JPH10198182A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10198182A
JPH10198182A JP371197A JP371197A JPH10198182A JP H10198182 A JPH10198182 A JP H10198182A JP 371197 A JP371197 A JP 371197A JP 371197 A JP371197 A JP 371197A JP H10198182 A JPH10198182 A JP H10198182A
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篤志 田中
Minoru Shimojo
稔 下條
Akihiko Nakazawa
明彦 仲沢
Tsunenori Ashibe
恒徳 芦邊
Takashi Kusaba
隆 草場
Akira Shimada
明 島田
Hiroyuki Kobayashi
廣行 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中抜け画像のない高精細な画像を長期間に渡
って繰り返し得ることができる画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】 第1の画像担持体上に形成された画像を
中間転写ベルトに転写した後、第2の画像担持体上に更
に転写する電子写真画像形成装置において、該中間転写
ベルトの抵抗値が1×104 〜1×1011Ωであり、か
つ周方向のヤング率が1×107 Pa以上であり、かつ
画像担持面のマイクロ硬度が90度以下である画像形成
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を用い
た画像形成装置に関し、特に第1の画像担持体上に形成
されたトナー画像を、一旦中間転写ベルトに転写させた
後、第2の画像担持体上に更に転写させて画像形成物を
得る電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写ベルトを使用した画像形成装置
は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像
を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現し
た画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像
形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機
能を具備させた画像形成装置として有効である。
【0003】中間転写ベルトを用いた画像形成装置の一
例の概略図を図1に示す。
【0004】図1は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。中間転写ベルト20は中抵抗の弾性体を使
用している。
【0005】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラ
ムと記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プ
ロセススピード)をもって回転駆動される。
【0006】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3(カラー原稿画像の色分解・結像
露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応して変調されたレーザービームを出力するレーザー
スキャナによる走査露光系等)による画像露光3を受け
ることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例え
ばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成され
る。
【0007】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マ
ゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、ブラック色
現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて感光
ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー画
像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0008】中間転写ベルト20は時計方向に感光ドラ
ム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0009】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベ
ルト20とのニップ部を通過する過程で、1次転写ロー
ラ62から中間転写ベルト20に印加される1次転写バ
イアスにより形成される電界により、中間転写ベルト2
0の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
【0010】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0011】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0012】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0013】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源29
から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜
+2kVの範囲である。
【0014】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ63及び中間転写ベルトクリーナ8は中間
転写ベルト20から離間することも可能である。
【0015】中間転写ベルト20上に転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの
転写は、2次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当
接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10
を通って、中間転写ベルト20と2次転写ローラ63と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、2次転写バイアスがバイアス電源28から2次転写
ローラ63に印加される。この2次転写バイアスにより
中間転写ベルト20から第2の画像担持体である転写材
Pへ合成カラートナー画像が転写(2次転写)される。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着器15へ導入
され加熱定着される。
【0016】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20にはクリーニング用帯電部材7が当接され、感
光ドラム1とは逆極性のバイアスをバイアス電源26か
ら印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転
写ベルト20上に残留しているトナー(転写残トナー)
に感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。
【0017】前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニ
ップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転
写されることにより、中間転写体がクリーニングされ
る。
【0018】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上を張り付けまたは吸着せしめ、そこへ第1の
画像担持体上から画像を転写する画像形成装置を有した
カラー電子写真装置、例えば特開昭63−301960
号公報中で述べられたごとくの転写装置と比較すると、
第2の画像担持体である転写材になんら加工、制御(例
えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる
等)を必要とせずに中間転写ベルトから画像を転写する
ことができるため、封筒、ハガキやラベル紙等、薄い紙
(40g/m2紙)から厚い紙(200g/m2 紙)ま
で、幅の広狭、長さの長短、あるいは厚さの厚薄によら
ず、第2の画像担持体を多種多様に選択することができ
るという利点を有している。
【0019】このような利点のため、すでに市場におい
ては中間転写ベルトを用いたカラー複写機、カラープリ
ンター等が稼働し始めている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】中間転写ベルト20を
用いた画像形成装置において良好な画像を得るために
は、(1)中間転写ベルトに適当な導電性を持たせるこ
と、(2)中間転写ベルト20と感光ドラム1とのニッ
プ、及び中間転写ベルト20と2次転写ローラ63との
ニップを十分かつ均一な幅で確保すること、が必要であ
る。
【0021】そのためには、中間転写体を導電性ゴム等
の柔軟な素材で形成することが考えられるが、このよう
な中間転写ベルトはベルトの伸縮による複数色のトナー
像の転写位置のずれ(レジずれ)が発生し易く、高精細
な画像を得難いという問題がある。また、該ベルトを任
意の張力で張架して繰り返し使用すると、ベルトの永久
伸びが次第に大きくなり、張力が十分にとれなくなって
しまうという問題がある。
【0022】上記レジずれ、永久伸びの問題に対し、例
えば特開平5−281775号公報には、ヤング率が
1.0×104 (kgf/cm2 )(=9.8×108
Pa)以上の材料で中間転写ベルトを形成することが開
示されている。しかしながら、該公報による中間転写ベ
ルトは硬度が高いために、十分かつ均一なニップを確保
することが困難であり、高精細な画像が得られない。ま
た、図2に示すごとくニップ不足に起因する中抜け画像
が発生するという問題もある。
【0023】また、米国特許5084735号明細書に
はヤング率が5×107 Pa以上の中間転写体が、米国
特許5370961号明細書ではヤング率が1×107
Pa以下の基層にヤング率が5×107 Pa以上の薄い
表層を設けた中間転写ベルトが、おのおの開示されてい
る。しかし、これらの中間転写体は該中間転写体の硬度
について全く考慮されておらず、そのため中抜け画像が
発生してしまう。
【0024】更に、米国特許5409557号明細書で
は中間転写ベルトに繊維等からなる補強部材を内包さ
せ、ベルトの機械的強度を向上させているが、これもベ
ルトの硬度については考慮されていないため、やはり中
抜け画像が発生してしまう。
【0025】以上のように、従来の中間転写体を用いた
画像形成装置においては、以下のような課題が存在し
た。 (1)中間転写ベルトを柔らかい材料で形成すると、画
像は良いが、耐久性に劣る。 (2)中間転写ベルトを硬い材料で形成すると、耐久性
は向上するが、画像品位に劣る。
【0026】本発明は、上記の課題を解決した中間転写
ベルトを用いた画像形成装置を提案するものである。
【0027】すなわち、本発明の目的は、中抜け画像の
ない高精細な画像を長期間に渡って繰り返し得ることが
できる画像形成装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、第
1の画像担持体上に形成された画像を中間転写ベルトに
転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する電子写
真画像形成装置において、該中間転写ベルトの抵抗値が
1×104 〜1×1011Ωであり、かつ周方向のヤング
率が1×107 Pa以上であり、かつ画像担持面のマイ
クロ硬度が90度以下であることを特徴とする画像形成
装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0030】本発明者らの検討によると、良好な画像を
得るためには中間転写ベルトの電気抵抗値に適正範囲が
存在することが判明した。
【0031】すなわち、中間転写ベルトの抵抗値が高過
ぎると、2色目以降の現像剤を1次転写する際に、それ
以前に1次転写を終了した現像剤が第1の画像担持体に
戻ってしまい、目的とする色あいの画像が得られなくな
ってしまう。また、中間転写ベルトの抵抗値が低過ぎる
と、1次転写を受けた部分とそうでない部分とで中間転
写ベルトの抵抗値に大きな差ができてしまうために、2
色目以降の現像剤を効率よく転写することができなくな
ってしまい、やはり目的とする色あいの画像が得られな
くなってしまう。このような弊害を伴うことなく、より
高品位な画像を得ることができる中間転写ベルトの抵抗
値の範囲は、下記に示す測定法にて1×104 〜1×1
11Ωであることを、本発明者らは見いだした。
【0032】<中間転写ベルトの抵抗値の測定方法> (1)中間転写ベルトを図3に示したように張架し、該
中間転写ベルトを2本の金属ローラ202及び203で
挟み、直流電源、適当な抵抗値を持つ抵抗器、電位差計
をつなぐ。200は駆動ローラ、201は金属ローラ、
204は電源、205は抵抗器、206は電位差計であ
る。 (2)駆動ローラにて中間転写ベルト表面の移動速度が
100〜300mm/秒になるように該ベルトを駆動す
る。 (3)直流電源から+1kVを回路に印加し、抵抗器の
両端の電位差Vr を電位差計にて読む。なお、測定時の
雰囲気は、気温23±5℃、湿度50±10%RHとす
る。 (4)得られた電位差Vr から、回路に流れる電流値I
を求める。 (5)中間転写ベルトの抵抗値=印加電圧(1kV)/
電流値I。
【0033】次に、中間転写ベルトのヤング率と硬度に
ついて述べる。
【0034】先に述べたように、従来より中間転写ベル
トの耐久性向上のパラメータとして、ヤング率に着目し
た提案が多くなされてきた。しかしながら、従来の中間
転写ベルトにおいては、ベルトを柔らかくすれば耐久性
に劣り、硬くすれば画像品位に劣るという矛盾があり、
耐久性と画像品位を高次元でバランスさせることはでき
なかった。
【0035】上記の矛盾を解決するに当たって、本発明
者らは以下のような仮説を立てた。 (1)ベルトの永久伸びを小さくするためにはヤング率
を大きくする必要があるが、永久伸びはベルトの周方向
に発生するものであるから、ベルト周方向についてのみ
ヤング率を考慮すればよいのではないか。 (2)十分なニップを確保できないために発生すると考
えられる中抜け画像は、中間転写ベルトの厚み方向の硬
さ、特に像担持面の表面硬度と関係があるのではない
か。
【0036】本発明者らは上記仮説に基づいて検討を行
なった結果、繰り返し使用しても中間転写ベルトの張力
低下が実用上の弊害として現われないためには、該ベル
トの周方向のヤング率が1×107 Pa以上でなければ
ならないことを見い出した。
【0037】また、中抜けのない画像を得るためには像
担持面の表面硬度を小さくする必要があり、特に下記に
示すマイクロ硬度が90度以下でなければならないこと
を見い出した。
【0038】本発明の中間転写ベルトのヤング率は、島
津製作所社製のオートグラフAGシリーズにロードセル
を取付けて引っ張り試験を行ない、下記手順によりヤン
グ率を求めた。
【0039】<ヤング率の測定及び計算方法> (1)中間転写ベルトを周方向に切断し、幅10mmの
無端ベルト(試験片)を作成する。 (2)上記試験片を並行な2本の金属棒(φ10mm程
度)で垂直に張架し、下側の金属棒を固定する。この時
点では、試験片に張力はかけない。 (3)上側の金属棒を一定速度で引き上げ、試験片を引
っ張る。このとき、2本の金属棒が並行を保ったままで
あるように注意する。引っ張り速度は、試験片の伸び率
が毎分20%(金属棒の引っ張り速度は試験片の周長に
対して毎分10%)となる速度とする。なお、測定環境
は20±3℃/60±10%とする。 (4)張力が約800gになったら試験を終了する。 (5)以下の式に従って中間転写ベルトのヤング率Eを
計算する。
【0040】EPa=0.25×L0 ÷{t×(L1
0 )}×9.8×104 ただし、 L0 :張力0(g)時のベルト内周長(mm) L1 :張力500(g)時のベルト内周長(mm) t:ベルトの厚み(cm)
【0041】また、本発明の中間転写ベルトの像担持面
のマイクロ硬度は、高分子計器社製のMICRO DU
ROMETER MD1で測定した値である。
【0042】以上述べてきたように、中間転写ベルトの
抵抗値を最適化することにより画像品位を向上させ、ま
た、中間転写ベルトの周方向のヤング率、及び像担持面
のマイクロ硬度を最適化することにより、レジずれ、永
久伸び、中抜け画像の問題を解決し、本発明に至った。
すなわち、本発明の画像形成装置においては、中間転写
ベルトの(1)抵抗値、(2)周方向のヤング率、
(3)像担持面のマイクロ硬度、という3つのパラメー
タを最適化することにより、耐久性と画像品位をより高
次元でバランスさせることが可能である。
【0043】本発明の中間転写ベルトは、抵抗値が1×
104 〜1×1011Ω、かつ周方向のヤング率が1×1
7 Pa以上、かつ像担持面のマイクロ硬度が90度以
下であればよい。従って、中間転写ベルトの構成自体に
何ら制限があるものではない。
【0044】例えば、前記物性値を達成するための手段
の一つとして、適当な導電性を有し、かつ柔軟な素材か
らなるベルトに、該ベルト周方向のヤング率を向上させ
るための芯体層を設ける方法を挙げることができる。
【0045】芯体層の具体的な形態例としては図4〜図
6に示すように、織布状、不織布状、糸状、フィルム状
等が考えられる。芯体層は必ずしも隙間のない連続した
層である必要はない。
【0046】芯体層を設けた場合、芯体層の上層に少な
くとも1層以上の被覆層を設けることが必須である。こ
のとき、該被覆層は中間転写ベルトの円滑な駆動が可能
な程度に薄くする必要があり、かつ芯体層の凹凸が像担
持面に影響を及ぼさない程度に厚くする必要がある。以
上の理由から、被覆層の厚みの範囲は2μm〜1.5m
mが好ましく、20μm〜1mmであればより好まし
い。なお、本発明における被覆層とは、芯体層を除く全
ての層を指す。被覆層は芯体層の上層のみならず、下層
にも設けることができる。
【0047】なお、本発明における芯体層の厚さとは、
芯体層が織布あるいは不織布である場合には、中間転写
ベルトに形成する以前の状態の織布あるいは不織布を、
厚さ測定機TH−102(テスター産業株式会社製)に
て測定した値をいう。また、芯体層が糸状である場合に
は、糸の太さを芯体層の厚さとする。糸の太さは中間転
写ベルトに成形する以前の状態の糸を上記の厚さ測定機
にて測定するものとする。更に、芯体層がフィルム状で
ある場合には、フィルムの厚さを上記の厚さ測定機にて
測定した値を芯体層の厚さとする。ただし、厚さ測定機
にて測定不可能の場合には、中間転写ベルトを厚さ方向
に切断し、顕微鏡等で観測した値を芯体層の厚さとす
る。芯体層の形態が上記のいずれにもあてはまらない場
合には、中間転写ベルトを厚さ方向に切断し、顕微鏡等
で観測した値を芯体層の厚さとする。
【0048】芯体層の上層に設ける被覆層は1層でもよ
いが、場合によっては2層以上とすることもできる。特
に、芯体層の上層にゴム、エラストマー等の弾性体から
なる被覆層(弾性層)を設け、その上に離型性に優れた
樹脂等からなる被覆層(最外層)を設けた場合、最外層
によって転写効率(特に2次転写効率)が向上して好ま
しい。
【0049】芯体層を構成する材料は例えば、綿、絹、
麻及び羊毛等の天然繊維;キチン繊維、アルギン酸繊維
及び再生セルロース繊維等の再生繊維;アセテート繊維
等の半合成繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ア
クリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコー
ル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊
維、ポリウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾ
エート繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維、ポリ
フロロエチレン繊維及びフェノール繊維等の合成繊維;
炭素繊維、硝子繊維及びボロン繊維等の無機繊維;鉄繊
維及び銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる1種
あるいは2種以上を用いることができる。もちろん、上
記材料に限定されるものではない。
【0050】製造のし易さ、製造コストの観点から、芯
体層の好ましい形態例は図4及び図5に示したように、
糸状あるいは織布状である。
【0051】糸は1本のフィラメントであっても、複数
のフィラメントを撚ったものであってもよく、片撚糸、
諸撚糸及び双糸等どのような撚り方であってもよい。ま
た、例えば上記材料群にて示した材質の繊維を混紡して
もよい。更に、糸によって中間転写ベルトの導電性が損
なわれることがないように、糸に適当な導電処理を施し
て使用することもできる。
【0052】同じく織布は、例えばメリヤス織り等どの
ような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織
した織布も使用可能である。また、織布によって中間転
写ベルトの導電性が損なわれることがないように、織布
に適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0053】芯体層の製造方法は特に限定されるもので
はないが、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、そ
の上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴ
ム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設
ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付
け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができ
る。
【0054】なお、特開平3−293385号公報で
は、2次転写部でトナーを転写材に溶融転写(転写同時
定着)する転写定着装置において、ゴムからなる中間転
写ベルトをポリアミド繊維織布で補強する提案がなされ
ているが、該提案では、ゴムが織布の織り目を通り抜け
ないように構成されているため、ポリアミド繊維織布が
絶縁層の役割を果たしてしまう。このため、中間転写ベ
ルトの抵抗値が非常に高くなってしまい、良好な静電転
写をすることができない。
【0055】中間転写ベルトの厚みは、該ベルトを円滑
に駆動することができる程度に薄いほうが好ましい。ま
た、ベルトが破断しない程度に厚くする必要がある。以
上の理由により、本発明の中間転写ベルトの厚さは0.
1〜2mmが好ましく、0.3〜2mmであればより好
ましい。
【0056】また、第1の画像担持体としては、少なく
とも最外層に四フッエチレン樹脂(PTFE)の微粉末
を含有する感光ドラムを用いると、より高い1次転写効
率が得られるために好ましい。これは、PTFEの微粉
末を含有することにより、該感光ドラム最外層の表面エ
ネルギーが低下し、トナーの離型性が向上するためでは
ないかと考えられる。
【0057】中間転写ベルトのクリーニングは、ブレー
ドクリーニング、ファーブラシクリーニング、静電クリ
ーニング、あるいはそれらの組み合わせ等、任意のクリ
ーニング装置が使用可能である。
【0058】一般に、中間転写ベルト上に転写残トナー
が多量に存在する場合には、静電クリーニング方式で中
間転写ベルトを完全にクリーニングすることは困難であ
る。本発明の中間転写ベルトは中抜け画像もなく、良好
な転写性(転写効率)を示すため、中間転写ベルト上の
転写残トナーは少量である。従って、静電クリーニング
方式が可能となる。静電クリーニング方式の1例とし
て、図1に示すごとく、転写残現像剤を感光ドラム1に
静電的に転写することにより中間転写ベルトをクリーニ
ングする方式は、クリーニング装置の小型化、低コスト
化の観点から好ましい。
【0059】図1において、クリーニング用帯電部材7
は、金属ロール、導電性を有する弾性ロール、導電性を
有するファーブラシ及び導電性を有するブレード等、種
々の形態をとることができる。
【0060】なお、図1の画像形成装置においては、感
光ドラム1から中間転写ベルト20に現像剤を1次転写
すると同時に、前回の画像形成ステップで発生した中間
転写ベルト20上の転写残現像剤を感光ドラム1に戻し
てもよい(以後、1次転写同時クリーニング方式と称す
る)。1次転写同時クリーニング方式は、クリーニング
ステップを特に必要としないために、スループットの低
下がないという利点を有している。
【0061】また、図7に示すごとく、転写残現像剤回
収部材8を設けてもよい。
【0062】転写残現像剤回収部材8も、金属ロール、
導電性を有する弾性ロール、導電性を有するファーブラ
シ及び導電性を有するブレード等、種々の形態をとるこ
とができる。
【0063】転写残現像剤回収部材8には、クリーニン
グ用帯電部材7に印加される電圧とは逆極性の電圧が印
加され、転写残現像剤を静電的にクリーニングすること
ができる。
【0064】また、図7の装置において、例えば電源投
入時等に転写残現像剤回収部材8に感光ドラム1と逆極
性のバイアスを印加して、転写残現像剤回収器9内の転
写残現像剤を帯電させ、感光ドラムのクリーニング装置
13に回収することも考えられる。この方式は、転写残
現像剤回収容器9を小型化できるという利点を有してい
る。
【0065】本発明に用いる中間転写ベルトの被覆層に
使用されるゴム、エラストマー、樹脂として、例えばゴ
ム、エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピ
レンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン
化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリ
ルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック
1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリンゴム、ア
クリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴ
ム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム及び熱
可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレ
フィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリア
ミド系、ポリエステル系及びフッ素樹脂系等)等からな
る群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用する
ことができる。ただし、上記材料に限定されるものでは
ない。
【0066】また、樹脂としては、ポリスチレン、クロ
ロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合
体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及び
スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン
−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸
メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチ
ル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シ
リコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリ
ル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、
ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、
キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミ
ド樹脂及び変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からな
る群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用する
ことができる。ただし、上記材料に限定されるものでは
ない。上記材料群の中には硬い樹脂も含まれている。従
って、樹脂の選択に当たっては中間転写ベルトの像担持
面のマイクロ硬度が90度を越えないように注意しなけ
ればならない。
【0067】本発明に用いる中間転写ベルトの抵抗値を
調節するためには導電剤を添加してもよい。導電剤とし
ては特に限定されるものではないが、例えば、カーボ
ン、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化チタン
等の金属酸化物、及び4級アンモニウム塩含有ポリメタ
クリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロ
ール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素
高分子化合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物
等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を
使用することができる。ただし、上記導電剤に限定され
るものではない。
【0068】以上のように本発明の中間転写ベルトは、
抵抗値が1×104 Ω以上、1×1011Ω以下であり、
かつ周方向のヤング率が1×107 Pa以上であり、か
つ画像担持面のマイクロ硬度が90度以下であることを
特徴としている。このような構成をとることによって、
本発明の中間転写ベルトを用いた画像形成装置は、中抜
け画像のない高精細な画像を長期間に渡って繰り返し得
ることができるという効果を有する。
【0069】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。(実施例1)円筒状の金型に、下記配合のゴムコン
パウンドよりなるチューブを被せた。次に、接着剤を表
面に塗ったナイロン糸(直径約100μm)を前記チュ
ーブ上にピッチ1mmで螺旋状に巻き付けた。その上
に、あらかじめチューブ状に押し出した下記配合のゴム
コンパウンドを被せ、加硫及び研磨を行なうことによ
り、芯体層の上に弾性層を有する、厚さ0.8mmの芯
体層入りゴムベルトを得た。
【0070】 ゴム配合 SBRゴム 30部(重量部、以下同様) EPDMゴム 70部 加硫剤(沈降硫黄) 1.5部 加硫助剤(亜鉛華) 2部 加硫促進剤(MBT) 1.5部 加硫促進剤(TMTM) 1.2部 導電剤(カーボンブラック) 25部 分散助剤(ステアリン酸) 1部 可塑剤 (ナフテン系プロセスオイル) 40部
【0071】次に、該ベルト上に更にもう1層の被覆層
(最外層)を得るための塗料を下記処方にて作成した。
【0072】
【0073】上記塗料を前記ゴムベルトにスプレー塗布
し、室温にて指触乾燥後120℃で2時間加熱すること
により残存溶剤を除去し、かつ被膜に架橋を施し、厚さ
30μmの強靭な被覆層(最外層)を有する中間転写ベ
ルトを得た。
【0074】得られた中間転写ベルトの抵抗値は2×1
8 Ω、ヤング率は3×107 Pa、画像担持面のマイ
クロ硬度は80度であった。
【0075】この中間転写ベルトを図1に示されるフル
カラー電子写真装置に装着し、80g/m2 紙にフルカ
ラー画像をプリントし、以下のように転写効率を定義し
て、転写効率の測定を行なった。 1次転写効率(感光ドラムから中間転写ベルトへの転写
効率)=中間転写ベルト上の画像濃度/(感光ドラム上
の転写残画像濃度+中間転写ベルト上の画像濃度)。 2次転写効率(中間転写ベルトから紙への転写効率)=
紙上の画像濃度/(紙上の画像濃度+中間転写ベルト上
の転写残画像濃度)。
【0076】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有するOPC感光ドラムを用
いた。そのため、より高い1次転写効率が得られた。
【0077】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108 Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング方式
とし、フルカラー画像1万枚の連続プリントを行なっ
た。このとき、バイアス電源26からクリーニング用帯
電部材7に印加した電流値は+40μAである。
【0078】初期より中抜け画像がなく、1万枚耐久後
も中抜け及び該ベルトの永久伸びに起因するレジずれの
ない高精細な画像を得ることができた。
【0079】結果を表1に示す。
【0080】以下に本実施例の作像条件を示す。
【0081】 非画像部表面電位:−550V 画像部表面電位:−150V カラー現像剤(4色共に):非磁性1成分トナー 1次転写電圧:+500V 2次転写電圧:+1500V プロセススピード:120mm/sec 現像バイアス:Vdc=−400V Vac=1600Vpp 周波数=1800Hz
【0082】(実施例2)円筒状の金型に、接着剤を表
面に塗った綿糸(直径80μm)をピッチ0.6mmで
螺旋状に巻き付けた。その上に、あらかじめチューブ状
に押し出した実施例1で用いたのと同一配合のゴムコン
パウンドを被せ、加硫及び研磨を行なうことにより、芯
体層の上に弾性層を有する、厚さ0.8mmの芯体層入
りゴムベルトを得た。
【0083】次に、実施例1で用いたのと同一配合の塗
料を該ゴムベルト上にスプレー塗布し、室温にて指触乾
燥後120℃で2時間加熱することにより残存溶剤を除
去し、かつ被膜に架橋を施し、厚さ25μmの強靭な被
覆層(最外層)を有する中間転写ベルトを得た。
【0084】得られた中間転写ベルトの抵抗値は3×1
8 Ω、ヤング率は2×108 Pa、画像担持面のマイ
クロ硬度は80度であった。
【0085】得られた中間転写ベルトを図7に示す画像
形成装置に組み込み、実施例1と同様にして転写効率の
測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを行なった。
【0086】なお、クリーニング用帯電部材7は実施例
1と同様のものを、転写残現像剤回収部材8には1×1
2 Ωの抵抗を持つ導電性ファーブラシを、感光ドラム
1には最外層にPTFEの微粉末を含有しないOPC感
光ドラムを用いた。
【0087】初期より中抜け画像がなく、1万枚耐久後
も中抜け及び該ベルトの永久伸びに起因するレジずれの
ない高精細な画像を得ることができた。結果を表1に示
す。尚、その他の作像条件は実施例1と同様である。
【0088】(実施例3)筒状メリヤス織りのポリエス
テル織布(厚さ200μm)を円筒状の金型に被せ、そ
の上に実施例1で用いたのと同一配合のゴムコンパウン
ドを巻き付け、加硫及び研磨を行なうことにより、芯体
層の上に弾性層を有する、厚さ1mmの芯体層入りゴム
ベルトを得た。
【0089】次に、実施例1で用いたのと同一配合の塗
料を該ゴムベルト上にスプレー塗布し、室温にて指触乾
燥後120℃で2時間加熱することにより残存溶剤を除
去し、かつ被覆層に架橋を施し、厚さ30μmの強靭な
被覆層を有する中間転写ベルトを得た。
【0090】得られた中間転写ベルトの抵抗値は1×1
8 Ω、ヤング率は1×107 Pa、画像担持面のマイ
クロ硬度は80度であった。
【0091】得られた中間転写ベルトを図7に示す画像
形成装置に組み込み、実施例1と同様にして転写効率の
測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを行なった。
【0092】なお、クリーニング用帯電部材7及び転写
残現像剤回収部材8は実施例2と同じものを、感光ドラ
ム1には最外層にPTFEの微粉末を含有しないOPC
感光ドラムを用いた。
【0093】初期より中抜け画像がなく、1万枚耐久後
も中抜け及び該ベルトの永久伸びに起因するレジずれの
ない高精細な画像を得ることができた。結果を表1に示
す。尚、その他の作像条件は実施例1と同様である。
【0094】(比較例1)円筒状の金型に、実施例1の
ゴム配合において導電剤の配合量を45部に変更した以
外は実施例1と同一配合のゴムコンパウンドを用い、実
施例1と同様にして芯体層の上に弾性層を有する、厚さ
0.8mmの芯体層入りゴムベルトを得た。
【0095】次に、実施例1と同一配合の塗料を該ゴム
ベルトにスプレー塗布し、室温にて指触乾燥後120℃
で2時間加熱することにより残存溶剤を除去し、かつ被
膜に架橋を施し、厚さ5μmの被覆層(最外層)を有す
る中間転写ベルトを得た。
【0096】得られた中間転写ベルトの抵抗値は8×1
3 Ω、ヤング率は4×107 Pa、画像担持面のマイ
クロ硬度は85度であった。
【0097】得られた中間転写ベルトを図7に示す画像
形成装置に組み込み、実施例1と同様にして転写効率の
測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを行なった。
【0098】なお、クリーニング用帯電部材7及び転写
残現像剤回収部材8は実施例2と同じものを、感光ドラ
ム1には最外層にPTFEの微粉末を含有しないOPC
感光ドラムを用いた。
【0099】中間転写ベルトの抵抗値が低いため、フル
カラー画像の1次転写時において、2色目以降のトナー
を中間転写ベルト上に重ねて転写することができず、目
的とする色あいの画像を得ることができなかった。ま
た、転写性の悪さから、中抜け画像も発生した。
【0100】1万枚耐久後も上記問題は見られたが、中
間転写ベルトの永久伸びに起因するレジずれは見られな
かった。結果を表1に示す。なお、その他の作像条件は
実施例1と同様である。
【0101】(比較例2)本発明実施例1で用いたゴム
コンパウンドを円筒状の金型に巻き付け、加硫及び研磨
を行なうことにより、弾性層のみを有する厚さ0.8m
mのゴムベルトを得た。
【0102】次に、実施例1で用いたのと同一配合の塗
料を該ゴムベルト上にスプレー塗布し、室温にて指触乾
燥後120℃で2時間加熱することにより残存溶剤を除
去し、かつ被覆層に架橋を施し、厚さ25μmの強靭な
被覆層を有する中間転写ベルトを得た。
【0103】得られた中間転写ベルトの抵抗値は2×1
8 Ω、ヤング率は4×106 Pa、画像担持面のマイ
クロ硬度は80度であった。
【0104】得られた中間転写ベルトを図7に示す画像
形成装置に組み込み、実施例1と同様にして転写効率の
測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを行なった。
【0105】なお、クリーニング用帯電部材7、転写残
現像剤回収部材8及び感光ドラム1は実施例2と同様の
ものを用いた。
【0106】初期には中抜け画像もなく、良好な画像が
得られたが、1万枚耐久後はベルトの永久伸びに起因す
るレジずれが発生し、高精細な画像を得ることができな
かった。結果を表1に示す。なお、作像条件は実施例1
と同様である。
【0107】(比較例3)実施例1と同様にして得たゴ
ムベルト上に更にもう1層の被覆層(最外層)を得るた
めの塗料を下記処方にて作成した。
【0108】 塗料配合 ポリカーボネート 100部 PTFE樹脂微粉末 40部 分散剤 3部 カーボンブラック(導電剤) 20部 モノクロルベンゼン 200部 ジクロロメタン 70部
【0109】上記塗料を前記ゴムベルトにスプレー塗布
し、室温にて指触乾燥後110℃で30分間加熱するこ
とにより残存溶剤を除去し、厚さ25μmの被覆層(最
外層)を有する中間転写ベルトを得た。
【0110】得られた中間転写ベルトの抵抗値は2×1
7 Ω、ヤング率は2×108 Pa、画像担持面のマイ
クロ硬度は95度であった。
【0111】得られた中間転写ベルトを図7に示す画像
形成装置に組み込み、実施例1と同様にして転写効率の
測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを行なった。
【0112】なお、クリーニング用帯電部材7、転写残
現像剤回収部材8及び感光ドラム1は実施例2と同様の
ものを用いた。
【0113】ベルトのマイクロ硬度が高いために、初期
より中抜け画像が発生した。ただし、ヤング率は大きい
ために、1万枚耐久後もベルトの永久伸びに起因するレ
ジずれは発生しなかった。結果を表1に示す。なお、作
像条件は実施例1と同様である。
【0114】
【表1】
【0115】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明は、中間
転写ベルトの抵抗値が1×104 〜1×1011Ω以あ
り、かつ周方向のヤング率が1×107 Pa以上であ
り、かつ画像担持面のマイクロ硬度が90度以下である
ことを特徴とする画像形成装置である。このような構成
をとることにより、本発明の中間転写ベルトを用いた画
像形成装置は、中抜けのない高精細な画像を長期間に渡
って繰り返し得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写ベルトを用いたカラー画像出力装置の
概略図である。
【図2】中抜け画像を例示する図である。
【図3】本発明の中間転写ベルトの抵抗測定装置の概略
図である。
【図4】織布状の芯体層を有する本発明の中間転写ベル
トの一部の概略図である。
【図5】糸状の芯体層を有する本発明の中間転写ベルト
の一部の概略図である。
【図6】フィルム状の芯体層を有する本発明の中間転写
ベルトの一部の概略図である。
【図7】中間転写ベルトを用いたカラー画像出力装置の
概略図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 1次帯電器 3 像露光手段 7 クリーニング用帯電部材 8 転写残現像剤回収部材 9 転写残現像剤回収容器 10 転写材ガイド 11 給紙ローラ 13 感光ドラムのクリーニング装置 15 定着器 20 中間転写ベルト 21 被覆層 22 芯体層 23 被覆層 25 転写ローラ 26 バイアス電源 27 バイアス電源 28 バイアス電源 29 バイアス電源 35 中間転写ベルトクリーナ 41 イエロー色現像装置 42 マゼンタ色現像装置 43 シアン色現像装置 44 ブラック色現像装置 61 駆動ローラ 63 2次転写ローラ 64 2次転写対向ローラ 200 駆動ローラ 201 金属ローラ 202 金属ローラ 203 金属ローラ 204 電源 205 抵抗器 206 電位差計 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦邊 恒徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 草場 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 島田 明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小林 廣行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写ベルトに転写した後、第2の画像担持体上に更
    に転写する電子写真画像形成装置において、該中間転写
    ベルトの抵抗値が1×104 〜1×1011Ωであり、か
    つ周方向のヤング率が1×107 Pa以上であり、かつ
    画像担持面のマイクロ硬度が90度以下であることを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記中間転写ベルトが被覆層及び芯体層
    を有する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記芯体層が繊維からなる請求項2に記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記芯体層が螺旋状に設けられた糸から
    なる請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記芯体層がフィルム状である請求項2
    に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記中間転写ベルトが、芯体層の上層に
    少なくとも1層の被覆層を有し、該被覆層の厚さが10
    μm〜1.5mmであり、かつ該中間転写ベルトの厚さ
    が0.1〜2mmである請求項1〜請求項5のいずれか
    に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の画像担持体が、導電性剛体ロ
    ーラ上に感光層を有する感光ドラムであり、かつ該感光
    ドラムの少なくとも最外層に四フッ化エチレン樹脂の微
    粉末を含有する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記画像形成装置が、中間転写ベルトか
    ら第2の画像担持体に転写されなかった転写残現像剤に
    クリーニング用帯電部材を用いて電荷を付与して、該中
    間転写ベルトをクリーニングする画像形成装置である請
    求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018146676A (ja) * 2017-03-02 2018-09-20 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法

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