JPH10204410A - 紫外線吸収材料の製造方法 - Google Patents

紫外線吸収材料の製造方法

Info

Publication number
JPH10204410A
JPH10204410A JP2434197A JP2434197A JPH10204410A JP H10204410 A JPH10204410 A JP H10204410A JP 2434197 A JP2434197 A JP 2434197A JP 2434197 A JP2434197 A JP 2434197A JP H10204410 A JPH10204410 A JP H10204410A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
absorbing material
carbon atoms
ultraviolet
ultraviolet absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2434197A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Minami
昌樹 南
Takeshi Asano
剛 朝野
Noboru Takaesu
昇 高江洲
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2434197A priority Critical patent/JPH10204410A/ja
Publication of JPH10204410A publication Critical patent/JPH10204410A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性及び耐熱性に優れた紫外線吸収材料の
製造。 【解決手段】 シラン化合物またはその誘導体と、カル
ボキシル基を含有する紫外線吸収剤を反応させて、シラ
ン化合物またはその誘導体由来の結合又は塩を含有する
材料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な紫外線吸収
性材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より有機紫外線吸収剤をアクリル樹脂等に共用し、紫外
線カット塗料として用いることが行われてきた。しかし
長期にわたる使用では、紫外線吸収剤のブリードアウト
や母材となるポリマーの光劣化などによって、性能が劣
化してしまう、という問題点があった。これらの問題点
を克服するために、樹脂成分を改良したり酸化防止剤を
併用したり(特開昭63−43972)することが行わ
れてきた。またメタクリロイル基を有する有機紫外線吸
収剤を用いて共重合させブリードアウトをなくす(特開
平6−88064)、といった試みもなされてきた。し
かし、これらも樹脂自体が主鎖に数多くのエステル結合
を有するため、耐光性が悪く、Norrish 型の反応を起こ
したり、200℃を越える高温環境下では、使用できな
い、といった欠点を有していた。また、耐候性を改善す
るためにシリコーン樹脂を用いることも行われている
が、この場合も単に紫外線吸収剤を添加するだけでは、
紫外線吸収剤のブリードアウトによる性能の劣化が起こ
ってしまうため、紫外線吸収剤にシリコーン樹脂と反応
できる基を導入する試みが数多くなされている(例え
ば、特開平2−243695等)。しかしこれらのシリ
ル化紫外線吸収剤は多段階の合成が必要であったり、ヒ
ドロシリル化触媒の除去など面倒な工程が必要である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、耐候性
及び耐熱性高い等従来技術の欠点が解決された紫外線吸
収性材料を提供するものである。即ち、本発明に係る紫
外線吸収性材料の製造法は、(a)一般式(1)に示さ
れるシラン化合物またはその誘導体と、(b)分子内に
カルボキシル基を有する紫外線吸収剤とを反応させ、前
記シラン化合物またはその誘導体に由来する結合または
塩を生成せしめることを特徴とする。
【化2】 一般式(1)に於いて、Xは−NHR、−NR2 、−O
H(Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す)で表され
る官能基の中から選ばれる。R1 は炭素数1〜10のア
ルキレン基、または一般式−(CH2 m −NH−[m
は1≦m≦4の整数]で表される2価基を示し、R2
炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、水酸基お
よび水素原子からなる群から各々選ばれ、各々同一でも
異なってもよく、R2 のうち少なくとも一つはアルコキ
シ基若しくは水酸基であり、nはn≧0の整数を示す。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明に係る紫外線吸収性材料の
製造法では、前述のとおり、(a)前記一般式(1)に
示されるシラン化合物またはその誘導体(以下「成分
A」)と、(b)分子内にカルボキシル基を有する紫外
線吸収剤(以下「成分B」)が使用される。成分Aとし
て用いるシラン化合物は、下記の一般式(1)で示され
る。
【化3】 一般式(1)に於いて、Xは−NHR、−NR2、−O
H(Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す)で表され
る官能基の中から選ばれる。R1 は炭素数1〜10、好
ましくは1〜5のアルキレン基、または、一般式−(C
2 m −NH−[mは1≦m≦4の整数]で表される
2価基を示す。該アルキレン基としては具体的にはメチ
レン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基な
どが例示される。R2 は炭素数1〜10、好ましくは1
〜3の、アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜10好
ましくは6〜8のアリール基、水酸基および水素原子か
らなる群か選ばれるものであり、各々同一でも異なって
も良い。係るアルキル基としてはメチル基、エチル基、
プロピル基、i-プロピル基等、アルコキシ基としてはメ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i-プロポキシ基
等、フェニル基、トリル基などが例示される。またR2
のうち少なくとも一つはアルコキシ基である。nはn≧
0、好ましくは0≦n≦3の整数を示す。上記シラン化
合物の好適な具体例を例示すると、3ー (メチルアミ
ノ)プロピルトリエトキシシラン、3ー (メチルアミ
ノ)プロピルジイソプロピルエトキシシラン、3ー (ジ
メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3ー (ジ
メチルアミノ)プロピルジイソプロピルエトキシシラ
ン、3ー ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3ー
ヒドロキシプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3
ーヒドロキシプロピルポリジメチルシロキサン、などが
挙げられる。なお、これらのシラン化合物は公知の方法
により製造できる。また、本発明においては、成分Aと
して一般式(1)で示されるシラン化合物の誘導体を用
いることもできる。かかる誘導体としては、前記化合物
の加水分解物が好ましいものとして挙げられる。
【0005】成分Bとして用いる分子内にカルボキシル
基を有する紫外線吸収剤としては、分子の側鎖にカルボ
キシル基を1個または2個以上有する化合物が挙げら
れ、係る化合物としてはベンゾトリアゾール骨格または
ベンゾフェノン骨格を有する化合物等が挙げられる。ベ
ンゾトリアゾール骨格を有する化合物としては、例え
ば、以下の一般式(2)で表される化合物が好適なもの
として挙げられる。
【化4】 一般式(2)に於いて、R3 は水素原子、ハロゲン原子
または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基
を示し、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素などが、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、i-ピロピル基、ブチル基、t-ブチル
基、シクロヘキシル基等が例示され、R3 の置換位置
は、ベンゾトリアゾール骨格の4位または5位である
が、ハロゲン原子及びアルキル基は通常4位に位置す
る。式中のR4 は水素原子または炭素数1〜10、好ま
しくは1〜6のアルキル基を示し、このアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-ピロピル
基、ブチル基、t-ブチル基、シクロヘキシル基等が例示
される。式中のR5 は炭素数1〜10、好ましくは1〜
3のアルキレン基または、アルキリデン基を示し、係る
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリ
メチレン基、プロピレン基、エチリデン、プロピリデン
基などが挙げられる。一般式(2)に包含される化合物
としては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4
−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシベンゼン
エタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−4−ヒド
ロキシベンゼンプロパン酸等が挙げられる。もちろんこ
れらの化合物を2種以上混合して使用することもでき
る。
【0006】また、成分Bとして好適なものとしては、
下記の一般式(3)〜(5)で示されるベンゾフェノン
系化合物が挙げられる。
【化5】
【化6】
【化7】 一般式(3)〜(5)に於いて、R7 、R8 は各々炭素
数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基、アルコキ
シ基、水酸基を示し、n、mは、0≦m≦3、0≦n≦
3の範囲の整数を示す。このアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、i-ピロピル基、ブチル
基、t-ブチル基、シクロヘキシル基等が、アルコキシ基
としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i-
プロポキシ基、ブトキシ基等が具体的に例示される。R
6 は炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基
または、アルキリデン基を示し、係るアルキレン基とし
ては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロ
ピレン基、エチリデン、プロピリデン基などが挙げられ
る。このような一般式(3)〜(5)に包含される化合
物としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−カルボン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、4−(2−
ヒドロキシベンゾイル)−3−ヒドロキシベンゼンプロ
パン酸などが挙げられる。なお、これらの紫外線吸収剤
は公知の方法により製造できる。
【0007】本発明の製造方法では、少なくとも、成分
Aおよび成分Bを反応させることにより、前記シラン類
に由来する結合または塩を生成せしめるものであるが、
かかる反応は、通常脱水反応若しくは塩生成反応が主で
ある。この反応で生成する結合または塩は、シラン類の
官能基Xとカルボキシル基との反応に由来するものであ
るが、それらはXが−NHRの場合には2級アミド(−
CONR−)、Xが−NR2 の場合にはアミン塩(−C
O2- + NR2−)、Xが−OHの場合はエステルであ
る。これらの結合または塩の含有量は、特に限定されな
いが、通常、前記シラン化合物に対し、10モル%以
上、好ましくは、50モル%以上であり、上限は通常1
00モル%であるが、100モル%未満でも差し支えな
い。
【0008】成分Aおよび成分Bの反応時又は反応後
に、本発明の目的を損なわない範囲で任意成分をさらに
共存・添加することができる。使用可能な任意成分の一
例としては、まず、シリコーン樹脂(成分C)が挙げら
れる。 この場合のシリコーン樹脂は反応性シリコーン
樹脂、即ち、前記シラン化合物のアルコキシシリル基部
分と反応(通常脱水反応および/または脱アルコール反
応等)することのできる官能基を有することが好まし
く、該官能基としてはアルコキシシリル基やシラノール
基等が好ましい。このような反応性シリコーン樹脂は、
一般的にアルコキシシランやクロロシラン類の部分加水
分解反応とそれに続く縮合反応によって合成されること
ができる。市販品では、純シリコーンワニス(例えば、
XO7931−クリヤー:オキツモ 製)、シリコーン
レジン(例えば、SR2410:東レ・ダウコーニング
シリコーン 製)、アクリル変性シリコーン樹脂(例え
ば、サイラコート1000:チッソ 製)などが好適な
ものとして挙げられる。また、シリコーン樹脂を本発明
の目的を損なわない範囲で各種溶剤を用いた溶液の形で
用いることができる。係る溶剤としては、特に限定され
ないが、各種炭化水素系溶剤、ケトン類、エーテル類、
エステル類、エーテル・エステル類などが挙げられる。
また、シリコーン樹脂を各種変性したものを用いても良
い。これらのシリコーン樹脂は、成分Aおよび成分Bの
反応の際、または反応後のいずれにおいても共存させて
もよいが、成分Aおよび成分Bの反応の際に共存させる
ことが特に好ましい。
【0009】前記任意成分の他の例としては、各種のエ
ポキシシラン類(成分D)が挙げられ、これには下記の
一般式(6)〜(7)で示すようなエポキシシラン類が
包含される。
【化8】
【化9】 一般式(6)〜(7)に於いて、R9 およびR11は炭素
数1〜10、好ましくは1〜5のアルキレン基または、
式−R−O−R' −[式中、RおよびR' は各々個別に
炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキレン基を示
す]により示される2価基を示し、R10は炭素数1〜1
0、好ましくは1〜5の、アルキル基、アルコキシ基、
炭素数6〜10好ましくは6〜8、のアリール基、水酸
基および水素原子からなる群か選ばれるものを示し、各
々同一でも異なっても良い。またR10のうち少なくとも
一つはアルコキシ基である。前記アルキレン基として
は、メチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基な
どが好適なものとして例示される。また、アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル
基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、、オクチル基などが好適なものとして挙げ
られ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられ、アリー
ル基としては、フェニル基、トリル基などが挙げられ
る。nはn≧0、好ましくは0≦n≦3の整数を示す。
本発明で使用可能なエポキシシラン類を具体的に列記す
ると、3- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
ジメトキシ- 3- グリシドキシプロピルメチルシラン、
2- (3,4- エポキシシクロヘキシルエチル)トリメ
トキシシラン、ジメチルエトキシ- 3- グリシドキシプ
ロピルシラン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピ
ル)−1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−ジシロ
キサンなどが好適なものとして挙げられる。もちろん、
これらは単独でも複数組み合わせて使用することができ
る。これらのエポキシシラン類は、予め加水分解して用
いても差し支えない。これらのエポキシシラン類は、成
分Aおよび成分Bの反応時または反応後のいずれにおい
ても使用できるが、成分Aおよび成分Bの反応の後に加
えることが好ましい。また、これらのエポキシシラン類
は、予め適当な重合触媒でエポキシ部を開環重合させて
用いることもできる。この場合は成分Aおよび成分Bの
反応の際に加えることが好ましい。
【0010】また、他の任意成分としては、ポリエーテ
ル変性ポリシロキサン類(成分E)が挙げられ、これに
は下記の一般式(8)で示されるポリエーテル変性ポリ
シロキサン類が包含される。
【化10】 一般式(8)に於いて、R12、R13およびR14は各々炭
素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキレン基を示
し、R15は1〜10、好ましくは1〜5のアルキル基、
アルコキシ基、炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリ
ール基、水酸基および水素原子からなる群か選ばれるも
のを示し、各々同一でも異なってもよい。R15のうち少
なくとも一つはアルコキシ基である。前記アルキレン基
としては、メチレン基、トリメチレン基、テトラメチレ
ン基などが好適なものとして例示される。また、アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プ
ロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基などが好適なものとして
挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられ、アリ
ール基としては、フェニル基、トリル基などが挙げられ
る。m、n、pは、各々m≧0、好ましくは0≦m≦1
00、n≧0、好ましくは0≦n≦10、p≧0、好ま
しくは0≦p≦10の整数を示すものである。上記した
ポリエーテル変性ポリシロキサン類の具体例を摘記する
と、テトラエチレングリコール ビス(トリエトキシシ
リルエチル)エーテル、ポリエチレングリコール ビス
(トリエトキシシリルエチル)エーテル、ポリプロピレ
ングリコール ビス(トリエトキシシリルエチル)エー
テルなどが挙げられる。もちろん、これらは単独でも複
数組み合わせて使用することができる。また、予め加水
分解して使用することもできる。これらのポリエーテル
変性ポリシロキサン類は、成分Aおよび成分Bの反応時
または反応後のいずれにおいても使用可能であるが、成
分Aおよび成分Bの反応時に加えることが好ましい。特
に、エポキシシラン類やポリエーテル変性ポリシロキサ
ン類を用いることにより、紫外線吸収性材料をコーテイ
ング材料として用いる場合、耐熱性を損なうことなく基
板への密着性が改善され、厚膜にしても割れにくくなる
等、さらに優れた効果を奏する。
【0011】また、他の任意成分としては、無機微粒子
分散液(成分F)が挙げられる。無機微粒子分散液とし
ては、特に限定されないが、シリカやアルミナ、酸化チ
タン、酸化アンチモン等の微粒子分散液で粒子径は1〜
100nm程度であり、分散媒としては水、メタノール、
キシレン、メチルエチルケトン、等が挙げられる。市販
品ではLUDOX L S(デュポン社製)や、XBA−
ST(日産化学社製)などが好適なものとして挙げられ
る。これらの無機微粒子分散液分散液は、成分Aおよび
成分Bの反応時または反応後のいずれにおいても使用で
きるが、成分Aおよび成分Bの反応の後に加えることが
好ましい。なお、任意成分はいずれも公知の方法により
製造できる。
【0012】任意成分の存在するか否かにかかわらず、
成分Aと成分Bを反応させる条件は、成分Aに由来する
結合又は塩が生成される限り適宜選択でき、そこに特別
な限定はない。しかし、通常は成分Aおよび成分Bを、
所望により任意成分と共に溶媒中にて混合したのち、溶
媒の存在下において、室温〜350℃、好ましくは60
〜250℃において、5分〜10時間、好ましくは10
分〜5時間加熱する方法が一般に好適である。もちろ
ん、これらの反応操作は繰り返し行うことができる。な
お、ここで使用する溶媒は、本発明の目的を損なわない
限り特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン
等の芳香族系溶剤や、シクロヘキサノン等のケトン系溶
剤、またはこれらの混合物が使用できる。また、反応後
用いた溶媒を除去してもよく、溶液の状態でも良い。成
分Aと成分Bの使用割合は、特に限定されないが、成分
Bの使用量としては、成分Aと成分Bの総量に対し、通
常5〜90質量%、好ましくは10〜80質量%の範囲
で任意に選択することができる。
【0013】任意成分であるシリコーン樹脂の使用量と
しては、特に限定されないが、成分Aと成分Bの総量1
00重量部に対して、5〜300質量部、好ましくは2
0〜150質量部が望ましい。また、エポキシシラン類
の使用量としては、特に限定されないが、成分Aと成分
Bの総量100重量部に対して、10〜500質量部、
好ましくは100〜400質量部が望ましい。また、ポ
リエーテル変性ポリシロキサン類の使用量としては、特
に限定されないが、成分Aと成分Bの総量100重量部
に対して、10〜500質量部、好ましくは100〜4
00質量部が望ましい。また、無機微粒子分散液の使用
量としては、特に限定されないが、成分Aと成分Bの総
量100重量部に対して、5〜400質量部、好ましく
は10〜200質量部が望ましい。本発明の製造方法で
得られる紫外線吸収材料は、種々の用途に応用すること
が出来る。 例えば、本発明の製造方法により得られる
紫外線吸収材料は、コーティング剤として極めて好適で
ある。コーティング剤には、本発明の製造方法により得
られる紫外線吸収材料をそのまま供しても良く、また、
該紫外線吸収材料を主成分とし、さらに任意成分を配合
してもよい。この場合の任意成分としては、例えば、各
種の酸化防止剤、クエンチャーもしくはラジカル捕捉
剤、または塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸や有機酸、3
フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、6フッ化アンチ
モン酸ナトリウム等のルイス酸、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、トリエチルアミン、アニリンなどの塩
基、ジブチルスズジラウレート、チタンテトライソプロ
ポキサイドなどの有機金属に例示されるような、硬化促
進作用を有するする触媒(紫外線吸収材料に対して、通
常0.1〜5.0質量%であることが好ましい)、トル
エン、キシレン、エタノール、イソプロパノール、シン
ナー、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、1−
メトキシ−2−アセトキシプロパン等の溶剤、などが挙
げられる。このようなコーテイング材料は、紫外線吸収
性塗料、紫外線吸収性ハードコート材等の各種用途に使
用できる。このようなコーティング材を塗布、硬化する
ことにより優れた物性の吸収膜を得ることができる。こ
の場合の塗布方法は、特に限定されなく適宜公知の方法
が選択されるところであるが、通常、溶液状のコーテイ
ング材料を用い、スピンコート、スプレーコート、キャ
ストコート、ブレードコートなどが、目的に応じて適宜
使用される。また膜厚は、特に限定されなく適宜選択さ
れるところであるが、通常0. 5〜50μm程度の範囲
内で適宜選択されるところである。硬化反応は、前記硬
化促進作用を有する触媒を用いた場合は、通常室温から
250℃、好ましくは40℃〜200℃程度で硬化させ
ることができる。また該触媒を用いなくても通常室温〜
350℃、好ましくは60℃〜250℃で加熱すること
によって硬化させることができる。硬化に要する時間
は、適宜選択されるところであるが、通常10分〜5時
間程度である。コーティング材が塗布される基材として
は、ガラス、金属板、木板、プラスチック基板、紙、繊
維、繊布、不織布およびそれらを材質として用いた各種
容器等の何れでもよい。また、本発明の紫外線吸収膜上
に、必要に応じさらにオーバーコート層を設けても良
い。ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリエーテルサルフォン、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンワニス
などのシリコーン樹脂、尿素樹脂などが挙げられ、特に
シリコーンワニス等のシリコーン樹脂が望ましい。もち
ろん、これらの樹脂は単独もしくは混合物として用いる
ことができる。また、これらの樹脂と、ガラスフィラー
や無機粉体と共用することも行われる。無機粉体として
は、通常ZnO、TiO2 、CeO2 、シリカなどの微
粒子が用いられる。
【0014】以上、本発明について詳細に説明してきた
が、本発明の好適な実施態様としては以下の態様が挙げ
られる。 1.少なくとも(a)前記一般式(1)に示されるシラ
ン化合物またはその誘導体、および(b)前記分子内に
カルボキシル基を有する紫外線吸収剤を反応させる際
に、前記シリコーン樹脂の存在下で行うことを特徴とす
る紫外線吸収性材料の製造方法。 2.少なくとも、(a)前記一般式(1)に示されるシ
ラン化合物またはその誘導体、および(b)前記分子内
にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤を反応させ、該
シラン化合物またはその誘導体に由来する結合を生成せ
しめたのち、前記エポキシシラン類をさらに加えること
を特徴とする紫外線吸収性材料の製造方法。 3.少なくとも、(a)前記一般式(1)に示されるシ
ラン化合物またはその誘導体、および(b)前記分子内
にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤を反応させ、前
記シラン化合物またはその誘導体に由来する結合を生成
せしめたのち、無機微粒子分散液をさらに加えることを
特徴とする請求項1の紫外線吸収性材料の製造方法。 4.少なくとも、(a)前記一般式(1)に示されるシ
ラン化合物またはその誘導体、および(b)前記分子内
にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤を反応させ、該
シラン化合物またはその誘導体に由来する結合を生成せ
しめることにより得られる紫外線吸収性材料を含有する
コーティング材料。 5.前記コーテング材料を塗布することにより得られる
紫外線吸収被膜。
【0015】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる紫外線
吸収材料は、良好な紫外線遮断効果を奏し、また、耐候
性、耐熱性に優れたコーティング材料として好適であ
る。また、母材と紫外線吸収剤が化学結合により結合し
ているため、長期に渡る使用においてもブリードアウト
を起こさず、且つ良好な紫外線吸収能を維持することが
可能となる。また、本発明の製造方法により得られる紫
外線吸収材料は塗布することにより透明な紫外線吸収被
膜を得ることができ、紫外線吸収ガラス、複層ガラス、
合わせガラス、熱線反射紫外線カットガラス、紫外線・
熱線吸収ガラス、防曇性紫外線カットガラス等の住宅用
窓、ショーウィンドウ、自動車、車輛、航空機、船舶等
の機能ガラス、紫外線カットフィルム、眼鏡、サングラ
ス、ブラウン管、液晶ディスプレー、調光用また表示用
エレクトロクロミック素子、フォトクロミック素子、シ
ョーケース、ガラス容器、プラスチック容器等の内容物
の保護を目的とした各種容器等に適用することができ
る。
【0016】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0017】実施例1カルボキシル基含有紫外線吸収剤の合成 225g(0. 46モル)の3- (5- クロロ- 2H-
ベンゾトリアゾール-2- イル)- 5- (1, 1- ジメ
チルエチル)- 4- ヒドロキシ- ベンゼンプロパン酸オ
クチルエステル(TINUVIN 109、商標名、C
iba−Geigy社製)を700mlのアセトンに溶
解し、2N水酸化ナトリウム水溶液600mlを加えて
室温で24時間攪拌した。2N塩酸650mlを加えて
酸性にした後、不溶化した生成物を濾別し、蒸留水で濾
液が中性になるまで洗浄した。この生成物を真空乾燥し
た後、トルエンからの再結晶を行うことで3- (5- ク
ロロ- 2H- ベンゾトリアゾール- 2- イル)- 5-
(1, 1- ジメチルエチル)- 4- ヒドロキシ- ベンゼ
ンプロパン酸[化合物I]を得た。紫外線吸収材料の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3- (メチルアミノ)プロピルトリ
エトキシシラン3.2gをキシレン35gに溶解し、8
0℃に加熱しながら化合物I5gを徐々に添加した。添
加終了後、130℃まで昇温し3時間還流し、溶液状の
紫外線吸収材料を得た。得られた溶液を分析したとこ
ろ、原料のシラン類に由来する2級アミド結合が存在し
ていることを確認した。紫外線吸収被膜の製造 前記溶液状の紫外線吸収材料をコーテング液として、こ
れをガラス基板上にスプレー塗布し、室温で20分放置
後、200℃で20分加熱し、厚さ約17μmの紫外線
吸収層のついたガラス基板を作製した。このガラス基板
の紫外可視吸収スペクトルを測定したところ400nm以
下の紫外線を完全に遮断するガラス基板が得られた。
【0018】実施例2紫外線吸収材料の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3- (ジメチルアミノ)プロピルト
リエトキシシラン3.4gをキシレン35gに溶解し、
80℃に加熱しながら実施例1の化合物I5gを徐々に
添加した。添加終了後、130℃まで昇温し3時間還流
し、溶液状の紫外線吸収材料を得た。得られた溶液を分
析したところ、原料のシラン類に由来するアミン塩が存
在していることを確認した。紫外線吸収被膜の製造 前記溶液状の紫外線吸収材料をコーテング液として、こ
れをガラス基板上にスプレー塗布し、室温で20分放置
後、200℃で20分加熱し、厚さ約17μmの紫外線
吸収層のついたガラス基板を作製した。このガラス基板
の紫外可視吸収スペクトルを測定したところ400nm以
下の紫外線を完全に遮断するガラス基板が得られた。
【0019】実施例3紫外線吸収材料の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3- ヒドロキシプロピルトリエトキ
シシラン3gをキシレン35gに溶解し、80℃に加熱
しながら化合物I5gを徐々に添加した。添加終了後、
130℃まで昇温し3時間還流し、溶液状の紫外線吸収
材料を得た。得られた溶液を分析したところ、原料のシ
ラン類に由来するエステル結合が存在していることを確
認した。紫外線吸収被膜の製造 前記溶液状の紫外線吸収材料をコーテング液として、こ
れをガラス基板上にスプレー塗布し、室温で20分放置
後、200℃で20分加熱し、厚さ約17μmの紫外線
吸収層のついたガラス基板を作製した。このガラス基板
の紫外可視吸収スペクトルを測定したところ400nm以
下の紫外線を完全に遮断するガラス基板が得られた。
【0020】比較例1 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)22.2gに、3ー (5ー クロロー 2Hー ベンゾ
トリアゾールー 2ー イル)ー 5ー (1, 1ー ジメチルエ
チル)ー 4ー ヒドロキシー ベンゼンプロパン酸オクチル
エステル(TINUVIN 109、商標名、Ciba
−Geigy社製)10gを加え、さらにジ- nー ブチ
ルスズジラウレート20μlを添加し、DMF20ml
で希釈した後、ガラス基板上にスプレー塗布した。ホッ
トプレート上60℃で15分乾燥した後、オーブンに入
れ200℃で1時間加熱硬化し、厚さ約20μmの紫外
線吸収層を得た。しかしこの紫外線吸収層は吸収剤の析
出により白濁してしまった。
【0021】
【比較例2】シリコーンワニス(XO−7931−クリ
ヤー、オキツモ製)22.2gに、3ー (5ー クロロー
2Hー ベンゾトリアゾールー 2ー イル)ー 5ー (1, 1
ー ジメチルエチル)ー 4ー ヒドロキシー ベンゼンプロパ
ン酸オクチルエステル(TINUVIN 109、商標
名、Ciba−Geigy社製)2.2gを加え、さら
にジ- nー ブチルスズジラウレート20μlを添加し、
DMF20mlで希釈した後、ガラス基板上にスプレー
塗布した。ホットプレート上60℃で15分乾燥した
後、オーブンに入れ200℃で1時間加熱硬化し、厚さ
約15μmの紫外線吸収層を得た。この紫外線吸収層は
比較例1のように白濁しなかったが、紫外線カット能は
実施例のものに比較し不十分なものであった。また作製
した膜を削り取り、上記実施例と同様にソックスレイ抽
出を行い、乾燥させた残存固体を瓶量したところ、1
5.2%の重量減少が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦谷 禎範 横浜市中区千鳥町8番地 日本石油株式会 社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式(1)に示されるシラン化
    合物またはその誘導体と、(b)分子内にカルボキシル
    基を有する紫外線吸収剤とを反応させ、前記シラン化合
    物またはその誘導体に由来する結合または塩を生成せし
    めることを特徴とする紫外線吸収性材料の製造方法。 【化1】 (式中、Xは−NHR、−NR2 、−OH(Rは炭素数
    1〜10のアルキル基を表す)で表される官能基の中か
    ら選ばれる。R1 は炭素数1〜10のアルキレン基、ま
    たは一般式−(CH2 m −NH−[mは1≦m≦4の
    整数]で表される2価基を示し、R2 は炭素数1〜10
    のアルキル基、アルコキシ基、水酸基および水素原子か
    らなる群から各々選ばれ、各々同一でも異なってもよ
    く、R2 のうち少なくとも一つはアルコキシ基若しくは
    水酸基であり、nはn≧0の整数を示す。)
JP2434197A 1997-01-23 1997-01-23 紫外線吸収材料の製造方法 Pending JPH10204410A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2434197A JPH10204410A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 紫外線吸収材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2434197A JPH10204410A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 紫外線吸収材料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10204410A true JPH10204410A (ja) 1998-08-04

Family

ID=12135492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2434197A Pending JPH10204410A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 紫外線吸収材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10204410A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335855A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Shin Etsu Chem Co Ltd 紫外線吸収性基含有オルガノポリシロキサン、該ポリシロキサンの製造方法、及び該ポリシロキサンを配合してなる処理剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335855A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Shin Etsu Chem Co Ltd 紫外線吸収性基含有オルガノポリシロキサン、該ポリシロキサンの製造方法、及び該ポリシロキサンを配合してなる処理剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0668313B1 (en) Silylated agents useful for absorbing ultraviolet light
US4373060A (en) Silicone coating for unprimed plastic substrate and coated articles
KR101569533B1 (ko) 실리콘 수지용 조성물
US6057040A (en) Aminosilane coating composition and process for producing coated articles
JP5289708B2 (ja) コーティング組成物及び樹脂積層体
JP3133357B2 (ja) 高屈折率耐擦傷性被膜形成用コーティング組成物および該組成物を用いる成形体
AU673406B2 (en) Abrasion resistant coating compositions based on silane hydrolysates and aluminium compounds and corresponding abrasion and shock resistant coated articles
JPH0314863B2 (ja)
US8052900B2 (en) Reactive UV absorber, UV-screen film-forming curable coating solution, UV-screen film, and substrate having UV-screening function
JPH0345095B2 (ja)
JP2000026610A (ja) 硼素―および/またはアルミニウム―含有混合物、混成材料およびコ―チング
WO1997049778A1 (fr) Materiau absorbant les ultraviolets et plaques d'absorption des ultraviolets
CA1164138A (en) Silicone resin coating composition
JP5448301B2 (ja) コーティング組成物及び樹脂積層体
JPH02132129A (ja) 紫外線吸収剤を被覆した物品
JP4462421B2 (ja) 紫外線吸収性基含有有機ケイ素化合物及びその製造方法並びにコーティング組成物及び被覆物品
US6790273B2 (en) Compositions comprising inorganic UV absorbers
JP5661844B2 (ja) コーティング組成物、硬化膜及び樹脂積層体
JPH10265241A (ja) 紫外線吸収透明板
US6423128B1 (en) Coating material on the basis of liquid crystalline inorganic/organic hybrid polymers
US20170198110A1 (en) Organic resin laminate
JP3933234B2 (ja) 紫外線吸収透明導電基板
JP5337360B2 (ja) コーティング組成物、硬化膜及び樹脂積層体
JPH10204410A (ja) 紫外線吸収材料の製造方法
JPH10219231A (ja) 紫外線吸収材料の製造方法