本願は、2017年4月5日に出願された「LIQUID LENS FEEDBACK AND CONTROL」と題する米国仮特許出願第62/482,149号、2017年5月25日に出願された「LIQUID LENS FEEDBACK AND CONTROL」と題する米国仮特許出願第62/511,286号、及び2017年5月25日に出願された「LIQUID LENS CONTROL SYSTEMS AND METHODS」と題する米国仮特許出願第62/511,264号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張する。
2015年12月1日に発行され「LIQUID LENS ARRAYS」と題する米国特許第9,201,174号の全体が、参照により、本明細書に組み込まれる。
特定の例示的な実施形態が、例示を目的として以下に要約してある。実施形態は、本明細書に記載の特定の実装形態に限定されるものではない。実施形態は、幾つかの新規な機能を有することができ、そのいずれも、本明細書に記載の望ましい属性に必須又は単独で貢献するものではない。
本明細書に記載の様々な実施形態は、液体レンズシステムに関連することができ、本システムは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有する液体レンズを備えることができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1及び第2の流体から絶縁された複数の電極を有することができる。複数の電極は、液体レンズの対応する複数の位置に配置することができる。液体レンズは、第1の流体と電気的に連通する共通電極を有することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、複数の電極及び共通電極に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。本システムは、複数の電極及び共通電極に電圧パルスを供給するように構成された信号発生器を備えることができる。信号発生器は、対応する複数の電極に供給される電圧パルスに、独立した位相遅延を与えて、共通電極と対応する複数の電極間に独立した実効(RMS)電圧をもたらすように構成することができる。本システムは、複数の電極に対応する複数のサンプリングコンデンサと、対応する複数の電極に供給された電流をミラーリングするように構成された、複数のカレントミラーを有することができるセンサー回路を備えることができる。複数のカレントミラーは、ミラー電流を複数のサンプリングコンデンサに誘導するように構成することができる。センサー回路は、複数のサンプリングコンデンサの電圧値を検出するように構成された、複数の電圧検出器を有することができ、検出された電圧値は、第1の流体と対応する複数の電極との間の静電容量値を示すことができる。本システムは、検出された電圧値に少なくとも部分的に基づいて、複数の電極に供給される電圧パルスに適用される位相遅延を調整するように構成されたコントローラを含むことができる。
複数の電極は、液体レンズの対応する4つの象限に配置された、4つの電極を含むことができる。センサー回路は、対応するサンプリングコンデンサとカレントミラーとの間に複数のサンプルスイッチを有することができる。センサー回路は、複数のサンプリングコンデンサに接続された、複数の放電スイッチを有することができる。複数の放電スイッチは、閉状態と開状態を有することができる。放電スイッチが閉状態において、対応するサンプリングコンデンサが接地され、複数のサンプリングコンデンサを放電することができる。液体レンズシステムは、液体レンズ内の温度を測定するように構成された少なくとも1つの温度センサーを備えることができる。コントローラは、測定温度に少なくとも部分的に基づいて、位相遅延を調整するように構成することができる。コントローラは、RMS電圧の少なくとも1つをオーバードライブするように構成することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバー有することができる、液体レンズシステムに関連することができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。本システムは、第1及び第2の流体から絶縁された第1の電極、第1の流体と電気的に連通する第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に電圧差を与えるように構成された信号発生器を備えることができる。本システムは、測定を行って、流体界面の位置を示す値を出力するように構成されたレンズセンサーを備えることができる。
レンズセンサーは、第1の流体と第1の電極との間の静電容量を示す電圧値を出力するように構成することができる。液体レンズシステムは、レンズセンサーによって出力された値に少なくとも部分的に基づいて、信号発生器によって与えられる電圧差を調整するように構成されたコントローラを備えることができる。本システムは、液体レンズ内の温度を測定するように構成された温度センサーを備えることができる。コントローラは、測定温度に少なくとも部分的に基づいて、信号発生器によって与えられる電圧差を調整するように構成することができる。信号発生器は、第1の電極に第1の電圧波形を供給し、第2の電極に第2の電圧波形を供給するように構成することができる。第2の電圧波形は、第1の電圧波形に対し位相遅延を有することができる。コントローラは、レンズセンサーの出力値に少なくとも部分的に基づいて、位相遅延を変更するように構成することができる。レンズセンサーは、サンプリングコンデンサ、第2の電極に供給された電流をミラーリングし、ミラー電流をサンプリングコンデンサに誘導するように構成されたカレントミラー、及びサンプリングコンデンサの電圧値を読み取るように構成された電圧検出器を有することができる。レンズセンサーは、カレントミラーとサンプリングコンデンサとの間にサンプリングスイッチを有することができる。レンズセンサーは、閉状態と開状態と有することができる放電スイッチを有することができる。閉状態において、サンプリングコンデンサが接地され、サンプリングコンデンサを放電することができる。液体レンズシステムは、第1の流体及び第2の流体から絶縁され、液体レンズの第1の電極と異なる位置に配置された更なる電極を備えることができる。信号発生器は、第1の電極と更なる電極との間に、更なる電圧差を与えるように構成することができる。本システムは、測定を行って、第1の流体と更なる電極との間の静電容量を示す値を出力するように構成された、更なるレンズセンサーを備えることができる。信号発生器は、第1の電極と第2の電極との間の電圧差をオーバードライブすることができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、可変焦点レンズの操作方法に関連することができる。本方法は、対象焦点パラメータを受信するステップ、対象焦点パラメータに少なくとも部分的に基づいて、電圧信号の第1の値を決定するステップ、電圧信号を生成するステップ、電圧信号を可変焦点レンズの電極に供給するステップ、カレントミラーを使用して、電圧の電流をミラーリングするステップ、ミラー電流を電荷センサーに供給するステップ、電荷センサーからの測定値をコントローラに供給するステップ、及びコントローラを使用して、電荷センサーからの測定値に少なくとも部分的に基づいて、補正電圧信号値を決定するステップを含むことができる。一部の実施形態において、ミラー電流を電荷センサーに供給するステップが、放電スイッチを開いてサンプリングコンデンサの放電を停止させるステップ、及びサンプリングスイッチを閉じてカレントミラーをサンプリングコンデンサに接続するステップを含むことができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズシステムの製造方法に関連することができる。本方法は、第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバーを有する液体レンズを用意するステップを含むことができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1及び第2の流体から絶縁された第1の電極、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。本方法は、第1の電極及び第2の電極を回路に電気的に接続するステップを含むことができる。回路は、第1の電極と第2の電極との間に電圧差を供給するように構成された信号発生器、及び測定を行って、流体界面の位置を示す値を出力するように構成されたレンズセンサーを有することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズの較正方法に関連することができる。本方法は、液体レンズに第1の電圧を印加するステップを含むことができる。液体レンズはチャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1の電極、第1の電極を第1及び第2の流体から絶縁する絶縁材料、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。第1の電極と第2の電極との間に第1の電圧を印加することによって、流体界面を第1の位置に配置することができる。本方法は、液体レンズに第1に電圧を印加したときの、第1の流体と第1の電極との間の第1の静電容量を示す第1の値を特定するステップを含むことができる。本方法は、液体レンズに第1の電圧と異なる第2の電圧を印加して、流体界面を第2の位置に配置するステップを含むことができる。本方法は、液体レンズに第2の電圧を印加したときの、第1の流体と第1の電極との間の第2の静電容量を示す、第1の値と異なる第2の値を特定するステップを含むことができる。本方法は、第1の電圧、第1の値、第2の電圧、及び第2の値に基づいて、傾斜を決定するステップ、及び傾斜に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のルックアップテーブル値を設定するステップを含むことができる。
本方法は、液体レンズに第3の電圧を印加するステップ、及び液体レンズに第3の電圧を印加したときの、第1の流体と第1の電極との間の第3の静電容量を示す、第3の値を特定するステップを含むことができる。本方法は、第1の電圧、第1の値、第2の電圧、第2の値、第3の電圧、及び第3の値に少なくとも部分的に基づいて、オフセット値を決定するステップを含むことができる。本方法は、オフセット値及び傾斜に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のルックアップテーブル値を決定するステップを含むことができる。
本方法は、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧を有する第1の軸と、第1の値、第2の値、及び第3の値を有する第2の軸を有する、プロット上の移行点に関連する電圧値を特定するステップを含むことができる。移行点は、第1の線形プロット線と第2の線形プロット線との交点であってよい。第1の線形プロット線は、第1の電圧と第1の値を示す第1の点、及び第2の電圧と第2の値を示す第2の点を通して延びることができる。第2の線形プロット線は、第1の軸に平行かつ、第3の電圧と第3の値を示す第3の点を通して延びることができる。本方法は、液体レンズに印加される電圧を変化させることによって、移行点に対応する電圧値を特定するステップ、第1の流体と第1の電極との間の静電容量を示す値を監視するステップ、及び静電容量を示す値が、実質的に等しい値から実質的に線形に変化する値に移行する電圧値を特定するステップを含むことができる。本方法は、移行点に関連する電圧値を液体レンズの流体界面の静止状態に対応させて、ルックアップテーブルに入力するステップを含むことができる。一部の実施形態において、移行点に対応する電圧値を、屈折力なしに液体レンズを設定することに対応させることができる。本方法は、液体レンズに更なる電圧を印加するステップを含むことができ、更なる電圧は十分に高く、液体レンズに更なる電圧が印加されたとき、第1の流体と第1の電極との間に実質的に飽和した静電容量をもたらすことができる。本方法は、液体レンズに第3の電圧が印加されたとき、第1の流体と第1の電極との間に実質的に飽和した静電容量が存在することを示す更なる値を特定するステップを含むことができる。第1の値及び第2の値の少なくとも一方が、センサー回路によって出力されたセンサー電圧値を含んでいる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズの較正方法に関連することができる。本方法は、複数の電圧を印加して、液体レンズの流体界面を複数の位置に配置するステップ、レンズセンサーを使用して、液体レンズの流体界面の複数の位置を示す複数の値を特定するステップ、及び複数の電圧と複数の値との間の数学的関係に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズの1つ以上の較正パラメータを設定するステップを含むことができる。
1つ以上の較正パラメータを設定するステップは、ルックアップテーブルの値を決定するステップを含むことができる。1つ以上の較正パラメータを設定するステップは、伝達関数を決定するステップを含むことができる。レンズセンサーは、第1の流体と第1の電極との間の静電容量を示す電圧値を出力するように構成することができる。本方法は、複数の電圧と複数の値に少なくとも部分的に基づいて、傾斜とオフセットを決定するステップ、及び傾斜とオフセットに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の較正パラメータを決定するステップを含むことができる。液体レンズは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1の電極、第1の電極を第1及び第2の流体から絶縁する絶縁材料、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。液体レンズは、第1及び第2の流体から絶縁された複数の第1の電極を有することができる。複数の電極は、液体レンズの対応する複数の位置に配置することができる。電圧は、直流(DC)電圧又は交流(AC)実効(RMS)電圧であってよい。
本明細書に開示の様々な実施形態は、本明細書に開示のいずれかの方法を液体レンズシステムに実行させるように構成された、コンピューター可読命令を有する非一時的コンピューター可読ストレージに関連することができる。本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズ、及び本明細書に開示の任意の較正方法を実行することによって、液体レンズを較正するように構成されたコントローラを備えた、液体レンズシステムに関連することができる。
コントローラは、液体レンズシステムを操作すると共に、液体レンズシステムの初期化時、液体レンズシステムの起動時、設定変更時、ユーザーコマンド受信時、及び/又は定期的に、液体レンズを較正するように構成することができる。コントローラは、液体レンズシステムを操作するための別のコントローラと共に使用される、液体レンズを較正するように構成された専用の較正システムの一部として、液体レンズを較正するように構成することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズシステムの較正方法に関連することができる。本方法は、動作電圧範囲を有する液体レンズを用意するステップ、液体レンズをコントローラに接続するステップ、及び液体レンズの動作電圧範囲に少なくとも部分的に基づいて、コントローラの動作電圧範囲を設定するステップを含むことができる。
液体レンズは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1の電極、第1の電極を第1及び第2の流体から絶縁する絶縁材料、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。コントローラの動作電圧範囲は、絶縁層の厚さに少なくとも部分的に基づいて決定することができる。絶縁層はパリレン材料を含むことができる。動作電圧範囲は一連のプリセット範囲から選択することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズシステムを電気的に調整する方法に関連することができる。本方法は、液体レンズに複数の試験電圧を印加するステップ、複数の試験電圧における、液体レンズの1つ以上の特性を測定するステップ、及び測定した1つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズの動作電圧範囲を第1の電圧から第2の電圧までに決定するステップを含むことができる。本方法は、動作電圧範囲に少なくとも部分的に基づいて、制御信号の第1の値が、第1のレンズ設定に対応し、制御信号の第2の値が、第2のレンズ設定に対応するように、ルックアップテーブルに書き込むステップを含むことができる。本方法は、電圧発生器のゲイン又はオフセットの少なくとも一方を設定することによって、制御信号が第1の値を有するとき、第1の電圧を有する電圧信号を出力し、制御信号が第2の値を有するとき、第2の電圧を有する電圧信号を出力するように、電圧発生器を構成するステップを含むことができる。
制御信号のすべての値によって、電圧発生器が、第1の電圧から第2の電圧までの電圧を生成することができる。本方法は、電極に電圧信号を供給するステップを含むことができる。電圧信号は、実効(RMS)電圧である、電圧信号の電圧を有する交流信号であってよい。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズを電気的に調整するシステムに関連することができる。本システムは、電圧発生器であって、電圧発生器によって受信された複数の制御値に基づいて、複数の電圧値を有する電圧信号を生成するように構成された電圧発生器を備えることができる。最小電圧値及び最大電圧値は、少なくとも部分的に、ゲイン及びオフセットの少なくとも一方によって決定することができる。本システムは、複数の制御値、複数の制御値によってもたらされる複数の焦点距離、及び液体レンズに複数の焦点距離をもたらす複数の電圧のうちの、少なくとも2つの関係を示す情報を記憶するルックアップテーブルを備えることができる。本システムは、液体レンズの動作範囲を決定するように構成された1つ以上のプロセッサを備えることができる。動作範囲は、焦点距離の範囲及び複数の電圧の少なくとも一方を含むことができる。動作範囲は、電極に試験電圧を印加することによって生じる、液体レンズの電極における電荷量の指示の分析に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
ゲイン及びオフセットの少なくとも一方は、電極に試験電圧を印加することによって生じる、液体レンズの電極における電荷量の指示の分析に少なくとも部分的に基づいて設定することができる。電圧発生器のゲイン及びオフセットは、電圧発生器によって出力される電圧の範囲によって、液体レンズが動作範囲で動作するように構成することができる。電極は、電圧発生器が生成した電圧信号を受信するように構成することができる。制御信号の分解能は、ユーザーインターフェースを介し、液体レンズに対して選択することができる様々な焦点距離によって分けることができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズを電気的に調整する方法に関連することができる。本方法は、複数の試験電圧を液体レンズに印加するステップ、液体レンズの1つ以上の特性を測定するステップ、液体レンズの動作電圧範囲を第1の電圧から第2の電圧までに決定するステップ、及び液体レンズの動作範囲に対応するように電圧発生器の全制御範囲を設定するステップを含むことができる。
電圧の変化によって、電極と液体レンズ内の液体との間の静電容量を実質的に線形に変化させることができる。電圧は動作電圧範囲であってよく、電圧は電極に印加することができる。液体レンズの動作範囲に対応するように、電圧発生器の全制御範囲を設定するステップは、電圧発生器のゲインを調整するステップを含むことができる。液体レンズの動作範囲に対応するように、電圧発生器の全制御範囲を設定するステップは、電圧発生器の電圧オフセットを調整するステップを含むことができる。電圧発生器は、固定ビット数を有することができるデジタル制御信号を受信するように構成することができる。ビットの全組み合わせによって、電圧発生器が、動作範囲の電圧を生成することができる。試験電圧は、交流実効電圧であってよい。ゼロ交差点における静電容量応答に少なくとも部分的に基づいて、動作電圧範囲を決定することができる。立ち上がり点、線形領域の始まり、及び/又は立ち上がり点と線形領域の始まりとの移行点の少なくとも1つに基づいて、動作電圧範囲を決定することができる。液体レンズの1つ以上の特性は、液体レンズの絶縁材料の厚さに影響され得る。複数の試験電圧は、液体レンズの異なる位置にある複数の電極に供給される複数の差動電圧信号を含むことができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、撮像センサーを備えることができる、液体レンズカメラシステムに関連することができる。カメラシステムは、撮像センサーを使用して、第1の画像設定を有する画像、及び第2の画像設定を有する画像を生成するように構成することができる。第2の画像設定は、第1の画像設定より低い画質を有することができる。本システムは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有する液体レンズを備えることができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1及び第2の流体から絶縁された第1の電極、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。本システムは、パルス幅変調(PWM)を使用して、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加するように構成された信号発生器を備えることができる。本システムは、第1の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する第1の指示を受信し、第1の画像設定を有する1つ以上の画像を得るために、液体レンズに第1のPWM切替周波数を適用し、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する第2の指示を受信し、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を得るために、液体レンズに第2のPWM切替周波数を適用するように構成されたコントローラを備えることができる。第2のPWM切替周波数は、第1のPWM切替周波数より低くてよい。
第1の画像設定は第1の解像度、第2の画像設定は、第1の解像度より低い第2の解像度を含むことができる。第1の画像設定は、有効にされた光学式手ぶれ補正を含むことができ、第2の設定には無効にされた光学式手ぶれ補正を含むことができる。第1のPWM切替周波数は5kHz〜50kHzであってよい。第2のPWM切替周波数は0.5kHz〜5kHzであってよい。コントローラは、第1の画像設定を有する1つ以上の画像に対し、信号発生器を使用して、液体レンズに第1のスルーレートを与え、第2の画像設定を有する1つ以上の画像に対し、信号発生器を使用して、液体レンズに第2のスルーレートを与えるように構成することができる。第2のスルーレートは、第1のスルーレートより低くてよい。
本明細書に開示の様々な実施形態は、携帯電子装置であって、本明細書に開示の液体レンズカメラシステム、及び液体レンズカメラシステムに対する電力の供給を含む、携帯電子装置に電力を供給するように構成されたバッテリーを備えた装置に関連することができる。携帯電子装置は、節電モードを有することができる。コントローラは、携帯電子装置が節電モードのとき、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する、第2の指示を受信することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、本明細書に開示のカメラシステム又は液体レンズを備えた携帯電子装置に関連することができる。一部の実施形態において、携帯電子装置は携帯電話であってよい。携帯電子装置は、液体レンズカメラシステムを使用して、第1の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する、第1のアプリケーションを実行するように構成することができる。携帯電子装置は、液体レンズカメラシステムを使用して、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する、第2のアプリケーションを実行するように構成することができる。コントローラは、第1のアプリケーションに対し、第1のPWM切替周波数を適用し、第2のアプリケーションに対し、第2のPWM切替周波数を適用することができる。
液体レンズシステムは、液体レンズ、搬送周波数で液体レンズに電圧パルスを印加するように構成された信号発生器、及び液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成されたコントローラを備えることができる。液体レンズは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1及び第2の流体から絶縁された第1の電極、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。
信号発生器は、パルス幅変調(PWM)を使用して、液体レンズに電圧を印加するように構成することができる。コントローラは、第1の画像パラメータに関する第1の指示を受信し、第1の画像パラメータを有する1つ以上の画像を生成するために、液体レンズに第1の搬送周波数を適用し、第2の画像パラメータに関する第2の指示を受信し、第2の画像パラメータを有する1つ以上の画像を生成するために、液体レンズに第1の搬送周波数と異なる第2の搬送周波数を適用するように構成することができる。第2の搬送周波数は、第1の搬送周波数より低くてよい。第2の画像パラメータは、第1の画像パラメータより低品質の画像設定を有することができる。コントローラは、信号発生器を使用して、液体レンズに印加される電圧パルスのスルーレートを変更するように構成することができる。より高いスルーレートをより高い搬送周波数に与えることができる。より低いスルーレートをより低い搬送周波数に与えることができる。液体レンズシステムは、1つ以上の固定レンズを有するカメラモジュール、及び撮像センサーを備えることができる。本明細書に開示の様々な実施形態は、本明細書に開示の任意の液体レンズシステムを備えた携帯電子装置に関連することができる。本明細書に開示の様々な実施形態は、本明細書に開示の任意の液体レンズシステムを備えた携帯電話に関連することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバーを備えることができる液体レンズシステムに関連することができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズシステムは、第1及び第2の流体から絶縁された第1の電極、第1の流体と電気的に連通する第2の電極、第1の電極と第2の電極との間に電圧差を与えるように構成された信号発生器、及び測定を行って、流体界面の位置を示す値を出力するように構成されたレンズセンサーを備えることができる。一部の実施形態において、信号発生器は、第1の電極に第1の電圧波形を供給し、第2の電極に第2の電圧波形を供給するように構成することができ、第2の電圧波形が、第1の電圧波形に対し、位相遅延を有することができる。一部の実施形態において、レンズセンサーは、サンプリングコンデンサ、第2の電極に供給された電流をミラーリングし、ミラー電流をサンプリングコンデンサに誘導するように構成されたカレントミラー、及びサンプリングコンデンサの電圧値を読み取るように構成された電圧検出器を有することができる。
一部の実施形態において、信号発生器は、第1の電極に第1の電圧波形を供給し、第2の電極に第2の電圧波形を供給するように構成することができ、第2の電圧波形は、第1の電圧波形に対し、位相遅延を有することができ、レンズセンサーは、サンプリングコンデンサ、第2の電極に供給された電流をミラーリングし、ミラー電流をサンプリングコンデンサに誘導するように構成されたカレントミラー、及びサンプリングコンデンサの電圧値を読み取るように構成された電圧検出器を有することができる。レンズセンサーは、第1の流体と第1の電極との間の静電容量を示す電圧値を出力するように構成することができる。液体レンズシステムは、レンズセンサーによって出力された値に少なくとも部分的に基づいて、信号発生器によって与えられる電圧差を調整するように構成することができるコントローラを備えることができる。液体レンズシステムは、液体レンズ内の温度を測定するように構成された温度センサーを備えることができる。コントローラは、測定温度に少なくとも部分的に基づいて、信号発生器によって与えられる電圧差を調整するように構成することができる。液体レンズシステムは、液体レンズ内の温度を測定するように構成された温度センサー、及び発熱体を備えることができる。コントローラは、測定温度に少なくとも部分的に基づいて、発熱体を使用して、液体レンズを加熱するように構成することができる。コントローラは、レンズセンサーによって出力された値に少なくとも部分的に基づいて、位相遅延を変更するように構成することができる。レンズセンサーは、カレントミラーとサンプリングコンデンサとの間にサンプリングスイッチ有することができる。レンズセンサーは閉状態と開状態とを有する放電スイッチを有することができる。閉状態において、サンプリングコンデンサが接地され、サンプリングコンデンサを放電することができる。信号発生器は、第1の電極と第2の電極との間の電圧差をオーバードライブすることができる。液体レンズシステムは、第1の流体及び第2の流体から絶縁され、液体レンズの第1の電極と異なる位置に配置された更なる電極を備えることができる。信号発生器は、第2の電極と更なる電極との間に、更なる電圧差を与えるように構成することができる。本システムは、測定を行って、第1の流体と更なる電極との間の静電容量及び/又は更なる電極における流体界面の位置を示す値を出力するように構成された更なるレンズセンサーを備えることができる。液体レンズシステムは、液体レンズの対応する4つの象限に配置された、4つの電極を備えることができる。4つの電極は、第1の流体及び第2の流体から絶縁することができる。
本明細書に開示の一部の実施形態は、可変焦点レンズの操作方法に関連することができる。本方法は、対象焦点パラメータを受信するステップ、対象焦点パラメータに少なくとも部分的に基づいて電圧信号の第1の値を決定するステップ、電圧信号を生成するステップ、可変焦点レンズの電極に電圧信号を供給するステップ、カレントミラーを使用して電圧の電流をミラーリングするステップ、ミラー電流を電荷センサーに供給するステップ、電荷センサーからの測定値をコントローラに供給するステップ、コントローラを使用し、電荷センサーからの測定値に少なくとも部分的に基づいて、補正電圧信号値を決定するステップを含むことができる。
ミラー電流を電荷センサーに供給するステップは、放電スイッチを開いてサンプリングコンデンサの放電を停止するステップ、及びサンプリングスイッチを閉じてカレントミラーをサンプリングコンデンサに接続するステップを含むことができる。可変焦点レンズは、第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバーを有することができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。第1の電極は、第1の流体及び第2の流体から絶縁することができる。第2の電極は、第1の流体と電気的に連通することができる。液体レンズは、第1の電極と第2の電極との間に電圧差を与えるように構成された信号発生器、及び測定を行って、流体界面の位置を示す値を出力するように構成されたレンズセンサーを有することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバーを有する液体レンズに関連することができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1の流体及び第2の流体から絶縁された第1の電極、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように、液体レンズを構成することができる。一部の実施形態において、液体レンズ内の温度を測定するように温度センサーを構成することができる。
液体レンズは、測定温度に少なくとも部分的に基づいて、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧を調整するように構成されたコントローラを備えることができる。温度センサーは液体レンズに埋め込むことができる。一部の実施形態において、液体レンズは、液体レンズを加熱するように構成された発熱体を備えることができる。液体レンズにヒーターを埋め込むことができる。コントローラは、測定温度に少なくとも部分的に基づいて、発熱体を操作して、液体レンズを加熱するように構成することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズの較正方法に関連することができる。本方法は、液体レンズに第1の電圧を印加するステップを含むことができる。液体レンズは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1の電極、第1の電極を第1及び第2の流体から絶縁する絶縁材料、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。第1の電極と第2の電極との間に、第1の電圧を印加することによって、流体界面を第1の位置に配置することができる。本方法は、流体界面の第1の位置を示す第1の値を特定するステップ、及び液体レンズに第2の電圧を印加して流体界面を第2の位置に配置するステップを含むことができる。第2の電圧は第1の電圧と異なり得る。本方法は、流体界面の第2の位置を示す第2の値を特定するステップを含むことができる。第2の値は、第1の値と異なり得る。本方法は、第1の電圧、第1の値、第2の電圧、及び第2の値に基づいて傾斜を決定するステップ、及び傾斜に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の較正パラメータを設定するステップを含むことができる。
第1の値は、液体レンズに第1の電圧を印加したときの、第1の流体と第1の電極との間の第1の静電容量を示すことができる。第2の値は、液体レンズに第2の電圧を印加したときの、第1の流体と第1の電極との間の第2の静電容量を示すことができる。1つ以上の較正パラメータを設定するステップは、ルックアップテーブル値を決定するステップを含むことができる。1つ以上の較正パラメータはゲイン値を含むことができる。本方法は、液体レンズに第3の電圧を印加するステップ、及び液体レンズに第3の電圧を印加したときの、流体界面の第3の位置を示す第3の値を特定するステップを含むことができる。本方法は、第1の電圧、第1の値、第2の電圧、第2の値、第3の電圧、及び第3の値に少なくとも部分的に基づいて、オフセット値を決定するステップを含むことができる。本方法は、オフセット値及び傾斜に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の較正パラメータを設定するステップを含むことができる。本方法は、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧を有する第1の軸と、第1の値、第2の値、及び第3の値を有する第2の軸を有する、プロット上の移行点に対応する電圧値を特定するステップを含むことができる。移行点は、第1の線形プロット線と第2の線形プロット線との交点であってよい。第1の線形プロット線は、第1の電圧と第1の値とを表す第1の点、及び第2の電圧と第2の値とを表す第2の点を通して延びることができる。第2の線形プロット線は、第1の軸に平行かつ、第3の電圧と第3の値とを表す第3の点を通して延びることができる。本方法は、液体レンズに印加される電圧を変化させて、移行点に対応する電圧値を特定するステップ、第1の流体と第1の電極との間の静電容量を示す値を監視するステップ、及び静電容量を示す値が、実質的に等しい値から実質的に線形に変化する値に移行する電圧値を特定するステップを含むことができる。本方法は、移行点の電圧値が液体レンズの流体界面の静止状態に対応するように、較正パラメータを設定するステップを含むことができる。本方法は、液体レンズに更なる電圧を印加するステップを含むことができる。更なる電圧は十分に高く、液体レンズに更なる電圧を印加したとき、第1の流体と第1の電極との間に実質的に飽和した静電容量をもたらすことができる。本方法は、液体レンズに第3の電圧を印加したとき、第1の流体と第1の電極との間に実質的に飽和した静電容量が存在することを示す、更なる値を特定するステップを含むことができる。第1の値及び第2の値の少なくとも一方が、センサー回路によって出力されたセンサー電圧値を含むことができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズの較正方法に関連することができる。本方法は、複数の電圧を印加して、液体レンズの流体界面を複数の位置に配置するステップ、レンズセンサーを使用して、液体レンズの流体界面の複数の位置を示す複数の値を決定するステップ、及び複数の電圧と複数の値との間の数学的関係に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズの1つ以上の較正パラメータを設定するステップを含むことができる。
1つ以上の較正パラメータを設定するステップは、ルックアップテーブルの値を決定するステップを含むことができる。1つ以上の較正パラメータを設定するステップは、伝達関数を決定するステップを含むことができる。レンズセンサーは、第1の流体と第1の電極との間の静電容量を示す電圧値を出力するように構成することができる。本方法は、複数の電圧と複数の値に少なくとも部分的に基づいて、傾斜とオフセットを決定するステップ、及び傾斜とオフセットに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の較正パラメータを決定するステップを含むことができる。液体レンズは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1の電極、第1の電極を第1及び第2の流体から絶縁する絶縁材料、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。液体レンズは、第1及び第2の流体から絶縁された複数の第1の電極を有することができる。複数の電極は、液体レンズの対応する複数の位置に配置することができる。電圧は、直流(DC)電圧又は交流(AC)実効(RMS)電圧であってよい。
本明細書に開示の様々な実施形態は、本明細書に開示のいずれかの方法を液体レンズシステムに実行させるように構成された、コンピューター可読命令を有する非一時的コンピューター可読ストレージに関連することができる。液体レンズシステムは、液体レンズ及び本明細書に開示の較正方法のいずれかを実行することによって、液体レンズを較正するように構成されたコントローラを備えることができる。コントローラは、液体レンズシステムを操作すると共に、液体レンズシステムの初期化時、液体レンズシステムの起動時、設定変更時、ユーザーコマンド時、及び/又は定期的に、液体レンズを較正するように構成することができる。コントローラは、液体レンズシステムを操作するための別のコントローラと共に使用される、液体レンズを較正するように構成された専用の較正システムの一部として、液体レンズを較正するように構成することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズシステムの較正方法に関連することができる。本方法は、液体レンズに複数の試験電圧を印加するステップ、複数の試験電圧における液体レンズの1つ以上の特性を測定するステップ、測定した1つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズの動作電圧範囲を決定するステップ、及び決定した液体レンズの動作電圧範囲に少なくとも部分的に基づいて、コントローラの動作電圧範囲を設定するステップを含むことができる。
液体レンズは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。液体レンズは、第1の電極、第1の電極を第1及び第2の流体から絶縁する絶縁層、及び第1の流体と電気的に連通する第2の電極を有することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。コントローラの動作電圧範囲は、絶縁層の厚さに少なくとも部分的に基づいて決定することができる。絶縁層はパリレン材料を含むことができる。コントローラの動作電圧範囲は一連のプリセット範囲から選択することができる。本方法は、液体レンズの動作範囲に対応するようにコントローラの全制御範囲を設定するステップを含むことができる。電圧の変化によって、電極と液体レンズ内の液体との間の静電容量を実質的に線形に変化させることができる。電圧は動作電圧範囲であってよく、電圧は電極に印加することができる。コントローラの動作電圧範囲を設定するステップは、ゲイン値を調整するステップを含むことができる。コントローラの動作電圧範囲を設定するステップは、電圧オフセットを調整するステップを含むことができる。コントローラは、固定ビット数を有するデジタル制御信号を生成するように構成することができ、ビットの全組み合わせによって、電圧発生器が、液体レンズの動作範囲の電圧を生成することができる。試験電圧は、交流実効電圧であってよい。液体レンズの動作電圧範囲は、例えば、液体レンズが屈折力を有さないゼロ交差点における静電容量応答に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。液体レンズの動作電圧範囲は、立ち上がり点、線形領域の始まり、及び/又は立ち上がり点と線形領域の始まりとの移行点の少なくとも1つに基づいて決定することができる。複数の試験電圧は、液体レンズの異なる位置にある複数の電極に供給される複数の差動電圧信号を含んでいる。液体レンズの動作範囲を第1の電圧から第2の電圧までと決定することができる。本方法は、コントローラの動作範囲を設定することによって、コントローラからの全制御信号によって、第1の電圧から第2の電圧までの範囲の電圧を生成することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズを電気的に調整するシステムに関連することができる。本システムは、制御値、ゲイン値、及びオフセット値に少なくとも部分的に基づいて、電圧信号を生成するように構成された電圧発生器を備えることができる。本システムは、電極に試験電圧を印加することによって生じる、液体レンズの電極における電荷量の指示の分析に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズの動作範囲を決定するように構成された1つ以上のプロセッサを備えることができる。1つ以上のプロセッサは、決定した液体レンズの動作電圧範囲に少なくとも部分的に基づいて、ゲイン及びオフセット値を設定するように構成することができる。
本システムは、複数の制御値と液体レンズの動作電圧範囲の複数の電圧との関係を示す情報を記憶する、ルックアップテーブルを備えることができる。電圧発生器が出力する電圧の範囲によって、液体レンズが動作電圧範囲において動作するように、電圧発生器のゲイン及びオフセットは、構成することができる。制御信号の分解能は、ユーザーインターフェースを介して、液体レンズに対して選択することができる一連の焦点距離に配分される。
本明細書に開示の様々な実施形態は、撮像センサーを備えることができる、液体レンズカメラシステムに関連することができる。カメラシステムは、撮像センサーを使用して、第1の画像設定を有する画像を生成し、第2の画像設定を有する画像を生成するように構成することができる。第2の画像設定は、第1の画像設定より低い画質を有することができる。本システムは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有する液体レンズを備えることができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。第1の電極は、第1及び第2の流体から絶縁することができ、第2の電極は、第1の流体と電気的に連通することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。本システムは、パルス幅変調(PWM)を使用して、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加するように構成された信号発生器を備えることができる。本システムは、第1の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する第1の指示を受信し、第1の画像設定を有する1つ以上の画像を得るために、液体レンズに第1のPWM切替周波数を適用し、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する第2の指示を受信し、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を得るために、液体レンズに第2のPWM切替周波数を適用するように構成されたコントローラを備えることができる。第2のPWM切替周波数は、第1のPWM切替周波数より低くてよい。
第1の画像設定は第1の解像度、第2の画像設定は、第1の解像度より低い第2の解像度を有することができる。第1の画像設定は、有効にされた光学式手ぶれ補正を含むことができ、第2の設定には無効にされた光学式手ぶれ補正を含むことができる。第1のPWM切替周波数は5kHz〜50kHzであってよい。第2のPWM切替周波数は0.5kHz〜5kHzであってよい。コントローラは、第1の画像設定を有する1つ以上の画像について、信号発生器を使用して、液体レンズに第1のスルーレートを適用し、第2の画像設定を有する1つ以上の画像について、信号発生器を使用して、液体レンズに第2のスルーレートを適用するように構成することができる。第2のスルーレートは、第1のスルーレートより低くてよい。
本明細書に開示の様々な実施形態は、携帯電子装置であって、本明細書に開示の液体レンズカメラシステム、及び液体レンズカメラシステム等に対する電力の供給を含む、携帯電子装置に電力を供給するように構成されたバッテリーを備えた装置に関連することができる。携帯電子装置は、節電モードを有することができる。コントローラは、携帯電子装置が節電モードのとき、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する、第2の指示を受信することができる。携帯電子装置は携帯電話であってよい。携帯電子装置は、液体レンズカメラシステムを使用して、第1の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する第1のアプリケーションを実行するように構成することができる。携帯電子装置は、液体レンズカメラシステムを使用して、第2の画像設定を有する1つ以上の画像を生成する第2のアプリケーションを実行するように構成することができる。コントローラは、第1のアプリケーションに対し、第1のPWM切替周波数を適用し、第2のアプリケーションに対し、第2のPWM切替周波数を適用することができる。
本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズ、搬送周波数で、液体レンズに電圧パルスを印加するように構成された信号発生器、及び画像パラメータ又は装置パラメータに少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成されたコントローラを備えることができる。
液体レンズは、チャンバー、チャンバーに収容された第1の流体、及びチャンバーに収容された第2の流体を有することができる。第1の流体及び第2の流体は、実質的に不混和性であって、第1の流体と第2の流体との間に流体界面を形成することができる。第1の電極は、第1及び第2の流体から絶縁することができる。第2の電極は、第1の流体と電気的に連通することができる。液体レンズは、流体界面の位置が、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように構成することができる。信号発生器は、パルス幅変調(PWM)を使用して、液体レンズに電圧を印加するように構成することができる。コントローラは、第1の画像パラメータに関する第1の指示を受信し、第1の画像パラメータを有する1つ以上の画像を生成するために、液体レンズに第1の搬送周波数を適用し、第2の画像パラメータに関する第2の指示を受信し、第2の画像パラメータを有する1つ以上の画像を生成するために、液体レンズに第1の搬送周波数と異なる第2の搬送周波数を適用するように構成することができる。第2の搬送周波数は、第1の搬送周波数より低くてよい。第2の画像パラメータは、第1の画像パラメータより低品質の画像設定を有することができる。コントローラは、画質設定に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、画像の解像度に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、ビデオ又は静止画像の指示に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、プレビュー画像又は捕捉画像の指示に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、光学式手ぶれ補正が有効か無効かに少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、画像要求に使用されたアプリケーションの指示に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、バッテリーの容量に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、節電モードが有効か無効かに少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、外部電源によって電力が供給されている否かに少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに印加される電圧パルスの搬送周波数を変更するように構成することができる。コントローラは、信号発生器を使用して、液体レンズに印加される電圧パルスのスルーレートを変更するように構成することができる。一部の実施形態において、より高いスルーレートをより高い搬送周波数に適用することができ、より低いスルーレートをより低い搬送周波数に適用することができる。スルーレート及び搬送周波数は独立して制御することができる。
カメラモジュールは、1つ以上の固定レンズ、撮像センサー、及び本明細書に記載の液体レンズシステムを有することができる。携帯電子装置は、本明細書に開示の液体レンズシステムを備えることができる。携帯電話は本明細書に開示の液体レンズシステムを備えることができる。
液体レンズシステム
図1Aは液体レンズ10の例示的な実施形態の断面図である。図1Aの液体レンズ10及び本明細書に開示の他の液体レンズは、‘174特許に開示の液体レンズと同じ又は類似の機能を有することができ、‘174特許に開示の技術と同様の技術を使用して製造することができる。液体レンズ10は、流体界面15を形成する第1の流体14及び第2の流体16等の、少なくとも2つの不混和性流体(例えば、液体)を含む空洞12を有することができる。第1の流体14は導電性であってよく、第2の流体16は電気絶縁性であってよい。一部の実施形態において、第1の流体14は、水溶液等の極性流体であってよい。一部の実施形態において、第2の流体16は、油であってよい。第1の流体14は、第2の流体16より高い誘電率を有することができる。透明板を有することができる下部窓18は、空洞12の下部にあり、透明板を有することができる上部窓20は空洞12の上部に存在することができる。第1の少なくとも1つの電極22は、絶縁材料24によって空洞12内の流体14及び16から絶縁することができる。第2の電極26は第1の流体14と接触していてよい。
電極22と26との間に電圧を印加して、液体レンズ10の焦点距離を変更する等、流体14と16との流体界面15の形状を制御することができる。図1Aは、電極22と26との間に電圧が印加されていない、第1の状態の液体レンズ10を示し、図1Bは、電極22と26との間に電圧が印加されている、第2の状態の液体レンズ10を示している。チャンバー12は、疎水性材料で構成された1つ以上の側壁を有することができる。例えば、絶縁材料24はパリレンであってよく、パリレンは絶縁性であり疎水性でもあり得る。電圧が印加されていないとき、側壁の疎水性材料が、第1の流体14(例えば、水溶液)をはじくため、第2の流体16(例えば、油)が側壁の比較的大きい領域を覆って図1Aに示す流体界面15の形状を形成することができる。第2の電極26を介して、第1の電極22と第1の流体14との間に電圧を印加すると、第1の流体14が第1の電極22に引き付けられることによって、流体界面15の位置が側壁に沿って押し下げられ、側壁のより多くの領域が、第1の流体14と接触することができる。電極22と26との間に異なる値の電圧を印加することによって、流体界面15を様々に異なる位置に駆動することができる。
電圧を印加すると、第1の電極22と第1の流体14とによって(例えば、第1の流体14が平行平板の1つとして機能する平行平板コンデンサに類似した)コンデンサを形成することができ、第1の流体14が、側壁のより多くの領域を覆う(例えば、より大きい平行板を効果的に形成する)につれ、静電容量を増加させることができる。従って、第1の電極22と第1の流体14との間の静電容量を示す測定値から、側壁上の流体界面15の位置を特定することができる。静電容量を示す測定に基づいて、電極22と26との間に印加する電圧を調整して、位置(例えば、カメラシステムによって指定された焦点距離をもたらすように構成された位置)に流体界面を配置することができる。例えば、カメラシステムは、液体レンズ10を特定の焦点距離に設定するコマンドを与えることができ、液体レンズ10に電圧を印加することができる。第1の電極22と第1の流体14との間の静電容量を示す測定値を得ることができる。静電容量が特定の焦点距離に対応する値を下回っていることを測定値が示している場合、システムは印加電圧を上げることができる。静電容量が特定の焦点距離に対応する値を超えていることを測定値が示している場合、システムは印加電圧を下げることができる。システムは、電圧を繰り返し測定及び調整することによって、特定の焦点距離をもたらす位置に流体界面15を保持することができる。本明細書に開示の様々な実施形態は、第1の電極22と第1の流体14との間の静電容量を示す測定値を得るための測定システム、及び測定値に少なくとも部分的に基づいて、液体レンズに対する信号を調整するフィードバック制御システムに関連している。一部の実施形態において、本明細書で説明するように、例えば、第1の電極22に供給される電荷量に基づいて、第1の電極22と第1の流体14との間の静電容量を間接的に決定することができる。
一部の実施形態において、電極22と第1の流体14との間の静電容量が温度に依存し得る。例えば、絶縁材料(例えば、パリレン)24の誘電率は、温度が変化すると変化する可能性があり、これによって静電容量が影響を受け得る。一部の実施形態において、液体レンズ10は、液体レンズ10内の温度を測定するように構成された温度センサー32を有することができる。システムは、静電容量に関連する測定値に基づいて、液体レンズ10に対する信号を調整する際、測定温度を考慮することができる。一部の実施形態において、液体レンズ10に温度センサー32を埋め込むことができる。例えば、温度センサー32は、液体レンズ構造の2つの層の間に配置することができる。温度センサー32が埋め込まれた位置から、液体レンズ10の外縁まで導電性のリード線を延ばして、例えば、温度センサーからの信号を供給及び/又は受信することができる。温度センサー32は、熱電対、抵抗温度計(RTD)、サーミスタ、赤外線センサー、バイメタル装置、温度計、状態変化センサー、半導体ベースのセンサー(シリコンダイオード等)、又は別の種類の温度検出す装置を含むことができる。
一部の実施形態において、液体レンズ10は、液体レンズ10内の温度制御に使用することができる発熱体34を有することができる。例えば、液体レンズ10は、閾値温度(例えば、凍結温度)未満で劇的に低下する反応速度を有し得る。一部の実施形態において、液体レンズ10に発熱体34を埋め込むことができる。例えば、液体レンズ構造の2つの層の間に発熱体34を配置することができる。発熱体34が埋め込まれた位置から、液体レンズ10の外縁まで導電性のリード線を延ばして、例えば、発熱体34からの信号を供給及び/又は受信することができる。発熱体34は、抵抗加熱器、容量加熱器、誘導加熱器、対流加熱器、又は別の種類の加熱器を含むことができる。システムは、温度センサー32から受信した信号に少なくとも部分的に基づいて、発熱体34を作動させることができる。システムは温度を測定し、温度が閾値を下回っている場合、発熱体34を使用して液体レンズを温めることができる。システムは、温度センサー32及び発熱体34を使用した、フィードバック制御を使用して、温度を制御することができる。
図2Aは液体レンズ10の例示的な実施形態の平面図である。一部の実施形態において、第1の少なくとも1つの電極22は、液体レンズ10の複数の位置に配置された、複数の電極22を有することができる。液体レンズ10は、4つの電極22a、22b、22c、及び22dを有することができ、これらの電極は液体レンズ10の4つの象限に配置することができる。別の実施形態において、第1の少なくとも1つの電極22は、様々な電極数(例えば、1つの電極、2つの電極、4つの電極、6つの電極、8つ電極、12の電極、16の電極、又はそれ以上)を有することができる。電極22a〜dは、独立して駆動することができ(例えば、同一又は異なる電圧が印加される)、これ等の電極を使用して、液体レンズ10の異なる象限の異なる位置に流体界面15を配置することができる。図2Bは、電極22a及び22dを通る断面図である。電極22aに電極22dより多くの電圧が印加されると、電極22aの象限の側壁に沿って流体界面15を更に引き下げることができ、これによって、流体界面15の光軸30を液体レンズ10の長手軸28に対し傾斜させることができる。カメラシステムは、この傾斜を利用して、光学式手ぶれ補正、軸外合焦等を提供することができる。場合により、液体レンズ10が軸上合焦を維持するように、電極22a〜dに異なる電圧を印加して、液体レンズ10に加えられる力を補償することができる。液体レンズ10は、各電極に対応する温度センサー32a及び32dを有するか、又は液体レンズ10に対する単一の温度センサーを使用することができる。
例示的なフィードバック及び制御システム
図3A及び3Bは、レンズフィードバック及び制御のためのシステムの例示的なブロック図である。図3A及び/又は3Bは、カメラ入力出力(「I/O」)制御301、設定&フィードバックコントローラ303、タイミングコントローラ305、信号発生器307、増幅器309、液体レンズ等のレンズ311、電荷センサー313、他のセンサー317、及びカレントミラー319を含むことができる。設定&フィードバックコントローラ303及びタイミングコントローラ305等、制御システムの幾つかの部分は、マイクロプロセッサ315に実装することができる。
図3Aにおいて、カメラI/O制御301を使用して、レンズ311の焦点距離等の焦点パラメータの指示又は設定、及び/又はレンズ311の焦点方向を設定することができる。これは、例えば、ユーザーが撮像対象までの距離を増減するとき、カメラのズームを変更するとき等に生じ得る。一部の実施形態において、カメラは、(例えば、図2Bに示すように)レンズ311の焦点方向が、レンズ311の長手軸に対して角度が付けられている、軸外合焦を可能にすることができる。一部の実施形態において、光学式手ぶれ補正システムが、レンズ311の焦点方向を調整することによって、振動を補償する等の焦点パラメータを与えることができる。焦点パラメータの調整には、焦点距離及び/又は焦点方向の調整が含まれることを理解されたい。カメラI/O制御301は、設定&フィードバックコントローラ303に、対象焦点距離又は他の焦点パラメータを示す信号を供給することができる。一部の実施形態において、カメラは、オートフォーカス、ズーム、又はその他のシステム又はイベントに基づいて、対象の焦点パラメータの信号を送ることができる。
設定&フィードバックコントローラ303は、対象焦点パラメータ(例えば、焦点距離)を得るためのレンズ311の調整方法を決定することができる。これには、例えば、レンズが対象焦点距離をもたらすように、電圧のルックアップテーブルを参照して、レンズに印加することが含まれる。これには、追加叉は代替として、アルゴリズム又は方程式を使用して、印加電圧を決定することが含まれる。設定&フィードバックコントローラは、温度計、ジャイロスコープ、レーザー又は別の距離センサー等、他のセンサー317によって測定される、温度、動き、向き、重力、加速度、距離等の更なる変数も考慮することができる。一部の実施形態において、焦点パラメータが閾値を超えて変化した場合、コントローラ303は、液体レンズ311の流体界面が、新しい焦点パラメータの新しい位置により迅速に移動するように、電圧の変化をオーバードライブすることができる。例えば、電圧を上げるために、コントローラ303は、当初、新しい焦点パラメータの位置に、流体界面を保持するのに使用されると思われる電圧値より高い電圧を選択することができ、次いで、流体界面が新しい位置に近づくにつれて、オーバードライブ電圧を下げることができる。電圧を下げるために、コントローラ303は、当初、新しい焦点パラメータの位置に、流体界面を保持するのに使用されると思われる電圧値より低い電圧を選択することができ、次いで、流体界面が新しい位置に近づくにつれて、オーバードライブ電圧を上げることができる。
信号発生器307は、設定&フードバックコントローラ303から制御信号を受信することができ、レンズ311に供給される1つ以上の電圧信号を生成することができる。一部の実施形態において、単一のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ315)が設定&フードバックコントローラ303及び信号発生器307の両方を含むことができる。様々な実施形態において、制御信号に少なくとも部分的に基づいて、電圧信号の1つ以上の特性が生成される。特性は、周波数、位相、電圧振幅、パルス幅、形状、又はRMS電圧を含むことができる。様々な実施形態において、信号発生器307は、レンズ311の焦点に影響を与える任意の種類の電圧信号を生成することができる。一部の実施形態において、電圧信号は、レンズ311の電極に印加することができる複数の周期振動電圧信号を含むことができ、周期振動電圧信号間の位相遅延を調整することによって、レンズ311に印加される実効(RMS)電圧差を変更することができる。一部の実施形態において、電圧信号は、レンズ311の異なる位置にある複数の電極に供給される、複数の差動電圧信号を含むことができる。一部の実施形態において、電圧信号は、制御信号の影響を受ける特性として、振幅及び/又はパルス幅を有する周期的な信号であってよい。一部の実施形態において、電圧信号は、制御信号の影響を受けるDC電圧を有するDC信号であってよい。本明細書に開示の様々な実施形態は、液体レンズに与えられる電圧信号間の位相遅延を使用するパルス幅変調について説明しているが、様々な別の適切なパルス幅変調システムを使用することができ得る。
本明細書に記載のように、電圧信号をレンズ311に印加して焦点パラメータ(例えば、焦点距離及び/又は焦点方向)に影響を与えることができる。レンズは、液体レンズであってよい。例えば、液体レンズ311は、レンズ311に電圧を印加することによって、配置可能な流体界面を形成する、複数の不混和性の流体(例えば、液体)を有することができる。
レンズ311に制御された電圧信号を印加しても、レンズ311が指定された焦点特性を得ることができない場合があり得る。ある程度のエラーが生じ得る。レンズの形状や位置に関し、多くの要因が影響する可能性があり、電圧信号を生成する際に考慮されなかった要因もあり得る。液体レンズの移動によって、内部の流体の位置に影響を与える可能性がある。更に、構成要素の製造及び/又は性能の欠陥が、無視できない結果をもたらす可能性がある。加えて、レンズ311の焦点特性は、電圧信号に対するレンズ311の応答(例えば、流体界面の形状及び/又は位置)が、ヒステリシスの影響を受けて、レンズ311の以前の状態に基づいて異なる場合があり得る。一部の実施形態において、フィードバックを使用して、エラーの原因を説明し、レンズ311(例えば、流体界面の形状及び/又は位置)を調整することができる。
液体レンズ311の流体界面の形状及び/又は位置を直接測定することは困難であり得る。液体レンズは、(例えば、スマートフォンのレンズ等)携帯性を高めるために非常に小さく設計されている可能性がある。しかし、レンズの形状及び/又は位置は、レンズの構成要素の静電容量によって間接的に特定することができる。図1Bに関して前述したように、電極は、液体レンズ内の第1の流体の近傍かつそれから絶縁して配置することができる。電極と第1の流体は、コンデンサとして有効に機能する。電極に印加された電圧からの電磁力に反応して、第1の流体が形状及び/又は位置を変化させると、第1の流体によって形成された有効なコンデンサ板の面積が変化する。従って、実効コンデンサの静電容量によって、流体界面の形状及び/又は位置が示される。
レンズ内の流体界面の形状及び/又は位置を示す、レンズの静電容量を示す測定を行うように、レンズセンサー313を構成することができる。一部の実施形態において、レンズセンサー313は、液体レンズの流体界面の位置を測定(例えば、直接測定)し得る。レンズセンサー313は、本明細書の一部の実施形態に関連して説明した電荷センサー、又は別の種類のセンサーであってよい。レンズセンサー313は、液体レンズ又は液体レンズシステムの一体構成要素であってよい。又は、レンズセンサー313は、液体レンズシステムの外部に存在する外部センサー構成要素、又は一体センサー構成要素と外部センサー構成要素の組み合わせを含むことができる。一部の実施形態において、レンズセンサー313は、レンズ311の電極に供給される電荷量に基づいて、静電容量を間接的に測定することができる。液体レンズ311内に形成された実効コンデンサの全電荷量は下式によって決定することができる。
ここで、Qtotは全電荷量、Clensは電極とレンズ内の液体とによって形成される実効コンデンサの静電容量、Vsignalは電極に印加される電圧信号の電圧である。電圧信号の電圧が一定である場合、又は制御信号によって設定される場合、Vsignalは既知の量であってよい。一部の実施形態において、レンズセンサー313は、本明細書において更に詳細に説明するように、液体レンズ311の電極に印加される全電荷に基づいて信号を生成する電荷センサーであってよい。
レンズセンサー313は、フィードバックコントローラ303に、Clensを示す信号を供給することができる。フィードバックコントローラ303は、Clensを示す信号に基づいて、液体レンズ311内の流体界面が、指定された焦点特性をレンズ311に持たせる(例えば、撮像対象に合焦する)ように配置されているか否かを判定することができる。次に、フィードバックコントローラ303は、すべてのフィードバック調整を決定し、それに応じて制御信号を調整して、信号発生器307に電圧信号の特性を変更させ、レンズ311を合焦対象により正確に合焦させる。液体レンズ内の流体界面が液体レンズ311内の新しい位置に大きく移動する必要があるように焦点パラメータが変更された場合、レンズ311に対する信号のオーバードライブが特に有益である。
図3Bにおいて、例示的なシステム350は、システム300と同様の機能を含むことができる。設定&フィードバックコントローラ303は、カメラI/O制御301から対象焦点パラメータ、及び/又は他のセンサー317から測定値を受信することができる。設定&フィードバックコントローラ303は、対象焦点パラメータ及び/又は測定値に基づいて、焦点パラメータでレンズ311を合焦させるために、レンズ311の電極に印加される1つ以上の電圧(例えば、差動RMS電圧)を決定することができる。設定&フィードバックコントローラ303は、一般的な制御信号をタイミングコントローラ305に供給することができる。タイミングコントローラ305は、多くのタイミング信号を様々なサブシステムに供給することができる。これには、電荷センサーに対する(例えば、本明細書において説明するサンプル&放電スイッチを開閉する)サンプル&放電信号を含むことができる。これには、信号発生器307に対する位相シフト制御信号も含むことができる。
信号発生器307は、1つ以上の電極周期信号及び共通周期信号を含むことができる電圧信号(例えば、差動電圧信号)を生成することができる。1つ以上の電極周期信号の位相は、共通の周期信号と比較して位相シフト量だけシフトさせることができる。位相シフト量は、少なくとも部分的に、位相シフト制御信号によって制御することができる。従って、レンズ311に印加される1つ以上の差動電圧信号により、1つ以上の電極に対応する1つ以上のRMS電圧を生成することができ、位相シフト制御信号により、少なくとも部分的に、1つ以上のRMS電圧を制御することができる。
電圧信号は、1つ以上の増幅器309によって、既知の電圧まで増幅することができる。レンズ311の共通ノードに共通周期信号を供給することができる。共通周期電圧信号は、(例えば、図1A〜2Bの電極26を介して)レンズ311の第1の流体に供給することができる。電極周期電圧信号は、レンズ311の電極(例えば、図1A、1Bの電極22、又は図2A、2Bの電極22a〜d)に供給することができる。
1つ以上の電極周期信号は、1つ以上のカレントミラー319を介して、レンズ311に供給することができる。1つ以上のカレントミラー319は、1つ以上の電極周期信号の電流のミラーを1つ以上の電荷センサー313に供給することができる。1つ以上の電荷センサー313は、各々サンプリングコンデンサを有することができる。タイミングコントローラ305からのサンプリング信号が有効になると、サンプリングコンデンサは、ミラー電流を受信することができる。次いで、電荷センサーのアナログデジタル変換器は、サンプリングコンデンサの電圧を読み取り、出力電圧の測定値を設定&フィードバックコントローラ303に供給することができる。タイミングコントローラ305からの放電信号が有効になると、サンプリングコンデンサを放電することができる。
サンプリングコンデンサの電圧は、サンプリングコンデンサの電荷量を示すことができ、サンプリングコンデンサの電荷量は、静電容量Clens(例えば、図1Bに関連して説明した、第1の流体14と電極22との間の静電容量)を示すことができる。この関係は下式によって説明することができる。
ここで、Qtotはサンプリングコンデンサの全電荷量、Csampleはサンプリングコンデンサの静電容量、Voutはサンプリングコンデンサの両端の電圧である。サンプリングコンデンサは、既知のCsampleを有することができる。同じミラー電流がサンプリングコンデンサとレンズ311の実効コンデンサの両方に同じ時間与えられるため、全電荷量はサンプリングコンデンサとレンズ311の実効コンデンサの両方に流れる。式1及び式2は互いに等しく設定し解くことができる。
従って、出力信号Voutは、Csample及びVsignalが既知の場合の静電容量Clensを示す。
設定&フィードバックコントローラ303は、Vout又はClensを使用して、レンズ311が対象焦点パラメータで合焦されているか否か、又はレンズ311の調整が必要か否かを判定することができる。一部の実施形態において、より少ない計算でVoutを使用することができるため、一部の実施形態において、Clensの値の計算を省略することができる。焦点パラメータ及び/又は他のセンサー317からの入力に基づいて、Voutを期待値と比較することができる。期待値は、ルックアップテーブル、又は式若しくはアルゴリズムから導出することができる。Voutが高過ぎる場合、設定&フィードバックコントローラ303は、差動電圧信号の電圧(例えば、RMS電圧)を下げることができる。Voutが低過ぎる場合、設定&フィードバックコントローラ303は、差動電圧信号の電圧(例えば、RMS電圧)を上げることができる。
引力に対してレンズの方向を変更するとき等において、フィードバックプロセスを繰り返して、対象焦点パラメータを実現する及び/又は対象焦点パラメータを維持することができる。設定&フィードバックコントローラ303は、一般的な補正制御信号を供給するとき、一般的な補正制御信号を当初オーバードライブして、流体界面をより迅速に新しい位置に移動させる等を行うことができる。
様々な実施形態において、デジタル及び/又はアナログ回路を任意に組み合わせて使用することができる。例えば、マイクロプロセッサ315をタイミングコントローラ305及び/又は設定&フィードバックコントローラ303として使用可能であり、又、マイクロプロセッサ315は、図3の任意の他のシステム機能を実行することができる。様々な実施形態において、信号発生器307、増幅器309、電荷センサー313、又は図3の他の部分等のシステムの異なる部分は、アナログ回路又はアナログ/デジタル混合回路で実現することができる。
例示的な回路図
図4Aは、図2A、2Bの液体レンズ10と類似又は同じであってよい、4電極液体レンズのレンズフィードバック及び制御システムの例示的な回路図400を示す図である。回路図400は、図3A及び3Bに示す制御システムの部品の例示的な実装を示している。信号発生器401は、波形発生器403及び4つの移相器411を有することができる。回路図は、液体レンズの共通ノード407与えられる共通電圧信号用の増幅器405、液体レンズの各々の電極417a〜417dに与えられる第1、第2、第3、及び第4電極電圧信号用の各々の増幅器413、各々の電極電圧信号用の各々のカレントミラー415、各々のカレントミラーに接続された各々の電荷センサー421も含んでいる。図を分かり易くするために、図4Aには1つの電荷センサー421のみが示されているが、システムは、それぞれ3つの更なるカレントミラー415から電流を受ける、3つの更なる電荷センサー421を備えていることが理解されるであろう。電荷センサー421は、サンプリングスイッチ416、サンプリングコンデンサ418、及び放電スイッチ419を有することができる。電荷センサー421は、バッファ、及びアナログデジタル変換器(「ADC」)を有することができる。トリガー線423は、トリガー信号(例えば、信号発生器401からの出力)を供給することができる。
信号発生器401は、波形発生器403を有することができる。図示の例では、波形は5kHzの矩形パルス波形である。しかし、様々な実施形態において、波形は、任意の周期、AC、DC、又はその他の信号であってよい。波形は、正弦波、のこぎり歯、又はその他の形状であってよい。波形は、図4Aに示す実施形態とは異なる周波数を有することができる。一部の実施形態において、波形は、液体レンズの流体界面の位置が波形の個々のパルスに応答しないように、液体レンズの応答速度よりも速い周波数を有することができる。例えば、波形の周波数は、液体レンズの応答速度より3x、5x、7x、10x、15x、20x、50x、又はそれよりも速くてよい。波形発生器403の出力を増幅器405に接続することができる。波形発生器403からの出力波形は、(例えば、図1B及び2Bで説明したように、第1の流体に印加される)共通電圧信号として使用することができる。
液体レンズの共通ノード407に、増幅器405の出力を接続することができる。一部の実施形態において、共通ノードは、液体レンズ内の第1の流体、又は第1の流体と電気的に連通している液体レンズの電極であってよい。共通の差動信号は、増幅器405を介して増幅されて70Vの振幅を有し、液体レンズの共通ノード407に与えられる。様々な実施形態において、増幅器は、特定の実装に合わせて、異なる量の増幅度及び/又は異なる電圧までを与えることができる。
波形発生器403の出力は、液体レンズの電極417a〜dに供給することができる第1、第2、第3、及び第4の電極電圧信号の供給にも使用される。第1の移相器411に波形発生器403の出力を接続することができる。移相器411によって、第1の差動電圧信号を位相シフトすることができる。位相シフト量は、図3A及び3Bに関連して開示したように、タイミングコントローラ、又は設定&フィードバックコントローラによって与えられる、位相制御信号によって制御することができる。増幅器413に、移相器411の出力を接続することができる。位相シフトされた第1の電圧信号は、増幅器413によって増幅することができる。増幅器413は、増幅器405と同じ量、本例では70V、又は様々な実施形態では別の量で、位相シフトされた第1の差動電圧信号を増幅することができる。
増幅器413の出力は、カレントミラー415を介して、第1の電極417aに供給することができる。位相シフトの結果として、増幅され、位相シフトされた第1の差動電圧信号と共通の差動電圧信号との間に差動電圧が存在することができる。従って、液体レンズ内の1つ以上の流体(例えば、液体)は、差動電圧の影響を受け、その形状及び/又は位置を変化させ、それによってレンズの焦点特性に影響を与えることができる。一部の実施形態において、位相遅延が比較的小さいと、差動電圧のパルス幅が比較的短くなり、RMS電圧が比較的低くなる可能性がある。電極417a及び417cに供給される電圧信号に与えられる比較的小さい位相遅延によって、図4Aに示す電圧差波形425acを生成することができ、この例では22.1VのRMS電圧が生成される。位相遅延が比較的大きいと、差動電圧のパルス幅が比較的長くなり、RMS電圧が比較的高くなる可能性がある。電極417dに供給される電圧信号に与えられる比較的大きい位相遅延によって、図4Aに示す電圧差波形425dを生成することができ、この例では66.4VのRMS電圧が生成される。
カレントミラー415を電荷センサー421に接続することができる。カレントミラー415は、増幅され、位相シフトされた第1の差動電圧信号のミラーをサンプリングコンデンサ418に供給することができる。サンプリング期間中、放電スイッチが開いている間、サンプリングスイッチ416を閉じて、カレントミラー415をサンプリングコンデンサ418に接続することができる。サンプリング期間中に、サンプリングコンデンサ418に供給される電流によって、サンプリングコンデンサ418が飽和しないように、サンプリングコンデンサ418が十分な静電容量を有することができ、及び/又はサンプリング期間を十分短くすることができる。サンプリングコンデンサ418は、バッファを介してADCに接続することができ、ADCはサンプリングコンデンサ418の両端のアナログ電圧を示すデジタル出力を与えることができる。ADCにタイミング信号を与えて、ADCに読み取りを行わせることができる。ADCは、例えば、制御信号(例えば、シリアルペリフェラルインターフェイス(SPI)バス)を介して、マイクロプロセッサと通信することができる。図3A、3Bに関連して説明したように、コントローラは、電荷センサー421の出力に基づいて、移相器411によって電極信号に与えられる位相遅延を調整する。4つの象限の各々の流体界面の位置を監視し、そのフィードバックに基づいて、位相遅延を調整することによって、流体界面の形状を制御して、対象焦点パラメーター(焦点距離や焦点傾斜等)を実現することができる。
放電期間中、放電スイッチ419を閉じて、サンプリングコンデンサ418に蓄積されたすべての電荷を地面に放電することができる。放電期間中、サンプリングスイッチ416を開くことができる。
第1の電極電圧信号に関する教示及び開示は、第2、第3、及び第4の電極信号に適用することができ、様々な実施形態において、任意の数の基準信号に対する任意の数の差動信号を適用することできるこが理解されよう。第2、第3、及び第4の差動信号は、各々位相シフトされ、増幅され、レンズの各々電極に供給され、各々ミラー化され、各々の電荷センサーに供給され、各々電圧を測定することができる。
図4Aは、液体レンズの電極417a〜dに対応する、差動電圧波形425AC、425B、425Dを示している。第1、第2、第3、及び第4の差動信号は、互いに独立して制御することができる。従って、4つの象限電極417a〜417dの各々と共通ノード407との間に、差動電圧波形425C、425B、425Dとして示す独立した差動電圧が存在し得る。本例において、第1および第3の差動電圧信号は、同量だけ位相シフトされ、波形425ACがもたらされる。共通差動信号に対する僅かな位相シフトによって、差動電圧波形425ACに短いピークとトラフが現れ、第1/第3の差動電圧信号と共通差動電圧とは重複しない。従って、小さいRMS電圧がもたらされ、本例では約22.1Vである。本例において、第2の差動電圧信号は、約90度位相シフトされ、波形425Bがもたらされる。共通の差動信号に対し1/4の位相シフトを行うことによって、中程度の持続時間のピークとトラフが現れる。従って、中間のRMS電圧がもたらされ、本例では約49.5Vである。本例において、第4の差動電圧信号は、略180度位相シフトされ、波形425Dがもたらされ、デューティサイクルの長いピークとトラフが現れる。従って、大きいRMS電圧がもたらされ、本例では約66.4Vである。
様々な実施形態において、様々な電圧制御方式を使用することができる。例えば、各々の差動電圧信号は、位相の代わりに振幅を調整することができる。別の例として、各々の差動電圧信号のデューティサイクルを調整することができる。本例は4つの信号及び4つの電極を示しているが、任意の数の信号及び電極を使用して、レンズに電圧を印加することができる。
図4Bは、4電極液体レンズのレンズフィードバック及び制御システムの別の例示的な実施形態の回路図450を示す図である。図4Bの実装は、図4Aの実装に類似しているが、図4Bの方式は電荷センサーの構成が異なっている。ここでは詳細に説明しないが、図4Aに関連して説明した多くの詳細は、図4Bにも適用することができる。図4Bの例示的な実施形態は、スイッチ451を使用して、第1の状態と第2の状態を切り替えることができる。第1の状態(例えば、図4Bに示してない)は、電極417a〜dと液体レンズの導電性流体との間に形成された実効コンデンサを充電するように構成することができる。第2の状態(例えば、図4Bに示す)は、これ等の実効コンデンサを少なくとも部分的に放電し、放電された電流を検知回路(例えば、電荷センサー421)に誘導するように構成することができる。例えば、スイッチ451は、第1の状態において、増幅器413の出力を第1の電極417aに接続し、それによって電極417aに電圧を印加するように構成することができる。スイッチ451を、図4Bに示す第2の状態に切り替えて、第1の電極417aと電荷センサー421とを接続することができる。サンプリング期間中、スイッチ451は、電荷センサー421を第1の電極417aに接続する(例えば、第2の状態にする)ことができ、それによって、電極417aの電荷に相当するものがサンプリングコンデンサ418供給される。サンプリングコンデンサの電圧はADCで測定することができる。一部の実施形態において、ADCが読み取りを行う間、スイッチ451は第1の状態にあり、サンプリングコンデンサ418を第1の電極417aから切り離すことができる。様々な実施形態において、別のスイッチ構成を使用して、ADCが測定する電圧をサンプルホールドすることができる。図4Bの実施形態のサンプル期間は、図5に示すものより遅くすることができるため、電圧差を印加して液体レンズの実効コンデンサを充電した後に、スイッチ451を第2の状態に切り替えることができる。図4Bの実施形態の放電及び読み取り期間も、図5に示すものより遅く発生させることができる。図4Bには1つの電荷センサー421のみが示されているが、電荷センサー421は、電極417a〜dの各々に含まれることができ、本明細書の説明に従って動作することができる。一部の例において、スイッチ451及びカレントミラー415は、対応する電荷センサー421の一部と見なすことができることに留意されたい。
液体レンズの実効コンデンサの静電容量は、別の方法で測定又は決定することができる。例えば、静電容量の位相同期検出を使用することができる。高周波(例えば、MHz)低振幅電圧振動信号を、液体レンズの電極に供給される電圧信号と組み合わせることができる。入力周期振動信号と出力周期振動信号との差(例えば、周期振動信号の位相と振幅の変化)を測定することによって、静電容量を特定することができる。一部の実施形態において、静電容量のピーク検出を使用することができる。一部の実施形態において、静電容量差分、抵抗容量(RC)タンク、又は位相シフト検出手法を使用して静電容量を特定することができる。一部の実施形態において、RCディケイ手法を使用して静電容量を特定することができる。一部の実施形態において、周波数スペクトル分析又はヘテロダイン手法を使用して、静電容量を特定することができる。
タイミングチャート
図5はフィードバック及び制御システムにおける例示的な信号のタイミングチャートを示す図である。タイミングチャートは、共通波形501A、第1の電極に供給される第1の電圧信号503、第1の電極電圧信号503と共通信号501Aとの間の第1の差動電圧505、第Nの電極に供給される第Nの電極電圧信号507、及び第Nの電圧信号507と共通信号501Aとの間の第Nの差動電圧509を含んでいる。拡大図511は、レンズの電荷の指示をサンプリングする時間区間513中の信号を示している。高電圧のアナログ環境で静電容量を測定することを避けるために、電圧が十分に低くなるように、時間区間513の位置を選択することができる。拡大図は、共通コマンド信号501B、実際の共通電圧501C、放電信号515、サンプル信号517、及び割り込み信号519を含んでいる。
図5に示す信号制御手法は、例えば、図4Aの電荷センサー421に適用することができる。しかし、様々な実施形態は別の信号制御手法を使用することができ、様々な電荷センサーは、様々に制御することができる。共通波形501Aは、200マイクロ秒の周期(5kHzの周波数)を有する周期パルス波形を示している。共通波形501Aは、例えば、図4Aの共通ノード407に供給することができる。第1の電圧信号503も200マイクロ秒の周期を有する周期パルス波形である。しかし、第1の電圧信号503は、共通波形501Aと比較して遅延位相シフトされる。第1の電圧信号503は、例えば、電極417a等、図4Aの電極の1つに供給することができる。第1の差電圧505は、位相遅延から生じる、第1の電圧信号503と共通信号501Aとの差動電圧を示している。第N電圧信号507も200マイクロ秒の周期を有する周期パルス波形である。しかし、第Nの電圧信号507は、共通波形501Aと比較して位相シフトされている。第Nの電圧信号507は、例えば、電極417d等、の図4Aの電極の1つに供給することができる。第Nの差電圧509は、位相遅延から生じる、第Nの電圧信号507と共通信号501Aとの差動電圧を示している。
拡大図において、共通コマンド信号501Bが基準時間0nsにおいて減少し、実際の共通波形501Cが高信号から低信号に低下する。実際のコマンド波形501Cは、少し遅れて遷移する。
放電信号515を供給して、図4Aの放電スイッチ419等の放電スイッチを制御して、図4Aのサンプリングコンデンサ418等のサンプリングコンデンサを地面に接続/分離することができるため、放電スイッチが閉じたとき、サンプリングコンデンサを放電することができる。当初放電信号515によって、0nsにおいて、放電スイッチが閉じることができる。共通コマンド信号501Bの切り替えに応答して、及び/又は実際の共通波形501Cが応答する前に、放電信号515によって、放電スイッチを切り替えて開放することができる。サンプル測定が行われた後、放電信号515によって、放電スイッチ419が閉に切り替わり、例えば次の測定の前に、サンプリングコンデンサ418を放電することができる。
サンプリング信号517を供給して、図4Aのサンプリングスイッチ416等のサンプリングスイッチを制御して、図4Aのサンプリングコンデンサ418等のサンプリングコンデンサを、レンズに与えられる電流ミラーのサンプリングに接続/分離することができる。当初、サンプリング信号517は、0nsにおいて、サンプリングスイッチを開くことができる。共通コマンド信号501Bの切り替えに応答して、及び/又は放電スイッチが開放された後、サンプリング信号517によって、サンプリングスイッチ416を切り替えて閉じることによって、サンプリングコンデンサ418に電荷を供給することができる
サンプリング信号517は、サンプリング期間の後に初期状態に戻り、サンプリングスイッチ416を開くことができる。サンプリング期間の後、割り込み信号519を供給して、サンプリングコンデンサ418の電圧を読み取ることができる(例えば、ADCを使用して、サンプリングコンデンサ418に蓄積された電圧を読み取る)。読み取り終了後、サンプリングコンデンサを放電することができる。
図5に示す例において、周期が200マイクロ秒であり、サンプリングが1秒当たり約5,000回(5KHz)発生する。しかし、周期はこれより短くても長くてもよい。様々な実施形態において、サンプリングは、異なる時間、更には、1期間より長い時間発生することができる。様々な実施形態において、充電/放電/サンプリングは、他の信号に応答して、又は各々の周期中の様々な時間に発生することができる。充電/放電/サンプリングは、共通信号の立ち上がりエッジ、共通信号の立ち下がりエッジに応答して、又は適切な変更を加えた別の時間に発生することができる。
例示的な方法
図6は、レンズの焦点パラメータを制御する例示的な方法600を示す図である。レンズは、例えば、液体レンズであってよい。ブロック601において、対象焦点パラメータを決定することができる。これ等は、例えば、ボタンやタッチスクリーンの選択等、カメラへの入力を介し、ユーザーが選択したフォーカスセットに応じて決定することができる。別の例として、ユーザーはオートフォーカス機能を選択して、合焦対象を自動的に決定することができる。対象焦点パラメータは、例えば、マイクロコントローラによって決定することができる。一部の実施形態において、光学式手ぶれ補正システムが、カメラシステムに発生する振動を補正する等、対象焦点パラメータに貢献することができる。
ブロック603において、センサーの測定値を受信することができる。例示的なセンサーは、温度計、ジャイロスコープ、加速度計、距離センサー等を含むことができる。センサーは、電圧に対するレンズの応答に影響を与える変数を読み取ることができる。
ブロック605において、電圧信号の初期値を決定する。マイクロプロセッサが、例えば、合焦対象に関連付けられた電圧値のルックアップテーブルを参照することによって、初期値を決定することができる。ルックアップテーブルは、距離、湿度、温度、加速度等の他の変数に関連するルックアップ値も含むことができる。ルックアップテーブル代えて、又は加えて、アルゴリズム又は式によって初期値を決定及び/又は調整することができる。例えば、マイクロプロセッサは、レンズの温度が100°F(約37.8℃)のとき、5メートルの対象焦点距離を受信し、第1の方向に影響を与える第1の電極の電圧信号の初期値としてRMS30Vを決定し、例えば、カメラの動きを補正するために、RMS30VにRMS5Vを加え、RMS35Vに調整して焦点傾斜を誘導することができる。
ブロック607において、電圧信号が生成される。電圧信号は、初期電圧の初期値を有することができる。一部の実施形態において、電圧信号は、周期信号に対する差動信号とすることができる。ブロック609において、レンズに電圧信号を供給することができる。液体レンズに配置された電極に電圧信号を印加して、レンズの形状及び/又は位置に影響を与えることができる。電極とレンズの1つ以上の部品(第1の液体等)とが、液体レンズの形状及び/又は位置に応じて変化する、実効静電容量を有することができる。
ブロック611において、電圧信号の電流をミラーリングすることができる。これは、例えば、図4Aのカレントミラー415等のカレントミラーによって行うことができる。ブロック613において、センサーにミラー電流を供給することができる。レンズ内の流体界面の形状及び/又は位置が、実効コンデンサの静電容量に影響を与える場合、電荷量等の静電容量の表示を検知するようにセンサーを構成することができる。センサーは、例えば、ミラー電流を受けるように構成されたサンプリングコンデンサ、及びサンプリングコンデンサの両端の電圧を測定するように構成されたADCを有することができる。センサーは、例えば、充電、放電、及びサンプリング期間中、サンプリングコンデンサをそれぞれ充電、放電、及び保持させるように構成された複数のスイッチを有することもできる。ブロック615において、コントローラにセンサーの測定値を供給することができる。
ブロック617において、電圧信号の補正値を決定することができる。補正値は、センサーの測定値に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。例えば、センサーの測定値が高過ぎる場合、実効コンデンサの静電容量が高過ぎ、流体界面が側壁の低過ぎる位置にあることを示している可能性があり、これに応じて、コントローラは電圧信号の値を下げることができる。例えば、センサーの測定値が低過ぎる場合、実効コンデンサの静電容量が低過ぎ、流体界面が側壁の高過ぎる位置にあることを示している可能性があり、これに応じて、コントローラは電圧信号の値を上げることができる。コントローラは、例えば、センサーの測定値を、ルックアップテーブルの合焦対象、又はメモリに保存されている別の類似の構造体に関連付けられた電圧と比較するか、式若しくはアルゴリズムを使用して決定することができる。これに加え又は代えて、コントローラは、テーブル、式、及び/又はアルゴリズムを介して、前述のその他の変数(例えば、温度、カメラの動き等)を考慮することができる。一部の実施形態において、ブロック617において新しい電圧信号を決定するとき、センサーからの更なる測定値を使用することができる。場合により、新しい電圧を決定する都度、新しい測定値(温度測定値など)を取得するか、頻度を減らして測定値を取得することができる。図6のプロセスは、図2A、2Bの4つの電極22a〜d、又は図4Aの4つの電極417a〜dを独立して駆動する等、複数の電極に対して実行することができる。
ブロック617をブロック607にループバックすることができ、補正した値で電圧信号を生成することができる。温度、加速度、向き等の要因が変化しても、フィードバックループを繰り返して、合焦対象に焦点を維持することができる。フィードバックループは、新しい合焦対象が受信されるまで継続することができる。
一部の実施形態において、当初、電圧信号の初期値(ブロック605)及び/又は電圧信号の補正値(ブロック617)を短時間オーバードライブして、実際の補正値に落ち着く前に、レンズを目的の形状及び/又は位置に向けてより迅速に移動させることができる。
試験結果
図7は、液体レンズに接続された電荷センサーからの電圧測定値を示すグラフである。図7の結果は、図4Aのシステムを使用して取得したものである。各々の電荷センサーは、液体レンズの4つの電極(X+、X−、Y+、Y−)の1つに接続され、電荷センサーからの電圧出力が、電極と液体レンズの流体との間に形成された実効コンデンサの静電容量であって、電極における液体レンズの流体界面の位置を示している。図7において、出力電圧は、ADCから取得され、0Vの基準からのオフセットとしてプロットされている。図7において、液体レンズの4つの電極には、1HzでRMS24VとRMS67Vの間でランプする入力電圧を与え、4つの電極を互いに同相駆動した。ADCからの出力電圧は、1Hzのランプ電圧で変化するレンズの位置を反映している。出力電圧は、0Vの基準値から約± 2.5V偏移し、電極と液体レンズの液体との間の約10pF 〜約60pFの静電容量を反映している。図7において、4つの電極に関連する出力電圧は互いに同相である。
図8は、液体レンズに接続された電荷センサーからの電圧測定値を示すグラフである。図8の結果は、図4Aのシステムを使用して取得したものである。図8の例において、液体レンズの対象焦点距離を一定の値に固定した。X−及びY+電極とX+及びY−電極との位相をずらして、X−及びY+電極を互いに同相駆動し、X+及びY−電極を互いに同相駆動することにより、流体界面に対し1Hzで±1.2°の傾斜掃引を誘導した。X−及びY+電極のADCからの出力電圧は互いに同相であり、X+及びY−電極のADCからの出力電圧は互いに同相であり、X−及びY+電極の出力電圧とX+及びY−電極の出力電圧とは位相がずれていた。
図9は測定静電容量と液体レンズの駆動に使用したDC入力電圧との関係を示す例示的なグラフである。y軸は、電極と液体レンズの一部(導電性流体等)との間に実効的に形成されたコンデンサの測定静電容量を示している。x軸は、電極に印加された相対DC電圧を示している。電圧の範囲が−40V〜0V〜+40Vであるため、測定静電容量値は、図9の曲線902の形状を有するプロットに従う。かかる関係を使用して、レンズの形状及び/又は位置を示すどのような静電容量を得るためには、どのような電圧を印加すればよいかを決定することができる。0Vに近い第1の範囲における電圧の調整は、測定静電容量に与える影響が非常に小さい。0Vから離れた高電圧において同様の調整を行うと、測定静電容量を大きく変化させることができる。
較正
液体レンズは、製造後に較正することができる。製造された構成要素の一部の特性(サイズ等)は、許容範囲において異なり得る。例えば、絶縁層(例えば、パリレン)の厚さは、製造公差に起因して目標厚と異なり得る。これ等の変動は、動作中の電極と液体レンズの第1の流体との間の静電容量に影響を与える可能性があり、液体レンズの屈折力に影響を及ぼし得る。例えば、絶縁層(パリレン層等)の厚さが僅かに異なる2つの液体レンズは、同じ電圧が両方の液体レンズに印加された場合でも、異なる流体界面位置、従って、異なる焦点距離を有し得る。液体レンズの較正は、かかる製造上のばらつきの影響を考慮することができるため、サイズの異なる構成要素であっても、所望の屈折力又は焦点距離を実現することができる。
一部の較正技術は、液体レンズを使用して生成された画像の分析を利用して、液体レンズを較正する。液体レンズを備えたカメラを較正するためのかかる例示的な方法の1つは、対象から離れた基準距離にカメラを配置するステップを含んでいる。対象には、例えば、細い線、コントラストのある色、及びカメラ焦点を評価するために、得られた対象画像で分析することができる、別の視覚的標識を含めることができる。自動画像処理を使用して、カメラの焦点を評価することができる。例えば、カメラが対象に適切に合焦している場合、得られた対象画像において、対象の部分間の明確なコントラストを識別することができる。画像が合焦するまで、カメラの1つ以上の設定(例えば、液体レンズに印加する電圧等)を調整することができる。一部の実施形態において、複数の異なる距離において対象を撮像し、本プロセスを繰り返して、異なる距離で液体レンズを較正することができる。
本明細書に開示の一部の較正技術は、電気制御システムを使用して(例えば、対象を撮像せずに、及び/又は画像処理を実行せずに)液体レンズを較正することができる。一部の実施形態において、最終的に、液体レンズと共に使用することができるカメラモジュールとは無関係に、液体レンズを較正することができる。図10Aは、液体レンズを較正するための例示的な方法1000を示すブロック図である。方法1000は、電気的試験に基づいて、1つ以上の較正パラメータを設定するステップを含むことができる。これ等の電気的試験は、本明細書において説明するように、液体レンズ内の流体界面の形状及び/又は位置を電圧の関数として示す、特定された静電容量の分析に基づくことができる。一部の実施形態において、これ等の電気的試験は、より簡単に自動化することができ、画像分析に基づく試験より、短時間で実施することができる。
ブロック1001において、複数の電圧を液体レンズに印加して、例えば、液体レンズの電極間に電圧差を発生させることができる。液体レンズは、本明細書に開示の図1A、1B、2A、2B、4A、及び4Bの液体レンズと同じ又は類似のものであってよい。一部の実施形態において、液体レンズは、液体レンズの複数の領域に対応することができる複数の電極(例えば、図2Aの電極22a〜d)を含むことができる。較正中、複数の電極(例えば、電極22a〜d又は417a〜d)の各々に、同じ電圧を印加することができる。液体レンズに印加する電圧は、直流(DC)電圧又は(例えば、本明細書に記載のパルス幅変調(PWM)を使用した)交流(AC)実効(RMS)電圧であってよい。一部の実施形態において、一定の範囲の電圧で液体レンズを横断して掃引することができる。一定の範囲は、例えば、−40V〜+40V、0V〜45V、10V〜75V等を含むことができる。一部の実施形態において、電圧は、高電圧から低電圧(たとえば、75Vから10Vに減)又は低電圧から高電圧(例えば、10Vから75Vに増)に掃引、あるいは別の方法で変化させることができる。電圧は、範囲全体にわたって連続的に変化させることも、範囲全体にわたって漸増することもできる。一部の実施形態において、分析特性が得られるまで電圧を変更することができる。一部の実施形態において、電圧を増加開始させ、容量応答が飽和点に達したという判定に応じ停止させることができる。印加した電圧の少なくとも一部は、(例えば、流体界面の位置を駆動することによって)液体レンズの焦点距離を変化させることができる。
ブロック1003において、複数の電圧における流体界面位置を示す値が特定される。例えば、本明細書において説明したように、液体レンズの電極の電荷量の指示を測定又は監視することができる。一部の実施形態において、本明細書において(例えば、図4A、4Bに関連して)説明したように、レンズセンサーは、液体レンズ内の流体と電極との間の静電容量を示す電圧値を出力することができる。流体界面位置を示す値は、例えば、図4A及び/又は図4Bに示すシステムを使用して特定することができる。
ブロック1005において、流体界面位置を示す値を分析することができる。この分析は、傾斜の取得、遷移電圧値の取得、実質的に線形領域の取得、及び/又は飽和電圧値の取得の任意の組み合わせを含むことができる。これ等の分析特性は、図11A、11Bに関連して、本明細書で更に説明する。
ブロック1007において、1つ以上の較正パラメータを設定することができる。較正パラメータは、ブロック1005における分析に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。較正パラメータは、ブロック1001において印加した複数の電圧及び/又はブロック1003において特定した値に、少なくとも部分的に基づいて決定することができる(例えば、ブロック1005を省略することができる)。一部の実施形態において、1つ以上の較正パラメータを設定するステップが、ルックアップテーブルに(例えば、液体レンズが対象焦点距離となるようにするために液体レンズに印加する電圧)を入力するステップを含むことができる。例えば、移行点に関連する電圧値が(例えば、本明細書において説明するように)第1のジオプター値又は第1の焦点距離(例えば、最小ジオプター値又はゼロジオプター値)に対応するように、ルックアップテーブルに入力することができる。一部の実施形態において、較正パラメータを設定するステップが、未較正の電圧量に対し加算又は減算するオフセット電圧を設定するステップを含むことができる。1つ以上の較正パラメータを設定するステップが、レンズの焦点を制御する1つ以上の制御アルゴリズムを変更するステップ、又は(例えば、要求された焦点距離を液体レンズの駆動電圧にマッピングする)式を設定するステップを含むことができる。その後、動作中において、(例えば、カメラモジュールによって)液体レンズが指定された焦点距離を提供するように要求された場合、式を適用して、液体レンズを駆動する電圧を特定して、指定された焦点距離を実現することができる。一部の実施形態において、ルックアップテーブルは、液体レンズの駆動電圧を取得するアルゴリズムの適用よりも速く機能することができる。一部の実施形態において、1つ以上の較正パラメータは、液体レンズの動作範囲(例えば、動作電圧範囲)の開始点及び/又は終了点を含むことができる。液体レンズの焦点距離に影響を与える製造上のばらつきを考慮して、1つ以上の較正パラメータを設定することができる。一部の実施形態において、ゲイン及び/又はオフセットは、図11A、11Bに関連して説明するように、移行点及び/又は飽和点における静電容量を示す特定された値、及び/又は特定された傾斜に少なくとも部分的に基づいて設定することができる。一部の実施形態において、(例えば、静電容量応答に基づいて)流体界面を示す値を使用して特定された傾斜を使用して、較正中の液体レンズに対し、電圧によってどのような焦点距離が得られるかを判定することができる。
図10Bは、液体レンズを較正するための例示的な方法1050を示すフローチャートである。ここで、様々な印加電圧(X軸)における、液体レンズ内の流体界面位置(Y軸)を示す例示的なグラフ1100を示す図11Aを参照する。Y軸の値は、本明細書において説明するように、レンズセンサーから出力される電圧であってよく、出力電圧は、電極と液体レンズ内の流体との間の静電容量を示している。曲線1102は、電圧をV0からVMaxまで掃引したときの(例えば、特定された静電容量に基づいた)流体界面の位置を示す例示的な一連の値を示している。曲線1102は破線で示してある。一部の実施例において、電圧は(例えば、曲線1102を示すための点と同様に)離散的な電圧間隔でインクリメントすることができる。一部の実施例において、範囲全体にわたって電圧を連続的に変化させることができる。第1の領域1104において、曲線1102は概して平坦である。領域1104において、液体レンズに対する印加電圧を変化させても、液体レンズの特定された静電容量は実質的に変化しない。第2の領域1106において、曲線は概して線形である。領域1106において、液体レンズに対する印加電圧を変化させると、流体界面の位置において略線形の応答(そして、例えば、液体レンズの特定された静電容量において、対応する略線形の応答)が生じる。第3の領域1108において、曲線1102は略平坦である。領域1108において、液体レンズに対する印加電圧を変化させても、(例えば、電極と流体によって形成された実効コンデンサが実質的に飽和するため)液体レンズの特定された静電容量は実質的に変化しない。領域1108において、より多くの電圧を印加しても、液体レンズが飽和限界に達しているため流体界面は実質的に移動しない。第1の領域1104から第2の領域1106への移行部は、液体レンズの流体界面の静止位置に対応することができる。一部の実施形態において、第1の領域1104から第2の領域1106への移行部は、液体レンズが屈折力を有していない状態(例えば、ゼロジオプター状態)に対応することができ、第2の領域1106全体にわたり、より多くの電圧が印加されるにつれ、屈折力は直線的に増加することができる。その後、第2の領域1106と第3の領域1108との移行部において最大の屈折力に達することができる。
図10B及び11Aに関し、ブロック1051において、(例えば、第1の領域1104において)液体レンズに第1の電圧V1を印加して、図11Aの点1110で示し得る、対応する第1の値を決定することができる。ブロック1053において、(例えば、第2の領域1106において)液体レンズに第2の電圧V2を印加して、図11Aの点1112で示し得る、対応する第2の値を決定することができる。ブロック1055において、(例えば、第2の領域1106において)液体レンズに第3の電圧V3を印加して、図11Aの点1114で示し得る、対応する第3の値を決定することができる。ブロック1057において、第2及び第3の値に基づいて、傾斜を決定することができ、傾斜は図11Aの線1116によって示すことができる。
ブロック1059において、移行電圧VTを決定することができる。移行電圧VTは、第1の領域1104と第2の領域1106との間の移行における電圧であってよい。例えば、決定された傾斜及び第1の値に基づいて、移行点1118を決定することができる。移行点1118は、特定された傾斜を有する線1116と第1の値を通過する水平線1120との交点であってよい。移行点1118に対応する電圧が、移行電圧VTであると決定することができる。移行点1118を実際にプロットせずに、計算を行って移行電圧VTを決定することができる。例えば、数式を使用して線1116及び1120を示すことができ、交点の電圧値を計算することができる。一部の実施形態において、範囲の少なくとも一部にわたって電圧を掃引して値を監視し、略平坦な第1の領域1104と略線形の傾斜した第2の領域1106との間の移行位置を特定することによって、移行電圧VTを決定することができる。例えば、V0から開始して、電圧を上げることができ、第1の領域1104の幾つかの電圧値でフロア値1122を確立することができる。移行電圧VTは、フロア値1122を閾値量だけ上回る、対応値を生成する電圧であると決定することができる。一部の実施形態において、更なる近傍の電圧の更なる値を使用して、閾値を超える値がノイズ又はエラーによるものではないことを確認することができる。移行電圧VTを決定する様々な別の方法を使用することができる。
ブロック1061において、1つ以上の較正パラメータを設定することができる。1つ以上の較正パラメータは、決定された傾斜及び/又は決定された移行電圧VT又は移行点1118に少なくとも部分的に基づいて、決定することができる。例えば、決定された傾斜は、液体レンズのゲイン較正用として使用することができ、及び/又は移行電圧VTは、液体レンズのオフセット較正用として使用することができる。一部の実施形態において、1つ以上の較正パラメータを設定するステップが、本明細書において説明した、ルックアップテーブルに値を入力するステップ、式を決定するステップ、又はアルゴリズムを修正するステップを含むことができる。移行電圧VTは、液体レンズを駆動するための最小電圧としてルックアップテーブルに設定、又は液体レンズの最小駆動電圧の決定に使用することができる。
一部の実施形態において、更なる印加電圧に対する更なる値を取得し、較正に使用される電圧と値が、予想した領域にあることを判断又は確認することができる。傾斜は、2つの点ではなく、3つ以上の点に基づいて取得することができる。一部の実施形態において、曲線フィッティング操作を実行して、曲線1102の点の少なくとも一部に適合する数学方程式(例えば、多項式)を取得することができる。曲線フィッティング操作は、第2の領域1106の液体レンズ応答が非線形である実装形態、又は第2の領域1106の端部の移行部により良く適合する実装形態に有益であり得る。
一部の実施形態において、移行電圧VTと同様に、飽和電圧VSを取得することができる。液体レンズに第4の電圧V4を印加して、対応する第4の値を取得することができ、これは図11Aの点1124で示すことができる。飽和移行点1126は、傾斜を有する線1116が点1124を通して延びる水平線1128と交差する位置であると決定することができる。飽和電圧VSは、飽和移行点1126における駆動電圧値であってよい。飽和電圧VSは、液体レンズを駆動する最大駆動電圧として使用(又は決定に使用)することができる。
図11Bは、液体レンズの駆動に使用された入力電圧に対する応答として(例えば、特定された静電容量を使用して)流体界面の位置を示す例示的な値のグラフである。X軸は、例えば、直流(DC)電圧であってよい印加電圧を示している。Y軸は、電極と液体レンズ内の液体との間の静電容量に対応し、液体の界面位置を示すことができるセンサーの出力値を示すことができる。曲線1101は、液体レンズに印加された電圧が、負電圧−V〜正電圧+Vの範囲のときに取得された静電容量の指示を示している。
製造部品のばらつきは、図11Bの曲線1101及び図11Aの曲線1102の1つ以上の特性に影響を与え得る。例えば、一部又はすべての曲線が左又は右にシフト、曲線の特定の部分の傾斜が変化、及び/又は曲線の様々な部分が他の部分に対し左、右、上、又は下にシフトする可能性がある。例として、より厚い絶縁層(例えば、パリレン層)は、移行電圧VTを増加させ、液体レンズの駆動に追加の電圧が必要になる可能性がある。より厚い絶縁層は、第2の領域1106又は曲線1102全体を右にシフトする可能性がある。図11Aに関連して説明した特徴は、概して、図11Bにも適用することができる。一部の実施形態において、液体レンズは正電圧又は負電圧で駆動することができ、正電圧と負電圧の両方に対して較正を行うことができる。
破線1105は、静電容量のフロア又は最小指示を示している。図11Bの実施形態において、静電容量のフロア指示は、0V点付近の電圧範囲で発生し得る。例示的な実施形態において、フロア領域の中点が、たまたまゼロ電圧の位置と一致している。しかし、別の実施形態では、製造上のばらつきによって、フロア領域の中点がゼロボルト以外の位置で発生し得る。従って、フロアを使用して較正値を決定することができる。(例えば、本明細書において説明する、最大ドライバー電圧を決定するために)同様の原理をシーリングに適用することができる。一部の実施形態において、カメラのユーザーインターフェースは、要求された焦点距離が、液体レンズによって提供される最大屈折力を超える場合、それをユーザーに表示することができる。カメラは、最大ドライバー電圧値を使用して、ドライバーが最大ドライバー電圧より高い電圧で液体レンズを駆動しようとするときに生じ得る、電力の浪費を回避することができる。また、本書で説明するように、最大ドライバー電圧が分かっている場合、制御分解能を使用可能な電圧範囲により適切に割り当てることができる。
図11Bにおいて、破線1107及び1109は、曲線1101が実質的に線形に振る舞う電圧範囲(V1〜V2)を示している。一部の実施形態において、これ等の値V1及びV2は、レンズ調整のための最小及び最大動作範囲の設定に使用することができる。特に実現を容易にするために、線形領域で動作する制御システムの設計することには利点がある。一部の実施形態において、V1は、静電容量及び/又は第1の焦点距離の第1の指標に関連付けることができ、V2は、静電容量及び/又は第2の焦点距離の第2の指標に関連付けることができる。これ等の測定値は、1つ以上のコントローラ、ルックアップテーブル、オフセット量、又はその他の較正値の較正に使用することができる。製造上のばらつき(パリレン層の厚さの違い等)によって、線形領域が左又は右にシフトし得る。
曲線1101の線形領域は傾斜を有している。一部の実施例において、製造上のばらつきが傾斜に影響を与え得る。傾斜値は、電圧の変化に応じて焦点距離がどのように変化するかを示す。従って、線形領域の傾きに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の較正値(ゲイン等)を決定することができる。
一部の実施例において、フロア値は、0Vに近い電圧を供給し、静電容量の表示を測定することによって決定することができる。一部の実施形態において、傾斜は、線形領域内の任意の位置に2つ以上の異なる電圧を供給し、対応する静電容量の表示を測定し、傾斜を特定することによって決定することができる。従って、3つ以上の異なる電圧を供給することによって、フロア及び傾斜を決定することができる。
点1111は移行点を示している。移行点1111は、静電容量(及び対応する焦点距離)が電圧の増加に実質的に反応し始める点を示すことができる。一部の実施形態において、点1111は、例えば、曲線1101が、フロアからの閾値差量を超えたとき、曲線の傾斜が、閾値傾斜量を超えたとき、又は曲線が安定した傾斜を有し、曲線1101の実質的に線形な部分の開始が識別できるときに決定することができる。
点1113は飽和点を示している。飽和点は、静電容量が漸近的に飽和し始める点であり、電圧の増加による焦点距離の変化が漸近的に減少する点である。これは、例えば、実効コンデンサが飽和したときに生じ得る。飽和点は、例えば、線形領域の傾きと比較して線の傾きが特定の量だけ変化したとき、線の傾斜が最小傾斜量を下回ったとき、及び/又は曲線1101がシーリング値の最小範囲に入ったときに決定することができる。
製造上のばらつきが、移行点1111及び飽和点1113の位置に影響を与え得る。一部の実施形態において、点線1107及び1109がどのように使用できるかというのと同様に、移行点1111及び/又は飽和点1113を使用して、液体レンズを較正することができる。例えば、対応する印加電圧値(例えば、線1107のV1及び線1109のV2)を使用して、液体レンズの較正に対するドライバー電圧の境界を定義することができる。一部の実施形態において、点1111及び1113が、それぞれの線1107及び1109上に位置することができる。
一部の実施形態において、(例えば、液体レンズの印加電圧が増加するにつれ、応答が漸近的にシーリング値に近づき)、液体レンズの静電容量が、電極の印加電圧が増加しても実質的に変化しなくなったとき最大レンズ曲率が決定される。従って、最大レンズ曲率を実現するための最大印加電圧は、V2、点1113、曲線V2と点1113との間の点、及びシーリングのうちの任意の1つ又は任意の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
図11Bの点は、グラフの正側にラベル付けされているが、右側の較正に加えて、代わりに、グラフの負側で点を取得及び分析することができる。
一部の実施形態において、プロセッサ(図3Bのマイクロプロセッサ及び/又は設定&フィードバックコントローラ303等)によって、液体レンズを較正することができる。プロセッサは、例えば、液体レンズの組立後、製造試験中、オンデマンド、液体レンズを含むシステムを始動する都度(例えば、液体レンズを含むカメラシステムをオン又は始動する都度)、定期的(例えば、数分、数時間、数日毎)、一定時間使用した後(例えば、設定した時間カメラを使用した後)、又は別の時間に、較正を開始することができる。例えば、一部の実施形態において、図3Bの設定&フィードバックコントローラ303が、差動電圧信号を電圧範囲にわたって掃引させ、出力電圧を分析させ、分析に基づいて較正設定(例えば、ルックアップテーブル、ゲイン、オフセット等)を設定させる制御信号を生成することができる。場合により、液体レンズの特性が経時変化し、較正が期限切れになっている可能性がある。例えば、絶縁層(例えば、パリレン)が古くなると、誘電特性が経時変化する可能性があり、印加電圧によって生じる流体界面の位置に影響を与える可能性がある。従って、(例えば定期的に)液体レンズを再較正することが有益であり得る。液体レンズを操作するコントローラは、液体レンズを較正するように構成することもできる。再較正を自動化して、ユーザー入力を必要としないようにすることができる。
一部の実施形態において、外部の試験装置を使用して、較正及び試験を実施することができる。例えば、図3Bに示すように、外部試験装置が供給する電圧によって、タイミングコントローラ305、信号発生器307、増幅器309、及び/又は電極に入力が供給される。一部の実施形態において、電荷センサー313、設定&フィードバックコントローラ303、及び/又は外部試験装置も使用して、静電容量の指標の測定及び分析を行うことができる。分析に基づいて較正を実行することができる。一部の実施形態において、図3Bに示すシステムの任意の部分に試験装置を接続して、入力の提供及び出力の読み取りを行うことができる。液体レンズ製品の操作に使用されるコントローラとは別の較正システムを液体レンズの較正に使用することによって、より単純に動作するコントローラを使用することができる。
制御分解能
一部の実装形態において、動作電圧範囲で動作するように、液体レンズを構成することができる。例えば、液体レンズの物理的特徴(例えば、パリレン等の絶縁材料の厚さ、液体レンズのサイズ、電極材料、チャンバーの形状、使用流体等)が、様々な印加電圧に対する流体界面の応答方法に影響を与え得る。異なる物理的特徴を有する液体レンズは、異なる動作電圧範囲を有し得る。例えば、第1の液体レンズは、10V〜50Vの動作電圧範囲で電圧が変化するとき、液体レンズの焦点距離が変化するように構成することができる。しかし、液体レンズの焦点距離は、その動作電圧範囲外の電圧変化には実質的に反応しない。例えば、電圧が50Vから60Vに上げたと仮定した場合、流体界面はそれに応じて実質的に移動しない。例を続けると、第2の液体レンズは異なる構成(例えば、異なる絶縁層の厚さ)を有することができ、20V〜80Vの範囲で電圧を調整したとき、液体レンズの焦点距離が変化するが、第2の液体レンズの焦点距離は、その動作範囲外の電圧変化に実質的に応答しない。
液体レンズは、規定量の制御分解能を有するコントローラと共に使用することができる。例えば、コントローラは、8ビット、10ビット、12ビット、14ビット、16ビット等の制御分解能を有することができる。制御分解能は、コントローラが液体レンズを駆動するための電圧をどれだけ細かく調整できるかを決定することができる。場合により、液体レンズの動作電圧範囲とは異なる電圧範囲にわたって、制御分解能を適用するようにコントローラを構成することができる。前述の例を続けると、コントローラは、12ビットの制御分解能で、0V〜100Vの範囲を有することができる。この例示的なコントローラを、(例えば、10V〜50Vの動作電圧範囲を有する)本例の第1の液体レンズに使用したと仮定すれば、0V〜10Vの間、及び50V〜100Vの間において、電圧調整のために割り当てられる制御ビットは無駄になるであろう。コントローラは、12ビットより遥かに低い実効制御分解能を有することになるであろう。本例の第2の液体レンズをこのコントローラと共に使用したと仮定すれば、実効制御分解能は、第1の液体レンズの場合よりも幾分良くなるが、20V未満及び80Vを超える制御分解能が無駄になるため、第2の液体レンズの実効制御分解能も、コントローラの12ビットの能力より低くなるであろう。
本明細書に開示の一部の実施形態は、コントローラの制御分解能が、液体レンズの動作電圧範囲により密接にマッピングされるように、液体レンズシステムを調整することに関連している。一部の実施形態において、コントローラは、複数の動作範囲を有することができ、使用する動作範囲の1つが選択されるように、コントローラを調整することができる。前述の例を続けると、コントローラは、12ビットの制御分解能と、(1)0V〜30V、(2)10V〜50V、(3)25V〜75V、及び(4)20V〜100Vの4つの選択可能な動作範囲を有することができる。(例えば、10V〜50Vの動作電圧範囲を有する)第1の液体レンズに対し、コントローラ範囲番号(2)を選択することができる。12ビットの制御分解能が、10V〜50Vの電圧範囲に割り当てられる。液体レンズの動作電圧範囲が、選択されたコントローラ範囲と同じであるため、液体レンズの制御に、全12ビットの制御分解能が使用可能である。
第2の液体レンズについて、本例の4つの選択可能なコントローラ範囲は何れも20V〜80Vの動作電圧範囲に一致しない。ここで、コントローラ範囲番号(3)又は(4)を選択して、第2の液体レンズに使用することができる。コントローラ範囲番号(3)が選択された場合、12ビットの制御分解能が、25V〜75Vの電圧範囲に割り当てられることになるであろう。従って、コントローラは、第2の液体レンズの動作電圧範囲の20V〜25V及び75V〜80Vの部分を使用することはできない。しかし、25V〜75Vの間だけではあるが、全12ビットの制御分解能を液体レンズの制御に使用することができる。あるいは、第2の液体レンズに使用するために、コントローラ範囲番号(4)が選択された場合、12ビットの解像度が20V〜100Vの電圧範囲に割り当てられる。その結果、コントローラは、20V〜80Vの全動作電圧範囲を使用することができるが、80V〜100Vに割り当てられた制御分解能が使用できないため、使用可能な制御分解能は、12ビットより幾分低くなるであろう。このように、本例において、ユーザーは、より狭い範囲で液体レンズをより正確に制御できる制御範囲(3)と、液体レンズの全範囲を使用するが、精度が低くなる制御範囲(4)との間で選択することができる。
一部の実施形態において、コントローラは、前述の例のように、事前に規定された選択可能な幾つかの離散的制御範囲を有することができる。コントローラは、2、3、4、6、8、12、16、20、30、50、それ以上の選択可能な範囲、これ等の間の任意の値、又はこれらの値の任意の組み合わせによって区切られた任意の範囲を有することができる、但し、一部の実装形態において、これ等の範囲外の値を使用することができる。
一部の実施形態において、コントローラの制御範囲は、選択ではなく、指定することができる。例えば、最小電圧及び最大電圧を指定することができ、コントローラはその指定された範囲に制御分解能を割り当てることができる。前述の例の第1の液体レンズを使用すると、コントローラに最小電圧10Vと最大電圧50Vを与えることができ、コントローラはその10V〜50Vの範囲にわたり、その制御分解能(この例では12ビット)を割り当てるであろう。前述の例の第2の液体レンズに関し、コントローラに最小電圧20Vと最大電圧80Vを与えることができ、コントローラは20V〜80Vの範囲にわたり制御分解能(この例では12ビット)を割り当てるであろう。場合により、許容範囲の指定電圧範囲に対応するようにコントローラを構成することができる。例えば、コントローラは、0V〜100Vの許容範囲の指定電圧範囲に対応するように構成することができる。従って、本例において、コントローラは、10V〜50V、及び20V〜80Vの指定範囲は使用可能であるが、40V〜120Vの指定範囲は使用することができない。
一部の実施形態において、指定された範囲は、本明細書の別の場所で説明されているような製造上のばらつきを補償することができる。例えば、絶縁層の目標厚が1.7マイクロメートルの液体レンズを製造することができる。しかし、製造公差によって、実際の絶縁層の厚さは、液体レンズ毎に異なる量だけこの目標厚と異なる場合があり得る。本明細書において説明したように、液体レンズを較正して、(少なくとも、図10B及び11Aに関連して説明したように)、パリレン又は他の絶縁層のばらつき等の製造上のばらつきを考慮した最小動作電圧と最大動作電圧を経験的に決定することができる。これ等の最小及び最大動作電圧値をコントローラに与えて、コントローラの動作範囲を指定することができる。
一部の実施形態において、最小動作電圧及び最大動作電圧のどちらか一方のみを指定することができ、他方はコントローラで設定され変更することができない。一部の実施形態において、コントローラの動作範囲を動的にすることができる。例えば、システムが、定期的な較正手順を実行するように構成されている場合、(絶縁層の誘電率が経時変化して、液体レンズの最小及び/又は最大動作電圧が変化する場合等において)コントローラの動作範囲を更新することができる。
図12Aは、液体レンズシステムを較正する例示的な方法1200を示す図である。液体レンズは、例えば、図1A、図1B、図2A、図2B、図4A、及び/又は図4Bに示す液体レンズ、又は任意の別の適切な液体レンズであってよい。
ブロック1201において、液体レンズに複数の較正試験電圧を印加する。
ブロック1203において、較正電圧に反応し、構成要素のサイズ変動の影響を受ける、液体レンズの1つ以上の特性を測定することができる。
ブロック1205において、1つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、動作電圧範囲を決定することができる。動作電圧範囲は、第1の電圧値から第2の電圧値に及ぶことができる。一部の実施形態において、第1の電圧値は、図11Aの移行電圧VT、図11Bの電圧V1、点1111に関連する電圧、及び/又は任意の移行電圧であってよい。一部の実施形態において、第2の電圧値は、図11Aの飽和電圧VS、図11Bの電圧V2、点1113に関連する電圧、及び/又は任意の移行電圧であってよい。電圧範囲は、設計及び/又は製造上ばらつきの差に基づいて異なり得る。一部の実施形態において、美ロック1201、1203、及び1205は、ブロック1201、1203、および1205は、方法1000及び/又は方法1050の一部と同様に実行することができる。
ブロック1207において、液体レンズの動作電圧範囲にわたって電圧を生成するように、電圧発生器を構成することができる。電圧範囲(例えば、ブロック1205において、液体レンズに対して決定したのと同じ動作電圧範囲)をコントローラに指定することができる。一部の実施形態において、事前に規定された複数の動作電圧範囲の中の(液体レンズの動作範囲に最適な)1つを選択することができる。電圧発生器は、例えば、図3Bに示す信号発生器307及び/又は増幅器309を含むことができる。一部の実施形態において、図3Bのタイミングコントローラ305は、タイミングコントローラが、信号発生器に対する位相シフト制御信号を生成するとき、電圧発生器の一部として機能する。一部の実施形態において、電圧発生器は、(例えば、様々なビットの)入力信号を受信し、(例えば、ビット配列の異なる)様々な入力信号に基づいて、様々な(非ゼロ)電圧出力を生成する。一部の実施形態において、複数のプリセットされた較正プロファイルの中から選択するように、電圧発生器及び/又はルックアップテーブルを構成することができる。
ブロック1207の一部の実装形態において、電圧発生器は、制御信号の設定範囲に応じて、設定範囲の出力を供給する。コントローラ(例えば、図3Bのマイクロプロセッサ315)が、電圧発生器に制御信号の範囲を与えて、電圧発生器に動作範囲の電圧を生成させる。コントローラは、制御信号の範囲を、電圧発生器に動作範囲の電圧を生成させる信号に制限することができる。
ブロック1207の一部の実装形態において、信号発生器の全制御範囲を、動作範囲に対応するように構成することができる。例えば、信号発生器は制御信号によって制御され、制御信号は一連の制御値を有している。信号発生器は、制御信号の最小値が電圧発生器に第1の電圧を発生させ、制御信号の最大値が電圧発生器に第2の電圧を発生させるように構成されている。これは、例えば、電圧発生器が出力する最小又は最大電圧の1つが第1又は第2の電圧になるようにオフセット電圧を追加し、最小又は最大電圧出力の他方が、第1又は第2電圧の他方になるように、電圧発生器のゲインを調整することによって実現することができる。かかる実装形態は、電圧発生器が制限された分解能の制御信号に対応するとき、出力分解能の使用をより効率的にする。電圧発生器が、制御範囲が制限された制御信号に基づいて、電圧を生成する場合、全制御範囲(例えば、デジタル実装形態における全ビット分解能)によって、電圧発生器が動作範囲を生成する。
図12Bは、液体レンズシステムを較正する例示的な方法1250を示す図である。ブロック1251において、液体レンズが用意され、本液体レンズは動作電圧範囲を有することができる。例えば、液体レンズは、25V〜60Vの動作範囲を有するように設計することができるが、製造公差(パリレン又は別の絶縁層のばらつき等)により、26V〜58V動作範囲を有し得る。一部の実施形態において、本明細書において説明したように、動作電圧範囲は経験的に決定することができる。一部の実施形態において、本方法において使用する動作電圧範囲は、製造上のばらつきを考慮しない、設計パラメータに基づくことができる。例えば、前述の例を使用すると、使用動作電圧範囲は25V〜60Vであってよい。
ブロック1253において、液体レンズをコントローラに接続することができる。コントローラは、ドライバー、信号発生器等を有し、液体レンズを操作することができる。ブロック1255において、本明細書の例において説明したように、液体レンズの動作電圧範囲に基づいて、コントローラの動作電圧範囲を設定(例えば、選択又は指定)することができる。コントローラは、その制御分解能(例えば、8ビット、16ビット等)を設定された動作範囲に割り当てることができる。本明細書において説明したように、幾つかのプリセット範囲から範囲を選択するか、又は(例えば、液体レンズの電圧動作範囲と同じになるように)範囲を指定することができる。従って、液体レンズの絶縁層(例えば、パリレン層)の厚さに少なくとも部分的に基づいて、コントローラの動作電圧範囲を決定することができる。
本明細書に開示の較正方法は、複数の電圧を印加するステップを含む方法を開示している。これ等の電圧は、液体レンズの電極に印加することができる。一部の実施形態において、これ等の電圧は、複数の電極に、同時、順次、又は異なる組み合わせで印加することができる。
本明細書に開示の較正方法は、外部試験装置によって、又は試験を行うハードウェアをカメラに内蔵することによって実行することができる。様々な実施形態において、較正は、製造中、カメラの電源投入に応じ、又は一定量(例えば、指定された使用時間)使用した後に定期的に実行することができる。
較正の実施例
ルックアップテーブルと電圧発生器を備えたシステムを較正する更なる2つの例示的な方法が、図13A及び13Bに関連して開示されている。図13Aは、較正に関連するシステムの例示的なダイアグラム1300Aを示す図である。ブロック1301において、異なる電圧の印加によって生じた静電容量の指示が測定及び分析される。例示的な分析は、図11A、11B 及び図12A、12Bに関連して説明されている。
ブロック1303において、分析に基づいて、焦点距離(一部の実施形態において、焦点距離をジオプター値で示すことができる)が決定され、ルックアップテーブルに入力される。図13Aの例示的な実施形態において、焦点距離がルックアップテーブル1305Aに入力される。例示的なルックアップテーブル1305Aとは異なることができる、様々な別の種類のルックアップテーブルを使用することができる。例えば、一部の実施形態において、ルックアップテーブルは、較正中に決定された屈折力及び電圧のリストを含み、リストされた屈折力を提供することができる。
ルックアップテーブル1305Aは、制御値、焦点距離、及び印加電圧の3つの対応する値を示している。制御値は、電圧発生器1307に対応する電圧を生成させる制御信号の値を示している。例えば、電圧発生器1307は、値00000の制御信号が与えられるとV1の電圧値を有する出力信号を生成し、値11001の制御信号が与えられると電圧値V2を有する出力信号を生成し、値11111の制御信号が与えられると、Vmaxの電圧値を有する出力信号を生成する等を実行する。
(図11A、11B、及び図12A、12Bに関連して説明したように)異なる電圧に対する静電容量の指示の分析に基づいて、ルックアップテーブルに焦点距離を入力及び/又は調整することができる。例えば、電極にV1の電圧値を印加するとAAAの焦点距離が生じ、V2の電圧値を印加するとZZZの焦点距離が生じ、Vmaxの更に高い電圧値を印加しても、(例えば、漸近効果のため)焦点距離は実質的にZZZのままであると決定することができる。
例示的な3列のルックアップテーブル1305Aは明瞭で理解し易いようにしたものである。一部の実施形態は2列のルックアップテーブルを実装することができる。例えば、ルックアップテーブルの一部の実施形態において、ルックアップテーブルの電圧の列を省略することができる。更に、例示的なルックアップテーブル1305Aは、デジタル制御信号(例えば、離散的な幾つかのビットで簡単に表される、図3Bの設定&フィードバックコントローラ303が供給するデジタル制御信号)を使用しているが、別の例ではアナログの制御信号(例えば、図3Bに関連して説明した位相シフト信号)を使用することができる。更に、一部の実施形態において、焦点距離は対応するジオプター値として示すことができることを認識されたい。
ブロック1309において、選択された焦点距離又は屈折力(例えば、Fselect)の要求を受信することができる。焦点距離は、例えば、制御インターフェースを介して、ユーザーが選択するか、撮像対象、測距装置から受信した距離信号等に基づいて、カメラモジュールによって選択することができる。焦点距離は、例えば、オートフォーカスセンサーによって選択することができる。
ブロック1311において、ルックアップテーブル1305Aを参照して、選択された焦点距離に対する制御値を取得することができる。制御機能は、例えば、図3に示すマイクロプロセッサ315又は設定&フィードバックコントローラ303によって実行することができる。
選択された焦点距離Fselectについて、ルックアップテーブルを参照することができる。ルックアップテーブルの関連付けは、対応する制御信号Ccorrによって、電圧発生器が、電圧Vselectを生成し、電極にVselectを印加することによって、液体レンズの流体界面が、選択された焦点距離を実現する形状に湾曲することを示している。
対応する制御信号が電圧発生器に与えられる。一部の実施形態において、制御信号は、例えば、図3に示すマイクロプロセッサ315によって生成される。
図13Aのルックアップテーブル1305Aの焦点距離は、液体レンズにそれぞれの焦点距離を実現させる電圧に対応するように入力されていることに留意されたい。例えば、V1〜Vmaxの範囲の値を有する電圧を出力するように、電圧発生器を構成することができる。しかし、ブロック1301における分析に基づいて、V1〜V2の範囲の電圧を印加すると、焦点距離は実質的に線形に変化し、V2を超えると焦点距離が実質的に飽和することを確認することができる。従って、11011〜11111までの任意の制御値によって、焦点距離ZZZは同一又は実質的に同様になる。この構成はプログラミングがより簡単になる。しかし、例示的な電圧発生器の全5ビットの分解能が、完全には使用されない。
図13Bは、較正に関連するシステムのダイアグラム1300Bを示す図である。ブロック1301、1309、及び1311は、図13Aに示すものと同様である。図13Bにおいて、ブロック1303は、ルックアップテーブル1305Bが異なるように入力され、電圧発生器1307が異なるように構成される。ルックアップテーブル1305Bに対し、動作範囲V1〜V2の印加電圧が、制御値の全分解能に及ぶように入力することができる。これにより、例えば、電圧発生器の出力分解能が固定されている実施形態において、より細かい分解能が可能になる。
制御値00000によって、電圧発生器に最低電圧V1を生成させることによって、液体レンズに最小焦点距離Fminが設定される。制御値11111によって、電圧発生器に最高電圧V2を生成させることによって、液体レンズに最大又は略漸近焦点距離Fmaxが設定される。電圧発生器は、1/(全ビット数^2)の増分で、電圧出力の分解能全体をステップスルーする。従って、焦点分解能を向上させることができる。
例示的な3列のルックアップテーブル1305Bは、明瞭で理解し易いようにしたものである。例えば、ルックアップテーブルの制御値は、明瞭で理解し易いように示されているが、ルックアップテーブルの実際のメモリ実装では省略することができる。更に、本例では、離散的な幾つかのビットで簡単に表されるデジタル制御信号を使用しているが、別の例ではアナログ制御信号(例えば、図3Bに関連して説明した位相シフト信号)を使用することができる。更に、一部の実施形態において、焦点距離は対応するジオプター値として示すことができることを認識されたい。
電圧発生器1307は、ゲイン及びオフセットを較正するか、別の適切な較正パラメータを使用して較正することができる。例えば、電圧発生器の較正によって、制御信号00000に応じて最小出力電圧値がV1になり、制御信号11111に応じて最大出力電圧値がV2になり、00000〜11111間の対応する制御信号に基づいて、V1〜V2間の出力電圧がもたらされる。電圧発生器の全分解能を使用することができる。ゲイン及びオフセットは、ブロック1303において行われた分析及び/又はルックアップテーブル1305Bの設定に少なくとも部分的に基づくことができる。
一部の実施形態において、電圧発生器のゲインは、線形領域の傾斜に少なくとも部分的に基づいて、較正することができる。一部の実施形態において、電圧発生器の1つ以上のオフセットは、静電容量のフロア指示に基づいて較正することができる。一部の実施形態において、最小及び最大電圧値V1及びV2は、図11に示すV1及びV2(及び/又は同様の移行点)に基づくことができる。
一部の実施形態において、ゲインは、例えば、増幅器309等の増幅器のゲインを設定することによって設定することができる。一部の実施形態において、ゲインは、異なるバイアス又は供給電圧を供給することによって設定することができる。一部の実施形態において、オフセットは、電圧分圧器、電圧加算器、可変抵抗器等を使用して設定することができる。
消費電力の削減
液体レンズシステムは、パルス幅変調(PWM)を使用して液体レンズを駆動することができる。例えば、図4Aの実施形態において、電圧パルスは、電極417a〜d及び(例えば、液体レンズ内の流体と電気的に連通することができる)共通電極に印加される。本明細書において説明したように、位相遅延を導入して、共通電極と4つの象限電極417a〜dとの間に印加される電圧のパルス幅を変調することができる。別の適切なPWM技術を使用することができる。様々に異なる数の電極を使用することができる。従って、コントローラ及び/又は信号発生器は、パルス幅変調を使用して(例えば、液体レンズの流体界面を制御するために)液体レンズに異なるRMS電圧を印加することができる。
図4Aの例示的な実施形態において、5kHzの搬送周波数(例えば、切替周波数)を使用することができる。波形生成器403は、毎秒5,000回繰り返す電圧パルス信号を生成することができる。0.5kHz〜50kHz、1kHz〜20kHz、又は2kHz〜10kHzの範囲等、別の様々な適切な搬送周波数(例えば、切替周波数)を使用することができる、但し、一部の実装形態では、この範囲外の値を使用することができる。搬送周波数は、液体レンズの応答時間より速くてよく、例えば、液体レンズは、パルス幅変調に使用される電圧パルスではなく、結果として得られるRMS電圧によって駆動される。
一部の実施例において、搬送周波数が高い程、液体レンズを使用して生成される画像の画質がより向上する。制御システムは、本明細書において説明するように、搬送周波数に基づいてフィードバック制御情報を利用することができる。従って、搬送周波数が高い程、
電圧を調整して、液体レンズ内の流体界面を正確に配置するために利用することができる情報が、フィードバック制御システムによって与えられる頻度がより高くなる。これは、特に光学画像の安定化に役立つ。例えば、図2Bに関連して説明したように、電極(例えば、電極22a〜d)の電圧を制御して、流体界面の光軸を長手軸28からオフセット角だけ傾斜させることができる。光学式手ぶれ補正機能は、より高い搬送周波数を使用して、より適切に動作することができる。例として、2kHzと比較して、10kHzの搬送周波数は、コントローラに5倍速くフィードバックを与えることができるため、10kHzの実施形態は、液体レンズの手ぶれ及び他の動きに対し、より迅速に応答することができる。これによって、特にぶれ及び他の動きの際の撮像において、より高い搬送周波数の画像品質が向上する。
より高い搬送周波数を使用するシステムは、より多くの電力を消費し得る。例えば、切替速度を上げると、電力損失が大きくなり得る。切替電力損失の原因の1つは、トランジスタスイッチの状態が変化したとき、少量の電流が地面に流れる可能性があることである。特に電力が制限されているシステム(例えば、電源としてバッテリーで動作する装置)において、より低い搬送周波数を使用して電力消費を削減することが有益であり得る。携帯電話やタブレット等の一部の携帯電子機器にとって、バッテリーの電力を節約することが特に重要である。従って、液体レンズを含む一部のシステムにおいて、高い搬送周波数を使用して高品質の画像を生成することと、低い搬送周波数を使用して消費電力を削減することとの間に緊張関係が存在し得る。
本明細書に開示の一部の実施形態は、PWMに使用される搬送周波数を変更することができる液体レンズシステムに関連している。例えば、高品質の撮像を行うとき、及び/又は電力が豊富なとき(例えば、携帯電子機器が外部電源から給電されているとき)、システムはより高い搬送周波数を使用することができる。本システムは、低品質の撮像を行うとき、及び/又は電力が不足しているとき(例えば、バッテリー容量が低いか、節電モードが有効になっているとき)、低い搬送周波数を使用することができる。
図14は、液体レンズ1404を備えたカメラシステム1402を組み込んだ、携帯電子装置1400の例示的な実施形態を示すブロック図である。携帯電子装置は、携帯電話、タブレットコンピューティング装置、ラップトップコンピューター等であってよい。カメラシステム1402は、液体レンズ1404、1つ以上の固定レンズ1406、及び撮像センサー1408を備えることができる。カメラシステムコントローラ1410は、カメラシステム1402を操作することができる。例えば、本明細書で説明したように、コントローラ1410は、信号発生器1412を使用して、液体レンズ1404を駆動することができる。コントローラ1410は、画像を生成するための撮像センサー1408及び/又はカメラシステムの別の構成要素を操作することができる。一部の実施例において、コントローラ1410は、液体レンズコントローラ要素又はプロセッサ及び撮像センサーコントローラ要素又はプロセッサ等、複数のコントローラ要素又は複数のプロセッサを有することができる。
携帯電子装置1400は、携帯電子装置1400を動作させるように構成することができる装置コントローラ1414を備えることができる。装置コントローラは、カメラシステムコントローラ1410と通信し、カメラシステムコントローラ1410に撮像要求及び/又は撮像パラメータを供給したり、カメラシステム1402から捕捉画像を受信したりすることができる。一部の実施例において、コントローラ1410及び1414は、同じプロセッサを使用するか、複数のプロセッサを使用することができる。携帯電子装置1400は、メモリ1416を有することができ、メモリ1416は、捕捉画像の保存、並びにプロセッサによって実行され、装置1400の操作及び本明細書に開示の方法及び機能を実行することができる、コンピューター実行可能命令の記憶に使用することができる。ユーザーインターフェース1418を使用して、ユーザーからの入力の受信、及び/又はユーザーに対する情報の出力を行うことができる。ユーザーインターフェース1418は、ディスプレイ、タッチスクリーン、ボタン、スイッチ、ダイヤル、スピーカー、マイク、キーボード、又はユーザーから入力を受信するように構成された別のユーザー入力要素のうちの1つ以上を含むことができる。装置1400は、外部ソースからの情報の受信及び/又は出力するための入力出力インターフェース1420も有することができる。入力出力インターフェース1420は、無線通信装置(WiFi、Bluetooth(登録商標)、セルラー通信等)又は有線通信用ポート(USBポート等)を含むことができる。携帯電子装置は、バッテリー1422等の電源を有することができる。バッテリーは、カメラモジュール1402を含む、携帯電子装置1400に電力を供給することができる。信号発生器1412は、バッテリー1422から電力を受けて、液体レンズ1404を駆動することができる。一部の実施形態において、携帯電子装置1400に対する電力の供給、及び/又はバッテリー1422の再充電に使用することができる、外部電源(図示せず)に携帯電子装置1400を接続することができる。
図15は、異なる品質レベルの画像を生成する、方法1500の例示的な実施形態を示す図である。ブロック1502において、第1のPWM周波数(搬送周波数又は切替周波数等)を使用して液体レンズを駆動する。ブロック1504において、第1の品質レベルを有する1つ以上の画像を生成する。例えば、カメラシステム1410は、高品質レベルの1つ以上の画像の要求を受信することができる。例えば、携帯電話を使用して、静止画を全分解能で撮像することができる。コントローラ1410は、高レベルの撮像品質を得るために比較的高い搬送周波数であってよい、第1のPWM周波数で液体レンズ1404を駆動することができる。ブロック1506において、第1のPWM周波数と異なる第2のPWM周波数で液体レンズを駆動する。第2のPWM周波数は、第1のPWM周波数より低くてよい。ブロック1508において、第2の品質レベルを有する1つ以上の画像を生成することができる。第2の品質レベルは、第1の品質レベルより低い品質レベルであってよい。例えば、携帯電話を使用して、ビデオチャット機能画像を生成することができる。一部の実施形態において、カメラシステム1410は、ビデオ画像の要求を受信することができる。一部の実施形態において、携帯電話は、例えば、背面カメラの画像よりも低い画像解像度を有する)低品質の画像を生成するように構成された前面カメラを使用することができる。一部の実施形態において、画像要求は、低品質の撮像が許可又は望まれることを示す(例えば、圧縮又はストリーム画像に関する)画像パラメータを含むことができる。
一部の実施形態において、低搬送周波数は、0.5kHz〜5kHz、又は1kHz〜3kHzであってよい、但し、一部の実施例において、これ等の範囲外の値を使用することができる。一部の実施形態において、高搬送周波数は3kHz〜50kHz、又は5kHz〜15kHzであってよい、但し、一部の実施例において、これ等の範囲外の値を使用することができる。
図16は、1つ以上の画像を生成する、例示的な方法1600を示す図である。ブロック1602において、システムは、1つ以上の画像要求に関連する画像パラメータ及び/又は装置パラメータを受信することができる。ブロック1604において、画像パラメータ及び/又は装置パラメータに少なくとも部分的に基づいて、液体レンズのPWM周波数(例えば、搬送波又は切替周波数)を決定することができる。本明細書において、少なくとも図17に関連して、例示的な画像パラメータ、装置パラメータ、及び例示的な周波数の決定について説明する。ブロック1606において、システムは、決定されたPWM周波数を使用して、液体レンズを駆動することができ、ブロック1608において、1つ以上の画像を生成することができる。図16の方法1600は、多くの異なる画像又は画像グループについて、繰り返し実行することができ、異なる画像又は画像グループに対し、異なるPWM周波数を決定し、使用することができる。
図17は、例示的な画像パラメータ、装置パラメータ、及びPWM周波数(例えば、搬送波又は切替周波数)の決定に使用することができる他の考慮事項を示す図である。これ等の要素の任意の組み合わせを使用して、PWM周波数を決定することができる。システムは様々な入力に基づいて計算を行って、使用するPWM周波数を決定することができる。一部の実施例において、一部の要因が、より高いPWM周波数を決定付けることができる一方、別の要因が、より低いPWM周波数を決定付けることができる(例えば、バッテリー容量が低いときに高解像度の画像を捕捉する)。システムは、アルゴリズム、式、ルックアップテーブル、又は他の手法を利用し、1つ以上の要因に基づいて、PWM周波数を決定することができる。
一部の実施形態において、PWM周波数を決定する際、画質設定を利用することができる。たとえば、画像要求は、画像が可能な限り高い画質、低い画質、又はその間のある値を有するべきことを示す画像パラメータを含むことができる。一部の実施例において、低画像品質が望ましいことが有り得る。例えば、低品質の画像は、サイズが小さく、保存が容易であり、限られた帯域幅のチャンネルを介し(テキストメッセージ、ストリーミング等によって)送信することができる。一部の実施例において、画像が圧縮される予定であって、どのみち高画質が失われるため、低品質の画像で十分である。低品質の画質設定が指定されると、システムに影響を与えてより低いPWM周波数を選択し、高品質の画質設定が指定されると、システムに影響を与えてより高いPWM周波数を選択することができる。一部の実施形態において、装置コントローラは、例えば、画像の使用目的に基づいて、画質設定を決定することができ、その設定を撮像要求と共にカメラシステムに供給することができる。一部の実施形態において、カメラシステムが画質設定を決定することができる。一部の実施形態において、ユーザーが(例えば、携帯装置のユーザーインターフェースを使用して)画質設定を指定することができる。
一部の実施形態において、PWM周波数を決定する際、画像解像度を利用することができる。例えば、画像要求は、全解像度設定、低減解像度設定、画素数サイズ、全解像度の割合等、画像解像度パラメータを含むことができる。低解像度画像を捕捉する場合、低PWM周波数を選択することができる。例えば、解像度を下げると、捕捉される画像は、より高いPWM周波数を使用すればもたらされたであろう、追加の画質の一部又はすべてを失い得る。一部の実施例において、ビデオ画像は、静止画像より低い画像解像度を使用することができる。また、ビデオの1つのフレームも静止画像より低い画像解像度を有し得る。一部の実施形態において、静止画像の捕捉より低いPWM周波数をビデオイメージングに適用することができる。全解像度設定を有する画像を生成することができるが、例えば、画像に非可逆圧縮が適用される場合には、画像品質設定が下げられる。
一部の実施形態において、(例えば、表示画面に表示して、ユーザーがカメラの狙いを定めるのを支援する)プレビューとして使用する画像を生成することができる。プレビュー画像は、通常メモリに長期間保存さえることはない。一部の実施形態において、プレビュー画像は、例えば、後で使用するために捕捉されるのではなく、及び/又はリアルタイムでカメラの狙いを定めるのを容易にするために迅速に表示されるため、解像度又は画質が低下し得る。プレビュー画像は、より遅いPWM周波数が適用されるようにシステムに影響を与えることができる一方、保存される(例えば、後で使用又は鑑賞する)画像は、より高いPWM周波数を適用されるようにシステムに影響を与えることができる。
一部の実施例において、特定の画像要求に対し、光学式手ぶれ補正を有効又は無効にすることができる。例えば、ユーザーは、一部のシステム対しこの機能を有効又は無効にすることができる。画像に対し光学式手ぶれ補正が無効になっている場合、システムに影響を与えてPWM周波数を下げることができる。一部の実施形態において、システムは、撮像の種類、加速度計からの(例えば、カメラの揺動や動きの有無を示す)情報等に基づいて、光学式手ぶれ補正を有効にするか無効にするかを決定することができる。
一部の実施形態において、画像要求に使用されたアプリケーションに少なくとも部分的に基づいて、又は画像の使用目的に基づいて、PWM周波数を決定することができる。例えば、ビデオチャットアプリケーションからの画像要求は、低PWM周波数をトリガーすることができ、電話のカメラアプリからの静止画像は、より高いPWM周波数をトリガーすることができる。
一部の実施形態において、PWM周波数を決定する際、使用可能な電力量を使用することができる。バッテリーが殆んど消耗している場合、又は電力が不足している場合、より低いPWM周波数を使用するようにシステムに影響を与えることができる。バッテリー容量が略満杯の場合、又は電力が十分にある場合(例えば、装置が壁コンセント等の外部電源から電力を受けている場合)、高いPWM周波数を適用するようにシステムに影響を与えることができる。装置が節電モードに設定されている場合、低PWM周波数を使用するようにシステムに影響を与えることができる。
一部の実施形態において、コントローラ1010及び/又は信号発生器1012は、高PWM周波数(例えば、10kHz)又は低PWM周波数(たとえば2kHz)のいずれかで液体レンズを駆動するように構成することができ、システムは高周波数と低周波数から選択することができる。一部の実施形態において、コントローラ1010及び/又は信号発生器1012は、範囲全体にわたり、様々なPWM周波数をもたらすように構成することができる。例えば、システムは、第1の画像に対し5.5kHzのPWM周波数、第2の画像に対し2.6kHzのPWM周波数、第3の画像に対し3.1kHzのPWM周波数、等々を決定することができるであろう。
一部の実施形態において、PWM信号のスルーレートを変更するようにシステムを構成することができ、これを使用して消費電力を更に削減することができる。図18Aは第1のPWM周波数を有するPWM信号を示す図であり、図18Bは、第1のPWM周波数より低い第2のPWM周波数を有するPWM信号を示す図である。本例において、第2のPWM周波数は第1のPWM周波数の半分である。図18Bの第2のPWM周波数は、図18Aの第1のPWM周波数より消費電力が少なくて済む。図18A及び18Bにおいて、スルーレートが破線で示されている。低電圧から高電圧へ、又は高電圧から低電圧への実際の遷移は瞬時には発生しない。寧ろ、電圧は、スルーレート又は電圧が第1の電圧レベルから第2の電圧レベルに変化する速度のために、波形がやや台形になる。図18A及び18Bの実施形態において、第2のPWM周波数は、第1のPWM周波数のスルーレートの半分のスルーレートを有している。PWM周波数の変化に比例してスルーレートを増減するようにシステムを構成することができる。一部の実施形態において、スルーレートを変えずにPWM周波数を調整することができる。図17と同じ考慮事項、及び図15、16と同じ方法を適用して、スルーレートを減らして電力を節約することができる。
一部の実施形態において、ドライバー信号に対し調整可能なスルーレートを与えるように、システムのドライバーを構成することができる。所望のスルーレートをパラメータとしてドライバーに供給することができ、ドライバーは、所望のスルーレートを有する信号を出力することができる(所望のスルーレートが、使用ドライバーの能力の範囲であると仮定)。スルーレートは、限流器、可変抵抗器、別のアクティブ電気部品、又は他の適切な方法を使用して調整することができる。
追加の開示
前述の開示において、レンズのフィードバック及び制御のための装置、システム、及び方法は、特定の例示的な実施形態に関連して説明されている。しかし、実施形態の原理及び利点は、静電容量の指示に応答するフィードバック及び制御を必要とする他のすべてのシステム、装置、又は方法に使用できることが理解されるであろう。特定の実施形態は、例示的なサンプルホールド電圧センサーを参照して説明されているが、本明細書に記載の原理及び利点は、別の種類のセンサーに適用できることが理解されるであろう。開示された実施形態の一部は、アナログ、デジタル、又は混合回路を参照して説明することができるが、様々な実施形態は、本明細書に記載の原理及び利点は、アナログ、デジタル、又は混合回路として様々な部分に実現することができる。更に、一部の回路図は説明のために示されているが、他の同等の回路を代わりに実装して、本明細書に記載の機能を実現することもできる。一部の図において、4つの電極が示されている。4つより多い電極又は4つより少ない電極を有する実施形態に、本明細書に記載の原理及び利点を適用することができる。
本明細書に記載の原理及び利点は、様々な装置に実現することができる。かかる装置の例には、消費者向け電子製品、消費者向け電子製品の部品、電子試験機器等が含まれるが、これに限定されるものではない。本明細書に記載の原理及び利点は、レンズに関わっている。レンズ付き製品の例には、携帯電話(例えば、スマートフォン)、健康管理監視装置、自動車用電子システム等の車両用電子システム、ウェブカメラ、テレビ、コンピューターモニター、コンピューター、ハンドヘルドコンピューター、タブレットコンピューター、ラップトップコンピューター、携帯情報端末(PDA)、冷蔵庫、DVDプレーヤー、CDプレーヤー、デジタルビデオレコーダー(DVR)、カムコーダー、カメラ、デジタルカメラ、コピー機、ファクシミリ、スキャナー、多機能周辺機器、腕時計、時計等を含むことができる。更に、装置は未完成製品を含むことができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、技術、マイクロプロセッサ、及び/又はコントローラは、1つ以上の専用コンピューティング装置で実現することができる。専用コンピューティング装置は、技術を実行するハードワイヤード、又は1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)等のデジタル電子装置、又はこれ等の技術を実行する永続的にプログラムされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、あるいはファームウェア、メモリ、他のストレージ、又はこれ等の組み合わせに含まれるプログラム命令に従って、技術を実行するようにプログラムされた1つ以上の汎用ハードウェアプロセッサを含むことができる。プログラム命令は、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は別の任意の形態の非一時的コンピューター可読記憶媒体に常駐することができる。かかる専用コンピューティング装置は、カスタムハードワイヤードロジック、ASIC、又はFPGAと、技術を遂行するカスタムプログラミングとを組み合わせることもできる。専用コンピューティング装置は、デスクトップコンピューターシステム、サーバーコンピューターシステム、ポータブルコンピューターシステム、ハンドヘルド装置、ネットワーク装置、又は技術を実行するためのハードワイヤード及び/又はプログラムロジックを組み込んだ、別の任意の装置若しくは装置の組み合わせであってよい。
本明細書に記載のマイクロプロセッサ又はコントローラは、iOS、Android、Chrome OS、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 8、Windows Server、Windows CE、Unix、Linux(登録商標)、SunOS、Solaris、iOS、Blackberry OS、VxWorks、又は別の互換性のあるオペレーティングシステム等の、オペレーティングシステムソフトウェアによって調整することができる。従来のオペレーティングシステムは、実行するコンピュータープロセスの制御及びスケジューリング、メモリ管理の実行、ファイルシステム、ネットワーク、I/Oサービスの提供、特にグラフィカルユーザーインターフェース(「GUI」)等のユーザーインターフェース機能を提供する。
本明細書に記載のマイクロプロセッサ及び/又はコントローラは、マイクロプロセッサ及び/又コントローラを専用機にする、カスタマイズされたハードワイヤードロジック、1つ以上のASIC又はFPGA、ファームウェア及び/又はプログラムロジックを使用して本明細書に記載の技術を実行することができる。1つの実施形態によれば、本明細書に開示の技術の一部は、メモリに含まれている1つ以上のシーケンス命令の実行に応じて、図3Aのマイクロプロセッサ315、図3A及び図3Bのフィードバック&設定コントローラ303、図3Bのタイミングコントローラ305、及び/又は別のコントローラによって実行される。かかる命令は、記憶装置等の別の記憶媒体からメモリに読み込むことができる。メモリに含まれている命令シーケンスの実行により、プロセッサ又はコントローラは、本明細書に記載のプロセスステップを実行する。別の実施形態において、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用することができる。
更に、本明細書に開示の実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック及びモジュールは、プロセッサ装置、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載の機能を実行するように構成された、これ等の任意組み合わせ等のマシンに実装又はマシンで実行することができる。プロセッサ装置はマイクロプロセッサであってよいが、代わりに、プロセッサ装置は、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシン、これ等の組み合わせ等であってもよい。プロセッサ装置は、コンピューター実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態において、プロセッサ装置は、コンピューター実行可能命令を処理せず、論理演算を実行するFPGA又は別のプログラム可能な装置を含んでいる。プロセッサ装置は、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は別のかかる構成で実装することもできる。本明細書では、主にデジタル技術に関して説明したが、プロセッサ装置は、主にアナログの構成要素を含むことができる。例えば、本明細書に記載のレンダリング技術の一部又はすべては、アナログ回路又はアナログとデジタルの混合回路で実行することができる。
文脈上明確に他の意味に解釈すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲を通して、「comprise」、「comprising」、「include」、「including」等の語は、排他的又は網羅的な感覚ではなく、つまり、「含むが、これに限定されない」という包括的な意味に解釈されるべきである。本明細書において、一般的に使用されている「結合」又は「接続」という語は、直接接続されている、又は1つ以上の中間要素を介して接続されている2つ以上の要素を意味する。更に、本願において使用される場合、「本明細書において」、「上」、「下」という語、及び同様の意味の言葉は、本願の特定の部分ではなく、本願全体を意味するものである。文脈上可能な場合、単数又は複数を使用した「発明を実施するための形態」における語は、それぞれ複数又は単数を含むことができる。2つ以上の項目のリストに関し「又は」という言葉は、リスト内の任意の項目、リスト内のすべての項目、及びリスト内の項目の任意の組み合わせをすべて網羅することを意図している。本明細書において、すべての数値は、測定誤差の範囲において同様の値を含むことを意図している。
本開示は特定の実施形態及び実施例を含んでいるが、当業者は、範囲が具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替実施形態及び/又は使用、その明白な改良、及び均等物に及ぶことを理解するであろう。加えて、実施形態の幾つかの変形例を詳細に示し説明したが、本開示に基づいて他の修正が当業者には容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の機能及び態様の様々な組み合わせ又は部分組み合わせを構成することができ、それも本開示の範囲に含まれることを企図している。開示した実施形態の様々な機能及び態様を互いに組み合わせて又は置換して、様々な実施形態の態様を形成することができることを理解されたい。本明細書に開示のすべての方法は、列挙した順序で実行する必要はない。従って、前述の特定の実施形態によって範囲が限定されるべきではないことを意図している。
条件付き言語、とりわけ、「can」、「could」、「might」、「may」等、別に明記されていない限り、又は使用されている文脈の範囲において理解されている場合、概して、特定の実施形態には特定の機能、要素、及び/又はステップが含まれるが、他の実施形態には含まれないことを伝えることを意図している。従って、かかる条件付き言語は、概して、機能、要素、及び/又はステップが、1つ以上の実施形態に何らかの形で必要であること、又は1つ以上の実施形態が、ユーザー入力又はプロンプトの有無に関わらず、これらの機能、要素、及び/又はステップが特定の実施形態に含まれているか否か、又は実行されるか否かを決定するロジックを必ず含むことを意味することを意図するものではない。本明細書の見出しは、読者の便宜を図ることだけが目的であって、範囲を限定することを意図するものではない。
更に、本明細書に記載の装置、システム、及び方法は、様々な改良及び代替形態が可能であり、その特定の例を図面に示し、本明細書において詳細に説明した。しかし、本発明は開示した特定の形態又は方法に限定されるものではなく、反対に、本発明は、記載の様々な実装形態の精神及び範囲に属するすべての改良、均等物、及び代替物を網羅すべきであることを理解されたい。更に、実装形態又は実施形態に関連して、本明細書に開示の特定の機能、態様、方法、特性、特徴、品質、属性、要素等は、本明細書に記載の別のすべての実装形態又は実施形態に使用することができる。本明細書に開示のすべての方法は、列挙した順序で実行する必要はない。本明細書に開示の方法は、実行者によって取られる特定の行動を含み得るが、本方法は、明示的又は暗示的に、これ等の行動の第三者の命令を含むこともできる。
また、本明細書に開示の範囲は、ありとあらゆる重複、部分範囲、及びこれ等の組み合わせを包んでいる。「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「の間」等の言葉は記述されている数字を含んでいる。「約」や「およそ」等の用語が先行する数字は、記載されている数字を含み、状況に基づいて(例えば、±5%、±10%、±15%等の状況下において、合理的に可能な限り正確に)解釈する必要がある。例えば、「約3.5mm」は「3.5mm」を含んでいる。「実質的に」等の用語が先行する語句は、記述されている語句を含み、状況に基づいて(例えば、その状況下において合理的に可能な限り)解釈する必要がある。例えば、「実質的に一定」は「一定」を含んでいる。別段の定めがない限り、すべての測定は、周囲温度及び圧力を含む、標準的な条件で行われる。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
液体レンズシステムであって、
第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバーであって、前記第1の流体及び前記第2の流体が不混和性であって、前記第1の流体と前記第2の流体との間に流体界面を形成する、チャンバーと、
前記第1の流体及び前記第2の流体から絶縁された第1の電極と、
前記第1の流体と電気的に連通する第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧差を与えるように構成された信号発生器と、
測定を行って、流体界面の位置を示す値を出力するように構成されたレンズセンサーと、
を備え、
a)前記信号発生器が、前記第1の電極に第1の電圧波形を供給し、前記第2の電極に第2の電圧波形を供給し、前記第2の電圧波形が、前記第1の電圧波形に対し位相遅延を有しているか、又は
b)前記レンズセンサーが、
サンプリングコンデンサ、
前記第2の電極に供給された電流をミラーリングし、前記ミラー電流を前記サンプリングコンデンサに誘導するように構成されたカレントミラー、及び
前記サンプリングコンデンサの電圧値を読み取るように構成された電圧検出器
を有している、
のいずれかである、液体レンズシステム。
実施形態2
a)前記信号発生器が、前記第1の電極に前記第1の電圧波形を供給し、前記第2の電極に前記第2の電圧波形を供給し、前記第2の電圧波形が、前記第1の電圧波形に対し位相遅延を有し、
b)前記レンズセンサーが、
前記サンプリングコンデンサ、
前記第2の電極に供給された前記電流をミラーリングし、前記ミラー電流を前記サンプリングコンデンサに誘導するように構成された、前記カレントミラー、及び
前記サンプリングコンデンサの前記電圧値を読み取るように構成された、前記電圧検出器を有している、実施形態1記載の液体レンズシステム。
実施形態3
前記レンズセンサーが、前記第1の流体と前記第1の電極との間の静電容量を示す電圧値を出力するように構成されている、実施形態1又は2記載の液体レンズシステム。
実施形態4
前記レンズセンサーによって出力された前記値に少なくとも部分的に基づいて、前記信号発生器によって与えられ前記電圧差を調整するように構成されたコントローラを備えた、実施形態1〜3いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態5
前記液体レンズの温度を測定するように構成された温度センサーであって、前記コントローラが、前記測定温度に少なくとも部分的に基づいて、前記信号発生器によって与えられる前記電圧差を調整するように構成された温度センサーを更に備えた、実施形態1〜4いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態6
前記液体レンズの温度を測定するように構成された温度センサーと、
発熱体であって、前記コントローラが、前記測定温度に少なくとも部分的に基づいて、前記発熱体を使用して、前記液体レンズを加熱するように構成された発熱体と、
を更に備えた、実施形態1〜5いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態7
前記コントローラが、前記レンズセンサーによって出力された前記値に少なくとも部分的に基づいて、前記位相遅延を変更するように構成されている、実施形態1〜6いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態8
前記レンズセンサーが、前記カレントミラーと前記サンプリングコンデンサとの間にサンプルスイッチを有する、実施形態1〜7いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態9
前記レンズセンサーが、閉状態と開状態を有する放電スイッチであって、前記閉状態において、前記サンプリングコンデンサが接地され、前記サンプリングコンデンサを放電するスイッチを有する、実施形態1〜8いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態10
前記信号発生器が、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧差をオーバードライブする、実施形態1〜9いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態11
前記第1の流体及び前記第2の流体から絶縁され、前記液体レンズの前記第1の電極と異なる位置に配置された更なる電極であって、前記信号発生器が、第2の電極と更なる電極との間に、更なる電圧差を与えるように構成された更なる電極と、
測定を行って、前記第1の流体と前記更なる電極との間の静電容量を示す値を出力するように構成された更なるレンズセンサーと、
を更に備えた、実施形態1〜10いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態12
前記液体レンズの4つの対応する象限に配置された4つの電極を備え、前記4つの電極が、前記第1の流体及び前記第2の流体から絶縁されている、実施形態1〜11いずれか1項記載の液体レンズシステム。
実施形態13
可変焦点レンズを操作する方法であって、
対象焦点パラメータを受信するステップと、
前記対象焦点パラメータに少なくとも部分的に基づいて、電圧信号の第1の値を決定するステップと、
前記電圧信号を生成するステップと、
可変焦点レンズの電極に、前記電圧信号を供給するステップと、
カレントミラーを使用して、前記電圧の電流をミラーリングするステップと、
前記ミラー電流を電荷センサーに供給するステップと、
前記電荷センサーからの測定値をコントローラに供給するステップと、
前記コントローラを使用し、前記電荷センサーからの前記測定値に少なくとも部分的に基づいて、補正電圧信号値を決定するステップと、
を含む、方法。
実施形態14
前記ミラー電流を電荷センサーに供給するステップが、放電スイッチを開いてサンプリングコンデンサの放電を停止するステップ、及びサンプリングスイッチを閉じて前記カレントミラーを前記サンプリングコンデンサに接続するステップを含む、実施形態13記載の方法。
実施形態15
前記可変焦点レンズが、
第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバーであって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、実質的に不混和性であって、前記第1の流体と前記第2の流体との間に流体界面を形成する、チャンバーと、
前記第1の流体及び前記第2の流体から絶縁された第1の電極と、
前記第1の流体と電気的に連通する第2の電極と、
回路であって、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧差を与えるように構成された信号発生器を有する回路と、
測定を行って、流体界面の位置を示す値を出力するように構成されたレンズセンサーと、
を備えた、実施形態13又は14記載の方法。
実施形態16
液体レンズであって、
第1の流体及び第2の流体を収容したチャンバーであって、前記第1の流体及び前記第2の流体が、実質的に不混和性であって、前記第1の流体と前記第2の流体との間に流体界面を形成する、チャンバーと、
前記第1の流体及び第2の流体から絶縁された第1の電極、及び
前記第1の流体と電気的に連通する第2の電極であって、前記流体界面の位置が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される電圧に少なくとも部分的に基づくように、前記流体レンズが構成されている、電極と、
前記液体レンズ内の温度を測定するように構成された温度センサーと、
を備えた、液体レンズ。
実施形態17
前記測定温度に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される電圧を調整するように構成されたコントローラを更に備えた、実施形態16記載の液体レンズ。
実施形態18
前記温度センサーが、前記液体レンズに埋め込まれている、実施形態16又は17記載の液体レンズ。
実施形態19
前記液体レンズを加熱するように構成された発熱体を更に備えた、実施形態16〜18いずれか1項記載の液体レンズ。
実施形態20
前記ヒーターが、前記液体レンズに埋め込まれている、実施形態19記載の液体レンズ。
実施形態21
前記コントローラが、前記測定温度に少なくとも部分的に基づいて、前記発熱体を操作して、前記液体レンズを加熱するように構成されている、実施形態19又は20記載の液体レンズ。