JPH10204290A - 樹脂製結束バンド - Google Patents

樹脂製結束バンド

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JPH10204290A
JPH10204290A JP983597A JP983597A JPH10204290A JP H10204290 A JPH10204290 A JP H10204290A JP 983597 A JP983597 A JP 983597A JP 983597 A JP983597 A JP 983597A JP H10204290 A JPH10204290 A JP H10204290A
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resin
weight
nylon
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binding band
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JP983597A
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Kazuyuki Wakamura
和幸 若村
Tadashi Osawa
正 大澤
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性と、量産性と、低温時における耐折れ
曲げ性とに優れた樹脂組成物からなる結束バンドを提供
する。 【解決手段】 ポリアミド樹脂100重量部に対して滑
剤0.01〜5重量部と結晶核剤0.01〜3重量部と
が配合された樹脂組成物によって、結束バンドを構成す
る材料の全体または一部を構成する。ポリアミド樹脂に
はナイロン66とナイロン6とをブレンドした樹脂を用
いる。好ましくは、未変性エラストマー1〜10重量部
をポリアミド樹脂100重量部に対してさらに配合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や家電製品
などにおいて配線コードを結束することなどを目的に使
用される樹脂製結束バンドに関する。さらに詳しくは、
成形性と、量産性と、低温時における耐折れ曲げ性とに
優れた樹脂組成物からなる樹脂製結束バンドに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や家電製品などにおいて配線コー
ドを結束する結束バンドは、成形性や、量産性すなわち
射出成形時のハイサイクル性や、低温時の耐折れ曲げ性
が要求されるものである。このような結束バンドとして
は、従来よりナイロン6やナイロン66などのポリアミ
ド樹脂を用いた樹脂製結束バンドが公知となっている。
しかし、ポリアミド樹脂からなる樹脂製結束バンドは、
機械的特性や耐熱性には優れるものの、成形性や、製造
時の量産性や、低温時の耐折れ曲げ性にはやや劣るもの
であった。
【0003】また、自動車のボンネット内の配線を結束
するための、ポリアミド樹脂からなる樹脂製結束バンド
は、道路凍結防止剤として用いられる塩化カルシウムに
対しての抵抗性が不充分であり、ボンネット内に入りこ
んだ塩化カルシウムが樹脂製結束バンドと長時間接触す
ると、クラックが発生しやすいという問題があった。
【0004】このような塩化カルシウムに対する抵抗性
を向上させるため、実開平1−179866号公報に
は、不飽和カルボン酸無水物で変性したポリプロピレン
をポリアミド樹脂に含有させた樹脂組成物からなる樹脂
製結束バンドが提案されている。しかしこの樹脂製結束
バンドは、耐塩化カルシウム性は向上するものの、結束
バンドの製造時における樹脂組成物の流動性が低下する
ため成形性に劣るものであった。
【0005】また、特開平8−73736号公報には、
ナイロン6またはナイロン66にヨウ化カリウム0.0
5〜0.25重量%を配合した樹脂組成物からなる樹脂
製結束バンドが提案されている。この樹脂製結束バンド
は、量産性すなわち射出成形時のハイサイクル性や、低
温時における耐折れ曲げ性はやや改良される。しかし低
温時における耐折れ曲げ性は、自動車の配線コードを結
束する用途などには、いまだ不充分である。また、結束
バンド製造時における樹脂組成物の流動性にやや劣るた
め、成形性に劣るものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、結束バンド製造時の樹脂組成物の流動性を高く
することによって成形性を向上させ、量産性すなわち射
出成形時のハイサイクル性に優れ、低温時の耐折れ曲げ
性に優れた樹脂製結束バンドを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミド樹
脂100重量部に対して滑剤0.01〜5重量部と結晶
核剤0.01〜3重量部とが配合された樹脂組成物によ
って、結束バンドを構成する材料の全体または一部が構
成されたことを特徴とする樹脂製結束バンドを要旨とす
るものである。
【0008】本発明によれば、ポリアミド樹脂100重
量部に対して滑剤0.01〜5重量部を配合すること
で、樹脂組成物の流動性が向上し、それにともなって成
形性が良くなる。
【0009】また、結晶核剤が0.01〜3重量部の範
囲で用いられているので、製造時の冷却固化時間が短縮
されて、量産性すなわち射出成形時のハイサイクル性が
向上することになる。
【0010】また、滑剤と結晶核剤との相乗効果によ
り、低温時における耐折れ曲げ性も改善される。また、
ポリアミド樹脂として、ナイロン66とナイロン6とを
ブレンドした樹脂を使用すれば、樹脂組成物の流動性が
向上し、射出成形温度を低くすることができるため、射
出成形に適した樹脂組成物を得ることができ、その結
果、成形性がさらに良くなる。
【0011】また、ポリアミド樹脂100重量部に対し
て滑剤0.01〜5重量部と結晶核剤0.01〜3重量
部と未変性エラストマー1〜10重量部とを配合すれ
ば、成形性や量産性に加えて、低温時における耐折れ曲
げ性がさらに良好なものとなり、耐塩化カルシウム性も
有する樹脂製結束バンドとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の結束バンドを構成する樹
脂組成物の主成分となるポリアミド樹脂としては、ラク
タムあるいはアミノカルボン酸の重合又はジアミンとカ
ルボン酸の重縮合によって得られるホモポリアミドおよ
びコポリアミド、そしてこれらの混合物が挙げられる。
具体的には、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1
1、ナイロン12等のホモポリマー、これらの2成分以
上を含むコポリマーあるいは混合物が挙げられる。特
に、流動性の良いナイロン6と、機械的強度が高いナイ
ロン66とをブレンドしたものが好適に使用できる。
【0013】ナイロン6とナイロン66とをブレンドす
る好ましい配合割合は、重量比でナイロン6/ナイロン
66=90/10〜10/90である。より好ましくは
ナイロン6/ナイロン66=50/50〜10/90で
ある。ナイロン6の配合割合が90重量%を超えると成
形時のハイサイクル性が低下し、ナイロン6の配合割合
が10重量%より少ないと、低温時における耐折れ曲げ
性が低下する。
【0014】ポリアミド樹脂の相対粘度は、96重量%
の硫酸を溶媒としてこの溶媒100ccに試料1.0g
を溶解し、温度25℃の条件で常法により測定した相対
粘度が、1.5〜4.0であることが好ましい。相対粘
度が1.5未満であると機械的特性に優れた結束バンド
が得られない。相対粘度が4.0を超えると成形性に劣
る。
【0015】本発明において成形時の樹脂の流動性を向
上させるために用いる滑剤としては、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸亜鉛、エチレンビスステアリル
アミドの内の少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0016】その配合割合は、上述のようにポリアミド
樹脂100重量部に対して滑剤を0.01〜5重量部の
範囲とする必要がある。配合割合が0.01重量部未満
であると成形時の流動性が低下し、5重量部を超えると
成形時にバリが生じやすく、いずれの場合も成形性に劣
るものとなる。
【0017】本発明で成形時の冷却固化時間を短縮させ
るため、すなわちハイサイクル性を改善するために使用
する結晶核剤としては、無機系結晶核剤が主体である
が、有機系結晶核剤も一部用いられる。
【0018】無機系結晶核剤としては、タルク、ワラス
トナイト、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、
シリカ、ゼオライト、ボロンナイトライド、アルミナ、
マグネシア、グラファイト、マイカなどが挙げられる。
中でも、タルク、カオリン、焼成カオリンが好適に使用
できる。これらの結晶核剤は、アミノシランカップリン
グ剤、エポキシシランカップリング剤などにより表面処
理されたものを用いても良い。無機系結晶核剤は、通常
0.5〜10μmの範囲内の平均粒径のものが選ばれ
る。
【0019】有機系結晶核剤としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げ
られる。上記無機系結晶核剤または有機系結晶核剤の配
合量は、上述のようにポリアミド樹脂100重量部に対
して、0.01〜3重量部の範囲とする必要がある。結
晶核剤の配合量が0.01重量部未満であると、冷却固
化時間の短縮がはかれないため射出成形時のハイサイク
ル性が低下し、量産性が低下することとなる。また、結
晶核剤の配合量が3重量部を超えると、低温時の耐折れ
曲げ性が低下する。
【0020】本発明で用いる未変性エラストマーとして
は、ビニル芳香族化合物重合体ブロックAと共役ジエン
系化合物重合体ブロックBとよりなるAB型あるいはA
BA型のブロック共重合体、あるいはAB型やABA型
のブロック共重合体の水素化物が挙げられる。なかでも
ABA型のブロック共重合体が好適に用いられる。
【0021】ここで用いられるビニル芳香族化合物とし
て代表的な化合物には、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルキシレン、エチルビニルキシレン、ビニルナ
フタリンおよびこれらの混合物が例示され、また共役ジ
エン系化合物には、ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン、または2,3−ジメチルブタジエン、お
よびこれの混合物が挙げられる。
【0022】特にビニル芳香族化合物重合体としては、
スチレン重合体、共役ジエン系化合物重合体としてイソ
プレン重合体またはブタジエン重合体よりなるブロック
共重合体が好ましい。
【0023】未変性エラストマーの配合割合は、上述の
ように、ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜10
重量部の範囲であることが好ましい。配合割合が1重量
部未満であると低温時における耐折れ曲げ性が低下し、
10重量部を超えると結束バンドの締め付け強度が低下
する。
【0024】本発明の樹脂製結束バンドを構成する材料
には、本発明の目的を損なわない範囲で、離型剤、耐熱
剤、可塑剤、難燃剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤
を加えても良い。
【0025】離型剤としては、例えば、モンタン酸ナト
リウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸カルシウム、
モンタン酸マグネシウム等が挙げられる。耐熱剤として
は、例えば、ハロゲン化銅又はその誘導体、ヨウ化カリ
ウム、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン
化合物、リン系化合物等が挙げられる。
【0026】さらに本発明においては、上記したポリア
ミド樹脂組成物(A成分)と、層状珪酸塩1〜10重量
%が分子レベルで均一に分散された強化ポリアミド樹脂
(B成分)とをブレンドしたものを用いて樹脂製結束バ
ンドとすることもできる。このようにポリアミド樹脂組
成物(A成分)に対し強化ポリアミド樹脂(B成分)を
ブレンドすることで、得られたポリアミド樹脂組成物の
強度が向上する。この際にB成分は、A成分に対し20
重量%以下の割合で用いることが好ましい。
【0027】かかる層状珪酸塩の好ましい例としては、
スメクタイト族(例えば、モンモリロナイト、バイデラ
イト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バ
ーミキュライト族(例えば、バーミキュライト)、雲母
族(例えば、フッ素雲母、白雲母、パラナイト金雲母、
黒雲母、レピドライト)、脆雲母族(例えば、マーガラ
イト、クリントナイト、アナンダイト)、緑泥石族(例
えば、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、ク
リノクロア、シャモサイト、ニマイト)等がある。
【0028】これらの層状珪酸塩は、天然に産するもの
であっても、人工的に合成あるいは変性されたものであ
ってもよく、またオニウム塩等の有機化合物で処理した
ものであってもよい。
【0029】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、実施例における各種物性値の測定は、以
下の方法により実施した。
【0030】(1)成形性:16個の結束バンドが一度
に成形されるようなキャビティーを有した金型を用い
て、射出圧力120MPaで成形を行ったとき、16個
の全てのキャビティーが充填成形されたものを○、キャ
ビティーの一部が未充填で充填不良であるものを×とし
た。
【0031】(2)冷却時間(秒):量産性(ハイサイ
クル性)の指標となるもので離型不良を起こさない最短
冷却時間を表し、短いほどハイサイクル性が良くなる。
【0032】(3)低温時の耐折れ曲げ性:図1に示す
形の結束バンド1を−10℃もしくは−30℃の恒温槽
内で3時間冷却した後、図2に示すようにバンドの一端
のふたつ割り部2を中心線3に対し60度の角度に開く
ように折り曲げることにより、耐折れ曲げ性を評価し
た。試験は20本または50本のバンドについて行い、
割れた本数を数えた。
【0033】なお、実施例1〜2及び比較例1〜4にお
いては冷却時間を−10℃で3時間としたもの、実施例
3〜4及び比較例5〜6においては冷却時間を−30℃
で3時間としたものを用いて評価した。
【0034】(4)相対粘度:ポリアミド樹脂の相対粘
度を次の方法によって測定した。すなわち、96%の硫
酸を溶媒としこの溶媒100ccに試料1.0gを溶解
し、温度25℃の条件で常法により測定した。
【0035】実施例1 ポリアミド樹脂として相対粘度2.7のナイロン66
(デュポン社製ザイテル101)60重量%と、相対粘
度2.3のナイロン6(ユニチカ社製A1025)40
重量%とのブレンド物を用い、このポリアミド樹脂10
0重量部に対して結晶核剤として平均粒径2.8μmの
タルク(日本タルク社製)0.3重量部と滑剤としてエ
チレンビスステアリルアミド(試薬)0.5重量部とを
配合した。
【0036】上記のように配合した樹脂組成物から、図
1に示す形の結束バンドを成形した。成形は、IS−1
00E型射出成形機(東芝機械社製)を用いて、樹脂温
度300℃及び310℃、射出圧力120MPa、金型
温度80℃、型締力100t、射出時間2秒、16個取
りで行った。
【0037】そのときの樹脂組成物の配合割合及び得ら
れた結束バンドの物性を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2 ナイロン66とナイロン6とタルクとエチレンビスステ
アリルアミドとの配合割合を表1に示すようにした。そ
れ以外は実施例1と同様にして結束バンドを作製した。
【0040】得られた結束バンドの物性を表1に示す。
【0041】実施例3〜4 未変性エラストマーを含んだ樹脂組成物を材料として結
束バンドを成形した。この未変性エラストマーとして、
スチレン重合体(S)−イソプレン重合体(I)−スチ
レン重合体(S)からなるABAブロック共重合体(以
下「未変性エラストマーSIS」と称す)(シェル社製
クレイトンD−1117)を用いた。
【0042】未変性エラストマーSISと、ナイロン6
6と、ナイロン6と、核剤としてのタルクと、滑剤とし
てのエチレンビスステアリルアミドとの配合割合を表1
に示すようにした。
【0043】また、成形は樹脂温度300℃で行った。
それ以外は実施例1と同様にして結束バンドを作製し
た。そのときの得られた結束バンドの物性を表1に示
す。
【0044】実施例1〜2で得られた結束バンドは、結
晶核剤としてタルクが添加されているため射出成形時の
冷却時間が3秒と短く、量産性すなわちハイサイクル性
に優れたものであった。また、滑剤としてエチレンビス
ステアリルアミドが添加されているため、成形性の良い
結束バンドが得られた。さらに、ナイロン66と、ナイ
ロン6と、タルクと、エチレンビスステアリルアミドと
の配合割合が本発明の範囲内であったため低温時の耐折
れ曲げ性に優れた結束バンドとなった。すなわち20本
のバンドについて試験したところ、割れたものはなかっ
た。
【0045】実施例3〜4で得られた結束バンドは、未
変性エラストマーSISが添加されているため、さらに
低温時の耐折れ曲げ性が向上した。すなわち、低温時の
耐折れ曲げ試験において、冷却温度を−30℃と実施例
1および2よりも低くし、試験を行ったバンド数も20
本から50本に増やして試験したが、それでも割れの生
じたものはなかった。
【0046】比較例1〜4 ナイロン66と、ナイロン6と、タルクと、エチレンビ
スステアリルアミドとの配合割合を表2に示すようにし
た。
【0047】
【表2】
【0048】それ以外は実施例1と同様にして結束バン
ドを作製した。そのときの得られた結束バンドの特性を
表2に示す。
【0049】比較例5〜6 未変性エラストマーの代わりに比較例5では、無水マレ
イン酸変性したスチレン共重合体(S)−エチレン/イ
ソブチレン共重合体(EB)−スチレン共重合体(S)
からなるABAブロック共重合体(以下「無水マレイン
酸変性SEBS」と称す)(シェル社製クレイトンPG
1901X)を、比較例6では無水マレイン酸変性した
エチレン/プロピレン共重合体(以下「無水マレイン酸
変性EPR」と称す)(三井石油化学製タフマーMP0
620)を用いた。ナイロン66と、ナイロン6と、タ
ルクと、エチレンビスステアリルアミドと、無水マレイ
ン酸変性物との配合割合を表2に示すようにした。ま
た、成形は樹脂温度300℃で行った。
【0050】そしてそれ以外は実施例1と同様にして結
束バンドを作製した。そのときの得られた結束バンドの
特性を表2に示す。
【0051】比較例1は、樹脂組成物として粘度の高い
ナイロン66のみを用いたため、流動性が悪く成形性に
劣るものとなった。また結晶核剤であるタルクも添加さ
れていないため冷却個化時間も長くなった。さらに、滑
剤であるエチレンビスステアリルアミドも添加されてい
ないため、低温時の耐折れ曲げ性に劣るものとなった。
【0052】比較例2は、ポリアミド樹脂としてナイロ
ン66とナイロン6とがブレンドされているため、ポリ
アミド樹脂の流動性がよく成形性に優れていたが、結晶
核剤であるタルクが添加されていないため冷却固化時間
が長くなり、滑剤であるエチレンビスステアリルアミド
も添加されていないため、低温時における耐折れ曲げ性
に劣るものとなった。
【0053】比較例3は、滑剤であるエチレンビスステ
アリルアミドが添加されていないため、樹脂組成物の流
動性が向上せず成形性にやや劣るものとなった。また、
低温時における耐折れ曲げ性にもやや劣るものであっ
た。さらに、エチレンビスステアリルアミドが添加され
ていないため、冷却固化時間も5秒と長くなった。
【0054】比較例4は、結晶核剤であるタルクが添加
されていないため冷却固化時間が長くなり、射出成形時
のハイサイクル性を向上させることができず、したがっ
て量産性の向上を図ることができなかった。
【0055】比較例5では、未変性エラストマーの代わ
りにポリアミド樹脂と反応性のよい無水マレイン酸変性
物であるSEBSを用いたため、無水マレイン酸変性物
とポリアミド樹脂とが架橋反応をおこして粘度があが
り、充填不良をおこし成形性に劣るものとなった。ま
た、実施例3、4のように未変性エラストマーを加えた
場合と同様に、冷却温度を−30℃にして50個のサン
プルについて低温時の折り曲げ試験を行ったところ、2
個に割れが生じた。したがって未変性エラストマーを加
えた場合に比べ低温時の耐折れ曲げ性は低下した。ま
た、成形性にも劣るものであった。
【0056】比較例6は未変性エラストマーの代わりに
無水マレイン酸変性物であるEPRを用いたため、無水
マレイン酸変性物とポリアミド樹脂とが架橋反応をおこ
して粘度があがり、充填不良をおこし成形性に劣るもの
となった。また、比較例5と同様に、冷却温度を−30
℃にして50個のサンプルについて低温時の折り曲げ試
験を行ったところ1個に割れが生じ、同様に未変性エラ
ストマーを加えた場合に比べ低温時の耐折れ曲げ性は低
下した。また,成形性にも劣るものとなった。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミド樹脂100
重量部に対して滑剤を0.01〜5重量部の範囲で、結
晶核剤を0.01〜3重量部の範囲で配合することで、
樹脂組成物の流動性が向上し、それにともなって成形性
が向上する。また、結晶核剤が添加されているため射出
成形時の冷却固化時間が短縮され、量産性の向上すなわ
ちハイサイクル性が向上する。また、ポリアミド樹脂と
滑剤と結晶核剤との配合割合を上記の範囲とすること
で、低温時の耐折れ曲げ性も向上する。
【0058】さらに、上記成分に加えてポリアミド樹脂
100重量部に対して未変性エラストマー1〜10重量
部を配合することで、低温時の耐折れ曲げ性がさらに向
上した樹脂製結束バンドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく結束バンドの側面図および平
面図である。
【図2】低温時の耐折れ曲げ性の評価試験時における図
1のバンドの一端のふたつ割り部の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 結束バンド 2 ふたつ割り部 3 中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 77/06 C08L 77/06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂100重量部に対して滑
    剤0.01〜5重量部と結晶核剤0.01〜3重量部と
    が配合された樹脂組成物によって、結束バンドを構成す
    る材料の全体または一部が構成されたことを特徴とする
    樹脂製結束バンド。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂が、ナイロン66とナイ
    ロン6とをブレンドした樹脂からなることを特徴とする
    請求項1記載の樹脂製結束バンド。
  3. 【請求項3】 ポリアミド樹脂100重量部に対して未
    変性エラストマー1〜10重量部がさらに配合されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂製結束
    バンド。
  4. 【請求項4】 滑剤が、ステアリン酸マグネシウム、ス
    テアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ス
    テアリン酸亜鉛、エチレンビスステアリルアミドからな
    る群より選ばれた少なくとも1種のものであることを特
    徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の樹脂
    製結束バンド。
  5. 【請求項5】 未変性エラストマーが、ビニル芳香族化
    合物重合体ブロックAと共役ジエン系オレフィン化合物
    重合体ブロックBとからなるAB型あるいはABA型ブ
    ロック共重合体あるいは前記AB型又はABA型ブロッ
    ク共重合体の水素化物であることを特徴とする請求項3
    または4記載の樹脂製結束バンド。
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