JPH10204132A - 硬化性透明樹脂組成物及び硬化透明樹脂 - Google Patents

硬化性透明樹脂組成物及び硬化透明樹脂

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JPH10204132A
JPH10204132A JP1262197A JP1262197A JPH10204132A JP H10204132 A JPH10204132 A JP H10204132A JP 1262197 A JP1262197 A JP 1262197A JP 1262197 A JP1262197 A JP 1262197A JP H10204132 A JPH10204132 A JP H10204132A
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JP
Japan
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hydrocarbon group
resin composition
formula
polymerizable monomer
general formula
Prior art date
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Application number
JP1262197A
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English (en)
Inventor
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
Takenobu Hatasawa
剛信 畠澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、硬化性、耐候着色性、低吸水性、光
学的均一性等の諸性質を有する光学用途の硬化物を得る
のに最適な硬化性透明樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (I)で示されるバインダー樹脂と、
(II)又は(III )又は(IV)で示される重合性モノマ
ーと、重合反応開始剤とを含む樹脂組成物。モノマー
は、バインダー樹脂とモノマーの合計に対して20〜6
0重量%。m+n:3〜14の整数、R1 、R2 :脂肪
族炭化水素基もしくはその誘導体からなる置換基、炭素
数20以下の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体から
なる置換基、又は芳香族炭化水素基もしくはその誘導体
からなる置換基。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料、コーテ
ィング剤、接着剤等の産業分野、特に、光学材料の分野
に有用な硬化性透明樹脂組成物、より詳しくは、硬化性
及び透明性に優れると共に光学的均一性に優れる硬化物
を得ることのできる、プロピレングリコールジメタクリ
ル樹脂から選ばれるバインダー樹脂を含む硬化性透明樹
脂組成物及び硬化透明樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学材料としては、ポリメチルメ
タクリレート(PMMA)系樹脂、ポリカーボネート
(PC)樹脂、ポリスチレン(PSt)樹脂、ポリアク
リロニトリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートの重合体等が利用されている。これらは軽量
性、安全性、加工性に優れており、その需要は年々増大
している。
【0003】しかし、これら従来の有機光学材料、例え
ば、ポリメチルメタクリレート系樹脂の場合、透明性や
耐候性には優れるが、その樹脂特性として吸水性が大き
いため形状や屈折率が変化し、光学材料としては不安定
である。また、ポリカーボネート樹脂及びポリスチレン
樹脂は複屈折、経時劣化等の問題点がある。
【0004】また、これらの他にも種々の光学材料用樹
脂が提案されている。
【0005】例えば、特公平7−51631号公報に
は、ポリチオエーテル骨格プレポリマーと重合性モノマ
ーとを含む硬化性組成物が開示されている。しかしなが
ら、この組成物から得られる硬化物は、硬化性、透明性
が不十分で、また、耐候着色性、光学的均一性にも問題
があり、光学材料としての諸性質を満足するものではな
かった。
【0006】また一般に、これらの光学用樹脂は、注型
重合で長い時間をかけてゆっくり反応させて製造する必
要があり、生産性に劣る等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を解決し、光学用途を始め、コーティン
グ剤等の透明性を要求される用途に使用することのでき
る、透明性、硬化性(生産性、硬度)、耐候着色性、低
吸水性、光学的均一性等の諸性質を合わせ持つ硬化物を
得るのに最適な硬化性透明樹脂組成物及び硬化透明樹脂
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、プロピレングリコールジメタクリル樹脂
から選ばれるバインダー樹脂と特定の重合性モノマーと
反応開始剤とを含む樹脂組成物から、高透明性、硬化
性、耐候着色性、低吸水性、光学的均一性に優れた硬化
物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明の硬化性透明樹脂組成物
は、バインダー樹脂と重合性モノマーと重合反応開始剤
とを含む樹脂組成物であって、バインダー樹脂は、下記
一般式(I)で示される化合物のうちから少なくとも1
種選ばれる。
【0010】
【化7】
【0011】一般式(I)において、m、nは整数であ
り、m+nは3〜14の整数を表す。
【0012】重合性モノマーは、下記一般式(II)で示
される単官能メタクリル酸エステル、一般式(III )で
示される単官能アクリル酸エステル及び一般式(IV)で
示されるビニル化合物のうちから少なくとも1種選ばれ
る。
【0013】
【化8】 一般式(II)において、R1 は、炭素数20以下の脂肪
族炭化水素基もしくはその誘導体からなる置換基、炭素
数20以下の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体から
なる置換基、又は芳香族炭化水素基もしくはその誘導体
からなる置換基を表す。
【0014】
【化9】 一般式(III )において、R2 は、炭素数20以下の脂
肪族炭化水素基もしくはその誘導体からなる置換基、炭
素数20以下の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体か
らなる置換基、又は芳香族炭化水素基もしくはその誘導
体からなる置換基を表す。
【0015】
【化10】 一般式(IV)において、R3 は、シアノ基又は芳香族炭
化水素基を表す。
【0016】本発明の樹脂組成物において、重合性モノ
マーの組成比は、バインダー樹脂と重合性モノマーの合
計に対して20〜60重量%である。
【0017】以下、本発明について詳しく説明する。
【0018】本発明においてはバインダー樹脂として、
前記一般式(I)で示されるプロピレングリコールビス
メタクリレート類(式中のm、nは整数であり、m+n
は3〜14の整数)を用いる。一般式(I)中のm+n
が2以下及び15以上のプロピレングリコールビスメタ
クリレート類では、得られる樹脂の透明性が悪くなる。
このようなプロピレングリコールビスメタクリレート類
としては、例えば、プロピレングリコールジメタクリレ
ート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリ
プロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピ
レングリコールジメタクリレート、ノナプロピレングリ
コールジメタクリレート、テトラデカプロピレングリコ
ールジメタクリレート等が挙げられる。これらのうちの
一種を単独で用いても良く、また、これらの二種類以上
を併用しても良い。
【0019】本発明においては、一般式(I)中のm+
nが6〜10のプロピレングリコールビスメタクリレー
ト類を用いることが好ましい。m+nが6未満の整数値
である分子量のものであると、樹脂の精製が困難で、不
純物のための着色及び反応による黄変性の問題が出てく
る場合がある。また、重合時に収縮歪みが大きく、そり
等の問題も生じてくる。一方、m+nが10より大きい
ものであると、不純物の問題以外に、樹脂の粘度が増大
して取り扱い上不便であることや、硬化物の硬度が不十
分であり、薄膜状の硬化物が得られにくいといった成型
上の問題も生じる。従って、本発明において特に好まし
いバインダー樹脂は、ノナプロピレングリコールジメタ
クリレート等である。
【0020】本発明においては、重合性モノマーとし
て、前記一般式(II)で示される単官能メタクリル酸エ
ステル、前記一般式(III )で示される単官能アクリル
酸エステル、及び前記一般式(IV)で示されるビニル化
合物のうちの少なくとも1種を用いる。
【0021】一般式(II)に示される単官能メタクリル
酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オク
タデシル、メクタクリル酸シクロヘキシル、メクタクリ
ル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニ
ル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸アダ
マンチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸テトラヒドロ
フルフリル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
【0022】これらのうち、一般式(II)中のR1 が、
炭素数20以下の脂肪族炭化水素基又は炭素数20以下
の脂環式炭化水素基であるものが透明性の点から好まし
い。
【0023】また、脂肪族炭化水素基では炭素数の増加
に従い、耐熱性が急激に減少する。
【0024】よって、例えば、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル
等が好ましい。
【0025】一般式(III )で示される単官能アクリル
酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸i−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アク
リル酸n−ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が挙
げられる。一般式(II)で示される単官能メタクリル酸
エステルとほぼ同様に使用できるが、反応時間が早くな
る一方、硬度が落ちるといった欠点もある。
【0026】一般式(IV)で示されるビニル化合物とし
ては、例えば、アクリロニトリル、スチレン、メチルス
チレン、エチルスチレン等が挙げられる。これらのう
ち、アクリロニトリル、スチレンが耐熱性、耐薬品性、
靭性の面から好ましい。
【0027】これら一般式(II)、一般式(III )又は
一般式(IV)で示される重合性モノマーのうちの一種を
単独で用いても良く、また、これらの二種類以上を併用
しても良いが、耐候着色の点から、一般式(II)で示さ
れるメタクリル酸エステルを重合性モノマーの少なくと
も一部として用いることが好ましい。
【0028】本発明の硬化性樹脂組成物における重合性
モノマーの組成比は、バインダー樹脂と重合性モノマー
の合計に対して20〜60重量%であり、好ましくは3
0〜45重量%である。重合性モノマーの組成比が20
重量%未満であると、重合性モノマーを配合しなかった
場合と比較して、諸物性に大きな変化は見られず、硬度
や耐候着色の問題が生じる。一方、60重量%を越える
と、重合時の収縮歪みの影響が大きくなり、その結果光
学歪みが生じ、光学用途には適さなくなる。重合性モノ
マーの組成比が20〜60重量%である時これらの問題
は改善され、光学用途に適する硬化性透明樹脂組成物と
なる。
【0029】本発明の硬化性透明樹脂組成物には、ラジ
カル重合によって硬化させるために、重合反応開始剤を
含ませる。重合反応開始剤は、熱、マイクロ波、赤外
線、または紫外線によってラジカルを生成し得るラジカ
ル重合開始剤であれば良く、硬化性組成物の用途目的に
応じて適宜選択することができる。
【0030】熱、マイクロ波、赤外線による重合に際し
て使用できるラジカル重合開始剤としては、例えば、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−
1−シクロヘキサンニトリル等のアゾ系化合物、メチル
エチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパ
ーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチル
アセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、イソ
ブチリルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウ
ロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシ
ド等のジアシルパーオキシド類、2,4,4−トリメチ
ルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピル
ベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t
−ブチルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジク
ミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ
−t−ブチルパーオキシド、トリス(t−ブチルパーオ
キシド)トリアジン等のジアルキルパーオキシド類、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、
2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオ
キシケタール類、t−ブチルパーオキシピバーレート、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパ
ーオキシヘキシサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチ
ルパーオキシヘキシサヒドロテレフタレート、ジ−t−
ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ
3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等
のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボナート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカー
ボナート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボナ
ート等のパーカーボナート類が挙げられる。
【0031】紫外線による重合に際して使用できるラジ
カル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、メチルフ
ェニルグリオキシレート、2,2−ジエトキシアセトフ
ェノン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピオフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミン)ベ
ンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o−ベンゾイ
ル)ベンゾエート、1−ヒドロキシ−2−シクロヘキシ
ル−フェニル−ケトン、1−フェニル−1,2−プロパ
ンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベ
ンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインオ
クチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−
ジフェニルエタン−1−オン等のカルボニル化合物、メ
チルアントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチ
オキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプ
ロピルチオキサントン等のアントラキノンまたはチオキ
サントン誘導体、ジフェニルジスルフィド、ジチオカー
バメート等の硫黄化合物、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビスアシル
フォスフィンオキサイドが挙げられる。
【0032】これらの中で硬化速度を速くするには紫外
線による重合開始剤を用いるのが好ましく、なかでも、
特に透明性が重要である場合、2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピオフェノン、1−ヒドロキシ−2−シクロヘ
キシル−フェニル−ケトン、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,2−
ジエトキシアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシ
レート等の開始剤を用いるのが更に好ましい。
【0033】ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル
重合開始剤の種類(反応性)や、重合性モノマー及び/
又はバインダー樹脂の種類、組成比により変化するの
で、一概には決められないが、通常はバインダー樹脂と
重合性モノマーの合計に対して、0.001〜10重量
%の範囲であり、好ましくは0.001〜0.5重量%
の範囲である。ラジカル重合開始剤の量が0.001重
量%未満であると反応が進まず、樹脂が劣化してしま
う。一方、10重量%を越えると、重合中に発泡した
り、黄変性の問題が生じる上、樹脂組成物が非常に高価
になってしまい、経済的ではない。
【0034】本発明の硬化性透明樹脂組成物は、ラジカ
ル重合開始剤の種類に応じて、常法によってラジカルを
生成させ、重合を行ない硬化させることができる。
【0035】また、本発明の硬化性透明樹脂組成物に
は、必要に応じて、公知の重合禁止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、帯電防止
剤、その他の添加剤を配合することができる。
【0036】(作用)本発明の硬化性透明樹脂組成物
は、バインダー樹脂として、前記一般式(I)で示され
るプロピレングリコールビスメタクリレート類を含み、
重合性モノマーとして、前記一般式(II)で示される単
官能メタクリル酸エステル、前記一般式(III )で示さ
れる単官能アクリル酸エステル及び前記一般式(IV)で
示されるビニル化合物のうちの少なくとも1種を含み、
重合反応開始剤を含むので、この樹脂組成物を重合反応
により硬化させることによって、透明性、硬化性(生産
性、硬度)、耐候着色性、低吸水性、光学的均一性等の
諸性質を合わせ持つ硬化透明樹脂を得ることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げるこ
とにより、本発明をさらに具体的に説明する。
【0038】[実施例1]バインダー樹脂としてのテト
ラプロピレングリコールジメタクリレート(一般式
(I)のm+n=4)65gに、モノマーとしてのメタ
クリル酸シクロヘキシル(一般式(II)のR1 :シクロ
ヘキシル基)35gを加え、両者を混合した。この樹脂
組成物100重量部に対して、ラジカル重合開始剤とし
て1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
を0.5重量部加え混合し、硬化性樹脂組成物を得た。
【0039】縦130mm×横130mmのソーダガラ
ス板に、片面離型処理された厚さ15mmの合成樹脂製
のスペーサー材を用いて、縦100mm×横100mm
×深さ15mmの堰を作り、これに上記樹脂組成物を入
れ、同じ大きさのソーダガラス板を積層して樹脂組成物
を封入した。これに、高圧水銀灯により約58mJ/s
・cm2 の紫外光を照射して、樹脂組成物を硬化させ
た。
【0040】このときの樹脂組成物の硬化時間(1) を測
定し、得られた硬化樹脂の諸物性値((2) 〜(6) )を下
記の方法により測定評価した。
【0041】(1) 硬化時間(分) 封入するのに用いたソーダガラス板が手で動かして動か
なくなった時間を測定し、この時間を硬化時間(分)と
した。
【0042】(2) 全光線透過率(%) 厚み15mmの硬化樹脂サンプルについて、村上色彩技
術研究所の変角全光線透過率計HG−200を用いて測
定した。
【0043】(3) 吸水率(%) JIS−K−7209の試験片を作成し、これを50℃
で5日間減圧乾燥した(このときの乾燥重量M1 )。こ
の乾燥試験片を、100℃の水中に2時間浸漬し、浸漬
後の重量M2 を測定した。この際の重量増加の割合を乾
燥重量を基準にして示した。すなわち、 吸水率(%)=[(M2 −M1 )/M1 )]×100
【0044】(4) 硬化物外観 目視による観察により、ムラ、透明性を評価し、無色透
明で均一に見える物を○とした。それ以外を×とした。
【0045】(5) 耐候着色 硬化物を85℃、湿度70%に2000時間投入し、硬
化物の外観が変化しなかったものを○とし、それ以外を
×とした。
【0046】(6) 硬度 全光線透過率の測定に用いた硬化樹脂サンプルについ
て、JIS−K−7202に従い、ロックウェル硬さの
Mスケールの測定を行った。
【0047】[実施例2]バインダー樹脂としてテトラ
プロピレングリコールジメタクリレート(一般式(I)
のm+n=4)65gを用い、重合性モノマーとしてメ
タクリル酸シクロヘキシル17.5g及びメチルスチレ
ン17.5gを用いた以外は実施例1と同様にして、硬
化性樹脂組成物を得た。次に、実施例1と同様にして樹
脂組成物を硬化させ、同様に測定評価を行なった。
【0048】[実施例3]バインダー樹脂としてテトラ
プロピレングリコールジメタクリレート65gを用い、
重合性モノマーとしてメタクリル酸シクロヘキシル1
7.5g及びアクリル酸ジエチレングリコールエトキシ
レート(一般式(III )のR2 :−C2 4OC2 5
基)17.5gを用いた以外は実施例1と同様にして、
硬化性樹脂組成物を得た。次に、実施例1と同様にして
樹脂組成物を硬化させ、同様に測定評価を行なった。
【0049】[実施例4]バインダー樹脂としてノナプ
ロピレングリコールジメタクリレート(一般式(I)の
m+n=9)60gを用い、重合性モノマーとしてメタ
クリル酸メチル40gを用いた以外は実施例1と同様に
して、硬化性樹脂組成物を得た。次に、実施例1と同様
にして樹脂組成物を硬化させ、同様に測定評価を行なっ
た。
【0050】[実施例5]バインダー樹脂としてノナプ
ロピレングリコールジメタクリレート60gを用い、重
合性モノマーとしてメタクリル酸メチル20g及びスチ
レン20gを用いた以外は実施例1と同様にして、硬化
性樹脂組成物を得た。次に、実施例1と同様にして樹脂
組成物を硬化させ、同様に測定評価を行なった。
【0051】[実施例6]バインダー樹脂としてノナプ
ロピレングリコールジメタクリレート60gを用い、重
合性モノマーとしてアクリロニトリル20g及びスチレ
ン20gを用いた以外は実施例1と同様にして、硬化性
樹脂組成物を得た。次に、実施例1と同様にして樹脂組
成物を硬化させ、同様に測定評価を行なった。
【0052】[比較例1]バインダー樹脂は用いず、重
合性モノマーとしてメタクリル酸メチルのみを用いた以
外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を得た。
次に、実施例1と同様にして樹脂組成物を硬化させ、同
様に測定評価を行なった。
【0053】[比較例2]重合性モノマーは用いず、バ
インダー樹脂としてノナプロピレングリコールジメタク
リレート(一般式(I)のm+n=9)のみを用いた以
外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を得た。
次に、実施例1と同様にして樹脂組成物を硬化させ、同
様に測定評価を行なった。
【0054】[比較例3]重合性モノマーは用いず、バ
インダー樹脂としてビス(4−メタクリロイルチオフェ
ニル)スルフィドMPMSA(住友精化製:特公平7−
51631号公報に記載の化合物)のみを用いた以外は
実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を得た。次
に、実施例1と同様にして樹脂組成物を硬化させ、同様
に測定評価を行なった。
【0055】実施例1〜6及び比較例1〜3について、
バインダー樹脂及びモノマー組成のまとめを表1に示
し、樹脂組成物の硬化時間及び硬化樹脂の諸物性値を表
2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表2から、実施例1〜6では、樹脂組成物
の硬化時間が短く硬化樹脂の生産性に優れ、得られた硬
化物も諸物性値に優れるものである。とりわけ、バイン
ダー樹脂として一般式(I)のm+n=6〜10のもの
を用いた実施例3〜6では、全光透過率、硬度に非常に
優れる。
【0059】これに対して、比較例1では硬化時間が非
常に長く、生産性の面で劣り、吸水率も高い。また、比
較例2では硬化物の重合収縮による歪みが大きく、光学
用途には適さない。比較例3では硬化時間が長い上に、
透明性にも劣る。また黄変してしまい、耐候性も良くな
い。
【0060】従って、本発明による硬化性樹脂組成物
は、従来の硬化性樹脂よりも硬化時間が短く、硬化樹脂
の生産性に優れると共に、従来の硬化樹脂と同程度の全
光透過率を有し、透明性、光学的均一性にも優れる硬化
樹脂を得ることができる。また組成物の配合を変えるこ
とにより、硬化時間が制御でき、樹脂の粘度も制御が可
能であり、硬化製造法により変えることができる。
【0061】
【発明の効果】本発明の硬化性透明樹脂組成物は、上述
のように、硬化時間が短く、硬化樹脂の生産性に優れる
と共に、この樹脂組成物より得られる本発明硬化透明樹
脂は、優れた硬化性及び透明性を有し、耐候性にも優
れ、低吸水性であり、主に光学材料として有用であり、
その他、コーティング剤等に有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂と重合性モノマーと重合
    反応開始剤とを含む樹脂組成物であって、 バインダー樹脂は、下記一般式(I)で示される化合物
    のうちから少なくとも1種選ばれ、 【化1】 (式中、m、nは整数であり、m+nは3〜14の整数
    を表す) 重合性モノマーは、下記一般式(II)で示される単官能
    メタクリル酸エステル、一般式(III )で示される単官
    能アクリル酸エステル及び一般式(IV)で示されるビニ
    ル化合物のうちから少なくとも1種選ばれ、 【化2】 (式中、R1 は、炭素数20以下の脂肪族炭化水素基も
    しくはその誘導体からなる置換基、炭素数20以下の脂
    環式炭化水素基もしくはその誘導体からなる置換基、又
    は芳香族炭化水素基もしくはその誘導体からなる置換基
    を表す) 【化3】 (式中、R2 は、炭素数20以下の脂肪族炭化水素基も
    しくはその誘導体からなる置換基、炭素数20以下の脂
    環式炭化水素基もしくはその誘導体からなる置換基、又
    は芳香族炭化水素基もしくはその誘導体からなる置換基
    を表す) 【化4】 (式中、R3 は、シアノ基又は芳香族炭化水素基を表
    す。) 重合性モノマーの組成比は、バインダー樹脂と重合性モ
    ノマーの合計に対して20〜60重量%であることを特
    徴とする、硬化性透明樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 重合性モノマーが、下記一般式(II)で
    示される単官能メタクリル酸エステル及び一般式(IV)
    で示されるビニル化合物のうちから少なくとも1種選ば
    れることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性透明樹
    脂組成物。 【化5】 (式中、R1 は、炭素数20以下の脂肪族炭化水素基又
    は炭素数20以下の脂環式炭化水素基を表す) 【化6】 (式中、R3 は、シアノ基又はフェニル基を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1及び2のうちのいずれか1項に
    記載の硬化性透明樹脂組成物を重合反応により硬化させ
    て得られる、硬化透明樹脂。
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