JPH1020992A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH1020992A
JPH1020992A JP17677796A JP17677796A JPH1020992A JP H1020992 A JPH1020992 A JP H1020992A JP 17677796 A JP17677796 A JP 17677796A JP 17677796 A JP17677796 A JP 17677796A JP H1020992 A JPH1020992 A JP H1020992A
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electrodes
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Kinya Inoue
欣也 井上
Hiroshi Shigetaka
寛 重高
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最大レベルの電圧値変化を示す電極が操作領
域1Aの一端部電極であっても、操作座標位置の中心値
を高精度で算出できる座標入力装置を提供する。 【解決手段】 複数電極をマトリクス状に配置した操作
領域1Aを有するセンサ部1と、センサ部1の出力を座
標データに変換する座標データ形成部と、座標データを
処理表示する信号処理部とからなり、座標データ形成部
は、操作領域1Aを座標入力物体で操作した際、操作領
域1Aの静電容量変化による出力電気量変化を順次検出
する信号検出手段と、出力電気量変化中の最大レベルの
電気量変化を示す第1電極の座標位置及び第1電極の両
側にある第2電極及び第3電極の各座標位置を求める座
標位置算出手段とを備え、第1電極が操作領域1Aの一
端部電極261 であった場合、第2電極の座標位置A”
を操作領域1Aの他端部電極2612の座標位置A”に選
ぶようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座標入力装置に係
わり、特に、操作領域をペンや指等の座標入力体によっ
て操作し、操作領域の操作部分の座標位置を静電容量変
化に伴う電気量変化によって検出し、操作部分の座標位
置を入力する座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶表示装置(LCD)や陰極線
管表示装置(CRT)の表示部前面に配置され、センサ
部の操作領域をペン等で操作することによりLCDやC
RTに文字や図形等の手書き情報を入力したり、操作領
域の所望個所に指を接触することによりLCDやCRT
に表示されたメニュー選択を行ったりすることができる
透明な操作領域を備えた平板状座標入力装置が特願平6
−282033号として本件発明の出願人によって提案
されている。
【0003】前記提案による座標入力装置は、大別する
と、ペンや指等の座標入力物体によって操作され、複数
電極をマトリクス形状に配置した操作領域を有するセン
サ部と、センサ部の操作領域を操作することにより得ら
れた静電容量変化に基づく電気信号変化として取り出
し、この電気信号変化を所要の座標データに変換して出
力する座標データ形成部と、座標データ形成部で得られ
た座標データを処理するとともに座標位置の表示を行う
パーソナルコンピュータ(パソコン)等の信号処理部と
からなっている。
【0004】この場合、センサ部は、誘電体薄膜を挾ん
で縦(X軸)方向及び横(Y軸)方向にそれぞれ平行に
複数本のX電極及びY電極を配置し、マトリクス形状の
操作領域を形成している。座標データ形成部は、センサ
部の操作領域を走査することにより、各Y電極を順に選
択するマルチプレクサと、マルチプレクサで選択した
X、Y電極間の静電容量変化を電気信号の変化として取
り出し、出力された電気信号の変化をデジタル差信号に
変換するA/Dコンバータと、A/Dコンバータから出
力されたデジタル差信号に基づいてX座標データやY座
標データ等の座標データを発生するCPU等からなって
いる。また、信号処理部は、よく知られた構成のもの
で、供給されたX座標データやY座標データ等を処理
し、処理結果を表示部に表示する等の機能を果たしてい
る。
【0005】前記提案による座標入力装置において、座
標入力物体により操作された操作領域の座標位置は、印
加電圧が最大の電極からの電圧値をV1 、この電極の両
隣の電極からの電圧値をそれぞれV2 、V3 とした時
に、入力ペンと入力ペンに最も近い電極間の電極配列方
向への偏倚量Lを、 L=P(V1 2 −V1 3 )/2(V1 3 +V1
2 −2V2 3 )…(1)に基づいて算出するものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記提案による座標表
示装置は、最大レベルの電圧値V1 を示す電極とその電
極に隣接する2つの電極をそれぞれ抽出し、抽出した3
つの電極の座標位置を用い、操作された座標位置の中心
値を前記の式(1)を用いて高精度で算出するものであ
るが、最大レベルの電圧値を示す電極が操作領域の一端
部の電極であった場合、最大レベルの電圧値を示すY電
極に隣接する2つの電極の中の一方の電極に対応する電
極が存在しないことになり、操作された座標位置の中心
値Dを、必ずしも、高精度で算出することができないと
いう問題がある。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するも
ので、その目的は、最大レベルの電気量変化を示す電極
が操作領域の一端部の電極であった場合でも、操作され
た座標位置の中心値を高精度で算出できる座標入力装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明による座標入力装置は、操作領域にある複数
本の電極の中の選択された2つの電極または2つの電極
グループ間の静電容量変化を電気信号変化として順次検
出し、検出した電気信号変化の中でレベルが最大になる
電圧値変化が得られる第1電極を求めた際に、第1電極
が操作領域の一端部の電極であった場合、第1電極に隣
接する一方の第2電極の座標位置を操作領域の他端部の
電極の座標位置に選ぶようした手段を備える。
【0009】前記手段によれば、電気信号変化の中でレ
ベルが最大になる電圧値変化が得られる第1電極が操作
領域の中間の電極近傍であった場合、前記提案による座
標表示装置と同様に、電圧値のピークを表す前記(1)
式を用いて操作された座標位置の中心値を高精度で算出
することができるとともに、第1電極が操作領域の一端
部の電極近傍であった場合でも、第2電極の座標位置を
操作領域の他端部の電極の座標位置に選ぶことにより、
前記(1)式を用いて操作された座標位置の中心値を高
精度で算出することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態において、座
標入力装置は、複数電極をマトリクス状に配置した操作
領域を有するセンサ部と、前記センサ部の出力を座標デ
ータに変換する座標データ形成部と、前記座標データを
処理表示する信号処理部とからなり、前記座標データ形
成部は、前記操作領域を座標入力体で操作した際に、前
記操作領域の静電容量変化に基づく出力電気量変化を順
次検出する信号検出手段と、前記出力電気量変化の中で
最大レベルの電圧値変化を示す第1電極の座標位置及び
前記第1電極の両側にある第2電極及び第3電極の各座
標位置を求める座標位置算出手段とを備え、前記第1電
極が前記操作領域の一つの端部電極であった場合、前記
第2電極の座標位置を前記操作領域の反対側の端部電極
の座標位置に選ぶようにしている。
【0011】この場合、出力電気量変化は、選択された
2つの電極または電極グループ間の静電容量変化に伴っ
て生じる電流量変化またはその電流量変化から得られる
電圧値変化である。
【0012】かかる実施の形態によれば、出力電気量変
化が最大レベルの電圧値変化を示す第1電極が操作領域
のどのような部分に存在していても、即ち、第1電極が
操作領域の中間に配置された電極近傍であった場合は、
前記提案による座標表示装置と同様の手法により、前記
(1)式を用いて操作された座標位置の中心値を高精度
で算出することが可能であり、一方、第1電極が操作領
域の一端部の電極近傍であった場合にも、第2電極の座
標位置を操作領域の他端部の電極の座標位置に選んでい
るので、前記提案による座標表示装置と同様に、前記
(1)式を用いて操作された座標位置の中心値を高精度
で算出することが可能になる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0014】図1は、本発明の座標入力装置の一実施例
を示すブロック構成図、図2は、図1に図示の実施例の
座標入力装置に用いるセンサ部の構成の一例を示す斜視
図、図3(a)、(b)は、図2に図示のセンサ部に用
いるフィルム基板の表面及び裏面の構成図である。
【0015】図1に示されるように、座標入力装置は、
センサ部1と、回路チップ2と、信号処理部3とによっ
て構成される。そして、センサ部1は、後述するよう
に、ペンや指等の座標入力物体(図示なし)により操作
され、複数本の電極をマトリクス形状に配置した操作領
域1Aを備えている。回路チップ2は、マルチプレクサ
4と、差動アンプ5と、ドライブ回路6と、駆動制御部
7と、積分用コンデンサ8と、アナログ−デジタルコン
バータ(A/D)9と、座標演算部10と、Z座標検出
部11と、データ処理部12と、タップスイッチオン/
オフ判定部13と、インターフェイス部(I/F)14
とを備え、全体的に集積回路(IC)によって構成され
る。信号処理部3は、例えば、既知のパーソナルコンピ
ュータ(パソコン)等が用いられるもので、第1インタ
ーフェイス(I/F)15と、第2インターフェイス
(I/F)16と、ハードディスク等の記憶部17と、
入出力部(I/O)18と、内部メモリ19と、制御部
20と、表示部21とを備えているものである。
【0016】また、図2に示されるように、センサ部1
は、PETフィルムからなる保護シート22と、保護シ
ート22の下面に配置されたPETフィルムからなるフ
ィルム基板23と、フィルム基板23の下面に配置され
た回路基板24とからなっている。
【0017】この場合、図3(a)、(b)に示される
ように、フィルム基板23は、表面側に複数本、この例
では16本のX電極251 、252 、253 、… …、
2516が、裏面側に複数本、この例では12本のY電極
261 、262 、263 、……、2612がそれぞれ所定
間隔をおいて平行にパターン形成されている。そして、
X電極251 乃至2516はできるだけ幅細に構成され、
Y電極261 乃至2612は座標入力物体である指の接触
を検出するためにできるだけ幅太に構成される。X電極
251 乃至2516及びY電極261 乃至2612は、互い
に直交配置され、平面的なマトリクス形状に構成され
る。X電極251 乃至2516の2本の最外側電極2
1 、2516の外側に接地導体パターン27が、Y電極
261 乃至2612の2本の最外側電極261 、2612
外側に接地導体パターン28がそれぞれ形成される。各
X電極251 乃至2516の同一方向端部にそれぞれスル
ーホール29が、各Y電極261 乃至2612の同一方向
端部にそれぞれランド30が形成される。一方の接地導
体パターン28は、その内部に接地導体パターン28と
絶縁された状態で16個のランド31が設けられ、これ
らのランド31はスルーホール29を通して対応するX
電極251 乃至2516に導電接続されている。
【0018】さらに、図2に示されるように、回路基板
24は、1方の側縁部のランド30に対向する位置にス
ルーホール32が設けられ、他方の側縁部のランド31
に対向する位置にスルーホール33が設けられる。な
お、回路基板24は、その裏面に配線パターン(図示な
し)が形成され、この配線パターンの一部に回路チップ
2や、スルーホール32及びスルーホール33が接続さ
れる。
【0019】また、図1に示されるように、回路チップ
2において、マルチプレクサ4は、入力が各X電極25
1 乃至2516に、出力が差動アンプ5の2つの入力にそ
れぞれ接続され、駆動制御部7からの制御信号により、
差動アンプ5の2つの入力に接続されるX電極251
至2516を、後述するように切替える。差動アンプ5
は、出力が積分用コンデンサ8とA/D9の入力に接続
され、2つの入力に供給される電流を差動増幅し、差電
流値を積分用コンデンサ8に供給して差電圧に変換す
る。駆動制御部7は、出力がマルチプレクサ4とドライ
ブ回路6にそれぞれ接続され、後述するようにマルチプ
レクサ4とドライブ回路6を制御駆動する。A/D9
は、出力が座標演算部10に接続され、入力された差電
圧値を対応するデジタル値に変換し、座標演算部10に
供給する。座標演算部10は、出力がZ座標検出部11
及びデータ処理部12にそれぞれ接続され、入力デジタ
ル値に応答してX座標データ及びY座標データを算出す
る。Z座標検出部11は、出力がタップスイッチオン/
オフ判定部13に接続され、座標演算部10で得られた
データ出力値に基づいてセンサ部1に接触した指のZ座
標を算出する。データ処理部12は、タップスイッチオ
ン/オフ判定部13とI/F14にそれぞれ接続され、
座標演算部10で算出したX座標データ及びY座標デー
タと、タップスイッチオン/オフ判定部13で得られた
オン/オフデータをI/F14を介して信号処理部3に
供給する。
【0020】次いで、図4乃至図6は、本実施例の座標
入力装置におけるセンサ部1の動作及びマルチプレクサ
4の動作を示す動作説明図であって、図4は、Y座標の
位置検出を行う場合の動作を示すもので、図5及び図6
は、X座標の位置検出を行う場合の動作を示すものであ
る。
【0021】センサ部1の操作領域1AにおけるY座標
位置の検出を行う場合は、図4に示されるように、駆動
制御部7で得られたパルス信号Pをドライブ回路6を介
して16本のX電極251 乃至2516に同時に供給す
る。また、12本のY電極261 乃至2612は、隣合っ
た2本のY電極26を組み合わせて1組とし、駆動制御
部48で得られた制御信号によってY電極26のそれぞ
れの組を順次走査する。即ち、マルチプレクサ4は、Y
電極261 乃至2612の総数、12本の倍の24個のス
イッチS1 乃至S24を具備しているもので、スイッチS
1 がY電極261と差動アンプ5の非反転入力間に、ス
イッチS13がY電極261 と差動アンプ5の反転入力間
に、スイッチS2 がY電極262 と差動アンプ5の非反
転入力間に、スイッチS14がY電極262 と差動アンプ
5の反転入力間にそれぞれ接続され、他のスイッチS3
乃至S12、S15乃至S24も同様の態様によって接続され
る。この場合、Y電極26の第1組は、Y電極261
262 からなる組で、第1組の走査時にスイッチS1
14がオンされる。Y電極26の第2組は、Y電極26
2 、263 からなる組で、第2組の走査時にスイッチS
2 、S15がオンされる。以下同様であって、Y電極26
の第11組は、Y電極2611、2612からなる組で、第
11組の走査時にスイッチS11、S24がオンされる。
【0022】Y電極26の第1組乃至第11組は、対応
するスイッチS1 乃至S24のオンによって順次走査さ
れ、差動アンプ5は、走査された組の2つのY電極26
を流れる電流値の差を検出し、この検出された電流値の
差に基づき、以下に詳しく述べるように、座標入力物体
により操作された操作領域1AのY座標位置の検出を行
っている。
【0023】一方、センサ部1の操作領域1Aにおける
X座標位置の検出を行う場合は、始めに、図5に示され
るように、16本のX電極251 乃至2516を、8本の
X電極251 乃至258 からなる第1グループと、8本
のX電極259 乃至2516からなる第2グループとに分
け、駆動制御部7で得られた反転パルス信号Nをドライ
ブ回路6を介して第1グループのX電極251 乃至25
8 に同時に供給し、同じく駆動制御部7で得られたパル
ス信号Pをドライブ回路6を介して第2グループのX電
極259 乃至2516に供給して、この第1グループ及び
第2グループに対する最初(第1)の走査が行われる。
次に、第1グループが8本のX電極252 乃至259
なり、第2グループが8本のX電極2510乃至2516
251 になるようにグループ替えを行い、前と同様に、
駆動制御部7で得られた反転パルス信号Nを第1グルー
プに、駆動制御部7で得られたパルス信号Pを第2グル
ープにそれぞれ供給し、第1グループ及び第2グループ
に対する第2の走査が行われる。続いて、第1グループ
が8本のX電極253 乃至2510になり、第2グループ
が8本のX電極2511乃至2516、251 、252 にな
るようにグループ替えを行い、前と同様にして、駆動制
御部7で得られた反転パルス信号Nを第1グループに、
駆動制御部7が発生したパルス信号Pを第2グループに
それぞれ供給し、第1グループ及び第2グループに対す
る第3の走査が行われる。以下、同様にして、第1グル
ープと第2グループに対するグループ替えを行い、グル
ープ替えされた第1グループ及び第2グループに対する
第4乃至第15の走査が順次行われる。そして、最後
に、図6に示されるように、第1グループが8本のX電
極251 乃至257 、2516になり、第2グループが8
本のX電極258 乃至2515になるようにグループ替え
を行い、第1グループ及び第2グループに対する最後
(第16)の走査が行われる。このように、第1グルー
プ及び第2グループに順次グループ替えされたX電極2
1 乃至2516に対して第1乃至第16の走査が行われ
ると、1つの走査サイクルが一巡し、再び、始めのグル
ープ分けに戻って次の走査サイクルに入り、以下、同様
の走査サイクルが繰返し実行される。
【0024】前記X電極251 乃至2516の走査時にお
いて、12本のY電極261 乃至2612は、6本づつに
固定的に分け、それらのY電極が別のグループを形成す
るように、例えば、6本のY電極261 乃至266 を第
1グループに選んでマルチプレクサ4のスイッチS1
至S6 をそれぞれオンにし、また、6本のY電極267
乃至2612を第2グループに選んでスイッチS19乃至S
24をそれぞれオンにしているものである。なお、12本
のY電極261 乃至2612に対するグループ分けは、Y
座標の位置データに応じて決定される。
【0025】16本のX電極21 乃至2516の走査時に
おいて、差動アンプ5は、第1グループの6本のY電極
261 乃至266 及び第2グループの6本のY電極26
7 乃至2612の間に流れる電流差を検出し、検出された
電流差に基づき、以下に詳しく述べるように、座標入力
物体により操作された操作領域1AのX座標位置の検出
を行っている。
【0026】次いで、センサ部1の操作領域1Aが指で
操作された場合及び操作されない場合における差動アン
プ5の出力電圧の状態と、その出力電圧を用いた座標位
置の検出について説明する。
【0027】まず、16本のX電極21 乃至2516と1
2本のY電極261 乃至2612との間には、それぞれ静
電容量が形成されており、X電極251 乃至2516の中
の第1グループに反転パルス信号N、第2グループにパ
ルス信号Pを供給すると、静電容量の近傍にパルス信号
P、Nによる電界が発生し、静電容量を通して電流が流
れる。
【0028】ここで、操作領域1A内の1つの個所に指
を接触させたとすれば、接触個所の近傍の静電容量に発
生する電界の一部が指に吸収されて減少し、見掛け上接
触個所の近傍の静電容量が小さくなる。そして、静電容
量が小さくなると、静電容量に流れる電流も減少するよ
うになるので、この電流の減少の度合いを差動アンプ5
で検出し、検出結果を座標演算部10に供給すれば、座
標演算部10において操作領域1Aの指の接触個所の座
標位置が算出される。
【0029】これに対して、操作領域1A内に指を近接
または接触させないときには、16本のX電極251
至2516の第1グループに反転パルス信号N、第2グル
ープにパルス信号Pを供給しても、いずれの個所の静電
容量に変化を生じないので、12本のY電極261 乃至
2612から出力される電流値はいずれも同じ値になって
いる。このため、差動アンプ5は、出力状態が変化せ
ず、座標演算部10に電気信号変化が供給されないこと
から、座標演算部10において指の近接または接触のな
い状態が算出される。
【0030】続いて、本実施例の座標入力装置におい
て、センサ部1の操作領域1Aに指を接触した場合の動
作について説明する。
【0031】図7は、指で操作された操作領域1AのY
座標の位置検出を行う場合の動作を示す動作説明図、図
8(a)乃至(d)は、指で操作された操作領域1Aの
座標位置を算出する際の動作原理を示す説明図であっ
て、(a)はセンサ部の操作領域におけるY電極の配置
位置、(b)は隣接する2つのY電極間の静電容量変
化、(c)は隣接する2つのY電極間の静電容量変化に
よる電流値の差(電圧差)、(d)はY電極の配置位置
における電圧値変化を示すものである。
【0032】図7に示されるように、16本のX電極2
1 乃至2516にパルス信号Pを供給した状態におい
て、操作領域1A内の1つの個所Sに指を接触したとき
は、接触個所Sの近傍の静電容量が減少する。いま、図
8(a)に示されるように12本のY電極261 乃至2
12が配置されている場合、各Y電極261 乃至2612
の配置位置における静電容量変化C1 乃至C12は、図8
(b)に示されるように接触個所Sに近い程大きくな
る。即ち、接触個所Sに最も近いY電極Y6 の静電容量
変化C6 が最大になるのに対し、接触個所Sから遠いY
電極ほど静電容量変化が小さくなる。差動アンプ5は、
隣接するY電極261 −262 、262 −263 、…
…、2611−2612に流れる電流値の差I2 −I1 、I
3 −I2 、……、I12−I11を検出し、積分用コンデン
サ8は、電流値の差I2 −I1 、I3 −I2 、… …、
12−I11を、図8(c)に示されるような電圧差
1 、V2 、V3 、… …、V10(ただし、V6
7 、… …、V10は負極性)に変換する。A/D9
は、電圧差V1 、V2 、V3 、… …、V10を対応する
デジタル差信号に変換し、座標演算部10は、入力され
たデジタル差信号を順次加算し、図8(d)に示される
ようにY電極262 、263 、… …、269 の配置位
置に対応して電圧値変化(計算上の静電容量変化)
2 、B3 、… …、B9 を算出する。なお、電圧値変
化B1 はV1 +V2 で、電圧値変化B2 はV1 +V2
3 =B1 +V3 で示され、以下同様にして、電圧値変
化B9 はV1 +V2 +V3 +… …−V9 =B8 −V9
で示される。
【0033】この場合、Y電極266 の電圧値変化B5
が最大レベルになることから、Y電極Y6 を第1電極に
選択し、Y電極266 (第1電極)に隣接するY電極2
5、267 をそれぞれ第2電極及び第3電極に選択す
るとともに、選択した第1乃至第3電極266 、2
5 、267 の座標位置A、B、Cを求める。次いで、
求めた座標位置A、B、Cによって示される近似2次曲
線lを用いて、前述の式(1)にしたがって接触個所S
のY座標Yを、 Y=(AB−BC)/{2(BC+AB)−2AC} によって求める。
【0034】次いで、図9は、指で操作された操作領域
のX座標の位置検出を行う場合の動作を示す動作説明
図、図10(a)乃至(d)は、指で操作された操作領
域の座標位置を算出する際の動作原理を示す説明図であ
って、(a)は操作領域1AにおけるX電極の配置位
置、(b)は図9に図示されたX電極の走査時における
第1及び第2電極グループ間の静電容量変化、(c)は
第1及び第2電極グループ間の静電容量変化による電気
量変化、(d)はY電極の配置位置における電圧値変化
を示すものである。
【0035】図9に示されるように、12本のY電極2
1 乃至2612は、Y電極266 を中心とする第1グル
ープのY電極263 乃至268 と、第2グループのY電
極261 、262 、269 乃至2612とからなる固定的
なグループ分けが行われており、第1グループのY電極
263 乃至268 は差動アンプ5の非反転入力に、第2
グループのY電極261 、262 、269 乃至2612
差動アンプ5の反転入力にそれぞれ接続される。このと
き、16本のX電極251 乃至2516は、既に述べたよ
うに、第1グループのX電極の組み合わせと第2グルー
プのX電極の組み合わせが順次変更されて一巡し、X電
極251 乃至2516による走査が行われる。このとき、
第1グループのX電極には反転パルス信号Nが、第2グ
ループのX電極にはパルス信号Pがそれぞれ供給され、
それにより、第1グループのY電極263 乃至268
第2グループのY電極261 、262 、269 乃至26
12とから出力される電流値は、反転パルス信号Nの供給
により第1グループのX電極の総合静電容量−CN を流
れる電流値IN とパルス信号Pの供給により第2グルー
プのX電極の総合静電容量+CP とを流れる電流値IP
との差IP −IN になる。
【0036】ここで、操作領域1A内の1つの個所Sに
指を接触したとき、接触個所SがX電極254 とX電極
255 との間にあるため、X電極254 とX電極255
の静電容量がそれぞれ減少する。この静電容量の減少に
より、X電極254 、255を含む第1グループのX電
極の総合静電容量−CN が減少するのに対し、X電極2
4 、255 を含まない第2グループのX電極の総合静
電容量+CP に変化がない。そして、X電極254 、2
5 は、X電極の走査の一巡により、第1グループから
第2グループに移行したり、第2グループから第1グル
ープに再移行したりし、X電極の走査が一巡した時点に
おける第1グループ及び第2グループのX電極の総合静
電容量−CN 、+CP は、図10(b)に図示のように
なる。なお、第1グループのX電極は、反転パルス信号
Nの供給によって負の静電容量−CN になり、第2グル
ープのX電極は、パルス信号Pの供給によって正の静電
容量+CP になる。
【0037】そして、第1グループのX電極の総合静電
容量−CN 及び第2グループのX電極の総合静電容量+
P は、グループ内にX電極254 、255 を含むか否
かまたはX電極254 、255 に隣接するX電極2
3 、256 を含むか否か応じて、相対的に容量値が増
減するようになる。図10(b)は、第1グループ及び
第2グループのX電極の総合静電容量−CN 、+CP
容量差CP −CN を示すもので、第1グループのY電極
263 乃至268 は、接触個所Sを含んでいることか
ら、容量差CP −CN に比例した電流(電流値の差)が
出力され、差動アンプ5の非反転入力に供給される。こ
れに対し、第2グループのY電極261 、262 、26
9 乃至2612は、接触個所Sを含まないことから、容量
差CP −CN が0のままで、差動アンプ5の反転入力に
一定電流値IB が供給される。
【0038】差動アンプ5は、2つの入力に容量差CP
−CN に比例した電流値と一定電流値IB とを受け、図
10(c)に示されるように、その差電流に比例した差
電圧V1 、V2 、… …、V16を出力する。座標演算部
10は、入力された差電圧V1 、V2 、… …、V16
順次加算し、図10(d)に示されるような電圧値変化
(計算上の容量値変化)E1 、E2 、E3 、… …、E
16を算出する。
【0039】この場合、X電極254 の電圧値変化E4
が最大レベルになることから、X電極254 を第1電極
に選択し、X電極254 (第1電極)に隣接するX電極
253 、255 をそれぞれ第2電極及び第3電極に選択
するとともに、選択した第1乃至第3電極254 、25
3 、265 の座標位置A’、B’、C’を求める。次い
で、求めた座標位置A’、B’、C’によって示される
近似2次曲線lを用いて、前述の式(1)にしたがって
接触個所SのX座標Xを、 X=(A’B’−B’C’)/{2(B’C’+A’
B’)−2A’C’} によって求める。
【0040】座標演算部10で算出された指の接触個所
Sを示すX座標データ及びY座標データは、I/F14
を介して信号処理部3に供給される。
【0041】信号処理部3は、供給されたX座標データ
及びY座標データに基づいて指の接触個所Sを示すX座
標及びY座標を表示部21に表示させ、センサ部1の操
作領域1Aに接触する指の接触位置Sの移動に伴い、表
示部21内のカーソル表示位置を移動させる。
【0042】ところで、本実施例のこれまでの説明は、
操作領域1A内の指の接触位置Sが操作領域1Aの中間
領域であって、電圧値変化の最大レベルを示す第1電極
の両隣に第2電極及び第3電極が存在する場合の例であ
ったが、本実施例の座標入力装置は、操作領域1A内の
指の接触位置Sが操作領域1Aの一端部であって、電圧
値変化の最大レベルを示す第1電極の一方の隣にもはや
第2電極または第3電極が存在していない場合であって
も、前述の場合と同様に動作させることができるもので
ある。
【0043】図11(a)乃至(d)は、指で操作され
た操作領域の一端部の座標位置を算出する際の動作原理
を示す説明図であって、(a)は操作領域1Aにおける
Y電極の配置位置、(b)はそれぞれのY電極における
静電容量変化、(c)は隣接するY電極間の静電容量変
化による電気量変化、(d)はそれぞれのY電極の配置
位置における電圧値変化を示すものである。
【0044】図11(a)に示されるように、12本の
Y電極261 乃至2612が配置されている操作領域1A
の一端部にある個所Sを指で接触した場合、それぞれの
Y電極261 乃至2612の配置位置における静電容量変
化C1 乃至C12は、図11(b)に示されるように、接
触個所Sに近い程大きくなるもので、接触個所Sに最も
近いY電極Y1 の静電容量変化C1 が最大になり、接触
個所Sから遠いY電極ほど静電容量変化が小さくなる。
この場合、差動アンプ5は、隣接するY電極261 −2
2 、262 −263 、… …、2611−2612に流れ
る電流値の差I2 −I1 、I3 −I2 、… …、I12
11を検出し、積分用コンデンサ8は、電流値の差I2
−I1 、I3 −I2 、… …、I12−I11を、図11
(c)に示されるような負極性の電圧差V1 、V2 、V
3 、… …、V10に変換する点は、前述の実施例の動作
と同じである。
【0045】本実施例は、座標演算部10において、電
圧差V1 、V2 、V3 、… …、V10の最大レベルが端
部にあることを検出すると、図11(b)、(c)に示
されるように、その端部と反対側の端部のY電極、例え
ば、電圧差V1 が最大レベルであったとき、差動アンプ
5がY電極261 とY電極2612との間に流れる電流値
の差I1 −I12を検出し、積分用コンデンサ8が電流値
の差I1 −I12を電圧差V0 に変換し、一方、図示され
ていないが、電圧差V12が最大レベルであったとき、差
動アンプ5がY電極261 とY電極2612との間に流れ
る電流値の差I1 −I12を検出し、積分用コンデンサ8
が電流値の差I1 −I12を電圧差V12に変換する。この
場合、電圧差V0 は、負極性であったときに廃棄され、
正極性であったときに利用されるものであり、電圧差V
12は、正極性であったときに廃棄され、負極性であった
ときに利用されるものである。次いで、A/D9は、得
られた電圧差V0 、V1 、V2 、V3 、… …、V10
対応するデジタル差信号に変換し、座標演算部10は、
入力されたデジタル差信号を順次加算し、図11(d)
に示されるようにY電極261 、262 、… …、26
9 の配置位置及び仮想Y電極Y0 の配置位置に対応して
電圧値変化(計算上の静電容量変化)B1 、B3 、…
…、B9 、B0 を算出する。なお、電圧値変化B2 はV
1 +V2 で、電圧値変化B3 はV1 +V2 +V3 =B2
+V3 で示され、以下同様にして、電圧値変化B9 はV
1 +V2 +V3 +… …−V9 =B8 −V9 で示され、
電圧値変化B0 は0(出力なし)で示される。
【0046】この場合には、Y電極261 の電圧値変化
1 が最大レベルになることから、Y電極Y1 を第1電
極に選択し、Y電極261 (第1電極)に隣接する仮想
Y電極260 を第2電極に、Y電極261 (第1電極)
に隣接するY電極262 を第3電極にそれぞれ選択し、
選択した第1乃至第3電極261 、260 、262 の座
標位置A”、B”、C”を求める。次いで、求めた座標
位置A”、B”、C”によって示される近似2次曲線l
を用いて、前述の式(1)にしたがって接触個所SのY
座標Yを、 Y=(A”B”−B”C”)/{2(B”C”+A”
B”)−2A”C”} によって求める。
【0047】このように、本実施例によれば、座標入力
物体、例えば、指による操作領域1Aの接触個所Sが操
作領域1Aの一端部であっても、最大レベルの電圧値変
化を示す第1電極に隣接する第2電極の座標位置を操作
領域の他端部の電極の座標位置に選んでいるので、既に
提案されている座標表示装置と同様に、座標のピーク位
置を表す式を用いて操作された座標位置の中心値を高精
度で算出することができるものである。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、座標入
力物体、例えば、指によるセンサ部の操作領域に対する
接触個所がどのような部分であっても、即ち、出力電気
量変化が最大レベルの電圧値変化を示す第1電極が操作
領域の中間に配置された電極近傍であった場合、既に提
案されている座標表示装置と同様の手法により、座標の
ピーク位置を表す式を用いて操作された座標位置の中心
値を高精度で算出でき、また、第1電極が操作領域の一
端部の電極近傍であった場合も、第2電極の座標位置を
操作領域の他端部の電極の座標位置に選んだことによ
り、既に提案されている座標表示装置と同様の手法によ
り、座標のピーク位置を表す式を用いて操作された座標
位置の中心値を高精度で算出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の座標入力装置の一実施例を示すブロッ
ク構成図である。
【図2】図1に図示された座標入力装置に用いるセンサ
部の構成の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に図示されたセンサ部に用いるフィルム基
板の表面及び裏面の構成図である。
【図4】図1に図示された実施例の座標入力装置におけ
るセンサ部の動作及びマルチプレクサの動作を示す動作
説明図であり、Y座標の位置検出を行う場合である。
【図5】図1に図示された実施例の座標入力装置におけ
るセンサ部の動作及びマルチプレクサの動作を示す動作
説明図であり、X座標の位置検出を行う場合である。
【図6】図1に図示された実施例の座標入力装置におけ
るセンサ部の動作及びマルチプレクサの動作を示す動作
説明図であり、X座標の位置検出を行う場合である。
【図7】指で操作された操作領域のY座標の位置検出を
行う場合の動作を示す動作説明図である。
【図8】指で操作された操作領域の座標位置を算出する
際の動作原理を示す説明図である。
【図9】指で操作された操作領域のX座標の位置検出を
行う場合の動作を示す動作説明図である。
【図10】指で操作された操作領域の座標位置を算出す
る際の動作原理を示す説明図である。
【図11】指で操作された操作領域の一端部の座標位置
を算出する際の動作原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 センサ部 1A 操作領域 2 回路チップ 3 信号処理部 4 マルチプレクサ 5 差動アンプ 6 ドライブ回路 7 駆動制御部 8 積分用コンデンサ 9 アナログ−デジタルコンバータ(A/D) 10 座標演算部 11 Z座標検出部 12 データ処理部 13 タップスイッチオン/オフ判定部 14 インターフェイス部(I/F) 15 第1インターフェイス(I/F) 16 第2インターフェイス(I/F) 17 記憶部 18 入出力部(I/O) 19 内部メモリ 20 制御部 21 表示部 22 保護シート 23 フィルム基板 24 回路基板 251 乃至2516 X電極 261 乃至2612 Y電極 27、28 接地導体パターン 29 スルーホール 30、31 ランド 32、33 スルーホール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数電極をマトリクス状に配置した操作
    領域を有するセンサ部と、前記センサ部の出力を座標デ
    ータに変換する座標データ形成部と、前記座標データを
    処理表示する信号処理部とからなり、前記座標データ形
    成部は、前記操作領域を座標入力体で操作した際に、前
    記操作領域の静電容量変化に基づく出力電気量変化を順
    次検出する信号検出手段と、前記出力電気量変化の中で
    最大レベルの電気量変化を示す第1電極の座標位置及び
    前記第1電極の両側にある第2電極及び第3電極の各座
    標位置を求める座標位置算出手段とを備え、前記第1電
    極が前記操作領域の一つの端部電極であった場合、前記
    第2電極の座標位置を前記操作領域の反対側の端部電極
    の座標位置に選ぶようにしたことを特徴とする座標入力
    装置。
  2. 【請求項2】 前記出力電気量変化は、選択された2つ
    の電極または電極グループ間の静電容量変化に伴って生
    じる電流量変化または前記電流量変化から得られる電圧
    値変化であることを特徴とする請求項1に記載の座標入
    力装置。
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