JPH10203904A - 加熱蒸散用ゲル組成物及びこれを用いた加熱蒸散殺虫方法 - Google Patents

加熱蒸散用ゲル組成物及びこれを用いた加熱蒸散殺虫方法

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JPH10203904A
JPH10203904A JP9361613A JP36161397A JPH10203904A JP H10203904 A JPH10203904 A JP H10203904A JP 9361613 A JP9361613 A JP 9361613A JP 36161397 A JP36161397 A JP 36161397A JP H10203904 A JPH10203904 A JP H10203904A
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Japan
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heat
gel composition
pyrethroid
insecticidal
insecticidal component
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JP9361613A
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Yoshihiro Namite
良裕 南手
Hiroshi Asai
洋 浅井
Tomoko Sakata
智子 坂田
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Dainihon Jochugiku Co Ltd
Original Assignee
Dainihon Jochugiku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気蚊取マット方式の使いやすい長所を踏襲
し、かつ長期間にわたり安定した殺虫効力を持続しえる
加熱蒸散用ゲル組成物、及びこれを用いた加熱蒸散殺虫
方法の提供。 【課題の解決手段】 アクリルポリマー系架橋重合体
(A)と、20℃における蒸気圧が3.0×10−6
mHg以上のピレスロイド系殺虫成分(B)を混和して
形成されるゲル組成物であって、A/B比率が0.05
〜1.5であり、かつ偏平状のプラスチック製又は金属
製容器に200mg以上収納された形態で、加熱温度が
70〜170℃の放熱板上に載置して使用される加熱蒸
散用ゲル組成物、及びこれを用いた加熱蒸散殺虫方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺虫成分を含有するゲ
ル組成物、及びこれを発熱体放熱板上に載置して該殺虫
成分を蒸散させる加熱蒸散殺虫方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より殺虫等の目的で殺虫成分を加熱
蒸散させる方法として、(1)蚊取線香、(2)電気蚊
取マットなどが愛好され、近年、(3)液体蚊取、すな
わち薬液中に吸液芯を浸漬し、芯上部を加熱して薬液を
加熱蒸散させる方法も普及している。このうち、電気蚊
取マットは、殺虫成分を含浸させた繊維質製マットを、
加熱蒸散装置の該マットと略同形状の放熱板上に載置
し、通電により加熱して殺虫成分を蒸散させるもので、
放熱板の中心部の温度は140〜180℃の範囲に設定
されている。電気蚊取マットは使いやすい製剤である
が、マットの底面全体が放熱板により加熱されるので、
揮散調整剤を添加しても殺虫成分の揮散量は経時的に減
少する。このため、通常1枚のマットには、1日毎にマ
ットを取り替える設計で1日使用分のピレスロイド系殺
虫成分しか配合されておらず、製剤の特性上、長時間用
殺虫マットの開発は困難と考えられてきた。一方、液体
蚊取でも、電気蚊取マットの場合と同じピレスロイド系
殺虫成分が使用されるが、芯上部を間接加熱する構成の
ため発熱体の温度は電気蚊取マットに比べて若干低くな
っている。この方式は1度薬液ボトルを装着するだけで
30〜60日間効果が継続するので便利である反面、液
漏れ等の危惧は避けられない。
【0003】電気蚊取マット方式の使いやすい長所を取
り入れ、かつ長期間効果の持続する製剤の開発も試みら
れ、例えば特開平5−194103号公報や特開平6−
192007号公報には、熱可塑性樹脂粉末と無機粉末
及び/又は有機粉末からなる混合物を熱可塑性樹脂粉末
の融点付近に加熱してなる加熱蒸散用薬剤含有体が開示
され、熱伝導性のよい担体を用いることにより加熱温度
を下げえることが記載されている。しかしながら、長期
間にわたり安定した蒸散性能を得るのが難しく実用には
至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気蚊取マ
ット方式の使いやすい長所を踏襲し、かつ長期間にわた
り安定した殺虫効力を持続しえるゲル組成物、及びこれ
を用いた加熱蒸散殺虫方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、繊維質製マットに代わる担体を検討
したところ、ゲル化剤のなかでも、アクリルポリマー系
架橋重合体を用い、特定の物理化学的性質を有するピレ
スロイド系殺虫成分、ならびに特定の加熱温度の放熱板
を有する加熱蒸散装置を組み合わせることによって、長
期間にわたり連続して殺虫効力を持続できうることを発
見した。
【0006】すなわち、請求項1の発明は、アクリルポ
リマー系架橋重合体(A)と、20℃における蒸気圧が
3.0×10−6mmHg以上のピレスロイド系殺虫成
分(B)を混和して形成されるゲル組成物であって、A
/B比率が0.05〜1.5であり、かつ偏平状のプラ
スチック製又は金属製容器に200mg以上収納された
形態で、加熱温度が70〜170℃の放熱板上に載置し
て使用されることを特徴とする加熱蒸散用ゲル組成物に
係る。
【0007】本発明で用いられるゲル化剤はアクリルポ
リマー系架橋重合体(A)で、アクリルポリマーに有機
脂肪酸塩を添加して構成されてもよい。例えばアクリル
ポリマー80〜90重量%と有機脂肪酸塩10〜20重
量%からなるオレオソーブPW−190やオレオソーブ
PW−390等が本発明の目的に適しており、ゲル化剤
の粒径も適宜選択することができる。本発明のゲル化剤
以外に、例えば特開昭63−222104号公報にはア
シルアミノ酸誘導体を用いたゲル型防虫剤が、また特開
昭54−92630号公報には微粉末シリカとアルコー
ルを用いて増粘させたゲル状組成物が開示されている
が、特に加熱蒸散用途に適用した場合、これらはゲルの
保形性や揮散コントロール性において不適当であること
が見いだされた。
【0008】本発明で用いられる殺虫成分は、安全性の
高いピレスロイド系化合物で、20℃における蒸気圧が
3.0×10−6mmHg以上であることを必須とす
る。蒸気圧が3.0×10−6mmHgより小さいと、
特定の加熱温度の放熱板を有する加熱蒸散装置を組み合
わせたとしても所望の効果が得られない。好適な殺虫成
分として、例えば、エムペントリン、フラメトリン、ト
ランスフルスリン、テフラメトリン、アレスリン及びプ
ラレトリン等をあげることができ、用途や目的に応じて
適宜選択することができる。なかでも、エムペントリ
ン、フラメトリン、トランスフルスリン及びプラレトリ
ンが性能上好ましい。なお、化学構造上、不斉炭素や二
重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合
は、それぞれの各々ならびに任意の混合物も本発明の殺
虫成分に包含されるのはもちろんである。
【0009】本発明では、ゲル組成物中に前記ピレスロ
イド系殺虫成分が200mg以上配合される。200m
gより少ないと当然のことながら、長期間にわたり殺虫
効力を発揮しえない。なお、ゲル化剤を形成させるにあ
たっては、ピレスロイド系殺虫成分が長期間加熱される
のを考慮して安定剤を配合するのが好ましく、更に必要
に応じ適宜、揮散調整剤、溶剤、香料、色素等が添加さ
れる。殺虫成分の安定剤としては、例えば、ジブチルハ
イドロキノン、2,2’−メチレンビス−(4−エチル
−6−t−ブチルフェノール)〔ヨシノックス42
5〕、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエ
リスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ステ
アリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、トリス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、
亜リン酸トリノニルフェニル等の70〜170℃の加熱
温度で実質的に揮散しないものが好ましく、これらは単
独で用いてもよく2種以上を併用することもできる。ま
た、揮散調整剤としては、例えばピペロニルブトキサイ
ド、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−
4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミド〔サイネピリン500〕、
ステアリン酸ブチル等があげられるが、もちろんこれら
に限定されるものではない。
【0010】また、本発明では、ピレスロイド系殺虫成
分以外の有効成分、例えば殺ダニ剤、忌避剤、ヒノキチ
オール、リナロール、シトラール、ピネン、メントー
ル、テルペンアルコール類等の空間用殺菌・抗菌剤、防
黴剤等をピレスロイド系殺虫成分の蒸散性を損なわない
範囲で添加し多目的組成物とすることもできる。
【0011】本発明は、前記アクリルポリマー系架橋重
合体(A)とピレスロイド系殺虫成分(B)をA/B比
率 0.05〜1.5で混和してゲル組成物を形成し、
このゲル組成物を偏平状のプラスチック製又は金属製容
器に200mg以上収納した形態で、加熱温度が70〜
170℃の放熱板上に載置して使用する構成としたこと
に特徴を有する。プラスチック製容器や金属製容器の材
質は耐熱性や成形性に支障がない限り特に限定されず、
ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、
ポリサルフォン、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレ
ン、アルミフォイル、アルミ容器等を例示できる。収納
容器の大きさは、従来の加熱蒸散装置の放熱板の大きさ
を考慮し、20〜30mm×30〜40mm程度のもの
が使いやすく、また熱エネルギーを有効に活用できるよ
うにゲル組成物の厚みを薄くして収納するのが好まし
い。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、アクリルポリマー系架橋重合体(A)が、アクリル
ポリマーに有機脂肪酸塩を添加してなるものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成において、特にピレスロイド系殺虫成分として、エム
ペントリン、フラメトリン、トランスフルスリン、テフ
ラメトリン、アレスリン、及びプラレトリンから選ばれ
た1種または2種を用いたものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、ピレスロイド系殺虫成分と共
に、70〜170℃の加熱温度で実質的に揮散しない安
定剤を、ピレスロイド系殺虫成分に対して0.2〜20
重量%配合した加熱蒸散用ゲル組成物である。
【0015】請求項5の発明は、請求項1の加熱蒸散用
ゲル組成物を用いた加熱蒸散殺虫方法、すなわち、アク
リルポリマー系架橋重合体(A)と、20℃における蒸
気圧が3.0×10−6mmHg以上のピレスロイド系
殺虫成分(B)をA/B比率0.05〜1.5で混和し
てゲル組成物を形成し、このゲル組成物を偏平状のプラ
スチック製又は金属製容器に200mg以上収納した形
態で、加熱温度が70〜170℃の放熱板上に載置して
使用することにより、長期間殺虫効力を持続せしめる加
熱蒸散殺虫方法に係るものである。この方法は、電気蚊
取マットのクリーンな長所を踏襲し、液体蚊取と異なっ
て液漏れ等の心配がなく、しかも長期間にわたり殺虫効
力を持続せしめることができるので極めて実用性の高い
加熱蒸散殺虫方法である。
【0016】請求項6の発明は、請求項5の構成におい
て、特にピレスロイド系殺虫成分として、エムペントリ
ン、フラメトリン、トランスフルスリン、テフラメトリ
ン、アレスリン、及びプラレトリンから選ばれた1種ま
たは2種を用いた加熱蒸散殺虫方法である。
【0017】請求項7の発明は、請求項5又は6の構成
において、ピレスロイド系殺虫成分と共に、70〜17
0℃の加熱温度で実質的に揮散しない安定剤を、ピレス
ロイド系殺虫成分に対して0.2〜20重量%配合して
なるゲル組成物を用いた加熱蒸散殺虫方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】請求項1の構成によると、繊維質
製マットに代わる担体としてアクリルポリマー系架橋重
合体を用い、特定の物理化学的性質を有するピレスロイ
ド系殺虫成分、ならびに特定の加熱温度の放熱板を有す
る加熱蒸散装置を組み合わせることによって、長期間に
わたり連続して殺虫効力を持続できうる加熱蒸散用ゲル
組成物が提供される。アクリルポリマー系架橋重合体
は、他のゲル化剤に比べ、ピレスロイド系殺虫成分に対
する吸油能が高く、適度な保持力と徐放性を有し、しか
も熱安定性にすぐれるので加熱蒸散用途に最適である。
また、アクリルポリマー系架橋重合体(A)とピレスロ
イド系殺虫成分(B)のA/B比率を変えることによっ
て殺虫成分の徐放性を調整することもできる。更に本ゲ
ル化剤は、殺虫成分の揮散終了後の残さが少ないため、
ゲル組成物の体積変化をもって薬剤効果の消耗度を知ら
せるインジケーターとして利用することもでき極めて実
用的である。通常、ゲル組成物を偏平状のプラスチック
製又は金属製容器に収納した後、非通気性のフィルムで
シールし、使用の際にシールを剥がして供するのが適当
である。なお、使用中、内容物がこぼれないように収納
容器の天面を通気性フィルムで覆う形態を採用してもよ
い。
【0019】また、放熱板の加熱温度は70〜170℃
であることを必要とするが、この範囲であればゲル組成
物の処方、収納容器の形状、容器加熱部の実質面積等と
の関係において適宜選択することができる。例えば、放
熱板全面を加熱部として活用する場合加熱温度は70〜
130℃の如く低温が好ましいが、容器底面積に対して
放熱板面積を小さくした場合や、適当なくり抜き部を設
けた断熱板を放熱板と収納容器の間に挿入するような場
合には130〜170℃の温度範囲も設定可能である。
【0020】請求項2の構成によると、より有用なアク
リルポリマー系架橋重合体を用いたのでより性能のすぐ
れた加熱蒸散用ゲル組成物が提供される。
【0021】請求項3の構成によると、ピレスロイド系
殺虫成分として、特にエムペントリン、フラメトリン、
トランスフルスリン、テフラメトリン、アレスリン、及
びプラレトリンから選ばれた1種または2種を用いたの
で殺虫効果のよりすぐれた加熱蒸散用ゲル組成物を得る
ことができる。
【0022】請求項4の構成によると、ピレスロイド系
殺虫成分に加えて、有用な安定剤を配合したので、加熱
蒸散装置に適用して使用中殺虫成分の分解が抑制された
加熱蒸散用ゲル組成物が提供される。
【0023】請求項5の構成によると、請求項1の加熱
蒸散用ゲル組成物を用いることにより、電気蚊取マット
のクリーンな長所を踏襲し、液体蚊取と異なって液漏れ
等の心配がなく、しかも長期間にわたり殺虫効力を持続
せしめることができる極めて実用的な加熱蒸散殺虫方法
が提供される。
【0024】請求項6の構成によると、ピレスロイド系
殺虫成分として、特にエムペントリン、フラメトリン、
トランスフルスリン、テフラメトリン、アレスリン、及
びプラレトリンから選ばれた1種または2種を用いたの
でより有用な加熱蒸散殺虫方法が提供される。
【0025】請求項7の構成によると、ピレスロイド系
殺虫成分に加えて有用な安定剤を配合したので、使用中
殺虫成分の分解ロスのない効率的な加熱蒸散殺虫方法が
提供される。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例及び試験例を用いて更
に詳細に説明する。
【0027】実施例1.底面の大きさが23×35mm
で高さが5.0mmのアルミ製容器に、エムペントリン
1.2gと安定剤としてのヨシノックス425を0.1
g含有する殺虫原液を入れ、これにアクリルポリマー系
架橋重合体(商品名:オレオソーブPW−190)0.
4gを加え、1昼夜放置してゲルを形成させた。大きさ
が24×36mmで中央部の加熱温度が90℃の放熱板
を配した加熱蒸散装置に、前記アルミ製容器を載置して
使用したところ、1日・12時間あたりのエムペントリ
ンの蒸散量は約35mgであった。このマットは約30
日間にわたり安定した蒸散性能と殺虫効力を奏し、しか
も液洩れ等の心配がなく使用性にも優れたものであっ
た。
【0028】実施例2.底面の大きさが24×38mm
で高さが6.0mmのポリサルフォン製容器に、d−ト
ランス−アレスリン(商品名:エスバイオスリン)1.
0gと安定剤としてのトリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン0.05g及び
ピペロニルブトキサイド0.3gを含む灯油溶液を入れ
た。これに、アクリルポリマー系架橋重合体(商品名:
オレオソーブPW−190)0.4gを加え、1昼夜放
置してゲルを形成させた。大きさが24×36mmで中
央部の加熱温度が165℃の放熱板を備えた従来加熱蒸
散装置の放熱板上に、板状断熱材と前記ポリサルフォン
製容器をこの順に積層して使用した。夜間12時間通電
し昼間休止するサイクルを30日間継続したところ、d
−トランスーアレスリンは毎日約25mgずつ蒸散し、
30日間にわたり十分な蚊防除効果を示した。また、使
用中ゲル組成物が徐々に縮小し、ゲル組成物の体積変化
で使用終期を知らせることも可能であった。
【0029】実施例3.底面の大きさが24×38mm
で高さが6.0mmのアルミフォイル容器に、アクリル
ポリマー系架橋重合体(商品名:オレオソーブPW−3
90)0.4gを入れ、これにd−シス/トランスーフ
ラメトリン1.2gと安定剤としてのジブチルハイドロ
キノン0.2gを含む混合物を加えた。1昼夜放置して
ゲルを形成させた後、厚さ20μのポリプロピレンフィ
ルムでシールして本発明の加熱蒸散用ゲル組成物を得
た。大きさが24×36mmで中央部の加熱温度が12
0℃の放熱板を配した加熱蒸散装置に、前記アルミフォ
イル容器を載置して使用したところ、約30日間にわた
り安定した蒸散性能と殺虫効力を示した。
【0030】試験例1.実施例1乃至実施例3に準じて
表1に示すゲル組成物を調製し、種々の加熱蒸散装置に
装填して各種性能試験を行った。なお、ゲル組成物の収
納容器は、底面の大きさが23×35mmで高さが5.
0mmのアルミ製容器を用いた。 (1)蒸散性能:蒸散した殺虫成分を所定時間毎にシリ
カゲル充填カラムでトラップし、アセトンで殺虫成分を
抽出後、ガスクロマトグラフで分析し、殺虫成分の時間
あたりの蒸散量を求めた。表1に示す値は、それぞれの
製剤の初期の値を1.00とした場合の相対比で示し
た。 (2)殺虫効力:所定時間毎に下記の連続通気法により
アカイエカに対する仰転効果を評価した。表1に示す値
は、d1,d−シス、トランス−アレスリン40mgを
含有する1日用マットの初期の値を1.00とした場合
の相対有効比で示した。
【0031】(連続通気法)内径20cm、高さ43c
mのプラスチック製円筒を2段に重ね、その上に16メ
ッシュの金網で上下に仕切った内径及び高さが共に20
cmの円筒(供試蚊を入れる場所)を載せ、さらに内径
20cm、高さ20cm円筒を載せる。この4段重ねの
円筒を台に載せ、台の中央に加熱蒸散装置を置いて供試
ゲル組成物中の殺虫成分を蒸散させる。そして、上部円
筒に供試蚊約20匹を放ち、時間の経過に伴う該蚊の仰
転数を観察する。暴露20分後に全供試蚊を清潔なポリ
エチレン容器に移し、3%砂糖水を与え、保存24時間
後に死虫率を調べる。
【0032】
【表1】
【0033】試験の結果、特定のゲル化剤と特定の物理
化学的性質を有するピレスロイド系殺虫成分からなるゲ
ル組成物、ならびに特定の加熱温度の放熱板を有する加
熱蒸散装置を組み合わせた本発明は、長期間にわたり優
れた蒸散性能と殺虫効力を示し、便利なうえ極めて実用
的であった。これに対し、アクリルポリマー系架橋重合
体以外のゲル化剤を用いた場合(対照例1)、20℃に
おける蒸気圧が3.0×10−6mmHgより小さいピ
レスロイド系殺虫成分を用いた場合(対照例2)、アク
リルポリマー系架橋重合体(A)とピレスロイド系殺虫
成分(B)のA/B比率が0.05〜1.5の範囲外の
場合(対照例3〜4)、蒸気圧が3.0×10−6mm
Hg以上であっても収納容器あたりの殺虫成分量が20
0mgに満たない場合(対照例5)、放熱板の条件に適
合しない場合(対照例6〜7)のいずれも満足のいく性
能が得られなかった。
【0034】
【発明の効果】請求項1ないし4のいずれかの発明によ
ると、液洩れ等の心配がなくクリーンな製剤で、長期間
にわたり安定した殺虫効力を持続しえる加熱蒸散用ゲル
組成物が提供される。
【0035】請求項5ないし7のいずれかの発明による
と、前記加熱蒸散用ゲル組成物と特定の放熱板を有する
加熱蒸散装置を組み合わせることによって、電気蚊取マ
ット方式でしかも長期間有効な極めて実用的な加熱蒸散
殺虫方法が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 53/00 502C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルポリマー系架橋重合体(A)
    と、20℃における蒸気圧が3.0×10−6mmHg
    以上のピレスロイド系殺虫成分(B)を混和して形成さ
    れるゲル組成物であって、A/B比率が0.05〜1.
    5であり、かつ偏平状のプラスチック製又は金属製容器
    に200mg以上収納された形態で、加熱温度が70〜
    170℃の放熱板上に載置して使用されることを特徴と
    する加熱蒸散用ゲル組成物。
  2. 【請求項2】 アクリルポリマー系架橋重合体(A)
    が、アクリルポリマーに有機脂肪酸塩を添加してなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の加熱蒸散用ゲル組成
    物。
  3. 【請求項3】 ピレスロイド系殺虫成分が、エムペント
    リン、フラメトリン、トランスフルスリン、テフラメト
    リン、アレスリン、及びプラレトリンから選ばれた1種
    または2種であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の加熱蒸散用ゲル組成物。
  4. 【請求項4】 ピレスロイド系殺虫成分と共に、70〜
    170℃の加熱温度で実質的に揮散しない安定剤を、ピ
    レスロイド系殺虫成分に対して0.2〜20重量%配合
    したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の加熱蒸散用ゲル組成物。
  5. 【請求項5】 アクリルポリマー系架橋重合体(A)
    と、20℃における蒸気圧が3.0×10−6mmHg
    以上のピレスロイド系殺虫成分(B)をA/B比率0.
    05〜1.5で混和してゲル組成物を形成し、このゲル
    組成物を偏平状のプラスチック製又は金属製容器に20
    0mg以上収納した形態で、加熱温度が70〜170℃
    の放熱板上に載置して使用することにより、長期間殺虫
    効力を持続せしめることを特徴とする加熱蒸散殺虫方
    法。
  6. 【請求項6】 ピレスロイド系殺虫成分が、エムペント
    リン、フラメトリン、トランスフルスリン、テフラメト
    リン、アレスリン、及びプラレトリンから選ばれた1種
    または2種であることを特徴とする請求項5に記載の加
    熱蒸散殺虫方法。
  7. 【請求項7】 ピレスロイド系殺虫成分と共に、70〜
    170℃の加熱温度で実質的に揮散しない安定剤を、ピ
    レスロイド系殺虫成分に対して0.2〜20重量%配合
    したことを特徴とする請求項5又は6に記載の加熱蒸散
    殺虫方法。
JP9361613A 1996-11-21 1997-11-18 加熱蒸散用ゲル組成物及びこれを用いた加熱蒸散殺虫方法 Pending JPH10203904A (ja)

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