JP2004093266A - 静電容量型指紋センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】静電容量型指紋センサにおいて、データ検出時間の短縮と、同時に指ぶれによる出力電圧の変動を防ぐことである。
【解決手段】本発明の静電容量型指紋センサにおける保持スイッチ回路は、2次元に配列したセンサ電極を誘電体保護膜で被覆してセンサを構成し、開始信号によりセンサ電極に定電圧源から充電し、同時に電荷−電圧変換回路のコンデンサにも充電する。
静電容量型指紋センサ装置にデータ保持用スイッチを追加することで、本来カレントミラー回路を構成するトランジスタの増幅率に依存する充電時間の制御を可能とすることが出来る。これによって電圧を検出するまでの時間を短縮することが可能となる。また、それと同時に従来、指ぶれによる再充電などで変動していたデータを保持用スイッチで確定することで安定して出力することが出来る。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の静電容量型指紋センサにおける保持スイッチ回路は、2次元に配列したセンサ電極を誘電体保護膜で被覆してセンサを構成し、開始信号によりセンサ電極に定電圧源から充電し、同時に電荷−電圧変換回路のコンデンサにも充電する。
静電容量型指紋センサ装置にデータ保持用スイッチを追加することで、本来カレントミラー回路を構成するトランジスタの増幅率に依存する充電時間の制御を可能とすることが出来る。これによって電圧を検出するまでの時間を短縮することが可能となる。また、それと同時に従来、指ぶれによる再充電などで変動していたデータを保持用スイッチで確定することで安定して出力することが出来る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電容量型指紋センサにおける指紋のデータの採取に当たって必要な時間の短縮化を図る回路である。
【0002】
【従来の技術】
従来の静電容量型指紋センサは、第5図に示すように、誘電体保護膜2で被覆されたセンサ電極3がカレントミラー回路5のダイオード接続された基準側トランジスタに接続され、カレントミラー回路5の出力側トランジスタが電荷−電圧変換用コンデンサに接続される。
センサ電極3と電荷−電圧変換用コンデンサ7はそれぞれに並列接続されたスイッチ4,4を介して放電回路の信号源6に接続される。
センサアレーの各コンデンサは指の凹凸と電極との距離によって発生する異なる静電容量を持つので、これに充電すると、コンデンサ1の両端子間の電圧が電源電圧から充電用カレントミラー回路のトランジスタの閾値電圧分低い電圧になるまで徐々に行われる。センサ電極に充電された電荷と比例関係にある電荷−電圧変換用コンデンサ7に蓄積された電荷を検出して、その収束した電圧から指紋データの作成を行う。
【0003】
従来の静電容量型指紋センサは、電源を入力して誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極と指の間に発生する静電容量に充電を行い、指紋の凹凸とセンサ電極の距離によって異なる電荷量を電圧に変換して検出する回路である。その際、センサ電極と指の間に発生する静電容量への充電は、センサ電極と指の間に形成されるコンデンサの両端子の電圧が電源電圧から充電用カレントミラー回路のトランジスタの閾値電圧分低い所定電圧に達するまで行われる。しかしながら、誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極上での指のぶれにより、発生する静電容量が変化し、ひいては電荷−電圧変換コンデンサの両端子に生じる電圧が変動する。
また、電荷−電圧変換コンデンサの両端子に生じる電圧は、カレントミラー回路を構成するトランジスタの増幅率が低いと収束に時間を要するため、処理時間が延長するか、または増幅率を確保するためにトランジスタサイズが制限を受けることとなる。
【0004】
誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極上での指のぶれにより、発生する静電容量が変化し、これに起因して電荷−電圧変換コンデンサの両端子間に電圧の変動が生じると、正確な静電容量が測定できないおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の静電容量型指紋センサ装置における上記の欠点を解決しようとするものであり、指紋データの検出時間を短縮し及びトランジスタサイズの制限の緩和を図ると共に、指のぶれによる出力電圧の変動を防止するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の静電容量型センサは、誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極、そのセンサ電極と検出物間に発生する静電容量に印可する電圧を切り換える開始信号を入力するスイッチ回路、電荷の変化に比例して出力電圧を変化させる固定の静電容量値を持つ電荷−電圧変換コンデンサ、その電荷−電圧変換コンデンサに初期電圧を設定する開始信号を入力するスイッチ回路、および、基準側にセンサ電極を出力側に電荷−電圧変換コンデンサを接続したカレントミラー回路を有し、センサ電極と検出物間に発生する静電容量に印可した電圧が切り替わることで変化する電荷に比例した電荷−電圧変換コンデンサの電荷によって生じる出力電圧を検出する静電容量型指紋センサにおいて、出力電圧を確定する保持信号を入力するスイッチ回路を該カレントミラー回路の基準側に設けたものであり、電荷−電圧変換コンデンサの充放電時間はスイッチ回路で制御され、その出力として確定した電位のデータが得られるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を述べると、誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極、そのセンサ電極と検出物間に発生する静電容量を充電する定電圧源、センサ電極の充電開始から所定の電位に達するまでに充電した電荷に比例して出力電圧を変化させる電荷−電圧変換コンデンサ、その基準側トランジスタにセンサ電極を出力側トランジスタに電荷−電圧変換コンデンサを接続するカレントミラー回路、および、センサ電極と電荷−電圧変換コンデンサの電荷を放電させる放電回路を有し、センサ電極に充電された電荷と比例関係にある電荷−電圧変換コンデンサに蓄積された電荷によって生じる電圧を検出し指紋画像のデータを得る静電容量型指紋センサの、カレントミラー回路の基準側トランジスタと出力側トランジスタ間に電荷−電圧変換コンデンサの電荷を確定する保持信号を入力するスイッチ回路を接続している。
【0008】
これにより、開始信号と保持信号によって規定される時間に、指とセンサ電極間に生じる静電容量を定電圧源により充電を行う。同時にその静電容量に充電した電荷に相当する電荷を、電荷−電圧変換回路のコンデンサに定電圧源から充電する。すなわち、開始信号と保持信号によって規定される充電時間を制御することによって、出力電圧の検出時間の短縮化を図ることができる。充電時間を短縮すると共に、データの収束時点を確定して、保持信号をONした後の指ぶれによる出力電圧の変動を防止するのである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の1実施例を図1乃至図3により説明する。
本発明を適用する静電容量型指紋センサは、図1に示すように、2次元に配列された多数のセンサ電極3とそれを覆う誘電体保護膜2で、センサのアレイを構成する。各センサ電極3は指紋の画像を表現できるように、指紋の凹凸で表現される線の太さより狭い300dpi乃至500dpiの間隔で配置される。誘電体保護膜2は、センサ電極を被覆して保護するとともに、指とセンサ電極3との間にコンデンサ1を形成する。
【0010】
このセンサアレイは、各センサ電極が略均一な静電容量を持っている。図1に示すように、誘電体膜2の上に指を置くと、指は接地状態にあるため、指とセンサ電極3の間に静電容量が発生する。その静電容量は、指紋の凸部、つまり指とセンサ電極3との距離が短い部分では大きくなり、指紋の凹部、つまり指とセンサ電極との距離が長い部分では小さくなる。
【0011】
図2は指紋センサの回路の1単位を構成する単位回路で、MOSトランジスタにより回路を構成した例である。
図2に示すように、この単位回路は、指との間に静電容量を生成させるセンサ電極3、電荷−電圧変換コンデンサ7、センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ7に充電するカレントミラー回路5、センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ7をリセットするための放電用スイッチ4と開始信号源6、充電を停止する為の保持用スイッチ8と保持信号源9で構成される。
【0012】
センサアレイの誘電体膜上に指が置かれている状態において、以下の手順を踏むことで指紋画像を取得できる。
センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ7に接続する放電用スイッチ4を開始信号源6によりそれぞれONすることにより接地して、残留電荷を放電する。これによって指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の端子電圧を0〔V〕にリセットする。放電後、放電用スイッチ4をOFFしてセンサ電極3と電荷‐電圧変換コンデンサ7を接地状態から開放状態に切り換える。残留電荷を放電してカレントミラー回路5のトランジスタのゲート電圧が低いため、カレントミラー回路5は動作し、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ7に電流が供給され、両方のコンデンサの電圧が上昇する。
【0013】
この充電は、開始信号源6によって信号が入力されると、電荷−電圧変換コンデンサ7の両端に生じる電圧が電源電圧からカレントミラー回路5を構成するトランジスタの閾値電圧分低い電圧になるまで徐々に行われる。この時、保持用スイッチ8を保持信号源9によりONするとコンデンサ7への電荷の供給の途中であってもコンデンサ7の両端に生じる電圧は確定する。この保持用スイッチ8の動作によってカレントミラー回路5の動作は停止する。カレントミラー回路5の停止によってコンデンサ7への電荷の供給も停止するため、コンデンサ7に発生する電圧は放電用スイッチを接地状態に切り換えるまで保持される。よって、電荷−電圧変換コンデンサ7の両端に生じる電圧の収束時間が長くとも、電圧を短時間で確定することが出来る。また、コンデンサ7に充電した後に指のぶれによって指と電極間の静電容量に変動があっても、保持用スイッチのOFF後であれば電荷−電圧変換コンデンサ7に一旦充電された電荷に変動は生じない。
【0014】
電荷−電圧変換コンデンサ7に電荷の供給が停止するまでに充電される電荷は、指とセンサ電極3で構成されたコンデンサ1に充電された電荷と比例する量の電荷である。コンデンサ7に充電される電荷はカレントミラー回路5による電流比によって決定するため、カレントミラー回路5を構成するトランジスタのゲートサイズを変化させることによって任意の電荷にすることが可能である。
【0015】
上述した本発明装置の単位回路について、動作信号のタイミングチャートを図3に示す。信号10は図2における信号源6より発生する波形で、放電用スイッチ4のON、OFFを切り換える信号である。信号11は指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の電圧である。信号12は電荷−電圧変換コンデンサ7の電圧であり、実線と破線はそれぞれ指とセンサ電極3で構成されるコンデンサの静電容量が大、小の場合を示す。信号13は充電時間を制御する保持信号である。
【0016】
開始信号10がHighレベルの間、放電用スイッチはONしているため、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1、電荷−電圧変換コンデンサ7が共に接地されている状態であり、波形11、12は0〔V〕を示している。開始信号がLowレベルに切り替わると、放電用スイッチ4はOFFとなりコンデンサに充電が開始される。コンデンサ1の端子電圧は波形11に示されるように徐々に上昇し、この充電は保持信号13が入力されるまで行われる。これと同様の期間コンデンサ7も充電され、波形12のように指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の静電容量によって異なる電圧を示す。電荷−電圧変換コンデンサ7の電圧12は開始信号10が再びHighになり放電するまで保持される。
【0017】
以上には充電型の静電容量型指紋センサについて述べた。
本発明はまた、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ7に充電された電荷を放電用カレントミラー回路によって放電させ、所定の電荷になった時の電圧を検出する回路においても保持用スイッチを追加することにより処理時間を短縮化することが可能である。この放電型の回路を図4に示す。また、動作について以下に説明する。
【0018】
センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ17に接続するスイッチ15をONすることで電源電圧に充電する。充電後スイッチ15をOFFに切り換えると、カレントミラー回路16のトランジスタのゲート電圧が高いため、カレントミラー回路16は動作し、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ17から放電が開始する。この放電に伴って指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ17の電圧は低下する。
【0019】
この放電は、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の端子電圧が、グランドレベルよりカレントミラー回路16を構成するトランジスタの閾値電圧分高い電圧になるまで徐々に放電する。このときに保持用スイッチ19を設けることにより、放電の途中であっても、電荷−電圧変換コンデンサの両端子間に発生する電圧は確定できる。これによって指紋データの検出にかかる時間を短縮すると共に指のぶれによる出力電圧の変動を防ぐことが出来る。
【0020】
【発明の効果】
本来、カレントミラーのトランジスタの増幅率が低い場合はデータを収束するのに時間がかかるが、本発明によれば、カレントミラー回路に保持用スイッチを設けることにより、電荷−電圧変換コンデンサへの電荷の供給を途中で停止させることで、電荷−電圧変換コンデンサの両端子間に生じる電圧を短時間で確定出来る。これによってコンデンサを充電した後の、指のぶれによる指と電極間の静電容量の変動も防ぐことが出来る。等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】指をセンサアレイに当てた状態の説明図
【図2】本発明にかかる静電容量型指紋センサの1実施例の単位回路の回路図
【図3】図2の回路の指紋検出動作時の電圧変化を示すタイミングチャート
【図4】本発明の静電容量型指紋センサの他の実施例の単位回路を示す回路図
【図5】従来の静電容量型指紋センサの単位回路を示す回路図
【符号の説明】
1 コンデンサ
2 誘電体保護膜
3 センサ電極
4 放電用スイッチ
5 カレントミラー回路
6 充電開始信号源
7 電荷−電圧変換コンデンサ
8 保持用スイッチ
9 保持信号源
14 放電開始信号源
15 充電用スイッチ
16 カレントミラー回路
17 コンデンサ
18 保持信号源
19 保持用スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電容量型指紋センサにおける指紋のデータの採取に当たって必要な時間の短縮化を図る回路である。
【0002】
【従来の技術】
従来の静電容量型指紋センサは、第5図に示すように、誘電体保護膜2で被覆されたセンサ電極3がカレントミラー回路5のダイオード接続された基準側トランジスタに接続され、カレントミラー回路5の出力側トランジスタが電荷−電圧変換用コンデンサに接続される。
センサ電極3と電荷−電圧変換用コンデンサ7はそれぞれに並列接続されたスイッチ4,4を介して放電回路の信号源6に接続される。
センサアレーの各コンデンサは指の凹凸と電極との距離によって発生する異なる静電容量を持つので、これに充電すると、コンデンサ1の両端子間の電圧が電源電圧から充電用カレントミラー回路のトランジスタの閾値電圧分低い電圧になるまで徐々に行われる。センサ電極に充電された電荷と比例関係にある電荷−電圧変換用コンデンサ7に蓄積された電荷を検出して、その収束した電圧から指紋データの作成を行う。
【0003】
従来の静電容量型指紋センサは、電源を入力して誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極と指の間に発生する静電容量に充電を行い、指紋の凹凸とセンサ電極の距離によって異なる電荷量を電圧に変換して検出する回路である。その際、センサ電極と指の間に発生する静電容量への充電は、センサ電極と指の間に形成されるコンデンサの両端子の電圧が電源電圧から充電用カレントミラー回路のトランジスタの閾値電圧分低い所定電圧に達するまで行われる。しかしながら、誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極上での指のぶれにより、発生する静電容量が変化し、ひいては電荷−電圧変換コンデンサの両端子に生じる電圧が変動する。
また、電荷−電圧変換コンデンサの両端子に生じる電圧は、カレントミラー回路を構成するトランジスタの増幅率が低いと収束に時間を要するため、処理時間が延長するか、または増幅率を確保するためにトランジスタサイズが制限を受けることとなる。
【0004】
誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極上での指のぶれにより、発生する静電容量が変化し、これに起因して電荷−電圧変換コンデンサの両端子間に電圧の変動が生じると、正確な静電容量が測定できないおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の静電容量型指紋センサ装置における上記の欠点を解決しようとするものであり、指紋データの検出時間を短縮し及びトランジスタサイズの制限の緩和を図ると共に、指のぶれによる出力電圧の変動を防止するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の静電容量型センサは、誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極、そのセンサ電極と検出物間に発生する静電容量に印可する電圧を切り換える開始信号を入力するスイッチ回路、電荷の変化に比例して出力電圧を変化させる固定の静電容量値を持つ電荷−電圧変換コンデンサ、その電荷−電圧変換コンデンサに初期電圧を設定する開始信号を入力するスイッチ回路、および、基準側にセンサ電極を出力側に電荷−電圧変換コンデンサを接続したカレントミラー回路を有し、センサ電極と検出物間に発生する静電容量に印可した電圧が切り替わることで変化する電荷に比例した電荷−電圧変換コンデンサの電荷によって生じる出力電圧を検出する静電容量型指紋センサにおいて、出力電圧を確定する保持信号を入力するスイッチ回路を該カレントミラー回路の基準側に設けたものであり、電荷−電圧変換コンデンサの充放電時間はスイッチ回路で制御され、その出力として確定した電位のデータが得られるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を述べると、誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極、そのセンサ電極と検出物間に発生する静電容量を充電する定電圧源、センサ電極の充電開始から所定の電位に達するまでに充電した電荷に比例して出力電圧を変化させる電荷−電圧変換コンデンサ、その基準側トランジスタにセンサ電極を出力側トランジスタに電荷−電圧変換コンデンサを接続するカレントミラー回路、および、センサ電極と電荷−電圧変換コンデンサの電荷を放電させる放電回路を有し、センサ電極に充電された電荷と比例関係にある電荷−電圧変換コンデンサに蓄積された電荷によって生じる電圧を検出し指紋画像のデータを得る静電容量型指紋センサの、カレントミラー回路の基準側トランジスタと出力側トランジスタ間に電荷−電圧変換コンデンサの電荷を確定する保持信号を入力するスイッチ回路を接続している。
【0008】
これにより、開始信号と保持信号によって規定される時間に、指とセンサ電極間に生じる静電容量を定電圧源により充電を行う。同時にその静電容量に充電した電荷に相当する電荷を、電荷−電圧変換回路のコンデンサに定電圧源から充電する。すなわち、開始信号と保持信号によって規定される充電時間を制御することによって、出力電圧の検出時間の短縮化を図ることができる。充電時間を短縮すると共に、データの収束時点を確定して、保持信号をONした後の指ぶれによる出力電圧の変動を防止するのである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の1実施例を図1乃至図3により説明する。
本発明を適用する静電容量型指紋センサは、図1に示すように、2次元に配列された多数のセンサ電極3とそれを覆う誘電体保護膜2で、センサのアレイを構成する。各センサ電極3は指紋の画像を表現できるように、指紋の凹凸で表現される線の太さより狭い300dpi乃至500dpiの間隔で配置される。誘電体保護膜2は、センサ電極を被覆して保護するとともに、指とセンサ電極3との間にコンデンサ1を形成する。
【0010】
このセンサアレイは、各センサ電極が略均一な静電容量を持っている。図1に示すように、誘電体膜2の上に指を置くと、指は接地状態にあるため、指とセンサ電極3の間に静電容量が発生する。その静電容量は、指紋の凸部、つまり指とセンサ電極3との距離が短い部分では大きくなり、指紋の凹部、つまり指とセンサ電極との距離が長い部分では小さくなる。
【0011】
図2は指紋センサの回路の1単位を構成する単位回路で、MOSトランジスタにより回路を構成した例である。
図2に示すように、この単位回路は、指との間に静電容量を生成させるセンサ電極3、電荷−電圧変換コンデンサ7、センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ7に充電するカレントミラー回路5、センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ7をリセットするための放電用スイッチ4と開始信号源6、充電を停止する為の保持用スイッチ8と保持信号源9で構成される。
【0012】
センサアレイの誘電体膜上に指が置かれている状態において、以下の手順を踏むことで指紋画像を取得できる。
センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ7に接続する放電用スイッチ4を開始信号源6によりそれぞれONすることにより接地して、残留電荷を放電する。これによって指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の端子電圧を0〔V〕にリセットする。放電後、放電用スイッチ4をOFFしてセンサ電極3と電荷‐電圧変換コンデンサ7を接地状態から開放状態に切り換える。残留電荷を放電してカレントミラー回路5のトランジスタのゲート電圧が低いため、カレントミラー回路5は動作し、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ7に電流が供給され、両方のコンデンサの電圧が上昇する。
【0013】
この充電は、開始信号源6によって信号が入力されると、電荷−電圧変換コンデンサ7の両端に生じる電圧が電源電圧からカレントミラー回路5を構成するトランジスタの閾値電圧分低い電圧になるまで徐々に行われる。この時、保持用スイッチ8を保持信号源9によりONするとコンデンサ7への電荷の供給の途中であってもコンデンサ7の両端に生じる電圧は確定する。この保持用スイッチ8の動作によってカレントミラー回路5の動作は停止する。カレントミラー回路5の停止によってコンデンサ7への電荷の供給も停止するため、コンデンサ7に発生する電圧は放電用スイッチを接地状態に切り換えるまで保持される。よって、電荷−電圧変換コンデンサ7の両端に生じる電圧の収束時間が長くとも、電圧を短時間で確定することが出来る。また、コンデンサ7に充電した後に指のぶれによって指と電極間の静電容量に変動があっても、保持用スイッチのOFF後であれば電荷−電圧変換コンデンサ7に一旦充電された電荷に変動は生じない。
【0014】
電荷−電圧変換コンデンサ7に電荷の供給が停止するまでに充電される電荷は、指とセンサ電極3で構成されたコンデンサ1に充電された電荷と比例する量の電荷である。コンデンサ7に充電される電荷はカレントミラー回路5による電流比によって決定するため、カレントミラー回路5を構成するトランジスタのゲートサイズを変化させることによって任意の電荷にすることが可能である。
【0015】
上述した本発明装置の単位回路について、動作信号のタイミングチャートを図3に示す。信号10は図2における信号源6より発生する波形で、放電用スイッチ4のON、OFFを切り換える信号である。信号11は指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の電圧である。信号12は電荷−電圧変換コンデンサ7の電圧であり、実線と破線はそれぞれ指とセンサ電極3で構成されるコンデンサの静電容量が大、小の場合を示す。信号13は充電時間を制御する保持信号である。
【0016】
開始信号10がHighレベルの間、放電用スイッチはONしているため、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1、電荷−電圧変換コンデンサ7が共に接地されている状態であり、波形11、12は0〔V〕を示している。開始信号がLowレベルに切り替わると、放電用スイッチ4はOFFとなりコンデンサに充電が開始される。コンデンサ1の端子電圧は波形11に示されるように徐々に上昇し、この充電は保持信号13が入力されるまで行われる。これと同様の期間コンデンサ7も充電され、波形12のように指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の静電容量によって異なる電圧を示す。電荷−電圧変換コンデンサ7の電圧12は開始信号10が再びHighになり放電するまで保持される。
【0017】
以上には充電型の静電容量型指紋センサについて述べた。
本発明はまた、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ7に充電された電荷を放電用カレントミラー回路によって放電させ、所定の電荷になった時の電圧を検出する回路においても保持用スイッチを追加することにより処理時間を短縮化することが可能である。この放電型の回路を図4に示す。また、動作について以下に説明する。
【0018】
センサ電極3と電荷−電圧変換コンデンサ17に接続するスイッチ15をONすることで電源電圧に充電する。充電後スイッチ15をOFFに切り換えると、カレントミラー回路16のトランジスタのゲート電圧が高いため、カレントミラー回路16は動作し、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ17から放電が開始する。この放電に伴って指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1と電荷−電圧変換コンデンサ17の電圧は低下する。
【0019】
この放電は、指とセンサ電極3で構成されるコンデンサ1の端子電圧が、グランドレベルよりカレントミラー回路16を構成するトランジスタの閾値電圧分高い電圧になるまで徐々に放電する。このときに保持用スイッチ19を設けることにより、放電の途中であっても、電荷−電圧変換コンデンサの両端子間に発生する電圧は確定できる。これによって指紋データの検出にかかる時間を短縮すると共に指のぶれによる出力電圧の変動を防ぐことが出来る。
【0020】
【発明の効果】
本来、カレントミラーのトランジスタの増幅率が低い場合はデータを収束するのに時間がかかるが、本発明によれば、カレントミラー回路に保持用スイッチを設けることにより、電荷−電圧変換コンデンサへの電荷の供給を途中で停止させることで、電荷−電圧変換コンデンサの両端子間に生じる電圧を短時間で確定出来る。これによってコンデンサを充電した後の、指のぶれによる指と電極間の静電容量の変動も防ぐことが出来る。等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】指をセンサアレイに当てた状態の説明図
【図2】本発明にかかる静電容量型指紋センサの1実施例の単位回路の回路図
【図3】図2の回路の指紋検出動作時の電圧変化を示すタイミングチャート
【図4】本発明の静電容量型指紋センサの他の実施例の単位回路を示す回路図
【図5】従来の静電容量型指紋センサの単位回路を示す回路図
【符号の説明】
1 コンデンサ
2 誘電体保護膜
3 センサ電極
4 放電用スイッチ
5 カレントミラー回路
6 充電開始信号源
7 電荷−電圧変換コンデンサ
8 保持用スイッチ
9 保持信号源
14 放電開始信号源
15 充電用スイッチ
16 カレントミラー回路
17 コンデンサ
18 保持信号源
19 保持用スイッチ
Claims (2)
- 誘電体保護膜で被覆されたセンサ電極、該センサ電極と検出対象物間に発生する静電容量に印可する電圧を切り換える開始信号を入力するスイッチ回路、電荷の変化に比例して出力電圧を変化させる固定の静電容量値を持つ電荷−電圧変換コンデンサ、該電荷−電圧変換コンデンサに初期電圧を設定する開始信号を入力するスイッチ回路、および、基準側に該センサ電極を出力側に該電荷−電圧変換コンデンサを接続したカレントミラー回路を有し、該センサ電極と検出対象物間に発生する静電容量に印可した電圧が切り替わることにより変化する電荷に比例した該電荷−電圧変換コンデンサの電荷によって生じる出力電圧を検出する静電容量型指紋センサにおいて、出力電圧を確定する保持信号を入力するスイッチ回路を該カレントミラー回路の基準側に設けたことを特徴とする静電容量型指紋センサ。
- 該スイッチ回路が、該カレントミラー回路の基準側トランジスタと出力側トランジスタ間に接続された該電荷−電圧変換コンデンサの電圧を確定する保持用スイッチおよび信号源からなる請求項1の静電容量型指紋センサ。
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