JPH10202664A - 樹脂成形装置 - Google Patents

樹脂成形装置

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Publication number
JPH10202664A
JPH10202664A JP940097A JP940097A JPH10202664A JP H10202664 A JPH10202664 A JP H10202664A JP 940097 A JP940097 A JP 940097A JP 940097 A JP940097 A JP 940097A JP H10202664 A JPH10202664 A JP H10202664A
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JP
Japan
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chase
lead frame
seal member
resin
mold
Prior art date
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Pending
Application number
JP940097A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Masuda
浩一 増田
Yasuhiro Toyoda
康裕 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Mechatronics Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Mechatronics Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Mechatronics Co Ltd filed Critical Toshiba Mechatronics Co Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビティ内の空気を強制排出する排気機構
による排気を良好に行う。 【解決手段】 下型29に、下チェイス30の外周囲を
囲む矩形枠状をなし、リードフレーム21の下面の送り
方向Aの前後部においてシール面(タイバー24の一
部)に気密に当接する金属製の下シール部材38を固定
的に設ける。上型27に、上チェイス29の外周囲を囲
む矩形枠状をなし、下シール部材38の上端部に気密に
圧接してシールを行うための金属製の上シール部材39
を設ける。この上シール部材39を、上型27に対して
ガイド40に沿って上下動可能に取付けると共に、ばね
41により常に下方に向けて付勢し、通常時(型開き
時)には上チェイス29面から下方に突出し、型締め時
にはばね力に抗して下シール部材38と一体的に上昇す
るように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上型に設けられる
上チェイスと下型に設けられる下チェイスとの間に形成
されるキャビティ内に、リードフレームを配した状態で
樹脂材料を注入し、パッケージを成形するようにした樹
脂成形装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】この種の従来の樹脂成
形装置は、図13に示すように、可動型たる下型1と固
定型たる上型2とを備え、それら下型1及び上型2に
は、夫々下チェイス3及び上チェイス4が取付けられて
いる。前記下チェイス3には、短冊状のリードフレーム
(図示せず)がセットされる2個のリードフレーム受け
5が凹設されていると共に、各リードフレーム受け5の
底部に下キャビティ6が凹設されている。また、この下
チェイス3には、図示しない樹脂タブレットが供給され
加熱されるポット7が形成され、さらにそのポット7内
の溶融樹脂を押出すためのプランジャ8が設けられてい
る。
【0003】一方、前記上チェイス4には、図14にも
示すように、前記下キャビティ6と共にキャビティを構
成する上キャビティ9が形成されていると共に、前記ポ
ット7から押出される溶融樹脂を各キャビティ内に導く
ランナ10が形成され、さらに、キャビティ内の空気を
外部に逃がすための空気抜き通路11が形成されてい
る。尚、前記上型2には、下型1を水平状態で上下方向
に案内するためのガイドポスト12が設けられ、また、
前記下型1には、成型後のリードフレームを取出すため
のエジェクタピン13等が設けられている。
【0004】これにて、リードフレーム受け5に、半導
体チップが装着されワイヤボンディングされたリードフ
レームがセットされた状態で、下型1が上昇して型合
せ,型締めが行われ、ポット7内の樹脂タブレットが加
熱軟化された状態でプランジャ8によって押出されるこ
とにより、ランナ10を通してキャビティ内に樹脂が注
入され、その後硬化してパッケージが成形されるのであ
る。また、このとき、樹脂が注入されることに伴って、
キャビティ内の空気が空気抜き通路11を通して排出さ
れるようになっている。
【0005】この場合、上記空気抜き通路11は、樹脂
の侵入による詰まりを防止すべく、極力薄形に形成され
ている。ところが、近年では、成形作業の高速化や半導
体部品のパッケージの大形化も進んでおり、従来のよう
な単に空気抜き通路11を形成しただけでは、キャビテ
ィ内の空気を排出しきれなくなってしまい、ひいてはパ
ッケージに気泡が混入してしまうといった不具合を招く
虞がある。そこで、近年では、図15及び図16に示す
ように、キャビティ内の空気を強制的に排出する構成が
考えられている。
【0006】即ち、上チェイス4には、前記下チェイス
3のリードフレーム受け5に対応位置して下面にて開口
する排気通路14が形成され、その排気通路14の基端
側が、図示しない真空ポンプ等の減圧源に接続されてい
る。そして、これと共に、上チェイス4の周縁部には、
ゴム等の弾性材からなる枠状シール部材15がその下面
よりも下方に延びて設けられている。これにて、型合せ
状態では、枠状シール部材15が下チェイス3の上端周
囲部に被さるように圧接して気密性が確保され、その状
態で上チェイス4と下チェイス3との間の隙間ひいては
キャビティ内が減圧され、空気の残らない状態でキャビ
ティ内に樹脂を注入することができるようになるのであ
る。
【0007】ところで、最近では、作業効率の向上のた
めに、前記リードフレームとして、長尺なフープ状のも
のを使用し、そのリードフレームを順送りしながら連続
的にパッケージを成形することが行われてきている。し
かしながら、この構成では上チェイス4と下チェイス3
との間に長尺なリードフレームが通過するための隙間が
必要となるため、上記のように上チェイス4部分に枠状
シール部材15を設ける構成では、リードフレームが通
過する部分においてシールが途絶えてしまい、気密性が
確保できなくなる問題点があった。
【0008】なお、この種の樹脂成形装置においては、
1回の成形作業が行われる都度、チェイス3,4の表面
をブラシを有するクリーナーで清掃することが行われる
が、上記のようなゴム製の枠状シール部材15を設けた
ものでは、クリーナーによって枠状シール部材15が容
易に摩耗したり傷ついたりするため、枠状シール部材1
5の寿命が比較的短いものとなっていた。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、キャビティ内の空気を強制排出する排
気機構を設けたものにあって、その排気機構によるキャ
ビティからの空気の排出を良好に行うことができ、ひい
ては成形されるパッケージに空気が混入することを防止
できる樹脂成形装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の樹脂
成形装置は、キャビティ内の空気を強制排出する排気機
構を設けたものであって、下型に下チェイスの周囲を囲
むように固定的に設けられた金属製の下シール部材と、
上型に上チェイスの周囲を囲むように相対的に上下動可
能に設けられると共に、付勢手段により該上チェイスか
ら下方に突出するように付勢され、前記上型と下型との
型締めに先立って、前記下シール部材に対して気密に圧
接する金属製の上シール部材とを設けたところに特徴を
有する。
【0011】これによれば、下チェイス側に設けられた
下シール部材と上チェイス側に設けられた上シール部材
とが気密に圧接することにより、上チェイスと下チェイ
スとの間の空間が密閉され、排気機構によるキャビティ
内の空気の排出を、外部の空気を吸込むようなことなく
行うことができる。また、上シール部材は上型と下型と
の型締めに先立って下シール部材に圧接し、型締め開始
前からシールが行われることになるので、排気機構によ
る空気の排出を型締めの直前から開始することにより、
排気抵抗が少ない状態での排気が可能で、また排気に十
分な時間を確保することができる。
【0012】そして、上シール部材は、下チェイスの上
昇に伴い下シール部材との気密状態を維持しつつ相対的
に上昇することになるので、長尺なリードフレームを用
いる場合でも、そのリードフレームを上シール部材と下
シール部材との間で上下両側から気密に挟んだ状態を確
保しながら型締めを行うことができる。さらに、上シー
ル部材及び下シール部材は金属製なので、耐摩耗性に優
れ、クリーナーによる清掃が繰返されても劣化すること
なく、長時間の使用に耐え得るものとなる。
【0013】また、この場合、長尺なリードフレームを
順送りしながら連続的にパッケージの成形を行うものに
あっては、前記下シール部材を、前記下チェイスの周囲
部のうち前記リードフレームの送り方向前後部におい
て、前記リードフレームの下面部の前記送り方向に直交
して延びるシール面に気密に当接し、前記上シール部材
を、前記上チェイスの周囲部のうち前記リードフレーム
の送り方向前後部において、前記リードフレームの上面
部の前記送り方向に直交して延びるシール面に、前記上
型と下型との型締めに先立って気密に圧接するように構
成することができる(請求項2の発明)。これによれ
ば、リードフレームの送り方向前後部に、送り方向に直
交して延びるシール面が設けられているので、リードフ
レームを上シール部材と下シール部材との間で上下両側
から挟んだ状態で、高い気密性を得ることができる。
【0014】このとき、前記シール面を、前記リードフ
レームに半導体チップを囲むように形成されるタイバー
から構成しても良く(請求項3の発明)、これにより、
リードフレームに別途のシール面を形成する必要なく、
リードフレームの構成を複雑とすることなく済ませるこ
とができる。また、前記シール面を、前記リードフレー
ムに弾性シール材を貼着して構成しても良く(請求項4
の発明)、これにより、一層高い気密性を得ることがで
きる。
【0015】本発明の請求項5の樹脂成形装置は、長尺
なリードフレームを用いるものにあって、下型に下チェ
イスの周囲部のうち前記リードフレームの送り方向前後
部に固定的に設けられ、前記リードフレームの下面部の
前記送り方向に直交して延びるシール面に気密に当接す
る下シール部材と、上型に上チェイスの周囲部のうち前
記リードフレームの送り方向前後部に上下動可能に設け
られると共に、付勢手段により前記上チェイスから下方
に突出するように付勢され、前記リードフレームの上面
部の前記送り方向に直交して延びるシール面に前記上型
と下型との型締めに先立って気密に圧接する上シール部
材と、前記上型に前記上シール部材との接続状態に設け
られ、前記上型と下型との型締めに先立って、前記下チ
ェイスの周縁部のうち前記リードフレームが配置される
部位を除く部位に気密に圧接する弾性材製の枠状シール
部材とを設けたところに特徴を有する。
【0016】これによれば、上チェイスと下チェイスと
の間に形成される隙間のうち、リードフレームが通過す
る部分については、リードフレームに設けられたシール
面に、上シール部材と下シール部材とが上下両側から挟
んだ状態で気密にシールすることができる。また、下チ
ェイスの周縁部のうち前記リードフレームが配置される
部位を除く部位は、上チェイス側に設けられた枠状シー
ル部材により気密にシールされ、もって、全体がシール
されるようになる。このとき、リードフレームが通過す
る部分を別途にシールする構成なので、その部分におけ
るシールをより厳密に行うことができる。
【0017】この場合、前記上シール部材及び下シール
部材を、弾性材から構成することができ(請求項6の発
明)、これにより、上下のシール部材のシール面に対す
る密着性を向上させることができて気密性を高めること
ができる。さらにこのとき、それら上シール部材及び下
シール部材を、取付板に対して着脱自在に取付けられる
構成としても良く(請求項7の発明)、これにより、例
えばクリーナー等により上シール部材及び下シール部材
が劣化した際でも、上シール部材及び下シール部材を容
易に交換することができるようになる。
【0018】また、前記リードフレームのシール面の両
端部を、面取り形状とするようにしても良い(請求項8
の発明)。これによれば、リードフレームの送り方向に
直交するシール面部分の端部において、上シール部材及
び下シール部材により挟まれた際に、隙間が形成される
ことなく、気密性をより一層高めることができるように
なる。
【0019】本発明の請求項9の樹脂成形装置は、長尺
なリードフレームを用いるものにあって、下型に下チェ
イスの周囲部のうち前記リードフレームの送り方向前後
部に固定的に設けられ、前記リードフレームの下面部の
前記送り方向に直交して延びるシール面に気密に当接す
る金属製の下シール部材と、上型に上チェイスの周囲部
のうち前記リードフレームの送り方向前後部に上下動可
能に設けられると共に、付勢手段により前記上チェイス
から下方に突出するように付勢され、前記リードフレー
ムの上面部の前記送り方向に直交して延びるシール面に
上型と下型との型締めに先立って気密に圧接する金属製
の上シール部材と、前記下型に下チェイスの周囲部のう
ち前記リードフレームが配置される部位を除く部位に固
定的に設けられ上端に複数の凹凸を有するラビリンス状
の下枠状シール部材と、前記上型に上チェイスの周囲部
のうち前記リードフレームが通過する部位を除く部位に
固定的に設けられ、下端に複数の凹凸を有し前記下枠状
シール部材に嵌合してシールを行うラビリンス状の上枠
状シール部材と設けたところに特徴を有する。
【0020】これによれば、上チェイスと下チェイスと
の間に形成される隙間のうち、リードフレームが通過す
る部分については、リードフレームに設けられたシール
面に、上シール部材と下シール部材とが上下両側から挟
んだ状態で気密にシールすることができる。また、下チ
ェイスの周縁部のうち前記リードフレームが配置される
部位を除く部位は、下枠状シール部材と上枠状シール部
材とにより気密にシールされ、もって、全体がシールさ
れるようになる。この場合、下枠状シール部材及び上枠
状シール部材をラビリンス状に構成したので、それらの
一方を他方に対して可動とせずとも、嵌合い深さを変化
させつつシール状態を保つことができ、しかも、それら
シール部材を耐摩耗性の高い材料から構成しながらも、
気密性を一層高めることができる。
【0021】そして、上記した各樹脂成形装置におい
て、上チェイス及び下チェイスに、キャビティを囲む第
1の押切面の外側に枠状に延びる排気用溝を介して第2
の押切面を設け、前記排気用溝とキャビティとをエアベ
ントを通して連通させると共にその排気用溝を前記排気
機構の排気通路に連通させるように構成することができ
る(請求項10の発明)。これによれば、上チェイス及
び下チェイスのキャビティを囲む第1の押切面の外側に
は、第2の押切面が設けられるので、その第2の押切面
同士によるシール効果が得られ、キャビティ内からの排
気を行う際の気密性の向上を図ることができる。
【0022】このとき、前記エアベント内に出没移動し
て該エアベントの断面方向の開口度合を変更する開閉部
材を設け、前記樹脂注入機構により樹脂を注入するまで
は開口度合を大きくし、樹脂注入時には開口度合を小さ
くするように構成することもできる(請求項11の発
明)。これによれば、樹脂注入機構によりキャビティ内
に樹脂を注入するまでは開閉部材によりエアベントの開
口度合を大きくすることにより、効率的な排気を行うこ
とができるようになり、キャビティ内への樹脂注入時に
は開口度合を小さくすることにより、キャビティ内から
エアベント内への樹脂の侵入を極力防止することができ
る。
【0023】あるいは、上記した各樹脂成形装置におい
て、排気機構の排気通路を、樹脂注入機構のポットの内
側面に開口するように形成することができる(請求項1
2の発明)。これによれば、プランジャの下降時におい
ては排気通路を開口させることができ、樹脂注入時に
は、そのプランジャにより排気通路を自動的に塞ぐこと
ができる。従って、樹脂材料の押出し用のプランジャ
を、排気通路を開閉するための手段として利用でき、構
成を簡単とすることができる。
【0024】さらには、上記した各樹脂成形装置におい
て、上チェイスに、樹脂注入機構のポットに連通するよ
うに排気機構の排気通路を形成すると共に、その排気通
路を開閉する開閉手段を設けるように構成することもで
きる(請求項13の発明)。これによれば、やはり、樹
脂注入機構のポット部分を通してキャビティ内の空気を
排出することができ、不要時には開閉手段により排気通
路を閉塞することができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を長尺なリードフレ
ームを順送りしながら連続的にパッケージを成形する場
合に適用したいくつかの実施例について、図1ないし図
12を参照しながら説明する。 (1)第1,第2の実施例 まず、本発明の第1の実施例(請求項1,2,3に対
応)について、図1及び図2を参照して述べる。
【0026】初めに、本実施例において用いられるリー
ドフレーム21の構成について簡単に述べておく。リー
ドフレーム21は、帯状の金属板の所定部位を打抜いて
形成され、図2に示すように、半導体チップ22(図1
参照)が搭載される図示しないステージ、このステージ
の周囲に四方に延びるように設けられ半導体のリードと
なるリード部23、このリード部23の周囲を囲むよう
に連結され全体として矩形枠状をなすタイバー24を一
体に有して構成される。尚、図2においては、タイバー
24部分を便宜上斜線を付して示している。
【0027】このリードフレーム21は、上記ステージ
等が長手方向に所定ピッチで形成された図で左右方向に
長尺なフープ状に構成され、予め前記ステージに半導体
チップ22が装着されると共に、その半導体チップ22
と各リード部23とがボンディングワイヤ25(図1参
照)にて所定の接続が行われた状態で供給されるように
なっている。そして、前記リードフレーム21は、後述
する樹脂成形装置によって、前記半導体チップ22部分
を樹脂モールドして四角形状のパッケージ26が形成さ
れ、その後、個々の部品に切離されると共にリード部2
3の成形が行われて製品とされるようになっている。
【0028】次に、図1は、本実施例に係る構成を概略
的に示しており、ここで、固定的に設けられる上型27
の下面側には、四角形状の上チェイス28が設けられて
いる。一方、前記下型29は、その上面に四角形状の下
チェイス30を有し、図示はしないが、型駆動機構によ
りガイドポストに沿って上下動され、前記上型27に対
して接離して型締め、型開きを行うようになっている。
【0029】前記下チェイス30の表面には、前記リー
ドフレーム21がセットされるリードフレーム受け31
が形成されていると共に、そのリードフレーム受け31
の底部から連続して、前記パッケージ26の下半部側に
相当するこの場合2個の下キャビティ32が凹設されて
いる。また、前記上チェイス28には、前記パッケージ
26の上半部側に相当する2個の上キャビティ33が凹
設されている。前記下キャビティ32及び上キャビティ
33からキャビティが構成される。
【0030】前記リードフレーム受け31は、図2にも
示すように、リードフレーム21の幅に対応した幅寸法
(図で前後方向の寸法)で、下チェイス30の表面の左
右方向に両端が開放するように延び、該リードフレーム
21の板厚に対応した深さに凹設されている。前記リー
ドフレーム21は、下チェイス30の上面側部分を、図
示しない送り機構により、矢印A方向(図で右方、以下
送り方向Aと称する)に順送りに送られ、また必要に応
じて上下動されるようになっている。
【0031】このとき、本実施例では、1回の成形作業
にて2個のパッケージ26が形成されるようになってお
り、1回の送り動作で2ピッチ分が送られるようになっ
ている。なお、図2に示すように、リードフレーム21
がリードフレーム受け31にセットされた状態では、前
記タイバー24のうち、送り方向Aとは直交する方向
(図で前後方向)に延びる部分が、上チェイス28及び
下チェイス30の左右の側縁部に沿って位置されるよう
になっており、後述するように、この部分がシール面と
されるようになっている。
【0032】また、詳しい説明は省略するが、前記下チ
ェイス30には、図示しないタブレット状の樹脂材料が
供給されるポット34(図2にのみ図示)が設けられて
いると共に、そのポット34内で軟化した樹脂材料を押
出すためのプランジャが設けられている。前記上チェイ
ス28の表面部には、前記ポット34から押出された樹
脂材料を前記キャビティ(上キャビティ33)に導くた
めのランナ35(図2に想像線で示す)が設けられ、も
って樹脂注入機構が構成されている。
【0033】さらに、前記上型27側には、前記キャビ
ティに連通するように前記上チェイス28の表面にて開
口する排気通路36(図1参照)が形成されており、そ
の排気通路36の基端側が図示しない真空ポンプ等の減
圧源に接続され、もってキャビティ内を減圧状態とする
排気機構が構成されている。このとき、図示しないセン
サによりキャビティ内の真空度が検出されるようになっ
ている。
【0034】その他、前記上型27及び下型29には、
パッケージ26成形後の成形品及びカルを取出すための
複数本のエジェクタピン37やそれらの駆動機構が設け
られている。また、図示はしないが、上チェイス28及
び下チェイス30を加熱するためのヒータや、成形後の
上チェイス28及び下チェイス30の表面を清掃するた
めのクリーナー等が設けられていると共に、上記した装
置全体を制御するためのマイコンを含む制御装置が設け
られている。
【0035】さて、前記下型29には、下チェイス30
の外周囲を囲む矩形枠状をなす金属製の下シール部材3
8が固定的に設けられている。この下シール部材38
は、その上端部の高さ位置が、前記リードフレーム21
が下チェイス30のリードフレーム受け31にセットさ
れた際のそのリードフレーム21の下面の高さに一致す
るように設けられ、もって、下シール部材38は、リー
ドフレーム21の下面の送り方向Aの前後部において、
送り方向Aに直交して延びる連続したシール面(タイバ
ー24の一部)に気密に当接するようになっている。
【0036】これに対し、前記上型27には、前記下シ
ール部材38の上端部に気密に圧接してシールを行うた
めの金属製の上シール部材39が設けられている。この
上シール部材39は、前記上チェイス29の外周囲を囲
む矩形枠状をなし、上型27に対して、ガイド40に沿
って上下動可能に取付けられていると共に、付勢手段た
るばね41により常に下方に向けて付勢されている。
尚、上シール部材39の外面と前記ガイド40との間
は、パッキン42により気密が保たれている。
【0037】これにより、通常時つまり両型27,29
の型開き状態では、ばね41の力により、上シール部材
39は、その下端部が、上チェイス28の下面の高さ位
置から下方に所定長さだけ突出している。そして、下型
29が上昇されるときには、下型29と上型27との型
締め状態となる前に、前記下シール部材38の上端部に
気密に圧接し、さらなる下型29の上昇に伴い、ばね力
に抗しながら上方へ変位し、やはり下シール部材38と
の間の圧接状態が維持されるようになっている。また、
この上シール部材39は、リードフレーム21の上面の
送り方向Aの前後部において、送り方向Aに直交して延
びる連続したシール面(タイバー24の一部)に気密に
当接し、前記下シール部材38との間でリードフレーム
21を挟み込むようにシールするようになっている。
【0038】次に、上記構成の作用について述べる。成
形を行うにあたっては、まず、両型27,29の型開き
状態(下型29の下降状態)で、ポット34に樹脂材料
が供給されると共に、下チェイス30上のリードフレー
ム受け31上にリードフレーム21の未成形部分がセッ
トされる。このときには、上述のように、下シール部材
38がリードフレーム21の下面のシール面(タイバー
24の一部)に気密に当接している。
【0039】次いで、型駆動機構により下型29が上昇
して型合せ,型締めが行われるのであるが、このとき、
下チェイス30が上チェイス28に近接したところで、
上シール部材39が、下シール部材38の上端及びリー
ドフレーム21の上面のシール面(タイバー24の一
部)に気密に当接し、上チェイス28と下チェイス30
との間の空間が密閉されるようになる。この時点で一旦
下型29の上昇が停止され、排気機構が駆動されて排気
通路36を通してキャビティ内の空気が排気されるよう
になる。
【0040】そして、センサにより検出されるキャビテ
ィ内の真空度が所定値に達すると、下型29がさらに上
昇して型締めが行われる。このとき、上シール部材39
は、下シール部材38により押されてばね41の力に抗
して上昇し、上チェイス28と下チェイス30との間の
気密状態を維持した状態で型締めが行われる。型締めが
行われると、ポット34内の樹脂材料がプランジャによ
り押出され、ランナ35を通してキャビティ内に注入さ
れる。
【0041】これにて、キャビティ内の減圧状態で樹脂
が注入されることにより、気泡等が混入することがない
状態で、キャビティ内に樹脂が充填されるのである。樹
脂が硬化してパッケージ26が形成されると、型開きが
行われ、パッケージ26が形成されたリードフレーム2
1がエジェクタピン37により下チェイス30から押出
される。この後、上チェイス28及び下チェイス30が
クリーナーによって清掃され、リードフレーム21が送
り方向Aに送られてリードフレーム21の次の未成形領
域に対する成形作業が繰返して行われるのである。
【0042】このように本実施例によれば、下シール部
材38及び上シール部材39を設けたので、排気機構に
よるキャビティからの空気の排出を良好に行うことがで
き、ひいては成形されるパッケージ26に気泡が混入す
ることを未然に防止できるという優れた効果を得ること
ができる。この場合、チェイス30,28の周囲部のう
ちリードフレームが通過する部分においてシールが途絶
えてしまって気密性が確保できなくなっていた従来のも
のと異なり、リードフレーム21を上シール部材39と
下シール部材38との間で上下両側から気密に挟んだ状
態とすることができ、高い気密性を得ることができるも
のである。
【0043】また、特に本実施例では、リードフレーム
21にもともと設けられているタイバー24部分をシー
ル面としたので、新たに別途のシール面を設ける必要が
なく、リードフレーム21の構成を複雑化することなく
済ませることができるものである。さらに、本実施例で
は、下シール部材38及び上シール部材39を耐摩耗性
に優れる金属製としたので、チェイス30,28を、ブ
ラシを有するクリーナーで清掃した場合でも、劣化した
りすることなく、長期間の使用に耐え得るものとなると
いった利点も得ることができる。
【0044】図3は、本発明の第2の実施例(請求項4
に対応)を示すものである。この実施例が上記第1の実
施例と異なる点は、リードフレーム21のうち下シール
部材38及び上シール部材39が圧接する部分に、例え
ばゴムや合成樹脂製のシートからなる弾性シール部材4
3を貼付けてシール面を構成したところにある。これに
よれば、リードフレーム21部分に対する一層高い気密
性を得ることができるものである。
【0045】尚、上記第1,第2の実施例では、長尺な
リードフレーム21を用いた場合について述べたが、長
尺でない個々に独立した短冊状のリードフレームを用い
る場合にも本発明を適用することは可能である。この場
合には、枠状の下シール部材の上端部を全体的に平坦に
構成し、枠状の上シール部材がその下シール部材の上端
部全体に気密に圧接するような構成とすれば良い。
【0046】(2)第3,第4の実施例 次に、図4及び図5は、本発明の第3の実施例(請求項
5に対応)を示すものである。尚、この実施例において
は、樹脂成形装置の基本的構成は上記第1の実施例と共
通するので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明
を省略し、以下、異なる点についてのみ述べることとす
る。
【0047】本実施例では、上記第1の実施例における
下シール部材38及び上シール部材39に代えて、次の
ようなシール構造を採用している。即ち、下型29に
は、下チェイス30の周囲部のうちリードフレーム21
の送り方向Aの前後部に位置して、送り方向Aに直交し
て延びる金属製の下シール部材51が固定的に設けられ
ている。この下シール部材51は、リードフレーム21
の幅寸法よりも前後方向に長く構成され、リードフレー
ム21のセット状態で、該リードフレーム21の下面部
のシール面に気密に当接するようになっている。
【0048】これに対し、上型27には、上チェイス2
8の周囲部のうちリードフレーム21の送り方向Aの前
後部に位置して、前記下シール部材51との間でリード
フレーム21を挟むようにシールするための金属製の上
シール部材52が設けられている。この上シール部材5
2は、前記上型27に対して上下動可能に設けられると
共に、ばね41により上チェイス28から下方に突出す
るように付勢されている。
【0049】さらに、上型27には、上チェイス28の
周囲部のうちリードフレーム21が通過する部分を除い
た位置に、弾性材製の枠状シール部材53が設けられて
いる。この枠状シール部材53は、先端部(下端部)が
前記上シール部材52よりも若干下方に突出した形態に
設けられると共に、その上シール部材52との接続状態
つまり上シール部材52と一体的に上下動するように設
けられており。これにて、この枠状シール部材53は、
下型29の上昇時に、型締めに先立って、前記下チェイ
ス30の周縁部のうちリードフレーム21が配置される
部位を除く部位に気密に圧接するようになっている。
【0050】かかる構成によれば、上チェイス28と下
チェイス30との間に形成される隙間のうち、リードフ
レーム21が通過する部分については、リードフレーム
21のシール面に、上シール部材52と下シール部材5
1とが上下両側から挟んだ状態で気密にシールすること
ができる。また、下チェイス30の周縁部のうちリード
フレーム21が配置される部位を除く部位は、上チェイ
ス28側に設けられた枠状シール部材53により気密に
シールされ、もって、全体がシールされるようになる。
【0051】従って、この第3の実施例によれば、上記
第1の実施例と同様に、排気機構によるキャビティから
の空気の排出を良好に行うことができ、ひいては成形さ
れるパッケージ26に気泡が混入することを未然に防止
でき、このとき、リードフレーム21が通過する部分を
別途にシールする構成なので、その部分におけるシール
をより厳密に行うことができるようになるのである。
【0052】また、上チェイス28及び下チェイス30
は、やはりクリーナーにより清掃が行われるのである
が、弾性材製の枠状シール部材53は、クリーニング領
域から外れた部位に設けられ、ブラシにより主としてこ
すられる部位には、金属製の下シール部材51及び上シ
ール部材52が設けられているので、この部分における
下シール部材51及び上シール部材52の摩耗による劣
化を防止することができるものである。
【0053】図6ないし図8は、本発明の第4の実施例
(請求項6,7,8に対応)を示している。この実施例
が上記第3の実施例と異なる点は、金属製の下シール部
材51及び上シール部材52に代えて、弾性材製の下シ
ール部材54及び上シール部材55を設けるようにした
ところにある。
【0054】この場合、前記下シール部材54は、下取
付板56の上端部に着脱可能に取付けられており、前記
上シール部材55は、上取付板57の下端部に着脱可能
に取付けられている。前記上取付板57が、上型27に
上下動可能に取付けられ、ばね41により下方に付勢さ
れている。さらに、本実施例では、図8に示すように、
リードフレーム21のうち、シール面の前後両端部が斜
面状にいわゆる面取りされた形態の面取り部58が形成
されている。
【0055】かかる構成によれば、上記第3の実施例と
同様の効果が得られると共に、上,下のシール部材5
5,54のシール面に対する密着性を向上させることが
できて気密性を一層高めることができる。特に、リード
フレーム21のシール面部分に面取り部58を設けるよ
うにしたので、上シール部材55及び下シール部材54
により挟まれた際に、シール面部分の端部において、隙
間が形成されることなく、気密性をより一層高めること
ができるようになる。
【0056】さらに、本実施例では、下シール部材54
及び上シール部材55を、耐摩耗性に比較的劣る弾性材
から構成したため、クリーニング等によりそれら下シー
ル部材54及び上シール部材55が比較的短期間で劣化
してしまう事情が生ずるが、それら下シール部材54及
び上シール部材55を容易に交換することができるもの
である。
【0057】(3)第5の実施例 次に、図9及び図10は、本発明の第5の実施例(請求
項9に対応)を示している。この実施例においては、上
記第3の実施例と同様に、下型29に、下チェイス30
の周囲部のうちリードフレーム21の送り方向Aの前後
部に位置して、リードフレーム21のセット状態で該リ
ードフレーム21の下面部のシール面に気密に当接する
金属製の下シール部材51が固定的に設けられている。
また、これと共に、上型27に、前記下シール部材51
との間でリードフレーム21を挟むようにシールするた
めの金属製の上シール部材52が、上下動するように設
けられている。
【0058】そして、本実施例では、上記第3の実施例
と異なり、下型29には、下チェイス30の周囲部のう
ち前記リードフレーム21が配置される部位を除く部位
であって前記下シール部材51の外側に位置して、金属
製の下枠状シール部材61が固定的に設けられている。
この下枠状シール部材61は、その先端部(上端部)が
内外方向に交互に複数の凹凸を有するラビリンス状の嵌
合部61aとされている。このとき、前記嵌合部61a
は、下チェイス30の表面から上方に突出して設けられ
ている。また、この下枠状シール部材61と前記下シー
ル部材51との間にはパッキン62が設けられている。
【0059】これに対し、上型27には、上チェイス2
8の周囲部のうち前記リードフレーム21が通過する部
位を除く部位であって前記上シール部材52の外側に位
置して、金属製の上枠状シール部材63がこの場合固定
的に設けられている。この上枠状シール部材63は、そ
の先端部(下端部)が前記嵌合部61aと対称的な複数
の凹凸を有するラビリンス状の嵌合部63aとされてい
る。また、この上枠状シール部材63と前記上シール部
材52との間にはパッキン64が設けらている。
【0060】このとき、上枠状シール部材63は、前記
下型29の上昇時に、型締め状態となる前に、その嵌合
部63aが、前記下枠状シール部材61の嵌合部61a
と相互に嵌り合い、ラビリンス状のシールが構成される
ようになっている。また、その状態から型締め状態とな
るまでの間、嵌合部63aと嵌合部61aとの嵌合深さ
を変化させつつ、そのシール状態が維持されるようにな
っている。
【0061】かかる構成によれば、上チェイス28と下
チェイス30との間に形成される隙間のうち、リードフ
レーム21が通過する部分については、リードフレーム
21のシール面に、上シール部材52と下シール部材5
1とが上下両側から挟んだ状態で気密にシールすること
ができる。前記リードフレーム21が配置される部位を
除く部位は、下枠状シール部材61と上枠状シール部材
63とによりラビリンス状にシールされ、もって、全体
がシールされるようになる。
【0062】従って、この第5の実施例によれば、上記
第1の実施例などと同様に、排気機構によるキャビティ
からの空気の排出を良好に行うことができ、ひいては成
形されるパッケージ26に気泡が混入することを未然に
防止でき、このとき、リードフレーム21が通過する部
分を別途にシールする構成なので、その部分におけるシ
ールをより厳密に行うことができるようになるのであ
る。
【0063】この場合、本実施例では、下枠状シール部
材61及び上枠状シール部材63のシール構造をラビリ
ンス状に構成したので、それらを耐摩耗性の高い金属製
としながらも、高い気密性を得ることができ、また、上
枠状シール部材63を固定的に設けることができるとい
った利点も得ることができるものである。
【0064】(4)第6の実施例 最後に、図11及び図12は、本発明の第6の実施例
(請求項10,11,13に対応)を示すものであり、
上,下のチェイス71,72部分の構成に特徴を有して
いる。即ち、まず、上チェイス71においては、図11
及び図12(a)に示すように、矩形状の上キャビティ
73が凹設されているのであるが、その上キャビティ7
3の周囲に位置する第1の押切面71aの外周に、枠状
の上排気用溝74を介して第2の押切面71bを設ける
ようにしている。このとき、上キャビティ73と上排気
用溝74とは所定深さのエアベント75により連通され
ている。
【0065】これに対し、下チェイス72においては、
図11及び図12(b)に示すように、やはり矩形状の
下キャビティ76の周囲に位置する第1の押切面72a
の外周に、枠状の下排気用溝77を介して第2の押切面
72bを設けるようにしている。このとき、下キャビテ
ィ76と下排気用溝77とは所定深さのエアベント78
により連通されている。また、前記下排気用溝77には
排気機構を構成する第1の排気通路79が連通されてい
る。さらに、下キャビティ76には、ランナ80が連通
されている。
【0066】これにて、上,下のチェイス71,72の
突合せ状態においては、図11に示すように、上キャビ
ティ73と下キャビティ76とからキャビティが形成さ
れ、その外周部分に、上排気用溝74と下排気用溝77
とから排気通路79につながる空洞部が構成され、さら
にその外側に、第2の押切面71b,72bが、リード
フレーム21を挟んだ状態で突合わせられて、シール構
造が構成されるようになっている。
【0067】そして、本実施例においては、前記上チェ
イス71に、前記エアベント75内に出没移動して該エ
アベント75の断面方向の開口度合を変更する開閉部材
たるピン81が設けられている。このピン81は、前記
樹脂注入機構によりキャビティ内に樹脂を注入するまで
は没入状態とされてエアベント75の開口度合を大きく
し、樹脂注入時には図示しない駆動機構によってエアベ
ント75内に突出されてその開口度合を小さくするよう
に構成されている。
【0068】一方、図11に示すように、下チェイス7
2には、タブレット状の樹脂材料Rが供給されるポット
82や、その樹脂材料Rをポット82から押出すための
プランジャ83が設けられている。これに対し、上チェ
イス71には、前記ポット82に対応して、そのポット
82の底部を構成すると共に、前記ランナ80につなが
る凹部84が形成されているのであるが、本実施例で
は、この凹部84に連続する排気穴85が形成され、そ
の排気穴85の内壁面に第2の排気通路86が連通され
ている。さらに、その排気穴85内には、該排気穴85
ひいては第2の排気通路86を開閉する開閉手段たるピ
ン87が設けられている。
【0069】これにて、樹脂注入時においては、前記ピ
ン87が排気穴85を塞いでおり、プランジャ83の駆
動によってポット82から押出された樹脂材料Rは、凹
部84、ランナ80を通ってキャビティ内に注入される
ようになる。これに対し、その樹脂注入に先立つキャビ
ティ内の減圧(排気)時には、ピン87が上昇して第2
の排気通路86を開放し、キャビティ内の空気が、ラン
ナ80を通して排気されるようになっている。
【0070】このような構成においては、上チェイス7
1と下チェイス72との突合せ状態で、排気機構による
キャビティ内の空気の排気が行われる。このときには、
上述のように、キャビティ内の空気が、エアベント7
5,78及び上下の排気用溝74,77を通して第1の
排気通路79から排気されると共に、ランナ80及び凹
部84並びに排気穴85を通して第2の排気通路86か
ら排気されるようになり、効率的な排気が行われるよう
になる。
【0071】この場合、エアベント75においては、こ
の排気時に開口度合が大きくされているので、効率的な
排気を行うことができるようになる。また、このとき、
上チェイス71及び下チェイス72に夫々設けられる第
2の押切面71b及び72b同士によるシール効果が得
られ、キャビティ内からの排気を行う際の気密性の向上
を図ることができる。
【0072】さらには、樹脂注入機構によりキャビティ
内に樹脂を注入する際には、上述のように、前記ピン8
7が排気穴85を塞いでいるので、排気穴85や第2の
排気通路86等の不要な部所に樹脂が侵入してしまうこ
とはなく、また、前記ピン81によりエアベント75の
開口度が小さくされるので、キャビティ内からエアベン
ト75内への樹脂の侵入を極力防止することができるも
のである。
【0073】尚、この第6の実施例では、上チェイス7
1に排気穴85及び第2の排気通路86を設けるように
したが、これに代えて、排気通路を、ポット82の内壁
面に開口するように形成することもできる(請求項12
に対応)。これによれば、上記と同様の効果を得ること
ができると共に、プランジャ83を開閉手段として理容
することができるので、構成をより簡単に済ませること
ができる。その他、本発明は上記した各実施例に限定さ
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。
【0074】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の樹脂成形装置によれば、キャビティ内の空気を強制排
出する排気機構を設けたものにあって、上チェイスと下
チェイスとの間のシールに各種の構成を採用したので、
その排気機構によるキャビティからの空気の排出を良好
に行うことができ、ひいては成形されるパッケージに空
気が混入することを防止できるという優れた実用的効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、樹脂成形
装置の構成を概略的に示す縦断正面図
【図2】下チェイス部分の上面図
【図3】本発明の第2の実施例を示す図2相当図
【図4】本発明の第3の実施例を示すもので、樹脂成形
装置の構成を概略的に示す右半部の縦断正面図
【図5】上チェイス部分の左半部底面図と、下チェイス
部分の右半部上面図とを合成して示す図
【図6】本発明の第4の実施例を示す図4相当図
【図7】図5相当図
【図8】リードフレームのシール面部分の端部の縦断側
面図
【図9】本発明の第5の実施例を示す図4相当図
【図10】下チェイス部分の部分的な斜視図
【図11】本発明の第6の実施例を示す要部の拡大縦断
正面図
【図12】上チェイス部分の上下反転した斜視図(a)
と下チェイス部分の斜視図(b)を並べて示す図
【図13】従来例を示すもので、図1相当図、
【図14】上チェイス部分の底面図
【図15】他の従来例を示す図13相当図
【図16】図14相当図
【符号の説明】
図面中、21はリードフレーム、22は半導体チップ、
24はタイバー(シール面)、26はパッケージ、27
は上型、28,71は上チェイス、29は下型、30,
72は下チェイス、32,76は下キャビティ、33,
73は上キャビティ、34,82はポット、36,7
9,86は排気通路、38は下シール部材、39は上シ
ール部材、41はばね(付勢手段)、43は弾性シール
部材、51,54は下シール部材、52,55は上シー
ル部材、53は枠状シール部材、56,57は取付板、
61は下枠状シール部材、63は上枠状シール部材、7
1a,72aは第1の押切面、71b,72bは第2の
押切面、74,77は排気用溝、75,78はエアベン
ト、81はピン(開閉部材)、83はプランジャ、87
はピン(開閉手段)、Rは樹脂材料を示す。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上チェイスを有する上型と、半導体チッ
    プを装着したリードフレームがセットされる下チェイス
    を有し前記上型に対して相対的に接離動作する下型とを
    備え、前記上,下のチェイス間に形成されるキャビティ
    内に、排気機構により空気を排出した状態で樹脂注入機
    構により樹脂を注入してパッケージを成形するものにお
    いて、 前記下型に下チェイスの周囲を囲むように固定的に設け
    られた金属製の下シール部材と、 前記上型に上チェイスの周囲を囲むように上下動可能に
    設けられると共に、付勢手段により該上チェイスから下
    方に突出するように付勢され、前記上型と下型との型締
    めに先立って、前記下シール部材に対して気密に圧接す
    る金属製の上シール部材とを設けたことを特徴とする樹
    脂成形装置。
  2. 【請求項2】 長尺なリードフレームを順送りしながら
    連続的にパッケージの成形を行うものであって、 前記下シール部材は、前記下チェイスの周囲部のうち前
    記リードフレームの送り方向前後部において、前記リー
    ドフレームの下面部の前記送り方向に直交して延びるシ
    ール面に気密に当接し、 前記上シール部材は、前記上チェイスの周囲部のうち前
    記リードフレームの送り方向前後部において、前記リー
    ドフレームの上面部の前記送り方向に直交して延びるシ
    ール面に、前記上型と下型との型締めに先立って気密に
    圧接するように構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の樹脂成形装置。
  3. 【請求項3】 前記シール面は、前記リードフレームに
    半導体チップを囲むように形成されるタイバーから構成
    されていることを特徴とする請求項2記載の樹脂成形装
    置。
  4. 【請求項4】 前記シール面は、前記リードフレームに
    弾性シール材が貼着されて構成されていることを特徴と
    する請求項2記載の樹脂成形装置。
  5. 【請求項5】 上チェイスを有する上型と、半導体チッ
    プを装着したリードフレームがセットされる下チェイス
    を有し前記上型に対して相対的に接離動作する下型とを
    備え、前記上,下のチェイス間に形成されるキャビティ
    内に、排気機構により空気を排出した状態で樹脂注入機
    構により樹脂を注入してパッケージを成形する作業を、
    長尺なリードフレームを順送りしながら連続的に行うも
    のにおいて、 前記下型に下チェイスの周囲部のうち前記リードフレー
    ムの送り方向前後部に固定的に設けられ、前記リードフ
    レームの下面部の前記送り方向に直交して延びるシール
    面に気密に当接する下シール部材と、 前記上型に上チェイスの周囲部のうち前記リードフレー
    ムの送り方向前後部に上下動可能に設けられると共に、
    付勢手段により前記上チェイスから下方に突出するよう
    に付勢され、前記リードフレームの上面部の前記送り方
    向に直交して延びるシール面に前記上型と下型との型締
    めに先立って気密に圧接する上シール部材と、 前記上型に前記上シール部材との接続状態に設けられ、
    前記上型と下型との型締めに先立って、前記下チェイス
    の周縁部のうち前記リードフレームが配置される部位を
    除く部位に気密に圧接する弾性材製の枠状シール部材と
    を設けたことを特徴とする樹脂成形装置。
  6. 【請求項6】 前記上シール部材及び下シール部材は、
    弾性材から構成されていることを特徴とする請求項5記
    載の樹脂成形装置。
  7. 【請求項7】 前記上シール部材及び下シール部材は、
    取付板に対して着脱自在に取付けられるように構成され
    ていることを特徴とする請求項6記載の樹脂成形装置。
  8. 【請求項8】 前記リードフレームのシール面の両端部
    は面取り形状とされていることを特徴とする請求項6又
    は7記載の樹脂成形装置。
  9. 【請求項9】 上チェイスを有する上型と、半導体チッ
    プを装着したリードフレームがセットされる下チェイス
    を有し前記上型に対して相対的に接離動作する下型とを
    備え、前記上,下のチェイス間に形成されるキャビティ
    内に、排気機構により空気を排出した状態で樹脂注入機
    構により樹脂を注入してパッケージを成形する作業を、
    長尺なリードフレームを順送りしながら連続的に行うも
    のにおいて、 前記下型に下チェイスの周囲部のうち前記リードフレー
    ムの送り方向前後部に固定的に設けられ、前記リードフ
    レームの下面部の前記送り方向に直交して延びるシール
    面に気密に当接する金属製の下シール部材と、 前記上型に上チェイスの周囲部のうち前記リードフレー
    ムの送り方向前後部に上下動可能に設けられると共に、
    付勢手段により前記上チェイスから下方に突出するよう
    に付勢され、前記リードフレームの上面部の前記送り方
    向に直交して延びるシール面に、前記上型と下型との型
    締めに先立って気密に圧接する金属製の上シール部材
    と、 前記下型に下チェイスの周囲部のうち前記リードフレー
    ムが配置される部位を除く部位に固定的に設けられ上端
    に複数の凹凸を有するラビリンス状の下枠状シール部材
    と、 前記上型に上チェイスの周囲部のうち前記リードフレー
    ムが通過する部位を除く部位に固定的に設けられ、下端
    に複数の凹凸を有し前記下枠状シール部材に嵌合してシ
    ールを行うラビリンス状の上枠状シール部材とを設けた
    ことを特徴とする樹脂成形装置。
  10. 【請求項10】 前記上チェイス及び下チェイスに、前
    記キャビティを囲む第1の押切面の外側に枠状に延びる
    排気用溝を介して第2の押切面を設け、前記排気用溝と
    キャビティとをエアベントを通して連通させると共にそ
    の排気用溝を前記排気機構の排気通路に連通させるよう
    にしたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに
    記載の樹脂成形装置。
  11. 【請求項11】 前記エアベント内に出没移動して該エ
    アベントの断面方向の開口度合を変更する開閉部材を設
    け、前記樹脂注入機構により樹脂を注入するまでは開口
    度合を大きくし、樹脂注入時には開口度合を小さくする
    ように構成したことを特徴とする請求項10記載の樹脂
    成形装置。
  12. 【請求項12】 前記樹脂注入機構は、前記下チェイス
    に設けられ樹脂注入路を介して前記キャビティ内に連通
    し樹脂材料が供給されるポットと、このポット内の樹脂
    材料を押出すプランジャとを備えて構成されていると共
    に、前記排気機構の排気通路は、前記ポットの内側面に
    開口するように形成されていることを特徴とする請求項
    1ないし11のいずれか記載の樹脂成形装置。
  13. 【請求項13】 前記樹脂注入機構は、前記下チェイス
    に設けられ樹脂注入路を介して前記キャビティ内に連通
    し樹脂材料が供給されるポットと、このポット内の樹脂
    材料を押出すプランジャとを備えて構成されており、前
    記上チェイスには、前記ポットに連通するように前記排
    気機構の排気通路が形成されていると共に、その排気通
    路を開閉する開閉手段が設けられていることを特徴とす
    る請求項1ないし12のいずれかに記載の樹脂成形装
    置。
JP940097A 1997-01-22 1997-01-22 樹脂成形装置 Pending JPH10202664A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20150143255A (ko) * 2014-06-12 2015-12-23 타이완 세미콘덕터 매뉴팩쳐링 컴퍼니 리미티드 웨이퍼 레벨 몰딩 체이스 설계
CN114407287A (zh) * 2021-12-27 2022-04-29 江苏磊霆精密新材料有限公司 一种伸缩抵接式法兰盘注塑模具

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