JPH10206460A - 初期補正係数演算装置 - Google Patents
初期補正係数演算装置Info
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- JPH10206460A JPH10206460A JP9012748A JP1274897A JPH10206460A JP H10206460 A JPH10206460 A JP H10206460A JP 9012748 A JP9012748 A JP 9012748A JP 1274897 A JP1274897 A JP 1274897A JP H10206460 A JPH10206460 A JP H10206460A
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Abstract
る初期補正係数演算装置を提供する。 【解決手段】CPU2bは、車両が直線走行をしている
と判別された場合に、前左右タイヤおよび後左右タイヤ
の各回転角速度比に基づいて、初期補正係数K 1 ,K2
を算出し、また同時に惰性走行をしていると判別された
場合に、さらにこの算出された初期補正係数K1 および
K2 、ならびに前タイヤと後タイヤとの回転角速度比に
基づいて、初期補正係数Kxを算出する。さらに、車両
がコーナリング走行をしていると判別された場合に、初
期補正係数Kyを算出する。初期補正係数Kxと初期補
正係数Kyとを比較し、精度の高い方を最終的な初期補
正係数K3 とする。 【効果】車両を試験的に走行させなくても、ユーザが意
識しないうちに、高精度な初期補正係数K1 〜K3 を得
ることができるから、ユーザの負担が軽減する。
Description
気圧低下検出装置に用いられ、タイヤの初期差異による
有効ころがり半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排除
するための初期補正係数を求める初期補正係数演算装置
に関する。
の安全装置の1つとして、タイヤの空気圧低下を検出す
る装置(DWS)の開発が行われ、一部では実用化され
ている。タイヤの空気圧低下の検出方法の1つに、たと
えば車両に装着されている4つのタイヤW1 ,W2 ,W
3 ,W4 の各回転角速度F1 ,F2 ,F3 ,F4 の違い
を利用する方法がある。この方法は、回転角速度Fi (i
=1,2,3,4)がタイヤWiの空気圧の状況に応じて変化す
ることを利用したものである。すなわち、いずれかのタ
イヤWi の空気圧が低下すると、当該タイヤWi の有効
ころがり半径が減少し、その結果当該タイヤWi の回転
角速度Fi は速くなる。そのため、回転角速度Fi の違
いに基づけば、タイヤWi の空気圧低下を判定できる。
った状態で自由転動しているタイヤWi が1回転により
進んだ距離を2πで割った値である。回転角速度Fi の
違いに基づいてタイヤWi の空気圧低下を検出する際に
用いられる判定値は、たとえば下記(1) 式により求めら
れる(特開昭63-305011 号公報、特開平4-212609号公報
など参照。)
じであるとすれば、各回転角速度F i はすべて同じとな
る(F1 =F2 =F3 =F4 )。この場合、判定値Dは
0である。そこで、しきい値DTH1 ,DTH2 (ただし、
DTH1 ,DTH2 >0)が設定される。そして、下記(2)
式に示す条件が満足された場合は、空気圧が低下してい
るタイヤがあると判定される。この条件が満足されなか
った場合には、タイヤは正常内圧であると判定される。
の製造時に生じる規格内でのばらつき(以下「初期差
異」という。)を含む。すなわち、4つのタイヤWi が
すべて正常内圧であっても、初期差異のために、4つの
タイヤWi の有効ころがり半径は相異なる。これに伴
い、タイヤWi の回転角速度Fi はばらつく。その結
果、判定値Dは0以外の値になるおそれがある。そのた
め、空気圧が低下していないのに空気圧が低下している
と誤検出されるおそれがある。よって、空気圧低下検出
を高精度に行うためには、検出される回転角速度Fi か
ら初期差異の影響を排除する必要がある。
期差異の影響を排除するための技術として、たとえば本
出願人が特願平8−58039号において提案した技術
を適用することが考えられる。この技術では、まず、初
期補正係数K1 ,K2 ,K3 が下記(3) ないし(5) 式に
示すようにして算出される。
W2 間の初期差異による有効ころがり半径の差を補正す
るための係数である。初期補正係数K2 は、後左右タイ
ヤW 3 ,W4 間の初期差異による有効ころがり半径の差
を補正するための係数である。初期補正係数K3 は、前
タイヤW1 と後左右タイヤW3 ,W4 との間の初期差異
による有効ころがり半径の差を補正するための係数であ
る。
ないしK3 を用いて下記(6) ないし(9) 式に示すように
して回転角速度Fi が補正され、新たな回転角速度F1
i が求められる。これにより、回転角速度Fi からの初
期差異による影響の排除が図られている。 F11 =F1 ‥‥(6) F12 =K1 ×F2 ‥‥(7) F13 =K3 ×F3 ‥‥(8) F14 =K2 ×K3 ×F4 ‥‥(9) 初期補正係数K1 ないしK3 を算出するときには、車両
は、直線走行で、かつ惰性走行をしている必要がある。
すなわち、車両が直線走行で、かつ惰性走行をしていれ
ば、タイヤのスリップ率の影響が回転角速度Fi にほと
んど影響せず、その結果、初期差異による有効ころがり
半径の差を忠実に表した初期補正係数K 1 ないしK3 を
得ることができるからである。とりわけ、初期補正係数
K3 は、前タイヤと後タイヤとの間の回転角速度比に基
づいて求められるから、駆動トルクまたは制動トルクを
ほぼ0にして駆動タイヤのスリップ率の影響を確実に排
除しておく必要がある。したがって、初期差異によるタ
イヤの有効ころがり半径の差異を忠実に表した初期補正
係数を得るには、車両を直線走行で、かつ惰性走行させ
ることが必須条件となる。
低下検出装置には、車両が直線走行で、かつ惰性走行を
していることを自動的に検出する手段が備えられていな
い。したがって、前記提案技術にかかるタイヤ空気圧低
下検出装置においては、初期補正係数K1 ないしK3 の
算出は、ユーザによる初期化スイッチの操作に応答して
開始されるようにされている。すなわち、初期補正係数
K1 ないしK3 を算出する場合、ユーザは、意図的に、
車両を直線走行で、かつ惰性走行させ、そのうえで初期
化スイッチを操作する。これにより、車両が直線走行
で、かつ惰性走行をしていることが装置に知らせられ
る。
に用いられる道路として考えられるのは、通常、公道で
ある。しかしながら、慢性的な交通渋滞や直線路が少な
いなどの現状の道路環境を鑑みると、車両を意図的に公
道において直線走行で、かつ惰性走行させることは非常
に困難であり、また交通安全上の観点からもあまり好ま
しくない。そのため、正確な初期補正係数を簡単に求め
る技術が望まれている。
題を解決し、正確な初期補正係数を簡単に求めることが
できる初期補正係数演算装置を提供することである。
の請求項1記載の発明は、車両に装着された4つのタイ
ヤの回転角速度を検出する回転角速度検出手段の出力を
補正するための補正係数を演算する装置であって、車両
が直線走行をしているか否かを判別するための手段と、
車両が惰性走行をしているか否かを判別するための手段
と、車両が直線走行をしていると判別された場合に、上
記回転角速度検出手段の出力に基づいて、前左右タイヤ
間の初期差異による有効ころがり半径の差が回転角速度
に及ぼす影響を排除するための初期補正係数K1 、およ
び後左右タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の
差が回転角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正
係数K2 を算出する手段と、車両が直線走行をしている
と判別され、かつ車両が惰性走行をしていると判別され
た場合に、上記算出された初期補正係数K1 および
K2 、ならびに上記回転角速度検出手段の出力に基づい
て、前タイヤと後タイヤとの間の初期差異による有効こ
ろがり半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排除するた
めの初期補正係数K3 を算出する手段とを含むことを特
徴とする初期補正係数演算装置である。
にしろ、惰性走行はしていないけれども直線走行をして
いたり、直線走行で、かつ惰性走行をしていたりすると
きがある。本発明では、この点に着目し、車両が直線走
行をしているか否かを判別し、その結果車両が直線走行
をしている場合には、惰性走行をしていない場合であっ
ても、初期補正係数K1 およびK2 を算出するようにし
ている。さらに、車両が惰性走行をしているか否かも判
別し、その結果車両が直線走行をしており、しかも車両
が惰性走行をしている場合には、初期補正係数K3 を算
出するようにしている。すなわち、車両が直線走行で、
かつ惰性走行をしていることが自動的に検出されたうえ
で、初期補正係数K1 ないしK3 が算出される。したが
って、ユーザが意図的に車両を直線走行で、かつ惰性走
行させなくてもよいから、正確な初期補正係数を簡単に
算出することができる。
4つのタイヤの回転角速度を検出する回転角速度検出手
段の出力を補正するための補正係数を演算する装置であ
って、車両が直線走行をしているか否かを判別するため
の手段と、車両が直線走行をしていると判別された場合
に、上記回転角速度検出手段の出力に基づいて、前左右
タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差が回転
角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係数
K1 、および後左右タイヤ間の初期差異による有効ころ
がり半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排除するため
の初期補正係数K2を算出する手段と、上記回転角速度
検出手段の出力に基づいて、車両の横方向加速度LAを
算出するための手段と、上記回転角速度検出手段の出力
に基づいて、タイヤ空気圧低下判定のための判定値Dを
算出するための手段と、上記算出された車両の横方向加
速度LAおよび判定値Dを所定の第1演算式に代入する
ことにより、タイヤのスリップ率Rsを求めるための手
段と、上記算出された車両の横方向加速度LAに基づい
て、車両がコーナリング走行中であるか否かを判別する
ための手段と、車両がコーナリング走行中であると判別
された場合に、上記回転角速度検出手段の出力、上記算
出された初期補正係数K1 およびK2 、ならびに上記算
出されたスリップ率Rsを所定の第2演算式に代入する
ことにより、前タイヤと後タイヤとの間の初期差異によ
る有効ころがり半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排
除するための初期補正係数K3 を算出する手段とをさら
に含むことを特徴とする初期補正係数演算装置である。
ヤ空気圧低下判定のための判定値Dを求める際に、各タ
イヤの回転角速度F1 ,F2 ,F3 ,F4 から初期差異
による影響を除去する目的で用いられる。一方、回転角
速度F1 〜F4 はコーナリング走行時における車両の荷
重移動によってもばらつくから、判定値Dを求める際に
は、この車両の荷重移動による回転角速度F1 〜F4 の
ばらつきを補正する必要がある。この補正のために用い
られる式は、たとえば下記(10)式のとおりである。下記
(10)式において、A1およびA2は定数である。
ヤの回転角速度との比に相当するから、たとえばFF
(フロントエンジン・フロントドライブ)車の場合、下
記(11)式のように表せる。
タイヤ交換後などの4つのタイヤがすべて正常内圧であ
る場合に算出される。したがって、初期補正係数K1 〜
K3が正確に定められているとすれば、コーナリング走
行中には判定値D′は0となるはずである。そこで、上
記(10)式のD′に0を代入し、スリップ率Rsについて
整理すると、下記(12)式が得られる。この(12)式が第1
演算式に相当する。
方向加速度LAおよび判定値Dに基づいて算出すること
ができる。そこで、この(12)式で表されるスリップ率R
sを上記(11)式に代入し、K3 について整理すると、下
記(13)式が得られる。この(13)式が第2演算式に相当す
る。
K2 、スリップ率Rs、ならびに回転角速度F1 ないし
F4 に基づいて、初期補正係数K3 を算出することがで
きる。この初期補正係数K3 を算出するための(13)式
は、コーナリング走行時における車両の荷重移動を回転
角速度Fi から排除するための式から導出されているか
ら、車両がコーナリング走行をしている場合に、高精度
な初期補正係数K3 を算出することができる。したがっ
て、たとえば車両が通常走行時に直線走行で、かつ惰性
走行をしていなくても、コーナリング走行をしてさえい
れば、高精度な初期補正係数K3 を算出することができ
る。
場合には、スリップ率Rsの大きさによっては、初期補
正係数K3 に誤差が含まれる場合がある。そこで、たと
えば請求項3記載の発明のように、上記スリップ率Rs
が予め定める範囲に含まれるか否かを判別するための手
段と、スリップ率Rsが上記範囲に含まれると判別され
た場合には、上記初期補正係数K3 の算出を禁止する手
段とをさらに含むようにすれば、初期補正係数K3 の誤
算出を防ぐことができる。
4つのタイヤの回転角速度を検出する回転角速度検出手
段の出力を補正するための補正係数を演算する装置であ
って、車両が直線走行をしているか否かを判別するため
の手段と、車両が惰性走行をしているか否かを判別する
ための手段と、車両が直線走行をしていると判別された
場合に、上記回転角速度検出手段の出力に基づいて、前
左右タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差が
回転角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係数
K1 、および後左右タイヤ間の初期差異による有効ころ
がり半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排除するため
の初期補正係数K2 を算出するための手段と、車両が直
線走行をしていると判別され、かつ車両が惰性走行をし
ていると判別された場合に、上記算出された初期補正係
数K1 およびK2 、ならびに上記回転角速度検出手段の
出力に基づいて、前タイヤと後タイヤとの間の初期差異
による有効ころがり半径の差が回転角速度に及ぼす影響
を排除するための初期補正係数Kxを算出するための手
段と、上記回転角速度検出手段の出力に基づいて、車両
の横方向加速度LAを算出するための手段と、上記回転
角速度検出手段の出力に基づいて、タイヤ空気圧低下判
定のための判定値Dを算出するための手段と、上記算出
された車両の横方向加速度LAおよび判定値Dを所定の
第1演算式に代入することにより、タイヤのスリップ率
Rsを算出するための手段と、上記算出された車両の横
方向加速度LAに基づいて、車両がコーナリング走行中
であるか否かを判別するための手段と、車両がコーナリ
ング走行中であると判別された場合に、上記回転角速度
検出手段の出力、上記算出された初期補正係数K1 およ
びK2 、ならびに上記算出されたスリップ率Rsを所定
の第2演算式に代入することにより、前タイヤと後タイ
ヤとの間の初期差異による有効ころがり半径の差が回転
角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係数Ky
を算出するための手段と、上記算出された初期補正係数
KxおよびKyのうちいずれの方が精度が高いかを判別
するための手段と、精度が高いと判別された方を、最終
的に、前タイヤと後タイヤとの間の初期差異による有効
ころがり半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排除する
ための初期補正係数K3 とする手段とを含むことを特徴
とする初期補正係数演算装置である。
走行をしている場合に算出された初期補正係数Kxと、
車両がコーナリング走行をしている場合に算出された初
期補正係数Kyとのうち精度の高い方はいずれであるか
が比較され、その結果精度の高い方を最終的な初期補正
係数K3 とすることにしている。したがって、いずれか
一方の場合に限定して初期補正係数K3 を算出する場合
に比べて、より高精度な初期補正係数K3 を得ることが
できる。
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発
明の一実施形態が適用されたタイヤ空気圧低下検出装置
の構成を示すブロック図である。このタイヤ空気圧低下
検出装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤW1 ,
W2 ,W3 ,W4 の空気圧が低下しているか否かを検出
する。タイヤW1 ,W2 はそれぞれ前左右タイヤに対応
する。また、タイヤW3 ,W4 はそれぞれ後左右タイヤ
に対応する。
れ関連して、車輪速センサ1が備えられている。車輪速
センサ1の出力は制御ユニット2に与えられる。制御ユ
ニット2には、表示器3が接続されている。表示器3
は、空気圧が低下したタイヤWi (i=1,2,3,4)を知らせ
るためのもので、液晶表示素子、プラズマ表示素子また
はCRTなどで構成される。
チ4が接続されている。初期化スイッチ4は、タイヤW
i の初期差異の影響を排除するための初期補正係数Kj
(j=1,2,3)を算出する際にユーザが操作するためのもの
である。初期差異とは、各タイヤWi 間に生じる規格内
での有効ころがり半径のばらつきのことである。制御ユ
ニット2には、さらに、ステアリングホイール(図示せ
ず)の舵角を検出するためのステアリングセンサ5、お
よびフットブレーキ(図示せず)が踏まれたか否かを検
出するためのフットブレーキセンサ6が接続されてい
る。
的構成を示すブロック図である。制御ユニット2は、I
/Oインタフェース2a、CPU2b、ROM2c、R
AM2d、EEPROM2eを含むマイクロコンピュー
タで構成されている。I/Oインタフェース2aは、車
輪速センサ1、初期化スイッチ4、ステアリングセンサ
5およびフットブレーキセンサ6などの外部装置との信
号の受け渡しに必要なものである。CPU2bは、RO
M2cに格納された制御動作プログラムに従って、種々
の演算処理を実行するものである。RAM2dは、CP
U2bが制御動作を行う際にデータなどが一時的に書き
込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出され
たりするものである。RAM2dの記憶領域の一部は、
後述する初期化処理において用いられるカウンタ21,
22,23として利用される。EEPROM2eには、
車両が惰性走行をしていると判断される車両の前後方向
加速度FRAの範囲である惰性範囲を特定するための関
係式などが格納されている。
対応したパルス信号(以下「車輪速パルス」という。)
を出力する。CPU2bは、車輪速センサ1から出力さ
れる車輪速パルスに基づいて、所定のサンプリング周期
ΔT(たとえばΔT=1(sec))ごとに、各タイヤWi の
回転角速度Fi を算出する。図3および図4は、タイヤ
空気圧低下検出装置におけるタイヤ空気圧低下検出処理
を説明するためのフローチャートである。この処理は、
CPU2bがROM2cに格納された所定のプログラム
に従って動作することによって、制御ユニット2によっ
てサンプリング周期ΔTごとに実行される。なお、以下
の説明では、対象車両がFF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)車であることを前提とする。
れる車輪速パルスに基づいて、各タイヤWi の回転角速
度Fi を算出する(図3のステップS1)。次いで、算
出された回転角速度Fi に誤差が含まれている可能性が
高いか否かに基づいて、当該回転角速度Fi をリジェク
トするか否かの判別処理を行う。より詳述すると、回転
角速度Fi は、車両の速度(以下「車速」という。)、
各タイヤWi の前後方向加速度、車両の旋回半径および
車両の横方向加速度の大きさによっては誤差を含むこと
があり、またフットブレーキが踏まれているときには誤
差を含むことがある。
車輪速センサ1の検出精度が著しく悪くなるので、算出
される回転角速度Fi に誤差が含まれる可能性が高い。
また、各タイヤWi の前後方向加速度が相対的に大きい
場合、およびフットブレーキが踏まれている場合には、
たとえば車両が急加速/急減速することによるタイヤW
i のスリップの影響が考えられるので、算出される回転
角速度Fi に誤差が含まれる可能性が高い。さらに、車
両の旋回半径が比較的小さい場合や車両の横方向加速度
が比較的大きい場合には、タイヤWi が横すべりするお
それがあるから、算出される回転角速度Fi に誤差が含
まれる可能性が高い。
れている可能性が高い場合には、その回転角速度Fi を
空気圧低下の検出に採用せずにリジェクト(排除)する
方が好ましい。一方、車両の横方向加速度は、一般に知
られているように、車速の二乗に比例する。したがっ
て、車速を回転角速度Fi に基づいて算出する場合、回
転角速度Fi がばらついていると、そのばらつきによる
車両の横方向加速度に及ぶ影響は車速が大きくなるにつ
れて急激に増大する。そのため、車両の横方向加速度に
大きな誤差が含まれることになる。
術」の項でも説明したように、初期差異による各タイヤ
Wi の有効ころがり半径のばらつきが原因の1つとなっ
ている。また、車両がコーナーを走行するときにコーナ
ー内側のタイヤとコーナー外側のタイヤとの旋回中心か
らの距離の差(内外輪差)もまた、回転角速度Fi がば
らつく原因となっている。
リジェクト判別は、これら初期差異および内外輪差によ
る影響を回転角速度Fi から排除したうえで行うことが
好ましい。さらに、回転角速度Fi から内外輪差による
影響を排除する場合、そのためのパラメータとしては、
後述するように、車両の旋回半径が用いられる。車両の
旋回半径を回転角速度Fi に基づいて算出する場合、車
両がコーナーを走行するとき、車両の旋回半径には、コ
ーナー外側に車両の荷重移動によって誤差が生じる場合
がある。したがって、車両の旋回半径を求めるときには
車両の荷重移動の影響を排除する必要があるが、車両の
荷重移動量は車速に比例する。したがって、車速を回転
角速度Fi に基づいて算出する場合には、車両の旋回半
径に対する初期差異による回転角速度Fi のばらつきの
影響が車速が大きくなるにつれて急激に増大する。その
ため、車両の旋回半径についてのリジェクト判別も、初
期差異による影響を回転角速度Fi から排除したうえで
行うことが好ましい。
別を2回に分けて行うようにしている。具体的には、最
初に、車速V、各タイヤWi の前後方向加速度FRAi
およびフットブレーキに関するリジェクト判別が行わ
れ、次いで、初期差異および内外輪差による影響が排除
された後の車速V2、車両の横方向加速度LAおよび車
両の旋回半径Rに関するリジェクト判別が行われる。
後、車速Vおよび各タイヤWi の前後方向加速度FRA
i を算出し、さらに、フットブレーキセンサ6の出力S
Sを取り込む(ステップS2,S3,S4)。また、各
タイヤWi の前後方向加速度FRAi が算出されると
き、ステップS6の第1初期化処理において用いられる
車両の前後方向加速度FRAも算出する。
いて算出される。各タイヤWi の速度Vi は、下記(20)
式に従って算出される。ここに、rは、直線走行時にお
ける有効ころがり半径に相当する定数であり、ROM2
cに記憶されている。 Vi =r×Fi ‥‥(20) この算出された各タイヤWi の速度Vi に基づき、車速
Vが下記(21)式によって算出される。
サンプリング周期に算出された各タイヤWi の速度をB
Vi とすると、下記(22)式によって算出される。 FRAi =(Vi −BVi )/(ΔT×9.8) ‥‥(22) なお、上記(22)式において、分母に9.8が挿入されて
いるのは、各タイヤW i の前後方向加速度FRAi をG
(重力加速度)換算するためである。
Wi の前後方向加速度FRAi に基づいて、下記(23)式
によって算出される。 FRA=(FRA1 +FRA2 +FRA3 +FRA4 )/4 ‥‥(23) また、車速Vおよび車両の前後方向加速度FRAは、セ
ンサを用いてこれらを直接的に検出することによって求
められてもよい。
出された車速V、各タイヤWi の前後方向加速度FRA
i 、およびフットブレーキセンサ5の出力SSに基づい
て、今回のサンプリング周期で算出された回転角速度F
i をリジェクトするか否かを判別する(ステップS
5)。具体的には、次に示す〜の3つの条件のう
ち、いずれか1つでも満たされた場合には、回転角速度
Fi をリジェクトする。
g:g=9.8(m/sec2) ) フットブレーキが踏まれている。 CPU2bは、回転角速度Fi をリジェクトしない場合
には、第1初期化処理を実行する(ステップS6)。第
1初期化処理は、車両が直線走行で、かつ惰性走行をし
ていることを条件に、初期補正係数Kj (j=1,2,3)を算
出する処理である。
ヤW1 ,W2 間の初期差異による有効ころがり半径の差
を補正するための係数である。初期補正係数K2 は、後
左右タイヤW3 ,W4 間の初期差異による有効ころがり
半径の差を補正するための係数である。初期補正係数K
3 は、前タイヤW1 と後左右タイヤW3 ,W4 との間の
初期差異による有効ころがり半径の差を補正するための
係数である。第1初期化処理で算出された初期補正係数
K3 は、初期補正係数BK3 としてRAM2dに格納さ
れる。
て算出された初期補正係数Kj を用いて各タイヤWi の
速度Vi を補正する(ステップS7)。より具体的に
は、下記(24)ないし(27)式に示すようにして各タイヤW
i の速度Vi を補正し、新たな速度V1i を取得する。 V11 =V1 ‥‥(24) V12 =K1 ×V2 ‥‥(25) V13 =BK3 ×V3 ‥‥(26) V14 =K2 ×BK3 ×V4 ‥‥(27) そして、この補正後の各タイヤWi の速度V1i に基づ
いて、車速V1を下記(28)式に示すようにして算出す
る。これにより、初期差異の影響が排除された車両の速
度V1が得られる。
回半径Rを算出する(ステップS8)。より詳述する
と、先ずは、下記(29)式に示すようにして、車両の旋回
半径R′を算出する。下記(29)式において、Twはトレ
ッド幅(左右輪間の距離)である。
て、車両の荷重移動による影響を排除するための補正を
施す。具体的には、下記(30)式に示すような補正を施
す。 R=R′×{u1 +u2 (V13 +V14 )2 } ‥‥(30) この(30)式において、u1 ,u2 には、次の値が適当で
ある。ただし、下記(33)式において、Qは車両の荷重、
Hはタイヤの接地面から車両の重心までの高さ、αは荷
重に対するタイヤの有効ころがり半径の変動率である。
が適当である。
両の旋回半径Rに基づき、初期差異による影響が排除さ
れた各タイヤWi の速度V1i に対して、さらに、内外
輪差による影響を排除するための補正を施す(ステップ
S9)。具体的には、下記(34)〜(37)式に示すようにし
て、補正後の各タイヤWi の速度V2i を算出する。な
お、WBは、ホイールベースである。
度V2i に基づいて車両の速度V2を下記(38)式に示す
ようにして算出する(図4のステップS10)。これに
より、初期差異および内外輪差による影響が排除された
車速V2が得られる。 V2=(V21 +V22 +V23 +V24 )/4 ‥‥(38) 次いで、CPU2bは、この求められた車速V2、およ
び上記求められた車両の旋回半径Rに基づいて、車両の
横方向加速度LAを下記(39)式に示すようにして算出す
る(ステップS10)。
向加速度LAをG(重力加速度)換算するためである。
さらに、以上のようにして算出された車速V2、車両の
横方向加速度LAおよび車両の旋回半径Rに基づいて、
今回のサンプリング周期で算出された回転角速度Fi を
リジェクトするか否かを判別する(ステップS11)。
具体的には、次に示す〜の3つの条件のうち、いず
れか1つでも満たされた場合には、回転角速度Fi をリ
ジェクトする。
Fi が排除される。次に、CPU2bは、ステップS1
0にて求められた各タイヤWi の速度V2 i に基づい
て、スリップ率Rsを下記(40)式に示すようにして算出
する(ステップS12)。このスリップ率Rsは、次の
ステップS13の第2初期化処理にて用いられる。
行をしていることを条件に、初期補正係数K3 を算出す
るための処理である。このように、第1初期化処理と第
2初期化処理とを併用して初期補正係数K3を得るよう
にしているのは、車両が通常走行時に直線走行で、かつ
惰性走行をする頻度が比較的少ないこと、および初期補
正係数K3 の精度向上を図る、との2つの理由による。
が通常走行時に直線走行で、かつ惰性走行をする頻度は
限られている。したがって、直線走行で、かつ惰性走行
時にのみ初期補正係数K3 を算出するようにすれば、初
期補正係数K3 を迅速に算出することができなくなるお
それがある。そのため、第2初期化処理を併用すれば、
車両が通常走行時に直線走行で、かつ惰性走行をしなく
ても、コーナリング走行さえしていれば、初期補正係数
K3 を算出することができるようになる。
直線路の多い道路だけでなく、山道のようにカーブの多
い道路もある。したがって、直線走行で、かつ惰性走行
を条件にする第1初期化処理とコーナリング走行を条件
とする第2初期化処理とを併用し、高精度な初期補正係
数K3 を得ようとしている。より具体的には、第2初期
化処理では、当該第2初期化処理において算出された初
期補正係数K3 と第1初期化処理において算出された初
期補正係数K3 とが比較され、精度の高い方の初期補正
係数K3 が最終的な初期補正係数K3 とされる。また、
第1初期化処理においても同様な比較処理が行われ、精
度の高い方の初期補正係数K3 が最終的な初期補正係数
K3 とされる。こうすることによって、より精度の高い
初期補正係数K3 が得られる。
行われる前に得られた初期補正係数BK3 に基づいて算
出されたパラメータを、正確な初期補正係数K3 を用い
て新たに算出する(ステップS14)。具体的には、後
左右タイヤW3 ,W4 の各速度V23 およびV24 、な
らびにスリップ率GRsをそれぞれ下記(41)〜(43)式に
示すようにして算出する。これにより、初期差異の影響
が高精度に排除された速度V33 およびV34 、ならび
にスリップ率GRsが得られる。
1 およびV23 、ならびに新たに算出されたタイヤ
W3 ,W4 の各速度V33 ,V34 に基づいて、下記(4
4)式に示すようにして、タイヤ空気圧低下判定のための
判定値Dを求める(ステップS15)。
差異およびタイヤWi の内外輪差の影響が排除された各
タイヤWi の速度V21 ,V22 ,V33 ,V34 が用
いられている。しかし、各タイヤWi の速度V21 ,V
22 ,V33 ,V34 は、初期差異および内外輪差だけ
でなく、車両の横方向加速度LAおよびスリップ率によ
っても変動する。したがって、上記判定値Dには、車両
の横方向加速度LAおよびスリップ率を含む変動要因の
影響が作用している。
て、上記変動要因の影響を排除するための補正を施す
(ステップS16)。具体的には、下記(45)式により補
正値Cを求める。ただし、下記(45)式において、A1お
よびA2は、ROM2cに予め記憶されている係数であ
る。係数A1およびA2は、各タイヤWi が正常内圧で
あるとわかっているときに試験走行を行ってから求めら
れるものである。
Cを差し引く。これにより、上記変動要因の影響が排除
された新たな判定値D′が取得される。 D′=D−C ‥‥(46) 次いで、CPU2bは、この求められた判定値D′に基
づいて、空気圧が低下しているタイヤがあるか否かを判
定する(ステップS17)。具体的には、判定しきい値
DTH1 ,DTH2 を設定し、判定値D′が下記(47)式を満
足するか否かを判別する。
j を用いて補正された後の車速V21 ,V22 ,V
33 ,V34 に基づいて求められるが、初期補正係数K
j は、後述するように、平均化処理によって求められる
から、平均化に用いるデータ数が多くなるほど、精度が
向上する。したがって、初期補正係数Kj を求めている
最中においては、判定値D′の精度は変化する。そのた
め、この実施形態では、初期補正係数Kj の精度に応じ
て判定しきい値DTH1 ,DTH2 の値を変化させるように
している。この判定しきい値DTH1 ,DTH1 の値を変化
させる処理については、第1初期化処理および第2初期
化処理の説明をした後に説明する。
いれば、いずれかのタイヤの空気圧が低下していると判
定する。一方、判定値D′が上記(47)式の条件を満足し
ていなければ、空気圧が低下しているタイヤはないと判
定する。CPU2bは、このようにして車両の走行中に
タイヤWi の空気圧が低下しているか否かを検出する。
一方、単に空気圧が低下しているタイヤがあることをド
ライバに報知するのに対して、いずれのタイヤの空気圧
が低下しているのかも報知する方がドライバにとっては
よりわかりやすくなる。そこで、CPU2bは、空気圧
が低下しているタイヤを特定する。
用いることで、 D′>0であれば、減圧しているタイヤはW1 またはW
4 D′<0であれば、減圧しているタイヤはW2 またはW
3 と特定できる。さらに、この場合において、車両が直線
走行状態であれば、 V21 >V22 ならば、減圧しているタイヤはW1 V21 <V22 ならば、減圧しているタイヤはW2 V33 >V34 ならば、減圧しているタイヤはW3 V33 <V34 ならば、減圧しているタイヤはW4 と特定できる。
と、その結果は表示器3へ出力されて表示される。表示
器3は、たとえば図2に示すように、4つのタイヤ
W1 ,W 2 ,W3 ,W4 に対応する表示ランプを備えて
いる。いずれかのタイヤの空気圧が低下したことが検出
されると、その減圧タイヤに対応する表示ランプが点灯
される。
するためのフローチャートである。この第1初期化処理
では、上述のように、車両が直線走行で、かつ惰性走行
をしていることを条件に、初期補正係数Kj が求められ
る。すなわち、CPU2bは、ステアリングセンサ5の
出力が所定の許容範囲(たとえば±2度の舵角範囲に相
当)内であるか否かに基づいて、車両が直線走行をして
いるか否かを判別する(図5のステップT1)。直線走
行をしていなければ、この処理は終了する。
数K1 ,K2 を平均化処理によって算出する。より詳述
すると、まず、カウンタ21のカウント値C1が予め定
める上限しきい値MAX1(たとえばMAX1=900 )
以下であるか否かを判別する(ステップT2)。カウン
ト値C1は、初期補正係数K1 ,K2 を算出するのに用
いたデータ個数に相当するもので、初期化スイッチ4が
操作されるたびにクリアされる。
満であれば、カウント値C1を「1」だけインクリメン
トした後、下記(48),(49)式に示すようにして、初期補
正係数K1 ,K2 を算出する(ステップT3,T4)。
なお、下記(48),(49)式において、BK1 ,BK2 は、
従前のサンプリング周期において求められてRAM2d
に格納された初期補正係数K1 ,K2 である。
それぞれ、車両の直線走行時において、C1個の前左右
タイヤW1 ,W2 の回転角速度F1 ,F2 の比および後
左右タイヤW3 ,W4 の回転角速度F3 ,F4 の比の平
均として求められる。これにより、前左右タイヤW1 ,
W2 間の有効ころがり半径の差を忠実に表した高精度な
初期補正係数K1 を得ることができるとともに、後左右
タイヤW3 ,W4 間の有効ころがり半径の差を忠実に表
した高精度な初期補正係数K2 を得ることができる。
予め定める下限しきい値MIN1(たとえばMIN1=
60)未満であるか否かを判別する(ステップT5)。カ
ウント値C1が下限しきい値MIN1未満であれば、初
期補正係数K1 ,K2 の精度はまだ不十分であると考え
られるから、初期補正係数K1 ,K2 を用いるステップ
T6〜T14の処理は行わずに、図6のステップT16
に直接移行する。カウント値C1が下限しきい値MIN
1以上であれば、初期補正係数K1 ,K2 の精度はある
程度出ていると考えられるから、ステップT6に移行す
る。
ウント値C1が上限しきい値MAX1に達していれば、
初期補正係数K1 ,K2 の精度は十分であると考えられ
るから、CPU2bは、カウント値C1のインクリメン
ト、および初期補正係数K1,K2 の算出は行わずに、
直接ステップT6に移行する。CPU2bは、ステップ
T6〜T14において、初期補正係数K3 の算出処理を
行う。ここで、算出された初期補正係数K3 は、1周期
前の第2初期化処理において算出された初期補正係数K
3 より精度が高い場合に限って、最終的な初期補正係数
K3 とされる。したがって、以下では、精度の高低を判
断する前に第1初期化処理において算出される初期補正
係数K3 を、便宜上、初期補正係数Kxとする。また、
第2初期化処理において算出される初期補正係数K3 に
ついても、第1初期化処理において算出された初期補正
係数K3 よりも精度が高い場合に限って最終的な初期補
正係数K3 とされるから、第2初期化処理において精度
の高低を判断する前に算出される初期補正係数K3 を、
便宜上、初期補正係数Kyとする。
K2 の場合と同様に、従前のサンプリング周期までの間
に算出された初期補正係数Kxの平均として得られる。
したがって、精度を十分に出せる数の初期補正係数Kx
が集まればそれで十分である。そこで、CPU2bは、
カウンタ22のカウント値C2が予め定める上限しきい
値MAX2(たとえばMAX2=300 )未満であるか否
かを判別する(ステップT6)。カウント値C2は、初
期補正係数Kxを算出するのに用いたデータ個数に相当
し、初期化スイッチ4が操作されるたびにクリアされ
る。
達していれば、初期補正係数Kxの精度は十分であると
考えられるから、初期補正係数Kxの算出は行わずに、
図6のステップT16に直接移行する。一方、カウント
値C2が上限しきい値MAX2未満であれば、初期補正
係数Kxの算出処理を実行する。ところで、初期補正係
数Kxは、前タイヤW1 と後左右タイヤW3 ,W4 との
間の有効ころがり半径の差を表すためのものであるか
ら、駆動時または制動時などにおいて駆動タイヤW1 ,
W2 がスリップすると、精度が悪くなる。そこで、CP
U2bは、初期補正係数Kxの算出に先立ち、車両が惰
性走行をしているか否かの判別処理を実行する(ステッ
プT7〜T13)。
の前後方向加速度FRAが所定の惰性範囲内にあるか否
かに基づいて判別される。惰性範囲は、車速によって異
なる上限値および下限値をとる。具体的には、図7に示
すように、車速が大きくなるほど、惰性範囲は低下して
いく。そこで、この実施形態では、車速に応じた惰性範
囲を予め取得しておくことにより、車速にかかわらず、
車両が惰性走行をしているか否かを確実に判別できるよ
うにしている。
直線平坦路上を惰性走行させることによって取得され
る。より具体的には、惰性走行時の車速と車両の前後方
向加速度が算出される。このような作業が種々の車速に
ついて行われ、多数のデータが集められる。そして、こ
のデータに対して最小二乗法が適用され、下記(50)式に
示すような2次式が求められる。下記(50)式において、
α1およびα2は定数である。
β=0.2g) だけずらした2次式を求める。すなわち、下
記(51),(52)式が取得される。 G1=α1×V2 +α2+β ‥‥(51) G2=α1×V2 +α2−β ‥‥(52) この2次式によって挟まれる範囲が惰性範囲である。こ
の惰性範囲を表す2つの2次式は、EEPROM2eに
格納されている。
ある程度減速状態となっているはずである。したがっ
て、この原則に鑑みれば、惰性走行であると判断できる
上限値Gb1は0となる。また、惰性走行であると判断
できる下限値Gb2も適当な値(たとえば0.04g )に設
定される。この上限値Gb1および下限値Gb2は、惰
性範囲を表す2つの2次式と同様に、EEPROM2e
に格納されている。
3のステップS2で求められた車両の速度Vを上記(51)
式に代入する。これにより、上限値G1が取得される。
次いで、この上限値G1が上限値Gb1以上か否かを判
別する(ステップT8)。上限値G1が上限値Gb1以
上であれば、上限値をGb1に強制的に修正する(ステ
ップT9)。一方、上限値G1が上限値Gb1未満であ
れば、そのままG1を上限値とする。
の結果、下限値G2が取得される(図6のステップT1
0)。次いで、この取得された下限値G2が下限値Gb
2以上か否かを判別する(ステップT11)。下限値G
2が下限値Gb2以上であれば、下限値をGb2に強制
的に修正する(ステップT12)。一方、下限値G2が
下限値Gb2未満であれば、そのままG2を下限値とす
る。
における惰性範囲が得られる。次いで、CPU2bは、
この得られた惰性範囲内に、今回のサンプリング周期に
おいて算出された車両の前後方向加速度FRAがあるか
否かを判別する(ステップT13)。今回のサンプリン
グ周期において算出された車両の前後方向加速度FRA
が惰性範囲内になければ、車両は惰性走行中ではないと
みなすことができるから、初期補正係数Kxの算出は行
わずに、ステップT16に直接移行する。一方、車両の
前後方向加速度FRAが上記惰性範囲内にあれば、カウ
ント値C2を「1」だけインクリメントするとともに、
初期補正係数Kxを下記(53)式に示すようにして算出す
る(ステップT14,T15)。下記(53)式において、
BKxは、従前のサンプリング周期において算出されて
RAM2dに格納された初期補正係数Kxである。
数K3 を得るべく、算出された初期補正係数Kxと1周
期前のサンプリング周期で第2初期化処理において算出
された初期補正係数Kyとを比較する。比較基準には、
初期補正係数Kxを算出するのに用いたデータ個数に相
当するカウンタ22のカウント値C2、および初期補正
係数Kyを算出するのに用いたデータ個数に相当するカ
ウンタ23のカウント値C3が用いられる。すなわち、
平均化に用いるデータ個数が多いほど、ノイズの影響を
除去でき、精度が良いからである。
ウント値C3が予め定める下限しきい値MIN3(たと
えばMIN3=50)以上であるか否か、またはカウント
値C3がカウント値C2以上であるか否かを判別する
(ステップT16)。カウント値C3が下限しきい値M
IN3以上である、またはカウント値C3がカウント値
C2以上であれば、初期補正係数Kyの方が初期補正係
数Kxよりも精度が高いと考えられるから、初期補正係
数Kyを最終的な初期補正係数K3 として選出する(ス
テップT17)。一方、カウント値C3が下限しきい値
MIN3未満であり、かつカウント値C3がカウント値
C2未満であれば、初期補正係数Kxの方が初期補正係
数Kyよりも精度が高いと考えられるから、初期補正係
数Kxを最終的な初期補正係数K3 として選出する(ス
テップT18)。選出された初期補正係数K3 は、初期
補正係数BK3 としてRAM2dに格納される(ステッ
プT19)。
フローチャートである。この第2初期化処理では、直前
のサンプリング周期までにおいて算出された過去の初期
補正係数Kyの平均をとることで初期補正係数Kyが算
出される。そこで、CPU2bは、カウンタ23のカウ
ント値C3が予め定める上限しきい値MAX3(たとえ
ばMAX3=150 )未満であるか否かを判別する(ステ
ップU1)。カウント値C3が上限しきい値MAX3に
達していれば、初期補正係数Kyは精度を十分に出せる
程度の個数のデータの平均であると考えられるから、こ
の処理は終了する。一方、カウント値C3が上限しきい
値MAX3未満であれば、次のステップU2の処理に移
行する。
両がコーナリング走行中であり、かつカウント値C1が
下限しきい値MIN1′(たとえばMIN1′=300 )
以上であるか否かを判別する。車両がコーナリング走行
中であるか否かは、車両の横方向加速度LAが下記(54)
式の条件を満足するか否かによって判別される。下記(5
4)式において、たとえばLA1=0.08g 、LA2=0.4g
である。
否かを判別基準の1つにしているのは、上記(39)式、(3
8)式、(34)〜(37)式、および(24)〜(27)式に示すよう
に、車両の横方向加速度LAの算出のために初期補正係
数K1 ,K2 が用いられるからである。すなわち、初期
補正係数K1 ,K2 の精度は平均化に用いるデータ個数
が多いほど高くなるので、当該データ個数が少なけれ
ば、車両の横方向加速度LAの精度が十分に出ない。し
たがって、この場合には、ステップU2において誤判別
するおそれがあるからである。また、車両の横方向加速
度LAの精度が低いと、後述の(56)式により求められる
初期補正係数Kyの精度も低くなるからでもある。
リングセンサ5の出力と車速とから得ることもできる。
このようにして得られた車両の横方向加速度LAは初期
補正係数K1 ,K2 とは無関係なので、この場合には、
上述のカウント値C1が下限しきい値MIN1′以上で
あるか否かの判別基準は不要となる。車両はコーナリン
グ走行中ではない、またはカウント値C1は下限しきい
値MIN1′未満であれば、初期補正係数Kyを高精度
に算出することはできないと考えられるから、この処理
は終了する。一方、車両はコーナリング走行中で、しか
もカウント値C1は下限しきい値MIN1′以上であれ
ば、次のステップU3に移行する。
4のステップS12において算出された駆動タイヤ
W1 ,W2 のスリップ率Rsが下記(55)式を満足するか
否かを判別する。この判別処理は、スリップ率Rsが下
記(55)式を満足しない場合には、初期補正係数Kyの精
度が落ちるとの本件発明者の発見に基づくものである。
下記(55)式において、Rs1,Rs2は定数であり、た
とえばRs1=0、Rs2=0.008 である。
一方、上記(52)式が満足されれば、カウンタ23のカウ
ント値C3を「1」だけインクリメントするとともに、
判定値Dおよびスリップ率Rsを算出し、さらにこの算
出された判定値Dおよびスリップ率Rsに基づいて初期
補正係数Kyを算出する(ステップU4,U5,U6,
U7)。
は、「課題を解決するための手段」の項で説明したよう
に、判定値Dに関するコーナリング補正のための補正式
を変形して得られた式とスリップ率Rsを算出するため
の式とから導出された下記(56)式に従って行われる。下
記(56)式において、BKyは、従前のサンプリング周期
において算出されてRAM2dに格納された初期補正係
数Kyである。
される。また、スリップ率Rsは、この算出された判定
値Dおよび車両の横方向加速度LAに基づいて、上記
「課題を解決するための手段」の項で示した(12)式に従
って算出される。その後、CPU2bは、この算出され
たスリップ率Rsを上記(56)式に代入する。これによ
り、初期補正係数Kyが得られる。
数K3 を得るべく、算出された初期補正係数Kyと今回
のサンプリング周期で第1初期化処理において算出され
た初期補正係数Kxとを比較する。比較基準には、第1
初期化処理の場合と同様に、初期補正係数Kxを算出す
るのに用いたデータ個数に相当するカウンタ22のカウ
ント値C2、および初期補正係数Kyを算出するのに用
いたデータ個数に相当するカウンタ23のカウント値C
3が用いられる。すなわち、CPU2bは、カウンタ2
3のカウント値C3が下限しきい値MIN3以上である
か否か、またはカウント値C3がカウント値C2以上で
あるか否かを判別する(ステップU8)。
上である、またはカウント値C3がカウント値C2以上
であれば、初期補正係数Kyの方が初期補正係数Kxよ
りも精度が高いと考えられるから、初期補正係数Kyを
最終的な初期補正係数K3 として選出する(ステップU
9)。一方、カウント値C3が下限しきい値MIN3未
満であり、かつカウント値C3がカウント値C2未満で
あれば、初期補正係数Kxの方が初期補正係数Kyより
も精度が高いと考えられるから、初期補正係数Kxを最
終的な初期補正係数K3 として選出する(ステップU1
0)。
圧低下判定処理において用いられる判定しきい値
DTH1 ,DTH2 を変化させる処理について説明する。上
述のように、判定しきい値DTH1 ,DTH2 は、初期補正
係数Kj の精度に応じて変化される。初期補正係数Kj
の精度は、第1初期化処理および第2初期化処理におい
て説明したように、初期補正係数Kj の算出に用いたデ
ータ個数によって表される。したがって、この判定しき
い値DTH1 ,DTH2 を変化させる処理では、初期補正係
数Kj の精度を判定するパラメータとして、カウンタ2
1,22,23のカウント値C1,C2,C3が用いら
れる。
い値MAX1に達し、かつカウント値C3が上限しきい
値MAX3に達している、との第1の条件を満足するか
否かを判別する。すなわち、初期補正係数Kj の算出が
終了しているか否かを判別する。なお、第1の条件にお
いて、初期補正係数K3 の算出が終了しているか否かの
判別基準として、初期補正係数Kyの算出に用いたデー
タ数に相当するカウント値C3を採用しているのは、登
板走行時においては、初期補正係数Kxの精度が低下す
るからである。すなわち、登板走行時は、たとえ車両の
前後方向加速度FRAが惰性範囲にある場合でも、駆動
タイヤW1 ,W2 に駆動力が生じているから、実際には
惰性走行ではない。したがって、この場合には、初期補
正係数Kxの精度が低下する。
係数Kj の精度は十分であると考えられるから、判定し
きい値DTH1 ,DTH2 として、基準値D0 (たとえばD
0 =0.1 )を設定する。一方、第1の条件が満足されて
いなければ、CPU2bは、初期補正係数Kj の精度
が、相対的に高いのか低いのか、あるいは空気圧低下判
定を行うには低過ぎるのかを調べる。
正係数Kj の精度が相対的に高いか否かを調べるため
に、カウント値C1が上限しきい値MAX1のm1 (た
とえばm1 =2/3)倍以上であって、かつカウント値
C3が上限しきい値MAX3のm1 倍以上である、との
第2の条件を満足するか否かを判別する。第2の条件が
満足されていれば、初期補正係数Kj の精度は相対的に
高いと考えられるから、判定しきい値DTH1 ,DTH2 と
して、基準値D0 のn1 (たとえばn1 =1.33)倍の値
を設定する。
ば、次に、初期補正係数Kj の精度は相対的に低いの
か、または低過ぎるのかを調べるために、カウント値C
1が上限しきい値MAX1のm2 (m2 <m1 ;たとえ
ばm2 =1/3)倍よりも大きく、かつカウント値C2
が上限しきい値MAX2のm2 倍以上であるか、または
カウント値C3が上限しきい値MAX3のm2 倍以上で
ある、との第3の条件を満足するか否かを判別する。
係数Kj の精度は相対的に低いが低過ぎることはないと
考えられるから、判定しきい値DTH1 ,DTH2 として、
基準値D0 のn2 (n2 >n1 ;たとえばn2 =1.66)
倍の値を設定する。一方、第3の条件が満足されていな
ければ、初期補正係数Kj の精度は低過ぎると考えられ
るから、判定しきい値DTH1 ,DTH2 の設定は行わな
い。この場合、空気圧低下判定処理は行わない。
が通常走行をしている場合に、車両が直線走行をしてい
ることが検出され、このときに初期補正係数K1 および
K2が算出される。また、車両が通常走行をしている場
合に、車両が直線走行で、かつ惰性走行をしていること
が検出され、このときに初期補正係数Kxが算出され
る。さらに、車両が通常走行をしている場合に、車両が
コーナリング走行をしていることが検出され、このとき
に初期補正係数Kyが算出される。そして、初期補正係
数KxおよびKyのうち精度の高い方が最終的な初期補
正係数K3 とされる。
走行で、かつ惰性走行をさせてなくても、高精度な初期
補正係数Kj を得ることができる。しかも、初期補正係
数K 3 については、異なる走行状態においてそれぞれ算
出された初期補正係数Kx,Kyのうち精度の高い方が
初期補正係数K3 とされるから、いずれか一方の走行状
態に限定する場合に比べて高精度である。
簡単に得ることができる。そのため、ユーザの負担を大
幅に軽減できるとともに、交通安全の向上も図ることが
できる。本発明の実施の一形態の説明は以上のとおりで
あるが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでは
ない。上記実施形態では、車両が直線惰性走行をしてい
る場合に初期補正係数Kxを算出する処理と車両がコー
ナリング走行をしている場合に初期補正係数Kyを算出
する処理とを併用し、これら初期補正係数Kx,Kyの
うち精度の高い方が最終的な初期補正係数K3 として選
出されている。しかし、たとえば上記各処理を併用せず
に、いずれか一方の処理のみを行うようにし、初期補正
係数KxまたはKyをそのまま初期補正係数K3 とする
ようにしてもよい。また、いずれの処理を実行させるか
をユーザが手動で選択できるようにしてもよい。この構
成によっても、高精度な初期補正係数K3 を簡単に算出
することができる。
の範囲において種々の設計変更を施すことが可能であ
る。
ば、車両が通常走行をしている場合に、車両が直線走行
をしていることが検出され、このときに初期補正係数K
1 ,K 2 が算出される。また、車両が通常走行をしてい
る場合に、車両が直線走行で、かつ惰性走行をしている
ことが検出され、このときに初期補正係数K3 が算出さ
れる。したがって、ユーザが車両を試験的に走行させな
くても、ユーザが意識しないうちに、高精度な初期補正
係数K1 〜K3 を算出することができる。そのため、正
確な初期補正係数K1 〜K3 を簡単に算出することがで
きる。よって、ユーザの負担を大幅に軽減できるととも
に、交通安全の向上を図ることができる。
が通常走行をしている場合に、車両が直線走行をしてい
ることが検出され、このときに初期補正係数K1 ,K2
が算出される。また、車両がコーナリング走行をしてい
る場合に、判定値Dのコーナリング補正式を元に導出さ
れた上述の(13)式に基づいて、初期補正係数K3 が算出
される。したがって、請求項1記載の発明と同様に、ユ
ーザが車両を試験的に走行させなくても、ユーザが意識
しないうちに、高精度な初期補正係数K1 〜K 3 が算出
される。そのため、請求項1記載の発明と同様の効果を
奏する。
角速度に誤差が含まれるおそれの高い、スリップ率Rs
が予め定める範囲外の場合には、初期補正係数K3 の算
出を禁止しているから、初期補正係数K3 の精度向上に
貢献できる。また、請求項4記載の発明によれば、車両
が直線惰性走行をしている場合に算出された初期補正係
数Kxと車両がコーナリング走行をしている場合に算出
された初期補正係数Kyとのうち精度の高い方が最終的
な初期補正係数K3 とされるから、直線路があったりカ
ーブがあったりする一般の公道においても、初期補正係
数K3 を高精度に算出できる。
低下検出装置の構成を示す概略ブロック図である。
ブロック図である。
めのフローチャートである。
めのフローチャートである。
トである。
ーチャートである。
の図である。
トである。
Claims (4)
- 【請求項1】車両に装着された4つのタイヤの回転角速
度を検出する回転角速度検出手段の出力を補正するため
の補正係数を演算する装置であって、 車両が直線走行をしているか否かを判別するための手段
と、 車両が惰性走行をしているか否かを判別するための手段
と、 車両が直線走行をしていると判別された場合に、上記回
転角速度検出手段の出力に基づいて、前左右タイヤ間の
初期差異による有効ころがり半径の差が回転角速度に及
ぼす影響を排除するための初期補正係数K1 、および後
左右タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差が
回転角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係数
K2 を算出する手段と、 車両が直線走行をしていると判別され、かつ車両が惰性
走行をしていると判別された場合に、上記算出された初
期補正係数K1 およびK2 、ならびに上記回転角速度検
出手段の出力に基づいて、前タイヤと後タイヤとの間の
初期差異による有効ころがり半径の差が回転角速度に及
ぼす影響を排除するための初期補正係数K3 を算出する
手段とを含むことを特徴とする初期補正係数演算装置。 - 【請求項2】車両に装着された4つのタイヤの回転角速
度を検出する回転角速度検出手段の出力を補正するため
の補正係数を演算する装置であって、 車両が直線走行をしているか否かを判別するための手段
と、 車両が直線走行をしていると判別された場合に、上記回
転角速度検出手段の出力に基づいて、前左右タイヤ間の
初期差異による有効ころがり半径の差が回転角速度に及
ぼす影響を排除するための初期補正係数K1 、および後
左右タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差が
回転角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係数
K2 を算出する手段と、 上記回転角速度検出手段の出力に基づいて、車両の横方
向加速度LAを算出するための手段と、 上記回転角速度検出手段の出力に基づいて、タイヤ空気
圧低下判定のための判定値Dを算出するための手段と、 上記算出された車両の横方向加速度LAおよび判定値D
を所定の第1演算式に代入することにより、タイヤのス
リップ率Rsを求めるための手段と、 上記算出された車両の横方向加速度LAに基づいて、車
両がコーナリング走行中であるか否かを判別するための
手段と、 車両がコーナリング走行中であると判別された場合に、
上記回転角速度検出手段の出力、上記算出された初期補
正係数K1 およびK2 、ならびに上記算出されたスリッ
プ率Rsを所定の第2演算式に代入することにより、前
タイヤと後タイヤとの間の初期差異による有効ころがり
半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排除するための初
期補正係数K3 を算出する手段とをさらに含むことを特
徴とする初期補正係数演算装置。 - 【請求項3】上記算出されたスリップ率Rsが予め定め
る範囲に含まれるか否かを判別するための手段と、 スリップ率Rsが上記範囲に含まれると判別された場合
には、上記初期補正係数K3 の算出を禁止する手段とを
さらに含むことを特徴とする請求項2記載の初期補正係
数演算装置。 - 【請求項4】車両に装着された4つのタイヤの回転角速
度を検出する回転角速度検出手段の出力を補正するため
の補正係数を演算する装置であって、 車両が直線走行をしているか否かを判別するための手段
と、 車両が惰性走行をしているか否かを判別するための手段
と、 車両が直線走行をしていると判別された場合に、上記回
転角速度検出手段の出力に基づいて、前左右タイヤ間の
初期差異による有効ころがり半径の差が回転角速度に及
ぼす影響を排除するための初期補正係数K1 、および後
左右タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差が
回転角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係数
K2 を算出するための手段と、 車両が直線走行をしていると判別され、かつ車両が惰性
走行をしていると判別された場合に、上記算出された初
期補正係数K1 およびK2 、ならびに上記回転角速度検
出手段の出力に基づいて、前タイヤと後タイヤとの間の
初期差異による有効ころがり半径の差が回転角速度に及
ぼす影響を排除するための初期補正係数Kxを算出する
ための手段と、 上記回転角速度検出手段の出力に基づいて、車両の横方
向加速度LAを算出するための手段と、 上記回転角速度検出手段の出力に基づいて、タイヤ空気
圧低下判定のための判定値Dを算出するための手段と、 上記算出された車両の横方向加速度LAおよび判定値D
を所定の第1演算式に代入することにより、タイヤのス
リップ率Rsを算出するための手段と、 上記算出された車両の横方向加速度LAに基づいて、車
両がコーナリング走行中であるか否かを判別するための
手段と、 車両がコーナリング走行中であると判別された場合に、
上記回転角速度検出手段の出力、上記算出された初期補
正係数K1 およびK2 、ならびに上記算出されたスリッ
プ率Rsを所定の第2演算式に代入することにより、前
タイヤと後タイヤとの間の初期差異による有効ころがり
半径の差が回転角速度に及ぼす影響を排除するための初
期補正係数Kyを算出するための手段と、 上記算出された初期補正係数KxおよびKyのうちいず
れの方が精度が高いかを判別するための手段と、 精度が高いと判別された方を、最終的に、前タイヤと後
タイヤとの間の初期差異による有効ころがり半径の差が
回転角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係数
K3 とする手段とを含むことを特徴とする初期補正係数
演算装置。
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