JP3535757B2 - 酸化亜鉛膜の製造方法と光起電力素子の製造方法と半導体素子基板の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛膜の製造方法と光起電力素子の製造方法と半導体素子基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化亜鉛膜の製造方
法と半導体素子基板の製造方法と光起電力素子の製造方
法に関わる。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛膜は透明導電膜として太陽光を
電気エネルギーに変換する光起電力素子、液晶ディスプ
レイなどに使われている。
【0003】従来、水素化非晶質シリコン、水素化非晶
質シリコンゲルマニウム、水素化非晶質シリコンカーバ
イド、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンなどからな
る光起電力素子は、長波長領域の光の収集効率を改善す
るために、半導体層の裏面の反射層が利用されてきた。
この反射層は、800nmから1200nmの波長領域
において有効な反射特性を示すのが望ましい。かかる波
長領域は、半導体材料のバンド端に近いことから、この
波長領域の光の吸収が小さいからである。この条件を十
分に満たすのは、金・銀・銅といった金属である。
【0004】また、光学的に透明な凸凹層を設けること
により、所定の波長領域の光を半導体層中に閉じ込める
光閉じ込めも行なわれている。一般的には前記反射層と
半導体層の間に設けることにより、反射光を有効に利用
して短絡電流密度Jscを改善している。
【0005】さらに、シャントパスによる特性低下を防
止するため、この金属層と半導体層の間に導電性を示す
透光性の材料からなる層、即ち透明導電性層を設けるこ
とが行なわれている。一般的にはこれらの層は、真空蒸
着やスパッタリングといった方法にて成膜され、短絡電
流密度Jscは1mA/cm2以上の改善を示す。
【0006】その例として、「29p−MF−22ステ
ンレス基板上のa−SiGe太陽電池における光閉じ込
め効果」(1990年秋季第51回応用物理学会学術講
演会講演予稿集p747)、“P−IA−15a−Si
C/a−Si/a−SiGe・Multi−Bandg
ap・Stacked・Solar・Celle・Wi
th・Bandgap・Profiling(Sann
omiya・et・al.,Technical・Di
gest・of・the・International
・PVSEC−5,Kyoto,Japan,p38
1,1990)などに、銀原子から構成される反射層の
反射率とテクスチャー構造について検討されている。こ
れらの例においては、基板温度を変化させて堆積させた
2層の銀からなる有効な凸凹の反射層を形成し、これと
酸化亜鉛層とのコンビネーションによって、光閉じ込め
効果による短絡電流の増大を達成したとしている。ま
た、酸化亜鉛(Z nO)膜の生産を考えた場合、良質な
膜を高速堆積することによる生産時間の短縮化、基板内
で均一な膜形成を行うことによる生産の安定性も検討さ
れている。
【0007】ところが、前述の従来型の光閉じ込め層を
有する光起電力素子は、優れた光電変換特性をもつもの
であるが、光を充分には利用しておらず、改善の余地が
ある。すなわち、長波長領域の800nmから1200
nmの光の反射率がゼロではなく、閉じ込めたい光の一
部が、空間に反射されて損失となっている。
【0008】また、結晶性の凹凸を利用して凹凸形状の
光閉じ込め層を形成する場合、この光閉じ込めに有効な
大きさの結晶粒からなる膜は基体との密着性が悪く、一
方基体との密着性が良好な緻密な膜は光閉じ込め層とし
ての機能を十分に発揮しないという問題があった。
【0009】また、一般的に膜形成に用いられる真空蒸
着法、スパッタリング法では、生産性を上げるために、
高速堆積が行なわれている。例えば、投入電力を増大さ
せ、透明導電膜を形成する活性種を増やす方法などがと
られている。この場合、膜の結晶性が悪化し結晶成長が
充分に起きず、結晶粒が細かくなって、透明導電膜表面
が平担になってしまうことから、光閉じ込めに充分な散
乱が生じなくなることがあった。
【0010】また、これらの光閉じ込め層として用いら
れる透明層は、抵抗加熱や電子ビームによる真空蒸着
法、スパッタリング法、CVD法等によって形成されて
いるが、例えば、CVD法の場合、活性種が存在する空
間制御が難しく、基板内での膜の形状にバラツキを生じ
ることから、生産効率が下がる。また、スパッタリング
法の場合、スパッタターゲット材料などの作製工賃が高
く、真空装置の償却費が大きく、材料の利用効率が低
い。したがって、これらの技術を用いて光起電力素子を
作成する際のコストが極めて高くなることから、太陽電
池を産業的に応用しようとする上で極めて大きな障壁と
なっている。
【0011】これらの対策の一つとして、最近、特開平
7−23775号公報、Journal・of・Ele
ctrochemical・Soc.Vol.143,
No.3”Electrolyte・Optimiza
tion・for・Cathodic・Growth・
of・Zinc・Oxide・Films”;Masa
nobu・Izaki,Takashi・Omiに硝酸
亜鉛水溶液中に対向電極を浸漬し、電流を流すことによ
って透明な酸化亜鉛膜を電気化学的に析出させたことが
報告されている。この方法によれば高価な真空装置、高
価なターゲットが不要であるため、酸化亜鉛の製造コス
トを飛躍的に削減させることができる。また大面積基板
上にも堆積することができるため、太陽電池のような大
面積光起電力素子の作成には有望である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記電解によって酸化
亜鉛膜を安価に形成することができるが、以下の問題点
を有している。
【0013】(1)特に、電流密度を上昇させたり、溶
液の濃度を上げた場合に、堆積上にミクロンオーダーを
越えるような針状や球状や樹脂状などの形状をした異常
成長が生じやすく、この酸化亜鉛膜を光起電力素子の一
部として用いた場合には、これらの異常成長が光起電力
素子のシャントを誘発する原因となると考えられる。
【0014】(2)酸化亜鉛の結晶粒の大きさの場所に
よる分布が生じやすく、大面積化したときの膜の均一性
に問題があった。
【0015】(3)基体上への酸化亜鉛膜の密着性が抵
抗加熱や電子ビームによる真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、CVD法などによって形
成されたものに対して劣っていた。
【0016】(4)平滑な膜厚を持った膜しか形成され
ず、光閉じ込め効果のある凹凸形状を備えた堆積膜につ
いては特に言及されていなかった。
【0017】本発明はかかる事情にかんがみてなされた
ものであり、従来の方法に比べ光閉込め効果の優れた酸
化亜鉛膜を短時間で安定して形成することと、この酸化
亜鉛膜を有する光起電力素子を用いることにより効率の
高い太陽電池を低コストで生産することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、電析法により酸化亜鉛膜を
製造するに際し、電析浴の温度を50℃以上とし、さら
に電析初期より電析終期の方が電析浴の温度が低くなる
温度プロファイルを持たせることにより、電析初期のバ
ーンアウト電圧を低下させて、膜表面の凹凸を大きくで
きることを見出し、上記目的を達成できる本発明を完成
するに至った。
【0019】即ち、本発明は、電析浴に浸漬された導電
性基体と該電析浴中に浸漬された対向電極との間に通電
することにより、酸化亜鉛膜を前記導電性基体上に形成
する酸化亜鉛膜の製造方法において、電析浴の温度を5
0℃以上とし、かつ電析初期より電析終期の方が電析浴
の温度が低くなる温度プロファイルを持たせることを特
徴とする酸化亜鉛膜の製造方法、電析浴の温度が50℃
以上であり、かつ電析初期より電析終期の方が電析浴の
温度が低い温度プロファイルを有する電析浴に浸漬され
た導電性基体と該電析浴中に浸漬された対向電極との間
に通電することにより、酸化亜鉛膜を前記導電性基体上
に形成する工程と、半導体層を形成する工程を含むこと
を特徴とする光起電力素子の製造方法及び電析浴に浸漬
された導電性基体と該電析浴中に浸漬された対向電極と
の間に通電することにより、酸化亜鉛膜を前記導電性基
体上に形成する工程を有する半導体素子基板の製造方法
において、電析浴の温度を50℃以上とし、かつ電析初
期より電析終期の方が電析浴の温度が低くなる温度プロ
ファイルを持たせることを特徴とする半導体素子基板の
製造方法である。
【0020】溶液循環系を省略した図1に示す装置を用
い、以下の実験を行った。但し、溶液循環系を省略した
代わりに、電析浴は、磁気撹拌子によって常時撹拌し
た。
【0021】導電性基体103としては、ステンレス4
30BAの一方の表面に200nmのアルミ層をスパッ
タリングで形成し、他方の表面をテープで覆ったものを
用い、正側の対向電極105としては厚さ1ミリの4−
Nの亜鉛(純度99.99%)を用いた。ステンレス4
30BAには、幅50mmで、厚さ0.12mmから
0.15mmの範囲、長さは50mmから100mmの
範囲のものを適宜選択し用いた。
【0022】電析浴104は硝酸亜鉛の水溶液とし、2
0g/lの割合でサッカロースを加え、硝酸亜鉛濃度は
実験において0.1mol/lから0.0025mol
/lに変化させた。電析浴104の温度はヒータ10
2,103によって制御し、室温から85℃まで変化さ
せ、印加電流は0.3mA/cm2から100mA/c
2の範囲で変化させた。サッカロースには、酸化亜鉛
の異常成長を抑制し、その粒径をそろえる効果がある。
【0023】作製した酸化亜鉛膜の評価に用いた測定パ
ラメータ、信頼性試験を以下に示す。
【0024】[バーンアウト電圧]電析浴に印加する電
流密度(以下「印加電流密度」という)を徐々に上げて
いくと、ある電圧(バーンアウト電圧)で電流密度が急
激に下がり、電析浴中で気泡の発生と電流の振動が起こ
るため、酸化亜鉛膜表面に異常成長が生じることがあ
る。そこで、バーンアウト電圧をさげることにより、電
流電圧の急激な振動の影響を少なくし、異常成長を制御
することが必要である。なお、後述するが、電析浴の温
度を上げていくにつれて、バーンアウト電圧は下がる傾
向があることから、電析時の電析浴の温度を変化させる
ことによって、バーンアウト電圧を制御することができ
る。
【0025】[SEM]作成された酸化亜鉛膜を評価す
る一つの手段としてSEM観察がある。数μm程度の大
きさの急峻な突起形状が形成された酸化亜鉛膜の表面に
半導体層を形成して、図5にしめすような太陽電池を作
成すると、透明電極501と透明導電層511(酸化亜
鉛層)の間が電気的に短絡されてしまい、太陽電池出力
が低下することがある。そこで、SEM観察を用いて異
常成長の数を調べることにより電析浴の温度を制御し
て、バーンアウト電圧を低く抑えた場合に異常成長の数
が減少する傾向があることが分かった。また、酸化亜鉛
膜表面の凹凸形状を制御することによって、透明導電層
表面で波長600nmから波長1000nmの光を反射
させることができることから、509にしめす第1のi
型半導体層に有効にその光を吸収させることができる。
また、酸化亜鉛の結晶粒径がそろっている方が、酸化亜
鉛膜の密着性(酸化亜鉛膜と金属層の密着性をいう。た
だし酸化亜鉛膜を、後述する金属層を介さずに基体上に
形成した場合にあっては、該酸化亜鉛膜と該基体の密着
性をいう。)が良い。
【0026】[X線回折]酸化亜鉛膜の結晶構造は六方
晶系多結晶であり、X線回線パターンから見積もった結
晶粒の大きさは、光の波長程度(約1μm前後)以上あ
る。また、c軸配向が強いほど六方片が立ち上がった状
態つまり六方晶が基板に対して傾いた状態で配向する。
基板の温度、電析浴の温度を調整することにより、酸化
亜鉛表面の凹凸形状を制御することができる。X線回折
パターンから、配向性のよい酸化亜鉛膜が得られれば光
電変換効率の高い太陽電池を得ることができ、膜の配向
性はX線回折パターンにより評価できる。
【0027】[HHRB試験]本発明で作製した酸化亜
鉛膜を用いた太陽電池の信頼性を評価するために、HH
RB試験を行った。HHRB試験とは、高温、高湿、逆
バイアス印加状態の環境下に太陽電池をおいたとき、使
用可能な値域に太陽電池がどれほど長く留まっているか
を測定する試験である。今回は、温度85℃,湿度85
%以上の環境下で試験を行った。
【0028】[光電変換効率]本発明で作製した酸化亜
鉛膜を用いた太陽電池の光電変換効率を疑似太陽光スペ
クトルAM1.5、放照強度100mW/cm2の下に
おいて測定した。
【0029】[膜はがれ試験]本発明で作製した酸化亜
鉛膜を用いた太陽電池の表面に、粘着テープを張って、
次いではがした時に、酸化亜鉛膜と太陽電池半導体層の
はがれ、酸化亜鉛と裏面反射層のはがれが生じるかどう
かについて試験を行うことにより、太陽電池の機械的強
度を評価した。もし、はがれがなく若しくは軽度であれ
ば、太陽電池の機械的強度が、優れていると言える。
【0030】[逆バイアス試験]本発明で作製した酸化
亜鉛を用いた太陽電池の半導体層は、pin構成をとり
p層側は正極、n層側は負極として発電を行っている。
逆バイアス試験とは、太陽電池のp層側に正電圧、n層
側に負電圧を徐々に大きくしながら印加したときに、太
陽電池のpin接合が壊れる電圧の大きさを調べるもの
である。
【0031】以上のような測定及び試験を以下の実験1
から実験4で行った。
【0032】(実験1)厚さ0.15mm長さ50mm
幅50mmの430BA基板を用いた。印加電流密度を
0から、徐々に上げて、バーンアウトが起こった後電流
が下がったところで印加電流密度10mA/cm2に合
わせて一定とした。溶液の硝酸亜鉛濃度は0.2mol
/lとした。電析浴の温度は50℃から95℃の範囲と
し、この範囲の様々な温度条件において成膜を行った。
【0033】電析浴の温度が60℃以上の場合において
形成した膜には、X線回折スペクトルにより膜の構造の
変化があることが分かった。電析浴の温度が50℃以下
の場合において形成した膜には原子の配向性は見られな
いが、電析浴の温度が上がるにともないウルツアイト構
造の酸化亜鉛のc軸の回折ピークが次第に強くできてお
り、膜中の微結晶粒子がほぼ同じ配向を示すようにな
る。またそのX線回折スペクトルの半値幅の変化から、
高温の電析浴中で膜形成を行うほど、膜中の結晶粒がよ
り単結晶化していることが分かった。
【0034】さらに、電析浴の温度をより高くすること
で、バーンアウト電圧が低くなることがわかった。バー
ンアウトがおこると、基板表面から火花放電が起こり、
基板の電位が高いほど、その頻度は多くなり、電析時の
電流がかなり振動する。電析浴の温度を変化させて種々
の温度条件で成膜した酸化亜鉛膜の表面をSEM観察し
て比較したところ、低い温度の電析浴中で成膜した酸化
亜鉛膜の表面に異常成長が見られた。原因は、はっきり
とはわからないが、これは、バーンアウト時に基板表面
に過電流が流れ、酸化亜鉛成長表面にZn(OH)2
結晶粒として生成したためであると考えられる。
【0035】本発明では、電析初期においては電析浴の
温度を高くすることによりバーンアウト電圧をさげ、電
析最後においては電析浴の温度を低くすることにより膜
表面の凹凸を大きくしている。
【0036】(実験2)厚さ0.15mm長さ50mm
幅50mmの430BA基板を用いた。印加電流密度を
20mA/cm2で一定とした。溶液の硝酸亜鉛濃度を
0.2mol/lとし、電析浴の温度を85℃に保っ
た。撹拌に用いた磁気撹拌子の回転速度を20rpmか
ら100rpmまで変化させ、種々の回転条件のもと成
膜を行った。成膜した酸化亜鉛膜の表面のSEM観察を
行った。
【0037】磁気攪拌子の回転速度が20rpm以上の
条件で成膜した酸化亜鉛膜には膜厚ムラが見られなかっ
た。また、磁気攪拌子の回転速度条件が0rpmから4
0rpm近傍までは酸化亜鉛膜の表面に異常成長が結構
発生し、40rpmからは異常成長は急激に減少し、8
0rpmから90rpmでは異常成長はほとんど見られ
なかった。異常成長を有する酸化亜鉛膜の上に半導体層
を積層した太陽電池を作成したときに、太陽電池の内部
においてp層とn層がこの異常成長部分により短絡し、
これが太陽電池特性を悪化させていることが分かった。
【0038】すなわち、本発明者が行った実験1、実験
2により次のことが明らかとなった。電析浴の温度が高
いほどバーンアウト電圧が低減されることである。さら
に、電析浴の攪拌を適当に行うことにより、酸化亜鉛表
面の異常成長を抑制できることである。これらの相乗効
果により電析が容易かつ良好となる。
【0039】(実験3)印加電流密度を0から、徐々に
あげて電析のためのバーンアウト電圧を超えて電流が下
がったところで印加電流密度10mA/cm2で一定と
し、溶液の硝酸亜鉛濃度を0.2mol/lとし、電析
浴の温度を62℃として、430BA基板は厚さ0.1
2mm長さ50mm幅50mmの基板Aと厚さ0.15
mm長さ100mm幅50mmの基板Bを用いて、10
分間酸化亜鉛電析を行った。
【0040】成膜した酸化亜鉛膜を、SEM観察したと
ころ、基板Aよりも基板Bに成膜した場合のほうが、発
生した異常成長が深かった。これは基板Bの方が、表面
積が広いことから、バーンアウト時に流れる電流が大き
くなるためであると考えられる。そこで、基板Bに成膜
する場合は、電析浴の温度を62℃から、70℃の範囲
に高めて酸化亜鉛電析を行ったところ、結晶粒径は若干
変化したものの、バーンアウト電圧は下がって異常成長
の発生は大きく減少した。
【0041】それゆえ、基板のサイズが大きくなったと
きは、それに応じて電析浴の温度を適宜設定することに
より温度を変化させバーンアウトによる異常成長の発生
を抑制しなくてはならないことがわかった。
【0042】(実験4)厚さ0.15mm長さ100m
m幅50mmの430BA基板を室温からある温度まで
プリ加熱した後、電析浴に漬けて電析を行った。以下プ
リ加熱により昇温した基板の温度をプリ加熱温度とい
う。印加電流密度を0から徐々にあげてバーンアウト電
圧を超えて電流が下がったところで印加電流密度10m
A/cm2で一定とした。プリ加熱温度60℃・80℃
・100℃それぞれについて電析を行った。
【0043】プリ加熱温度が60℃のとき、バーンアウ
ト電圧は24Vであったが、プリ加熱温度を上げるに従
ってバーンアウト電圧は低下して、プリ加熱温度が10
0℃ではバーンアウト電圧は8V以下にまで低下した。
さらに、様々なプリ加熱温度について成膜した酸化亜鉛
膜の表面SEM観察を行った。プリ加熱温度を上昇させ
るにつれ、異常成長の数は減少していることがわかっ
た。
【0044】実験1から実験4の結果から、電析浴の温
度を高くすると良好な酸化亜鉛膜が成長する傾向がある
と思われる。
【0045】X線回折の結果から、電析浴の温度の上昇
に伴い、膜中の結晶に配向性がみられるようになる。酸
化亜鉛膜を、RHEED(Reflection Hi
gh−Energy Electron Difrac
tion)観察をすると、電析浴の温度条件が20℃か
ら80℃付近まではほぼ完全に多結晶のリングパターン
が見られ、90℃以上になるとリングパターンがぼけて
くることから、90℃以上では結晶の配向性が悪くなる
傾向にあると思われる。
【0046】原因の詳細は不明であるが、Zn(OH)
+ の生成が適度に速いと、ZnO膜表面でのファンデル
ワールス力によって、ZnOが結晶成長していくと考え
られる。電析浴の温度が低いほど、結晶粒径は小さくな
る。電析浴の温度が高くなると、Zn(OH)+の生成
が早まり結晶成長が促進されるとともにH+ も生成され
るため、ZnO核の回りに存在するZn(OH)+ 以外
の他物資を吸着してしまう。そのため、ZnOの結晶粒
が大きくなる。しかし、電析浴の温度が、90℃以上に
なるとZn(OH)+ があまりに多く生成されるため
に、ZnO膜表面に結晶核が多数生成され、結晶方位の
異なる結晶核ばかりができることから、結晶粒が小さく
なると考えられる。結晶核の生成する速さと結晶の成長
する速さのバランスが重要であると考えられる。
【0047】実験1から実験4の結果から、酸化亜鉛を
堆積する際の基板の温度の観点から述べる。一般的に
は、基板温度の上昇に従い、基板表面近傍に存在するラ
ジカル種(例えばZn(OH)+ など)の与えられるエ
ネルギーが大きくなり表面拡散が促進されて結晶構造上
安定な位置に原子が到達しやすくなり、結晶粒径は大き
くなるはずである。さらに、電析浴と基板の温度を同程
度にしておけば、基板表面に気泡を生じることが少なく
なることから、酸化亜鉛の結晶成長を阻害する因子も減
ることが期待できる。
【0048】実験1から実験4の結果から、添加物の温
度について考える。添加物は、酸化亜鉛膜の密着性を良
くするために電析浴に投入されている。添加物には炭水
化物を用いることにより結晶核の発生密度を高くして結
晶の微細化を図った。また、酸化亜鉛膜とその下地であ
る基板の接触面積を大きくとるために、結晶粒の大きさ
を揃えた。なお、電析浴に投入する際に、添加物の温度
をあらかじめ高くしておくことにより、添加時の液温の
急激な変化を抑えることができる。また、電析浴の温度
が高いときは、添加物を溶融状態で投入した方が、電析
浴内で添加物の拡散が早くおきるため、電析浴中の添加
物の濃度分布の変化を小さくできる。
【0049】実験1から実験4の結果から撹拌について
考える。電界電析では、電析浴の撹拌速度が速いほど、
還元電位の大きい金属成分が析出しやすくなる。そのた
め、Zn(OH)2粉等の異常成長を抑えるために撹拌
速度をあまり上げすぎると、Zn粒が析出してしまい、
良好な酸化亜鉛膜ができない。たのため、攪拌は適度な
速度で行うことが必要である。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施態様例を
説明する。
【0051】酸化亜鉛膜の形成方法 図1は本発明の酸化亜鉛膜の形成装置の一例を示す断面
図である。106は耐腐食性を有する電析槽であり、硝
酸イオンと亜鉛イオン及び炭水化物を含んでなる電析浴
104が保持されている。所望の酸化亜鉛膜を得るため
には、硝酸イオン、亜鉛イオンの濃度はそれぞれ0.0
02mol/lから2.0mol/lの範囲にあること
が望ましく、より望ましくは0.005mol/lから
1.0mol/lの範囲にあることが望ましく、最適に
は0.025mol/lから0.3mol/lの範囲に
あることが望ましい。
【0052】硝酸イオン、亜鉛イオンの供給源は、特に
限定されるものではなく、両方のイオンの供給源である
硝酸亜鉛でもよいし、硝酸イオンの供給源である硝酸ア
ンモニウムなどの水溶性の硝酸塩と、亜鉛イオンの供給
源である硫酸亜鉛などの亜鉛塩の混合物であってもよ
い。
【0053】また炭水化物の種類は特に限定されるもの
ではないが、グルーコース(ブトウ糖)、フルクトース
(果糖)などの単糖類、アルトース(麦芽糖)、サッカ
ロース(ショ糖)などの二糖類、デキストリン、デンプ
ンなどの多糖類などや、これらを混合したものを用いる
ことができる。
【0054】異常成長のない、均一性及び密着性に優れ
た酸化亜鉛膜を得るためには、電析浴中の炭水化物の量
は、0.001g/lから300g/lの範囲にあるこ
とが望ましく、より望ましくは0.01g/lから20
0g/lの範囲にあることが望ましい。
【0055】103は導電性の基体であって、陰極とな
る。105は対向電極であり、陽極となる。対向電極1
05としては電析させる酸化亜鉛の構成元素である亜鉛
のほか、白金、炭素などを用いることができるが、亜鉛
を用いるのが望ましい。
【0056】陰極である基体103と陽極である対向電
極105は、負荷抵抗107を経て電源101に接続さ
れており、ほぼ一定の電流が流れるようにしてある。所
望の酸化亜鉛膜を得るためには、電流密度が0.1mA
/cm2〜100mA/cm2の範囲にあることが望まし
く、より好ましくは1mA/cm2〜30mA/cm2
範囲にあることが望ましく、最も好ましくは2mA/c
2〜15mA/cm2の範囲にあることが望ましい。
【0057】これらの成膜条件は金属層の種類、金属層
の断面形状、金属層の結晶状態によって異なるので一義
的に決定することはできないが、一般的には硝酸亜鉛濃
度が大きいほど酸化亜鉛の結晶粒は大きく、膜の表面に
凹凸ができやすい。また成膜温度が低いほど、酸化亜鉛
の結晶粒は大きくなる傾向があると思われる。さらに印
加電流密度が大きいほど表面の凹凸は減少する傾向があ
ると思われる。しかし、印加電流密度と成膜速度はほぼ
比例するので酸化亜鉛からなる透明導電層の成膜コスト
を削減するためには、印加電流密度を上げた状態で成膜
することが好ましい。
【0058】また、溶液を撹拌して層形成ムラを減らす
ことによって、成膜速度を上げて効率化を図るために、
循環ポンプ108を用いている。小規模な装置にあって
は、このような循環ポンプを用いた溶液循環系の代わり
に、磁気撹拌子を用いることができる。
【0059】また、温度をモニターしながらヒーター1
02、103と熱電対(不図示)を用いて電析浴の温度
制御を行う。所望の酸化亜鉛膜を得るためには、温度の
高い電析浴中において電析を行うことが望ましい。これ
は、電析浴の温度を高くすることによってバーンアウト
電圧が低減されて、酸化亜鉛膜の表面における異常成長
の発生が抑制されるためである。電析浴の温度は50℃
以上であることが好ましい。特に、電析浴の温度が15
0℃から200℃の範囲であるとより好ましい。電析浴
104に接する雰囲気の圧力を大気圧より大きくするこ
とにより、電析浴の温度を100℃以上にすることがで
きる。
【0060】また、電析浴に電析初期より電析終期の方
が電析浴の温度が低くなる温度プロファイルを持たせる
ことにより電析前期のバーンアウト電圧を下げることが
でき、もって、膜表面の異常突起物を減少させることが
できた。さらに膜表面の異常突起物の減少によって太陽
電池内部での電気的な短絡を防止できたことから、HH
RB環境のもとでの逆バイアス試験結果は向上した。
【0061】連続形成装置 図3に示す装置は、可とう性(柔軟性)を有する長尺シ
ート状の導電性基体302の表面上に酸化亜鉛層を電析
浴中から連続的に形成することのできる装置である。
【0062】導電性基体302の裏面には、酸化亜鉛膜
の堆積を防ぐための絶縁テープ(不図示)が貼ってあ
る。301は導電性基体302をロール状に巻き付けた
送り出しローラー、311は該導電性基体302を巻き
取る巻き取りローラーで、導電性基体302は多くの搬
送ロール303〜310を介して巻き取りローラー31
1に巻き取られていく。各ロールの直径は基板の塑性変
性を防止するために導電性基体302の材質に応じて決
定する必要がある。
【0063】318は高温浴槽、319は低温浴槽であ
り、それぞれヒータ314,315により高温浴槽31
8の電析浴316の温度が低温浴槽319の電析浴31
7の温度より高くなるように一定温度に保つことによ
り、電析浴に電析初期より電析終期の電析浴の温度が低
くなる温度プロファイルを持たせている。
【0064】この装置によれば酸化亜鉛膜の形成を低コ
ストに行うことができる。
【0065】図4は本発明の酸化亜鉛膜の連続形成装置
の他の例を示す断面図である。この装置においては電析
液を循環させ、ヒータ409で加熱した後に電析槽41
1内に戻すことにより、電析液に一定の水流を生じさ
せ、これにより電析浴410の撹拌速度を上げて、導電
性基体414に電析堆積する酸化亜鉛膜の膜厚の分布を
防止若しくは減らしている。さらに、導電性基体414
の搬送方向に沿って電析浴410の水流を生じさせるこ
とにより、電析浴410に電析初期より電析終期の電析
浴の温度が低くなる温度プロファイルを持たせている。
【0066】図6は本発明の酸化亜鉛膜の形成装置の他
の例を示す断面図である。この装置は、図4に示す装置
に加え、溶液濃度を監視し、随時溶液を追加するシステ
ムを有している。溶解濃度を監視した上で加熱した硝酸
亜鉛水溶液612を電析浴内に随時補充することによ
り、浴内のpHが一定となるようすると共に、設定した
温度プロファイルへの影響を減少させている。さらに、
ヒータ611により導電性基体615をプリ加熱するこ
とにより、やはり設定した温度プロファイルへの影響を
減少させている。
【0067】図9は本発明の酸化亜鉛膜の形成装置の他
の例を示す断面図である。図9においては、電析槽の周
りにヒータ910、913を設け、ヒータ913の配置
密度を電析槽の底に行くにしたがって減らすことによ
り、電析浴の液面から深くなるにつれて、電析浴の温度
が下がるようにしている。また、ヒータ910の配置密
度を導電性基体904の進行方向に沿って減らすことに
より、導電性基体の進行方向に沿って電析浴の温度が下
がるようにしている。さらに対向電極911,912に
配置するヒータ914〜916の数を導電性基体の進行
方向に沿って徐々に減らし、導電性基体の進行方向に沿
って、電析浴の温度を徐々に下げている。更に、ヒータ
906,913により、浸漬直後に導電性基体を加熱ア
ニールしている。
【0068】連続形成装置を用いる場合には、導電性基
体の幅の微妙な変化等により電析浴の温度が設定温度か
らズレるのを防止するために、電析浴の温度と導電性基
体の板幅・板厚情報と導電性基体の搬送速度とから電析
浴の温度補正値を計算し、該温度補正値をもとに温度調
整器により電析浴の温度を制御することが好ましい。ま
た、電析浴の設定温度と電析浴の温度と導電性基体の板
幅・板厚情報と導電性基体の搬送速度と設定位置情報と
から電析浴の温度補正値を計算し、該温度補正値をもと
に温度調整器により電析浴内の電析液の温度を制御する
ことがより好ましい。なお、導電性基体をプリ加熱する
場合にはそのプリ加熱温度と、電析浴を補充する場合に
は補充する電析浴の温度と、上記の電析浴の温度等の情
報とから電析浴の温度補正値を形成してもよい。図7
は、電析浴の温度プロファイルを制御するためのアルゴ
リズムの一例を示している。ここでは、電析浴の設定温
度1と電析浴の温度2と導電性基体の板幅・板厚情報3
と導電性基体の搬送速度と接点位置情報4とプリ加熱温
度と補充用の電析浴の温度5とから電析浴の温度補正値
6を計算し、該温度補正値をもとに温度調整器7により
電析浴の温度を制御している。接点位置情報とは、電析
の安定化の初期を示す情報である。温度調整器は、例え
ばヒーター等の発熱手段やラジエータ等の放熱・冷却手
段と、それらを制御するための制御手段を有している。
【0069】導電性基体 本発明で用いられる基体は、磁性あるいは非磁性の各種
金属の支持体を母体としたものである。なかでもステン
レススチール板、鋼板、銅板、真鍮板、アルミニウム板
などは、価格が比較的安くて好適である。
【0070】これらの金属板は、一定の形状に切断して
も良いし、板厚によっては長尺のシート状の形状で用い
ても良い。後者の場合には金属板をコイル状に巻くこと
ができるので、連続生産に適し、保管や輸送も容易にな
る。また、用途によってはシリコンなどの液晶基板、ガ
ラス、セラミックス又は樹脂などの基材に半導性薄膜
(金属膜)を形成したものを導電性基体として用いるこ
ともできる。導電性基体として用いる金属板等の表面を
研磨しても良いが、例えばブライトアニール処理された
ステンレス板のように仕上がりの良い場合にはそのまま
用いても良い。
【0071】光起電力素子への応用 本発明の方法で形成された酸化亜鉛膜を用いた光起電力
素子の断面模式図を図5に示す。ただし、本発明は図5
に示す構成の光起電力素子の製造に限られるものではな
い。
【0072】図5において、513は支持基体、512
は金属層、511は透明導電層、504と507と51
0はn型半導体層、503と506と509はi型半導
体層、502と505と508はp型半導体層、501
は透明電極である。ここでは支持基体513、金属層5
12を合わせて導電性基体と呼んでいる。
【0073】さらに、図5の光起電力素子は透明電極5
01側から入射した光により発電しているが、支持基体
側から入射した光により発電する光起電力素子もある。
この場合には、支持気体513上に図5とは逆の順番に
各層が積層されることもある。
【0074】以下、本発明の光起電力素子の各層につい
て詳しく説明する。
【0075】(金属層512)本発明に用いられる金属
層は半導体層と支持基体の間に配される電極である。
【0076】金属層の材料としては、金、銀、銅、アル
ミニウム、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、タング
ステン、チタン、コバルト、タンタル、ニオブ、ジルコ
ニウム等の金属またはステンレス等の合金が挙げられ
る。特にアルミニウム、銅、銀、金などの反射率の高い
金属が好ましい。反射率の高い金属を用いる場合には、
光反射層としての役割を兼ねさせる事ができる。つま
り、半導体層514で吸収されなかった光を金属層51
2で反射させ、再び半導体層514に入射させることが
できる。
【0077】(透明導電層511)透明導電層は、主に
以下のような目的で、金属層512と半導体層514の
間に配置される。まず、光起電力素子の裏面での乱反射
を向上させ、薄膜による多重干渉によって光を光起電力
素子内に閉じ込めて、半導体層514における光の光路
長を延ばし、光起電力素子の短絡電流(Jsc)を増大
させることである。次に、裏面電極を兼ねる金属層51
2の金属の、半導体層514への拡散あるいはマイグレ
ーションによって、光起電力素子がシャントすることを
防止することである。また、透明導電層が若干の電気抵
抗を有していると半導体層514のピンホール等の欠陥
により発生する金属層512と透明電極501のシャン
トを防止することである。
【0078】透明導電層511には半導体層514が吸
収可能な波長領域の光について高い透過率を有すること
と、適度の抵抗率が要求される。好ましくは、650n
m以上の波長領域の光の透過率が80%以上であること
が望ましく、より好ましくは85%以上、最も好ましく
は90%以上であることが望ましい。
【0079】(半導体層514)本発明に用いられる半
導体層の材料としては、Si、C、Ge等のIV族元素
を用いたもの、あるいはSiGe、SiC、SiSn等
のIV族合金を用いたものが用いられる。
【0080】また、以上の半導体材料の中で、本発明の
光起電力素子に特に好適に用いられる半導体材料として
は、a−Si:H(水素化非晶質シリコンの略記)、a
−Si:F、a−Si:H:F、a−SiGe:H、a
−SiGe:F、a−SiGe:H:F、a−SiC:
H、a−SiC:F、a−SiC:H:F等のIV族系
又はIV族合金系非単結晶半導体材料が挙げられる。
【0081】また、半導体層の価電子制御及び禁制帯幅
制御を行うことがでぎる。具体的には半導体層を形成す
る際に価電子制御剤又は禁制帯幅制御剤となる元素を含
む原料化合物を単独で、又は前記堆積膜形成用原料ガス
又は前記希釈ガスに混合して成膜空間内に導入してやれ
ば良い。
【0082】また、半導体層は、価電子制御によって、
少なくとも一組のpin接合を有する。そして、pin
接合を複数積層することにより、いわゆるスタックセル
の構成を有する半導体層を形成できる。
【0083】また、半導体層の形成方法としては、マイ
クロ波プラズマCVD法、RFプラズマCVD法、光C
VD法、熱CVD法、MOCVD法等の各種CVD法あ
るいはEB蒸着、MBE、イオンプレーティング、イオ
ンビーム法等の各種蒸着法、スパッタリング法、スプレ
ー法、印刷法などがある。工業的には、原料ガスをプラ
ズマで分解し、基板状に堆積させるプラズマCVD法が
好んで用いられる。また、反応装置としては、バッチ式
の装置や連続成膜装置などが適宜使用できる。
【0084】(透明電極501)本発明において、透明
電極は透光性を有する光が入射する側の電極である。ま
た、その膜厚を最適化する事によって反射防止膜として
の役割も発揮する。透明電極は半導体層514が吸収可
能な波長領域の光について高い透過率を有することと、
抵抗率が低いことが要求される。好ましくは、550n
m近傍の波長領域の光の透過率が80%以上であること
が望ましく、より好ましくは85%以上であることが望
ましい。また、好ましくは抵抗率は5×10-3Ωcm以
下であることが望ましく、より好ましくは1×10-3Ω
cm以下であることが望ましい。
【0085】透明電極の材料としては、In23、Sn
2、ITO(In23+SnO2)、ZnO、CdO、
Cd2SnO4、TiO2、Ta25、Bi23、Mo
3、NsXWO3等の導電性酸化物あるいはこれらを混
合したものが好適に用いられる。なお、導電率を変化さ
せるために元素(ドーパント)をこれらの化合物に添加
しても良い。
【0086】前記導電率を変化させる元素(ドーパン
ト)としては、例えば透明電極がZnOの場合には、A
l、In、B、Ga、Si、F等が、またIn23の場
合には、Sn、F、Te、Ti、Sb、Pb等が、また
SnO2の場合には、F、Sb、P、As、In、T
l、Te、W、Cl、Br、I等が好適に用いられる。
【0087】透明電極の形成方法としては、スプレー
法、CVD法、プラズマCVD法、電析法、真空蒸着
法、イオン化蒸着法、スパッタリング法、スピンオン
法、デップ法等が好適に用いられる。
【0088】
【実施例】(実施例1−1)図1に示す装置を用いて酸
化亜鉛膜を形成した。
【0089】導電性基体103としては、約5cm角で
厚さ0.12mmのステンレス430BAの一方の表面
にスパッタリング法によりアルミニウムを積層させたも
のを用いた。また、対向電極105としては厚さ1mm
の4−Nの亜鉛を用いた。導電性基体103は陰極、対
向電極は陽極となる。
【0090】電析浴104は硝酸亜鉛の水溶液とし、サ
ッカロースを20g/lの割合で加え、硝酸亜鉛濃度は
0.025mol/lとした。印加電流密度は、10m
A/cm2にした。
【0091】電析浴104の温度を図2(a)に示すよ
うに、時間の経過とともに90℃から80℃まで徐々に
下げて電析を行った。そして、一端導電性基体103を
とりだし、温度が70℃に下がるまで待って、導電性基
体103を電析浴104に漬けて再び1.5分間電析を
行った。
【0092】その結果堆積した酸化亜鉛膜の膜厚は約1
μmであった。その酸化亜鉛膜は、主に約0.03μm
の結晶粒からなり、X線回折の測定によりc軸に配向し
ていることが分かった。
【0093】このあと、半導体層をプラズマCVD法に
より、n型非晶質Siを20nm、i型非晶質Siを2
00nm、p型微結晶Siを14nm、この順に積層さ
せた。さらに、酸素雰囲気中におけるスパッタリング法
によりITOを65nm積層させ、反射防止効果のある
透明電極を形成した。この上に、銀を材料に用いたグリ
ッド電極を形成した。こうして作成した光起電力素子を
素子E1−1と呼ぶ。
【0094】この素子E1−1の短絡電流密度Jscは
疑似太陽光の下11.0mA/cm2であった。
【0095】(実施例1−2)図1に示す装置を用いて
酸化亜鉛膜を形成した。
【0096】導電性基体103及び対向電極105には
実施例1−1と同じものを用いた。
【0097】電析浴104は硝酸亜鉛の水溶液とし、サ
ッカロースを40g/lの割合で加え、硝酸亜鉛濃度は
0.025mol/lとした。
【0098】導電性基体103を、200℃までプリ加
熱し、加熱後すぐに電析浴104に漬けて電析を行っ
た。印加電流密度は図2(b)のように変化させた。ま
ず、印加電流密度を0から徐々に14mA/cm2まで
あげた。印加電流密度が14mA/cm2に達したと
き、バーンアウトが起こり、電流が振動し、その後1分
ほどで、印加電流密度が10mA/cm2に落ち着い
た。その後再び3.5分間電析を行い酸化亜鉛膜を積層
した。電析初期の電析浴の温度は90℃、電析終了時の
電析浴の温度は80℃であった。
【0099】さらに、このあと実施例1−1と同様の半
導体層をプラズマCVD法により、n型非晶質Siを2
0nm、i型非晶質Siを200nm、p型微結晶Si
を14nm、この順に積層した。さらに、酸素雰囲気中
におけるスパッタリングによりITOを65nm積層さ
せ、反射防止効果のある透明電極を形成した。この上
に、銀を材料に用いたグリッド電極を形成した。こうし
て作成した光起電力素子を素子E1−2と呼ぶ。
【0100】この素子E1−2についてHHRB試験を
行った。素子E1−2を85℃−85%RHの環境試験
箱に入れ、1Vの逆バイアスをかけ、時間経過とともに
モニターしたところ、20時間使用可能域で安定した。
【0101】(比較例1)導電性基体をプリ加熱をしな
いこと以外は実施例1−2と同様にして、光起電力素子
を作成した。これを素子R1と呼ぶ。
【0102】この素子R1の短絡電流密度Jscはを疑
似太陽光の下で9.0mA/cm2であった。したがっ
て、本発明の素子E1−1のほうが、優れた特性を有す
ることがわかった。また、E1−2と同様の環境試験
(85℃−85%RH、逆バイアス1V)を行ったとこ
ろ、5時間しか使用可能域に留まらなかった。このこと
から、本発明の素子E1−2のほうが、優れた特性を有
することがわかった。
【0103】(実施例2)図3に示す装置を用いて酸化
亜鉛膜を形成した。
【0104】導電性基体302としては、ステンレス4
30BAの一方の表面にアルミニウムを電析法により積
層させたものを用いた。導電性基体302の搬送速度は
60インチ/minとした。導電性基体にかかる張力は
10kgとした。張力は巻き取りローラ311に組み込
まれた張力調整クラッチ(不図示)によって制御され
る。
【0105】導電性基体302は陰極となる。対向電極
312,313としては亜鉛を用い、陽極となる。
【0106】高温浴槽318内の電析浴316は、硝酸
亜鉛の水溶液とし、サッカロースを20g/lの割合で
加え、硝酸亜鉛濃度は0.025mol/l、温度は8
5℃、印加電流密度は18mA/cm2とした。1分の
反応で約1μmの酸化亜鉛膜が堆積した。
【0107】さらに、低温浴槽319内の電析浴317
は、硫酸亜鉛の水溶液とし、デキストリンを10g/l
の割合で加え、硫酸亜鉛濃度は0.025mol/l、
温度は60℃、印加電流密度は10mA/cm2とし
た。低温浴槽319内で成膜した酸化亜鉛膜は、約0.
02μmの結晶粒からなり、X線回折の測定によりc軸
に配向していることが分かった。
【0108】さらに、このあと、半導体層をプラズマC
VD法により、n型非晶質Siを20nm、i型非晶質
Siを200nm、p型微結晶Siを14nm、この順
に積層した。さらに、酸素雰囲気中におけるスパッタリ
ングによりITOを65nm積層し、反射防止効果のあ
る透明電極を形成した。この上に、銀を材料に用いたグ
リッド電極を形成した。こうして作成した光起電力素子
を素子E2と呼ぶ。
【0109】(比較例2)酸化亜鉛をスパッタリング法
により堆積した以外は、実施例2と同様にして光起電力
素子を作成した。これを素子をR2と呼ぶ。
【0110】E2が、R2の1.2倍の光電変換効率を
示した。
【0111】(実施例3)図4に示す装置を用いて酸化
亜鉛膜を形成した。
【0112】導電性基体414としては、ステンレス4
30BAの一方の表面に銅をスパッタリング法により積
層させたものを用いた。導電性基体414の搬送速度は
30インチ/minとした。導電性基体にかかる張力は
15kgとした。
【0113】導電性基体414は陰極となる。対向電極
406としてはパフ研磨された亜鉛を用い、陽極とな
る。
【0114】電析浴410は、電析槽411の底から循
環ポンプ408により吸引され、ヒータ409によって
98℃にまでその温度をあげた後、電析槽411の上部
へ排出される。電析槽411の上部と下部で、電析浴4
10に温度勾配を持たせることで、導電性基体表面に成
長する酸化亜鉛(ZnO)の形状の制御を行った。電析
浴410の温度は温度計412,413によってモニタ
ーされ、電析浴410の上部の温度をモニターする温度
計412は98℃を示し、電析浴410の下部の温度を
モニターする温度計413は85℃を示していた。な
お、電析浴の上部から下部への電析液の一定の流れによ
り撹拌が行われている。
【0115】電析浴は、硝酸亜鉛濃度は0.025mo
l/lの水溶液とした。電析浴中のサッカロースの濃度
は300g/lとした。印加電流密度は10mA/cm
2とした。導電性基体414の搬送速度は2m/min
とした。電析後、酸化亜鉛が1.4μm堆積していた。
酸化亜鉛膜と金属層の界面における酸化亜鉛の結晶粒が
均一となり、膜が緻密にできているため、酸化亜鉛膜の
密着性が良い。
【0116】六方晶系多結晶からなる酸化亜鉛層が堆積
された基板上に、トリプル構造の半導体層をロールツー
ロールによりプラズマCVD装置を用いて形成した。ま
ず、シランとフォスフィンと水素の混合ガスを用い、上
記基板を340℃に加熱し、400WのRFパワーを投
入して、n型層を形成した。次にシランとゲルマンと水
素の混合ガスを用い、基板温度を450℃としてマイク
ロ波パワーを投入してi型層を形成した。次に基板温度
を250℃として、三フッ化ボロンとシランと水素の混
合ガスを用い、からp型層を形成した。このpin層を
ボトムpin層という。続いてi層形成の際におけるシ
ランとゲルマンの混合比をボトムpin層のi型層形成
の際よりも増やし、すなわちシランの流量を増やした以
外は、同様の手順によってミドルpin層を形成した。
さらにi型層形成にシランと水素の混合ガスを用いる以
外は同様の手順でトップpin層を形成した。この後、
ロールツーロールによりスパッタ装置を用いてITOを
透明電極層501として堆積した。しかるのち、銀ペー
ストで電極を形成した。こうして作成した光起電力素子
を素子E3と呼ぶ。
【0117】(比較例3)酸化亜鉛膜をスパッタリング
法で作成した以外は、実施例3と同様の条件で光起電力
素子を作成した。これを素子R3と呼ぶ。
【0118】素子E3とR3についてHHRB試験を行
った。素子E3とR3を、85℃−85%RHの環境試
験箱に入れ、2V逆バイアスをかけ、時間経過による特
性変化をモニターした。素子R3が20分間で使用不可
能なシャントレベルに近づき1時間で使用に耐えなくな
ったのに対して、素子E3は、20時間にわたって使用
可能域に留まった。したがって、素子E3は、素子R3
に比べて優れた特性を有することがわかった。
【0119】(実施例4−1)図6に示す装置を用いて
酸化亜鉛膜を形成した。
【0120】導電性基体615としては、表面を脱脂
後、ステンレス430BAの一方の表面に銀をスパッタ
リング法により積層したものを用いた。導電性基体61
5の搬送速度は20インチ/minとした。導電性基体
にかかる張力は10kgとした。
【0121】導電性基体615は陰極となる。対向電極
606としてはパフ研磨された亜鉛を用い、陽極とな
る。ヒータ611によって導電性基体615は95℃ま
でプリ加熱され、電析液610内に搬入される。電析前
にロールを加熱しておくことで、実験4の結果のよう
に、異常成長の減少を図っている。
【0122】電析浴610は、電析槽の底から循環ポン
プ608により吸引され、ヒータ613によって95℃
まで温度をあげた後、電析槽614の上部に排出され
る。電析槽614の上部と下部で、電析浴610に温度
勾配を持たせることで、導電性基体615の表面に成長
する酸化亜鉛(ZnO)の形状の制御を行った。電析浴
610の温度は温度計(不図示)によってモニターさ
れ、電析浴610の上部の温度をモニターする温度計は
95℃を示し、電析浴610の下部の温度をモニターす
る温度計は87℃を示していた。
【0123】電析浴は、硝酸亜鉛濃度は0.025mo
l/lの水溶液とした。電析浴中のサッカロースの濃度
は300g/lとした。また、電析浴の濃度を監視した
上で、加熱した硝酸亜鉛水溶液を電析浴内に随時補充す
ることにより、浴内のPHを一定とするとともに、設定
した温度プロファイルへの影響を減少させた。印加電流
密度は10mA/cm2とした。導電性基体の搬送速度
は2m/minであり、電析後、酸化亜鉛膜が1.4μ
m堆積していた。
【0124】このようにして、六方晶系多結晶からなる
酸化亜鉛層が堆積された基体上に、トリプル構造の半導
体層をロールツーロールによりプラズマCVD装置を用
いて形成した。まず、シランとフォスフィンと水素の混
合ガスを用い、上記基板を340℃に加熱し、400W
のRFパワーを投入して、n型層を形成した。次にシラ
ンとゲルマンと水素の混合ガスを用い、基板温度を45
0℃としてマイクロ波パワーを投入してi型層を形成し
た。次に基体温度を250℃として、三フッ化ボロンと
シランと水素の混合ガスを用い、p型層を形成した。こ
のpin層をボトムpin層という。続いてi層形成の
際におけるシランとゲルマンの混合比をボトムpin層
のi型層形成の際よりも増やし、すなわちシランの流量
を増やした以外は同様の手順によってミドルpin層を
形成した。さらにi型層形成にシランと水素の混合ガス
を用いる以外は同様の手順でトップpin層を形成し
た。この後、ロールツーロールによりスパッタ装置を用
いてITOを透明電極層501として堆積した。しかる
のち、銀ペーストで電極を形成した。こうして作成した
光起電力素子を素子E4−1と呼ぶ。
【0125】(実施例4−2)プリ加熱温度を100℃
とし、ヒータ609で100℃に加熱した硝酸亜鉛水溶
液612(0.05mol/l)を1分間に10mlず
つ、電析浴610に投入した以外は実施例4−1と同様
にして光起電力素子を作成した。この素子をE4−2と
呼ぶ。
【0126】電析浴610上部の温度をモニターする温
度計は70℃を示し、電析浴610下部の温度をモニタ
ーする温度計は60℃を示していた。
【0127】(比較例4)酸化亜鉛膜をスパッタリング
法で作成した以外は、実施例4−1と実施例4−2と同
じ条件で、作製した素子をR4とした。
【0128】素子E4−1,E4−2,R4についてH
HRB試験を行った。素子E4−1,E4−2,R4を
85℃−85%RHの環境試験箱に入れ、1.5Vの逆
バイアスをかけ、時間経過とともに特性をモニターした
ところ、E4−1,E4−2は素子R4よりも20時間
以上長く使用可能域に留まり、すぐれた安定性をしめし
た。
【0129】(実施例5)実施例4−2と同様にして光
起電力素子を作成した。これを素子E5と呼ぶ。ただ
し、図7に示されるアルゴリズムを用いて電析浴の温度
プロファイルを一定に保った。すなわち、電析浴の設定
温度1と電析浴の温度2と導電性基体の板幅・板厚情報
3と導電性基体の搬送速度と接点位置情報4とプリ加熱
温度と補充用の電析浴の温度5とから電析浴の温度補正
値6を計算し、該温度補正値をもとに温度調整器7によ
り電析浴の温度を制御した。本実施例では、温度を制御
するためにヒータ609、611、613を用いてい
る。
【0130】(比較例5)酸化亜鉛膜をスパッタリング
法で作製した以外は、実施例5−1と同様の条件で、光
起電力素子を作成した。これを素子R5と呼ぶ。
【0131】素子E5,R5についてHHRB試験を行
った。素子E5とR5を85℃−85%RHの環境試験
箱に入れ、1.5Vの逆バイアスをかけ、時間経過とと
もに特性をモニターしたところ、素子E5は素子R5よ
りも30時間以上長く使用可能域に留まり、すぐれた安
定性をしめした。さらに、素子E5方が、酸化亜鉛膜が
均一についており、生産の際の良品率が向上した。
【0132】(実施例6)気圧を20MPaまで加圧で
きる圧力室内で、図6に示す装置を用いて酸化亜鉛膜を
作成した。
【0133】圧力室内の圧力を15MPaとし、導電性
基体615のプリ加熱温度を200℃とし、ヒータ61
3での電析液加熱温度を230℃とし、ヒータ609で
の硝酸亜鉛水溶液612の加熱温度を230℃とした以
外は実施例4−2と同様にして、酸化亜鉛膜を作製し
た。
【0134】電析浴610の温度は温度計(不図示)に
よってモニターされ、電析浴610の上部をモニターす
る温度計は200℃を示し、電析浴610の下部の温度
をモニターする温度計は150℃を示していた。
【0135】本実施例では、大気圧よりも大きい圧力下
において電析を行うことから、100℃以上の電析浴中
で電析を行うことができる。したがって、より温度の高
い電析浴中において電析を行うことができることから、
バーンアウト電圧を大きく低減させることができる。こ
のことから、大気圧下における電析よりも異常成長の少
ない酸化亜鉛膜を形成することができた。この酸化亜鉛
膜の上にトリプル構造のpin半導体層、透明電極層、
そして銀ペーストを材料に用いた電極を形成した。
【0136】この光起電力素子をSEM観察したとこ
ろ、スパッタリング法により形成した酸化亜鉛を用いた
光起電力素子にくらべ、異常成長の数が2分の1に減少
していた。
【0137】(実施例7)図9に示す装置を用いて酸化
亜鉛膜を形成した。
【0138】導電性基体904としては、実施例4−1
と同様の基体を用いた。導電性基体904のプロセスス
ピードは10インチ/minとした。導電性基体にかか
る張力は10kgとした。
【0139】導電性基体904は陰極となる。対向電極
911,912としては亜鉛を用い、陽極となる。導電
性基体904は、電析浴内に入った直後ヒータ906,
913によって97℃までプリ加熱される。
【0140】電析浴は、硝酸亜鉛濃度は0.7mol/
lの水溶液とした。電析浴中のサッカロースの濃度は1
0g/lとした。印加電流密度は2mA/cm2とし
た。
【0141】電析層の周りには、ヒータ910,913
が設けられ、ヒータ913の配置密度を電析槽の底に行
くにしたがって小さくしている。電析槽の中での深さ方
向の電析浴の温度は図8(a)のようになっている。つ
まり、電析浴の液面からの深さが大きくなるにつれて、
温度は下がる。一方、電析電流は、図8(b)のように
なっている。つまり、電析浴の液面からの深さが大きく
なるにつれて、電析電流は上がっていく。また、対向電
極911,912に配置するヒータ914〜916の数
を導電性基体904の進行方向に沿って徐々に減らし、
導電性基体904の進行方向に沿って電析浴の温度を徐
々に下げている。電析開始時の電析浴の温度は93℃、
電析終了時の電析浴の温度は80℃であった。電析浴通
過後、酸化亜鉛が1.2μm堆積していた。
【0142】このように作製した酸化亜鉛膜に対して、
はがれ試験をおこなったところ、はがれが起こりにくい
ことから膜の信頼性が高いことがわかった。これは、本
発明の酸化亜鉛膜が優れていることを示している。
【0143】
【発明の効果】請求項1、3、5及び2の製造方法はス
パッタリング法に比べ、材料コスト、ランニングコスト
ともに有利であり、かつ使用する装置も簡単である。し
かも、これらの製造方法により作成した光起電力素子の
短絡電流密度は大きい。
【0144】請求項4の発明によれば、それぞれの電析
槽の電析浴の温度、特性を相対的に大きく変化させるこ
とが可能になることから、成膜を高速で行うことができ
る。また、酸化亜鉛膜の密着性が良くなる。酸化亜鉛膜
表面の凹凸形状を制御できることから光閉じ込め効果の
大きい酸化亜鉛膜を形成できる。この製造方法を光起電
力素子に用いると、生産性が高まり、光電変換効率が高
まり、信頼性が向上した。
【0145】請求項6の発明によれば、電析浴の温度に
勾配を持たせるとともに、撹拌も一定方向に行うことが
可能となる。これにより均一で異常成長の少ない酸化亜
鉛膜を形成することが可能になり、その酸化亜鉛膜を光
起電力素子に用いた場合には、光起電力素子の信頼性が
向上した。
【0146】請求項7、8及び10の発明によれば、酸
化亜鉛の異常成長が減少し、この酸化亜鉛膜を光起電力
素子に用いた場合には、光起電力素子の信頼性が向上し
た。
【0147】請求項9の発明によれば、電析時のバーン
アウト電圧を抑えることができることから、酸化亜鉛の
異常成長の発生を大きく減らすことができ、その酸化亜
鉛膜を光起電力素子に用いた場合には、光起電力素子の
信頼性が向上した。
【0148】請求項11の発明によれば、酸化亜鉛膜の
均一性が向上することから、この酸化亜鉛膜を光起電力
素子に用いた場合には、光起電力素子の信頼性および良
品率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化亜鉛膜の製造方法を実施するため
の装置の一例を示す断面図である。
【図2】実施例1における温度と電流の経時変化を示す
図である。
【図3】本発明の酸化亜鉛膜の製造方法を実施するため
の連続形成装置の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の酸化亜鉛膜の製造方法を実施するため
の連続形成装置の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の方法で形成された酸化亜鉛膜を適用し
た光起電力素子の断面模式図である。
【図6】本発明の酸化亜鉛膜の製造方法を実施するため
の連続形成装置の他の例を示す断面図である。
【図7】電析温度制御のアルゴリズムの一例を示す図で
ある。
【図8】実施例7における温度分布、電流密度の変化を
示す図である。
【図9】本発明の酸化亜鉛膜の製造方法を実施するため
の連続形成装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
101 電源 102 ヒータ 103 導電性基体 104 電析浴 105 対向電極 106 電析槽 107 負荷抵抗 108 循環ポンプ 109 温度計 301 送りだしローラ 302 導電性基体 303、304、305、306、307、308、3
09、310 搬送ローラ 311 巻き取りローラ 312、313 対向電極 314、315 ヒータ 316、317 電析浴 318 高温浴槽 319 低温浴槽 401 送りだしローラ 402、403、404 搬送ローラ 405 巻き取りローラ 406 対向電極陽極 407 電源 408 循環ポンプ 409 ヒータ 410 電析浴 411 電析槽 412、413 温度計 414 導電性基体 501 透明電極 502 第3のp層 503 第3のi層 504 第3のn層 505 第2のp層 506 第2のi層 507 第2のn層 508 第1のp層 509 第1のi層 510 第1のn層 511 透明導電層 512 金属層 513 支持基体 514 半導体層 601 送りだしローラ 602、603、604 搬送ローラ 605 巻き取りローラ 606 対向電極陽極 607 電源 608 循環ポンプ 609、611、613 ヒータ 610 電析浴 612 硝酸亜鉛水溶液 614 電析槽 615 導電性基体 901 送りだしローラ 902、903 ローラ 904 導電性基体 906、907、908、909、910、913、9
14、915、916ヒータ 905 巻き取りローラ 911、912 対向電極 917、918、919 電源 920 循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−92861(JP,A) 特開 平8−217443(JP,A) 特開 平8−260175(JP,A) 特開 平10−204684(JP,A) 特開 平10−195693(JP,A) 特開 平10−140373(JP,A) 特許3420495(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 9/08 H01L 31/04

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電析浴に浸漬された導電性基体と該電析
    浴中に浸漬された対向電極との間に通電することによ
    り、酸化亜鉛膜を前記導電性基体上に形成する酸化亜鉛
    膜の製造方法において、電析浴の温度を50℃以上と
    し、かつ電析初期より電析終期の方が電析浴の温度が低
    くなる温度プロファイルを持たせることを特徴とする酸
    化亜鉛膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 対向電極が亜鉛であることを特徴とする
    請求項1に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性基体を連続的に電析浴内に搬送す
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化亜鉛膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも電析浴の温度が異なる複数の
    電析槽を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 電析浴が、少なくとも硝酸イオン、亜鉛
    イオン、及び炭水化物を含有する水溶液であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化亜鉛
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 電析浴を循環させ、加熱した後に電析槽
    内に戻すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 導電性基体を電析浴に浸漬する前にまた
    は浸漬した直後に、該導電性基体を加熱アニールするこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸
    化亜鉛膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 加熱した電析浴を補充することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化亜鉛膜の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 電析浴に接する雰囲気の圧力を大気圧よ
    り大きくすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    1項に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 対向電極を加熱することを特徴とする
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の酸化亜鉛膜の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 電析浴の温度と導電性基体の板幅・板
    厚情報と導電性基体の搬送速度とから電析浴の温度補正
    値を計算し、該温度補正値をもとに温度調整器により電
    析浴の温度を制御することを特徴とする請求項1〜10
    のいずれか1項に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 電析浴の温度が50℃以上であり、か
    つ電析初期より電析終期の方が電析浴の温度が低い温度
    プロファイルを有する電析浴に浸漬された導電性基体と
    該電析浴中に浸漬された対向電極との間に通電すること
    により、酸化亜鉛膜を前記導電性基体上に形成する工程
    と、半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする光
    起電力素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 対向電極が亜鉛であることを特徴とす
    る請求項12に記載の光起電力素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 導電性基体を連続的に電析浴内に搬送
    することを特徴とする請求項12又は13に記載の光起
    電力素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 少なくとも電析浴の温度が異なる複数
    の電析槽を用いることを特徴とする請求項12〜14
    いずれか1項に記載の光起電力素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 電析浴が、少なくとも硝酸イオン、亜
    鉛イオン、及び炭水化物を含有する水溶液であることを
    特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の光
    起電力素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 電析浴を循環させ、加熱した後に電析
    槽内に戻すことを特徴とする請求項12〜16のいずれ
    か1項に記載の光起電力素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 導電性基体を電析浴に浸漬する前また
    は浸漬した直後に、該導電性基体を加熱アニールするこ
    とを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項に記載
    の光起電力素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 加熱した電析浴を補充することを特徴
    とする請求項12〜18のいずれか1項に記載の光起電
    力素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 電析浴に接する雰囲気の圧力を大気圧
    より大きくすることを特徴とする請求項12〜19のい
    ずれか1項に記載の光起電力素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 対向電極を加熱することを特徴とする
    請求項12〜20のいずれか1項に記載の光起電力素子
    の製造方法。
  22. 【請求項22】 電析浴の温度と導電性基体の板幅・板
    厚情報と導電性基体の搬送速度とから電析浴の温度補正
    値を計算し、該温度補正値をもとに温度調整器により電
    析浴の温度を制御することを特徴とする請求項12〜2
    のいずれか1項に記載の光起電力素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 電析浴に浸漬された導電性基体と該電
    析浴中に浸漬された対向電極との間に通電することによ
    り、酸化亜鉛膜を前記導電性基体上に形成する工程を有
    する半導体素子基板の製造方法において、電析浴の温度
    を50℃以上とし、かつ電析初期より電析終期の方が電
    析浴の温度が低くなる温度プロファイルを持たせること
    を特徴とする半導体素子基板の製造方法。
  24. 【請求項24】 対向電極が亜鉛であることを特徴とす
    る請求項23に記載の半導体素子基板の製造方法。
  25. 【請求項25】 導電性基体を連続的に電析浴内に搬送
    することを特徴とする請求項23又は24に記載の半導
    体素子基板の製造方法。
  26. 【請求項26】 少なくとも電析浴の温度が異なる複数
    の電析槽を用いることを特徴とする請求項23〜25
    いずれか1項に記載の半導体素子基板の製造方法。
  27. 【請求項27】 電析浴が、少なくとも硝酸イオン、亜
    鉛イオン、及び炭水化物を含有する水溶液であることを
    特徴とする請求項23〜26のいずれか1項に記載の半
    導体素子基板の製造方法。
  28. 【請求項28】 電析浴を循環させ、加熱した後に電析
    槽内に戻すことを特徴とする請求項23〜27のいずれ
    か1項に記載の半導体素子基板の製造方法。
  29. 【請求項29】 導電性基体を電析浴に浸漬する前また
    は浸漬した直後に、該導電性基体を加熱アニールするこ
    とを特徴とする請求項23〜28のいずれか1項に記載
    の半導体素子基板の製造方法。
  30. 【請求項30】 加熱した電析浴を補充することを特徴
    とする請求項23〜29のいずれか1項に記載の半導体
    素子基板の製造方法。
  31. 【請求項31】 電析浴に接する雰囲気の圧力を大気圧
    より大きくすることを特徴とする請求項23〜30のい
    ずれか1項に記載の半導体素子基板の製造方法。
  32. 【請求項32】 対向電極を加熱することを特徴とする
    請求項23〜31のいずれか1項に記載の半導体素子基
    板の製造方法。
  33. 【請求項33】 電析浴の温度と導電性基体の板幅・板
    厚情報と導電性基体の搬送速度とから電析浴の温度補正
    値を計算し、該温度補正値をもとに温度調整器により電
    析浴の温度を制御することを特徴とする請求項23〜3
    のいずれか1項に記載の半導体素子基板の製造方法。
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