JP2019138329A - 低温液化ガス貯留タンクのbog抑制方法及び装置 - Google Patents

低温液化ガス貯留タンクのbog抑制方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄熱媒体を別途保有する必要がなく、それ故に蓄熱媒体を格納する巨大な容器を必要とせずに低温液化ガス貯留タンクにおけるBOGの発生を抑制できる低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法及び装置を提供する。【解決手段】本発明に係る低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法は、低温液化ガスの一例であるLNG5を貯蔵するLNGタンク3内でのBOGの発生を抑制する方法であって、LNGタンク3内のLNG5を抜き出して、抜き出したLNG5を冷却して過冷却LNG7にしてLNGタンク3の底部に戻すことで過冷却LNG7をLNGタンク3の底部に温度成層化して貯留し、LNGタンク3内の底部に貯留されている過冷却LNG7を液面近傍に適宜供給してLNGタンク3内の液面の温度を低下させることでBOGの発生を抑制することを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)、液化窒素等の低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留タンクにおける蒸発ガス(以下、「BOG(Boil Off Gas)」という)の発生を抑制する低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法及び装置に関する。
LNGのような低温液化ガスをタンクに貯蔵する場合、周囲からの入熱によりタンク内のLNGは常時加熱されている。LNGタンク内圧は、内部に貯蔵されているLNGの液面温度の飽和圧力相当となる。そのため、入熱によりLNG液面温度が上昇すると、LNGタンク内圧も上昇する。
LNGタンク内圧を設計圧力以下に調整するには、LNGが蒸発して発生するBOGをLNGタンク外へ排出する必要がある。
BOGは可燃性ガスであるため、保安、経済性及び環境に与える影響の観点から大気中への放散は極力避けることが望ましい。
一般的にBOGを処理する方法として、(1)BOG圧縮機を用いて昇圧して送出ガスへ混合する方法と、(2)BOGを再液化して処理する方法とが採用されてきた。
(1)の方法は圧縮機動力が大きいため、(2)の再液化する方法が省エネルギーの面で望ましい。
しかし、BOGを再液化するためには冷却する必要があり、その冷熱源としてLNGタンクから払出すLNGの保有冷熱が用いられる。ただし、払出しLNG量の少ない場合(夜間など)はBOG再液化に必要な冷熱が不足する。BOGは払出しLNG量とは関係なく常時発生するため、夜間のように払出しLNG量が少ない場合は、消費動力の大きい(1)の方法、すなわちBOG圧縮機を用いて発生BOGを優先的に送出している。
そこで、払出し量の多い昼間の冷熱を蓄冷しておき、蓄冷した冷熱を夜間に使用してBOGを再液化する技術が、例えば特許文献1、2に開示されている。
特許文献1においては、払出LNGが多い時間帯の余剰冷熱を用いて空気を液化し、払出LNGが少ない時間帯にその液化空気の冷熱をBOG再液化に利用している。
また、特許文献2においては、-100℃以下で固液相変化する媒体と、-50〜-100℃で固液相変化する媒体を組み合わせて蓄冷している。
特開平10−19199号公報 特開平11−118099号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された方法は、いずれもすでに発生したBOGを再液化するものである。また、払出しLNG量の少ない場合にもBOGを再液化するためには、払出しLNGの冷熱を蓄冷する蓄熱媒体が必要となり、その蓄熱媒体を貯蔵する容器が必要となる。そして、大量の冷熱を蓄熱するためには、蓄熱媒体の貯蔵容器の容積も大きなものが必要となるという問題がある。
上記の説明は、低温液化ガスとしてLNGを例に挙げて説明したが、同様の課題は、LPG(液化石油ガス)、液化窒素等の他の低温液化ガスやこれを貯留する低温液化ガス貯留タンクについても存在する。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、蓄熱媒体を別途保有する必要がなく、それ故に蓄熱媒体を格納する巨大な容器を必要とせずに低温液化ガス貯留タンクにおけるBOGの発生自体を抑制できる低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法及び装置に関する。
(1)本発明に係る低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法は、低温液化ガスを貯蔵する低温液化ガス貯留タンク内でのBOGの発生を抑制する低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法であって、
前記低温液化ガス貯留タンク内の低温液化ガスを抜き出して、該抜き出した低温液化ガスを冷却して過冷却低温液化ガスにして前記低温液化ガス貯留タンクの底部に戻すことで過冷却低温液化ガスを前記低温液化ガス貯留タンクの底部に温度成層化して貯留し、
前記低温液化ガス貯留タンク内の底部に貯留されている過冷却低温液化ガスを液面近傍に適宜供給して前記低温液化ガス貯留タンク内の液面の温度を低下させることでBOGの発生を抑制することを特徴とするものである。
(2)本発明に係る低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置は、低温液化ガスを貯蔵する低温液化ガス貯留タンク内でのBOGの発生を抑制する低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置であって、
前記低温液化ガス貯留タンク内の低温液化ガスを抜き出して該抜き出した低温液化ガスを冷却装置で冷却して過冷却低温液化ガスを生成し、前記低温液化ガス貯留タンクの底部に戻すことで過冷却低温液化ガスを前記低温液化ガス貯留タンクの底部に温度成層化して貯留する低温液化ガス貯留タンク内温度成層化手段と、
前記低温液化ガス貯留タンク内の底部に貯留されている過冷却低温液化ガスを前記低温液化ガス貯留タンク内に貯蔵されている低温液化ガスの液面近傍に供給する過冷却低温液化ガス供給手段とを備えたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記低温液化ガス貯留タンクの底部に前記過冷却低温液化ガスを貯留する領域を仕切るための間仕切り板を設けたことを特徴とするものである。
(4)また、上記(2)又は(3)に記載のものにおいて、前記冷却装置は、低温液化ガス貯留タンクから払い出される低温液化ガスの冷熱を利用して前記抜き出した低温液化ガスを冷却する冷凍機であることを特徴とするものである。
(5)また、上記(2)又は(3)に記載のものにおいて、前記冷却装置は、蒸発器と該蒸発器内の蒸発ガスを抜き出して圧縮するコンプレッサを備えてなることを特徴とするものである。
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、前記コンプレッサは、既設のBOG抜出しラインに設けられているBOG圧縮機であることを特徴とするものである。
本発明においては、低温液化ガス貯留タンク内の低温液化ガスを抜き出して、該抜き出した低温液化ガスを冷却して過冷却低温液化ガスにして前記低温液化ガス貯留タンクの底部に戻すことで過冷却低温液化ガスを前記低温液化ガス貯留タンクの底部に温度成層化して貯留し、前記低温液化ガス貯留タンク内の底部に貯留されている過冷却低温液化ガスを液面近傍に適宜供給して前記低温液化ガス貯留タンク内の液面の温度を低下させるようにしたので、BOGの発生自体を抑制できる上に、低温液化ガス貯留タンク内に大量にある低温液化ガスそのもので冷熱を蓄熱でき、蓄熱媒体を別途保有する必要がなく、蓄熱媒体を格納する巨大な容器も必要としない。
実施の形態1に係るLNGタンクのBOG抑制装置の説明図である。 実施の形態1に係るLNGタンクのBOG抑制装置の他の態様の説明図である。 実施の形態2に係るLNGタンクのBOG抑制装置の説明図である。 実施の形態2に係るLNGタンクのBOG抑制装置の他の態様の説明図である。 実施の形態3に係るLNGタンクのBOG抑制装置の説明図である。 実施の形態3に係るLNGタンクのBOG抑制装置の他の態様の説明図である。
本発明に係る低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法及び装置について、低温液化ガスとしてLNGを、低温液化ガス貯留タンクとしてLNGタンクを、それぞれ例に挙げて説明する。
[実施の形態1]
本実施の形態に係るLNGタンクのBOG抑制装置1は、図1に示すように、LNGタンク3内のLNG5を抜き出して過冷却してLNGタンク3の底部に戻すことで過冷却LNG7をLNGタンク3の底部に温度成層化するLNGタンク内温度成層化手段9と、LNGタンク3内の底部に貯留されている過冷却LNG7を液面近傍に供給する過冷却LNG供給手段11とを備えている。
なお、本明細書において過冷却LNG7を供給する場所としての液面近傍は、液面上及び液面下のいずれも含む。
以下、各構成を詳細に説明する。
<LNGタンク内温度成層化手段>
LNGタンク内温度成層化手段9は、LNGタンク3から抜き出したLNG5を後述の冷凍機15に供給するLNG供給管13と、LNG供給管13から供給されるLNG5を冷却して過冷却LNG7を生成する冷却装置としての冷凍機15と、冷凍機15で過冷却された過冷却LNG7をLNGタンク3の底部に戻す過冷却LNG戻し管17とを備えている。
《LNG供給管》
LNG供給管13は、LNG送出管19から分岐して設けられ、LNG送出ポンプ21によってLNG送出管19に送出されるLNG5の一部を冷凍機15に供給する。
《冷凍機》
冷凍機15は、LNG供給管13によって供給されるLNG5を窒素ガス等の作動媒体で冷却するためのものであり、LNG送出管19を流れるLNG5の冷熱を利用するのが望ましい。これは、LNGを過冷却するための低温を発生させる際に、常温(例えば空気や海水の温度)との間で冷凍機を作動させるよりも、LNG5の温度との間で作動させた方が消費エネルギーが小さくてすむからである。図1は、LNG5の冷熱を利用する場合を示したものであり、LNG供給管13によって供給されるLNG5を窒素ガス等の作動媒体で冷却する第1熱交換器23と、窒素ガス等の作動媒体を、LNG送出管19を流れるLNG5の冷熱によって凝縮するための第2熱交換器25を備えている。
《過冷却LNG戻し管》
過冷却LNG戻し管17は、冷凍機15で過冷却された過冷却LNG7をLNGタンク3の底部に戻すものである。
過冷却LNG戻し管17の下端部は、LNGタンク3の底部近くまで延出しており、戻される過冷却LNG7はLNGタンク3の底部に温度成層化して貯留される。
なお、LNGタンク3の底部において、過冷却LNG7が貯留される領域と、LNG送出ポンプ21によって送出されるLNG5が貯留される領域とを区画するために、図1に示すように、LNGタンク3の底部に間仕切り板27を設けるのが好ましい。
間仕切り板27は、LNGタンク3の底面に設置され、その高さはLNGタンク運用上のLNG最低液位以下とする。これは、LNG5が払い出されたときに、間仕切り板27で仕切られた領域の内外で液位差が生じないようにするためである。
<過冷却LNG供給手段>
過冷却LNG供給手段11は、LNGタンク3内の底部に貯留されている過冷却LNG7を、同じくLNGタンク3内に貯留されているLNG5の液面近傍に供給するものであり、過冷却LNG7を汲み上げる汲み上げポンプ29と、汲み上げポンプ29によって汲み上げられる過冷却LNG7を液面近傍に供給する供給管31と、供給管31に設けられて供給管31を流れる液量を調整する流量制御弁33とを備えている。
汲み上げポンプ29は、LNGタンク3の底部における過冷却LNG7を汲み上げることができれば、その形態は特に限定されない。また、流量制御弁33を設置する代わりに、汲み上げポンプ29の回転数を制御することによって、供給管31を流れる液量を調整してもよい。
以上のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
払出しLNG量が多い昼間等は、LNG5はLNG送出管19を介してLNGタンク3から送出されると共に、冷凍機15を運転する。
送出されるLNG5は、過冷却LNG7ではなく、過冷却LNG7が貯留される領域の外側の領域に貯留されているLNG5である。
そして、LNG送出管19から送出されるLNG5の一部がLNG供給管13を介して第1熱交換器23に供給される。
第1熱交換器23に供給されたLNG5は、冷却されて過冷却LNG7となって、過冷却LNG戻し管17を通じてLNGタンク3の底部に戻される。
LNGは冷却されるほど密度が大きくなるので、過冷却LNG7は過冷却されていないLNG5より密度が大きい。そのため、戻された過冷却LNG7はLNGタンク3の底部に温度成層化して貯留される。すなわち、過冷却LNG7はLNGタンク3の底部近くに下層として、過冷却されていないLNG5は過冷却LNG7層の上方に上層として貯留される。
LNGタンク内圧は貯留されているLNG液面温度で決まり、LNG液面温度の飽和圧力相当になる。本発明では、過冷却LNG7はLNGタンク3の底部に貯留され、LNGタンク内の液面近くには過冷却されていないLNG5が存在するので、タンク内圧は、従来運用時の圧力(設計圧力)と同等となる。
仮に過冷却LNG7を液面近くに戻すと、LNGタンク内圧がその表面温度の飽和圧力相当まで低下することになり、LNGタンク3の設計下限圧以下(例えば負圧)になってしまいLNGタンク3が破損する危険があるが、本発明ではこのような事態が生じない。
冷凍機15の稼動中、作動媒体は供給されたLNG5と第1熱交換器23で熱交換してガス化し、冷凍機15の図示しないコンプレッサで圧縮され、第2熱交換器25に供給される。第2熱交換器25では、払い出されるLNG5との熱交換により凝縮して液化し、冷凍機15の図示しない膨張弁などで減圧された後に第1熱交換器23に供給される。
前述したように、LNGタンク3内のLNG5は周囲からの入熱により常時加熱されており、LNG5の液面温度が上昇するため、BOGが発生してLNGタンク3の内圧も上昇する。
そこで、汲み上げポンプ29を稼動して、LNGタンク3の底部に貯留されている過冷却LNG7を、供給管31を介してLNGタンク内に貯留されているLNGの液面近傍に供給する。これによって、液面温度が低下して、BOGの発生量を抑制でき、LNGタンク3の内圧が低下する。
なお、本BOG抑制装置の運用においては、汲み上げポンプ29および流量制御弁33を制御することにより、液面近傍に供給される過冷却LNG7の量を調整して、LNGタンク内圧をコントロールすることになる。すなわち、LNGタンク内圧をモニターしておき、LNGタンク内圧が所定の圧力(例えばLNGタンク3の標準運用圧力)を超過した場合に汲み上げポンプ29を稼動させ、所定の圧力以下に維持できるよう、液面近傍に供給される過冷却LNG7の量を流量制御弁33により調整する。この際、LNGタンク3に、タンク内のLNG液位を検知する液位計や、気相部、液相部の高さ方向の温度分布を検知する複数の温度検知器、供給管31から供給される過冷却LNG7の温度を検知する温度検知器を設けておき、LNGタンク内圧に加えてこれらで検知されるLNG液位や温度も参照して、汲み上げポンプ29および流量制御弁33を制御してもよい。
たとえば、LNGタンク3の底部に貯留されている過冷却LNG7が少なくなってくると、供給管31から供給されるLNG温度が上昇し、LNG5温度に近づいてくる。このような場合、供給管31から供給されるLNG温度とLNG5温度の差がある閾値以下、(たとえば1℃以下)になったら、汲み上げポンプ29を停止するようにするようにしてもよい。
なお、LNGタンク3の底部に貯留される過冷却LNG7の量が多くなるにしたがってタンク内LNG全量の平均温度が低下することになる。過冷却LNG7とLNG5の温度成層が保たれている状況では、平均温度が低下してもLNGタンク内圧は液面温度、すなわちLNG5の温度に保たれることになるが、万が一何らかの作用によりLNGタンク3内のLNG全量が混合されると液面温度が低下し、LNGタンク内圧がタンク設計圧力以下となってLNGタンク3が破損することが懸念される。
そこで、万一LNGタンク3内がタンク設計圧力以下となった場合に備えて、LNGタンク気相部にLNG気化ガスや不活性ガスを供給する手段を設けておくとよい。
また、本BOG抑制装置の運用方法として、タンク内LNG全量を冷却した後に、過冷却LNG7をLNGタンク3の底部に温度成層化して貯留するようにしてもよい。たとえば、LNGタンク内圧がタンク設計圧力下限まで低下するまでは、過冷却LNG7をLNGタンク3の底部に戻しつつ、汲み上げポンプ29を稼動して過冷却LNG7を貯留されているLNGの液面近傍に供給する。こうすることによって、タンク内LNG全量の温度が低下していく。LNGタンク内圧がタンク設計圧力下限まで低下した後は、汲み上げポンプ29を停止し、過冷却LNG7をLNGタンク3の底部に温度成層化して貯留する。タンク内LNG温度は低下しているとはいっても、過冷却LNG7よりは高い温度であるため、過冷却LNG7は温度成層化して貯留することができる。
このような運用によって、タンク内LNGの表面温度および、タンク内LNG全量の平均温度をより低下させることが可能となり、BOG抑制効果を高めることができる。なお、タンク内LNG全量を冷却する手段は、上述したものに限定されない。たとえば、過冷却LNG7をLNGタンク3内の液面近傍に戻すラインを追加してもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、BOGの発生自体を抑制できる上に、LNGタンク3内に大量にあるLNG5そのもので冷熱を蓄熱でき、蓄熱媒体を別途保有する必要がない。このため、従来例のように別途蓄熱媒体を格納するための巨大な容器が不要となる。
なお、上記の説明では、過冷却LNG供給手段11の例として、供給管31によって過冷却LNG7をLNG液面の上方(気相部)から液面近傍に供給するものを示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばLNGタンク3の底部の過冷却LNG7を液中からノズルによって噴出して液中から液面近傍に供給するようにしてもよい。
また、上記の例では、払い出されるLNG5の一部を第1熱交換器23に供給するようにしたが、図2に示すように、過冷却LNG供給手段11を構成する供給管31から分岐配管35を設け、分岐配管35によって第1熱交換器23に冷却対象となるLNG5(過冷却LNG7)を供給するようにしてもよい。
この場合、分岐配管35に第2流量制御弁37を設けて、第1熱交換器23に供給する液量と供給管31に供給する液量を、流量制御弁33と第2流量制御弁37で調整するようにすればよい。
[実施の形態2]
本実施の形態に係るLNGタンクのBOG抑制装置39は、図3に示すように、実施の形態1における冷凍機15に代えて蒸発器41を用いるようにしたものである。図3において、図1と同一又は対応する部分には同一の符号を付して、説明を省略する。
払出されるLNG5の一部はLNG供給管13を介して蒸発器41に供給され、蒸発器41の容器内に噴出される。蒸発器41内部は蒸発ガス戻し管43を介して接続されている圧縮機45によってLNGタンク内圧よりは低圧状態に保たれている。これにより、LNG5は蒸発器41内で蒸発し、蒸発器41内の圧力における飽和温度近くまで温度低下して過冷却LNG7となって、過冷却LNG戻し管17を介してLNGタンク3の底部に戻される。
蒸発器41で発生する蒸発ガス(以下、「蒸発ガス」という)は蒸発ガス戻し管43から圧縮機45に供給され、圧縮機45で圧縮されて、LNG送出管19に設けられた再液化器47に供給されて液化し、払い出しされるLNG5と共に需要先に供給される。再液化器47は、払い出されるLNG5の冷熱で蒸発ガスを冷却して液化するものであるが、蒸発ガスをLNG5に直接混合して冷却・液化するミキサー型としてもよいし、伝熱面を介して間接的に冷却・液化する熱交換器型としてもよい。図3では、ミキサー型を適用した場合の例を示している。ミキサー型の場合、蒸発ガスとLNG5の圧力が概略同等である必要がある。圧縮機45の消費動力を低減するためには、再液化器47で直接混合する圧力を最終的に需要家に送出する圧力より低い中間圧力とし、混合後のLNG(LNG5と蒸発ガスが液化した液の混合物)を図示しない第2のLNG送出ポンプにより中間圧力から送出圧力にまで昇圧するようにするとよい。
本実施の形態によれば、貯留しているLNG5自体を冷凍サイクルの作動媒体として用いるので、熱交換器23、25が不要となり、設備が単純となるので好ましい。
また、本実施の形態においても、実施の形態1でその他の態様として説明したのと同様に、図4に示すように、過冷却LNG供給手段11を構成する供給管31から分岐配管35を設け、分岐配管35から蒸発器41にLNG5(過冷却LNG7)を供給するようにしてもよい。
[実施の形態3]
LNGタンク3には、LNGタンク3内で発生するBOGを排出して、排出されるBOGを再液化するための装置が備えられている場合がある。
そこで、本実施の形態に係るLNGタンクのBOG抑制装置49では、これらの既に備えられている装置を利用するものであり、この装置としては、図5に示すように、タンク内のBOGを排出するBOG排出管51、BOG排出管51に設けられてBOGを圧縮するBOG圧縮機53、LNG送出管19に設けられて圧縮されたBOGを再液化するBOG再液化器55である。なお、図5において、図3と同一又は対応する部分には同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態では、図5に示すように、蒸発器41で発生する蒸発ガスをBOG圧縮機53に供給して、BOGと共に蒸発ガスをBOG圧縮機53で圧縮している。このため、蒸発ガスを圧縮する圧縮機45を別途設ける必要が無い。
また、蒸発ガスの再液化についても、BOG再液化器55を利用しているので、蒸発ガスの再液化器47を別途設ける必要がない。なお、BOG再液化器55にも、ミキサー型と熱交換器型のどちらの形態も適用できるのは、再液化器47の場合と同様である。
本実施の形態によれば、実施の形態2のように、別途、圧縮機45や再液化器47を設ける必要がなく、設備を簡素化できるという効果が得られている。
また、本実施の形態においても、実施の形態2でその他の態様として説明したのと同様に、図6に示すように、過冷却LNG供給手段11を構成する供給管31から分岐配管35を設け、分岐配管35から蒸発器41にLNG5(過冷却LNG7)を供給するようにしてもよい。
上述したように、実施の形態1〜3については、低温液化ガスとしてLNGを例に挙げて説明したが、本発明に係る低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法及び装置は、低温液化ガスとしてLNGに限定されるものではなく、例えばLPG(液化石油ガス)、液化窒素等の他の低温液化ガスも対象としており、LNGを対象とした場合と同様の作用効果が得られる。
1 BOG抑制装置(実施の形態1)
3 LNGタンク
5 LNG
7 過冷却LNG
9 LNGタンク内温度成層化手段
11 過冷却LNG供給手段
13 LNG供給管
15 冷凍機
17 過冷却LNG戻し管
19 LNG送出管
21 LNG送出ポンプ
23 第1熱交換器
25 第2熱交換器
27 間仕切り板
29 汲み上げポンプ
31 供給管
33 流量制御弁
35 分岐配管
37 第2流量制御弁
39 BOG抑制装置(実施の形態2)
41 蒸発器
43 蒸発ガス戻し管
45 圧縮機
47 再液化器
49 BOG抑制装置(実施の形態3)
51 BOG排出管
53 BOG圧縮機
55 BOG再液化器

Claims (6)

  1. 低温液化ガスを貯蔵する低温液化ガス貯留タンク内でのBOGの発生を抑制する低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法であって、
    前記低温液化ガス貯留タンク内の低温液化ガスを抜き出して、該抜き出した低温液化ガスを冷却して過冷却低温液化ガスにして前記低温液化ガス貯留タンクの底部に戻すことで過冷却低温液化ガスを前記低温液化ガス貯留タンクの底部に温度成層化して貯留し、
    前記低温液化ガス貯留タンク内の底部に貯留されている過冷却低温液化ガスを液面近傍に適宜供給して前記低温液化ガス貯留タンク内の液面の温度を低下させることでBOGの発生を抑制することを特徴とする低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制方法。
  2. 低温液化ガスを貯蔵する低温液化ガス貯留タンク内でのBOGの発生を抑制する低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置であって、
    前記低温液化ガス貯留タンク内の低温液化ガスを抜き出して該抜き出した低温液化ガスを冷却装置で冷却して過冷却低温液化ガスを生成し、前記低温液化ガス貯留タンクの底部に戻すことで過冷却低温液化ガスを前記低温液化ガス貯留タンクの底部に温度成層化して貯留する低温液化ガス貯留タンク内温度成層化手段と、
    前記低温液化ガス貯留タンク内の底部に貯留されている過冷却低温液化ガスを前記低温液化ガス貯留タンク内に貯蔵されている低温液化ガスの液面近傍に供給する過冷却低温液化ガス供給手段とを備えたことを特徴とする低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置。
  3. 前記低温液化ガス貯留タンクの底部に前記過冷却低温液化ガスを貯留する領域を仕切るための間仕切り板を設けたことを特徴とする請求項2記載の低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置。
  4. 前記冷却装置は、低温液化ガス貯留タンクから払い出される低温液化ガスの冷熱を利用して前記抜き出した低温液化ガスを冷却する冷凍機であることを特徴とする請求項2又は3に記載の低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置。
  5. 前記冷却装置は、蒸発器と該蒸発器内の蒸発ガスを抜き出して圧縮するコンプレッサを備えてなることを特徴とする請求項2又は3に記載の低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置。
  6. 前記コンプレッサは、既設のBOG抜出しラインに設けられているBOG圧縮機であることを特徴とする請求項5記載の低温液化ガス貯留タンクのBOG抑制装置。
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