JPH10208553A - 直流油浸電力ケーブル - Google Patents
直流油浸電力ケーブルInfo
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- JPH10208553A JPH10208553A JP1069797A JP1069797A JPH10208553A JP H10208553 A JPH10208553 A JP H10208553A JP 1069797 A JP1069797 A JP 1069797A JP 1069797 A JP1069797 A JP 1069797A JP H10208553 A JPH10208553 A JP H10208553A
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Abstract
ーブルの温度変動に起因する油浸絶縁体中での脱油ボイ
ドの生成を防止し、かつ、ケーブル製造時において絶縁
油の含浸が速やかに行われるようにする。 【解決手段】 油浸絶縁体に含浸される高粘度絶縁油と
して、ポリブテンを主体とし、40℃における動粘度が
25000〜40000cstであり、100℃におけ
る動粘度が600〜1000cstであるものを使用す
る。
Description
力ケーブル等に好適に用いられ、高粘度の絶縁油を含浸
した非加圧タイプの直流油浸電力ケーブルに関する。
浸絶縁ケーブルが用いられている。また、直流送電ケー
ブルは長尺の海底ケーブルに適用されることが多い。こ
のため超高圧直流送電用の長尺海底ケーブルとしては、
条長が極めて長くなることから、低粘度の絶縁油を含浸
した油加圧タイプの油浸絶縁ケーブルでは油圧の伝播に
限度があるため、高粘度の絶縁油を含浸した無加圧タイ
プの油浸絶縁ケーブル、いわゆるMIND(Mass
Impregnated Non Draining)
ケーブルが用いられることになる。
絶縁油が完全に含浸されている状態では良好な直流破壊
特性を示す。しかしながら、例えばヒートサイクルなど
が加わったりすると、温度上昇時に絶縁層に含浸されて
いる絶縁油が熱膨張により外部遮蔽層側に押し出され、
温度下降時には押し出された絶縁油が非加圧のために完
全に元に戻り切らず、冷却収縮に基づく脱油ポイド(気
泡)が油浸絶縁体中に生成することになる。また、この
ケーブルを高低差の激しい個所に布設した時にも重力に
よる絶縁油の移動により脱油ボイドが形成される。
の生成を抑制するためには、さらに粘度の高い絶縁油を
使用し、温度上昇時においても絶縁油が油浸絶縁体中を
移動しにくいようにすることが考えられる。しかしなが
ら、このような高粘度の絶縁油を使用すると、ケーブル
製造時の含浸工程において含浸時間が長くなり、生産性
の点で難がある。
る課題は、直流油浸電力ケーブルにおいて、温度変動な
どによる脱油ボイドの生成を防止し、しかもケーブル製
造時において絶縁油の含浸が速やかに行えるようにする
ことにある。
体に含浸される高粘度絶縁油として、ポリブテンを主体
とし、40℃における動粘度が25000〜40000
センチストークス(以下、cstと表す。)であり、1
00℃における動粘度が600〜1000cstである
ものを用いることによって解決できる。
範囲では、動粘度が非常に高く、この温度領域でのヒー
トサイクルでは、脱油ボイドが生成しにくい。一方、1
00℃付近では動粘度が急激に低下するのでケーブル製
造の際の含浸工程に長時間を要することはない。
本発明で用いられる高粘度絶縁油は、ポリブテンを主体
とするものである。ポリブテンは、下記一般式で示され
る構造のものであって、平均分子量が800〜1500
程度のものが好適である。ポリブテンは、一般式からも
明らかなように、分子末端に二重結合を有し、この二重
結合により放電時のガス吸収性に優れており、塩化アル
ミニウムなどの重合触媒の残渣を完全に除去することに
より、優れた誘電特性を持つものとなる。
ものとしては、「日石ポリブテンHV−300」(商品
名、日本石油化学(株)製)「出光ポリブテン300
R」(商品名、出光石油化学(株)製)などが挙げられ
る。
る動粘度が25000〜40000cstであり、10
0℃における動粘度が600〜1000cstであるこ
とが必要である。ポリブテン単独でこのような動粘度の
条件を満さない場合には、ポリブテンに高粘度鉱油、ナ
フテン系合成油、パラフィン系合成油、ポリイソブチレ
ン、プタジエンなどのゴム、ポリエチレンなどのプラス
チック等のポリマーを添加することにより、上記粘度条
件を満たすことができる。絶縁油の40℃における動粘
度が25000cst未満ではヒートサイクルなどによ
る脱油ボイドを防止することが困難であり、40000
cstを越えると平均分子量が大きくなり、絶縁体への
含浸時間が長くなる。また、100℃における動粘度が
1000cstを越えると絶縁体への含浸が迅速に行わ
れず、600cst未満になると脱油しやすくなる。
に絶縁紙を巻回し、これに上述の高粘度絶縁油を含浸し
て形成した油浸絶縁体を有するものである。高粘度絶縁
油の絶縁紙への含浸は、巻回状態にある絶縁紙を予め真
空乾燥し、水分等を除去し、これに90〜110℃程度
に加温した上記絶縁油を含浸させる方法などによって行
われ、加温状態では絶縁油の粘度が十分に低下している
ので、含浸は速やかに進行する。
いが、通常のクラフト紙の他に直流特性の優れたプラス
チックフィルムラミネート紙を用いることが好ましい。
プラスチックフィルムラミネート紙は、クラフト紙の両
面にプラスチックフィルムを貼り合わせたものである。
プロピレン、ポリ−4−メチルベンテン−1、ポリブテ
ン−1、ポリエチレンなどの無極性ポリオレフィンやテ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロポリプロピレン
共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
などのフッ素樹脂からなる厚さ20〜150μmのもの
が用いられる。これらのなかでもポリプロピレンホモポ
リマーからなるものが好ましい。
0ガーレ秒以上でかつ密度が0.70g/cm3 以上の
高気密度でかつ高密度の層と、気密度が100ガーレ秒
以上でかつ密度が0.70g/cm3 以下の低気密度で
かつ低密度の層とからなる多層構造のクラフト紙を用
い、その低気密度で低密度の層をプラスチックフィルム
と接するように貼り合わせたものが、プラスチックフィ
ルムとクラフト紙との接着強度を高めることができて好
ましい。
巻回後の真空乾燥および絶縁油含浸を容易とし、その作
業時間を短縮するために、ラミネート紙の表面に微細な
凹凸を形成するエンボス処理を施したものやプラスチッ
クラミネート紙の表面の幅方向に微小な溝を多数形成し
たものなどを用いてもよい。
ように絶縁油を常時加圧しないMINDケーブルとして
使用され、主に長尺直流送電用海底ケーブルとして用い
られる。このため、海水の温度、布設ルートの高低差な
どによって、使用する高粘度絶縁油の動粘度の異なるも
のを選択することがよく、水温が高い場合、高低差の大
きい場合には、40℃での動粘度が40000cstに
近い高粘度のものが好ましい。
は、20〜60℃の常用温度領域では、絶縁油の動粘度
が非常に高く、この温度領域内での温度変化によっても
脱油ボイドが生成されることはほとんどなく、脱油ボイ
ドに起因する直流絶縁破壊特性の低下が抑えられる。ま
た、このケーブルの製造に際しては、絶縁油を約100
℃付近まで加熱することにより動粘度が極めて低くなる
ので、巻回状態の絶縁紙への絶縁油の含浸が速やかに行
われ、生産性が低下することがない。
用意した。 A)「日石ポリブテンHV−300」単独 40℃の動
粘度28000cst、100℃の動粘度590cs
t。 B)「日石ポリブテンHV−300」に低密度ポリエチ
レンを5重量%添加し、溶解したもの。40℃の動粘度
2900cst、100℃の動粘度600cst。 C)「日石ポリブテンHV−300」に分子量150万
のポリイソブチレンを5重量%添加し、溶解したもの。
40℃の動粘度3500cst、100℃の動粘度70
0cst。 D)ポリブテン「LV−25E」(商品名、日本石油化
学製)単独、40℃の動粘度52.5cst、100℃
の動粘度6.4cst。
クラフト紙(密度1.0g/cm3)を巻回し、これに
上記4種の高粘度絶縁油を約100℃に加熱して含浸
し、厚さ5mmの油浸絶縁体を形成してモデルケーブル
とした。このモデルケーブルに25℃〜60℃のヒート
サイクルを加えたのち、その直流破壊電圧を測定した。
結果を表1に示す。
すA、B、C、の高粘度絶縁油を使用したモデルケーブ
ルでは、直流破壊電圧が高く脱油ボイドの生成が抑えら
れていることがわかる。また、巻回状態の絶縁紙への含
浸も速やかに行れたことが確認できた。
電力ケーブルによれば、ケーブルに温度変化が加わった
りあるいはケーブルが高低差の大きな箇所に布設された
りしても、これらの要因によってその油浸絶縁体に脱油
ボイドが生成されることが防止され、電気特性が低下す
ることがない。また、ケーブルの製造の際には、加熱状
態の絶縁油が十分に低粘度となるので、絶縁紙への含浸
作業が速やかに行われ、生産性が良いものとなる。さら
に、放電時に生成するガスを絶縁油が吸収し、これによ
る特性低下も防止できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 導体上に絶縁紙を巻回し、これに高粘度
絶縁油を含浸した油浸絶縁体を有する直流油浸電力ケー
ブルであって、 高粘度絶縁油が、ポリブテンを主体とし、40℃におけ
る動粘度が25000〜40000センチストークスで
あり、100℃における動粘度が600〜1000セン
チストークスであることを特徴とする直流油浸電力ケー
ブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01069797A JP3973722B2 (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 直流油浸電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01069797A JP3973722B2 (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 直流油浸電力ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10208553A true JPH10208553A (ja) | 1998-08-07 |
JP3973722B2 JP3973722B2 (ja) | 2007-09-12 |
Family
ID=11757489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01069797A Expired - Fee Related JP3973722B2 (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 直流油浸電力ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3973722B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001093279A3 (en) * | 2000-05-31 | 2002-06-27 | Abb Ab | Insulated electric cable |
-
1997
- 1997-01-23 JP JP01069797A patent/JP3973722B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001093279A3 (en) * | 2000-05-31 | 2002-06-27 | Abb Ab | Insulated electric cable |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3973722B2 (ja) | 2007-09-12 |
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