JP2001093334A - 絶縁油およびこれを用いた直流油浸電力ケーブル - Google Patents

絶縁油およびこれを用いた直流油浸電力ケーブル

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JP2001093334A
JP2001093334A JP26627699A JP26627699A JP2001093334A JP 2001093334 A JP2001093334 A JP 2001093334A JP 26627699 A JP26627699 A JP 26627699A JP 26627699 A JP26627699 A JP 26627699A JP 2001093334 A JP2001093334 A JP 2001093334A
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insulating
insulating oil
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cable
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JP26627699A
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Koichi Iinuma
浩一 飯沼
Susumu Takahashi
享 高橋
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体上に絶縁紙を巻回し、これに高粘度の絶
縁油を含浸してなる油浸絶縁体を有する直流油浸電力ケ
ーブルにおいて、ヒートサイクルなどによる油浸絶縁体
中の脱油ボイドの生成を防止し、ケーブル製造時の絶縁
油の含浸を速やかに行えるようにする。 【解決手段】 JISC2101の8による動粘度が6
0℃で500〜10,000cstで、120℃で50
〜500cstであり、かつ60℃におけるズリ剪断速
度が100〜101/secの範囲での見掛け粘度をη1
とし、ズリ剪断速度が 10-3〜10-2/secの範囲
での見掛け粘度η2としたとき、η2/η1≧3で ある高
粘度の絶縁油を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流ケーブルに
好適な高粘度の絶縁油およびこれを使用した直流油浸電
力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】海底ケーブルなどに適用される超高圧直
流送電用の電力ケーブルとして、導体上に絶縁紙を巻回
し、これに高粘度の絶縁油を含浸してなる油浸絶縁体を
有する非油加圧タイプの油浸電力ケーブル、いわゆるM
IND(マス・インプレグネイテッド・ノン・ドレイン
ニング)ケーブルが用いられている。このMINDケー
ブルにあっては、これにヒートサイクルが加わると、温
度上昇時に絶縁体に含浸されている絶縁油が熱膨張によ
り、絶縁体の外側に押し出され、温度下降時に押し出さ
れた絶縁油が、加圧されていないことから、元に十分戻
りきらなず、これによって脱油ボイドが生じることがあ
る。このような脱油ボイドが絶縁体に生じると、絶縁破
壊特性が低下することになる。
【0003】このような観点から、MINDケーブル用
の絶縁油には、ヒートサイクルの上限温度である60℃
付近での動粘度が10000〜40000cst(セン
チストークス)程度の高粘度絶縁油が選択、使用されて
いる。しかし、60℃付近での動粘度が高い絶縁油で
は、絶縁油の絶縁紙への含浸が困難となり、絶縁油を1
00〜120℃に加熱しても、すみやかに含浸すること
ができない不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、MINDケーブルにヒートサイクルが加わっ
ても脱油ボイドが生じにくく、しかも絶縁紙への含浸が
速やかに行うことが出来るできる絶縁油を得ることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、動粘度が
60℃で500〜10,000cstで、120℃で5
0〜500cstであり、かつ60℃におけるズリ剪断
速度が100〜101/secの範囲での見掛け粘度をη
1とし、ズリ剪断速度が10-3〜10-2/secの範囲
での見掛け粘度をη2としたときη2/η1≧3である絶
縁油によって解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の絶縁油は、上述の通り、JISC2101の8
の規定に従って測定された動粘度が60℃では500〜
10,000cstであり、120℃では、50〜50
0cstであり、かつ60℃におけるズリ剪断速度が1
0〜101/secの範囲での見掛け粘度をη1とし、
ズリ剪断速度が103〜102/secの範囲での見掛け
粘度をη2としたときに、η2/η1≧3である関係を満
たすものである。
【0007】このような特性を具備する絶縁油として
は、具体的には鉱油,合成油をベースとして、これにポ
リプデン,ゴムなどのポリマーを溶解したものが挙げら
れる。このような絶縁油は、非ニュートン流体であり、
ニュートン流体に適用される粘度は意味を持たず、非ニ
ュートン流体には見掛け粘度が適用される。この見掛け
粘度は、流体に(絶縁油)に作用する応力または剪断速
度の関数として表わされる。
【0008】そして、この非ニュートン流体である絶縁
油は、図1に示すように、応力を一定とすると、ズリ剪
断速度が大きくなると見掛け粘度は低下し、ズリ剪断速
度が小さくなると見掛け粘度は増大することが知られて
いる。ところで、絶縁油の含浸時および脱油ボイド生成
時の挙動を検討してみると、含浸時では、絶縁油を積極
的に加圧して流動性に富んだ状態とするため、そのズリ
剪断速度は、比較的大きく100〜101/secの範囲
となる。一方、脱油ボイド生成時では、絶縁油が極めて
狭い空隙を自由移動するため、ズリ剪断速度は極めて遅
く、10-3〜10-2/secの範囲となる。
【0009】したがって、ずり剪断速度が100〜101
/secの範囲では見掛け粘度がなるべく小さく、10
-3〜10-2/secの範囲では見掛け粘度がなるべく大
きくなるような絶縁油を用いることが好ましいことにな
る。このような点から、本発明では、60℃におけるズ
リ剪断速度が100〜101/secの範囲の見掛け粘度
をη1とし、10-3〜10-2/sceの範囲の見掛け粘
度をη2としたとき、その比η2/η1が3以上、好まし
くは10以上となる絶縁油を使用することで、含浸が速
やかに行われ、しかも脱油ボイドが生成されにくくなる
効果が得られるようにした。η2/η1が3未満である
と、かかる効果を得ることができない。
【0010】一方、絶縁油の実際の流動は、絶縁油の見
掛け粘度によるのではなく、ナビエーストークスの運動
方程式から導きかれるように、粘度と密度との比である
動粘度によって支配される。このため、本発明では、動
粘度によっても絶縁油の粘性を規定するようにしてい
る。60℃での動粘度が500cst未満では流動性が
大きく、ケーブル使用時の脱油性が大きくなる。また、
120℃での動粘度が500cstを越えるとケーブル
製造時の絶縁体への油の含浸が困難となる。また、絶縁
油の温度−粘度特性から、120℃での動粘度を500
cst以下にしようとすれば、必然的に60℃では、1
0,000cst程度となり、60℃での動粘度を50
0cstとすれば、同様に120℃では50cst程度
となる。
【0011】表1は、種々の絶縁油A〜Dについての6
0℃および120℃での動粘度、60℃におけるズリ剪
断速度が5×100/secおよび1×10-2/sec
での見掛け粘度η1,η2およびその比η2/η1をそれぞ
れ実測して示したものである。
【0012】
【表1】
【0013】表1から、60℃および120℃での動粘
度がそれぞれ等しくても、遅いズリ剪断速度での見掛け
粘度(η2)が10倍以上も異なる絶縁油があることが
わ かる。したがって、動粘度と見掛け粘度の比とによ
って絶縁油の粘性を規定することが有意義であることが
理解できる。表1に示された絶縁油のうち、AおよびC
の絶縁油が本発明の絶縁油として使用される。図2に示
したグラフは、表1に示した絶縁油A〜Dのズリ剪断速
度と見掛け粘度との関係を示したものであり、Aおよび
Cの絶縁油が見掛け粘度のズリ剪断速度依存性が大きい
ものであることがわかる。
【0014】本発明の直流油浸電力ケーブルは、導体上
に絶縁紙を巻回し、これに上述の絶縁油を含浸してなる
油浸絶縁体を有するものである。ここでの絶縁紙として
は、特に限定されないが、通常のクラフト紙、直流ケー
ブル用高密度紙(密度0.9〜1.2g/cm3、気密
度2000ガーレ秒以上)の他に直流特性の優れたプラ
スチックフィルムラミネート紙を用いることが好まし
い。プラスチックフィルムラミネート紙は、クラフト紙
の両面にプラスチックフィルムを貼り合わせたものであ
る。このプラスチックフィルムとしては、ポリピロプレ
ン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブデン−1、
ポリエチレンなどの無極性ポリオレフィンやテトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロポリプロピレン共重合
体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体などの
フッ素樹脂からなる厚さ20〜150μmのものが用い
られる。これらのなかでもポリプロピレンホモポリマー
からなるものが好ましい。
【0015】また、クラフト紙として、気密度が500
0ガーレ秒以上でかつ密度が0.70g/cm3以上の
高気密度でかつ高密度の層と、気密度が100ガーレ秒
以下でかつ密度が0.70g/cm3以下の低気密度で
かつ低密度の層とからなる 多層構造のクラフト紙を用
い、その低気密度で低密度の層をプラスチックフィルム
と接するように貼り合わせたものが、プラスチックフィ
ルムとクラフト紙との接着強度を高めることができて好
ましい。また、プラスチックラミネート紙として、巻回
後の真空乾燥および絶縁油含浸を容易とし、その作業時
間を短縮するために、ラミネート紙の表面に微細な凹凸
を形成するエンボス処理を施したものやプラスチックラ
ミネート紙の表面の幅方向に微少な溝を多数形成したも
のなどを用いてもよい。
【0016】巻回状態の絶縁紙への絶縁油の含浸は、導
体上に巻回された絶縁紙を予め真空乾燥して、水分等を
除去し、これに100〜130℃程度に加熱した上述の
絶縁油を含浸させる方法などによって行われるが、絶縁
紙に絶縁油を浸透させる直前まで絶縁油を攪拌するなど
して高いズリ剪断速度を与えて、低粘度状態としておく
ことが、含浸性が向上して望ましい。
【0017】このように、本発明の絶縁油および直流油
浸電力ケーブルにあっては、絶縁油が高いズリ剪断速度
では見掛け粘度が低下するため、絶縁紙への絶縁油の含
浸の際には、攪拌,圧送などの高いズリ剪断速度が与え
られることから、低い見掛け粘度となり、しかも加熱さ
れて動粘度も低下しているので、その含浸は極めて速や
かに行われる。また、このケーブルにヒートサイクルが
加わっても、油浸絶縁体中に含浸された絶縁油がその外
側に押し出される際のズリ剪断速度が非常に遅いので、
見掛け粘度が大きくなり、かつ60℃での動粘度も高い
ので、含浸された絶縁油は油浸絶縁体内をほとんど移動
することがなく、ヒートサイクルによる脱油ボイドの生
成が防止される。
【0018】また、このケーブルを海底ケーブルなどの
高低差の激しい箇所に布設しても、同様の理由により、
絶縁油が重力によっても移動することがなく、ケーブル
の高い位置にある部分に脱油ボイドが生じることもな
い。したがって、このケーブルでは、脱油ボイドに起因
する絶縁破壊特性の低下はなく、直流275kv以上の
超高圧直流送電用のMINDケーブルとして有用なもの
となる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
絶縁油の絶縁紙への含浸が速やかに行うことができ、生
産性が高められ、しかもケーブルにヒートサイクルが加
わっても絶縁油の移動が抑えられ、脱油ボイドの生成が
防止でき、絶縁破壊特性が低下することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な絶縁油のズリ剪断速度と見掛け粘度
の関係を示すグラフである。
【図2】 4種の絶縁油A〜Dのズリ剪断速度と見掛け
粘度の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 裕之 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 5G305 AA02 AB02 AB36 BA03 BA14 BA23 BA26 CB28 CB29 5G311 FA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JISC2101の8による動粘度が6
    0℃で500〜10,000cstで、120℃で50
    〜500cstであり、 かつ、60℃におけるズリ剪断速度が100〜10-1
    secの範囲での見掛け粘度をη1とし、ズリ剪断速度
    が10-3〜10-2/secの範囲での見掛け粘度をη2
    としたとき、η2/η1≧3である絶縁油。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の絶縁油を含浸した油浸
    絶縁体を有する直流油浸電力ケーブル。
JP26627699A 1999-09-20 1999-09-20 絶縁油およびこれを用いた直流油浸電力ケーブル Pending JP2001093334A (ja)

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