JP2000055746A - 温度検出装置及び温度検出システム - Google Patents

温度検出装置及び温度検出システム

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JP2000055746A
JP2000055746A JP10219357A JP21935798A JP2000055746A JP 2000055746 A JP2000055746 A JP 2000055746A JP 10219357 A JP10219357 A JP 10219357A JP 21935798 A JP21935798 A JP 21935798A JP 2000055746 A JP2000055746 A JP 2000055746A
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JP
Japan
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voltage
ferroelectric capacitor
square wave
temperature
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JP10219357A
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English (en)
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Akihiro Hanamura
昭宏 花村
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度検出精度を向上しつつ、システム構成を
簡単にすることができる温度検出装置及び温度検出シス
テムを提供する。 【解決手段】 温度検出装置1は、強誘電体コンデンサ
11、積分回路12及び比較回路13を備え、温度検出
を行う。強誘電体コンデンサ11には抗電界以上の方形
波電圧Va、Vbが電極11A、11B間に所定間隔で
印加される。積分回路12は強誘電体コンデンサ11の
充放電による電流又は電荷の積分値を電圧V1に変換す
る。比較回路13は、PWM波形を出力し、積分回路1
2で変換された電圧V1と基準電圧V2とが一致した時
点でPWM波形の出力を反転させる。この反転時間をデ
ジタル処理回路14で測定し、この測定結果から中央演
算処理回路3は温度を求めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度検出装置及び
温度検出システムに関し、特に温度変化に伴い分極が変
化する強誘電体コンデンサを備えた温度検出装置及び温
度検出システムに関する。さらに、本発明は、例えば自
動車のエンジンルームのように高温度になる場所に実装
された回路の熱暴走を防止するのに好適な過温度検出を
高精度に行う温度検出装置及び温度検出システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭61−145425号公報には、
強誘電体素子を使用して温度検出を行う温度センサが開
示されている。この温度センサは強誘電体素子、交番電
圧源及び抵抗を備える。強誘電体素子は強誘電体膜の両
面にそれぞれ電極を設けた強誘電体コンデンサで形成さ
れる。この強誘電体素子の一方の電極は直接交番電圧源
に接続され、他の一方の電極は抵抗を介在して交番電圧
源に接続される。
【0003】この公報に開示された温度センサは以下の
動作手順により温度検出を行う。まず、交番電圧源から
強誘電体素子の電極に抗電界を越えるような交番電圧が
供給される。交番電圧には正弦波電圧又は三角波電圧が
使用される。この交番電圧の供給により抗電界にピーク
を持つような電流が強誘電体素子から流れ出し、抵抗の
両端にはこの電流に比例した電圧が発生する。この抵抗
の両端に発生した電圧値を測定することにより、温度を
測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
公報に開示された温度センサにおいては、以下の点につ
いて配慮がなされてない。すなわち、温度センサは前述
のように強誘電体素子から流れ出す電流の変化を抵抗に
より電圧に変換しているので、温度変化として検出する
には電圧ピーク値(微分値)を検出するピークホールド
回路や電圧測定回路が別途必要不可欠である。これらの
ピークホールド回路や電圧測定回路の回路構成は非常に
複雑であり、温度検出を行う全体システム構成が複雑に
なる。
【0005】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、本発明の目的は、温度検出精度を向上し
つつ、システム構成を簡単にすることができる温度検出
装置を提供することである。
【0006】さらに、本発明の目的は、温度検出精度を
向上しつつ、温度検出のための回路構成や温度検出のた
めの電源供給回路構成を簡単にし、システム全体の回路
構成を簡単にすることができる温度検出システムを提供
することである。
【0007】さらに、本発明の目的は、温度検出の初期
値を設定することにより温度検出精度をさらに向上しつ
つ、システム全体の回路構成を簡単にすることができる
温度検出装置を提供することである。
【0008】さらに、本発明の目的は、温度検出を行う
ための基準値の温度変化を減少することで温度検出精度
をさらに向上しつつ、システム全体の回路構成を簡単に
することができる温度検出装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明は、温度検出装置におい
て、抗電界以上の方形波電圧が電極間に所定間隔で印加
される強誘電体コンデンサと、強誘電体コンデンサの充
放電による電流又は電荷の積分値を電圧に変換する積分
回路と、PWM波形を出力し、積分回路で変換された電
圧と基準電圧とが一致した時点でPWM波形の出力を反
転させる比較回路と、に基づいて温度検出を行うことを
特徴とする。
【0010】請求項1に記載された発明の温度検出装置
においては、強誘電体コンデンサの充放電による電流又
は電荷の積分値を電圧に変換し、この変換された電圧と
基準電圧とが一致した時点でPWM波形を反転出力させ
たので、強誘電体コンデンサの温度変化に伴う電流又電
荷の変化をPWM波形の反転時間の変化として検出する
ことができる。従って、積分回路から出力される電圧変
化はゆっくりであり、この電圧と基準電圧との比較が精
度良く行えるので、温度検出装置の検出精度を向上する
ことができる。さらに、積分回路から出力される電圧と
基準電圧との比較は2電圧の交差を比較する簡単な回路
構成の比較回路で充分なので、温度検出装置の回路構成
を簡単にすることができる。
【0011】請求項2に記載された発明は、温度検出シ
ステムにおいて、強誘電体コンデンサと、強誘電体コン
デンサの電極間に抗電界以上の方形波電圧を供給する方
形波電圧供給回路と、強誘電体コンデンサの充放電によ
る電流又は電荷の積分値を電圧に変換する積分回路と、
基準電圧を供給する基準電圧供給回路と、PWM波形を
出力し、積分回路で変換された電圧と基準電圧供給回路
から供給される基準電圧とが一致した時点でPWM波形
の出力を反転させる比較回路と、比較回路から出力され
るPWM波形の反転時間を測定するデジタル処理回路
と、デジタル処理回路で測定された反転時間に基づき温
度を判定する中央演算処理回路と、を備えたことを特徴
とする。
【0012】請求項2に記載された発明の温度検出シス
テムにおいては、請求項1に記載された発明の温度検出
装置で得られる作用効果の他に、特殊な正弦波電圧や三
角形波電圧でなく単純な方形波電圧を供給する簡単な回
路構成の方形波電圧供給回路を使用するので、システム
回路構成を簡単にすることができる。さらに、デジタル
処理回路は比較回路から出力されるPWM波形の反転時
間を測定する程度の簡単な回路で、中央演算処理回路は
デジタル処理回路で測定された反転時間に基づき温度を
判定する程度の簡単な回路で構築できるので、温度検出
システムのシステム全体構成をより一層簡単にすること
ができる。
【0013】請求項3に記載された発明は、温度検出装
置において、抗電界以上の方形波電圧が電極間に所定間
隔で印加される強誘電体コンデンサと、強誘電体コンデ
ンサの充放電による電流又は電荷の積分値を電圧に変換
する積分回路と、強誘電体コンデンサに方形波電圧を印
加する前に積分回路の初期設定を行うリセット回路と、
PWM波形を出力し、積分回路で変換された電圧と基準
電圧とが一致した時点でPWM波形の出力を反転させる
比較回路と、に基づいて温度検出を行うことを特徴とす
る。
【0014】請求項3に記載された発明の温度検出装置
においては、請求項1に記載された発明の温度検出装置
で得られる作用効果の他に、リセット回路により強誘電
体コンデンサに方形波電圧を印加する前に積分回路の初
期設定(イニシャライズ)ができるので、積分回路から
の出力電圧の誤差をなくし、検出精度をより一層向上す
ることができる。
【0015】請求項4に記載された発明は、温度検出装
置において、抗電界以上の方形波電圧が電極間に所定間
隔で印加される第1強誘電体コンデンサと、第1強誘電
体コンデンサの充放電による電流又は電荷の積分値を電
圧に変換する第1積分回路と、方形波電圧とは逆方向の
抗電界以上の方形波電圧が電極間に所定間隔で印加され
る第2強誘電体コンデンサと、第2強誘電体コンデンサ
の充放電による電流又は電荷の積分値を電圧に変換する
第2積分回路と、PWM波形を出力し、第1積分回路で
変換された電圧と第2積分回路で変換された電圧とが一
致した時点でPWM波形の出力を反転させる比較回路
と、に基づいて温度検出を行うことを特徴とする。
【0016】請求項4に記載された発明の温度検出装置
においては、第1強誘電体コンデンサの充放電による電
流又は電荷の積分値を変換して得られた電圧と、第2強
誘電体コンデンサの充放電による電流又は電荷の積分値
を変換して得られた電圧とが一致した時点でPWM波形
を反転出力させたので、第1、第2強誘電体コンデンサ
の温度変化に伴う電流又は電荷の変化をPWM波形の反
転時間の変化として検出することができる。従って、第
1、第2積分回路から出力される電圧変化はゆっくりで
あり、双方の電圧の比較が精度良く行えるので、温度検
出装置の検出精度を向上することができる。さらに、基
準電圧は僅かでも温度変化の影響を受けるが、請求項4
に記載された発明は、基準電圧を使用しない構成とした
ため、温度検出装置の検出精度をより一層向上すること
ができる。さらに、第1、第2積分回路からそれぞれ出
力される電圧の比較は2電圧の交差を比較する簡単な回
路構成の比較回路で充分なので、温度検出装置の回路構
成を簡単にすることができる。
【0017】
【発明の効果】本発明は、温度検出精度を向上しつつ、
システム構成を簡単にすることができる温度検出装置を
提供できる。
【0018】さらに、本発明は、温度検出精度を向上し
つつ、温度検出のための回路構成や温度検出のための電
源供給回路構成を簡単にし、システム全体の回路構成を
簡単にすることができる温度検出システムを提供でき
る。
【0019】さらに、本発明は、温度検出の初期値を設
定することにより温度検出精度をさらに向上しつつ、シ
ステム全体の回路構成を簡単にすることができる温度検
出装置を提供できる。
【0020】さらに、本発明は、温度検出を行うための
基準値の温度変化を減少することで温度検出精度をさら
に向上しつつ、システム全体の回路構成を簡単にするこ
とができる温度検出装置を提供できる。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発
明の第1の実施の形態に係る温度検出装置及びこの温度
検出装置が組み込まれた温度検出システムの概略構成図
である。本実施の形態に係る温度検出装置1は、強誘電
体コンデンサ11、積分回路12、比較回路(コンパレ
ータ)13、デジタル処理回路14、及び外部端子(パ
ッド)P1〜P4を備える。これら強誘電体コンデンサ
11等は1つの共通の半導体基板(半導体チップ)に搭
載されており、温度検出装置1は半導体集積回路(I
C)として構築される。
【0022】温度検出装置1の外部端子P1には方形波
電圧供給回路21、外部端子P2には方形波電圧供給回
路22、外部端子P3には基準電圧供給回路23、外部
端子P4には中央演算処理回路(CPU)3がそれぞれ
接続される。温度検出装置1及びこの温度検出装置1の
各外部端子P1〜P4に接続された各種周辺回路は温度
検出システムを構築する。
【0023】温度検出装置1の強誘電体コンデンサ11
は、電極11A及び電極11Cと、この電極11A、電
極11C間に配設された強誘電体11Bとで構成され
る。本実施の形態において、強誘電体11BにはPZT
(チタンジルコン酸鉛:PbZrO3-PbTiO3)が使用され、電
極11A、電極11Cのそれぞれには白金(Pt)が使用
される。また、強誘電体11Bにはチタン酸バリウムを
使用することができる。
【0024】一方の電極11Cには外部端子P1を通し
て方形波電圧供給回路21から方形波電圧Vaが供給さ
れる。他方の電極11Aには積分回路12、外部端子P
2のそれぞれを通して方形波電圧供給回路22から方形
波電圧Vaとは逆方向の方形波電圧Vbが供給される。
【0025】図2は本実施の形態に係る強誘電体コンデ
ンサ11の分極特性図、図3は強誘電体コンデンサ11
の電流電圧特性図である。図2中、横軸は電界Eを示
し、縦軸は分極Psを示す。図2に示すように、強誘電
体コンデンサ11は、温度T1において、抗電界Ec又
は−Ecを越える電界Eを強誘電体11Bに印加すると
双極子の配向が反転し、印加された電界Eを取り除いて
も配向が残り、自発分極Ps1又は−Ps1を示す。す
なわち、強誘電体コンデンサ11はヒステリシス特性を
示す。さらに、強誘電体コンデンサ11には温度T1に
おける自発分極Ps1又は−Ps1が温度T2(T1<
T2)の上昇に伴い自発分極Ps2又は−Ps2に減少
する特性がある。
【0026】図3中、横軸は強誘電体コンデンサ11の
電極11Aと電極11Cとの間に印加する電圧Vを示
し、縦軸は強誘電体コンデンサ11の充放電電流ipを
示す。図3に示すように、強誘電体コンデンサ11にお
いては、電極11Aと電極11Cとの間に抗電界Ec又
は−Ecを越えるような交番電圧を印加することによ
り、抗電界Ec又は−Ecに相当する電圧Vc又は−V
cにピークを持つ電流(又は電荷)ip又は−ipが流
れる。
【0027】図1に示す積分回路12は抵抗12Rとコ
ンデンサ12Cとの直列回路で構成される。抵抗12C
の一端は強誘電体コンデンサ11の電極11Aに電気的
に接続され、他端はコンデンサ12Cの一方の電極に電
気的に接続される。コンデンサ12Cの他方の電極は外
部端子P2を通して方形波電圧供給回路22に接続され
る。積分回路12は強誘電体コンデンサ11の充放電に
よる電流又は電荷の積分値を電圧V1に変換する。
【0028】比較回路13の一方の入力は積分回路12
詳細には抵抗12Rとコンデンサ12Cと間に接続さ
れ、他方の入力は外部端子P3を通して基準電圧供給回
路23に接続され、出力はデジタル処理回路14に接続
される。比較回路13は温度検出を行うためにPWM波
形の出力信号Voを出力し、この比較回路13において
は積分回路12から出力される電圧V1と基準電圧供給
回路23から供給される電圧変動がない基準電圧V2と
を比較し双方が一致した時点でPWM波形の出力信号V
oを反転して出力する。
【0029】デジタル処理回路14は、少なくとも比較
回路13からの出力信号(パルス信号)Voをカウント
する機能を有し、本実施の形態においては検出温度の変
化後の出力信号Voの反転時間を測定する。
【0030】中央演算処理回路3は、デジタル処理回路
14で測定された反転時間に基づき、温度を判定する。
【0031】次に、前述の温度検出装置1並びに温度検
出システムの温度検出動作を説明する。図4は温度検出
システムのタイムチャート図である。
【0032】図1に示す方形波電圧供給回路21から強
誘電体コンデンサ11の電極11Cに図4に示す方形波
電圧Vaが供給される。一方、方形波電圧供給回路22
から電極11Aに方形波電圧Vbが供給される。
【0033】強誘電体コンデンサ11においては、電圧
Va及びVbに基づく電圧差により抗電界Ecを越える
電界Eが強誘電体11Bに印加され、強誘電体11Bに
は分極が発生し、強誘電体11Bの表面の電荷を中和す
るような浮遊電荷の移動が行われる。電圧Va、Vbの
それぞれの電圧値が入れ替わると、強誘電体コンデンサ
11の強誘電体11Bの分極が反転し、同様に強誘電体
11Bの表面の電荷を中和するような浮遊電荷の移動が
行われる。電圧Va及びVbは互いに逆方向に連続的に
交番する方形波電圧であるので、強誘電体11Bに分極
の反転が生じるたびに強誘電体コンデンサ11には電流
又は電荷の充放電が起きる。
【0034】強誘電体コンデンサ11の充放電により積
分回路12においては、抵抗12Rに電流が流れ、コン
デンサ12Cに電荷が蓄積される。温度T1において、
コンデンサ12Cに発生する電圧は図1及び図4に示す
ように積分回路12の出力電圧V1として比較回路13
に出力される。
【0035】比較回路13には基準電圧供給回路23か
らの基準電圧V2が供給されているので、比較回路13
は積分回路12からの出力電圧V1と基準電圧V2とを
比較する。比較回路13においては、図4に示すよう
に、出力電圧V1が基準電圧V2と交差した時点でPW
M波形の出力信号Voを反転して出力する。
【0036】デジタル処理回路14においては、方形波
電圧Va及びVbの交番した時刻(立ち上がり及び立ち
下がりのタイミング)から出力信号Voが反転するまで
の時間t1(パルス幅Vo’)を計測する。
【0037】ここで、温度検出装置1の強誘電体コンデ
ンサ11の温度T1が温度T2(T1<T2)に上昇し
た場合、温度上昇に伴い図2に示すように分極Psが下
がるので、積分回路12のコンデンサ12Cに蓄積され
る電荷量が小さくなり、積分回路12からの出力電圧V
1’が図4に示すように小さくなる。このため、比較回
路13において出力電圧V1’が基準電圧V2と交差し
PWM波形の出力信号Voが反転するまでの時間が長く
なる。デジタル処理回路14においては、方形波電圧V
a及びVbの交番した時刻から出力信号Voが反転する
までの時間t2(パルス幅Vo’)が計測される。
【0038】デジタル処理回路14の計測結果は中央演
算処理回路3に転送され、中央演算処理回路3において
は時間t1又は時間t2から強誘電体コンデンサ11の
温度T1又はT2を求めることができる。さらに、時間
t1、時間t2の双方の時間差Δtから強誘電体コンデ
ンサ11の温度変化(T2−T1)を求めることができ
る。
【0039】なお、温度検出装置1の積分回路12にお
いて、出力電圧V1又はV1’の立ち上がりはコンデン
サ12C及び抵抗12RのCR時定数で決まるので、コ
ンデンサ12Cの容量値、抵抗12Rの抵抗値を適切に
選定することにより、検出温度範囲を簡易に調節するこ
とができる。
【0040】このように構成される温度検出装置1にお
いては、強誘電体コンデンサ11の充放電による電流又
は電荷の積分値を出力電圧V1又はV1’に変換し、こ
の変換された出力電圧V1又はV1’と基準電圧V2と
が一致した時点でPWM波形を反転出力させたので、強
誘電体コンデンサ11の温度変化に伴う電流又は電荷の
変化をPWM波形の反転時間の変化Δtとして検出する
ことができる。従って、積分回路12から出力される出
力電圧V1又はV1’の変化はゆっくりであり、この出
力電圧V1又はV1’と基準電圧V2との比較が精度良
く行えるので、温度検出装置1の検出精度を向上させる
ことができる。特に、温度検出装置1においては、温度
が高くなるほど積分回路12からの出力電圧V1’と基
準電圧供給回路23からの基準電圧V2とが交差するま
での時間が長くなるので、高温度検出ほど感度が高い温
度検出が行える。しかも、強誘電体コンデンサ11の強
誘電体11Bの充放電電流値の温度変化が小さくても、
積分回路12のコンデンサ12Cの容量値又は抵抗12
Rの抵抗値の少なくともいずれか一方を大きくすること
により、コンデンサ12Cの充電時間を長くできるの
で、感度が高い温度検出が行えれる。さらに、積分回路
12から出力される出力電圧V1又はV1’と基準電圧
V2との比較は2電圧の交差を比較する簡単な回路構成
の比較回路13で充分行うことができるので、温度検出
装置1の回路構成を簡単にすることができる。
【0041】さらに、このように構成される温度検出シ
ステムにおいては、特殊な正弦波電圧や三角形波電圧で
なく単純な方形波電圧を供給する簡単な回路構成の方形
波電圧供給回路21及び22を使用するので、システム
回路構成を簡単にすることができる。さらに、デジタル
処理回路14は比較回路13から出力されるPWM波形
の反転時間を測定する程度の簡単な回路で、中央演算処
理回路3はデジタル処理回路14で測定された反転時間
に基づき温度を判定する程度の簡単な回路で構築できる
ので、温度検出システムのシステム全体構成をより一層
簡単にすることができる。
【0042】さらに、本実施の形態に係る温度検出シス
テムにおいては、強誘電体から流れ出す電流を電圧に変
換しこの電圧のピーク値(微分値)を検出する構成で必
要とされていた複雑な回路構成を有するピークホールド
回路や電圧測定回路をなくすことができる。特に、検出
される電圧の温度変化が小さいので電圧測定回路には高
精度が要求されていたが、本実施の温度検出システムに
おいては、電圧測定回路そのものをなくすことができ、
さらに積分回路12のコンデンサ12Cの容量値並びに
抵抗12Rの抵抗値で検出温度範囲並びに検出温度感度
が容易に調節できるので、温度検出精度を向上させるこ
とができる。
【0043】さらに、本実施の形態に係る温度検出装置
1においては、比較回路13の出力信号Voがデジタル
値としてのPWM波形であるので、アナログデジタル変
換回路を別途必要とすることなく、温度検出が行える。
すなわち、温度検出装置1又は温度検出システムにはア
ナログデジタル変換回路が必要ないので、温度検出装置
1又は温度検出システムの全体構成をより一層簡単にす
ることができる。
【0044】(第2の実施の形態)本実施の形態は、前
述の第1の実施の形態に係る温度検出装置1並びに温度
検出システムの温度検出精度をより一層向上させた場合
を説明するものである。図5は本発明の第2の実施の形
態に係る温度検出装置及びこの温度検出装置が組み込ま
れた温度検出システムの概略構成図である。本実施の形
態に係る温度検出装置1は、強誘電体コンデンサ11、
積分回路12、比較回路13、デジタル処理回路14、
電圧供給用トランジスタ15、リセット用トランジスタ
16及び外部端子P1、P3、P4〜P6を備える。こ
れら強誘電体コンデンサ11等は前述の第1の実施の形
態に係る温度検出装置1と同様に1つの共通の半導体基
板に搭載されており、温度検出装置1は半導体集積回路
として構築される。
【0045】温度検出装置1の外部端子P1には方形波
電圧供給回路21、外部端子P3には基準電圧供給回路
23、外部端子P4には中央演算処理回路3、外部端子
P5には制御電圧供給回路24、外部端子P6にはリセ
ット電圧供給回路25がそれぞれ接続される。温度検出
装置1及びこの温度検出装置1の各外部端子P1、P
3、P4〜P6に接続された各種周辺回路は温度検出シ
ステムを構築する。
【0046】温度検出装置1の強誘電体コンデンサ11
は、前述の第1の実施の形態に係る強誘電体コンデンサ
11と同様に、電極11A、強誘電体11B、電極11
Cのそれぞれを重ね合わせて構成される。一方の電極1
1Cには外部端子P1を通して方形波電圧供給回路21
から方形波電圧Vaが供給される。他方の電極11Aに
は電圧供給用トランジスタ15を通して回路基準電圧V
ddが供給される。本実施の形態において電圧供給用ト
ランジスタ15は絶縁ゲート型電界効果トランジスタで
構成され、このゲート電極には制御電圧供給回路24か
ら導通、非導通の制御を行う方形波の制御電圧Vbが供
給される。
【0047】積分回路12は抵抗12Rとコンデンサ1
2Cとの直列回路で構成される。抵抗12Cの一端は強
誘電体コンデンサ11の電極11Aに電気的に接続さ
れ、他端はコンデンサ12Cの一方の電極に電気的に接
続される。コンデンサ12Cの他方の電極は回路基準電
圧Vddに接続される。積分回路12は強誘電体コンデ
ンサ11の充放電による電流又は電荷の積分値を電圧V
1に変換する。
【0048】積分回路12のコンデンサ12Cの電極間
にはリセット用トランジスタ16が電気的に並列に接続
される。リセット用トランジスタ16は、コンデンサ1
2Cの電極間を短絡する機能を備え、強誘電体コンデン
サ11の充放電により抵抗12Rを通して蓄積された電
流又は電荷を消去しリセットを行う。本実施の形態にお
いてリセット用トランジスタ16は絶縁ゲート型電界効
果トランジスタで構成され、このゲート電極にはリセッ
ト電圧供給回路25から導通、非導通の制御を行う方形
波のリセット電圧Vrが供給される。
【0049】比較回路13の一方の入力は積分回路12
詳細には抵抗12Rとコンデンサ12Cと間に接続さ
れ、他方の入力は外部端子P3を通して基準電圧供給回
路23に接続され、出力はデジタル処理回路14に接続
される。比較回路13は温度検出を行うためにPWM波
形の出力信号Voを出力し、この比較回路13において
は積分回路12から出力される電圧V1と基準電圧供給
回路23から供給される電圧変動がない基準電圧V2と
を比較し双方が一致した時点でPWM波形の出力信号V
oを反転して出力する。
【0050】前述の第1の実施の形態に係る温度検出装
置1及び温度検出システムと同様に、デジタル処理回路
14は比較回路13からの出力信号Voの反転時間を測
定し、中央演算処理回路3はデジタル処理回路14で測
定された反転時間に基づき温度を測定する。
【0051】次に、前述の温度検出装置1並びに温度検
出システムの温度検出動作を説明する。図6は温度検出
システムのタイムチャート図である。
【0052】まず、図5に示す制御電圧供給回路24か
ら電圧供給用トランジスタ15に図6に示す制御電圧V
bが供給される。この制御電圧Vbの供給により電圧供
給用トランジスタ15が導通状態になり、強誘電体コン
デンサ11の電極11Aに回路基準電圧Vddが供給さ
れ、強誘電体コンデンサ11の分極が反転する。
【0053】引き続き、リセット電圧供給回路25から
リセット用トランジスタ16にリセット電圧Vrが供給
される。リセット電圧Vrの供給によりリセット用トラ
ンジスタ16が導通状態になり、積分回路12のコンデ
ンサ12Cの電荷が消去される(初期設定される又はイ
ニシャライズされる)。
【0054】前述の第1の実施の形態に係る温度検出装
置1並びに温度検出システムの温度検出動作と同様に、
図5に示す方形波電圧供給回路21から強誘電体コンデ
ンサ11の電極11Cに図6に示す方形波電圧Vaが供
給される。方形波電圧Vaは抗電界Ecを越える電圧で
ある。
【0055】強誘電体コンデンサ11においては、方形
波電圧Va及び回路基準電圧Vddに基づく電圧差によ
り抗電界Ecを越える電界Eが強誘電体11Bに印加さ
れ、強誘電体11Bには分極が発生し、強誘電体11B
の表面の電荷を中和するような浮遊電荷の移動が行われ
る。強誘電体コンデンサ11には電流又は電荷の充放電
が起きる。
【0056】強誘電体コンデンサ11の充放電により積
分回路12においては、抵抗12Rに電流が流れ、コン
デンサ12Cに電荷が蓄積される。温度T1において、
コンデンサ12Cに発生する電圧は図5及び図6に示す
ように積分回路12の出力電圧V1として比較回路13
に出力される。
【0057】比較回路13には基準電圧供給回路23か
らの基準電圧V2が供給されているので、比較回路13
は積分回路12からの出力電圧V1と基準電圧V2とを
比較する。比較回路13においては、図6に示すよう
に、出力電圧V1が基準電圧V2と交差した時点でPW
M波形の出力信号Voを反転して出力する。
【0058】デジタル処理回路14においては、方形波
電圧Vaの交番した時刻(本実施の形態においては立ち
上がりのタイミング)から出力信号Voが反転するまで
の時間t1を計測する。
【0059】ここで、温度検出装置1の強誘電体コンデ
ンサ11の温度T1が温度T2(T1<T2)に上昇し
た場合、温度上昇に伴い前述の図2に示すように分極P
sが下がるので、積分回路12のコンデンサ12Cに蓄
積される電荷量が小さくなり、積分回路12からの出力
電圧V1’が図6に示すように小さくなる。このため、
比較回路13において出力電圧V1’が基準電圧V2と
交差しPWM波形の出力信号Voが反転するまでの時間
が長くなる。デジタル処理回路14においては、方形波
電圧Vaの交番した時刻から出力信号Voが反転するま
での時間t2が計測される。
【0060】デジタル処理回路14の計測結果は中央演
算処理回路3に転送され、中央演算処理回路3において
は時間t1、時間t2の双方の時間差Δtが演算され、
強誘電体コンデンサ11の温度T2を求めることができ
る。
【0061】このように構成される温度検出装置1にお
いては、前述の第1の実施の形態に係る温度検出装置
1、温度検出システムのそれぞれで得られる効果に加え
て、リセット用トランジスタ16及びリセット電圧供給
回路25を含むリセット回路により積分回路12のコン
デンサ12Cの電荷を方形波電圧Vaの印加前に取り除
き初期設定(イニシャライズ)ができるので、積分回路
12からの出力電圧V1の誤差がなくなり、検出精度を
より一層向上することができる。
【0062】なお、本実施の形態に係る温度検出装置1
においては、電圧供給用トランジスタ15、リセット用
トランジスタ16はいずれもバイポーラトランジスタで
形成することができる。
【0063】(第3の実施の形態)本実施の形態は、前
述の第1の実施の形態に係る温度検出装置1並びに温度
検出システムの温度検出精度をより一層向上させた場合
を説明するもので、特に基準電圧の温度変化を相殺する
ことができる温度検出装置1並びに温度検出システムを
説明するものである。図7は本発明の第3の実施の形態
に係る温度検出装置及びこの温度検出装置が組み込まれ
た温度検出システムの概略構成図である。
【0064】本実施の形態に係る温度検出装置1は、強
誘電体コンデンサ(第1強誘電体コンデンサ)11、強
誘電体コンデンサ(第2強誘電体コンデンサ)111、
積分回路(第1積分回路)12、積分回路(第2積分回
路)112、比較回路13、デジタル処理回路14、リ
セット用トランジスタ(第1リセット用トランジスタ)
16、リセット用トランジスタ(第2リセット用トラン
ジスタ)116、及び外部端子P1、P2、P4、P
6、P11、P12、P16を備える。これら強誘電体
コンデンサ11等は1つの共通の半導体基板に搭載され
ており、温度検出装置1は半導体集積回路として構築さ
れる。
【0065】温度検出装置1の外部端子P1には方形波
電圧供給回路21、外部端子P2には方形波電圧供給回
路22、外部端子P4には中央演算処理回路3、外部端
子P6にはリセット電圧供給回路25がそれぞれ接続さ
れる。同様に、外部端子P11には方形波電圧供給回路
121、外部端子P12には方形波電圧供給回路12
2、外部端子P16にはリセット電圧供給回路125が
それぞれ接続される。温度検出装置1及びこの温度検出
装置1の各外部端子P1、P2、P4、P6、P11、
P12、P16に接続された各種周辺回路は温度検出シ
ステムを構築する。
【0066】温度検出装置1の強誘電体コンデンサ11
は、前述の第1の実施の形態に係る強誘電体コンデンサ
11と同様に、電極11A及び電極11Cと、この電極
11A、電極11C間に配設された強誘電体11Bとで
構成される。
【0067】一方の電極11Cには外部端子P1を通し
て方形波電圧供給回路21から方形波電圧Vaが供給さ
れる。他方の電極11Aには積分回路12、外部端子P
2のそれぞれを通して方形波電圧供給回路22から方形
波電圧Vaとは逆方向の方形波電圧Vbが供給される。
【0068】積分回路12は抵抗12Rとコンデンサ1
2Cとの直列回路で構成される。抵抗12Cの一端は強
誘電体コンデンサ11の電極11Aに電気的に接続さ
れ、他端はコンデンサ12Cの一方の電極に電気的に接
続される。コンデンサ12Cの他方の電極は外部端子P
2を通して方形波電圧供給回路22に接続される。積分
回路12は強誘電体コンデンサ11の充放電による電流
又は電荷の積分値を電圧V1に変換する。
【0069】前述の第2の実施の形態に係る温度検出装
置1と同様に、積分回路12のコンデンサ12Cの電極
間にはリセット用トランジスタ16が電気的に並列に接
続される。リセット用トランジスタ16は、コンデンサ
12Cの電極間を短絡する機能を備え、強誘電体コンデ
ンサ11の充放電により抵抗12Rを通して蓄積された
電流又は電荷を消去しリセットを行う。リセット用トラ
ンジスタ16にはリセット電圧供給回路25から導通、
非導通の制御を行う方形波のリセット電圧Vrが供給さ
れる。
【0070】本実施の形態に係る温度検出装置1並びに
温度検出システムにおいては、このような強誘電体コン
デンサ11、積分回路12、リセット用トランジスタ1
6、方形波電圧供給回路21、22及びリセット電圧供
給回路25を含む出力電圧V1を生成する1組のシステ
ムが、ほぼ同一構成でもう1組搭載されている。すなわ
ち、もう1組のシステムは、強誘電体コンデンサ11
1、積分回路112、リセット用トランジスタ116、
方形波電圧供給回路121、122及びリセット電圧供
給回路125を含み出力電圧V1に対する比較電圧とし
ての出力電圧V2を生成する。
【0071】強誘電体コンデンサ111は、強誘電体コ
ンデンサ11と同様に、電極111A及び電極111C
と、この電極111A、電極111C間に配設された強
誘電体111Bとで構成される。強誘電体コンデンサ1
11は強誘電体コンデンサ11とは逆方向に方形波電圧
Va及びVbが供給され、一方の電極111Cには外部
端子P12を通して方形波電圧供給回路122から方形
波電圧Vbが供給される。他方の電極111Aには積分
回路112、外部端子P11のそれぞれを通して方形波
電圧供給回路121から方形波電圧Vbとは逆方向の方
形波電圧Vaが供給される。
【0072】積分回路112は抵抗112Rとコンデン
サ112Cとの直列回路で構成される。抵抗112Cの
一端は強誘電体コンデンサ111の電極111Aに電気
的に接続され、他端はコンデンサ112Cの一方の電極
に電気的に接続される。コンデンサ112Cの他方の電
極は外部端子P11を通して方形波電圧供給回路121
に接続される。積分回路112は強誘電体コンデンサ1
11の充放電による電流又は電荷の積分値を出力電圧V
2に変換する。
【0073】積分回路112のコンデンサ112Cの電
極間にはリセット用トランジスタ116が電気的に並列
に接続される。リセット用トランジスタ116は、コン
デンサ112Cの電極間を短絡する機能を備え、強誘電
体コンデンサ111の充放電により抵抗112Rを通し
て蓄積された電流又は電荷を消去しリセットを行う。リ
セット用トランジスタ116にはリセット電圧供給回路
125から導通、非導通の制御を行う方形波のリセット
電圧Vrが供給される。
【0074】なお、方形波電圧供給回路21と121、
方形波電圧供給回路22と122、リセット電圧供給回
路25と125はいずれも同一電圧供給回路であり、そ
れぞれ1つの回路で構成することができる。
【0075】比較回路13の一方の入力は積分回路12
詳細には抵抗12Rとコンデンサ12Cとの間に接続さ
れ、他方の入力は積分回路112詳細には抵抗112R
とコンデンサ112Cとの間に接続され、出力はデジタ
ル処理回路14に接続される。比較回路13は温度検出
を行うためにPWM波形の出力信号Voを出力し、この
比較回路13においては積分回路12から出力される出
力電圧V1と積分回路112から出力される出力電圧V
2とを比較し双方が一致した時点でPWM波形の出力信
号Voを反転して出力する。
【0076】前述の第1の実施の形態に係る温度検出装
置1並びに温度検出システムと同様に、デジタル処理回
路14は検出温度の変化後の出力信号Voの反転時間を
測定し、中央演算処理回路3はデジタル処理回路14で
測定された反転時間に基づき温度を求める。
【0077】次に、前述の温度検出装置1並びに温度検
出システムの温度検出動作を説明する。図8は温度検出
システムのタイムチャート図である。
【0078】まず、図7に示すリセット電圧供給回路2
5からリセット用トランジスタ16に図8に示すリセッ
ト電圧Vrが供給される。リセット電圧Vrの供給によ
りリセット用トランジスタ16が導通状態になり、積分
回路12のコンデンサ12Cの電荷が消去される。同一
タイミングにおいて、リセット電圧供給回路125から
リセット用トランジスタ116にリセット電圧Vrが供
給される。リセット電圧Vrの供給によりリセット用ト
ランジスタ116が導通状態になり、積分回路112の
コンデンサ112Cの電荷が消去される。
【0079】図7に示す方形波電圧供給回路21から強
誘電体コンデンサ11の電極11Cに図8に示す方形波
電圧Vaが供給される。一方、方形波電圧供給回路22
から電極11Aに方形波電圧Vbが供給される。強誘電
体コンデンサ11においては、電圧Va及びVbに基づ
く電圧差により抗電界Ecを越える電界Eが強誘電体1
1Bに印加され、強誘電体11Bには分極が発生し、強
誘電体11Bの表面の電荷を中和するような浮遊電荷の
移動が行われる。電圧Va、Vbのそれぞれの電圧値が
入れ替わると、強誘電体コンデンサ11の強誘電体11
Bの分極が反転し、同様に強誘電体11Bの表面の電荷
を中和するような浮遊電荷の移動が行われる。電圧Va
及びVbは互いに逆方向に連続的に交番する方形波電圧
であるので、強誘電体11Bに分極の反転が生じるたび
に強誘電体コンデンサ11には電流又は電荷の充放電が
起きる。
【0080】強誘電体コンデンサ11の充放電により積
分回路12においては、抵抗12Rに電流が流れ、コン
デンサ12Cに電荷が蓄積される。温度T1において、
コンデンサ12Cに発生する電圧は図7及び図8に示す
ように積分回路12の出力電圧V1として比較回路13
に出力される。
【0081】さらに同一タイミングにおいて、図7に示
す方形波電圧供給回路121から強誘電体コンデンサ1
11の電極111Aに図8に示す方形波電圧Vaが供給
される。方形波電圧供給回路122から電極111Cに
は方形波電圧Vbが供給される。電圧Va及びVbによ
り強誘電体コンデンサ111には電流又は電荷の充放電
が起きる。強誘電体コンデンサ111の充放電により積
分回路112においては、抵抗112Rに電流が流れ、
コンデンサ112Cに電荷が蓄積される。温度T1にお
いて、コンデンサ112Cに発生する電圧は図8に示す
ように積分回路112の出力電圧V2として比較回路1
3に出力される。出力電圧V2は出力電圧V1とは逆極
性に設定されている。
【0082】比較回路13には積分回路12からの出力
電圧V1と積分回路112からの出力電圧V2とが入力
され、出力電圧V1と出力電圧V2との比較が行われ
る。比較回路13においては、図8に示すように、出力
電圧V1と出力電圧V2とが交差した時点でPWM波形
の出力信号Voを反転して出力する。
【0083】デジタル処理回路14においては、方形波
電圧Va及びVbの交番した時刻(立ち上がり及び立ち
下がりのタイミング)から出力信号Voが反転するまで
の時間t1(パルス幅Vo’)を計測する。
【0084】ここで、温度検出装置1の強誘電体コンデ
ンサ11の温度T1が温度T2(T1<T2)に上昇し
た場合、温度上昇に伴い前述の図2に示すように分極P
sが下がるので、積分回路12のコンデンサ12Cに蓄
積される電荷量が小さくなり、積分回路12からの出力
電圧V1’が図8に示すように小さくなる。強誘電体コ
ンデンサ111の温度T1は同様に温度T2(T1<T
2)に上昇するので、積分回路112のコンデンサ11
2Cに蓄積される電荷量が小さくなり、積分回路112
からの出力電圧V2’が図8に示すように小さくなる。
このため、比較回路13において出力電圧V1’と出力
電圧V2’とが交差しPWM波形の出力信号Voが反転
するまでの時間が長くなる。デジタル処理回路14にお
いては、方形波電圧Va及びVbの交番した時刻から出
力信号Voが反転するまでの時間t2(パルス幅V
o’)が計測される。
【0085】デジタル処理回路14の計測結果は中央演
算処理回路3に転送され、中央演算処理回路3において
は時間t1又は時間t2から強誘電体コンデンサ11の
温度T1又はT2を求めることができる。
【0086】このように構成される温度検出装置1にお
いては、前述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態
に係る温度検出装置1、温度検出システムのそれぞれで
得られる効果に加えて、基準電圧を必要としないため、
基準電圧源の温度特性の影響を受けることがなくなり、
温度検出装置1の検出精度をより一層向上することがで
きる。
【0087】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れない。例えば、本発明は、温度検出装置1又は温度検
出システム(温度検出装置1の周辺回路システム)に、
中央演算処理回路3で求められた温度を監視し、予め設
定された過温度を越えた場合に回路動作を停止させ回路
の熱暴走を防止できる過温度回路動作停止回路を備えて
もよい。この過温度回路動作停止回路において、予め設
定される過温度情報は、温度検出装置1の強誘電体コン
デンサ11と同一製造工程で形成することができ、しか
も温度変化に対する分極変化量が強誘電体コンデンサ1
1と一致する強誘電体メモリに記憶させておくことが好
ましい。
【0088】さらに、本発明は、温度検出装置1又は温
度検出システムに、温度検出感度の誤差を補正する感度
誤差補正回路を備えてもよい。この感度誤差補正回路
は、過温度回路動作停止回路と同様に強誘電体メモリに
感度誤差補正情報を記憶させておき、検出環境等の諸条
件に伴い実際の検出温度値を補正する。感度誤差の補正
はデジタル信号で実施することができるので、感度誤差
補正回路の回路構成が簡単であり、温度検出装置1又は
温度検出システム全体の回路構成を簡単にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る温度検出装置
及びこの温度検出装置が組み込まれた温度検出システム
の概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る強誘電体コンデンサの
分極特性図である。
【図3】第1の実施の形態に係る強誘電体コンデンサの
電流電圧特性図である。
【図4】第1の実施の形態に係る温度検出システムのタ
イムチャート図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る温度検出装置
及びこの温度検出装置が組み込まれた温度検出システム
の概略構成図である。
【図6】第2の実施の形態に係る温度検出システムのタ
イムチャート図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る温度検出装置
及びこの温度検出装置が組み込まれた温度検出システム
の概略構成図である。
【図8】第3の実施の形態に係る温度検出システムのタ
イムチャート図である。
【符号の説明】
1 温度検出装置 3 中央演算処理回路 11,111 強誘電体コンデンサ 11A,11C,111A,111C 電極 11B,111B 強誘電体 12,112 積分回路 12R,112R 抵抗 12C,112C コンデンサ 13 比較回路 14 デジタル処理装置 15 電圧供給用トランジスタ 16,116 リセット用トランジスタ 21,22,121,122 方形波電圧供給回路 23 基準電圧供給回路 24 制御電圧供給回路 25,125 リセット電圧供給回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗電界以上の方形波電圧が電極間に所定
    間隔で印加される強誘電体コンデンサと、 前記強誘電体コンデンサの充放電による電流又は電荷の
    積分値を電圧に変換する積分回路と、 PWM波形を出力し、前記積分回路で変換された電圧と
    基準電圧とが一致した時点で前記PWM波形の出力を反
    転させる比較回路と、 に基づいて温度検出を行うことを特徴とする温度検出装
    置。
  2. 【請求項2】 強誘電体コンデンサと、 前記強誘電体コンデンサの電極間に抗電界以上の方形波
    電圧を供給する方形波電圧供給回路と、 前記強誘電体コンデンサの充放電による電流又は電荷の
    積分値を電圧に変換する積分回路と、 基準電圧を供給する基準電圧供給回路と、 PWM波形を出力し、前記積分回路で変換された電圧と
    前記基準電圧供給回路から供給される基準電圧とが一致
    した時点で前記PWM波形の出力を反転させる比較回路
    と、 前記比較回路から出力されるPWM波形の反転時間を測
    定するデジタル処理回路と、 前記デジタル処理回路で測定された反転時間に基づき温
    度を判定する中央演算処理回路と、 を備えたことを特徴とする温度検出システム。
  3. 【請求項3】 抗電界以上の方形波電圧が電極間に所定
    間隔で印加される強誘電体コンデンサと、 前記強誘電体コンデンサの充放電による電流又は電荷の
    積分値を電圧に変換する積分回路と、 前記強誘電体コンデンサに方形波電圧を印加する前に前
    記積分回路の初期設定を行うリセット回路と、 PWM波形を出力し、前記積分回路で変換された電圧と
    基準電圧とが一致した時点で前記PWM波形の出力を反
    転させる比較回路と、 に基づいて温度検出を行うことを特徴とする温度検出装
    置。
  4. 【請求項4】 抗電界以上の方形波電圧が電極間に所定
    間隔で印加される第1強誘電体コンデンサと、 前記第1強誘電体コンデンサの充放電による電流又は電
    荷の積分値を電圧に変換する第1積分回路と、 前記方形波電圧とは逆方向の抗電界以上の方形波電圧が
    電極間に所定間隔で印加される第2強誘電体コンデンサ
    と、 前記第2強誘電体コンデンサの充放電による電流又は電
    荷の積分値を電圧に変換する第2積分回路と、 PWM波形を出力し、前記第1積分回路で変換された電
    圧と第2積分回路で変換された電圧とが一致した時点で
    前記PWM波形の出力を反転させる比較回路と、 に基づいて温度検出を行うことを特徴とする温度検出装
    置。
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