JPH10196895A - 天然ガスのハイドレートによるガス貯蔵設備 - Google Patents

天然ガスのハイドレートによるガス貯蔵設備

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JPH10196895A
JPH10196895A JP401397A JP401397A JPH10196895A JP H10196895 A JPH10196895 A JP H10196895A JP 401397 A JP401397 A JP 401397A JP 401397 A JP401397 A JP 401397A JP H10196895 A JPH10196895 A JP H10196895A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置面積が少なく、しかも天然ガスを安全に
貯蔵できる天然ガスのハイドレートによるガス貯蔵設備
を提供する。 【解決手段】 冷水を貯留した容器31内の冷水を抜き
取ると共にこれを冷却して容器31内の水面上に氷粒と
して循環し、氷粒が供給された冷水の水面下に天然ガス
を供給してハイドレートhを生成すると共に生成したハ
イドレートhを容器31の底部に貯留するハイドレート
タンク30と、貯留したハイドレートhを導入して天然
ガスと水に分離する分離器61とからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガスをハイド
レートとして貯蔵する天然ガスのハイドレートによるガ
ス貯蔵設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遠距離輸送用都市ガス導管、或いは、地
域の消費者に都市ガスを供給する主配管に沿って、都市
ガスを安価に安定して供給するために、天然ガスの貯蔵
基地を設置するのが一般的である。
【0003】この例として、前者では米国に多く建設さ
れているピークシェービング用LNG基地がその代表例
である。これは季節の差でガス需要が非常に異なり、需
要の多い季節(冬期)には導管で多量に需要地迄送らな
ければならなく、一方需要の少ない季節(夏期)には導
管は低負荷で使用されることになる。
【0004】このように、変動するガス需要の最高に合
致した長距離配管を設置することは、非常にコスト高の
原因になる。
【0005】このため、図3に示すように、需要の少な
い季節に遊びの多い高圧都市ガス導管(幹線)10を利
用して、需要地域に近い場所に一時体積の小さいLNG
タンク11を設置し、需要の少ない季節に液化装置12
で導管10からの天然ガスを液化してLNGとしてLN
Gタンク11に貯蔵し、需要が多くなる季節にLNGタ
ンク11内のLNGをポンプ13にて気化器14を通し
てガス化して、これを都市ガス分配配管網15に供給し
て、需要のピークに対処している。このように、長距離
配管の有効利用を図ることにより、配管の建設投資を節
約して、ガスコストの低減を行っている。
【0006】一方、地域に都市ガスを安定供給を図ると
共に、ピークシェービング用基地と同じように、ガス需
要の少ない夜間に供給幹線を有効に利用するために、需
要地域の近傍に図2に示すようにガスホルダー16を設
置しているのが一般的である。
【0007】図2において、16は、需要地に設置され
た球形,円筒形に形成されたガスホルダで、高圧都市ガ
ス導管10に開閉バルブ17と圧力制御弁18を介して
接続され、そのガスホルダー16にバルブ19を介して
都市ガス供給管20が接続され、その供給管20からの
都市ガスを圧力制御弁21,21を介して1〜2KGの
中間圧力ガス供給管22に供給したり、その中間ガス供
給管22より減圧弁23を介して一般家庭用等の低圧ガ
ス供給管24に供給したりしている。またこの中間ガス
供給管24にバルブ25を介して有水槽ガスホルダー2
6が接続され、そのガスホルダー26に貯蔵された都市
ガスが減圧弁23を介して低圧ガス供給管24に供給す
るようにされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示したLNGのピークシェービング基地では、天然ガス
の液化のために単位重量当り消費されるエネルギー(電
気、etc)が非常に大きくなる。(液化装置:大型=
約400W/kg,小型=90OW/kg)又、貯蔵液
体が非常に低温(約−160℃)のため、貯蔵容器に使
用する金属材料もステンレスorAlor9%Ni鋼等
と高価なものとなる。容器も高い断熱性能を有する構造
となり、コストアップの原因となっている。貯蔵容器は
漏れた場合に液の拡散を防止し、気化ガスの量を抑制し
て、危険範囲を狭くするために、法規で容器を防液提で
囲むことが義務づけられている。このため、設備の建設
敷地も比較的広く必要とする。
【0009】図2に示した消費地近傍に設置されるガス
ホルダー16は、通常約10kg/cm2 Gでガス状で
の貯蔵のため、単位容積当りの貯蔵密度が低いので、単
位エネルギー当りの容積が大きくなり、比較的広い建設
敷地を必要とする。又、期待される機能の点からガスホ
ルダーは市街地或は近傍に設置されるため、危険性から
設置場所の選定が非常に難しい状況にある。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、これらピークシェービング用LNG貯蔵設備或いは
消費地域近傍に設置されるガスホルダー等の問題点につ
いて、解決するもので、設置面積が少なく、しかも天然
ガスを安全に貯蔵できる天然ガスのハイドレートによる
ガス貯蔵設備を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、冷水を貯留した容器内の冷水を
抜き取ると共にこれを冷却して容器内の水面上に氷粒と
して循環し、氷粒が供給された冷水の水面下に天然ガス
を供給し、水と結合させてハイドレートを生成すると共
に生成したハイドレートを容器の底部に貯留するハイド
レートタンクと、貯留したハイドレートを導入して天然
ガスと水に分離する分離器とを備えた天然ガスのハイド
レートによるガス貯蔵設備である。
【0012】請求項2の発明は、ハイドレートタンク
は、冷水を貯留した容器内の水面上に冷凍機に組み込ま
れた熱交換器が設けられ、その熱交換器の上部に冷水の
噴射管が設けられ、冷水の水面下に天然ガスのガス導管
と接続されたガス分散管が設けられて構成され、そのハ
イドレートタンクに、容器内の冷水を抜き取ると共に噴
射管から噴射する冷水循環ラインが接続された請求項1
記載の天然ガスのハイドレートによるガス貯蔵設備であ
る。
【0013】請求項3の発明は、ハイドレートタンクと
分離器間に抜き取られたハイドレートを加熱分解する加
熱手段が接続された請求項1又は2記載の天然ガスのハ
イドレートによるガス貯蔵設備である。
【0014】以上において、メタンを主成分とし、エタ
ン、プロパン成分が混合している天然ガスが、圧力と温
度条件が整えば水と結合してハイドレート(水和物)を
作ることが知られている。その時のハイドレート中の炭
化水素分子と水の結合割合はモル数及び重量比で次の通
りである。
【0015】 モル比 重量比 メタン CH4 ・53/4H2 O CH4 :H2 O=1:6.45 エタン C2 6 ・72/3H2 O C2 6 :H2 O=1:4.6 プロパン C3 8 ・17H2 O C3 8 :H2 O=1:6.95 これらの成分から構成されるハイドレートは、温度が低
ければ低いほどその平衡圧力は低くなる。例えば、メタ
ン成分が90モル%の場合、273Kでの平衡圧力は約
1MPa以下となり、その時ハイドレート中の天然ガス
含有量は約13.6重量%である。この時のハイドレー
トの比重は1.03〜1.04である。従つて、単位体
積当りの天然ガス貯蔵量は140kg/m3 となる。
【0016】これらの特性をべースにLNG貯蔵量10
00トン、液化量100トン/Dの条件で各基地の特性
を概略比較すると次のようになる。
【0017】LNG液化貯蔵(ピークシェービング)基
地、蓄冷型LNG液化貯蔵(ピークシェービング)基
地、ガスホルダー基地、LNGサテライト基地、ハイド
レート貯蔵基地について比較する。
【0018】LNG液化基地を100として割合で示
す。
【0019】 LNG 液化 蓄冷型LNG カ゛スホルタ゛ LNGサテライト ハイト゛レート 液化基地(高圧) 単位貯蔵容量 100 85 17 100 38 当りのエネルキ゛ 密度 製造電力 100 10 10 0 10 単位貯蔵容量 当たりの建設用地 100 100 1100 35 90 防液提 要 要 不要 要 (不要) 漏洩時ガス蒸発量 大 大 大 大 小 プール火災 大 大 なし 大 小 漏洩ガスの爆発 &燃焼 激 激 激 激 弱 設 備 費 100 30 90 13 15 ハイドレートは多量の水分を保持し、分解燃焼時には水
が遊離し、燃焼熱を水の蒸発熱で奪うためとハイドレー
トの分解熱も比較的高い(180Kcal/kgNG)
ことにより激しい燃焼にはならない。
【0020】このように、天然ガスをハイドレートとし
て貯蔵することで、危険性が少なくしかも低コストな貯
蔵が行える。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0022】図1において、30はハイドレートタンク
で、内部に冷水wが貯留された容器31からなり、その
冷水wの水面上に冷凍機32に組み込まれた熱交換器3
3が設けられ、その熱交換器33の上部に冷水wの噴射
管34が設けられ、冷水の水面下に天然ガスのガス導管
10と接続されたガス分散管35が設けられて構成され
る。
【0023】ハイドレートタンク30には、容器31内
の冷水wを、ポンプ39にて抜き取ると共に噴射管34
から噴射する冷水循環ライン36が接続される。この冷
水循環ライン36は、容器31の略中央と下部に接続さ
れた冷水抜き取りライン37,38と、そのライン3
7,38に接続されたポンプ39と、そのポンプ39の
吐出側と噴射管34を結ぶ戻しライン40とからなる。
【0024】ガス分散管35は、ガス導管10と導入ラ
イン45を介して接続されその導入ライン45に減圧弁
46が接続される。またガス導管10が低圧力の場合、
図示の点線で示すように昇圧用の圧縮機47を介して導
入ライン45に導入する。
【0025】このガス分散管35には、容器31内の冷
水を抜き取ると共にガス分散管35に導入される天然ガ
スとを混合して噴射する冷水噴射ライン80が接続され
る。この冷水噴射ライン80は、その冷水抜き取り側
が、容器31内のガス分散管35の上方の冷水wを抜き
取るべく容器31に接続され、吐出側がガス分散管35
に接続され、そのライン81には、ポンプ82が接続さ
れると共にそのポンプ82の吸込側と吐出側にバルブ8
3,84が接続される。
【0026】冷凍機32は、熱交換器33から戻り側接
続配管49を介して接続された圧縮機50と、その圧縮
機50の吐出側に接続された熱交換器(コンデンサ)5
1と、熱交換器51からの凝縮液を貯留するリキッドタ
ンク52と、そのリキッドタンク52に接続された減圧
弁53とからなり、その減圧弁53が、バルブ54,冷
媒送り側接続配管55を介して熱交換器33に接続され
る。この冷凍機の冷媒は、プロパン等が用いられ、圧縮
機50で圧縮された高温高圧の冷媒が熱交換器51に流
れ、熱交換器51の冷却水管56を流れる冷却水で冷却
されて凝縮(約30℃)し、減圧弁53で減圧されて、
熱交換器33で0℃以下(−5〜−10℃)で蒸発して
圧縮機50に戻るようになっている。
【0027】熱交換器33の冷媒送り側接続配管55よ
り分岐し、容器31内の底部を冷却すると共に熱交換器
33に戻す冷却ライン58が接続される。
【0028】ハイドレートタンク30の容器31の頂部
には、未反応の天然ガスを圧縮機59で昇圧して導入ラ
イン45に戻すオフガスライン57が接続される。
【0029】容器31の底部には生成したハイドレート
hを抜き取る抜き取りライン60が接続され、その抜き
取りライン60に、バルブ62,スラリーポンプ63,
ハイドレートhを加熱分解する第1熱交換器64と第2
熱交換器65からなる加熱手段48が接続されると共に
分解したハイドレートを天然ガスと水に分離する分離器
61が接続される。
【0030】また、冷水噴射ライン80と抜き取りライ
ン60との吐出側はバルブ86を介して接続される。
【0031】分離器61内で分離された天然ガスは、ガ
スライン70より、消費系に供給され、水は、ライン7
1よりバルブ72、第1熱交換器64を通り、戻しライ
ン40を通し、噴射管34より容器31に戻される。
【0032】熱交換器33の冷媒戻り側接続配管49と
送り側接続配管55には、ハイドレートの冷熱を回収す
るヒートポンプ73が接続される。このヒートポンプ7
3は、圧縮機74と、第2熱交換器65と、リキッドタ
ンク75と、減圧弁76からなり、また圧縮機74に
は、その吸込側と吐出側を結ぶバイパス弁77が接続さ
れる。リキッドタンク75には、冷凍機32の減圧弁5
3からの冷媒を回収するライン78が接続され、そのラ
イン78に開閉弁79が接続される。
【0033】次に、天然ガスをハイドレートとして貯蔵
する操作を説明する。
【0034】先ず、最初の起動は次のように行う。
【0035】ハイドレートタンク30の容器31に水
を、容器31内の熱交換器33より低いレベル迄充填す
る。次に、ポンプ39を起動し、冷水循環ライン36に
て容器31内の水を熱交換器33の上部から散水する。
散水開始後、冷凍機32の圧縮機50を起動させ、冷媒
(例:プロパン)を接続配管55を通じて熱交換器33
に導入する。熱交換器33はパネル状の熱交換器で、パ
ネル内に配列されているチューブ側に冷媒が入り、直立
しているパネル表面上を散水された水が流下する。チュ
ーブ内では0℃以下(−5〜−10℃)の温度で冷媒が
蒸発し、パネル表面の水は冷媒の蒸発熱により冷却され
氷結する。
【0036】熱交換器33のパネル表面には、氷が付着
しないように氷の剥離剤がコーディング(或いは剥離性
のある材質を使用)してあるので、氷かパネル表面から
容器31内の水面上に自重で落下し推積する(ハーベス
ト型製氷機)。但し、氷が容器31の水面上に蓄積でき
る構造であれば、本構造の熱交換器33でなくても良
い。又、ハイドレートタンク30とは別個にして氷を容
器31に呼び込んでも良い。
【0037】或る程度、容器31内の水面上に氷が推積
し、容器31の下部の水温が約0℃になった時点で、高
圧都市ガス導管10から都市ガスを導入ライン45より
容器31内のガス分散管35を通して導入する。
【0038】水中に分散されたガスは、約0℃に冷却さ
れた水と反応してハイドレートを作る。この反応は発熱
反応で、天然ガスの場合約180Kcal/kgである
ため、水温を上昇させようとするが、水中に浮遊混在し
ている氷によって冷却(氷の融解熱:約80Kcal/
kg)されるので、約0℃に平衡した圧力(0.9MP
a)でハイドレートが生成される。生成されたハイドレ
ートhは前述したように、水よりも比重が重いため、水
中を沈下し容器31の下部に推積する。
【0039】従って、冷凍機32で、前もって製造した
い量のハイドレートの生成熱に相当した熱量以上の氷を
容器31内に製造しておけば、ハイドレート(圧力:
0.9MPa)を製造することができる。
【0040】冷凍機32での氷の製造は、電力料金の安
い夜間に行い蓄冷するのが経済的に有利である。
【0041】このハイドレートの生成タンクの利点は次
の点にある。
【0042】氷、水、ハイドレートの比重差を利用し
て、ハイドレートの生成熱(発熱反応)の冷却、及び生
成物の分離を有効に行うことを図っている。即ち、これ
ら三者の比重は、ハイドレート>水>氷の関係にあるの
で、三者が混在している場合には、氷が一番上層に浮
き、中間層に水が存在し、下層にハイドレートが沈下推
積する。
【0043】従って、氷層の下面に天然ガスを送入する
と、ハイドレートが氷間で生成され、生成熱は混在して
いる氷の融解熱で冷却される。生成されたハイドレート
は自重で容器31の下部に沈下し、水層から分離する。
このように、ハイドレートの生成と分離が円滑に行うこ
とを目的とした構造である。
【0044】ハイドレートが生成されるに従い、蓄積さ
れていた氷は減少する。
【0045】仮りに下部に入熱がある場合はハイドレー
トが分解し、温度上昇を防止する。分解したハイドレー
トは、平衡圧力が氷点温度以上の場合には、天然ガスと
水になる。ガスは中間層の水中を浮上し、上層の氷の層
に接触し、生成熱を氷に奪われて再びハイドレートにな
る。
【0046】未反応の天然ガスは、容器31頂部のオフ
ガスライン57より圧縮機59で昇圧されて導入ライン
45に戻されて再度吹き込まれる。
【0047】容器31内のハイドレートhの堆積に応じ
て、冷水抜き取りライン37,38を切り替える。
【0048】またハイドレートの生成熱を効果的に除去
するために、冷水噴射ライン80のポンプ82で、氷の
混合した水を導入、天然ガス導入ライン45よりガス分
散管35に注入することにより達成される。
【0049】このように、容器31内に天然ガスと水と
からなるハイドレートhを貯蔵することで、LNGとし
て貯蔵する貯蔵温度より十分高く保冷が容易であり、か
つ危険性が少なくしかも低コストな貯蔵が行える。
【0050】次に、ハイドレートhを分解して、都市ガ
スを得る場合には、スラリーポンプ63により冷水噴射
ライン80からバルブ86を介して一部水を混合させな
がら容器31から取り出し、都市ガス供給圧力以上に加
圧する。水を混合(20%位)するのは、スラリーによ
り流動性を与えるために行う。
【0051】加圧されたハイドレートは第1及び第2熱
交換器64,65で加熱されて分解される(例えば、分
解圧を2.1MPa(ata)にした場合の温度は約7
℃である)。
【0052】この場合に図に示すように、圧縮機74に
て構成されるヒートボンプ73によりハイドレートを加
熱する。すなわち、第2熱交換器65で、ハイドレート
を、加圧された媒体ガス(例えば、プロパンガス)と熱
交換させて媒体ガスを凝縮させることにより、その潜熱
によりハイドレートを加熱する。潜熱を奪われたガス
は、熱交換器65内で凝縮液体になり、ハイドレート
は、分解してガスと水になり、分離器61に送られ天然
ガスと水に分離される。
【0053】分離した水は再使用のため、第1熱交換器
64で、分離して出荷すべきハイドレートと熱交換して
プレクールされた後、噴射管34より容器31に返送さ
れる。
【0054】一方、第2熱交換器65内で得られた凝縮
液体は、ハイドレートタンク30の熱交換器33に送ら
れ、噴射管34から噴射される返送水と熱交換して蒸発
(−5〜−10℃)し、冷媒戻り側接続配管49を介し
て圧縮機74に戻される。
【0055】熱交換器33で、冷却された返送水は氷を
生成して、容器31内の水面に落下して蓄積される。蓄
積された氷は、前述したように天然ガスを導入して、ハ
イドレートの製造に使用される。この場合、第2熱交換
器65でのハイドレート分解温度は7℃のため、第2熱
交換器65で加熱に使用される媒体ガスの凝縮温度を1
3℃位に設定して、第2熱交換器65の伝熱面積を決め
ると、圧縮機74の所要動力はそれ程大きくならない。
(例えば、ハイドレート100トン/hの場合の圧縮機
74の所要動力はプロパンを媒体ガスとしたときで、約
450KWとなる)。
【0056】ハイドレートの製造は、導管10が遊んで
いる都市ガス需要の少ない夜間に主に行われ、ガスの製
造(ハイドレートの分解)はガス需要が多い昼間に行わ
れるので、日中にハイドレートタンク30で作られた氷
は夜間に使用される迄、蓄冷剤として役割を担うことに
なる。
【0057】このシステム蓄冷される冷熱は、ハイドレ
ート生成熱の65%位なので、ハイドレート生成時に
は、生成熱の35%位を除去するための冷凍機32が必
要になる。
【0058】この冷凍機32は、前述した立上げ(初期
起動)時には、大きな動力を必要とするが、上述のよう
に容器31内に氷を蓄冷できるので、ハイドレートの生
成熱の35%位を除去する能力であれば十分使用でき
る。また、容器31内での製氷時に、水面に蓄積する氷
が表面で融合して一面に結氷しないように、容器31内
ガスをオフガスライン57から圧縮機59を介して吸い
込み、これをガス分散管35から吹き込んで水及び水面
を動揺させることにより、氷が一面に形成されることが
防止され、細粒化された氷を製造できる。
【0059】ハイドレートの製造は夜間に行われるの
で、冷凍機32に必要な電力は夜間料金が使用できるの
で、ランニングコストの節減ができる。
【0060】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、天然ガス
をハイドレートとして貯蔵することで、危険性が少なく
しかも低コストな貯蔵が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】従来のLNGのピークシェービング基地を示す
図である。
【図3】従来のガスホルダ基地を示す図である。
【符号の説明】
30 ハイドレートタンク 31 容器 32 冷凍機 33 熱交換器 35 ガス分散管 48 加熱手段 61 分離器 h ハイドレート w 冷水

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷水を貯留した容器内の冷水を抜き取る
    と共にこれを冷却して容器内の水面上に氷粒として供給
    し、氷粒が供給された冷水の水面下に天然ガスを供給
    し、水と結合させてハイドレートを生成すると共に生成
    したハイドレートを容器の底部に貯留するハイドレート
    タンクと、貯留されたハイドレートを導入して天然ガス
    と水に分離する分離器とを備えたことを特徴とする天然
    ガスのハイドレートによるガス貯蔵設備。
  2. 【請求項2】 ハイドレートタンクは、冷水を貯留した
    容器内の水面上に冷凍機に組み込まれた熱交換器が設け
    られ、その熱交換器の上部に冷水の噴射管が設けられ、
    冷水の水面下に天然ガスのガス導管と接続されたガス分
    散管が設けられて構成され、そのハイドレートタンク
    に、容器内の冷水を抜き取ると共に噴射管から噴射する
    冷水循環ラインが接続された請求項1記載の天然ガスの
    ハイドレートによるガス貯蔵設備。
  3. 【請求項3】 ハイドレートタンクと分離器間に抜き取
    られたハイドレートを加熱分解する加熱手段が接続され
    た請求項1又は2記載の天然ガスのハイドレートによる
    ガス貯蔵設備。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005247919A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd ハイドレートの生成方法及び生成装置
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