029】
尚、必要に応じ上記モノマー水溶液には、架橋剤や重合開始剤、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤及び水溶性ポリマー、吸水性ポリマー粉末、吸湿・湿潤剤等の添加剤を添加しても良い。又、モノマー水溶液は、水溶性有機溶媒が少量溶存したものであってもよい。
特に、吸水性ポリマー粉末を添加した場合、得られる吸水性複合体の吸水膨潤性が向上するので好ましい。吸水膨潤性やモノマーとの混合性の観点から、吸水性ポリマー粉末の粒径150μ以下さらに好ましくは75μ以下のものが好適に使用される。
【0030】
架橋剤としては、共重合可能な多官能性の水溶性エチレン性不飽和モノマーやモノマーの官能基と反応することのできるものを用いることができる。上記モノマー中に加えておいたり、予め基材に施し付着させておいたり、重合後に添加することができる。
架橋剤の具体的な例としては、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミドおよびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価アミン、アルキレンカーボネート等が挙げられる。
【0031】
架橋剤の使用により、得られる吸水性複合体の耐久性や保形性、吸水膨潤性を向上させることができる。架橋剤の使用量は、上記モノマーの種類や重合条件により適宜選択することができるが、一般に0.001〜10モル%(対モノマー)の範囲であり、好ましくは0.01〜5モル%(対モノマー)の範囲である。
使用量が0.001モル%未満であると吸水性ポリマーが基材から脱離する場合があり、10モル%以上であると吸水膨潤性及び重合性が低下してしまうので好ましくない。
【0032】
重合を促進するためには、重合開始剤の使用が好ましい。本発明に用いられる重合開始剤は、水溶性または水と混合・分散可能な酸化性またはアゾ系のラジカル性重合開始剤で、それらの1種または2種以上の開始剤を用いても良い。また、還元性物質を加えて、レドックス開始剤としてもよい。さらにまた、アゾ系開始剤と酸化性開始剤と還元性物質とを複合して、三元系の開始剤としても良く、これは特に重合性、吸水膨潤性の観点から好ましい。
【0033】
モノマー中にアゾ系開始剤と酸化性開始剤を加えて基材に付着した後に還元性物質を添加する方法がモノマーの安定性が良好で取扱いが容易である。また、スクリューノズルを用いて、基材に付着させる直前に、モノマーと上記三成分を混合して基材に吹き付けても良い。
酸化性重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素等の無機過酸化物;ジ第3ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド等の有機過酸化物等が挙げられる。
【0034】
アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物を挙げることができる。
還元性物質としては、亜硫酸塩、L−アスコルビン酸、アミン等を挙げることができる。還元性物質は、酸化性重合開始剤と酸化還元系を形成しその分解を促進する。これは、レドックス開始剤として知られている。
【0035】
重合開始剤の添加量は、一般的に、モノマーに対して0.001g/モル以上10g/モル未満であるが、重合性、経済性及び変色等の観点から0.1g/モル以上5g/モル未満の範囲が好ましい。添加量が0.001g/モル未満であると重合性が低下し多量の未反応のモノマーが残存する場合があり、10g/モル以上であると得られる吸水性ポリマーシートの吸水膨潤性が低下し、経済性にも問題が生じる。
【0036】
上記モノマーを基材に付着させる方法としては、モノマーが基材上に均一または所望する通りに分散保持され、重合しうる限り、何れの公知の手段も用いることができる。具体的には、モノマー水溶液を基材に含浸、噴霧、塗布または印刷することである。又、必要に応じて噴霧、含浸、塗布または印刷後にローラー等で搾り取り、モノマー付着量をコントロールすることができる。モノマー水溶液は基材全面に付着したり、あるいは一方の面にのみ付着したりすることができる。基材の厚さ方向に対し濃度勾配を与えることもできる。また、点状・ストライプ状・格子状・その他の模様状にモノマー水溶液を付着させることもできる。
【0037】
基材に付着させたモノマーは、公知の手段により重合し基材に吸水性ポリマーを直接固着できる。モノマーを重合する方法としては、例えば、熱、光、γ線、電子線、紫外線、マイクロ波等を用いる方法を採用できる。
中でも、圧縮加工性、生産性、重合性の観点から、モノマーが付着した基材を不活性なベルトでプレスしながら挟んで加熱重合する方法が好ましい。
【0038】
本発明における吸水性複合体の厚みは、取り扱い性を向上させるために、できるだけ薄い方が好ましい。
本発明で用いられる吸水性複合体の厚みは、0.1mm以上10mm未満の範囲で、0.2mmから5mmの範囲が好ましい。0.1mm未満であると吸水膨潤性が低下し、10mm以上であると取り扱い性が低下し、加工や施工時の作業、保管や輸送が煩雑となるので好ましくない。
【0039】
このようにして得られる吸水性複合体は、単独で覆工板用水漏れ防止材として使用できるが、複合体の少なくとも一部分に粘着剤または接着剤を付与したり、シートの吸水膨潤性を阻害しない範囲で不織布やフィルムと複合化してもよい。
覆工板間の隙間に本発明の覆工板用水漏れ防止材を介在させる方法としては、(1) 敷設された覆工板間の隙間に本発明の覆工板用水漏れ防止材を押し込み充填する方法。(2) 本発明の覆工板用水漏れ防止材を被覆した細長い木製等の板や棒を覆工板間の隙間に入れる方法。(3) 粘着剤や接着剤を付与した本発明の覆工板用水漏れ防止材を、敷設前の覆工板側面に貼り付けておく方法。(4) 敷設後に粘着剤や接着剤を付与した本発明の覆工板用水漏れ防止材で該隙間を覆い貼り付ける方法。などが挙げられる。特に、(3) の方法のように吸水性複合体に粘着剤層を設けた覆工板用水漏れ防止材を、敷設する前に覆工板に施工、設置しておくことが作業性の観点で好ましい。
【0040】
本発明の覆工板用水漏れ防止材の好ましい形態として、吸水性ポリマーが固着した吸水性複合体の片面に、吸水性ポリマー及び粘着剤と反応し得る架橋成分を含む粘着剤層を設けた覆工板用水漏れ防止材が挙げられる。
本発明に使用される粘着剤としては例えばアクリル系粘着剤を挙げることができる。粘着剤は水溶性エマルション型、溶剤型何れであっても良いが、耐久性の面で溶剤型が好ましい。
【0041】
本発明に用いることのできるアクリル系溶剤型粘着剤は、粘着力、耐久性の観点から例えば、アルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの一種又は二種以上(これが主成分である);吸水性ポリマー及び粘着剤と反応し得る架橋成分と反応し得る官能基を有するエチレン性不飽和モノマー;および、必要に応じて、他のエチレン性不飽和モノマーからなるモノマー混合物を共重合させてなるガラス転移点が−20℃以下、分子量が100,000から1,000,000の共重合体と、共重合体を溶解又は分散させ得る有機溶剤とからなる溶液又は分散体であることが好ましい。
【0042】
アルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等これらの一種または二種以上を用いることができる。
【0043】
また、吸水性ポリマー及び粘着剤と反応し得る架橋成分と反応し得る官能基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、特にカルボキシル基及び水酸基を有するモノマーが好ましい。この様な官能基を有するモノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、イタコン酸のモノアルキルエステル、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル、フマル酸、等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の水酸基含有エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレートから選ばれる一種または二種以上である。
【0044】
また、他のエチレン性不飽和モノマーとしては、例えばエチレン、ブタジエン等の脂肪族不飽和炭化水素類;塩化ビニル等の脂肪族不飽和炭化水素類のハロゲン置換体;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族不飽和炭化水素類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルエーテル類;アリルアルコールと各種有機酸とのエステル類や各種アルコールとのエステル類;アクリロニトリル等の不飽和シアン化化合物;アクリルアミド等の不飽和アミド化合物;(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸やクロトン酸等の不飽和一塩基カルボン酸の各種エステル類、マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基カルボン酸の各種ジエステル類等を挙げることができ、これらの中から選ばれる一種または二種以上を使用することができる。
【0045】
上記アルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、吸水性ポリマー及び粘着剤と反応し得る架橋成分と反応し得る官能基を有するエチレン性不飽和モノマー、他のエチレン性不飽和モノマーの使用割合は、特に制限はないが、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル100重量部に対して、架橋成分と反応し得る官能基を有するモノマー0. 01〜20重量部、他のモノマー0〜30重量部とされる。これらの範囲を外れると粘着剤として粘着力などの十分な性能を発揮することが困難となる場合がある。
【0046】
上記粘着剤に用いられる有機溶剤としては、上記の共重合体を溶解または分散できるものであれば従来公知のもの何れもが使用することができ、重合反応に用いたものをそのまま用いても良い。製造の容易さやアクリル系溶剤型粘着剤の保存安定性等の観点から共重合体を溶解する溶剤を用いて溶液とすることが好ましい。かかる溶液を得るための有機溶剤としてはトルエン、酢酸エチル等が挙げられる。共重合体と有機溶剤との割合は、たとえば、共重合体100重量部に対して有機溶剤50〜300重量部とされるが、これに限定されるものではない。
【0047】
本発明に用いるアクリル系溶剤型粘着剤は、従来公知の方法に従って、上述のアルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、架橋成分と反応し得るモノマー、他のモノマーを有機溶剤の存在下に溶液重合を行うことが好ましいが、他の例えば乳化重合、懸濁重合、塊状重合などによって得た共重合体を単離した後、有機溶剤に溶解させることもできる。
【0048】
吸水性ポリマー及び粘着剤と反応し得る架橋成分としては、イソシアネート基を2個以上有する化合物、エポキシ基を2個以上有する化合物、メラミン系化合物、グアナミン系化合物、オキサゾリン系化合物、多価金属等が挙げられる。イソシアネート基を2個以上有する化合物としてはトリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;スミジュールN(スミジュールは登録商標)(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合物;デスモジュールIL,HL(デスモジュールは登録商標)(バイエルアー.ゲー.(A.G.)製)、コロネートEH(コロネートは登録商標)(日本ポリウレタン工業 製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物;スミジュールL(スミジュールは登録商標)(住友バイエルウレタン社製)、コロネートL(コロネートは登録商標)(日本ポリウレタン工業(株)製)、コロネートHL(コロネートは登録商標)(日本ポリウレタン工業 製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。エポキシ基を2個以上有する化合物としてはトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアミン等のポリグリシジル化合物や、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂等が挙げられる。メラミン系化合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の予備縮合物やそのアルキルエーテル化物;グアナミン系化合物の具体例としては、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、ノルボルナンカルボグアナミン等の予備縮合物やそのアルキルエーテル化物等;オキサゾリン系化合物としてはイソプロペニルオキサゾリン重合体及び共重合体等;多価金属化合物としては、アルミニウムトリスアセチルアセトネートや酸化亜鉛等が挙げられる。これら架橋成分は単独または2種以上を併用して用いることができる。
【0049】
吸水性ポリマー及び粘着剤と反応し得る架橋成分の使用量は架橋成分の種類、粘着剤の組成、吸水性ポリマーの種類などにより任意に設定することができるが一般に共重合体100重量部に対し0.01〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。架橋成分の量が0.01重量部より少ないと粘着剤層がクリープし吸水性複合体の吸水膨潤特性を劣化させたり、あるいは粘着剤層の凝集破壊を防ぐことができなくなることがある。また10重量部より多いと粘着剤層と被接着体との接着性が低下することがある。
【0050】
本発明において、粘着剤層に必要に応じて粘着付与剤(ロジンエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、キシレンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、低分子量スチレン系樹脂、テルペン樹脂等)、増粘剤(ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等)、pH調整剤(アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸、硼酸、燐酸等)、着色剤(顔料、染料等)、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、充填剤、粘性調節剤等を適量含有させることもできる。
【0051】
吸水性ポリマーが基材に固着した吸水性複合体に粘着剤層を設ける方法としては、架橋成分を配合した粘着剤を吸水性複合体の片面に直接塗工し溶剤を除去する方法、架橋成分を配合した粘着剤を離型紙に塗工し溶剤を除去した後、吸水性複合体の片面に転着する方法、離型紙の上に粘着剤を含浸した両面テープをラミネートし、更に吸水性ポリマーが重合により固着した吸水性複合体をラミネートする方法等が挙げられる。この場合、該粘着剤層は吸水性ポリマーの固着した吸水性複合体の全面に設けたものであってもよく、また必要に応じて縞状・水玉状・格子状等種々のパターンで不連続に設けても良い。また、粘着剤層を設ける際には例えば、粘着剤層が吸水性ポリマーの固着した吸水性複合体内部に過度に浸透しないようにし、吸水性ポリマーの吸水特性を阻害しないようにすることが好ましい。
【0052】
粘着剤層の厚みは、たとえば、1〜200μm、好ましくは10〜100μmである。1μmよりも薄いと粘着性、接着性に劣るものとなる。また200μmよりも厚いと吸水性シートの吸水膨潤特性に劣るものとなることがある。
この発明において、粘着剤層に吸水性ポリマーおよび粘着剤と反応しうる架橋成分が含まれていること(架橋効果)により、覆工板用水漏れ防止材が吸水膨潤した際にも、粘着剤層と吸水性複合体(吸水ポリマー)との間で剥離が起こらないという効果が発現される。
【0053】
本発明において、必要に応じベンズイミダゾール系化合物等の防カビ剤を基材・吸水性ポリマー・粘着剤層の何れの部分にも添加することができ防カビ性を付与することができる。
本発明の覆工板用水漏れ防止材を覆工板から除去する場合には、取り付けた水漏れ防止材はシート状等の形態であるため、その端部から連続的に剥がすことができ極めて容易に除去できるものである。
【0054】
本発明の覆工板用水漏れ防止材4を覆工板1間に施工した状態を図3(a)に示す。水漏れ防止材が前述のような圧縮されているものである場合、図3(b)に示すように施工のときは覆工板1間の隙間2よりも厚みが薄いので施工が容易である。もちろん、水と接触したときには圧縮状態が解かれて吸水膨潤するので図3(a)のような閉塞が可能である。
【0055】
また、覆工板の吊り下げ用穴にも本発明の覆工板用水漏れ防止材を充填したり、覆ったり、穴を塞ぐ栓体の表面に貼り付けたりして吊り下げ用穴からの水漏れも防止することができる。
また、図4(a)(b)に示したような、上面の端辺にひさし状のもの1a、すべり止め5を設けた構造の覆工板1に、図4(c)のように本発明の覆工板用水漏れ防止材をひさし1aの裏面から覆工板側面にかけて貼り付けると、使用時の覆工板用水漏れ防止材の脱落する可能性は更に少なくなる。またさらに、雨水が覆工板側面の間隙に直接流入しないため水漏れ防止性を更に向上させることができる。
【0056】
【実施例】
以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、吸水量は下記の方法で測定した。
(吸水量)
5*5cmに切り取った吸水性複合体の乾燥試料をイオン交換水100mlが入った120mlビーカー内に入れ1時間浸漬した。その後、濾紙上で20秒間吸引し余分な水を取り除き試料重量を測定した。下記の式に従い吸水量を算出した。
【0057】
吸水量(g/m2)=(吸水後の重量−初期乾燥重量)/試料サイズ
(吸水性複合体(1) の製造例)
95モル%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中和アクリル酸70モル%及びアクリルアミド30モル%水溶液に、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.1モル%(対モノマー)および過硫酸ナトリウム1.0g/モル(対モノマー)及び2,2’−アゾビス( N,N’ジメチレンイソブチルアミジン) 2塩酸塩0.5g/モル(対モノマー)を溶解し36重量%のモノマー水溶液を調製した。
【0058】
次にこのモノマー水溶液に、圧縮弾性比が10、厚みが5mm、坪量が70g/m2のポリウレタンスポンジ基材を浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余分なモノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含浸物を2枚の不活性なベルトで挟み圧縮しながら加熱によるラジカル重合を基材上で行った。
得られた吸水性複合体(1) は、130g/m2の吸水性ポリマーが基材に直接固着し、厚みは2mmであった。
【0059】
この吸水性複合体(1) に水を加えたところ、吸水膨潤により体積膨張が起こり、1分間で厚みが2mmから5mmまで大きくなった。次に、この体積膨張した吸水性複合体(1) を120℃に設定された乾燥機に入れ1時間放置した。乾燥後の厚みを測定したところ、厚みは4.7mmであった。吸水性複合体(1) は、吸水時の膨張形態を乾燥後もほとんど保持していた。
【0060】
尚、吸水性複合体(1) の吸水量は3000g/m2であった。
(吸水性複合体(2) の製造例)
75モル%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中和アクリル酸70モル%及びアクリルアミド30モル%水溶液に、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.5モル%(対モノマー)および過硫酸ナトリウム1.0g/モル(対モノマー)及び2,2’−アゾビス( N,N’ジメチレンイソブチルアミジン) 2塩酸塩0.5g/モル(対モノマー)を溶解し36重量%のモノマー水溶液を調製した。
次にこのモノマー水溶液に、圧縮弾性比が2、厚みが0.5mm、坪量が25g/m2のポリエステル不織布基材を浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余分なモノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含浸物を圧縮せずに加熱しラジカル重合を行った。
【0061】
得られた吸水性複合体(2) は、60g/m2の吸水性ポリマーが基材に直接固着し、厚みは0.5mmであった。
この吸水性複合体(2) に水を加えたところ、吸水膨潤により体積膨張がゆっくり起こり、30分後に厚みが0.5mmから5mmまで大きくなった。次に、この体積膨張した吸水性複合体(2) を120℃に設定された乾燥機に入れ1時間放置した。乾燥後の厚みを測定したところ、体積の収縮が起こり厚みは0.5mmまで小さくなっていた。
【0062】
尚、吸水性複合体(2) の吸水量は5000g/m2であった。
(粘着剤組成物の製造例)
温度計、冷却コンデンサー、窒素導入管及び攪拌機を備えた3Lのフラスコに、トルエン1500重量部、アクリル酸ブチル700重量部、ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル210重量部、アクリル酸35重量部、酢酸ビニル50重量部を仕込み、窒素気流下に攪拌しつつ80℃に昇温した。次いで重合開始剤として過酸化ベンゾイル2重量部を添加した後、同温度で2時間攪拌し、その後過酸化ベンゾイル1重量部を追加して更に2時間攪拌を行い、不揮発分濃度40重量%の共重合体溶液を得た。
【0063】
次いで、得られた共重合体溶液100重量部に対し、粘着付与剤として8重量部のペンタリンC(理化ハーキュレス(株)製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル、軟化点123℃)を添加し溶解させ、更に架橋成分として1重量部のコロネートL−55E(コロネートは登録商標)(日本ポリウレタン工業(株)製、3官能イソシアネート系架橋剤)を添加して不揮発分44.5重量%の粘着剤組成物を得た。
実施例1
(覆工板用水漏れ防止材の作製)
上記粘着剤組成物を離型紙に乾燥後の厚みが70μmになるよう塗布して乾燥させ溶剤を除去した後、吸水性複合体(1) に貼合わせて粘着剤層を設け、本発明の覆工板用水漏れ防止材(1) を作製した。
(覆工板への施工)
寸法1m*2mの覆工板の側面全周(敷設時、隙間が生じる部分)に幅100mmの覆工板用水漏れ防止材(1) を貼り付けた。この貼り付け作業は非常に簡便であった。
(水漏れ試験)
覆工板用水漏れ防止材(1) を貼り付けた覆工板を2枚地面に敷設し、この覆工板間の隙間を4mmになるように調整した。この隙間に1Lの水を注いだが、覆工板下方への水漏れは起こらなかった。
【0064】
次に、この覆工板間の隙間が8mmになるように再調整し、1Lの水を注いだ。この場合初期に若干の水漏れが起こったものの水漏れ防止材(1) の迅速な吸水膨潤によりその隙間は閉塞され水漏れを防止することができた。
次に、乾燥するまで放置した後に隙間を観察したところ隙間は閉塞されていた。この隙間にさらに1Lの水を注いだが、覆工板下方への水漏れは起こらなかった。
【0065】
このことから、本発明の覆工板用水漏れ防止材は、経時的に覆工板間の隙間の間隔が変化したり乾燥後であっても水漏れを防止することができるものであることがわかる。
(覆工板用水漏れ防止材の除去)
試験後に覆工板から覆工板用水漏れ防止材(1) を除去したが、シート状態で容易に剥がすことができ、注入型樹脂製目地材の除去作業に比べ非常に簡便であった。
比較例1
吸水性複合体(1)に代えて、厚みが5mm、秤量が70g/m2のポリウレタンスポンジ基材(比較覆工板用水漏れ防止材(1) )を用いた他は、実施例1と同じ条件で粘着剤層を設け同様に水漏れ試験を行った。覆工板間の隙間に1Lの水を注いだが、ほとんどの水が覆工板下方へ漏れてしまった。
実施例2
(覆工板用水漏れ防止材の作製)
吸水性複合体(2) に実施例1と同じ条件で粘着剤層を設け、本発明の覆工板用水漏れ防止材(2) を作製した。
(覆工板への施工)
寸法1m*2mの覆工板の側面全周(敷設時、隙間が生じる部分)に幅100mmの覆工板用水漏れ防止材(2) を貼り付けた。この貼り付け作業は非常に簡便であった。
(水漏れ試験)
覆工板用水漏れ防止材(2) を貼り付けた覆工板を2枚地面に敷設し、この覆工板間の隙間を4mmになるように調整した。この隙間に1Lの水をゆっくり注ぎ水漏れ防止材(2) を膨潤させ隙間を閉塞させた。この後1Lの水を隙間に注いだが、覆工板下方への水漏れは起こらなかった。
【0066】
次に、この覆工板間の隙間が8mmになるように再調整し、この隙間に水をゆっくり注ぎ覆工板用水漏れ防止材(2) をさらに膨潤させ隙間を閉塞させた。この後1Lの水を隙間に注いだが、覆工板下方への水漏れは起こらなかった。
次に、乾燥するまで放置した後に隙間を観察したところ隙間が再び形成されていた。このため、水を注ぎ覆工板用水漏れ防止材(2) を膨潤させて隙間を閉塞させるのに時間がかかったが、その後は1Lの水を隙間に注いでも覆工板下方への水漏れは起こらなかった。
(覆工板用水漏れ防止材の除去)
試験後に覆工板から覆工板用水漏れ防止材(2) を除去したが、シート状態で容易に剥がすことができ、注入型樹脂製目地材の除去作業に比べ非常に簡便であった。
試験例1
覆工板用水漏れ防止材(1) 及び(2) を鉄板に貼り純水中に7日間浸漬したが、膨潤した覆工板用水漏れ防止材は、吸水性複合体(吸水性ポリマー)と粘着剤層との間で剥離が起こらず、指で押しても剥離しなかった。吸水性ポリマーの脱落もなかった。
試験例2
架橋成分であるコロネートL−55E(コロネートは登録商標)を添加しなかった粘着剤組成物を用いた他は実施例1及び2(覆工板用水漏れ防止材の作製)と同様にして比較覆工板用水漏れ防止材(2) 及び(3) を作製した。
【0067】
この比較覆工板用水漏れ防止材(2) 及び(3) を鉄板に貼り純水中に7日間浸漬したところ、膨潤した比較覆工板用水漏れ防止材(2) 及び(3) は、指で軽く押すだけで吸水性複合体と粘着剤層との間で剥離した。従って、使用に際し比較覆工板用水漏れ防止材の脱落が懸念され使用し難いものであった。
【0068】
【発明の効果】
本発明の水漏れ防止材は、吸水性ポリマーを含む吸水性複合体を備えるため、車両や人の交通に支障をきたすことなく覆工板の間から雨水などの水が漏れ落ちるのを防ぐことができる。また、経時的な隙間の間隔の変動にも対応可能で、さらに、施工等の作業性が著しく改善されている。
【0069】
また、圧縮された吸水性複合体の場合には、厚みが薄いので、保管、輸送が容易で、施工時の取り扱い作業が簡便となる。また、圧縮により得られる吸水性複合体の密度は大きくなり、風合いに「こし」が出てくるので、貼り付け、切断等の施工作業がさらに容易となる。さらに、スポンジなどの高い圧縮復元弾性を有する基材を用いた場合には、一度吸水膨潤した後はその膨張形態を保持するので、覆工板間の隙間に介在させた場合や吊り下げ用穴に設置した場合、長期に渡りその隙間を閉塞させることができる。従って、極めて高い止水性、水漏れ防止性を発現する。また、その基材の復元弾性力と、吸水性ポリマーの吸水膨潤性により、迅速な吸水性と共に極めて高い体積膨張性を示す。
【0070】
また、吸水性複合体の片面に粘着剤層を設けた覆工板用水漏れ防止材は、敷設する前に覆工板に施工、設置しておくことができ作業性の観点で極めて好ましい。
さらにまた、吸水性ポリマーが固着した吸水性複合体の少なくとも片面に、吸水性ポリマー及び粘着剤と反応し得る架橋成分を含む粘着剤層を設けた覆工板用水漏れ防止材は、その架橋効果により吸水性複合体と粘着剤層との界面が強固に結合され、吸水膨潤した際にも粘着剤層と吸水性複合体(吸水性ポリマー)との間で剥離が起こらず長期に渡って覆工板間の隙間に介在させることができ長期の水漏れ防止効果を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】覆工板を並べた状態を上から見た図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】(a)本発明の覆工板用水漏れ防止材を覆工板間に施工した状態を示す図である。
(b)本発明の覆工板用水漏れ防止材が圧縮されているものである場合に覆工板間に施工したときの状態を示す図である。
【図4】(a)ひさしおよびすべり止めを設けた覆工板を示す図である。
(b)ひさしおよびすべり止めを設けた覆工板を示す断面図である。
(c)ひさしおよびすべり止めを設けた覆工板のひさしの裏面から側面にかけて本発明の覆工板用水漏れ防止材を貼り付けた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 覆工板
1a 覆工板のひさし
2 隙間
2a 下に受け桁のない隙間
2b 下に受け桁のある隙間
3 受け桁
4 覆工板用水漏れ防止材
5 すべり止め

Claims (3)

  1. 重合により吸水性ポリマーに転換し得るモノマーを圧縮弾性比が5以上であるスポンジ基材上で重合しながら圧縮する方法で得られた吸水性複合体を備え、この吸水性複合体の片面に、吸水性ポリマーおよび粘着剤と反応させた架橋成分を含む粘着剤層が設けられている、ことを特徴とする覆工板用水漏れ防止材。
  2. 圧縮度合いが、常態における基材の厚みの1/2から1/10の厚みになるような度合いである、請求項1に記載の覆工板用水漏れ防止材。
  3. モノマーが少なくとも耐塩基性もしくはノニオン性のモノマーを含むモノマーである、請求項1または2に記載の覆工板用水漏れ防止材。
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