JPH10202778A - 紫外線吸収複層板 - Google Patents

紫外線吸収複層板

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JPH10202778A
JPH10202778A JP9024334A JP2433497A JPH10202778A JP H10202778 A JPH10202778 A JP H10202778A JP 9024334 A JP9024334 A JP 9024334A JP 2433497 A JP2433497 A JP 2433497A JP H10202778 A JPH10202778 A JP H10202778A
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ultraviolet
absorbing
component
glass
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JP9024334A
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Masaki Minami
昌樹 南
Takeshi Asano
剛 朝野
Noboru Takaesu
昇 高江洲
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性、遮音性、耐候性、耐熱性に優れた紫
外線吸収複層板の提供。 【解決手段】 2枚の透明基板を積層させた構造にある
複層板において、その一方の基板上にアミノシラン化合
物由来のアミド結合を含有する紫外線吸収層を形成させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線遮断能が付
与された紫外線吸収複層板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から一般にガラス板等の透明基板に
紫外線吸収性を付与するには(1)紫外線吸収性の物質
を用いて透明基板を処理をする方法と、(2)多層膜に
よる多重反射を利用する方法とがある。(2)の多層膜
による多重反射は、カット波長を自由に調節できる、ク
リアカットが可能であるという点で優れているが、作業
工程が多くコスト的に問題がある。(1)の紫外線吸収
性の物質で処理をする方法には無機系紫外線吸収剤を用
いる場合と有機系紫外線吸収剤を用いる場合がある。無
機系紫外線吸収剤(例えば特開平5−339033,特
開平5−345639,特開平6−56466号公報
等)では耐候性、耐熱性等の耐久性が優れる反面、吸収
波長が化合物のバンドギャップによって決定されるた
め、自由度が少なく、また400nm近辺の紫外線領域
までクリアにカットできるものはなく、さらに長波長カ
ットでは着色を伴うものが多い。これに対して有機系の
紫外線吸収剤は吸収帯に幅があるため、吸収剤の種類や
濃度、膜厚を選ぶことにより様々な吸収波長のものを得
ることができる。これまで種々の有機系紫外線吸収剤を
用いた系が検討されており、長波長領域までカットする
場合には、最大吸収波長が長波長領域にあるものを用い
るか、濃度もしくは膜厚を大きくするかの2通りが考え
られている。しかし、最大吸収波長が長波長領域にある
もの(例えば特開平6−145387号公報等)は耐光
性が悪く、吸収能が時間とともに減少してしまう。前記
特開平6−145387公報においては蛍光増白剤を用
いるため蛍光により透視性が悪くなるという問題もあ
る。これに対してベンゾフェノン系やベンゾトリアゾー
ル系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良く、濃度や膜厚
を大きくすれば長波長領域まで比較的クリアにカットで
きる。しかし通常これらの紫外線吸収剤を樹脂等に混ぜ
て塗布する場合、膜厚的には数十μm程度が限界であ
る。この膜厚で長波長領域までカットしようとするとか
なり高濃度に紫外線吸収剤を添加する必要がある。しか
しながら、単に高濃度に添加しただけでは紫外線吸収剤
の析出や長期使用によるブリードアウトが生じるという
問題がある。そこで樹脂と反応させてこれらを防ごうと
いう試みが多くなされている。例えばアクリル樹脂など
に共重合させる等の試みがなされているが(特開平2−
248412,特開平6−88064号公報等)、アク
リル樹脂自体が耐候性、耐熱性に難があるため,とても
長期使用には耐えられない。また耐候性、耐熱性に優れ
るシリコーン樹脂と反応しうる紫外線吸収剤を用いた系
についても種々検討がなされている(例えば特公昭61
−54800,特開平2−117928,特公平3−4
5094号公報等)。しかし,紫外線吸収剤の合成が工
業的に難しかったり、耐久性に問題が生じるものが多い
のが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたものであり、その目的は、断熱
性、遮音性、耐候性、耐熱性に優れ、且つ長期使用にお
いても紫外線吸収剤がブリードアウトせず、可視領域の
透過率は低下させずに紫外線の長波長領域までカットす
ることが可能な紫外線吸収性複層板を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、2枚以
上の透明基板を積層した複層板であって、該透明基板の
少なくとも1枚は紫外線吸収透明板であり、該紫外線吸
収透明板が、少なくとも、透明基板および該基板上に形
成された紫外線吸収層を備え、該紫外線吸収層が、少な
くとも、(a)下記の一般式(1)に示されるアミノシ
ラン化合物またはその誘導体(以下、「成分A」)と、
(b)分子内にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤
(以下「成分B」)とを少なくとも反応させ、前記アミ
ノシラン又はその誘導体に由来するアミド結合を生成せ
しめた成分を、透明基板の上に塗布、硬化することによ
って作製されることを特徴とする紫外線吸収複層板が提
供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる紫外線
吸収透明板は、少なくとも、透明基板および該基板上に
形成された紫外線吸収層を備える。透明基板としては、
特に限定されないが、例えば無色あるいは有色ガラス,
曇りガラス、網入りガラス,熱線反射ガラス,熱線吸収
ガラス,強化ガラス,ガラスブロック等が用いられる
他、無色あるいは有色の透明性を有する樹脂でも良い。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルホン、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、
ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、などが挙げ
られる。本発明における透明とは、3〜100%の透過
率を有することであり、また、本発明における基板と
は、常温において平滑な面を有するものであり、その面
は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって
変形するものであってもよい。本発明において成分Aと
して用いるアミノシラン化合物は、下記一般式(1)に
示すものである。
【化2】 一般式(1)に於いて、R1 は炭素数1〜10、好まし
くは1〜5のアルキレン基、または一般式−(CH2
m −NH−[mは1≦m≦4の整数]で表される2価の
基を示す。該アルキレン基としては具体的にはメチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が例
示される。各々のR2 は同一若しくは異なる基であっ
て、水素原子、水酸基、塩素、臭素等のハロゲン原子、
炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキル基若しく
はアルコキシ基、または炭素数6〜10、好ましくは6
〜8のアリール基を示す。但し、全てのR2 のうち少な
くとも一つはアルコキシ基である。前記R2 のアルキル
基としてはメチル基、エチル基。プロピル基、i-プロピ
ル基等が例示でき、アリール基としてはフェニル基、ト
リル基などが例示できる。アルコキシ基としてはメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、i-プロポキシ基等が
例示できる。nはn≧0、好ましくは0≦n≦3の整数
を示す。一般式(1)で示されるアミノシラン化合物の
好適な例としては、3- アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、3- アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラ
ン、3- アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-
アミノプロピルトリクロロシラン、3- アミノプロピル
ポリジメチルシロキサン、N- (2- アミノエチル)-
3- アミノプロピルトリメトキシシラン、3- アミノプ
ロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン等が
挙げられる。また、アミノシラン化合物の誘導体として
は、前記好適な化合物の加水分解物等が好ましく挙げら
れる。これらのアミノシラン化合物又はその誘導体であ
る成分Aは公知の方法により製造できる。また、本発明
においては、一般式(1)で示されるアミノシラン化合
物の誘導体を用いることもできる。かかる誘導体として
は、前記化合物の加水分解物が好ましいものとして挙げ
られる。
【0006】成分Bとして用いる分子内にカルボキシル
基を有する紫外線吸収剤としては、分子の側鎖にカルボ
キシル基を1個または2個以上有する化合物が挙げら
れ、例えばベンゾトリアゾール骨格またはベンゾフェノ
ン骨格を有する化合物等が挙げられる。ベンゾトリアゾ
ール骨格を有する化合物としては、下記一般式(2)に
より表される化合物が好適に挙げられる。
【化3】 一般式(2)中のR3 は、水素原子、ハロゲン原子また
は炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示
す。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
等が、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、i-プロピル基、ブチル基、t-ブチル基、シクロ
ヘキシル基等が例示できる。R3 の置換位置は、ベンゾ
トリアゾール骨格の4位または5位であるが、ハロゲン
原子及びアルキル基は通常4位に位置する。式中のR4
は、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6
のアルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、t-ブ
チル基、シクロヘキシル基等が例示できる。式中のR5
は、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基
または、アルキリデン基を示す。アルキレン基として
は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピ
レン基等が、アルキリデン基としては、エチリデン、プ
ロピリデン基等が挙げられる。一般式(2)で示される
化合物としては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリ
アゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチ
ル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
ベンゼンエタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−
4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸等が挙げられる。
【0007】前記ベンゾフェノン骨格を有する化合物と
して、下記一般式(3)〜(6)にて示されるベンゾフ
ェノン系化合物等が好適に挙げられる。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】 一般式(3)〜(6)に於いて、R7 及びR8 は同一若
しくは異なる基であって、水素原子、水酸基、炭素数1
〜10、好ましくは1〜6のアルキル基又はアルコキシ
基を示す。n、mは、0≦m≦3、0≦n≦3の範囲の
整数を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、t-ブチル
基、シクロヘキシル基等が、アルコキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i-プロポキシ
基、ブトキシ基等が具体的に例示される。式中R6 は、
炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基又
は、アルキリデン基を示す。アルキレン基としては、メ
チレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基
等が、アルキリデン基としてはエチリデン基、プロピリ
デン基等が挙げられる。このようなベンゾフェノン骨格
を有する化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カ
ルボン酸、4−(2−ヒドロキシベンゾイル)−3−ヒ
ドロキシベンゼンプロパン酸等が好適に挙げられる。前
記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾフェノン骨格を有
する紫外線吸収剤は公知の方法により製造できる。
【0008】本発明に用いられる塗布成分の製造方法に
おいて、前記成分Aと成分Bとを少なくとも反応させ
て、成分Aに由来するアミド結合を生成せしめる反応は
通常脱水反応が主である。この際、反応により生成する
アミド結合の量は、特に限定されないが、通常、成分A
の全アミノシランの10モル%以上、好ましくは、50
モル%以上に対してアミド結合が生じるようにすれば良
く、上限は通常100モル%であるが、上限が100モ
ル%未満でも差し支えない。本発明に用いられる塗布成
分の製造方法においては、上記のとおり、少なくとも成
分Aおよび成分Bを反応させれば良いが、係る反応の
際、または反応後に本発明の目的を損なわない範囲で任
意成分をさらに共存・添加してもよい。次にこれらの任
意成分について説明する。
【0009】任意成分の一例としてはシリコーン樹脂
(以下、「成分C」と称す)が挙げられる。成分Cとし
ては反応性シリコーン樹脂、即ち、成分Aのアルコキシ
シリル基部分と反応(通常脱水反応および/または脱ア
ルコール反応等)しうる官能基を有するシリコーン樹脂
が好ましい。官能基としてはアルコキシシリル基やシラ
ノール基等が好ましい。このような反応性シリコーン樹
脂は、一般的にアルコキシシランやクロロシラン類の部
分加水分解反応とそれに続く縮合反応によって容易に合
成することができる。市販品では、純シリコーンワニス
(例えば、商品名「XO7931−クリヤー」:オキツ
モ(株)製)、シリコーンレジン(例えば、商品名「S
R2410」:東レ・ダウコーニングシリコーン(株)
製)、アクリル変性シリコーン樹脂(例えば、商品名
「サイラコート1000」:チッソ(株)製)等が好適
に挙げられる。また、シリコーン樹脂を本発明の目的を
損なわない範囲で各種溶剤を用いた溶液の形で用いるこ
とができる。溶剤としては、特に限定されないが、各種
炭化水素系溶剤、ケトン類、エーテル類、エステル類、
エーテル・エステル類などが挙げられる。また、シリコ
ーン樹脂を各種変性したものを用いても良い。成分C
は、成分Aおよび成分Bの反応の際、または反応後のい
ずれにおいても共存させられるが、成分Aおよび成分B
の反応の際に共存させることが特に好ましい。
【0010】前記任意成分の他の例としては、各種のエ
ポキシシラン類(以下「成分D」と称す)が挙げられ、
好ましくは下記一般式(8)〜(9)に示すようなエポ
キシシラン類が挙げられる。
【化8】
【化9】 一般式(8)〜(9)に於いて、R9 およびR11は同一
若しくは異なる基であって、炭素数1〜10、好ましく
は1〜5のアルキレン基又は、式−R−O−R' −(但
し、R及びR' は各々炭素数1〜10、好ましくは1〜
5のアルキレン基を示す)により示される2価の基を示
し、各々のR10は同一若しくは異なる基であって、水素
原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜10、好まし
くは1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基、または
炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基を示す。
但し、全てのR10のうち少なくとも1つはアルコキシ基
である。nはn≧0、好ましくは0≦n≦3の整数を示
す。前記アルキレン基としては、メチレン基、トリメチ
レン基、テトラメチレン基等が好適に例示できる。前記
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、i-プロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、、オクチル基等が好適に
挙げられ、前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、t-ブトキシ基、
ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、前
記アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げ
られる。成分Dの具体例としては、3- グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ジメトキシ- 3- グリシド
キシプロピルメチルシラン、2- (3,4- エポキシシ
クロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、ジメチルエ
トキシ- 3- グリシドキシプロピルシラン、1,3−ビ
ス(3−グリシドキシプロピル)−1,3−ジメチル−
1,3−ジメトキシジシロキサン又はこれらの混合物等
が好適に挙げられる。成分Dは予め加水分解して用いて
も良い。また予め適当な重合触媒でエポキシ基を開環重
合させて用いることもできる。重合触媒としては、三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム、
ジエチル亜鉛等のルイス酸触媒が好適である。また、エ
ポキシ基を開環重合させる際の重合条件は特に限定され
ないが、通常、−80℃〜130℃、好ましくは−20
℃〜80℃程度が望ましく、反応時間は反応条件、反応
様式等により適宜選択でき、通常10分〜10時間、好
ましくは1時間〜6時間程度が望ましい。この際用いる
溶媒は特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素溶媒、各種のケトン類やエステル
類等が挙げられる。成分Dは、成分Aおよび成分Bの反
応の際、または反応後のいずれにおいても共存させられ
るが、成分Aおよび成分Bの反応の後に加えることが好
ましい。但し、前記予め成分Dのエポキシ基を開環重合
させたものを用いる場合には、成分A及び成分Bの反応
の際に加えるのが好ましい。
【0011】他の任意成分としては、ポリエーテル変性
ポリシロキサン類(以下「成分E」と称す)が挙げら
れ、好ましくは、下記一般式(9)で示されるポリエー
テル変性ポリシロキサン類が例示される。
【化10】 (式中、R12、R13およびR14は同一若しくは異なる基
であって、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキ
レン基を示し、各々のR15は同一若しくは異なる基であ
って、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜1
0、好ましくは1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ
基、または炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基を示す。またR15のうち少なくとも一つはアルコキシ
基である。m、n、pは、各々m≧0、好ましくは0≦
m≦100、n≧0、好ましくは0≦n≦10、p≧
0、好ましくは0≦p≦10の整数を示す。)前記アル
キレン基としては、メチレン基、トリメチレン基、テト
ラメチレン基などが好適に挙げられる。前記アルキル基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピ
ル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、、オクチル基等が好適に挙げられる。
前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。前記アリー
ル基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
一般式(9)にて表される成分Eの具体例としては、テ
トラエチレングリコール- ビス(トリエトキシシリルエ
チル)エーテル、ポリエチレングリコール- ビス(トリ
エトキシシリルエチル)エーテル、ポリプロピレングリ
コール- ビス(トリエトキシシリルエチル)エーテル又
はこれらの混合物が挙げられる。成分Eは、予め加水分
解して用いても良い。成分Eは、成分Aおよび成分Bの
反応の際、または反応後のいずれにおいても共存させら
れるが、成分Aおよび成分Bの反応の際に加えるのが好
ましい。任意成分として特に、前記成分Dのエポキシシ
ラン類や成分Eのポリエーテル変性ポリシロキサン類を
用いることにより、当該基板上の紫外線吸収性被膜は、
耐熱性を損なうことなく基板への密着性が改善され、厚
膜にしても割れにくくなる等、さらに優れた効果を奏す
る。
【0012】他の任意成分としては、無機微粒子分散液
(以下、「成分F」と称す)が挙げられる。成分Fとし
ては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン、酸化アンチモン等の微粒子の分散液等が挙げられ
る。微粒子の粒子径は1〜100nm程度であり、分散媒
としては水、メタノール、キシレン、メチルエチルケト
ン、等が挙げられる。市販品ではLUDOX L S(デ
ュポン社製)や、XBA−ST(日産化学社製)などが
好適に挙げられる。成分Fは、成分Aおよび成分Bの反
応の際、または反応後のいずれにおいても共存させられ
るが、成分Aおよび成分Bの反応の後に加えることが好
ましい。成分Fを加えることで,表面硬度を改善し,耐
摩耗性,耐薬品性などを向上させることができる。な
お、任意成分はいずれも公知の方法により製造できる。
【0013】本発明に用いられる塗布成分の製造方法に
おいては、前述のとおり、少なくとも、成分Aと成分B
とを反応させるか、若しくは必要に応じて前記任意成分
の共存下反応させることにより、塗布成分(反応混合
物)を容易に製造することができる。この反応条件は、
成分Aに由来するアミド結合が生成する条件であれば特
に限定されなく、その条件は適宜選択されるところであ
るが、通常、成分Aおよび成分B、さらに所望により任
意成分を溶媒中にて混合したのち、溶媒の存在下におい
て、室温〜350℃、好ましくは60〜250℃におい
て、通常5分〜50時間、好ましくは10分〜15時間
の条件で好適に行うことができる。これらの反応操作は
繰り返し行うことができる。この反応に用いる溶媒とし
ては、本発明の目的を損なわない限り特に限定されない
が、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤や、
シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、またはこれらの混
合物が挙げられる。溶媒は、反応後除去してもよく、除
去せずに溶液の状態でも良い。前記反応において、成分
Aと成分Bとの使用割合は、特に限定されないが、成分
Bの使用量が、成分Aと成分Bとの総量に対し、通常5
〜90質量%、好ましくは10〜80質量%の範囲で任
意に選択することができる。塗布成分は、このような反
応終了後直ちに、そのままの形態で塗布に供してもよ
く、また上記の反応終了後、即ち塗布成分を得た後、各
種成分を加えたものを塗布液として使用することもでき
る。各種成分は、本発明の目的を損なわない限り、特に
限定されないが、例えば、酸化防止剤、クエンチャーも
しくはラジカル捕捉剤、または塩酸、硫酸、酢酸などの
無機酸や有機酸、3フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯
体、6フッ化アンチモン酸ナトリウム等のルイス酸、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、
アニリンなどの塩基、ジブチルスズジラウレート、チタ
ンテトライソプロポキサイドなどの有機金属に例示され
るような、硬化促進作用を有するする触媒(紫外線吸収
材料に対して、通常0.1〜5.0質量%であることが
好ましい)、トルエン、キシレン、エタノール、イソプ
ロパノール、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノ
ン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン等、各種シ
ンナー等の溶剤、などが使用可能であって、これらの成
分を加えたものを塗布液として使用することができる。
【0014】また、任意成分であるシリコーン樹脂の使
用量としては、特に限定されないが、成分Aと成分Bの
総量100質量部に対して、5〜300質量部、好まし
くは20〜150質量部が望ましい。また、エポキシシ
ラン類の使用量としては、特に限定されないが、成分A
と成分Bの総量100質量部に対して、10〜500質
量部、好ましくは100〜400質量部が望ましい。ま
た、ポリエーテル変性ポリシロキサン類の使用量として
は、特に限定されないが、成分Aと成分Bの総量100
質量部に対して、10〜500質量部、好ましくは10
0〜400質量部が望ましい。また、コロイダルシリカ
の使用量としては、特に限定されないが、成分Aと成分
Bの総量100質量部に対して、5〜400質量部、好
ましくは10〜200質量部が望ましい。
【0015】本発明の特定の紫外線吸収層は、かくして
得られた塗布成分を、透明基板の上に塗布、硬化するこ
とによって得られる。塗布成分は通常、液状であり、そ
の塗布方法は、特に限定されなく適宜公知の方法が選択
されるところである。例えば、スピンコート、スプレー
コート、ディップコート、キャストコート、ブレードコ
ート、フローコートなどが、目的に応じて適宜使用され
る。硬化反応は、前記硬化促進作用を有する触媒を用い
た場合は、通常室温から250℃、好ましくは40℃〜
200℃程度で硬化させることができる。また該触媒を
用いなくても通常室温〜350℃、好ましくは60℃〜
250℃で加熱することによって硬化させることができ
る。硬化に要する時間は、適宜選択されるところである
が、通常10分〜5時間程度である。透明基板上に形成
される紫外線吸収層の膜厚は、特に限定されなく適宜選
択されるところであるが、通常0. 5〜50μm程度の
範囲内で用いられる。0. 5μm以下では充分な紫外線
遮断能力を出すことが難しい場合があり、50μm以上
では亀裂を生じさせずに塗布するのが難しい場合があ
る。
【0016】本発明の紫外線吸収複層板は、300〜4
00nmの紫外線領域の透過光を大部分または完全にカッ
トすることができ、具体的には95%以上、好ましい態
様では98%以上、さらに好ましい態様では99%以上
の紫外線領域の透過光をカットすることができる。ま
た、本発明の透明基板上に形成される紫外線吸収層は実
質的に透明であり、基板の有する可視領域の透過率低下
をほとんど起こさないかまたは全く起こさないものであ
り、最終的な紫外線吸収複層板としても透明なものであ
る。
【0017】本発明において用いられる紫外線吸収透明
板には、紫外線吸収層上に、さらにオーバーコート層を
設けることで耐摩耗性、耐薬品性などの機能を付与する
ことができる。用いるオーバーコート剤としては一般的
に知られている様々なものが挙げられるが、その中でも
シリコーン系のオーバーコート剤が最適である。シリコ
ーン系オーバーコート剤としてはコロイダルシリカなど
の無機微粒子を分散させたシリコーンレジン系やアルコ
キシシラン,クロロシランなどのシラン類の部分加水分
解生成物及び部分重縮合生成物などが挙げられる。具体
的には,市販品ではトスガード510 (東芝シリコーン
製)やAPZ7703 、APZ7705 (日本ユニカー製)が挙げら
れる。またエポキシシランの部分加水分解生成物もオー
バーコート剤として耐摩耗性などが優れていることが知
られている。オーバーコート層の作製方法としては、特
に限定されなく適宜公知の方法が選択されるところであ
る。スピンコート、スプレーコート、キャストコート、
ブレードコート、ディップコートなどが、目的に応じて
適宜使用される。硬化方法も紫外線吸収被膜の場合と同
様の方法が適用できる。また,オーバーコート作製前に
光表面改質やプライマー処理を施すことで,オーバーコ
ート材の塗れ性改善や,オーバーコート層の紫外線吸収
層への密着性を改善することもできる。本発明において
用いられる紫外線吸収透明板は,さらにその上に,熱線
反射機能や断熱機能のある金属酸化物等の薄膜を真空蒸
着やスパッタリング,ゾルゲル法等の方法により成膜
し,熱線反射機能や断熱機能を付与することもできる。
【0018】本発明の紫外線吸収複層板は前述の通り2
枚以上の透明基板から構成され、かつ紫外線吸収透明板
を必須に有する限り、その態様は目的に応じて適宜選択
されるところである。透明基板の組み合わせとしては以
下の態様が例示される。 (1) 紫外線吸収透明板と紫外線層を具備しない透明板
(則ち透明基板) (2) 2枚の紫外線吸収透明板を使用 (3) 紫外線吸収透明板と熱線反射性透明板 (4) 紫外線吸収透明板と紫外線反射性透明板 (5) 紫外線吸収透明板、非紫外線吸収透明板と熱線反射
性透明板 (6) 紫外線吸収透明板と選択波長反射性透明板 (7) 紫外線吸収透明板と低輻射率透明板 もちろん、透明板の材質は同一でも異なってもよい。ま
た、紫外線吸収透明板を用いる際、該透明板において具
備される紫外線吸収層は、複層板としたときに外側に露
出する形でも、内側に内蔵される形のどちらでもよい
が、内側に内蔵されるほうがより好ましい。また、これ
らの透明板同志は密着させてもよく、また透明板同志を
機能性材料を介して密着させてもよく、また透明板間を
適当な間隔を隔てて配置し、その間を真空、乾燥空気や
不活性ガスや機能性材料を充填した形態でも良い。本発
明の紫外線吸収複層板は、前述のようにして作製された
紫外線吸収透明板を少なくとも1枚以上用いること以外
は、公知の方法により作製することができる。以下に具
体的な複層板としての例を挙げるが、本発明はこれらに
限定されるものではない。例えば複層ガラスの場合は、
スペーサー、コーナーキー、乾燥剤、封着剤、シール材
などを適宜組み合わせることにより容易に作製でき、ま
たそれらの材質は特に限定されないが、例えば、スペー
サーとしては通常アルミや合金等の金属製のものや、塩
ビ等の樹脂製のものが用いられる。またスペーサーを組
み合わせるコーナーキーには通常金属や樹脂製のもの等
が用いられる。スペーサーの中に入れる乾燥剤としては
通常シリカゲルやゼオライト等の多孔質性物質が用いら
れる。また一次シールとしてはブチルゴム等を基本とし
たポリイソブチレン系の封着材等が用いられる。二次シ
ールとしてはポリサルファイド系等のものが用いられ
る。また、例えば合わせガラスの場合は、中間膜として
はポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等が通常用いられる。また耐貫
通性を良くするためにポリカーボネートやポリエステル
等の樹脂フィルムを2枚のガラスの間に中間膜を介して
挟み込むことも行われる。以上、本発明について詳細に
説明してきたが、本発明の紫外線吸収複層板に関して好
適な実施態様としては以下の態様が挙げられる。 1.前記塗布成分が、少なくとも(a)前記一般式
(1)に示されるアミノシラン化合物またはその誘導
体、および(b)前記分子内にカルボン酸残基を有する
紫外線吸収剤を反応させる際に、その反応を前記シリコ
ーン樹脂の存在下で行うことにより得られるものである
ことを特徴とする本願発明の紫外線吸収複層板。 2.前記塗布成分が、少なくとも、(a)前記一般式
(1)に示されるアミノシラン化合物またはその誘導
体、および(b)前記分子内にカルボン酸残基を有する
紫外線吸収剤を反応させ、該アミノシランに由来するア
ミド結合を生成せしめたのち、前記エポキシシラン類を
さらに加えることにより得られるものであることを特徴
とする本願発明の紫外線吸収複層板。 3.前記塗布成分が、少なくとも、(a)前記一般式
(1)に示されるアミノシラン化合物またはその誘導
体、および(b)前記分子内にカルボン酸残基を有する
紫外線吸収剤を反応させ、前記アミノシラン類に由来す
るアミド結合を生成せしめたのち、コロイダルシリカを
さらに加えることにより得られるものであることを特徴
とする本願発明の紫外線吸収複層板。
【0019】
【発明の効果】本発明の紫外線吸収複層板は、紫外線吸
収剤を母材であるシリコーン樹脂とアミド結合を介して
結合させることにより,高濃度に吸収剤を含有させても
良好な耐久性を維持し、可視領域の透過率低下をほとん
ど起こさず長波長領域までクリアにカットできるもので
ある。
【0020】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0021】実施例1カルボン酸残基含有紫外線吸収剤の合成 225g(0. 46モル)の3- (5- クロロ- 2H-
ベンゾトリアゾール-2- イル)- 5- (1, 1- ジメ
チルエチル)- 4- ヒドロキシ- ベンゼンプロパン酸オ
クチルエステル(TINUVIN 109、商標名、C
iba−Geigy社製)を700mlのアセトンに溶
解し、2N水酸化ナトリウム水溶液600mlを加えて
室温で24時間攪拌した。2N塩酸650mlを加えて
酸性にした後、不溶化した生成物を濾別し、蒸留水で濾
液が中性になるまで洗浄した。この生成物を真空乾燥し
た後、トルエンからの再結晶を行うことで3- (5- ク
ロロ- 2H- ベンゾトリアゾール- 2- イル)- 5-
(1, 1- ジメチルエチル)- 4- ヒドロキシ- ベンゼ
ンプロパン酸[化合物I]を得た。紫外線吸収性塗布液の製造 3−アミノプロピルトリエトキシシラン3gをキシレン
35gに溶解し、80℃に加熱しながら、前記化合物I
5gを徐々に添加した。添加終了後、130℃まで昇温
し、3時間還流した。放冷後、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランを16g添加し、これを紫外線吸
収性塗布液とした。得られた塗布液を13C−NMRによ
り分析したところ、アミド結合に由来するカルボニルの
ピーク(約173ppm)が観測され、原料のアミノシ
ラン類に由来するアミド結合が存在していることを確認
した。紫外線吸収透明板の製造 前記紫外線吸収性塗布液をガラス基板上にスプレー塗布
し、室温で20分放置後200℃で20分加熱し、厚さ
約17μmの紫外線吸収被膜を有する紫外線吸収ガラス
を作製した。この紫外線吸収ガラスの紫外可視吸収スペ
クトルを図1に示した。スペクトルに示されるように4
00nm以下の紫外線を完全に遮断するガラス基板が得ら
れた。紫外線吸収複層ガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により複層ガラスを作製した。尚、ア
ルミスペーサー、コーナーキー、ブチルゴム、乾燥剤、
ポリサルファイドはテイパ化工製のものを使用した。断
熱性に優れ、長寿命の、紫外線を完全に遮断する複層ガ
ラスが得られた。
【0022】実施例2紫外線吸収性塗布液の製造 3gの3- アミノプロピルトリエトキシシランをキシレ
ン40gに溶解し60℃に加熱しつつ、5gの実施例1
における化合物Iを徐々に加えた。添加終了後、130
℃まで昇温し、3時間還流し、溶液状の紫外線吸収性塗
布液を得た。得られた溶液を13C−NMRにより分析し
たところ、アミド結合に由来するカルボニルのピーク
(約173ppm)が観測され、原料のアミノシラン類
に由来するアミド結合が存在していることを確認した。紫外線吸収透明板の製造 前記塗布液をガラス基板上にスプレー塗布し、室温で2
0分放置後130℃で30分加熱し、厚さ約10μmの
紫外線吸収被膜を有する紫外線吸収ガラスを作製した。
この紫外線吸収ガラスの紫外可視吸収スペクトルを測定
したところ、実施例1と同様に紫外線を完全に遮断する
ガラス基板が得られた。紫外線吸収複層ガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により複層ガラスを作製した。尚、ア
ルミスペーサー、コーナーキー、ブチルゴム、乾燥剤、
ポリサルファイドはテイパ化工製のものを使用した。断
熱性に優れ、長寿命の、紫外線を完全に遮断する複層ガ
ラスが得られた。
【0023】実施例3紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3- アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン35gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I5gを徐々に添加した。添加終了後、13
0℃まで昇温し3時間還流し、溶液状の紫外線吸収性塗
布液を得た。紫外線吸収透明板の製造 前記紫外線吸収性塗布液をガラス基板上にスプレー塗布
し、室温で20分放置後、200℃で20分加熱し、厚
さ約17μmの紫外線吸収被膜を有する紫外線吸収ガラ
スを作製した。この紫外線吸収ガラスに対して碁盤目試
験を行ったところ、50%剥離が見られた。この紫外線
吸収ガラスの紫外可視吸収スペクトルを図2に示した。
スペクトルに示されるように400nm以下の紫外線を完
全に遮断するガラス基板が得られた。鉛筆硬度は2Hだ
った。また、この紫外線吸収透明基板を沸騰アセトンで
24時間抽出を行ったところ、重量減少はなかった。こ
のことから、紫外線吸収剤はアミノシランを介して樹脂
と結合していることがわかった。紫外線吸収複層ガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により複層ガラスを作製した。尚、ア
ルミスペーサー、コーナーキー、ブチルゴム、乾燥剤、
ポリサルファイドはテイパ化工製のものを使用した。断
熱性に優れ、長寿命の、紫外線を完全に遮断する複層ガ
ラスが得られた。
【0024】実施例4紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン35gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I5gを徐々に添加した。添加終了後、13
0℃まで昇温し3時間還流した。放冷後、3- グリシド
キシプロピルトリメトキシシランを16g添加し、紫外
線吸収性塗布液を得た。紫外線吸収透明板の製造 前記紫外線吸収性塗布液をガラス基板上にスプレー塗布
し、室温で20分放置後、200℃で20分加熱し、厚
さ約17μmの紫外線吸収被膜を有する紫外線吸収ガラ
スを作製した。このガラス基板の紫外可視吸収スペクト
ルを図3に示した。また、実施例3のように碁盤目試験
での剥離は認められなかった。紫外線吸収複層ガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により複層ガラスを作製した。尚、ア
ルミスペーサー、コーナーキー、ブチルゴム、乾燥剤、
ポリサルファイドはテイパ化工製のものを使用した。断
熱性に優れ、長寿命の、紫外線を完全に遮断する複層ガ
ラスが得られた。
【0025】実施例5紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3- アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン35gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I5gを徐々に添加した。添加終了後、13
0℃まで昇温し3時間還流した。放冷後、3- グリシド
キシプロピルトリメトキシシランを16g、コロイダル
シリカ分散液(日産化学製、MIBK-ST )を8g添加し紫
外線吸収性塗布液を得た。紫外線吸収透明板の製造 前記紫外線吸収性塗布液をガラス基板上にスプレー塗布
し、室温で20分放置後、200℃で20分加熱し、厚
さ約17μmの紫外線吸収被膜を有する紫外線吸収ガラ
スを作製した。鉛筆硬度は4Hであった。このガラス基
板の紫外可視吸収スペクトルを図4に示した。紫外線吸収複層ガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により複層ガラスを作製した。尚、ア
ルミスペーサー、コーナーキー、ブチルゴム、乾燥剤、
ポリサルファイドはテイパ化工製のものを使用した。
【0026】実施例6エポキシシランの重合 3- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン200g
をキシレン75gに溶解させ、3フッ化ホウ素・ジエチ
ルエーテル錯体4mlを室温で徐々に加えた後、4時間
撹拌しエポキシ基の開環重合を行った。得られたポリマ
ーの分子量はMw=3300(ポリスチレン換算)であ
った。紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3- アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン29gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I5gを徐々に添加した。添加終了後、13
0℃まで昇温し3時間還流した。放冷後、上記エポキシ
シラン重合体溶液を22gを加え紫外線吸収材料を得
た。紫外線吸収透明板の製造 前記溶液状の紫外線吸収材料をコーテング液として、こ
れをガラス基板上にスプレー塗布し、室温で20分放置
後、150℃で30分加熱し、厚さ約15μmの紫外線
吸収層のついたガラス基板を作製した。鉛筆硬度は6H
であった。このガラス基板の紫外可視吸収スペクトルを
図5に示した。紫外線吸収複層ガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により複層ガラスを作製した。尚、ア
ルミスペーサー、コーナーキー、ブチルゴム、乾燥剤、
ポリサルファイドはテイパ化工製のものを使用した。
【0027】実施例7紫外線吸収塗布液の製造 3- アミノプロピルトリエトキシシラン3gと実施例6
のエポキシシラン重合体溶液11gをキシレン32gに
溶解し、80℃に加熱しながら化合物I5gを徐々に添
加した。添加終了後、130℃まで昇温し3時間還流
し、紫外線吸収材料を得た。紫外線吸収透明板の製造 前記溶液状の紫外線吸収材料をコーテング液として、こ
れをガラス基板上にスプレー塗布し、室温で20分放置
後、150℃で30分加熱し、厚さ約15μmの紫外線
吸収層のついたガラス基板を作製した。鉛筆硬度は5H
であった。このガラス基板の紫外可視吸収スペクトルを
図6に示した。紫外線吸収複層ガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により複層ガラスを作製した。尚、ア
ルミスペーサー、コーナーキー、ブチルゴム、乾燥剤、
ポリサルファイドはテイパ化工製のものを使用した。紫外線吸収合わせガラスの作製 上記紫外線吸収ガラスと市販のソーダライムガラスを用
いて、通常の方法により合わせガラスを作製した。断熱
性に優れ、長寿命の、紫外線を完全に遮断する複層ガラ
スが得られた。
【0028】比較例1 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)22.2gに、3ー (5ー クロロー 2Hー ベンゾ
トリアゾールー 2ー イル)ー 5ー (1, 1ー ジメチルエ
チル)ー 4ー ヒドロキシー ベンゼンプロパン酸オクチル
エステル(TINUVIN 109、商標名、Ciba
−Geigy社製)10gを加え、さらにジ- nー ブチ
ルスズジラウレート20μlを添加し、DMF20ml
で希釈した後、ガラス基板上にスプレー塗布した。ホッ
トプレート上60℃で15分乾燥した後、オーブンに入
れ200℃で1時間加熱硬化し、厚さ約20μmの紫外
線吸収被膜を有する紫外線吸収ガラスを得た。しかしこ
の紫外線吸収ガラスは吸収剤の析出により白濁してしま
った。
【0029】比較例2 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)22.2gに、3ー (5ー クロロー 2Hー ベンゾ
トリアゾールー 2ー イル)ー 5ー (1, 1ー ジメチルエ
チル)ー 4ー ヒドロキシー ベンゼンプロパン酸オクチル
エステル(TINUVIN 109、商標名、Ciba
−Geigy社製)2.2gを加え、さらにジ- nー ブ
チルスズジラウレート20μlを添加し、DMF20m
lで希釈した後、ガラス基板上にスプレー塗布した。ホ
ットプレート上60℃で15分乾燥した後、オーブンに
入れ200℃で1時間加熱硬化し、厚さ約15μmの紫
外線吸収被膜を有する紫外線吸収ガラスを得た。この紫
外線吸収ガラスは比較例1のように白濁しなかったが、
紫外線カット能は図7の透過率スペクトルに示したよう
に不十分なものであった。また作製した紫外線吸収ガラ
スを用いて実施例3と同様に沸騰アセトンで抽出を行っ
たところ、48%の重量減少が観察され、紫外線吸収能
も大幅に低下した。このことから大部分の紫外線吸収剤
が溶出していることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した紫外線吸収透明板の紫外可
視吸収スペクトルを示すグラフである。
【図2】実施例3で作製した紫外線吸収透明板の紫外可
視吸収スペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例4で作製した紫外線吸収透明板の紫外可
視吸収スペクトルを示すグラフである。
【図4】実施例5で作製した紫外線吸収透明板の紫外可
視吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5】実施例6で作製した紫外線吸収透明板の紫外可
視吸収スペクトルを示すグラフである。
【図6】実施例7で作製した紫外線吸収透明板の紫外可
視吸収スペクトルを示すグラフである。
【図7】比較例2で作製した紫外線吸収透明板の紫外可
視吸収スペクトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦谷 禎範 横浜市中区千鳥町8番地 日本石油株式会 社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚以上の透明基板を積層した複層板で
    あって、該透明基板の少なくとも1枚は紫外線吸収透明
    板であり、該紫外線吸収透明板が、少なくとも、透明基
    板および該基板上に形成された紫外線吸収層を備え、 該紫外線吸収層が、少なくとも、 (a)一般式(1)に示されるアミノシラン化合物また
    はその誘導体と、 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキレン基、または
    一般式−(CH2 m −NH−[mは1≦m≦4の整
    数]で表される2価の基を示し、各々のR2 は同一若し
    くは異なる基であって、水素原子、水酸基、ハロゲン原
    子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10の
    アルコキシ基を示す。但し全てのR2 のうち少なくとも
    一つはアルコキシ基を示す。nはn≧0の整数を示
    す。) (b)分子内にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤と
    を反応させ、前記アミノシラン化合物又はその誘導体に
    由来するアミド結合を生成せしめた成分を、透明基板の
    上に塗布、硬化することによって作製されたことを特徴
    とする紫外線吸収複層板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017145162A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 旭硝子株式会社 赤外線吸収ガラス物品

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JP2000177070A (ja) * 1998-10-05 2000-06-27 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線吸収性積層型樹脂材
JP2017145162A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 旭硝子株式会社 赤外線吸収ガラス物品

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