JPH1019672A - 赤外線センサ - Google Patents

赤外線センサ

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JPH1019672A
JPH1019672A JP8174720A JP17472096A JPH1019672A JP H1019672 A JPH1019672 A JP H1019672A JP 8174720 A JP8174720 A JP 8174720A JP 17472096 A JP17472096 A JP 17472096A JP H1019672 A JPH1019672 A JP H1019672A
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JP
Japan
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pyroelectric
elements
light receiving
infrared sensor
compensation
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Pending
Application number
JP8174720A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Tsuruta
智広 鶴田
Hiroharu Nishimura
弘治 西村
Sei Matsueda
聖 松枝
Koichi Watanabe
浩一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication of JPH1019672A publication Critical patent/JPH1019672A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焦電素子を直列に複数接続することによる焦
電素子全体での抵抗値の増加を抑制できるとともに、受
光した赤外線量に対して発生する焦電素子の出力電圧を
大きくすることが可能な赤外線センサの提供を目的とし
ている。 【課題手段】 一対の対向電極1b、1c、2b、2
c、3b、3cと対向電極1b、1c、2b、2c、3
b、3cの間に配設された焦電基板1d、2d、3dよ
りなる焦電素子1a、2a、3aを少なくとも3個以上
備え、焦電素子の一部1a、3aが赤外線を受光する受
光エレメントであり、他の焦電素子2aが補償エレメン
トである赤外線センサであって、受光エレメントと補償
エレメントは極性が相反するように直列に接続されてい
るとともに、補償エレメントよりも受光エレメントの数
が多い構成よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動ドア、自動水
洗装置、照明機器、空調機器、セキュリティ機器等にお
ける人体の検知や防災用の火炎の検知、又は温度計測等
に用いられる赤外線センサ、特に焦電素子を用いる赤外
線センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動ドア、自動水洗装置、照明機
器、空調機器、セキュリティ機器等における人体の検知
や防災用の火炎の検知、又は温度計測等を目的として焦
電素子を用いる赤外線センサが使用されている。焦電素
子とは、自発分極により表面電荷を有し、平衡状態では
浮遊電荷により中和されているが、温度変化に伴って自
発分極が変化する際に、浮遊電荷の応答が遅いことから
この自発分極に応じた表面電荷を生じるものである。
【0003】以下に、このような従来の焦電素子を用い
る赤外線センサについて説明する。図7は従来の焦電素
子を用いる赤外線センサの回路図である。図7におい
て、1a、2aは焦電素子、1b、1c、2b、2cは
対向電極、1d、2dは焦電基板、6、7は抵抗、8は
電界効果型トランジスタ(以下、FETと略称す
る。)、9は電源端子、10は出力端子、11はグラン
ド端子、12はエレメント回路である。
【0004】図7に示したように、従来の焦電素子を用
いる赤外線センサは、焦電素子1a、2aと、焦電素子
1a、2aのインピーダンス整合を取り、これらの出力
インピーダンスを抵抗6で決まる低インピーダンスに変
換するためのFET8と、焦電素子1a、2aとFET
8との整合をとる抵抗7から構成されている。焦電素子
1aは、金属薄膜等からなる一対の対向電極1b、1c
間に焦電効果を有するセラミック等の焦電基板1dが配
設された構造となっており、同様に焦電素子2aも対向
電極2b、2c間に焦電基板2dが配設されている。
【0005】また、赤外線を受光する受光エレメントで
ある焦電素子1aに対して、補償エレメントである焦電
素子2aは極性が相反するように直列に配設されてお
り、これらがエレメント回路12を構成している。この
ように接続することによって、仮に外部温度の変化等で
両エレメントに電荷が発生しても、その電荷量が同一で
あれば焦電素子1aと焦電素子2aの各々の出力は相殺
されるため、焦電素子1aで受光される赤外線以外の影
響が補償されるようになっている。
【0006】上記構成により、電源端子9に所定の電圧
を印加すると、出力端子10とグランド端子11の間
に、焦電素子1aで受光された赤外線量に応じた出力が
得られる。
【0007】上記のような構成を有する赤外線センサで
は、同一赤外線量に対して受光エレメントである焦電素
子1aからの出力がより大きいほうが、センサ感度が高
くなる。焦電素子1aの出力を大きくするためには、焦
電基板1dの厚みを厚くしたり、対向電極1b、1cの
電極面積を大きくすることによって焦電基板1dに生じ
る電荷量を増大させる方法があるが、いずれの場合も電
荷量とともに焦電基板1dの電気容量も増加するため、
結果的に焦電素子1a全体としては出力が大きくならな
いという不具合があった。
【0008】このような不具合を解決するために、特開
昭60−18730号公報では受光エレメント及び補償
エレメントとなる焦電素子を直列に複数接続した赤外線
センサが提案されている。この赤外線センサの構成につ
いて図8を用いてより詳細に説明する。
【0009】図8は、受光エレメント及び補償エレメン
トとなる焦電素子を直列に複数接続した従来の赤外線セ
ンサのエレメント回路の回路図である。
【0010】図8において、3a、4aは焦電素子、3
b、3c、4b、4cは対向電極、3d、4dは焦電基
板である。この図に示したように、焦電素子1a、2a
と焦電素子3a、4aは、それぞれ極性が相反するよう
に直列に配設されており、かつこれら2組が直列に接続
されている。焦電素子1aと焦電素子3aは接続方向に
おける極性が同一であり、これらが受光エレメントとし
て用いられる。また、同様に接続方向における極性が同
一である焦電素子2aと焦電素子4aが、補償エレメン
トとして用いられる。
【0011】この時、対向電極1b、1c、2b、2
c、3b、3c、4b、4cの電極面積がすべて同一で
あり、焦電素子1a、3aの全電極面積と図7に示した
焦電素子1aの電極面積を同一として比較すると、図7
に示したエレメント回路に比べて図8に示したエレメン
ト回路では、焦電素子の電気容量を小さく押さえること
が可能となり、同一赤外線量を受光した場合により大き
な出力電圧を取り出すことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の赤外線センサでは、焦電素子を直列に複数接続してい
るために、焦電素子全体での抵抗値が増加することによ
る出力電圧の低下を抑制することができないという問題
を有していた。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
であり、焦電素子を直列に複数接続することによる焦電
素子全体での抵抗値の増加を抑制できるとともに、受光
した赤外線量に対して発生する焦電素子の出力電圧を大
きくすることが可能な赤外線センサを提供することを目
的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、一対の対向電極と対向電極の間に配設され
た焦電基板よりなる焦電素子を少なくとも3個以上備
え、焦電素子の一部が赤外線を受光する受光エレメント
であり、他の焦電素子が補償エレメントである赤外線セ
ンサであって、受光エレメントと補償エレメントは極性
が相反するように直列に接続されているとともに、補償
エレメントよりも受光エレメントの数が多い構成よりな
る。
【0015】この構成により、焦電素子を直列に複数接
続することによる焦電素子全体での抵抗値の増加を抑制
できるとともに、受光した赤外線量に対して発生する焦
電素子の出力電圧を大きくすることが可能な赤外線セン
サを提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、一対の対向電極と対向電極の間に配設された焦電基
板よりなる焦電素子を少なくとも3個以上備え、焦電素
子の一部が赤外線を受光する受光エレメントであり、他
の焦電素子が補償エレメントである赤外線センサであっ
て、受光エレメントと補償エレメントは極性が相反する
ように直列に接続されているとともに、補償エレメント
よりも受光エレメントの数が多いこととしたものであ
り、焦電素子を直列に複数接続することによる焦電素子
全体での抵抗値の増加を抑制できるとともに、受光した
赤外線量に対して発生する焦電素子の出力電圧を大きく
することが可能になるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、受光エレメントの数が補償エ
レメントよりも1個だけ多いこととしたものであり、焦
電素子の分極処理方向を揃えることができることによ
り、全ての焦電素子の分極処理を1回で行うことができ
るという作用を有する。
【0018】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2の内のいずれか1に記載の発明において、受光
エレメントが2個で、補償エレメントが1個であること
としたものであり、必要な焦電素子の数を最小にするこ
とができるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至3の内のいずれか1に記載の発明において、焦電
基板が、焦電素子の全てに共通していることとしたもの
であり、焦電基板が1つであるため焦電素子を構成する
部材数を削減することが可能になるという作用を有す
る。
【0020】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1乃至4の内のいずれか1に記載の発明において、受光
エレメントの対向電極の全電極面積が、補償エレメント
の対向電極の全電極面積よりも小さいこととしたもので
あり、受光エレメントにおける出力電圧のS/N比を向
上させることができるという作用を有する。
【0021】以下に、本発明の実施の形態の具体例につ
いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1実施の形態におけ
る赤外線センサの回路図であり、図2は本発明の第1実
施の形態における赤外線センサのエレメント回路の一部
透過斜視図である。
【0022】図1及び図2において、5aは焦電素子、
5b、5cは対向電極、5d、13は焦電基板、14は
エレメント回路であり、焦電素子1a、2a、3a、4
a、対向電極1b、1c、2b、2c、3b、3c、4
b、4c、焦電基板1d、2d、3d、4d、抵抗6、
7、FET8、電源端子9、出力端子10、グランド端
子11は、従来例と同様のものであるので、同一の符号
を付して説明を省略する。
【0023】本実施の形態における赤外線センサのエレ
メント回路14は、直列に接続された5つの焦電素子1
a、2a、3a、4a、5aから構成され、接続方向に
極性を同じとする焦電素子1a、3a、5aが受光エレ
メント、焦電素子1a、3a、5aと極性が相反するよ
うに接続された焦電素子2a、4aが補償エレメントと
なっている。また、図2に示したように、エレメント回
路14における焦電基板1d、2d、3d、4d、5d
は、全て同一の焦電基板13の一部分として形成されて
おり、焦電基板13の両端面にプリント配線技術により
対向電極1b、1c、2b、2c、3b、3c、4b、
4c、5b、5cが配設されている。さらに、対向電極
1b、1c、2b、2c、3b、3c、4b、4c、5
b、5cの配設と同時に、対向電極1cと2b、2cと
3b、3cと4b、4cと5bのそれぞれの間にも配線
が形成され、各々が接続されている。尚、対向電極1
b、1c、3b、3c、5b、5cの全電極面積は、対
向電極2b、2c、4b、4cの全電極面積よりも小さ
くなるように形成されている。
【0024】本実施の形態における赤外線センサが従来
例と異なっているのは、焦電基板13が焦電素子1a、
2a、3a、4a、5aの全てに共通しており、受光エ
レメントの数が補償エレメントよりも1個だけ多いとと
もに、受光エレメントの全電極面積が、補償エレメント
の全電極面積よりも小さいことである。
【0025】以上のように本実施の形態によれば、受光
エレメントの数を補償エレメントよりも多くすることに
よって、焦電素子を直列に複数接続することによる焦電
素子全体での抵抗値の増加を抑制できるとともに、受光
した赤外線量に対して発生する焦電素子の出力電圧を大
きくすることが可能になる。また、焦電基板が1つであ
るため焦電素子を構成する部材数を削減できるととも
に、受光エレメントの数が補償エレメントよりも1つだ
け多いので焦電素子の分極処理方向を揃えることが可能
であり、1回の分極処理で受光エレメント又は補償エレ
メントを形成できる。また、受光エレメントの対向電極
の全電極面積が、補償エレメントの対向電極の全電極面
積よりも小さいことから、受光エレメントにおける出力
電圧のS/N比を向上させることができる。
【0026】尚、本実施の形態においては、同一の焦電
基板上に全ての焦電素子が形成された構成としたが、複
数の焦電基板を用いて各焦電素子の焦電基板が独立に構
成されたものでもよい。また、本実施の形態においては
受光エレメントを3個とし、補償エレメントを2個とし
たが、全焦電素子数が3個以上であり、受光エレメント
が補償エレメントよりも1個多い構成であれば、特にこ
れらの数に限定されるものではない。
【0027】(実施の形態2)図3は本発明の第2実施
の形態における赤外線センサのエレメント回路の一部透
過斜視図であり、図4は本発明の第2実施の形態におけ
る赤外線センサのエレメント回路の回路図である。
【0028】図3及び図4において、焦電素子1a、2
a、3a、5a、対向電極1b、1c、2b、2c、3
b、3c、5b、5c、焦電基板1d、2d、3d、5
d、13は第1実施の形態と同様なものであるので、同
一の符号を付して説明を省略する。
【0029】本実施の形態における赤外線センサが第1
実施の形態と異なっているのは、エレメント回路が直列
に接続された4つの焦電素子1a、2a、3a、5aか
ら構成されており、接続方向に極性を同じとする3つの
焦電素子1a、3a、5aが受光エレメントで、焦電素
子1a、3a、5aに対して極性の相反する焦電素子2
aのみが補償エレメントとなっていることである。ま
た、本実施の形態においては、対向電極1cと3b、3
cと2b、2cと5bのそれぞれが接続されている。
尚、対向電極1b、1c、3b、3c、5b、5cの全
電極面積は、対向電極2b、2cの全電極面積よりも小
さくなるように形成されている。
【0030】以上のように本実施の形態によれば、受光
エレメントの数を補償エレメントよりも多くすることに
よって、焦電素子を直列に複数接続することによる焦電
素子全体での抵抗値の増加を抑制できるとともに、受光
した赤外線量に対して発生する焦電素子の出力電圧を大
きくすることができる。また、焦電基板が1つであるた
め焦電素子を構成する部材数を削減できるとともに、受
光エレメントの対向電極の全電極面積が、補償エレメン
トの対向電極の全電極面積よりも小さいことから、受光
エレメントにおける出力電圧のS/N比を向上させるこ
とが可能となる。
【0031】尚、本実施の形態においては、同一の焦電
基板上に全て焦電素子が形成された構成としたが、複数
の焦電基板を用いて各焦電素子の焦電基板が独立に構成
されたものでもよい。また、本実施の形態においては受
光エレメントを3個とし、補償エレメントを1個とした
が、焦電素子の数が3個以上であり、受光エレメントが
補償エレメントよりも2個以上多い構成であれば、特に
これらの数に限定されるものではない。
【0032】(実施の形態3)図5は本発明の第3実施
の形態における赤外線センサのエレメント回路の一部透
過斜視図であり、図6は本発明の第3実施の形態におけ
る赤外線センサのエレメント回路の回路図である。
【0033】図5及び図6において、焦電素子1a、2
a、3a、対向電極1b、1c、2b、2c、3b、3
c、焦電基板1d、2d、3d、13は第1実施の形態
と同様なものであるので、同一の符号を付して説明を省
略する。
【0034】本実施の形態における赤外線センサが第1
実施の形態及び第2実施の形態と異なっているのは、エ
レメント回路が直列に接続された3つの焦電素子1a、
2a、3aから構成されており、接続方向に極性を同じ
とする2つの焦電素子1a、3aが受光エレメントで、
焦電素子1a、3aに対して極性の相反する焦電素子2
aのみが補償エレメントとなっていることである。ま
た、本実施の形態においては、対向電極1cと2b、2
cと3bのそれぞれが接続されている。尚、対向電極1
b、1c、3b、3cの全電極面積は、対向電極2b、
2cの全電極面積よりも小さくなるように形成されてい
る。
【0035】以上のように本実施の形態によれば、2つ
の焦電素子からなる受光エレメントと1つの焦電素子か
らなる補償エレメントによりエレメント回路を構成する
ことによって、必要最小限の焦電素子数で、焦電素子を
直列に複数接続することによる焦電素子全体での抵抗値
の増加を抑制できるとともに、受光した赤外線量に対し
て発生する焦電素子の出力電圧を大きくすることが可能
になる。また、焦電基板が1つであるため焦電素子を構
成する部材数を削減できるとともに、受光エレメントの
対向電極の全電極面積が、補償エレメントの対向電極の
全電極面積よりも小さいことから、受光エレメントにお
ける出力電圧のS/N比を向上させることが可能とな
る。
【0036】尚、本実施の形態においては、同一の焦電
基板上に全て焦電素子が形成された構成としたが、複数
の焦電基板を用いて各焦電素子の焦電基板が独立に構成
されたものでもよい。
【0037】以下に、本発明を実施例を用いてより詳細
に説明する。
【0038】
【実施例】高純度のPbTiO383.3重量%と、T
iO26.1重量%と、CoO0.4重量%と、WO
31.7重量%と、CaCO38.5重量%を混合した
後、この混合物の全重量に対して1重量%のMnO2
添加した組成物を、ボールミルを用いて湿式混合してか
ら乾燥し、さらに800℃で2時間仮焼成を行った。
【0039】次に、仮焼成した焼結体を粉砕して得られ
た粉末に、バインダーとしてポリビニルブチラールと、
分散剤としてブチルベンジルフタレートと、溶剤として
メチルエチルケトンを添加し、混練して、粘度10ps
〜30psのスラリーを得た。このスラリーをスリップ
キャスティング法により、厚み50μm±1μmのグリ
ーンシートとした。このグリーンシートを所定の寸法に
切断し、450℃で120分間焼成してバインダーを除
去した後、さらに1100℃で60分間焼成して、厚み
40μm±1μmの焦電基板を作製した。尚、グリーン
シートの焼成は鉛成分の蒸発を防ぐために白金のケース
内で行った。
【0040】上記焦電基板の両面に、スパッタリング装
置を用いてマスクスパッタ法により、対向電極となる複
数のニクロム電極及び所定のニクロム電極の間を接続す
る配線を0.2μmの厚さで形成した。
【0041】上記対向電極の両面を、導電性ゴムからな
る分極用端子で挟み込み、130℃のシリコンオイル
中、6kV/mmの条件で分極用端子を介して対向電極
間に10分間直流電圧を印加する分極処理を行って、同
一焦電基板上に3〜8個の焦電素子が形成された種々の
エレメント回路を作製した。尚、受光エレメント数と補
償エレメント数の差が1又は0のエレメント回路は、受
光エレメントと補償エレメントを交互に接続することで
分極処理を1回で行ったが、受光エレメント数と補償エ
レメント数の差が2以上の場合については、各エレメン
ト単位で分極処理を施した。
【0042】スルーホールプリント基板上に、上記エレ
メント回路、抵抗、FET、電源端子、グランド端子、
出力端子を図1に示したように配設し、種々のエレメン
ト回路を有する赤外線センサを得た。これらの赤外線セ
ンサについて、以下のような感度試験を行った。
【0043】電源端子とグランド端子間に5Vの直流電
圧を印加し、すべての受光エレメントに1mW/cm2
の赤外線を1Hzの断続光として照射し、出力端子とグ
ランド端子間に発生する出力電圧を測定した。また、出
力電圧の直流分を除去した後、40Hzのバンドパスフ
ィルターを介してノイズ電圧を測定し、出力電圧との関
係からS/N比(dB)を算出した。
【0044】尚、出力電圧及びノイズ電圧はいずれもP
−P値で測定し、S/N比は20×log(出力電圧/
ノイズ電圧)で算出した。
【0045】(評価例1)受光エレメント数及び焦電素
子1個当たりの対向電極の電極面積を同一とし、本発明
における受光エレンメントが補償エレメントの数よりも
多いエレメント回路を実施例1〜3として、また比較の
ための受光エレンメントと補償エレメントの数が同じで
あるエレメント回路を比較例1〜3として、前述の方法
により赤外線センサを作製し、感度試験を行った。その
結果を(表1)に示した。
【0046】
【表1】
【0047】尚、(表1)に示した電極面積とは、受光
エレメント又は補償エレメントである焦電素子1個当た
りの対向電極の電極面積を示している。
【0048】(表1)に示したように、実施例1及び比
較例1では受光エレンメントが1個、実施例2及び比較
例2では受光エレンメントが2個、実施例3及び比較例
3では受光エレンメントが3個であり、各々の組み合わ
せでは補償エレメント数のみが異なっている。
【0049】(表1)に示したいずれの組み合わせから
も、受光エレメント数が同じであっても、比較例に対し
て本実施例におけるエレメント回路では、出力電圧が高
く、かつS/N比も向上していることが明らかとなっ
た。また、受光エレメント数の増加とともに出力電圧、
S/N比ともに大きくなることも判った。
【0050】(評価例2)全焦電素子数及び焦電素子1
個当たりの対向電極の電極面積を同一とし、本発明にお
ける受光エレンメントが補償エレメントの数よりも多い
エレメント回路を実施例4、5として、また比較のため
の受光エレンメントと補償エレメントの数が同じである
エレメント回路を比較例4、5として、前記方法により
赤外線センサを作製し、感度試験を行った。その結果を
(表2)に示した。
【0051】
【表2】
【0052】尚、(表2)に示した電極面積は、(表
1)と同様のものである。(表2)に示したように、実
施例4及び比較例4では全焦電素子数が4個、実施例5
及び比較例5では全焦電素子数が6個であり、各組み合
わせにおいては受光エレメントと補償エレメントに分け
られた焦電素子の数のみが異なっている。
【0053】(表2)に示したいずれの組み合わせから
も、全焦電素子数が同じであっても、比較例に対して本
実施例におけるエレメント回路では、出力電圧が高く、
かつS/N比も向上していることが明らかとなった。す
なわち、全焦電素子数が同一である場合には、本実施例
のように受光エレメントを補償エレメントの数よりも多
くすることによって、出力電圧及びS/N比をいずれも
大きくできることが明らかとなった。
【0054】(評価例3)受光エレメント数、及び焦電
素子1個当たりの電極面積を同一とし、補償エレメント
の数が異なるエレメント回路を実施例6〜8として、前
記方法により赤外線センサを作製し、感度試験を行っ
た。その結果を(表3)に示した。
【0055】
【表3】
【0056】尚、(表3)に示した電極面積は、(表
1)と同様のものである。(表3)に示したように、実
施例6〜8では、いずれも受光エレメントの数は4個
で、受光エレメント及び補償エレメントとして用いた焦
電素子1個当たりの電極面積は1mm2であり、補償エ
レメントの数のみが異なっている。
【0057】(表3)より、受光エレメント数が同じで
あっても、受光エレメント数と補償エレメント数の差が
大きくなるにつれて、出力電圧、S/N比ともにも向上
することが判明した。
【0058】(評価例4)受光エレメント数及び受光エ
レメントの全電極面積と補償エレメント数は同一とし、
補償エレメント1個当たりの電極面積が異なるエレメン
ト回路を実施例9〜16として、前記方法により赤外線
センサを作製し、感度試験を行った。その結果を(表
4)に示した。
【0059】
【表4】
【0060】尚、(表4)に示した電極面積は(表1)
と同様のものであり、全電極面積とは受光エレメント又
は補償エレメントの数と電極面積との積である。
【0061】(表4)に示したように、実施例9〜11
では受光エレメント数が2個、補償エレメント数が1個
であり、実施例12〜14では受光エレメント数が3
個、補償エレメント数が2個であり、実施例15、16
では受光エレメント数が4個、補償エレメント数が3個
であり、各組み合わせにおいては、補償エレメント1個
当たりの電極面積のみが異なっている。
【0062】(表4)に示したいずれの組み合わせから
も、受光エレメントと補償エレメントの数及び受光エレ
メントの全電極面積が同じであっても、受光エレメント
の全電極面積に対して補償エレメントの全電極面積を大
きくすることによって、出力電圧、S/N比ともに向上
することが明らかとなった。
【0063】(評価例5)補償エレメント数及び補償エ
レメント1個当たりの電極面積を同一とし、受光エレメ
ント数及び受光エレメント1個当たりの電極面積が異な
るエレメント回路を実施例17、比較例6として、前記
方法により赤外線センサを作製し、感度試験を行った。
その結果を(表5)に示した。
【0064】
【表5】
【0065】尚、(表5)に示した電極面積と全電極面
積は(表4)と同様のものである。(表5)に示したよ
うに、実施例17と比較例6は、いずれも補償エレメン
ト数が1個、補償エレメントの全電極面積が2mm2
あるが、実施例17では比較例6よりも受光エレメント
が2個多く、かつ受光エレメントの全電極面積は実施例
17の方が比較例6よりも小さくなっている。
【0066】(表5)より、受光エレメントの全電極面
積が小さい場合にも、補償エレメントに対して受光エレ
メントの数を多くすることによって、出力電圧、S/N
比ともに向上することが明らかとなった。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、焦電素子
を直列に複数接続することによる焦電素子全体での抵抗
値の増加を抑制できるとともに、受光した赤外線量に対
して発生する焦電素子の出力電圧を大きくすることが可
能になることから、より微弱な赤外線量によりセンシン
グすることができるという優れた効果が得られる。ま
た、このような効果が、受光エレメントとして2個、補
償エレメントとして1個の必要最小限の焦電素子数で得
られることから、赤外線センサのエレメント回路の製造
コストの低減や製造工程の簡素化が可能になるという優
れた効果が得られる。また、複数の焦電素子における焦
電基板を共有させて、焦電基板の部材数を削減すること
ができることから、焦電基板への対向電極の配設工程を
簡略化することができるとともに、受光エレメントと補
償エレメントからなるエレメント回路を小型化すること
ができるという優れた効果が得られる。また、受光エレ
メントの数を補償エレメントよりも1つだけ多くするこ
とで、全ての焦電素子の分極処理を1回で行うことがで
きることから、分極処理の作業時間が短縮され、作業効
率が向上するという優れた効果が得られる。さらに、受
光エレメントにおける出力電圧のS/N比を向上させる
ことができることから、センシングにおける誤作動を抑
制することが可能となり、センシングの信頼性が向上す
るという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態における赤外線センサ
の回路図
【図2】本発明の第1実施の形態における赤外線センサ
のエレメント回路の一部透過斜視図
【図3】本発明の第2実施の形態における赤外線センサ
のエレメント回路の一部透過斜視図
【図4】本発明の第2実施の形態における赤外線センサ
のエレメント回路の回路図
【図5】本発明の第3実施の形態における赤外線センサ
のエレメント回路の一部透過斜視図
【図6】本発明の第3実施の形態における赤外線センサ
のエレメント回路の回路図
【図7】従来の焦電素子を用いる赤外線センサの回路図
【図8】受光エレメント及び補償エレメントとなる焦電
素子を直列に複数接続した従来の赤外線センサのエレメ
ント回路の回路図
【符号の説明】
1a、2a、3a、4a、5a 焦電素子 1b、2b、3b、4b、5b、1c、2c、3c、4
c、5c 対向電極 1d、2d、3d、4d、5d、13 焦電基板 6、7 抵抗 8 電界効果型トランジスタ(FET) 9 電源端子 10 出力端子 11 グランド端子 12、14 エレメント回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の対向電極と前記対向電極の間に配設
    された焦電基板よりなる焦電素子を少なくとも3個以上
    備え、前記焦電素子の一部が赤外線を受光する受光エレ
    メントであり、他の前記焦電素子が補償エレメントであ
    る赤外線センサであって、前記受光エレメントと前記補
    償エレメントは極性が相反するように直列に接続されて
    いるとともに、前記補償エレメントよりも前記受光エレ
    メントの数が多いことを特徴とする赤外線センサ。
  2. 【請求項2】前記受光エレメントの数が前記補償エレメ
    ントよりも1個だけ多いことを特徴とする請求項1に記
    載の赤外線センサ。
  3. 【請求項3】前記受光エレメントが2個で、前記補償エ
    レメントが1個であることを特徴とする請求項1又は2
    の内のいずれか1に記載の赤外線センサ。
  4. 【請求項4】前記焦電基板が、前記焦電素子の全てに共
    通していることを特徴とする請求項1乃至3の内のいず
    れか1に記載の赤外線センサ。
  5. 【請求項5】前記受光エレメントの前記対向電極の全電
    極面積が、前記補償エレメントの前記対向電極の全電極
    面積よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4の内
    のいずれか1に記載の赤外線センサ。
JP8174720A 1996-07-04 1996-07-04 赤外線センサ Pending JPH1019672A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132874A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Seiko Epson Corp 検出装置、センサーデバイス及び電子機器
JP2012134415A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Seiko Epson Corp 検出装置、センサーデバイス及び電子機器

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CN102607713A (zh) * 2010-12-24 2012-07-25 精工爱普生株式会社 检测装置、传感设备以及电子设备
CN102607713B (zh) * 2010-12-24 2016-01-20 精工爱普生株式会社 检测装置、传感设备以及电子设备

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