JPH10195693A - 酸化亜鉛薄膜の製造方法、それを用いた半導体素子基板及び光起電力素子 - Google Patents

酸化亜鉛薄膜の製造方法、それを用いた半導体素子基板及び光起電力素子

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JPH10195693A
JPH10195693A JP9045670A JP4567097A JPH10195693A JP H10195693 A JPH10195693 A JP H10195693A JP 9045670 A JP9045670 A JP 9045670A JP 4567097 A JP4567097 A JP 4567097A JP H10195693 A JPH10195693 A JP H10195693A
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oxide thin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電析による酸化亜鉛薄膜の形成を安定化し、
かつ基板密着性に優れた形成方法を提供する。特に、光
起電力素子の光閉じ込め層に適用するのに好適な酸化亜
鉛薄膜とする。 【解決手段】 少なくとも硝酸イオン、亜鉛イオン、及
び炭水化物を含有してなる水溶液に浸漬された導電性基
体と、該溶液中に浸漬された電極との間に通電すること
により、酸化亜鉛薄膜を前記導電性基体上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化亜鉛薄膜の製造
方法、それを用いた半導体素子基板及び光起電力素子に
係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、光起電力素子は長波長におけ
る収集効率を改善するために、半導体層の裏面に反射層
を設ける事が知られている。また、該金属層と半導体層
との間に凹凸を有する透明導電層を設けることにより、
反射光の光路長を伸ばす光閉込め効果や、シャント時に
過大な電流が流れることを抑制する効果がある事が知ら
れている。透明導電層にはスパッタ法で形成したZnOが
広く用いられている。
【0003】例えば「29p-MF-22ステンレス基板上のa-S
iGe太陽電池における光閉じ込め効果」(1990年秋季)第5
1回応用物理学会学術講演会講演予稿集p747、あるいは"
P-IA-15a-SiC/a-Si/a-SiGe Multi-Bandgap Stacked So
lar Cells With Bandgap Profiling,"Sannomiya et a
l.,Technical Digest of the International PVSEC-5,K
yoto,Japan,p381,1990 には反射層と酸化亜鉛層とのコ
ンビネーションにて、光閉じ込め効果による短絡電流の
増大を達成したとしている。
【0004】一方、"Electrolyte Optimization for Ca
thodic Growth of Zinc Oxide Films" M. IZAKI and T.
Omi J.Electrochem.Soc., Vol.143, March 1996,L53
や特開平8-217443などに、酸化亜鉛薄膜をを亜鉛イオン
及び硝酸イオンを含有する水溶液からの電解によって作
成する方法が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のよう
にすでに開示された光閉じ込め層は、一般に抵抗加熱や
電子ビームによる真空蒸着法、スッパッタリング法、イ
オンプレーティング法、CVD法などによって形成されて
いる。このため、ターゲット材料などの作成工賃高いこ
と、真空プロセスが必要であること、真空装置の償却費
の大きいこと、材料の利用効率が高くないこと、等の問
題点がある。したがって、これらの技術を用いる光起電
力素子のコストを極めて高いものとして、太陽電池を産
業的に応用しようとする上で大きなバリアとなってい
る。
【0006】また、前記亜鉛イオン及び酢酸イオンを含
有する水溶液からの電解によって形成された酸化亜鉛薄
膜は安価に形成することが出来るが、以下の問題点を有
している。
【0007】(1)特に、電流密度を上昇させたり、溶液
の濃度を上げた場合に、堆積上にミクロンオーダーを越
えるような針状や球状や樹脂状などの形状をした異常成
長が生成しやすく、この酸化亜鉛薄膜を光起電力素子の
一部として用いた場合には、これらの異常成長が光起電
力素子のシャントパスを誘発する原因となると考えられ
る。
【0008】(2)酸化亜鉛結晶粒の大きさにばらつきが
生じやすく、大面積化したときの均一性に問題があっ
た。
【0009】(3)基体上への密着性が抵抗加熱や電子ビ
ームによる真空蒸着法、スッパッタリング法、イオンプ
レーティング法、CVD法などによって形成されたものに
対して劣っていた。
【0010】(4)平滑な膜厚をもった薄膜しか形成され
ず、光閉じ込め効果のある凸凹形状を備えた堆積膜につ
いては特に触れられていなかった。
【0011】本発明は、電析による酸化亜鉛薄膜の形成
を安定化し、かつ基板密着性に優れた形成方法を提供す
るものである。とくに、光起電力素子の光閉じ込め層に
適用するのに好適な酸化亜鉛薄膜とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、少なくとも硝酸イオン、亜鉛イオン、及び炭
水化物を含有してなる水溶液に浸漬された導電性基体
と、該溶液中に浸漬された電極との間に通電することに
より、酸化亜鉛薄膜を前記導電性基体上に形成すること
による。
【0013】硝酸イオン、亜鉛イオンの濃度はそれぞれ
0.001mol/lから1.0mol/lの範囲にあることが望ましく、
より望ましくは0.01mol/lから0.5mol/lの範囲にあるこ
とが望ましく、最適には0.1mol/lから0.25mol/lの範囲
にあることが望ましい。
【0014】水溶液中の炭水化物の量は、0.001g/lから
300g/lの範囲にあることが望ましく、より望ましくは0.
005g/lから100g/lの範囲にあることが望ましく、最適に
は0.01g/lから60g/lの範囲にあることが望ましい。
【0015】均一性に優れた酸化亜鉛薄膜を作成するこ
とができる詳細な理由は不明であるが、水溶液中の炭水
化物とZn(OH)+などの亜鉛含有イオンとの相互作用によ
って結晶核の生成が均一に起こるためではないかと考え
られる。
【0016】異常成長のない酸化亜鉛薄膜を作成するこ
とができる詳細な理由は不明であるが、基体へ炭水化物
の分子が吸着し、異常成長の発達を妨げる阻止作用が働
くためではないかと考えられる。
【0017】密着性に優れた酸化亜鉛薄膜を作成するこ
とができる詳細な理由は不明であるが、基体に吸着され
た亜鉛含有イオンが、酸化亜鉛薄膜表面を拡散して、適
当な位置で結晶格子に組み込まれる過程において緻密な
膜が形成され、その結果基体への密着性に優れた酸化亜
鉛薄膜を作成できるのではないかと考えられる。
【0018】また、水溶液に投入以前の導電性基体を、
加熱手段を用いて加熱しておくことにより、結晶性薄膜
作成上重要である成膜初期膜成膜時における上記の炭水
化物の効果がより効果的になり良質の酸化亜鉛薄膜を作
成することができるようになる。この場合、導電性基体
の加熱手段としては、ランプヒーターによる加熱や、別
に設けた温湯漕などを用いることができる。
【0019】前記炭水化物がグルーコース(ブドウ糖)、
フルクトース(果糖)などの単糖類である場合には、上記
の炭水化物の効果のうちで、特に均一性をあげる効果が
とくに優れた酸化亜鉛薄膜を作成することができる。ま
た、前記炭水化物がマルトース(麦芽糖)、サッカロース
(ショ糖)などの二糖類である場合には、上記の炭水化物
の効果のうちで、特に異常成長をなくする効果がとくに
優れた酸化亜鉛薄膜を作成することができる。また、前
記炭水化物がデキストリン、デンプンなどの多糖類であ
る場合には、上記の炭水化物の効果のうちで、特に密着
性を上げる効果がとくに優れた酸化亜鉛薄膜を作成する
ことができる。また、これらの炭水化物を組み合わせる
ことによって上記の長所をいかすことで、良質の酸化亜
鉛薄膜を作成することができる。
【0020】水溶液中に浸漬された電極を亜鉛電極にす
ることで、水溶液中の亜鉛イオンの濃度、PHなどの組成
条件が一定に保たれる。その結果、電解液の組成を一定
に保つために、亜鉛イオンを別途供給するなどの作業を
することなしに長期にわたってほぼ同一条件での薄膜形
成が可能になり、均一性に優れた酸化亜鉛薄膜の形成が
可能になる。
【0021】水溶液の温度が50℃以上の場合、及び/又
は電極に対して印加する電流密度が10mA/dm2から10A/dm
2の範囲ある場合に、純度の高い酸化亜鉛薄膜を効率よ
く作成することが可能になる。
【0022】基体表面にZnOが堆積する際の反応には、
硝酸イオンNO3-、亜硝酸イオンNo2-、アンモニウムイオ
ンNH4+、水酸化イオンOH-、亜鉛の水和イオンなどの中
間物質が関与するものと考えられる。水溶液の温度が50
℃よりも低い場合や電極に対して印加する電流密度が上
記の範囲を外れる場合には、これらの中間物質を介在す
る反応が十分に進まずに、金属亜鉛などの酸化亜鉛以外
の物質が析出するようになり、純度の高い酸化亜鉛薄膜
の作成が困難になるものと考えられる。また、電流密度
が10mA/dm2より小さい場合には、十分な反応速度が得ら
ないといった問題点もある。
【0023】また前記支持体上に反射率の高い金属によ
る金属層を設けることによって、基体としての反射率を
高めることができ、より光変換効率の高い光起電力素子
を作成することができる。
【0024】また、前記水溶液の温度、濃度、電流密度
を変化させることで、酸化亜鉛薄膜の粒径、配向性など
を変化させることができ、酸化亜鉛薄膜を複数の特性を
もった複数の層で構成させることで、酸化亜鉛薄膜表面
の凸凹形状にさまざまなバリエーションをもたせること
や、より密着性の良い膜を作成することができる。
【0025】特にイオン濃度と電流密度は酸化亜鉛薄膜
の結晶成長に密接に関連したパラメータである。金属イ
オン濃度のわりに電流密度が小さい場合、核の発生が少
なくなるために結晶粒は大きくなり、電流密度を増すほ
どに結晶粒は小さくなる。金属イオンの濃度が小さくて
電流密度がある程度以上高ければ、析出によって濃度分
極を生じ、濃度分極は核生成を促進して成長を阻止する
ので結晶粒は微細になる。以上のように、酸化亜鉛薄膜
の結晶状態はこれらの水溶液のパラメータによって変化
させることが可能である。
【0026】光起電力素子への応用においては、微細な
結晶で平滑な表面をもち下地との密着性にすぐれた第1
の酸化亜鉛層と、結晶粒が大きく凸凹に富んだ表面をも
ち光閉じ込め効果の大きい第2の酸化亜鉛層との積層構
造とすることが好ましい。このような酸化亜鉛層は基板
への密着性と効果的な光閉じ込めを両立する事が出来
る。
【0027】前記第一酸化亜鉛層の粒径は前記第二の酸
化亜鉛層の粒径の1/10以下であることが望ましい。
また、前記第一の酸化亜鉛層の配向性がc軸であり、前
記第二の酸化亜鉛層の配向性が<101>軸を主とする
ことが望ましい。
【0028】結晶の配向性は硝酸亜鉛濃度によって制御
することが出来る。硝酸亜鉛濃度が0.1mol/lの場
合には、c軸が傾き六方片が立ち上がった形で配向し、
0.025mol/l以下の場合には、c軸が基体に垂直
に成膜される。
【0029】
【発明の実施の形態】酸化亜鉛薄膜の形成方法 図1に本発明の酸化亜鉛薄膜の形成装置の一例を示す。1
01は耐腐食容器であり、硝酸イオンと亜鉛イオンおよび
炭水化物を含んでなる水溶液102が保持される。所望の
酸化亜鉛膜を得るためには、硝酸イオン、亜鉛イオンの
濃度はそれぞれ0.001mol/lから1.0mol/lの範囲にあるこ
とが望ましく、より望ましくは0.01mol/lから0.5mol/l
の範囲にあることが望ましく、最適には0.1mol/lから0.
25mol/lの範囲にあることが望ましい。
【0030】硝酸イオン、亜鉛イオンの供給源として
は、特に限定するものではなく、両方のイオンの供給源
である硝酸亜鉛でもよいし、硝酸イオンの供給源である
硝酸アンモニウムなどの水溶性の硝酸塩と、亜鉛イオン
の供給源である硫酸亜鉛などの亜鉛塩の混合物であって
もよい。
【0031】また炭水化物の種類は特に制限されるもの
ではないが、グルーコース(ブドウ糖)、フルクトース
(果糖)などの単糖類、マルトース(麦芽糖)、サッカロー
ス(ショ糖)などの二糖類、デキストリン、デンプンなど
の多糖類などや、これらを混合したものを用いることが
できる。
【0032】水溶液中の炭水化物の量は、異常成長がな
く、均一性及び密着性に優れた酸化亜鉛薄膜を得るため
には、0.001g/lから300g/lの範囲にあることが望まし
く、より望ましくは0.005g/lから100g/lの範囲にあるこ
とが望ましく、最適には0.01g/lから60g/lの範囲にある
ことが望ましい。
【0033】103は導電性の基体であって、陰極とされ
ている。104は対向電極であり、液相堆積される金属で
ある亜鉛のほか、白金、炭素などを用いることができ
る。また、対向電極104は陽極とされる。陰極である基
体103と陽極である対向電極104は、負荷抵抗106を経て
電源105に接続されており、ほぼ一定の電流を流すよう
にされている。所望の酸化亜鉛膜を得るためには、電流
密度が10mA/dm2から10A/dm2の範囲にあることが望まし
い。
【0034】また、溶液を撹拌して層形成ムラを減ら
し、層形成速度を上げて効率化を図るために、溶液吸入
口を複数もった吸入バー108、同様に溶液射出口を複数
もった射出バー107、溶液循環ポンプ111、溶液吸入バー
108と溶液循環ポンプ111を接続する吸入溶液パイプ10
9、溶液射出バー107と溶液循環ポンプ111を接続する射
出溶液パイプ110とからなる溶液循環系を用いている。
小規模な装置にあっては、このような溶液循環系のかわ
りに、磁気撹拌子を用いることができる。
【0035】また、ヒーター112と熱電対113を用いて、
温度をモニターしながら水溶液の温度制御を行う。所望
の酸化亜鉛膜を得るためには水溶液の液温が50℃以上で
あることが望ましい。
【0036】第1の酸化亜鉛膜の堆積後、条件を変え
て、引き続いて第2の酸化亜鉛膜を堆積してもよい。
【0037】酸化亜鉛薄膜を作成する前に基体103を加
熱させるために温湯漕114に基体を浸漬しておいてもよ
い。湯温槽114には、ヒーター115と熱電対116を用いて
温度調整されたお湯が入っており、基体103を加熱でき
るようになっている。
【0038】連続形成装置 図2の装置は可とう性(柔軟性)を有する長尺シート状の
導電性基体201の表面上に酸化亜鉛層を水溶液中から連
続的に形成することのできる装置である。
【0039】導電性基体201の裏面には、酸化亜鉛膜の
堆積を防ぐための絶縁テープ(不図示)が貼ってある。20
2は導電性基体201をロール状に巻きつけた送り出しロー
ル、203は該導電性基体を巻き取る巻き取りロールで、
導電性基体は多くの搬送ロール204を介して巻き取りロ
ール203に巻き取られていく。各ロールの直径は基板の
塑性変形を防止するために導電性基体の材質に応じて決
定する必要がある。
【0040】205は導電性基体を加熱するための温湯槽
で、ごみを除去するフィルターを内蔵する循環系206が
接続され、温湯槽内部にはヒーター207がある。
【0041】208は酸化亜鉛層を形成する液相堆積槽
で、同じくごみを除去するフィルターを内蔵する循環系
209が接続され、液相堆積槽内部には亜鉛電極210、ヒー
ター211があり、外部には定電流電源212が接続されてい
る。循環装置209は溶液濃度を監視し、随時溶液を追加
するシステムを持っている。
【0042】213は洗浄槽で、同じくごみを除去するフ
ィルターを内蔵する循環系214が接続されている。215は
温風乾燥を行なう乾燥室である。
【0043】この装置によれば酸化亜鉛薄膜の形成を低
コストに行うことが出来る。
【0044】(基体)本発明で用いられる基体は、磁性あ
るいは非磁性の各種金属の支持体を母体としたものであ
る。なかでもステンレススチール板、鋼板、銅板、真鍮
板、アルミニウム板などは、価格が比較的安くて好適で
ある。
【0045】これらの金属板は、一定の形状に切断して
も良いし、板厚によっては長尺のシート状の形状で用い
ても良い。この場合にはコイル状に巻くことができるの
で、連続生産に適合性が良く、保管や輸送も容易にな
る。また、用途によってはシリコンなどの結晶基板、ガ
ラス、セラミックス又は樹脂などの基材に半導性薄膜
(金属膜)を形成したものを用いることもできる。支持
体の表面は研磨しても良いが、例えばブライトアニール
処理されたステンレス板のように仕上がりの良い場合に
はそのまま用いても良い。
【0046】光起電力素子への応用 本発明の方法で形成された酸化亜鉛薄膜を適用した光起
電力素子の断面模式図を図3に示す。図中301-1は支持
体、301-2は金属層、301-3は透明導電層、302は本発明
の方法で形成された酸化亜鉛層、303は半導体層、304は
透明導電層、305が集電電極である。上記の支持体301-
1、金属層301-2、透明導電膜層301-3が本発明でいう導
電性基体301を形成している。
【0047】酸化亜鉛層302は、粒径及び結晶軸の配向
性の異なる複数の層を積層したものでもよい。
【0048】太陽光は、光起電力素子の304側から入射
される。500nmより短い短波長の光は、次の半導体層303
でほとんど吸収されてしまう。一方、バンド吸収端より
長い波長である700nm程度より波長の長い光は、その一
部が半導体層303を透過して、透過層である酸化亜鉛膜3
02を通り抜け、金属層301-2あるいは支持体301-1で反射
され、再び透過層である酸化亜鉛膜302を通り抜け、半
導体層303にその一部もしくは多くが吸収される。
【0049】このとき、支持体301-1及び/または金属層
301-2及び/または透明層である酸化亜鉛層302及び/また
は半導体層303に凸凹が形成されていて光の行路を曲げ
るに足るものであると、光路が傾くことによって半導体
層303を透過する光路長が伸び、吸収が大きくなること
が期待される。この光路長の伸びることによる吸収の増
大は、光に対して殆ど透明な層では殆ど問題にならない
ほど小さいが、ある程度吸収の存在する領域、即ち光の
波長が物質の吸収端近傍の波長であると、指数関数的に
なる。透明層である酸化亜鉛層302は可視光から近赤外
光に対して透明であるから、600nmから1200nmの光は半
導体層303において吸収されることになる。
【0050】金属層301-2は必須のものではないが、ス
テンレススチールや鋼板のようにそのままでは反射性が
低い基板や、ガラス、セラミックス又は樹脂のようにそ
のままでは導電性の低い材料からなる支持体では、その
上に銀や銅あるいは金あるいはアルミニウムのような反
射率の高い金属層301-2をスパッタや蒸着で設ける。ま
た、金属層301-2にアルミニウムをもちいた場合には、
上記の水溶液にアルミニウムが溶解するのを防ぐため、
金属層301-2上に極薄の透明導電膜層301-3を用いること
がある。
【0051】(半導体層)半導体層の材料としては、p
n接合、pin接合、ショットキー接合、ヘテロ接合な
どが挙げられ、半導体材料としては、水素化非晶質シリ
コン、水素化非晶質シリコンゲルマニウム、水素化非晶
質シリコンカーバイド、微結晶シリコンまたは多結晶シ
リコン等が使用できる。
【0052】特に、長尺基板上に連続的に形成するのに
好適なのはアモルファスあるいは微結晶のSi、C、Ge、
またはこれらの合金である。同時に、水素及び/又はハ
ロゲン原子が含有される。その好ましい含有量は0.1
乃至40原子%である。さらに、酸素、窒素などを含有し
てもよい。これらの不純物濃度は5×1019cm-3以下が望
ましい。さらにp型半導体とするにはIII属元素、n
型半導体とするにはV属元素を含有する。
【0053】スタックセルの場合、光入射側に近いpin
接合のi型半導体層はバンドギャップが広く、遠いpin
接合なるにしたがいバンドギャップが狭くなるのが好ま
しい。また、i層の内部ではその膜厚の中央よりもp層寄
りにバンドギャップの極小値があるのが好ましい。
【0054】光入射側のドープ層は光吸収の少ない結晶
性の半導体か、又はバンドギャップの広い半導体が適し
ている。
【0055】上述の半導体層を形成するには、マイクロ
波(MW)プラズマCVD法または高周波(RF)プラズマCV
D法が適している。
【0056】本発明の光起電力装置に好適なIV族及びIV
族合金系非晶質半導体層の堆積に適した原料ガスは、Si
H4、Si2H6等のシリコン原子を含有したガス化し得る化
合物、GeH4等のゲルマニウム原子を含有したガス化し得
る化合物を主とする。
【0057】さらに、炭素、窒素、酸素等を含有したガ
ス化し得る化合物を併用してもよい。
【0058】p型層とするためのドーパントガスとして
はB2H6、BF3等が用いられる。
【0059】n型層とするためのドーパントガスとして
はPH3、PF3等が用いられる。
【0060】特に微結晶あるいは多結晶半導体やSiC
等の光吸収の少ないかバンドギャップの広い層を堆積す
る場合は水素ガスによる原料ガスの希釈率を高くし、マ
イクロ波パワー、あるいはRFパワーは比較的高いパワ
ーを導入するのが好ましい。
【0061】(透明電極)透明電極107はその膜厚を適
当に設定することにより反射防止膜の役割をかねること
が出来る。
【0062】透明電極107はITO、ZnO、InO3等の材料
を、蒸着、CVD、スプレー、スピンオン、浸漬などの方
法を用いて形成される。これらの化合物に導電率を変化
させる物質を含有してもよい。
【0063】(集電電極)集電電極108は集電効率を向
上させるために設けられる。その形成方法として、マス
クを用いてスパッタによって電極パターンの金属を形成
する方法や、導電性ペーストあるいは半田ペーストを印
刷する方法、金属線を導電性ペーストで固着する方法な
どがある。
【0064】なお、必要に応じて光起電力素子100の両
面に保護層を形成することがある。同時に鋼板等の補強
材を併用してもよい。
【0065】
【実施例】酸化亜鉛膜の作成例 溶液循環系を省略した図1に示される装置を用いた。負
側の電極103としては、厚さ0.12ミリのステンレ
ス430BAに、銅を2000Åスパッタしたものを用
い裏面をテープで覆い、正側の電極104としては厚さ
1ミリの4−Nの亜鉛を使用した。
【0066】溶液は硝酸亜鉛の水溶液とし、100ml
に2gの割合でサッカロースを加えた。硝酸亜鉛濃度は
0.1M/lから0.0025M/lに変えた。液温
は、室温から85℃まで変え、印加電流は、0.3〜1
00mA/cm2(0.03〜10A/dm2)の範囲で
変化させた。溶液循環系を省略したかわりに、液は磁気
攪拌子にて常時攪拌した。
【0067】(実施例1−1)印加電流密度を約1mA
/cm2で一定とし、溶液の硝酸亜鉛濃度を0.1M/
l、0.025M/l、0.01M/l、0.0025
M/l、に対して、液温を室温から85℃程度まで変化
させて、成膜を行った。成膜された膜は、液温が60℃
以上の場合、X線回析装置にて六方晶の酸化亜鉛である
ことが同定され、その結晶粒径をSEMにて観察したと
ころ、図4で示されるような結果であった。
【0068】60℃より液温が低いと、金属亜鉛の析出
も起こり、一定サイズの酸化亜鉛は観察されなくなっ
た。さらに、液温が60℃以上の場合、結晶粒の配向性
をX線回析から評価すると、硝酸亜鉛濃度を0.1M/
lの場合には、c軸が傾き六方片が立ち上がった形で配
向し、0.025M/l以下の場合には、c軸が基体に
垂直に成膜されていることが判った。
【0069】(実施例1−2)次に、温度を65℃で一
定とし、溶液の硝酸亜鉛濃度を0.1M/l、0.02
5M/l、0.01M/lに対して、印加電流密度を約
0.5mA/cm2〜約100mA/cm2で変化させ
て、成膜を行った。堆積速度を印加電流密度の依存性と
してプロットしたのが図5である。いずれの濃度でも、
印加電流密度が5mA/cm2程度までは、ほぼ直線的
に堆積速度が増加している。印加電流密度が5mA/c
2を越えると堆積速度が下がると共に、SEM像観察
によると異常成長が見られ、酸化亜鉛ではなく金属亜鉛
の析出がみられたが、攪拌によりこれを防ぐことは可能
である。攪拌により少なくとも1から100mA/cm
2の範囲で良好な堆積が可能であった。つまり溶液系か
らの成長エージェントの補給が反応を律速していること
が判る。ここでも、成膜速度によらず、溶液の硝酸亜鉛
濃度が0.1M/lの時にはc軸が傾いて配向し、0.
025M/lおよび0.01M/lの時にはc軸配向と
なって結晶粒が成長していることが見いだされた。
【0070】0.1M/lの時のc軸が傾いて配向して
いるサンプルからのX線回析パターンを図6に、0.0
25M/lの時のc軸配向となって結晶粒が成長してい
るサンプルからのX線回析パターンを図7に、それぞれ
示す。下地基板の影響は補正してある。SEM像の違い
も明確であって、図6のX線回析パターンを示すサンプ
ルは、六角の結晶片総てが立ち上がったモルフォロジー
を示す一方、図7のX線回析パターンを示すサンプル
は、六角の結晶片の上面だけが面内に観察される。温度
の変化は、粒径を変えるのみで、このSEM像の見えか
たの違いとはならない。
【0071】堆積反応に1価のイオンが介在しているか
2価のイオンが介在しているか判断するため、酸化亜鉛
の密度からどのくらいの成膜速度が期待されるかを計算
したものが図3中の破線であり、誤差の範囲で十分に、
1価のイオンが関与している、すなわち1価収集である
ことが判った。このことから、おそらく水溶液中から酸
化亜鉛を成長させるのに鍵となる因子はZn(NO3)
+であることが推定される。
【0072】すなわち、上述の実施例より、約50℃よ
り高い温度で酸化亜鉛の堆積が良好におこなわれ、その
結晶粒径は溶液濃度と液温に依ること、堆積速度は印加
する電流密度に依存すること、配向性は溶液濃度に依存
すること、それらを支配している因子がZn(NO3)
+であるらしいこと、が見出だされた。このことは、溶
液濃度と液温を適宜選ぶと、硝酸亜鉛とサッカロースを
含む水溶液から、所定の結晶粒の酸化亜鉛膜を所望の配
向性(c軸を傾けるか垂直にするか)で成膜できること
を示している。
【0073】(実施例2−1)5×5cmのステンレス
(430BA)基板の上に水溶液から酸化亜鉛を300
0オングストローム堆積した。即ち、99.99%の亜
鉛板を正極とし、該ステンレス基板を負極として、70
度に保った、サッカロース20g/lを加えた0.1M
/l硝酸亜鉛水溶液に浸漬し、この水溶液を攪拌しなが
ら、ガルバノスタットを用いて、間隙3.5cmの両極
間の間に、20mAの電流を流した。10分後には、散
乱による乳白色を呈する酸化亜鉛の膜が析出した。この
時の水溶液の水素イオン濃度(pH)は5.4であっ
た。これを圧搾空気で水切りして得られた膜を膜aとす
る。
【0074】(実施例2−2)実施例1−1の水溶液を
純水で40倍に希釈加え、温度を85度に保った以外は
実施例1−1と同じ手順にて同じく3000オングスト
ロームの酸化亜鉛層を得た。pHは6.4であり、透明
な干渉色を呈する膜が堆積した。これを膜bとする。
【0075】(参考例2−3)実施例1−1と同じステ
ンレス基板の上にDCマグネトロン・スパッタで酸化亜
鉛を同様の厚みで蒸着した。即ち、酸化亜鉛ターゲット
を用い、Arを2sccm流しながら10mTorrに
て100Wのパワーで5分間スパッタし、3000オン
グストロームの酸化亜鉛層を得た。膜の外観は実施例1
−2の様に干渉色を呈する透明な膜であった。これを膜
cとする。
【0076】(参考例2−4)同様のステンレス基板の
上に参考例2−3と同じくDCマグネトロン・スパッタ
で酸化亜鉛を5倍の厚みで蒸着した。厚みを厚くするた
めに、蒸着時間を5倍とした。できた膜は1.5ミクロ
ンであった。膜の外観は干渉色を呈する透明な膜であっ
た。これを膜dとする。
【0077】(実施例2−5)堆積時間を3分としたほ
かは実施例1−2と同じ方法で、透明な干渉色を呈す
る、約1000オングストロームの酸化亜鉛層を堆積さ
せた。この後、約1000オングストロームの酸化亜鉛
層が堆積したステンレス基板を電極として、堆積時間を
7分としたほかは実施例1−1と同じ方法で、約200
0オングストロームの酸化亜鉛層を積層せしめた。この
複合の膜を膜eとする。
【0078】膜aの分光全反射率は、膜厚が薄いにも関
わらず、近赤外領域で干渉パターンがぼやけ、極めて散
乱特性の良いことを示していた。
【0079】膜aからeをSEMにて観察したところ、
膜aと膜eは1.2ミクロンの前後の径の扁状の多結晶
構造であり、膜bは0.1ミクロン前後の径の鱗状の多
結晶構造であり、膜c及びdはSEMにては分解能が不
十分で配向性を評価するだけの形状が見られなかった
が、数百オングストロームの粒径の粒状集合構造である
ことは確認できた。
【0080】膜aからcをX線回析によって評価したと
ころ、膜aは図6に示す様な結果となり、酸化亜鉛の六
方晶系の回析でc軸が垂直から倒れているものが主要な
部分を占めることが解った。この時のX線回析の<00
2>の強度が<101>の強度の30%であった。膜b
とcは<002>の回析ピークが主要であり、膜bの回
析パターン例は、図7に示すようにc軸に配向している
ことが判明した。
【0081】更に、膜a、b、c、d、eの上に、順次
a−Si(n)、a−SiGe(i)、mc−Si
(p)をマイクロ波CVDで蒸着し、次にITOを60
0オングストロームに蒸着し、更に銀でグリットを形成
して上部取出し電極とした。この様にして作製した太陽
電池をソーラーシュミレータのもとで評価したところ、
膜aの短絡電流密度Jscは10.2mA、膜bの短絡
電流密度Jscは9.5mA、膜cの短絡電流密度Js
cは8.6mA、膜dの短絡電流密度Jscは9.3m
A、膜eの短絡電流密度Jscは10.0mA、と大き
な違いを生じた。
【0082】更にまた、膜a、b、c、d、eを基板ご
と折り曲げて剥離性を検討した。膜aは、折り曲げ部分
で剥離が始まり、曲げ戻しでほとんど剥離してしまっ
た。一方膜b、c、d、eは180度の角度で折り曲げ
ても剥離は観察されず、密着性の高いことが確認され
た。
【0083】光起電力素子への応用例 (実施例3)半導体層にpin接合を3つ有する太陽電池を作
成した。具体的には、支持体(SUS430 15×15cm2 厚さ0.
2mm)/金属層Ag/透明導電層ZnO/半導体層/透明導電層ITO
/集電電極Crで構成された太陽電池を作成した。
【0084】まず、支持体上に金属層Agを通常のスパッ
タ法で作成して、導電性基体を作成した。次に、図1の
装置を用いて温湯槽で85℃の温水に浸して予め加熱した
導電性基体上に、表1の条件に示すようにグルコースを
含有した硝酸イオンと亜鉛イオンを含む水溶液を用いて
透明導電層ZnOを2.0μmの厚さで作成した。
【0085】半導体層は第1のn型ドープ層 a-Si:H:P/第
1のi層 a-SiGe:H/第1のp型ドープ層 μc-Si:H:B/第2のn型ドープ層 a-Si:H:P/第2のi層 a-Si
Ge:H/第2のp型ドープ層 μc-Si:H:B/第3のn型ドープ層 a-Si:H:P/第3のi層 a-S
i:H/第3のp型ドープ層 μc-Si:H:Bといった構成のものをプラズマCVD法で作成
した。透明導電層ITOは通常のスパッタ法、集電電極Cr
は通常の真空蒸着法で作成した。透明導電層ITOは、マ
スキングによって半導体層の上に1cm2の面積をもった円
形状に計100個作成してサブセルとし、それぞれのサブ
セル上に集電電極を作成した。
【0086】(比較例1)透明導電層ZnOを表2に示す条件
で作成した以外は、実施例3と同様に、半導体層にpin接
合を3つ有する図3の太陽電池を作成した。実施例3と同
様に、透明導電層ITOは、マスキングによって図3に示す
ように半導体層の上に1cm2の面積をもった円形状に計10
0個作成しサブセルとし、それぞれのサブセル上に集電
電極を作成した。
【0087】実施例3の太陽電池と比較例1の太陽電池の
太陽電池特性をソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/
cm2、表面温度25℃)を用いて測定した。同時にシャント
抵抗(Rsh)を測定してリーク電流の発生の程度を評価し
た。シャント抵抗については、実用に耐えうるための基
準を設け、その基準を上回ったものを良品とみなし、良
品率から酸化亜鉛薄膜の異常成長の発生度を評価した。
また、良品と判断されたサブセルの太陽電池特性を調
べ、光変換効率の標準偏差からそのばらつき具合を調
べ、酸化亜鉛薄膜の均一性として評価した。また、HH試
験(高温高湿試験)を行なった太陽電池を碁盤目テープ法
を用いて密着性を評価した。HH試験は、それぞれの太陽
電池を環境試験箱に投入し、温度85℃、湿度85%の状態
で100時間保持する方法で行なった。碁盤目テープ法
は、環境試験箱から取り出した太陽電池を1mmのすきま
間隔にカッターナイフで支持体に達する切り傷を碁盤目
状につけ、この碁盤目の上に粘着テープを張り、はがし
たあとの膜の付着状態を目視によって観察する方法で行
なった。
【0088】その結果、実施例3の太陽電池は比較例1の
太陽電池に比べて良品率、良品サブセルの光変換効率の
標準偏差、碁盤目テープ法による密着性試験とも優れて
いたが、とくに良品サブセルの光変換効率の標準偏差は
比較例1の1/5と小さかった。
【0089】(実施例4)実施例3におけるグルコースをサ
ッカロースに変えたほかは実施例3と同様にして太陽電
池を作成した。条件を表3に示す。
【0090】その結果、実施例4の太陽電池は比較例1の
太陽電池に比べて良品率、良品サブセルの光変換効率の
標準偏差、碁盤目テープ法による密着性試験とも優れて
いたが、とくに良品率は100%であった。
【0091】(実施例5)実施例3におけるグルコースをデ
キストリンに変えたほかは実施例3と同様にして太陽電
池を作成した。条件を表4に示す。
【0092】その結果、実施例5の太陽電池は比較例1の
太陽電池に比べて良品率、良品サブセルの光変換効率の
標準偏差、碁盤目テープ法による密着性試験とも優れて
いたが、とくに碁盤目テープ法による密着性試験が優れ
ていた。
【0093】(実施例6)実施例3におけるグルコースをグ
ルコース、サッカロース、及びデキストリンの混合物に
変えたほかは実施例3と同様にして太陽電池を作成し
た。条件を表5に示す。
【0094】その結果、実施例6の太陽電池は比較例1の
太陽電池に比べて良品率、良品サブセルの光変換効率の
標準偏差、碁盤目テープ法による密着性試験とも優れて
いた。
【0095】(実施例7)実施例6における硝酸イオン濃度
を2倍にした他は実施例6と同様に光起電力素子を作成し
た。条件を表6に示す。
【0096】その結果、実施例7の太陽電池は比較例1の
太陽電池に比べて良品率、良品サブセルの光変換効率の
標準偏差、碁盤目テープ法による密着性試験とも優れて
いた。
【0097】(実施例8)図1の装置を用いて表7に示す条
件でNESAガラス上にZnOを2.0μmの厚さで堆積させたサ
ンプルを作成した。サンプルは表7に示した温度ごとに6
種類作成した。サンプルの透過率をスペクトロメーター
で測定し、800nmの透過率の値を比較したところ、水溶
液温度が50℃以上の5サンプルはほぼ同様な透過率を示
したが、水溶液温度が40℃のサンプルは50℃以上のサン
プルに対して10%低い透過率を示した。
【0098】続いて実施例3と同様に光起電力素子を作
成した。
【0099】実施例8の太陽電池の太陽電池特性をソー
ラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)
を用いて測定した。その結果、水溶液温度が50℃以上の
5つの太陽電池は、ほぼ同様な光変換効率を示したが、
水溶液温度が40℃の太陽電池は50℃以上の太陽電池に対
して10%低い光変換効率を示した。
【0100】以上のことから、硝酸イオンと亜鉛イオン
と炭水化物を含有してなる水溶液の温度が50℃以上で優
れた光起電力素子ができることがわかった。
【0101】(実施例9)図1の装置を用いて表8に示す条
件でNESAガラス上にZnOを2μmの厚さで堆積させたサン
プルを作成した。サンプルは表8に示した電流密度ごと
に6種類作成した。サンプルの透過率をスペクトロメー
ターで測定し、800nmの透過率の値を比較したところ、
電流密度が10mA/dm2から10A/dm2の4サンプルでは、ほぼ
同様な透過率を示したが、電流密度が5mA/dm2と20A/dm2
のサンプルは10mA/dm2から10A/dm2の4サンプルに対して
5%低い透過率を示した。
【0102】続いて実施例3と同様に光起電力素子を作
成した。
【0103】実施例9の太陽電池の太陽電池特性をソー
ラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)
を用いて測定した。その結果、電流密度が10mA/dm2から
10A/dm2の4つの太陽電池は、ほぼ同様な光変換効率を示
したが、電流密度が5mA/dm2と20A/dm2のの太陽電池は電
流密度が10mA/dm2から10A/dm2の太陽電池に対して5%低
い光変換効率を示した。
【0104】以上のことから、印加する電流密度が10mA
/dm2から10A/dm2の範囲で優れた光起電力素子ができる
ことがわかった。
【0105】(実施例10)実施例6における亜鉛イオ
ン濃度を半分にし、印加電流密度を2倍にした第1の酸化
亜鉛層を形成し(表9)、続いて、硝酸亜鉛濃度を半分に
し、印加電流密度を1/10にして第2の酸化亜鉛層を形成
した(表10)。その後実施例3と同様にして光起電力素子
を作成した。
【0106】その結果、実施例10の太陽電池は比較例1
の太陽電池に比べて良品率、良品サブセルの光変換効率
の標準偏差、碁盤目テープ法による密着性試験とも優れ
ていた。
【0107】(実施例11)他の実施形態の例として長尺シ
ートを用いて図3の構成の太陽電池を作成した。半導体
層は実施例3と同様にpin接合を3つ有するものを用い
た。成膜方法は生産性の高いRoll-to-Roll方式で行なっ
た。
【0108】まず、Roll-to-Roll方式を用いたスパッタ
リング法を用いてSUS430BA(厚さ0.15mm)からなる支持体
上にアルミニウムからなる金属層0.1μmと酸化亜鉛から
なる透明導電層0.1μmを形成し導電性基体401を作成
し、その後図2に示す装置で酸化亜鉛層を電気化学的に
形成した。条件を表11に示す。
【0109】その後、rolltoroll装置によって実施例3
と同様の太陽電池を作成した。
【0110】その結果、実施例11のすべての太陽電池は
比較例1の太陽電池に比べて良品率、良品サブセルの光
変換効率の標準偏差、碁盤目テープ法による密着性試験
とも優れていたが、とくに碁盤目テープ法による密着性
試験が優れていた。
【0111】(実施例12−1)約5cm角で厚さ0.
12ミリのステンレス430BAを基体とし、表12の条
件で第1の酸化亜鉛層を形成し、表13の条件で第2の酸化
亜鉛層を形成した。SEM像では、第一の酸化亜鉛層は
ほぼ0.05ミクロンの結晶粒からなり、X線回析では
c軸配向していた。第二の酸化亜鉛層は、ほぼ0.3ミ
クロンの結晶粒が<101>軸配向していた。
【0112】さらにこのあと、半導体層として、CVD
法により、n型非晶質シリコン(a−Si)を200
Å、ノンドープ非晶質シリコン(a−Si)を2000
Å、p型微結晶シリコン(mc−Si)を140Åの順
に積層した。さらに、酸素雰囲気の加熱蒸着でITOを
650Å蒸着し、反射防止効果のある上部電極としての
透明導電膜とした。この上に銀によるグリッドを加熱蒸
着により堆積して上部取り出し電極とした。
【0113】この素子を疑似太陽光のしたで測定したと
ころ、短絡電流密度Jscが11.0mAであった。
【0114】(実施例12−2)第一及び第二の酸化亜
鉛層の形成条件を、それぞれ表14及び表15に示す条件に
した他は、実施例12-1と同様に光起電力素子を作成し
た。
【0115】第一の酸化亜鉛層のSEM像は、ほぼ0.
05ミクロンの結晶粒が、X線回析でc軸に配向してお
り、第二の粒径の、第二の配向性を持つ六方晶系多結晶
からなる第二の酸化亜鉛層のSEM像は、ほぼ1.3ミ
クロンの結晶粒がc軸を傾けて配向していた。
【0116】この素子を疑似太陽光の下で測定したとこ
ろ、短絡電流密度Jscが11.5mAであった。
【0117】(比較例2)酸化亜鉛層を形成しなかった
ほかは、実施例12と同じ条件で、光起電力素子を作成
した。この素子を疑似太陽光の下で測定したところ、短
絡電流密度Jscは、7.3mAであった。したがって
本発明の素子は優れた特性を有することがわかった。
【0118】(実施例13)約5cm角で厚さ0.12
ミリのステンレス430BAを基体とし、これをアルカ
リ洗浄し、表面に近赤外で反射特性のよい金属層として
銅を2000Åスパッタしたのちに、実施例12-2と同様
の条件で酸化亜鉛層を形成し、光起電力素子を作成し
た。
【0119】この素子を疑似太陽光の下で測定したとこ
ろ、短絡電流密度Jscが13.9mAと優れた特性を
示した。
【0120】(比較例3)酸化亜鉛層と形成しなかった
ほかは、実施例13と同じ条件で光起電力素子を形成し
た。この素子を擬似太陽光の下で測定したところ、短絡
電流密度Jscは8.3mAであった。
【0121】したがって本発明の素子は優れた特性を有
することがわかった。
【0122】(実施例14)図8に示す連続形成装置で
本発明の酸化亜鉛層を2層形成した。
【0123】まずオイルで防錆された支持体ロール80
3は脱脂浴槽806にてオイル分を脱脂される。脱脂浴
805は、水1リットル中に硫酸60mlと塩酸(37
%塩化水素水(以下同様))70mlを含んでなる水溶
液である。温度は室温とする。
【0124】しかるのち搬送ローラー807を経て、水
洗槽810に搬送される。水洗シャワー808と811
にて水洗が十分に行われる。水量は最低毎分2リットル
あることが好ましい。
【0125】次に支持体ロールは、搬送ローラー812
を経て、酸性蝕刻浴槽815に搬送される。ここで、フ
ッ酸および硝酸による支持体803の蝕刻が行われる。
用いる酸性蝕刻浴814は、硝酸5に対してフッ酸(4
6%フッ化水素酸、以下同様)3、酢酸1を混合したも
のである。温度は室温とする。この蝕刻によりこの後に
形成される金属層が支持体により密着する効果がある。
また、蝕刻による凹凸が後で形成される酸化亜鉛薄膜の
凹凸形成に効果的な役割を果たす。これによりより効果
的な光閉込め効果を有する光起電力素子とすることが出
来る。
【0126】さらに脱脂浴後の水洗浴と同様の水洗浴槽
819に搬送される。次工程の金属層形成浴がアルカリ
性であるから、弱アルカリのシャワーとすることも可能
である。
【0127】支持体ロール803は搬送ローラー82
1、822を経て、金属層形成浴槽826にて金属層を
形成する。金属形成浴825は、水1リットル中に、ピ
ロ燐酸銅80g、ピロ燐酸カリウム300g、アンモニ
ア水(比重0.88)6ml、硝酸カリウム10gから
なる。液温は、50℃〜60℃で制御する。pHは8.
2〜8.8の範囲に入るようにする。陽極824には銅
板を用いる。本装置にては支持体ロール803が接地電
位とされているので、陽極の銅板での電流を読んで層形
成を制御する。本例では電流密度3A/dm2とした。
また、層形成速度は60Å/sであり、金属形成浴中で
形成された金属層802の層厚は4000Åであった。
【0128】その後、水洗槽833で水洗されたのち、
支持体ロール803は搬送ローラー835、836を経
て、第一の酸化亜鉛層形成浴槽840に搬送され、第一
の酸化亜鉛層103が形成される。透明導電性層形成浴
839は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩1g、サ
ッカロース20gを含んでなり、85℃の温度に保たれ
る。pHは5.9から6.4に保持される。対向電極8
38は表面をバフ研磨した亜鉛が用いられる。この亜鉛
対向電極に流す電流密度は2A/dm2とした。また、
層形成速度は100Å/sであり、第一の酸化亜鉛層1
03の層厚は1μmであった。
【0129】その後、水洗槽847で水洗されたのち、
支持体ロール803は搬送ローラー849、850を経
て、第二の酸化亜鉛層形成浴槽854に搬送され、第二
の酸化亜鉛層104が形成される。第二の酸化亜鉛層形
成浴839は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩30
g、サッカロース20gを含んでなり、75℃の温度に
保たれる。pHは5.2から5.8に保持される。対向
電極852は表面パフ研磨した亜鉛が用いられる。この
亜鉛対向電極に流す電流密度は2A/dm2とした。ま
た、層形成速度は100Å/sであり、第二の酸化亜鉛
層形成浴中で形成された、第二の酸化亜鉛層104の層
厚は1μmであった。
【0130】さらに、支持体ロール803は水洗槽86
1に送られて水洗される。
【0131】しかるのち支持体ロール803は搬送ロー
ラー863を経て乾燥炉864に送られる。乾燥炉86
4は温風ノズル865と赤外線ヒーター866からなっ
ており、温風は溌水も同時に行う。温風ノズル865か
らの温風は150℃で制御し、赤外線ヒーター866は
200℃で制御した。最後に巻き取りローラー802に
よって巻き取られる。
【0132】支持体ロールのプロセススピードは20c
m/minとした。支持体ロールにかかわっている張力
は10kgとした。張力は巻き取りローラー802に組
み込まれた不図示の張力調整クラッチによって制御され
る。
【0133】金属層形成浴槽826は空気攪拌とし、第
一の酸化亜鉛層形成浴槽840及び第二の酸化亜鉛層形
成浴槽854は機械攪拌とした。また、いずれも、ガラ
ス電極を用いた温度補正を内蔵したpH計にて常時浴の
pHモニターし、金属層形成浴槽826ではアンモニア
を追加し、第一の酸化亜鉛層形成浴槽840及び第二の
酸化亜鉛層形成浴槽854では適宜硝酸亜鉛を追加して
浴のpHを制御した。
【0134】その後、roll to roll装置で光起電力素子
を作成した。
【0135】本実施例においては、金属形成浴625と
して、水1リットル中に、ピロ燐酸銅80g、ピロ燐酸
カリウム300g、アンモニア水(比重0.88)6m
l、硝酸カリウム10gからなる水溶液を選んだが、ピ
ロ燐酸銅は60〜110g、ピロ燐酸カリウムは100
〜500g、アンモニア水は1〜10ml,硝酸カリウ
ムは5〜20gの範囲で使用できる。ピロ燐酸カリウム
は、成膜される銅の凹凸に寄与し、多く入れると凹凸性
が抑制される。また過剰なピロ燐酸カリウムは、オルソ
燐酸の生成が起こり、電流密度の減少を招く。硝酸カリ
ウムもアンモニア水も少ないと凹凸制が増大に寄与す
る。密着性の点からはある程度の存在が好ましい。
【0136】本実施例においては、第一の酸化亜鉛層形
成839は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩1g、
サッカロース20gを含んでなる水溶液を選んだが、硝
酸亜鉛・6水塩は0.1g〜80g、サッカロースを3
g〜100g、さらに硝酸を50mlを上限として加え
ることもできるし、また、pHの管理を容易にする目的
で酢酸を3〜20ml加えてもよい。
【0137】本実施例においては、第二の酸化亜鉛層形
成浴853は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩30
g、サッカロース20gを含んでなる水溶液を選んだ
が、硝酸亜鉛・6水塩は1g〜80g、サッカロースを
3g〜100g、さらに硝酸を50mlを上限として加
えることもできるし、また、pHの管理を容易にする目
的で酢酸を3〜20ml加えてもよい。
【0138】(比較例4)銅と酸化亜鉛をステンレス上
にスパッタ装置で堆積したほかは実施例14と同じ条件で
光起電力素子を作成した。実施例14の素子は比較例4の
素子に比べて1.13倍の光電変換効率を示し、本発明
による光起電力素子の優れていることが示された。主に
これは、短絡電流の改善によるもので、本発明による酸
化亜鉛多結晶膜のc軸が傾いた配向形状が、光起電力素
子の光閉じ込めに極めて有効に働いていることを示して
いる。
【0139】次にこの素子を、85℃−85%RHの環
境試験箱に入れ、1V逆バイアスをかけ、時間経過とと
もに特性モニターした。比較例4の素子が10分で使用
不可能シャントのレベルに近づき1時間で使用に耐えな
くなったのに対し、実施例14の素子は、16時間にわた
って使用可能域に留まった。したがって本発明の素子
は、すぐれた特性を有することがわかった。
【0140】(実施例15)水洗ならびに溶液の温度を
全工程にわたってほぼ75℃とした例を次に示す。図8
で示した装置を用い、水洗は全て75℃の温水とし、す
べての浴の温度も75℃とした。ただし、蝕刻浴は、硝
酸3、フッ酸2、酢酸3を混合したものとし、金属層形
成浴は、実施例14と同じもの、第一の酸化亜鉛層形成
浴839は、水1リットル中に硝酸亜鉛・6水塩3g、
硝酸2ml、酢酸1ml、サッカロース90gを含んで
なるものを、第二の酸化亜鉛層形成浴853は、水1リ
ットル中に硝酸亜鉛・6水塩30g、硝酸2ml、酢酸
1ml、サッカロース90gを含んでなるものを用い
た。また、電流密度は、金属層形成浴で2A/dm2
第一の酸化亜鉛層形成浴839で0.4A/dm2、第
二の酸化亜鉛層形成浴853で0.6A/dm2とし
た。
【0141】この時、金属層202の層形成速度30Å
/s、層厚2000Åであり、第一の酸化亜鉛層103
の層形成速度10Å/s、層厚2000Å、第二の酸化
亜鉛層104の層形成速度10Å/s、層厚12000
Åであった。
【0142】この後、実施例14と同様に光起電力素子
を作成した。
【0143】(比較例5)銅と酸化亜鉛をステンレス上
にスパッタ装置で堆積したほかは、実施例14と同じ条
件で光起電力素子を作成した。実施例15の素子は比較例
5の素子と比べて1.17倍の光電変換効率をを示し
た。
【0144】更に、本実施例にて形成された光起電力素
子を85℃−85%RHの環境試験箱に入れ、1Vの逆
のバイアイをかけ、時間経過とともに特性をモニターし
たところ、17時間使用可能域に留まり、すぐれた安定
性を示した。したがって本発明の素子はすぐれた特性を
有することがわかった。
【0145】本実施例の方法では、温度がプロセスに亘
って一定となっているため、支持体ローラーが各浴に入
る都度、条件が設定値と大きく変わる不都合を回避で
き、装置全体の長さを最小に押さえることができるとと
もに、装置の低コスト化に寄与でき、ひいては光起電力
素子の低価格化に貢献することができる。
【0146】
【表1】
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
【表4】
【0150】
【表5】
【0151】
【表6】
【0152】
【表7】
【0153】
【表8】
【0154】
【表9】
【0155】
【表10】
【0156】
【表11】
【0157】
【表12】
【0158】
【表13】
【0159】
【表14】
【0160】
【表15】
【0161】
【発明の効果】本発明の酸化亜鉛薄膜製造方法によれ
ば、真空プロセスが不要であるため、大幅に作成コスト
を低減する。また、歩留が高く、均一性、密着性に優れ
た酸化亜鉛薄膜の製造が可能になる。
【0162】また、本発明の方法で形成された酸化亜鉛
薄膜を有する光起電力素子は、作成コストを大幅に低減
し、かつ歩留が高く、均一性や耐環境性を向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化亜鉛製造装置
【図2】本発明の酸化亜鉛の連続製造装置
【図3】本発明の酸化亜鉛を光起電力素子に応用した例
【図4】本発明の酸化亜鉛の粒径の温度依存性
【図5】本発明の酸化亜鉛の堆積速度の電流密度依存性
【図6】硝酸亜鉛濃度0.1mol/lで作成された酸
化亜鉛層のX線回折強度
【図7】硝酸亜鉛濃度0.025mol/lで作成され
た酸化亜鉛層のX線回折強度
【図8】本発明の酸化亜鉛の連続製造装置
【符号の説明】
101 耐腐食性容器 102 水溶液 103 導電性基体 104 対向電極 105 電源 106 負荷抵抗 107 射出バー 108 吸入バー 109 吸入溶液パイプ 110 射出溶液パイプ 111 溶液循環ポンプ 112 ヒーター 113 熱電対 114 温湯槽 115 ヒーター 116 熱電対 201 導電性基体 201 送り出しロール 203 巻き取りロール 204 搬送ロール 205 温湯槽 206 循環系 207 ヒーター 208 液相堆積槽 209 循環系 210 亜鉛電極 211 ヒーター 211 定電流電源 213 洗浄槽 214 循環系 215 乾燥室 301 導電性基体 301−1 支持体 301−2 金属層 301−3 透明導電層 302 酸化亜鉛層 303 半導体層 304 透明導電層 305 集電電極 801 送り出しローラー 802 送き取りローラー 803 支持体ロール 804、807、809、812、813、816、8
18、821、822、823、829、830、83
2、835、836、837、843、844、84
6、849、850、851、857、858、86
0、863 搬送ローラー 805 脱脂浴 806 脱脂浴槽 808、811、817、820、831、834、8
45、848、859、862 水洗シャワー 810、819、833、847、861 水洗槽 814 酸性蝕刻浴 815 酸性蝕刻浴槽 824 陽極 825 金属形成浴 826 金属形成浴槽 827、841、855 電線 828、842、856 電源 838、852 対向電極 839 第一の酸化亜鉛層形成浴 840 第一の酸化亜鉛層形成浴槽 853 第二の酸化亜鉛層形成浴 854 第二の酸化亜鉛層形成浴槽 864 乾燥炉 865 温風ノズル 866 赤外線ヒーター
フロントページの続き (72)発明者 近藤 隆治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (113)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも硝酸イオン、亜鉛イオン、及
    び炭水化物を含有してなる水溶液に浸漬された導電性基
    体と、該溶液中に浸漬された電極との間に通電すること
    により、酸化亜鉛薄膜を前記導電性基体上に形成するこ
    とを特徴とする酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記炭水化物が単糖類、二糖類、又は多
    糖類であることを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛薄
    膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記炭水化物が2種類以上の炭水化物の
    混合物であることを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛
    薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記炭水化物の水溶液中の濃度が0.0
    01mol/lから1.0mol/lであることを特徴
    とする請求項1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記導電性基板がステンレス板、鋼板、
    銅板、真鍮板、アルミニウム板から選ばれる一種である
    ことを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記電極が亜鉛電極であることを特徴と
    する請求項1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記水溶液の温度が50℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記電流の電流密度が10mA/dm2
    から10A/dm2であることを特徴とする請求項1記
    載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記導電性基体は、支持体上に金属層を
    形成したものであることを特徴とする請求項1記載の酸
    化亜鉛薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記金属層はめっきにより形成される
    ことを特徴とする請求項9記載の酸化亜鉛薄膜の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記支持体を蝕刻する工程を含むこと
    を特徴とする請求項9記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記支持体は、ガラス、セラミクス、
    又は樹脂であることを特徴とする請求項9記載の酸化亜
    鉛薄膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記酸化亜鉛薄膜が少なくとも第一の
    酸化亜鉛薄膜と第二の酸化亜鉛薄膜からなることを特徴
    とする請求項1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記複数の酸化亜鉛薄膜が前記水溶液
    の濃度、電流密度、または前記水溶液の温度、のうち少
    なくとも1つを異なった条件で形成されたことを特徴と
    する請求項13記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の粒径が前記
    第二の酸化亜鉛薄膜の粒径より小さいことを特徴とする
    請求項13記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の粒径が前記
    第二の酸化亜鉛薄膜の粒径の1/10以下であることを
    特徴とする請求項13記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の配向性がc
    軸であり、第二の酸化亜鉛薄膜の配向性が<101>軸
    を主とすることを特徴とする請求項13記載の酸化亜鉛
    薄膜の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第一の酸化亜鉛薄膜は、濃度が
    0.03モル/リットル以下の硝酸亜鉛と、炭水化物を
    含有してなる水溶液に浸漬された導電性基板と、該溶液
    中に浸漬された電極との間に通電することにより形成す
    ることを特徴とする請求項13記載の酸化亜鉛薄膜の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 前記第二の酸化亜鉛薄膜は、濃度が
    0.1モル/リットル以上の硝酸亜鉛と、炭水化物を含
    有してなる水溶液に浸漬された前記第一の酸化亜鉛薄膜
    を形成した導電性基体と、該溶液中に浸漬された電極と
    の間に通電することにより形成することを特徴とする請
    求項13記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記酸化亜鉛薄膜の形成の前に、前記
    導電性基体を加熱しておくことを特徴とする請求項1記
    載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第1の酸化亜鉛薄膜を形成するた
    めの水溶液の温度と、前記第2の酸化亜鉛薄膜を形成す
    るための水溶液の温度が等しいことを特徴とする請求項
    13記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記導電性基板が長尺基板であること
    を特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記水溶液中に更に酸を含むことを特
    徴とする請求項1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  24. 【請求項24】 少なくとも硝酸イオン、亜鉛イオン、
    及び炭水化物を含有してなる水溶液に浸漬された導電性
    基体と、該溶液中に浸漬された電極との間に通電するこ
    とにより、酸化亜鉛薄膜を前記導電性基体上に形成する
    工程と、半導体層を形成する工程を含むことを特徴とす
    る光起電力素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記炭水化物が単糖類、二糖類、又は
    多糖類であることを特徴とする請求項24記載の光起電
    力素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記炭水化物が2種類以上の炭水化物
    の混合物であることを特徴とする請求項24記載の光起
    電力素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記炭水化物の水溶液中の濃度が0.
    001mol/lから1.0mol/lであることを特
    徴とする請求項24記載の光起電力素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記導電性基板がステンレス板、鋼
    板、銅板、真鍮板、アルミニウム板から選ばれる一種で
    あることを特徴とする請求項24記載の光起電力素子の
    製造方法。
  29. 【請求項29】 前記電極が亜鉛電極であることを特徴
    とする請求項24記載の光起電力素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記水溶液の温度が50℃以上である
    ことを特徴とする請求項24記載の光起電力素子の製造
    方法。
  31. 【請求項31】 前記電流の電流密度が10mA/dm
    2から10A/dm2であることを特徴とする請求項2
    4記載の光起電力素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記導電性基体は、支持体上に金属層
    を形成したものであることを特徴とする請求項24記載
    の光起電力素子の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記金属層はめっきにより形成される
    ことを特徴とする請求項32記載の光起電力素子の製造
    方法。
  34. 【請求項34】 前記支持体を蝕刻する工程を含むこと
    を特徴とする請求項32記載の光起電力素子の製造方
    法。
  35. 【請求項35】 前記支持体は、ガラス、セラミクス、
    又は樹脂であることを特徴とする請求項32記載の光起
    電力素子の形成方法。
  36. 【請求項36】 前記酸化亜鉛薄膜が少なくとも第一の
    酸化亜鉛薄膜と第二の酸化亜鉛薄膜からなることを特徴
    とする請求項24記載の光起電力素子の製造方法。
  37. 【請求項37】 前記複数の酸化亜鉛薄膜が前記水溶液
    の濃度、電流密度、または前記水溶液の温度、のうち少
    なくとも1つを異なった条件で形成されたことを特徴と
    する請求項36記載の光起電力素子の製造方法。
  38. 【請求項38】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の粒径が前記
    第二の酸化亜鉛薄膜の粒径より小さいことを特徴とする
    請求項36記載の光起電力素子の製造方法。
  39. 【請求項39】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の粒径が前記
    第二の酸化亜鉛薄膜の粒径の1/10以下であることを
    特徴とする請求項36記載の光起電力素子の製造方法。
  40. 【請求項40】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の配向性がc
    軸であり、第二の酸化亜鉛薄膜の配向性が<101>軸
    を主とすることを特徴とする請求項36記載の光起電力
    素子の製造方法。
  41. 【請求項41】 前記第一の酸化亜鉛薄膜は、濃度が
    0.03モル/リットル以下の硝酸亜鉛と、炭水化物を
    含有してなる水溶液に浸漬された導電性基板と、該溶液
    中に浸漬された電極との間に通電することにより形成す
    ることを特徴とする請求項36記載の光起電力素子の製
    造方法。
  42. 【請求項42】 前記第二の酸化亜鉛薄膜は、濃度が
    0.1モル/リットル以上の硝酸亜鉛と、炭水化物を含
    有してなる水溶液に浸漬された前記第一の酸化亜鉛薄膜
    を形成した導電性基体と、該溶液中に浸漬された電極と
    の間に通電することにより形成することを特徴とする請
    求項36記載の光起電力素子の製造方法。
  43. 【請求項43】 前記酸化亜鉛薄膜の形成の前に、前記
    導電性基体を加熱しておくことを特徴とする請求項24
    記載の光起電力素子の製造方法。
  44. 【請求項44】 前記第1の酸化亜鉛薄膜を形成するた
    めの水溶液の温度と、前記第2の酸化亜鉛薄膜を形成す
    るための水溶液の温度が等しいことを特徴とする請求項
    36記載の光起電力素子の製造方法。
  45. 【請求項45】 前記導電性基板が長尺基板であること
    を特徴とする請求項1記載の光起電力素子の製造方法。
  46. 【請求項46】 前記水溶液中に更に酸を含むことを特
    徴とする請求項1記載の光起電力素子の製造方法。
  47. 【請求項47】 前記半導体層は非単結晶半導体である
    ことを特徴とする請求項24記載の光起電力素子の製造
    方法。
  48. 【請求項48】 少なくとも硝酸イオン、亜鉛イオン、
    及び炭水化物を含有してなる水溶液に浸漬された導電性
    基体と、該溶液中に浸漬された電極との間に通電するこ
    とにより、酸化亜鉛薄膜を前記導電性基体上に形成する
    ことを特徴とする半導体素子基板の製造方法。
  49. 【請求項49】 前記炭水化物が単糖類、二糖類、又は
    多糖類であることを特徴とする請求項48記載の半導体
    素子基板の製造方法。
  50. 【請求項50】 前記炭水化物が2種類以上の炭水化物
    の混合物であることを特徴とする請求項48記載の半導
    体素子基板の製造方法。
  51. 【請求項51】 前記炭水化物の水溶液中の濃度が0.
    001mol/lから1.0mol/lであることを特
    徴とする請求項48記載の半導体素子基板の製造方法。
  52. 【請求項52】 前記導電性基板がステンレス板、鋼
    板、銅板、真鍮板、アルミニウム板から選ばれる一種で
    あることを特徴とする請求項48記載の半導体素子基板
    の製造方法。
  53. 【請求項53】 前記電極が亜鉛電極であることを特徴
    とする請求項48記載の半導体素子基板の製造方法。
  54. 【請求項54】 前記水溶液の温度が50℃以上である
    ことを特徴とする請求項48記載の半導体素子基板の製
    造方法。
  55. 【請求項55】 前記電流の電流密度が10mA/dm
    2から10A/dm2であることを特徴とする請求項4
    8記載の半導体素子基板の製造方法。
  56. 【請求項56】 前記導電性基体は、支持体上に金属層
    を形成したものであることを特徴とする請求項48記載
    の半導体素子基板の製造方法。
  57. 【請求項57】 前記金属層はめっきにより形成される
    ことを特徴とする請求項56記載の半導体素子基板の製
    造方法。
  58. 【請求項58】 前記支持体を蝕刻する工程を含むこと
    を特徴とする請求項56記載の半導体素子基板の製造方
    法。
  59. 【請求項59】 前記支持体は、ガラス、セラミクス、
    又は樹脂であることを特徴とする請求項56記載の半導
    体素子基板の製造方法。
  60. 【請求項60】 前記酸化亜鉛薄膜が少なくとも第一の
    酸化亜鉛薄膜と第二の酸化亜鉛薄膜からなることを特徴
    とする請求項48記載の半導体素子基板の製造方法。
  61. 【請求項61】 前記複数の酸化亜鉛薄膜が前記水溶液
    の濃度、電流密度、または前記水溶液の温度、のうち少
    なくとも1つを異なった条件で形成されたことを特徴と
    する請求項60記載の半導体素子基板の製造方法。
  62. 【請求項62】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の粒径が前記
    第二の酸化亜鉛薄膜の粒径より小さいことを特徴とする
    請求項60記載の半導体素子基板の製造方法。
  63. 【請求項63】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の粒径が前記
    第二の酸化亜鉛薄膜の粒径の1/10以下であることを
    特徴とする請求項60記載の半導体素子基板の製造方
    法。
  64. 【請求項64】 前記第一の酸化亜鉛薄膜の配向性がc
    軸であり、第二の酸化亜鉛薄膜の配向性が<101>軸
    を主とすることを特徴とする請求項60記載の半導体素
    子基板の製造方法。
  65. 【請求項65】 前記第一の酸化亜鉛薄膜は、濃度が
    0.03モル/リットル以下の硝酸亜鉛と、炭水化物を
    含有してなる水溶液に浸漬された導電性基板と、該溶液
    中に浸漬された電極との間に通電することにより形成す
    ることを特徴とする請求項60記載の半導体素子基板の
    製造方法。
  66. 【請求項66】 前記第二の酸化亜鉛薄膜は、濃度が
    0.1モル/リットル以上の硝酸亜鉛と、炭水化物を含
    有してなる水溶液に浸漬された前記第一の酸化亜鉛薄膜
    を形成した導電性基体と、該溶液中に浸漬された電極と
    の間に通電することにより形成することを特徴とする請
    求項60記載の半導体素子基板の製造方法。
  67. 【請求項67】 前記酸化亜鉛薄膜の形成の前に、前記
    導電性基体を加熱しておくことを特徴とする請求項48
    記載の半導体素子基板の製造方法。
  68. 【請求項68】 前記第1の酸化亜鉛薄膜を形成するた
    めの水溶液の温度と、前記第2の酸化亜鉛薄膜を形成す
    るための水溶液の温度が等しいことを特徴とする請求項
    60記載の半導体素子基板の製造方法。
  69. 【請求項69】 前記導電性基板が長尺基板であること
    を特徴とする請求項48記載の半導体素子基板の製造方
    法。
  70. 【請求項70】 前記水溶液中に更に酸を含むことを特
    徴とする請求項48記載の半導体素子基板の製造方法。
  71. 【請求項71】 基体上にスパッタ法により第1の酸化
    亜鉛薄膜を形成する工程と、少なくとも硝酸イオン、亜
    鉛イオン、及び炭水化物を含有してなる水溶液に前記基
    体を浸漬し、該溶液中に浸漬された電極との間に通電す
    ることにより、第2の酸化亜鉛薄膜を前記第1の酸化亜
    鉛薄膜上に形成する工程とを有することを特徴とする酸
    化亜鉛薄膜の製造方法。
  72. 【請求項72】 前記炭水化物が単糖類、二糖類、又は
    多糖類であることを特徴とする請求項71記載の酸化亜
    鉛薄膜の製造方法。
  73. 【請求項73】 前記炭水化物が2種類以上の炭水化物
    の混合物であることを特徴とする請求項71記載の酸化
    亜鉛薄膜の製造方法。
  74. 【請求項74】 前記炭水化物の水溶液中の濃度が0.
    001mol/lから1.0mol/lであることを特
    徴とする請求項71記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  75. 【請求項75】 前記導電性基板がステンレス板、鋼
    板、銅板、真鍮板、アルミニウム板から選ばれる一種で
    あることを特徴とする請求項71記載の酸化亜鉛薄膜の
    製造方法。
  76. 【請求項76】 前記電極が亜鉛電極であることを特徴
    とする請求項71記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  77. 【請求項77】 前記水溶液の温度が50℃以上である
    ことを特徴とする請求項71記載の酸化亜鉛薄膜の製造
    方法。
  78. 【請求項78】 前記電流の電流密度が10mA/dm
    2から10A/dm2であることを特徴とする請求項7
    1記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  79. 【請求項79】 前記基体は、支持体上に金属層を形成
    したものであることを特徴とする請求項71記載の酸化
    亜鉛薄膜の製造方法。
  80. 【請求項80】 前記金属層はアルミニウムであること
    を特徴とする請求項79記載の酸化亜鉛薄膜の製造方
    法。
  81. 【請求項81】 前記支持体を蝕刻する工程を含むこと
    を特徴とする請求項79記載の酸化亜鉛薄膜の製造方
    法。
  82. 【請求項82】 前記支持体は、ガラス、セラミクス、
    又は樹脂であることを特徴とする請求項79記載の酸化
    亜鉛薄膜の製造方法。
  83. 【請求項83】 前記導電性基板が長尺基板であること
    を特徴とする請求項71記載の酸化亜鉛薄膜の製造方
    法。
  84. 【請求項84】 前記水溶液中に更に酸を含むことを特
    徴とする請求項71記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  85. 【請求項85】 基体上にスパッタ法により第1の酸化
    亜鉛薄膜を形成する工程と、少なくとも硝酸イオン、亜
    鉛イオン、及び炭水化物を含有してなる水溶液に前記基
    体を浸漬し、該溶液中に浸漬された電極との間に通電す
    ることにより、第2の酸化亜鉛薄膜を前記第1の酸化亜
    鉛薄膜上に形成する工程と、半導体層を形成する工程を
    含むことを特徴とする光起電力素子の製造方法。
  86. 【請求項86】 前記炭水化物が単糖類、二糖類、又は
    多糖類であることを特徴とする請求項85記載の光起電
    力素子の製造方法。
  87. 【請求項87】 前記炭水化物が2種類以上の炭水化物
    の混合物であることを特徴とする請求項85記載の光起
    電力素子の製造方法。
  88. 【請求項88】 前記炭水化物の水溶液中の濃度が0.
    001mol/lから1.0mol/lであることを特
    徴とする請求項85記載の光起電力素子の製造方法。
  89. 【請求項89】 前記導電性基板がステンレス板、鋼
    板、銅板、真鍮板、アルミニウム板から選ばれる一種で
    あることを特徴とする請求項85記載の光起電力素子の
    製造方法。
  90. 【請求項90】 前記電極が亜鉛電極であることを特徴
    とする請求項85記載の光起電力素子の製造方法。
  91. 【請求項91】 前記水溶液の温度が50℃以上である
    ことを特徴とする請求項85記載の光起電力素子の製造
    方法。
  92. 【請求項92】 前記電流の電流密度が10mA/dm
    2から10A/dm2であることを特徴とする請求項8
    5記載の光起電力素子の製造方法。
  93. 【請求項93】 前記基体は、支持体上に金属層を形成
    したものであることを特徴とする請求項85記載の光起
    電力素子の製造方法。
  94. 【請求項94】 前記金属層はアルミニウムであること
    を特徴とする請求項93記載の光起電力素子の製造方
    法。
  95. 【請求項95】 前記支持体を蝕刻する工程を含むこと
    を特徴とする請求項93記載の光起電力素子の製造方
    法。
  96. 【請求項96】 前記支持体は、ガラス、セラミクス、
    又は樹脂であることを特徴とする請求項93記載の光起
    電力素子の製造方法。
  97. 【請求項97】 前記導電性基板が長尺基板であること
    を特徴とする請求項85記載の光起電力素子の製造方
    法。
  98. 【請求項98】 前記水溶液中に更に酸を含むことを特
    徴とする請求項85記載の光起電力素子の製造方法。
  99. 【請求項99】 前記半導体層は非単結晶半導体である
    ことを特徴とする請求項85記載の光起電力素子の製造
    方法。
  100. 【請求項100】 基体上にスパッタ法により第1の酸
    化亜鉛薄膜を形成する工程と、少なくとも硝酸イオン、
    亜鉛イオン、及び炭水化物を含有してなる水溶液に前記
    基体を浸漬し、該溶液中に浸漬された電極との間に通電
    することにより、第2の酸化亜鉛薄膜を前記第1の酸化
    亜鉛薄膜上に形成する工程とを有することを特徴とする
    半導体素子基板の製造方法。
  101. 【請求項101】 前記炭水化物が単糖類、二糖類、又
    は多糖類であることを特徴とする請求項100記載の半
    導体素子基板の製造方法。
  102. 【請求項102】 前記炭水化物が2種類以上の炭水化
    物の混合物であることを特徴とする請求項100記載の
    半導体素子基板の製造方法。
  103. 【請求項103】 前記炭水化物の水溶液中の濃度が
    0.001mol/lから1.0mol/lであること
    を特徴とする請求項100記載の半導体素子基板の製造
    方法。
  104. 【請求項104】 前記導電性基板がステンレス板、鋼
    板、銅板、真鍮板、アルミニウム板から選ばれる一種で
    あることを特徴とする請求項100記載の半導体素子基
    板の製造方法。
  105. 【請求項105】 前記電極が亜鉛電極であることを特
    徴とする請求項100記載の半導体素子基板の製造方
    法。
  106. 【請求項106】 前記水溶液の温度が50℃以上であ
    ることを特徴とする請求項100記載の半導体素子基板
    の製造方法。
  107. 【請求項107】 前記電流の電流密度が10mA/d
    m2から10A/dm2であることを特徴とする請求項
    100記載の半導体素子基板の製造方法。
  108. 【請求項108】 前記基体は、支持体上に金属層を形
    成したものであることを特徴とする請求項100記載の
    半導体素子基板の製造方法。
  109. 【請求項109】 前記金属層はアルミニウムであるこ
    とを特徴とする請求項108記載の半導体素子基板の製
    造方法。
  110. 【請求項110】 前記支持体を蝕刻する工程を含むこ
    とを特徴とする請求項108記載の半導体素子基板の製
    造方法。
  111. 【請求項111】 前記支持体は、ガラス、セラミク
    ス、又は樹脂であることを特徴とする請求項108記載
    の半導体素子基板の製造方法。
  112. 【請求項112】 前記導電性基板が長尺基板であるこ
    とを特徴とする請求項100記載の半導体素子基板の製
    造方法。
  113. 【請求項113】 前記水溶液中に更に酸を含むことを
    特徴とする請求項100記載の半導体素子基板の製造方
    法。
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