JPH10208981A - フィルムコンデンサ素子の製造装置および製造方法 - Google Patents

フィルムコンデンサ素子の製造装置および製造方法

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JPH10208981A
JPH10208981A JP756397A JP756397A JPH10208981A JP H10208981 A JPH10208981 A JP H10208981A JP 756397 A JP756397 A JP 756397A JP 756397 A JP756397 A JP 756397A JP H10208981 A JPH10208981 A JP H10208981A
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JP
Japan
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film
capacitor element
electrode
discharge electrode
film capacitor
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JP756397A
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English (en)
Inventor
Koukou Ki
向岡 季
Kazuhiro Fukushima
和宏 福島
Satoko Obara
聡子 小原
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルムの付着力や滑り性を制御し、ズレ(特
に素子巻き替え時のズレ)、滑り不良、シワ等が発生す
ることなくフィルムコンデンサ素子を製造するフィルム
コンデンサ素子の製造装置および製造方法を提供する。 【解決手段】フィルムの供給機構と積層機構とを備え、
かつ該供給機構と積層機構の間に配置される少なくとも
1つの帯電制御機構を備えることを特徴とするフィルム
コンデンサ素子の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルム積層時のズ
レやシワ等の不良を防止する技術、特に、フィルムコン
デンサ素子の積層時のズレやシワ等の不良を防止するフ
ィルムコンデンサ素子の製造装置および製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、フィルムコンデンサ素子の積層、
巻き等を含む製造工程での生産性が著しく向上し、高速
化が進んでいる。しかし、高速化に伴い積層や巻き取り
における蛇行およびズレ、シワ等が発生しやすくなって
きており、これが生産性向上の阻害要因となり問題とな
っている。
【0003】蛇行およびズレ、シワ等の問題を解決する
方法として、例えば機械精度を向上させたり、フィルム
走行、巻取時のテンションを調整する方法があるが、既
存設備の機械精度を上げるといっても限界があり、現実
には難しい。
【0004】一方、蛇行およびズレ、シワ等の発生はフ
ィルムどうしの付着力や滑りにも左右され、付着力や滑
りはフィルムの静電気帯電に大きく関わっている。例え
ば、特開平1−259160号公報に開示されているよ
うに、フィルムの帯電が強いときにズレが発生し難いが
シワが発生し易い。逆にフィルムの帯電が弱いときにシ
ワが発生し難いがズレが発生し易い。
【0005】フィルムの静電気帯電の制御によって付着
力と滑りの制御ができズレやシワの問題を解決できる
が、従来のコンデンサ素子巻き機には有効な帯電制御機
構がなかった。
【0006】本発明のコンデンサ素子製造装置の発明者
らはフィルム製造工程での除電方法を発明した(特開平
6−243989号公報)。しかし、これは除電方法で
あり、帯電と除電との両方が含まれる帯電制御装置とし
て応用されていない。特に、コンデンサ素子の製造装置
における帯電制御装置として応用されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、上記の問題を解決し、フィルムの帯電量を有効に制
御できる帯電制御装置を備えるフィルムコンデンサ素子
の製造装置を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、本発明の帯電制御
装置を用いてフィルムの付着力や滑り性を制御し、ズレ
(特に素子巻き替え時のズレ)、滑り不良、シワ等が発
生することなくフィルムコンデンサ素子を製造するフィ
ルムコンデンサ素子の製造装置および製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成は以下の通りである。
【0010】(1)フィルムの供給機構と積層機構とを
備え、かつ該供給機構と積層機構の間に配置される少な
くとも1つの帯電制御機構を備えることを特徴とするフ
ィルムコンデンサ素子の製造装置。
【0011】(2)フィルムの供給機構、積層機構、切
断機構とを備え、かつ該供給機構と切断機構の間に配置
される少なくとも1つの帯電制御機構を備えることを特
徴とするフィルムコンデンサ素子の製造装置。
【0012】(3)帯電制御機構として、電源に接続さ
れた放電電極と、該放電電極に対向してかつ100mm
以下の距離を離して配置された接地電極を備えることを
特徴とする前記(1)または(2)記載のフィルムコン
デンサ素子の製造装置。
【0013】(4)接地電極として、接地された金属ロ
ール、または接地された金属平板、または表面が誘電体
で被覆された金属ロールを備えることを特徴とする前記
(3)記載のフィルムコンデンサ素子の製造装置。
【0014】(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記
載のフィルムコンデンサ素子製造装置を用い、少なくと
も1つの絶縁面をもつフィルムが前記の帯電制御機構を
少なくとも1回通過するようにフィルムを走行させ、そ
の後他のフィルムと積層させることを特徴とするフィル
ムコンデンサ素子の製造方法。
【0015】(6)前記(3)または(4)のいずれか
に記載のフィルムコンデンサ素子の製造装置を用い、少
なくとも1つの絶縁面をもつフィルムを前記放電電極と
前記接地電極の間を通過するように走行させるととも
に、前記フィルムの絶縁面が前記放電電極に面するよう
にフィルムを配置することを特徴とするフィルムコンデ
ンサ素子の製造方法。
【0016】(7)前記(3)または(4)のいずれか
に記載のフィルムコンデンサ素子の製造装置を用い、少
なくとも1つの絶縁面をもつフィルムが前記の帯電制御
機構を少なくとも1回通過するようにフィルムを走行さ
せるとともに、前記放電電極と前記フィルムの絶縁面と
の距離をd1 、該フィルム絶縁面の反対面と前記接地電
極との間に介在する空気および誘電体層の厚さをそれぞ
れd2 ,d3 、該誘電体層の比誘電率をεとしたとき
に、0≦d1 ≦50mm、0≦d2 +d3 /ε≦50m
mの範囲となるようにフィルムを配置することを特徴と
するフィルムコンデンサ素子の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】帯電制御機構を備える本発明のフ
ィルムコンデンサ素子製造装置の作用は、フィルムの帯
電を制御することによって滑りを制御し、積層時および
巻取時のズレやシワ等の欠点を抑制することである。
【0018】まず、片面導電層付きフィルムを例にして
静電気帯電と付着力、滑りの関係について説明する。片
面導電層付きフィルムを密着して積層したときに、2枚
のフィルム間の静電気付着力は次式のように近似的に計
算できる。
【0019】f=σ2 /2ε0 [N/m2 ] ここで、σは表面電荷密度[C/m2 ]、ε0 は真空中
の誘電率である。
【0020】上式から、静電気力の理論値は表面電荷密
度σの自乗に比例することがわかる。たとえば、σ=5
0μC/m2 の場合、静電気付着力は約1.4ク゛ラム
/cm2 であるが、σ=200μC/m2 の場合、静電
気付着力は23ク゛ラム/cm2 となる。23ク゛ラム
/cm2 のような大きい付着力によってフィルムが密着
している場合は、フィルム同士の滑り性が低すぎるため
に、コンデンサ素子製造工程においてシワやズレの様な
トラブルが発生しやすい。一方、フィルムが全く帯電し
ていない場合は、滑り性が高すぎるために、巻替え時の
ズレなどのトラブルが発生する。フィルムコンデンサ素
子製造工程におけるシワやズレ等の欠点を抑制するため
に、フィルム間の付着力を0.05〜5ク゛ラム/cm
2 の範囲に制御することが好ましい。
【0021】以下、図面を参照しながら本発明をPP
(ポリプロピレン)フィルムの電荷制御によるPPフィ
ルムと両面蒸着した紙との滑り制御に適用した場合の一
実施様態について詳細に説明する。
【0022】本発明の一実施様態であるフィルムコンデ
ンサ素子製造装置を図1に示す。図1に示すコンデンサ
素子製造装置は、フィルム供給機構1、積層機構2、切
断部3(切断機構は図示せず)、帯電機構4、巻取機構
(図1には示していない)および複数のガイドロール5
1〜58によって構成されている。フィルム供給機構1
は、両面蒸着紙ロール11,13およびPPフィルムロ
ール12,14から両面蒸着紙101,103およびP
Pフィルム102,104を巻出す機構である。積層機
構2は、開閉できるニップロール21と22とからな
る。帯電制御機構4は放電電極41(図1の例ではたと
えば間隔10mmの針電極列)と接地電極42(図1の
例では、たとえば、外径30mm、肉厚6mmジュラコ
ンで被覆された金属ロールを使用)とから構成されてお
り、放電電極41とPPフィルム102表面の距離d1
は図1の例では8mmとなっている。
【0023】コンデンサ素子巻時のフィルムの流れは次
のようになっている。フィルムコンデンサ素子を巻くと
きには、フィルム供給部から、搬送ロール、積層機構等
を通って4枚のフィルムはたとえば約1m/秒の速度で
走行し、最後にコンデンサ素子としてロール状に巻き取
られる。4枚のフィルムの内、PPフィルム102だけ
が帯電制御機構4を通っている。コンデンサ素子を巻替
えるとき(巻始めと巻終わり付近)には、フィルムの速
度はたとえば約0.1m/秒と大幅に減速する。そし
て、1個の素子を巻終わる直前にニップロール21,2
2が開放となり、切断部3で両面蒸着紙101と103
が先に切断され、その後、PPフィルム102と104
が素子巻取部まで(図1では左方向)進む。
【0024】両面蒸着紙101と103が先に切断され
るのは、1個のコンデンサ素子の巻き始めと巻き終わり
において、導電性の両面蒸着紙よりも絶縁性のPPフィ
ルムが長く巻かれているためであり、従って、両面蒸着
紙の走行を先に止めて、PPフィルムだけを走行させる
必要があり、そのために、ニップロールを開放させ、か
つ両面蒸着紙101と103とを先に切断し、PPフィ
ルムはさらに下流側で切断されるようにしたものであ
る。
【0025】本発明の帯電制御機構における放電電極と
対向接地電極の作用について、次のように説明する。
【0026】放電電極41の作用はコロナ放電等の放電
を発生させ、帯電制御に必要なイオンを作ることであ
る。放電電極の形態として、針電極列、ブラシ電極、ワ
イヤ電極、棒電極、ブレード電極およびロール電極の何
れを使用してもよい。フィルム幅方向の放電電極長さと
フィルム幅の関係は特に制限がないが、場合によっては
フィルム幅の一部分のみを帯電させるものであってもよ
い。
【0027】対向接地電極は次の2つの作用がある。
放電電極による放電状態を制御する。対向接地電極がな
いかまたは100mm以上離れた場合、放電電極で放電
が発生しなかったり、放電が不安定になったりする。
放電によって作られたイオンの動きを制御する。接地電
極がないかまたは100mm以上離れた場合、フィルム
の帯電を制御する効果が小さい。詳細は、フィルムの設
置距離の作用に関する部分で説明する。
【0028】放電電極に接続する電源は、交流電圧、ま
たは直流電圧、または直流電圧に交流電圧を加えた脈動
電圧のいずれかを供給できるものであればよい。電源が
供給できる電圧は、300Vから20000Vの範囲が
好ましい。
【0029】本発明の帯電制御機構において、接地電極
として接地された金属ロール、または接地された金属平
板、または表面が誘電体で被覆された金属ロールを備え
ることを特徴としている。接地電極の形態の作用につい
ての説明は以下の通りである。
【0030】まず、フィルムの帯電電荷を制御するため
に、接地電極とフィルムとの間の静電容量が安定でかつ
大きい方がよい。静電容量は電極の面積に比例するの
で、平板やロールのような形状がよい。次に、フィルム
コンデンサ素子製造装置では、搬送装置としてガイドロ
ールが使用されている。このようなガイドロールを本発
明の接地電極として兼用することができる場合、接地電
極を別途設ける必要はない。
【0031】本発明でいう「少なくとも1つの絶縁面を
有するフィルム」は、少なくともその片面において付与
される電荷が短時間(例えば電荷が付与されてより巻き
取られる間での時間)の内に散逸してしまわない限り全
てのフィルムに適用できる。1つの例は、絶縁体である
重合体フィルムの片面に金属蒸着加工、他種フィルムと
のラミネート加工等の2次加工が施されたシート状のも
のである。この場合、重合体からなる面は絶縁面であ
る。もう1つの例は金属蒸着等の導電層をもたない重合
体フィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどに代表さ
れるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
に代表されるポリオレフイン、ポリ塩化ビニール、ポリ
塩化ビニリデンなどに代表されるポリビニール、ポリア
ミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド
などからなるフィルムである。
【0032】少なくとも1つの絶縁面を有するフィルム
が本発明の帯電制御装置を少なくとも1回通れば、フィ
ルムの帯電は望ましいレベルに制御される。これについ
ては、フィルムの設置方法に関する以下の部分で詳細に
説明する。
【0033】まず、フィルムの設置(パス)について説
明する。放電電極により作られたイオンがフィルムの絶
縁面に到達し、かつフィルムに保持されるようにするた
めに、放電電極と接地電極の間、かつ絶縁面が放電電極
に面するように設置する必要がある。フィルムが放電電
極と接地電極の間に設置されない場合、放電電極により
作られたイオンが接地電極に流れてほとんどフィルムに
到達しない。また、フィルムの非絶縁面が放電電極に面
する場合、放電電極により作られたイオンがフィルムに
到達してもすぐに散逸していまう。
【0034】次に、フィルムの設置距離の作用について
説明する。
【0035】放電電極と前記フィルムの絶縁面との距離
1 は放電電極の構造によって異なるが、放電電極の放
電状態およびフィルムの帯電状態を制御するための重要
な要素である。例えば、放電電極として針電極列を使用
する場合、距離d1 が小さすぎると、帯電分布が極端に
不均一になったり、異常放電が発生したりする。逆に、
距離d1 が大きすぎるとフィルムの帯電を制御する効果
が低下する。一方、放電電極がロールやブレードである
場合、距離d1 =0でもよい。このような場合、ロール
などの電極をフィルム面に接触させることにより、ロー
ルの一部分とフィルムの間に数十μmの空隙が容易に形
成される。ロールのこの部分のみでパッシェンの法則に
従って放電が起き、ロールの他の部分では電荷の移動が
起こらない。
【0036】フィルムと接地電極との距離d2 +d3
εはフィルムの帯電電荷量を制御するための重要な要素
である。接地電極は表面が誘電体で被覆された金属ロー
ルの場合、ここでいう「接地電極」は誘電体被覆を除い
た部分である。d3 およびεは、それぞれ誘電体被覆の
厚さと比誘電率である。
【0037】導電面を持たないフィルムを例に挙げる。
フィルムと接地電極間の等価静電容量をC、フィルムの
表面帯電電荷をQとすると、フィルムの表面電位Vは、 V=Q/C によって表される。
【0038】ここで、等価静電容量Cは、フィルムと接
地電極との間の距離d2 +d3 /εとほぼ反比例の関係
にある。従って、等価静電容量Cが小、すなわち、距離
2+d3 /εが大では、フィルムの表面帯電電荷Qが
小さくてもフィルムの表面電位Vが上昇しフィルムへの
帯電電荷の増加を阻止する。この結果、フィルムの帯電
電荷が小さめのレベルに制御される。一方、等価静電容
量Cが大、すなわち、距離d2 +d3 /εが小では、フ
ィルムの表面電位Vが上昇せず、多量なイオンがフィル
ムに充電されることになる。この結果、フィルムの帯電
電荷が大きめのレベルに制御される。
【0039】以上のように、フィルムと接地電極との距
離d2 +d3 /εをある適当な範囲に設置すれば、フィ
ルムの帯電電荷をある適当なレベルに制御することがで
きる。特に次のような効果が見込まれる。
【0040】過剰な帯電は発生しにくい。
【0041】フィルムの移動速度が大きく変化しても
適正な帯電ができる。
【0042】局部的に強く帯電していたフィルムにも
有効である。
【0043】片面に導電性層を有するフィルムの場合、
導電層が普通すでに接地されているために、d2 +d3
/ε=0となる。したがって、フィルムの絶縁面と接地
電極間の距離は実質上誘電体層の厚さとなる。この場合
d/εはかなり小さい(d、εはそれぞれフィルム誘電
体層の厚さと比誘電率である)。このような場合、静電
容量Cが大きいためにフィルムの表面帯電電荷Qが高め
に制御されやすい。d1 の選定や印加電圧の値と周波数
の選定によってフィルムの帯電を必要なレベルに制御す
ることができる。
【0044】
【実施例】
実施例1 図1において、帯電制御機構4は放電電極41と接地電
極42とから構成されている。放電電極41は、間隔1
0mmの針電極列であり、フィルム幅方向の電極有効長
さは20mmである。接地電極42は、外径30mm、
肉厚6mmジュラコン(比誘電率約3.7)で被覆され
た金属ロールである。フィルム102と104は、厚さ
20μm、幅326mmのポリプロピレン(PP)フィ
ルム(東レ(株)製、“トレファン”(登録商標)、品
番20T2400)である。放電電極41とPPフィル
ム102表面の距離d1 は8mmとなっており、PPフ
ィルム102の下表面は接地ロール電極42の誘電体被
覆表面と接触している。すなわち、d2 =0、d3 =6
mm、ε=3.7となっている。放電電極41には、6
0Hz、6kV(rms)の交流電圧を印加した。
【0045】コンデンサ素子巻時のフィルムの流れは
【発明の実施の形態】の部分を参照する。
【0046】帯電状態の確認:巻き取られたフィルムコ
ンデンサ素子のPPフィルムに静電複写機のトナーをふ
りかけて帯電状態を可視化した。フィルムの移動方向に
おいて周期1.7mm〜17mmで正負電荷が交互に現
れていることを確認した。
【0047】ズレ防止効果:100個の素子中、ズレに
よる不良発生はゼロ個、シワによる不良発生は1個であ
った。
【0048】比較例1(帯電させない場合) 放電電極41が設置されていないことを除いて、使用し
たフィルムコンデンサ素子製造装置は図1に示したもの
と同じである。また、コンデンサ素子製造装置に供給さ
れたPPフィルム102と104の種類は実施例1と同
じである。
【0049】帯電状態の確認:巻き取られたフィルムコ
ンデンサ素子のPPフィルムに静電複写機のトナーをふ
りかけて帯電状態を可視化した。フィルムの移動方向に
おいて周期約70mmで正負電荷が交互に現れているこ
とを確認したが、トナーの付着が極めて淡い(これは、
コンデンサ素子製造装置に供給される前のフィルム帯電
状態と見なされる)。
【0050】ズレ現象の確認:1個の素子を巻終わる直
前にニップロール21,22が開放となり、切断部3で
両面蒸着紙101と103が先に切断される(図1参
照)。その後、PPフィルム102と104が先に(図
1では左方向)進んでいく。このとき切断された両面蒸
着紙101の先端がPPフィルムから浮き上がり、その
後垂れ下がってズレが生じる。
【0051】100個の素子中、40個ズレ不良が発生
した。シワによる不良はゼロ個。
【0052】比較例2(接地電極を備えない場合) 放電電極41が図4のように設置されていることを除い
て、使用したフィルムコンデンサ素子製造装置は、図1
に示したものと同じである(d1 =8mm)。放電電極
41には、60Hz、6kV(rms)の交流電圧を印
加した。また、コンデンサ素子製造装置に供給されたP
Pフィルム102と104の種類は、実施例1と同じで
ある。
【0053】帯電状態の確認:巻き取られたフィルムコ
ンデンサ素子のPPフィルムに静電複写機のトナーをふ
りかけて帯電状態を可視化した。フィルムの帯電状態
は、比較例1とほとんど同じである。これにより、放電
電極41によりフィルムに供給された電荷は極めて少な
いといえる。
【0054】ズレ現象の確認:「切断された両面蒸着紙
101の先端がPPフィルムから浮き上がり、その後垂
れ下がってズレが生じる」現象は比較例1と同じであ
る。
【0055】実施例2(放電電極が棒電極の場合) 帯電制御機構は図2に示す通りである。放電電極43は
幅Xが5mm、長さYが10mm、フィルムの幅方向の
長さが200mmの棒電極である(材質ステンレス
鋼)。接地電極44は、外径50mm、肉厚3mmシリ
コンゴム(比誘電率約3)で被覆された金属ロールであ
る。放電電極43とPPフィルム102との距離は約
1.5mmであり、PPフィルム102の下表面は接地
ロール電極44の誘電体被覆表面と接触している。すな
わち、d2 =0、d3 =3mm、ε=3となっている。
放電電極43には、2kHz、7kV(rms)の交流
電圧を印加した。帯電制御機構を除いて、使用したフィ
ルムコンデンサ素子製造装置は図1に示したものと同じ
である。また、コンデンサ素子製造装置に供給されたP
Pフィルム102と104の種類は実施例1と同じであ
る。
【0056】帯電状態の確認:巻き取られたフィルムコ
ンデンサ素子のPPフィルムに静電複写機のトナーをふ
りかけて帯電状態を可視化した。フィルムの表面に正と
負の電荷がランダムに現れていることを確認した。
【0057】ズレ防止効果:100個の素子中、ズレに
よる不良発生はゼロ個、シワによる不良発生は1個であ
った。
【0058】実施例3(放電電極がロール電極の場合) 帯電制御機構は図3に示す通りである。放電電極45は
外径20mm、フィルム幅方向長さ250mm、肉厚2
mmの導電性シリコンゴム(電気抵抗率約106 Ωc
m)で被覆された金属ロールである。接地電極46は、
外径50mmの金属ロール(材質ステンレス鋼)であ
る。放電電極45はPPフィルム102の表面と接触し
ており、PPフィルム102の下表面は接地ロール電極
46の表面と接触している。すなわち、d1 =0、d2
=0、d3 =0mmとなっている。放電電極45には、
60Hz、450V(rms)の交流電圧を印加した。
帯電制御機構を除いて、使用したフィルムコンデンサ素
子製造装置は図1に示したものと同じである。また、コ
ンデンサ素子製造装置に供給されたPPフィルム102
と104の種類は実施例1と同じである。
【0059】帯電状態の確認:巻き取られたフィルムコ
ンデンサ素子のPPフィルムに静電複写機のトナーをふ
りかけて帯電状態を可視化した。フィルムの移動方向に
おいて周期1.7mm〜17mmで正負電荷が交互に現
れていることを確認した。
【0060】ズレ防止効果:100個の素子中、ズレに
よる不良発生はゼロ個、シワによる不良発生は1個であ
った。
【0061】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
フィルムコンデンサ素子製造装置および製造方法によれ
ば、少なくとも1つの絶縁面を有するフィルムの帯電量
を有効に制御することができ、これによりフィルムどう
しの付着力や滑り性を制御し、ズレ(特に素子巻き替え
時のズレ)、滑り不良、シワ等が発生することなくフィ
ルムコンデンサ素子を製造することができた。
【0062】従って、本発明の第1の目的である「フィ
ルムの帯電量を有効に制御できる帯電制御装置を備える
フィルムコンデンサ素子製造装置を提供すること」が達
成できた。また、本発明のフィルムコンデンサ素子製造
装置を用いてフィルムの付着力や滑り性を制御し、ズレ
(特に素子巻き替え時のズレ)、滑り不良、シワ等が発
生することなくフィルムコンデンサ素子を製造するフィ
ルムコンデンサ素子製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルムコンデンサ素子製造装置
の一例を示す側面図である。
【図2】本発明に係るフィルムコンデンサ素子製造装置
の帯電制御機構の他の一例を示す側面図である。
【図3】本発明に係るフィルムコンデンサ素子製造装置
の帯電制御機構のさらに他の一例を示す側面図である。
【図4】対向接地電極を持たない帯電制御機構の一例を
示す側面図である。
【符号の説明】
1:フィルム供給機構 2:積層機構 3:切断部 4:帯電制御機構 11:両面蒸着紙ロール(上) 12:PPフィルムロール(上) 13:両面蒸着紙ロール(下) 14:PPフィルムロール(下) 21,22:ニップロール(ゴム) 41:放電電極(針電極列) 42:接地電極(肉厚6mmジュラコンで被覆された金
属ロール) 43:放電電極(棒電極) 44:接地電極(肉厚3mmシリコンゴムで被覆された
金属ロール) 44a:金属芯金(ステンレス鋼) 44b:シリコンゴム被覆層 45:放電電極(肉厚2mmの導電性シリコンゴムで被
覆された金属ロール) 46:接地電極(金属ロール) 51〜58:ガイドロール 101,103:両面蒸着紙 102,104:PPフィルム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムの供給機構と積層機構とを備え、
    かつ該供給機構と積層機構の間に配置される少なくとも
    1つの帯電制御機構を備えることを特徴とするフィルム
    コンデンサ素子の製造装置。
  2. 【請求項2】フィルムの供給機構、積層機構、切断機構
    とを備え、かつ該供給機構と切断機構の間に配置される
    少なくとも1つの帯電制御機構を備えることを特徴とす
    るフィルムコンデンサ素子の製造装置。
  3. 【請求項3】帯電制御機構として、電源に接続された放
    電電極と、該放電電極に対向してかつ100mm以下の
    距離を離して配置された接地電極を備えることを特徴と
    する請求項1または2記載のフィルムコンデンサ素子の
    製造装置。
  4. 【請求項4】接地電極として、接地された金属ロール、
    または接地された金属平板、または表面が誘電体で被覆
    された金属ロールを備えることを特徴とする請求項3記
    載のフィルムコンデンサ素子の製造装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム
    コンデンサ素子製造装置を用い、少なくとも1つの絶縁
    面をもつフィルムが前記の帯電制御機構を少なくとも1
    回通過するようにフィルムを走行させ、その後他のフィ
    ルムと積層させることを特徴とするフィルムコンデンサ
    素子の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項3または4のいずれかに記載のフィ
    ルムコンデンサ素子の製造装置を用い、少なくとも1つ
    の絶縁面をもつフィルムを前記放電電極と前記接地電極
    の間を通過するように走行させるとともに、前記フィル
    ムの絶縁面が前記放電電極に面するようにフィルムを配
    置することを特徴とするフィルムコンデンサ素子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】請求項3または4のいずれかに記載のフィ
    ルムコンデンサ素子の製造装置を用い、少なくとも1つ
    の絶縁面をもつフィルムが前記の帯電制御機構を少なく
    とも1回通過するようにフィルムを走行させるととも
    に、前記放電電極と前記フィルムの絶縁面との距離をd
    1 、該フィルム絶縁面の反対面と前記接地電極との間に
    介在する空気および誘電体層の厚さをそれぞれd2 ,d
    3 、該誘電体層の比誘電率をεとしたときに、0≦d1
    ≦50mm、0≦d2 +d3 /ε≦50mmの範囲とな
    るようにフィルムを配置することを特徴とするフィルム
    コンデンサ素子の製造方法。
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