JP3714225B2 - 磁気検出回路および方位検出回路 - Google Patents

磁気検出回路および方位検出回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気トンネル効果素子(TMRセンサ)等の磁気センサを用いて磁界の強さを検出する磁気検出回路および方位検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、ナビゲータの機能を付加した携帯電話が開発されている。この携帯電話には、地磁気の方向を検出する磁気検出回路が不可欠である。ところで、磁気センサとしては、MRセンサ、TMRセンサ、GMRセンサ等が知られており、これらはいずれも、周囲の磁気の強さに応じて、その抵抗値が変化するものである。これらのセンサの中で、TMRセンサが感度がよく、かつ、価格も安いことから携帯電話等に用いるのに好適である。
【0003】
従来のTMRセンサを用いた磁気検出回路の構成例を図8および図9に示す。図8に示す回路において、1は定電流回路、2はTMRセンサ、3はコンパレータ、4は基準電圧、5はインバータであり、基準電圧4を変化させてコンパレータ3の出力変化点を検出し、TMRセンサ2の両端電圧を検出する。また、図9に示す回路は、TMRセンサ2の両端電圧を電圧検出回路6によって直接検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、TMRセンサは経年変化や周囲温度の変化によって抵抗値が変化する問題があり、特に、地磁気のような弱い磁気を検出する場合は、経年変化等の影響を除去することが必要となる。しかしながら、上述した従来の磁気検出回路にあっては、経年変化等に対する対策がなく、このため、経年変化等に基づく誤差が大きくなる欠点があった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、経年変化や周囲温度の変化の影響を受けることなく磁気の強さを測定することができる磁気検出回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上述した課題を解決すべくなされたもので、請求項1に記載の発明は、バイアス磁場を形成するバイアスコイルと、前記バイアスコイルへ、一定の傾きで上昇する第1の電流と、一定の傾きで減少する第2の電流を印加するコイル駆動回路と、前記バイアスコイルのバイアス磁場内に配置された磁気センサと、前記磁気センサの端子電圧としきい値とを比較する比較回路と、前記第1および第2の電流の印加開始時点から一定周期のパルス信号を出力し、前記比較回路の出力が反転した時点で前記パルス信号の出力を停止するパルス出力手段と、前記第1の電流の印加開始時点から前記比較回路の出力が反転する時点までの間に前記パルス出力手段から出力される第1のパルス数を計測すると共に、前記第2の電流の印加開始時点から前記比較回路の出力が反転する時点までの間に前記パルス出力手段から出力される第2のパルス数を計測する手段とを具備し、前記第1のパルスと第2のパルス数の差に基づいて前記磁気センサの位置の磁場の強さを検出することを特徴とする磁気検出回路である。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気検出回路において、前記計測する手段はパルスをカウントするカウンタであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の磁気検出回路において、前記しきい値を、前記第1または第2の電流の印加開始時点における前記磁気センサの端子電圧と前記バイアスコイルの電流が零の時の前記磁気センサの端子電圧との中間の電圧とすることを特徴とする。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の磁気検出回路において、前記しきい値を予め決めた一定電圧とすることを特徴とする。
【0008】
また、請求項5に記載の発明は、バイアス磁場を形成するバイアスコイルと、前記バイアスコイルへ、一定の傾きで上昇する第1の電流と、一定の傾きで減少する第2の電流を印加するコイル駆動回路と、前記バイアスコイルのバイアス磁場内に配置された第1の磁気センサと、前記第1の磁気センサの端子電圧としきい値とを比較する第1の比較回路と、前記第1および第2の電流の印加開始時点から一定周期のパルス信号を出力し、前記第1の比較回路の出力が反転した時点で前記パルス信号の出力を停止する第1のパルス出力手段と、前記第1の電流の印加開始時点から前記第1の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第1のパルス出力手段から出力される第1のパルス数を計測すると共に、前記第2の電流の印加開始時点から前記第1の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第1のパルス出力手段から出力される第2のパルス数を計測する第1の手段と、前記第1、第2のパルス数の差を演算して第1の磁気強さを得る第1の演算手段と、前記バイアスコイルのバイアス磁場内に、前記第1の磁気センサと直交する向きに配置された第2の磁気センサと、前記第2の磁気センサの端子電圧としきい値とを比較する第2の比較回路と、前記第1および第2の電流の印加開始時点から一定周期のパルス信号を出力し、前記第2の比較回路の出力が反転した時点で前記パルス信号の出力を停止する第2のパルス出力手段と、前記第1の電流の印加開始時点から前記第2の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第2のパルス出力手段から出力される第3のパルス数を計測すると共に、前記第2の電流の印加開始時点から前記第2の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第2のパルス出力手段から出力される第4のパルス数を計測する第2の手段と、前記第3、第4のパルス数の差を演算して第2の磁気強さを得る第2の演算手段と、前記第1、第2の磁気強さから方位を求める方位演算手段とを具備することを特徴とする方位検出回路である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の方位検出回路において、前記第1、第2の手段はパルスをカウントするカウンタであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の方位検出回路において、前記第2の比較回路、第2のパルス出力手段、第2のカウンタ、第2の演算手段に代えて、前記第1の比較回路、第1のパルス出力手段、第1のカウンタ、第1の演算手段を時分割で用いることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれかの項に記載の方位検出回路において、前記第1、第2の磁気強さをそれぞれ複数回測定し、第1の磁気強さの平均値および第2の磁気強さの平均値を求め、これらの平均値に基づいて方位を演算することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の一実施の形態について説明する。図1は同実施の形態による磁気検出回路の構成を示す回路図、図2は同磁気検出回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。この磁気検出回路は、図1(a)に示す、TMRセンサに可変バイアス磁界を印加するバイアス回路11と、図1(b)に示す、TMRセンサ2aの出力に基づいて磁気の強さを検出する検出回路12とから構成されている。
【0010】
図1(a)において、符号13はTMRセンサ2aにバイアス磁界を与えるバイアスコイルであり、TMRセンサ2aはこのバイアスコイル13の上に配置される(図5参照)。14は演算増幅器、15は演算増幅器14の反転入力端と出力端間に介挿されたコンデンサ、16はコンデンサ15の両端に接続された半導体スイッチである。このスイッチ16は制御回路(図示略)から供給されるリセット信号R(図2(ハ)参照)によってオン/オフ制御される。17は演算増幅器14と共に階段波を作成するスイッチ回路であり、半導体スイッチ18〜21とコンデンサ1Cとから構成されている。ここで、スイッチ18〜21は1CクロックCK1(図2(リ)参照)によってオン/オフ制御される。24も階段波を作成するためのスイッチ回路であり、半導体スイッチ25〜28とコンデンサ16Cとから構成されている。ここで、コンデンサ16Cはコンデンサ1Cの16倍の容量のコンデンサである。また、スイッチ25〜28は16CアップクロックCK2および16CダウンクロックCK3(図2(ニ)、(ヘ)参照)によってオン/オフ制御される。また、29は電池もしくは定電圧電源である。
【0011】
図1(b)において、符号1は定電流回路、2aはTMRセンサである。31〜36は半導体スイッチであり、スイッチ31はボトムホールド信号B(図2(ホ))によってオン/オフ制御され、スイッチ32および34は計測信号K(図2(チ))によってオン/オフ制御され、スイッチ33,35,36はピークホールド信号P(図2(ト))によってオン/オフ制御される。37〜39はコンデンサ、40はコンパレータ、41はインバータ、42はアンドゲート、43は出力端子である。
【0012】
次に、上述した実施形態の動作を説明する。
最初に、動作原理を図3および図4を参照して説明する。図3は、磁場の変化に対するTMRセンサの抵抗値の変化を示す図である。TMRセンサに印加される磁場をマイナスからプラスへ順次増大させると、抵抗値は順次増大する。そして、磁場の強さがH1に達すると、抵抗値が急激に一定値まで下がり、以後、磁場の増加と共に抵抗値が順次減少する。また、TMRセンサに印加される磁場をプラスからマイナスへ順次減少させると、抵抗値は順次増大する(破線参照)。そして、磁場の強さがH2に達すると、抵抗値が急激に一定値まで下がり、以後、磁場の増加と共に抵抗値が順次減少する。このように、TMRセンサの抵抗値は、磁場に対し偶関数となる。
【0013】
次に、図4(a)はTMRセンサに印加する交流バイアス磁界の変化を示しており、この図において、Hmax、Hminは各々TMRセンサに印加する磁場の最大値および最小値である(図3参照)。いま、被測定磁界が「0」の時、交流バイアス磁界を図4(a)に示すように変化させると、図3から明らかなように、TMRセンサの抵抗値が図4(b)に直線Aで示すように変化する。また、被測定磁界が正の一定値である場合は、TMRセンサの抵抗値が図4(b)に直線Bで示すように変化し、被測定磁界が負の一定値である場合は、TMRセンサの抵抗値が直線Cで示すように変化する。
【0014】
そこで、同図に示すように、抵抗値が所定のしきい値Thを上から下へ横切った時点から、次に抵抗値がしきい値Thを上から下へ横切った時点までの時間a(a1、a2)と、さらに次に抵抗値がしきい値Thを上から下へ横切った時点までの時間b(b1、b2)とを計測し、測定値aとbの差をとれば、被測定磁界の強さに対応する値を得ることができる。図1の実施形態においては、上述したa,bに変えて、交流バイアス磁界のスタート時点から抵抗値がしきい値Thに達する間での時間Ta、Tb(図4(b)参照)を計測し、時間Ta,Tbの差をとることによって被測定磁界の強さに対応する値を得ている。また、しきい値Thとして、交流バイアス磁界が最小値Hminまたは最大値Hmaxの時の抵抗値(ボトム値)と交流バイアス磁界が0の時の抵抗値(ピーク値)の丁度中間の値を使用するようになっている。
【0015】
次に、図1に示す回路の動作を図2に示すタイミングチャートを参照して説明する。磁気計測を開始する時、制御回路(図示略)は、まず、リセット信号R(図2(ハ))を出力する。これによりスイッチ16が短時間オンとされ、コンデンサ15の電荷が放電される。次に、制御回路は16CアップクロックCK2を32パルス、スイッチ回路24へ出力する。これにより、演算増幅器14から順次階段状に増加する電流Idがバイアスコイル13へ印加される。
【0016】
すなわち、まず、スイッチ26、27がオンとなり、コンデンサ16Cが電池29からの電流によって充電される。次に、スイッチ25、28がオンとなり(スイッチ26,27はオフ)、コンデンサ16Cの負電圧が演算増幅器14の反転入力端へ印加される。これにより、演算増幅器14の出力電圧が正の電圧となり、バイアスコイル13に電流Idが流され、また、コンデンサ15が一定値まで充電され、コンデンサ16Cが放電される。次に、再びスイッチ26,27がオン(スイッチ25、28がオフ)となり、コンデンサ16Cが充電され、次いで、スイッチ25,28がオンとなり、コンデンサ16Cの負電圧が演算増幅器14の反転入力端に印加される。これにより、演算増幅器14の出力が、コンデン15のチャージ電圧+コンデンサ16Cのチャージ電圧に増大し、この電圧に基づく電流Idが流され、また、コンデンサ15がその電圧まで充電され、コンデンサ16Cの電荷が放電される。以下、上記の動作が繰り返され、これにより、バイアスコイル13の電流が逐次増大する(図2(イ)参照)。
【0017】
バイアスコイル13の電流が逐次増大すると、これに伴い、TMRセンサ2aに加わる磁場が増大する。この磁場が0から逐次増大すると、TMRセンサ2aの抵抗値が一旦増大し(図3参照)、次いで急速に減少した後、順次減少する。これにより、TMRセンサ2aの端子電圧Vtが、図2(ロ)に示すように、一旦増大した後急速に減少し、次いで順次減少する。そして、16CアップクロックCK2が32パルス出力された時点で磁場の強さがHmaxに達する。ここで、制御回路がボトムホールド信号B(図2(ホ))を出力する。このボトムホールド信号Bが出力されると、スイッチ31がオンとなり、コンデンサ37にこの時のTMRセンサ2aの端子電圧Vtが充電される。すなわち、端子電圧Vtのボトム電圧がコンデンサ37に記憶される。なお、この時、スイッチ32はオフ状態にある。
【0018】
次に、制御回路は、16CダウンクロックCK3(図2(ヘ))を32パルス、スイッチ回路24へ出力する。またこの時、電池29の極性を反転する。これにより、演算増幅器14の出力が逐次階段状に0まで減少し、TMRセンサ2aの端子電圧Vtが順次増加する(図2(ロ)参照)。なお、16CダウンクロックCK3によるスイッチ25〜28のオン/オフ制御は前述したアップクロックCK2の場合と同じである。
【0019】
演算増幅器14の出力電圧が0になると、バイアスコイル13のドライブ電流Idが0となり、バイアス磁場が0となる。この時、図3から明らかなように、TMRセンサ2aの抵抗値がほぼ最大値となり、従ってTMRセンサ2aの端子電圧Vtがほぼ最大値となる。ここで、制御回路はピークホールド信号P(図2(ト))を出力する。これにより、スイッチ33がオンとなり、コンデンサ38にこの時のTMRセンサ2aの端子電圧Vtが充電される。すなわち、端子電圧Vtのピーク値がコンデンサ38に記憶される。また、制御回路からピークホールド信号Pが出力されると、スイッチ35、36がオンとなる。これにより、コンパレータ40の両入力端間のオフセット電圧がコンデンサ39に充電される。このコンデンサ39は、以後の動作においてオフセットキャンセラとして機能する。
【0020】
次に、制御回路は、16CダウンクロックCK3を再び32パルス出力し、またこの時、電池29を図と逆極性とする。これにより、バイアスドライブ電流Idが負電流となり、逐次その大きさが増大する。これに伴い、バイアス磁場が順次減少する。そして、ダウンクロックCK3が32パルス出力された時点(図2の時刻ts参照)でバイアス磁場の強さがHminに達する。
【0021】
ここで制御回路は、計測信号K(図2(チ))を出力する。計測信号Kが出力されると、スイッチ32および34がオンとなり、コンデンサ38の電荷がコンデンサ37へ移動し、両コンデンサ37,38の電圧が等しくなる。すなわち、コンデンサ37,38の電圧が、TMRセンサ2aの端子電圧Vtのピーク電圧とボトム電圧の丁度中間の電圧となる。そして、この電圧が、以後、コンパレータ40の反転入力端へしきい値Thとして供給される。
【0022】
また、制御回路は、時刻ts以後、512パルスの1CクロックCK1(図2(リ))をスイッチ回路17へ出力する。この1CクロックCK1がスイッチ回路17へ出力されると、スイッチ18〜21が上述したスイッチ回路24のスイッチ25〜28と同様にオン/オフ制御され、これにより、バイアスコイル13のドライブ電流Idが順次上昇し(図2(イ))、TMRセンサ2aの端子電圧Vtが順次上昇する(図2(ロ))。但しこの場合、コンデンサ1Cの容量がコンデンサ16Cの容量の1/16であることから、16CアップクロックCK2に基づく電圧Vtの上昇と比較し、1/16の傾きで上昇する。また、1CクロックCK1は、この時開状態にあるアンドゲート42を通過し、出力端子43から出力される。
【0023】
電圧Vtが順次上昇し、しきい値Thに達すると(但し、コンデンサ39の両端電圧を0とする)、コンパレータ40の出力CPが反転して”1”となり、したがって、インバータ41の出力が”0”となり、アンドゲート42が閉状態となる。これにより、1CクロックCK1が出力端子43へ出力されなくなる。すなわち、上記の過程において、出力端子43から出力される1CクロックCK1のパルス数は、図4(b)における時間Taを示している。
【0024】
次に、制御回路は、512パルスの1CクロックCK1を出力した後、16CアップクロックCK2を32パルス出力する(図2(ニ))。これにより、バイアスドライブ電流Idがさらに上昇し、バイアス磁場がHmaxに達する。この時、TMRセンサ2aの端子電圧はボトム電圧となる(図2(ロ))。また、この時、コンパレータ40の出力CPは”0”にあり、したがって、インバータ41の出力が”1”であり、アンドゲート42が開状態になる。
【0025】
この時点以後、制御回路は、再び、512パルスの1CクロックCK1(図2(リ))をスイッチ回路17へ出力し、またこの時、電池29の極性を図の極性から反転する。これにより、バイアスドライブ電流Idが逐次減少し、したがって、バイアス磁場が順次減少し、TMRセンサ2aの端子電圧Vtが順次上昇する(図2(ロ))。また、1CクロックCK1がアンドゲート42を通過し、出力端子43から出力される。そして、TMRセンサ2aの端子電圧Vtがしきい値Thに達すると、コンパレータ40の出力CPが反転し、これにより、アンドゲート42が閉状態となり、出力端子43から1CクロックCK1が出力されなくなる。すなわち、上記の過程において、出力端子43から出力される1CクロックCK1のパルス数は、図4(b)における時間Tbを示している。
【0026】
このように、上述した回路は、出力端子43から、まず、時間Taに対応する数のパルスを出力し、次いで、時間Tbに対応する数のパルスを出力する。したがって、これらのパルスをカウンタによってカウントし、そのカウント結果の差をとればTMRセンサ2aのある場所の磁場の強さを得ることができる。
【0027】
以上がこの発明の一実施形態による磁気検出回路の詳細である。この磁気検出回路によれば、予めTMRセンサ2aの感度範囲を計り、その中心までの変化量の差をとることにより磁場の強さを測定する。すなわち、この磁気検出回路によれば、TMRセンサの抵抗値の絶対的測定値に基づいて磁場強さを測定するのではなく、相対的測定であるので、TMRセンサ2aの感度のバラツキに依存することなく測定を行うことができ、したがって、経年変化や周囲温度変化に影響されない測定を行うことができる。
【0028】
また、上記実施形態においては、オフセットキャンセラとしてのコンデンサ39を設けているので、コンパレータ40のオフセットによる誤差を除去することができる。
なお、上記実施形態においては、スレショルドレベルThとしてピーク値とボトム値の中央点を検出し、それを用いるようにしたが、これを予め決めた一定値としてもよい。
【0029】
次に、上述した磁気検出回路を用いた方位検出回路について説明する。この方位検出回路はX軸方向、Y軸方向の地磁気の強さを求め、その結果をベクトル合成して地磁気の方向および強さを求める回路である。
図5はセンサチップの構成を示す平面図である。この図において、50はガラスまたは石英からなる基板であり、この基板50上にバイアスコイル13が形成され、このバイアスコイル13上にTMRセンサ2a、2bが取り付けられている。この場合、TMRセンサ2aはY軸方向の磁気の強さを検出するものであり、また、TMRセンサ2bはX軸方向の磁気の強さを検出するものである。また、52は端子であり。そして、各TMRセンサ2a、2bが各々、端子52を介して2個の図1に示す検出回路12(以下、検出回路12Y、12Xという)に接続されている。
【0030】
図6は上記検出回路12X、12Yの出力を処理する回路の構成を示すブロック図である。図6(a)に示す回路は、検出回路12X、12Yの出力を各々アップカウントするカウンタ61と、カウンタ61から出力されるカウント値を一旦内部に記憶し、次いで記憶したカウント値に基づいてX軸方向の磁気の強さおよびY軸方向の磁気の強さを各々演算するベクトル値演算回路62と、ベクトル値演算回路62から出力されるX軸、Y軸方向の各磁気の強さから方位θおよび磁気の強さW(図7参照)を演算する方位演算回路63と、方位演算回路63の出力を表示する方位表示装置64とから構成されている。
【0031】
また、図6(b)に示す回路は、上述した図6(a)の回路のベクトル演算回路62と方位演算回路63との間に傾き補正回路65を挿入している。この傾き補正回路65は基板50の傾きに基づく誤差を補正する回路である。すなわち、いま、基板50(図5)のX軸と平行な辺50aを水平に保った場合において、Y軸に平行な辺50bが水平に対して所定角度α傾くと、TMRセンサ20aの出力が角度αに応じて変わってしまい、この結果、方位検出結果も変わってしまう。傾き補正回路65は角度αに基づく誤差を補正する回路であり、Y軸の磁気の強さをスレショルドレベルと比較することにより補正を行う。なお、この傾き補正回路については先出願(特願2001−210054号)に詳細が記載されている。
【0032】
また、図6(c)に示す回路は、上述した図6(b)に示す回路におけるベクトル値演算回路62と傾き補正回路65の間にベクトル値平均化回路66を挿入したものである。このベクトル値平均化回路66は、同じ位置における測定を複数回繰り返し、その結果得られたX軸、Y軸方向の各磁気の強さの平均値をそれぞれ求める回路である。地磁気は元々微弱なため、TMRセンサの出力信号を大きく増幅して使用する。その時、外来ノイズと回路中でのノイズも増幅してしまうため、高分解能にするにしたがってその割合が大きくなってしまう。そこで、平均化することによりある程度丸め込んで安定させる。
なお、上述した方位検出回路は図1に示す検出回路12を2回路(12a、12b)設けたが、これを1回路とし、時分割で使用してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、第1の電流の上昇開始時点から磁気センサの端子電圧がしきい値に達するまでの時間および第2の電流の上昇開始時点から磁気センサの端子電圧がしきい値に達するまでの時間をそれぞれ計測し、その計測結果に基づいて磁気センサの位置の磁場の強さを検出するようにしたので、経年変化や周囲温度の変化の影響を受けることなく磁気の強さを測定することができる効果が得られる。また、請求項4に記載の発明によれば、経年変化や周囲温度の変化の影響を受けることなく方位測定をすることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による磁気検出回路の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】 図1におけるTMRセンサ2aの基本的抵抗特性を示す図である。
【図4】 図1におけるTMRセンサ2aに加える交流バイアス磁界およびTMRセンサ2aの抵抗値の変化を示す図である。
【図5】 TMRセンサ2a、2bが取り付けられた方位検出用の基板を示す平面図である。
【図6】 図1に示す検出回路12の後部に接続される方位検出のための回路を示す図である。
【図7】 方位演算を説明するための図である。
【図8】 従来のTMRセンサの抵抗変化を検出する検出回路例を示す回路図である。
【図9】 従来のTMRセンサの抵抗変化を検出する検出回路例を示す回路図である。
【符号の説明】
2a…TMRセンサ、11…バイアス回路、12…検出回路、13…バイアスコイル、14…演算増幅器、15、1C、16C…コンデンサ、17、24…スイッチ回路、18〜21、25〜27…半導体スイッチ、29…電池、31〜39…半導体スイッチ、40…コンパレータ、42…アンドゲート、43…出力端子。

Claims (8)

  1. バイアス磁場を形成するバイアスコイルと、
    前記バイアスコイルへ、一定の傾きで上昇する第1の電流と、一定の傾きで減少する第2の電流を印加するコイル駆動回路と、
    前記バイアスコイルのバイアス磁場内に配置された磁気センサと、
    前記磁気センサの端子電圧としきい値とを比較する比較回路と、
    前記第1および第2の電流の印加開始時点から一定周期のパルス信号を出力し、前記比較回路の出力が反転した時点で前記パルス信号の出力を停止するパルス出力手段と、
    前記第1の電流の印加開始時点から前記比較回路の出力が反転する時点までの間に前記パルス出力手段から出力される第1のパルス数を計測すると共に、前記第2の電流の印加開始時点から前記比較回路の出力が反転する時点までの間に前記パルス出力手段から出力される第2のパルス数を計測する手段と、
    を具備し、前記第1のパルスと第2のパルス数の差に基づいて前記磁気センサの位置の磁場の強さを検出することを特徴とする磁気検出回路。
  2. 前記計測する手段はパルスをカウントするカウンタであることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出回路。
  3. 前記しきい値を、前記第1または第2の電流の印加開始時点における前記磁気センサの端子電圧と前記バイアスコイルの電流が零の時の前記磁気センサの端子電圧との中間の電圧とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気検出回路。
  4. 前記しきい値を予め決めた一定電圧とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気検出回路。
  5. バイアス磁場を形成するバイアスコイルと、
    前記バイアスコイルへ、一定の傾きで上昇する第1の電流と、一定の傾きで減少する第2の電流を印加するコイル駆動回路と、
    前記バイアスコイルのバイアス磁場内に配置された第1の磁気センサと、
    前記第1の磁気センサの端子電圧としきい値とを比較する第1の比較回路と、
    前記第1および第2の電流の印加開始時点から一定周期のパルス信号を出力し、前記第1の比較回路の出力が反転した時点で前記パルス信号の出力を停止する第1のパルス出力手段と、
    前記第1の電流の印加開始時点から前記第1の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第1のパルス出力手段から出力される第1のパルス数を計測すると共に、前記第2の電流の印加開始時点から前記第1の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第1のパルス出力手段から出力される第2のパルス数を計測する第1の手段と、
    前記第1、第2のパルス数の差を演算して第1の磁気強さを得る第1の演算手段と、
    前記バイアスコイルのバイアス磁場内に、前記第1の磁気センサと直交する向きに配置された第2の磁気センサと、
    前記第2の磁気センサの端子電圧としきい値とを比較する第2の比較回路と、
    前記第1および第2の電流の印加開始時点から一定周期のパルス信号を出力し、前記第2の比較回路の出力が反転した時点で前記パルス信号の出力を停止する第2のパルス出力手段と、
    前記第1の電流の印加開始時点から前記第2の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第2のパルス出力手段から出力される第3のパルス数を計測すると共に、前記第2の電流の印加開始時点から前記第2の比較回路の出力が反転する時点までの間に前記第2のパルス出力手段から出力される第4のパルス数を計測する第2の手段と、
    前記第3、第4のパルス数の差を演算して第2の磁気強さを得る第2の演算手段と、
    前記第1、第2の磁気強さから方位を求める方位演算手段と、
    を具備することを特徴とする方位検出回路。
  6. 前記第1、第2の手段はパルスをカウントするカウンタであることを特徴とする請求項5に記載の方位検出回路。
  7. 前記第2の比較回路、第2のパルス出力手段、第2のカウンタ、第2の演算手段に代えて、前記第1の比較回路、第1のパルス出力手段、第1のカウンタ、第1の演算手段を時分割で用いることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の方位検出回路。
  8. 前記第1、第2の磁気強さをそれぞれ複数回測定し、第1の磁気強さの平均値および第2の磁気強さの平均値を求め、これらの平均値に基づいて方位を演算することを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかの項に記載の方位検出回路。
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