JPH10195686A - 水素化方法及び電解槽 - Google Patents
水素化方法及び電解槽Info
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- JPH10195686A JPH10195686A JP9013083A JP1308397A JPH10195686A JP H10195686 A JPH10195686 A JP H10195686A JP 9013083 A JP9013083 A JP 9013083A JP 1308397 A JP1308397 A JP 1308397A JP H10195686 A JPH10195686 A JP H10195686A
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Abstract
りも迅速に大量の被反応物を効率的に処理できる水素化
方法及び装置を提供する。 【構成】 電解槽本体1を水素吸蔵材料から成る陰極2
で電解室3と水素化室4に区画し、該水素化室内に前記
陰極と電気的に接続した状態で多孔性の水素吸蔵体を設
置する。陰極内に水素が吸蔵されるため過剰の水素が発
生しても陰極内に吸蔵されガスとして放散せず、水素の
有効利用を図ることができる。更に電極への通電を停止
しても陰極内に吸蔵されている水素により有機化合物の
水素化反応を継続でき、電力量の節約が可能になる。又
電解により連続的に水素が発生するため、従来のように
水素が枯渇することがない。
Description
物あるいはガス単体の水素化又は還元反応を電解を利用
して効率良くかつ連続的に更に高電流効率で行なうため
の方法及び電解槽に関する。
加)反応は種々の化学分野で利用され、例えば石油のク
ラッキング反応では重質油を水素化することによりガソ
リンや灯油が得られ、又タール分の水素化により液状に
して、より合目的な使用条件に適合させることなどの水
素化反応が実際に利用され、更に不飽和炭化水素を対応
する飽和炭化水素に転化する反応にも水素化が利用され
る。更にこの反応は有機化合物のみならず無機物質にも
利用され、例えば酸素ガスの還元(水素化)による過酸
化水素の製造、及び窒素と水素の反応によるアンモニア
合成等が工業的に行なわれている。
まり被反応物を反応槽中で接触触媒の存在下に水素を添
加しながら反応が行なわれ、パラジウムなどの貴金属が
不飽和炭化水素の水素化反応の優れた触媒であることが
知られている(S. Siegel, in Comprehensive Organic
Synthesis, ed., B. M. Trost and I. Fleming, Pergam
on Press, Oxford, 1991, vol. 8) 。このような反応で
は高圧水素を使用するため高圧容器が必要でありかつ反
応温度も比較的高いことが多く、更に使用する水素の純
度によっては爆発の危険があるなどの問題点があった。
更に反応選択性も十分でなく副反応生成物が生ずるとい
う欠点もあった。
減少させるために不均一系反応である電解還元法が採用
されることがある [ A. M. Couper, D. Pletcher and
F.C. Walsh, Chem. Rev., 1990, 90, 837, T. Non
aka, M. Takahashi and T.Fuchigami, Bull. Chem. So
c. Jpn., 183 56, 2584. M. A. Casadei and D.Plet
cher, Electrochim. Acta, 33, 117 (1988), T.
Yamada, T. Osa andT. Matsue, Chem. Lette., 1989(19
87), L. Coche, B. Ehui, and J. C. Moutet, J. Or
g. Chem., 55, 5905 (1990), J. C. Moutet, Y.
Ouennoughi,A. Ourari and S. Hamar-Thibault, Electr
ochim. Acta, 40, 1827 (1995)]。ラネーニッケル等の
大表面積を有する電極触媒を使用すると電気化学的に水
素化反応を行なうことが可能であり良好な電力効率が期
待できるとともに、操作が安全かつ容易になるという特
徴がある。しかし電解で有機反応を行なうためには被反
応物自身が導電性であるか、そうでない場合には添加物
を加えて被反応物を含む電解液を導電性とする必要があ
る。有機化合物の多くは非導電性であり添加物を加える
ことによる反応系の複雑化等の問題がある。更に添加物
を加えることによって操作が複雑化するとともに、不純
物レベルが高くなるという問題点もある。均一系及び不
均一系のいずれの触媒を使用する場合でも触媒上に生成
した原子状水素が水素化反応を促進する機能を有するこ
とが知られている。
方法として、パラジウムや水素吸蔵金属合金等の水素を
保持できる金属と接触させる方法が知られている[K. Oh
kawa, K. Hashimoto, A. Fujishima, Y. Noguchi and
S. Nakayama, J. Electroanal. Chem., 345, 445 (19
93)] 。前述のパラジウム及び水素吸蔵金属合金の多く
が触媒作用を有するため、又パラジウムや他の水素吸蔵
金属中の水素は活性な水素として強い反応性を有するた
め、該パラジウム等が水素供給源及び水素化触媒として
機能し有機化合物の水素化方法として高い機能を示すと
言われている。しかしこのパラジウム又は水素吸蔵金属
合金を使用する水素化反応ではその中に吸蔵できる水素
量に限界があるため、反応の進行に従って吸蔵水素が枯
渇し、より以上の反応が進行しなくなり、所謂バッチ式
の反応しか進行しないという欠点があり、実験室規模で
は問題がないが、工業的規模では連続的な操業が不可能
であり、極めて非能率であるという問題点があった。
に、陽極及び水素吸蔵材料から成る陰極を有する電解槽
の前記陰極の前記陽極との反対面に被反応物を接触させ
ながら電解を行ない、前記陰極で発生する活性水素を吸
蔵しかつ該陰極の陽極との反対面側に透過させたこの活
性水素により前記被反応物の水素化を行なう方法及び電
解槽を提案している(特願平7−352862号)。この方法
では実用的に理論発生水素の93%程度の電流効率を得て
いるが、被反応物の種類によってはこの電流効率がかな
り低くなることがある。
まり均一系の水素化反応における高圧容器の必要性や爆
発の危険性、通常の電解による水素化反応における添加
物の添加、及び水素吸蔵金属合金の吸蔵水素の枯渇の問
題点を一挙に解決し、安全、容易かつ確実に実施でき、
更に本発明者らが提案した前記水素化方法及び電解槽を
使用するよりも高電流効率で被反応物の水素化反応を実
施できる方法及び電解槽を提供することを目的とする。
び水素吸蔵材料から成る陰極を有する電解槽の前記陰極
の前記陽極との反対面に被反応物を接触させながら電解
を行ない、前記陰極で発生し吸蔵、透過した活性水素に
より前記被反応物の水素化を行なう水素化方法におい
て、前記陰極の水素化室側に多孔性の水素吸蔵体を電気
的に接続し、該水素吸蔵体により前記被反応物の水素化
を行なうことを特徴とする被反応物の水素化方法であ
り、本発明の電解槽は、水素吸蔵材料から成る陰極によ
り、陽極を含む電解室と被反応物が供給され水素化され
る水素化反応室に区画され、該水素化反応室に前記陰極
に電気的に接続された多孔性の水素吸蔵体を充填したこ
とを特徴とする被反応物の水素化用電解槽である。
の特徴は、水電解等によりその表面で発生する水素を吸
蔵して貯蔵する機能を有する水素吸蔵性材料から成る陰
極内に発生水素を原子状水素として吸蔵し、更にこの吸
蔵水素を前記陰極の被反応物側に存在する水素吸蔵体方
向に導きかつ該水素吸蔵体に吸蔵させることにより、水
素吸蔵能を有する材料の絶対量を増加させかつ被反応物
との接触面積を十分大きく取ることを可能にして前記陰
極で発生する水素を効率良く前記被反応物の水素化反応
に使用することを可能にするものである。
吸蔵体を使用すると電解の継続に伴って連続して生成す
る水素を最大水素吸蔵量の範囲内で連続的に吸蔵できる
とともに、いわゆる原子状水素又は活性水素が連続的に
供給されるので、従来の水素吸蔵金属との接触/水素化
反応のように水素が枯渇することがなく、連続的な有機
化合物の水素化反応や無機物質の水素化や還元を高効率
で進行させることができる。又従来の均一系反応と異な
り高温及び高圧が不要でかつ水素の爆発の危険性も回避
できる。前記水素化室側表面に透過した水素はいわゆる
原子状水素又は活性水素として被反応物と直ちに反応す
ることが可能である。
記水素化室内に前記陰極に電気的に接続されている状態
で存在するため、前記陰極の水素化室側に透過した活性
水素は該水素化室内に被反応物が存在しなくても、前記
多孔性水素吸蔵体に吸蔵される。吸蔵された水素は該水
素吸蔵体内に保持され、被反応物と接触すると該被反応
物を水素化して消費される。従って本発明方法では発生
した活性水素が被反応物に接触せずに浪費されることが
殆どなく、発生した水素の実質的に全部が被反応物の水
素化あるいは還元に使用されるため、高電流効率での運
転が可能になる。しかも陰極の電解室側表面で連続して
生成する水素を水素化すべき被反応物が存在する水素化
室に透過して連続的に供給できるため水素の枯渇がな
く、連続的な水素化あるいは還元反応を進行させること
ができる。更に電解槽が前記陰極により電解室と水素化
室に区画されているため、電解室内の電解液と水素化室
内の被反応物が混合することがなく、極めて高い純度に
保持されるとともに、一旦生成した水素化又は還元化合
物が酸化されて水素化前の有機化合物等に戻ることがな
い。又従来の均一系反応と異なり高温及び高圧が不要で
かつ水素の爆発の危険性も回避できる。
に前記水素吸蔵体を充填しているため、該水素吸蔵体に
吸蔵された水素と被反応物の接触頻度が高くなり、水素
化反応の速度が増大する。本発明では陰極反応が水素発
生反応になるように電解反応を選択し、最も好ましい電
解反応は水電解反応である。通常水電解反応は比較的濃
厚な水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム水溶液を電解
液として使用する。その反応式は H2 O + e → Had + OH- (式中、Hadは吸着水素)であり、陰極により電解槽が
電解室と水素化室に区画されており、原子状水素が電解
室側の陰極表面に生成し、陰極自体を透過して水素化室
側表面に達し、該表面上に吸着状態で保持される。該吸
着水素は次に式(式中Habは吸蔵水素)に従って吸蔵
状態に変換される。 Had → Hab このHabが水素化室中の被反応物と直接反応し、あるい
は一旦水素化室内の水素吸蔵体に吸蔵された後に、前記
水素吸蔵体を水素化又は還元し、目的の生成物が得られ
る。
しては有機化合物及び無機単体又は化合物がある。有機
化合物の水素化反応としては、二重結合又は三重結合を
有する脂肪族又は芳香族不飽和炭化水素、例えばエチレ
ン、プロピレン、1−オクテンや2−オクテン、アセチ
レン、スチレン等の対応する飽和炭化水素への還元反応
があり、該反応によりそれぞれエタン、プロパン、n−
オクテン、n−オクテン、エタン、エチルベンゼンが生
成する。又パラフィン等の長鎖炭化水素を結合を水素化
により切断し2種類以上の短鎖炭化水素を生成させるこ
と(クラッキング)も可能である。この他に、ベンズア
ルデヒドの水素化によるベンジルアルコールの生成やニ
トロベンゼンの水素化によるニトロソベンゼンやアニリ
ンの生成に本発明を適用することもできる。無機物質と
しては、硝酸イオン、酸素、二酸化炭素等があり、例え
ば硝酸イオンは、窒素ガス、アンモニアガス等に分解又
は還元されて大気中に放散される。
蔵性及び水素透過性機能を有する材料を使用し、該材料
は水素化反応に対する触媒活性を有することが望まし
い。代表的な金属としてパラジウムがあり、パラジウム
は水素の透過能が極めて高いことが知られておりしかも
水素化に対する触媒活性があるため最も好ましい金属の
1つであり、パラジウム・銀合金等のパラジウム合金も
使用可能である。他の好ましい代表的な金属又は合金と
して、ランタン・ニッケル合金等の希土類金属合金やミ
ッシュメタル・ニッケル合金や、水素吸蔵が可能なチタ
ンやジルコウニム合金がある。特にニッケル基水素吸蔵
合金は水素解離触媒活性が強いため、水素添加反応に対
するより活性な触媒としての作用があるので、より望ま
しい。
述の通り、電解室と水素化室を区画する形状を有するこ
と以外は特に限定されないが、陰極の電解室側表面で生
成した水素が該陰極の反対面に出来るだけ速くかつ出来
るだけ多く移動することが必要であり、そのためには陰
極中の水素の拡散速度が十分に速いこと、水素の濃度勾
配が大きいことが望ましい。更に水素化反応をスムーズ
に進行させるためには被反応物と陰極との接触面積が十
分に大きいことが好ましく、そのためには接触部分の表
面が十分に荒れていることが望ましい。表面粗化のため
には陰極表面をブラスト処理したりエッチング処理を行
なうことが望ましい。処理の程度は特に限定されないが
ブラスト処理は15〜20メッシュ程度のアルミナグリッド
を使用することが良く、これにより実質表面積が2〜3
倍になる。
ためには陰極の厚さは薄いことが望ましいが、一方陰極
としての機械的強度を十分に有しかつ通電量を確保する
ためにはある程度の厚さが必要である。これらを加味し
て陰極の厚さが決定され、通常は0.01〜2mmが望まし
い。又工業設備として使用する場合には、薄箔状の水素
透過金属に、その支持体及び給電体を兼ねてその裏側に
金属メッシュを張り付けても良い。この薄箔状の水素透
過金属から成る陰極の強度が不十分である場合には支持
体を併用することが望ましく、この場合には水素吸蔵合
金の存在しない電解室側に支持体を設置する。前述の水
素化室内に陰極と電気的接続が維持された状態で存在し
あるいは前記水素化室内に充填される水素吸蔵体は、前
記陰極で例示した材料から選択することが望ましく、被
反応物との接触効率を向上させるために多孔性とする。
前記被反応物との接触効率を考慮すると、水素化室内全
体に充填することが望ましいが、前記陰極側にのみ偏在
させること等も可能である。一方陽極としてはニッケル
やステンレススチールが好ましく使用できるが、他の材
質例えば炭素等も使用可能である。
画し更に該陰極に水素吸蔵体を電気的に接続した状態で
電解を行なうと、陽極から酸素が陰極からは水素がそれ
ぞれ発生する。しかし条件にも依るが本発明では発生す
る水素はそのまま陰極に吸収されガス発生は殆ど観察さ
れない。この水素は陰極内を透過し水素化室側に透過す
るが、その透過速度は水素の拡散係数、濃度差及び温度
により決定する。水素化室側に透過した水素は該水素化
室中に存在する有機化合物等の被反応物と接触し該被反
応物を水素化又は還元するか、一旦前記水素吸蔵体に吸
蔵された後、被反応物と接触して該被反応物を水素化す
る。水素吸蔵能が陰極単独の場合より飛躍的に増大し、
10A/dm2 以上の大電流密度下での電解でも発生水素は前
記陰極あるいは水素吸蔵体に吸蔵され、浪費されること
が殆どない。水素化反応速度は水素が十分供給されてい
ると、水素化室側の陰極表面積と多孔性水素吸蔵体の表
面積にほぼ比例する。従って陰極のみを水素吸蔵体とし
て使用する場合と比較して反応速度も大幅に向上する。
速度が水素化室側で消費される水素量より大きいと過剰
の水素が陰極に吸収されずに電解室側にガスとして発生
する。又水素発生速度が小さ過ぎると水素化室での被反
応物の水素化反応速度がその分低下する。従って電流密
度は水素化室での水素化反応で消費される水素に見合っ
た量の水素が電解により生ずるように設定することが望
ましく、通常は0.1 〜10A/dm2 が好ましく、1〜5A/dm
2 が特に好ましい。なお処理される被反応物は液状であ
る必要はなく、ガス状であっても固体であっても良い。
ガス状の場合は加圧ガスをそのまま、又は加圧して水素
化室にガスを通じれば良く、より良く反応を行なわせる
ためには該陰極に吹き付けるようにすれば良い。又固体
の場合には、溶媒に懸濁し接触させても良いし、粉体に
したものをそのまま吹き付けても良い。陰極への給電を
考慮すると、比較的硬質の例えば平板状の導電性材料
(集電体)に前述の水素吸蔵体を電気的に接続したもの
を陰極として使用することが望ましい。
である。1は被反応物の水素化用電解槽であり、該電解
槽1は、薄肉プレート状又は箔状等の陰極2により、電
解室3と、該陰極2に電気的に接続された水素吸蔵合金
が収容された水素化室4に区画されている。該電解室3
には水酸化カリウム水溶液等が電解液として収容され該
電解室3の前記陰極2と反対側の壁面近傍にはプレート
状の陽極5が設置されている。6は陽極ガス取出口、7
は被反応物溶液供給口、8は生成物取出口、9は被反応
物溶液貯留タンク、10はポンプ、11は両極間に通電する
電源である。
室4中に、スチレン等の有機化合物の有機溶媒溶液であ
る陰極液をポンプ10により被反応物溶液貯留タンク9か
ら供給し、かつ電解室3には前述した水酸化カリウム水
溶液等の陽極液を満たしかつ陽極5及び陰極2間に電源
11を使用して通電すると、陰極2の電解室3側で生成す
る水素が陰極2に吸収されかつ該陰極2を透過して陰極
2の水素化室4側に達し、該陰極表面で有機化合物と接
触して該有機化合物例えばスチレンを水素化してエチル
ベンゼンを生成するか、あるいは前記水素化室4側に達
した水素が前記水素吸蔵合金に吸蔵される。該合金中に
吸蔵された水素は被反応物が供給されると該被反応物を
水素化又は還元して所望生成物に変換する。水素化処理
された被反応物を含む電解液は生成物取出口8から取り
出され、水素化が十分な場合はそのまま所定用途に使用
され、不十分な場合は前記被反応物溶液貯留タンクに循
環して再度水素化処理を行なうようにしても良い。
よる水素化の実施例を記載するが、該実施例は本発明を
限定するものではない。
反応を行なった。まず有効面積が0.19dm2 である厚さ0.
05mmのパラジウム板を次のように加工した。該パラジウ
ム板の電解室側表面に、パラジウム黒の電解めっきを行
ない、水素化室側表面は#60のアミルナサンドによって
ブラスト掛けを行ない更に100 ℃の35%塩酸を使用して
酸洗処理を行ない、陰極とした。陽極としては厚さ1mm
のニッケル製のエクスパンドメッシュを使用した。
を電解室と水素化室に区画し、電解室内には前記陽極を
設置し、更に前記水素化室内にはランタン−ニッケル合
金であるLaNi5 水素吸蔵合金を充填密度約30%となるよ
うに充填した。前記水素化室内にスチレンを通し、かつ
前記陰極に電解室内のジルコニウム製のワイヤメッシュ
を通して通電し、温度40℃、電流密度10A/dm2 で電解を
行なった。この条件では電解室側では水素の発生は実質
的に観察されず、発生水素のほぼ全量が前記パラジウム
陰極を透過して水素吸蔵合金側に移行した。又水素化室
から取り出される反応生成物中の原料であるスチレンか
ら生成物であるエチルベンゼンへの転化の電流効率を液
体クロマトグラフィーを使用して測定したところ、93〜
94%であった。
なかったこと以外は実施例1と同一条件でスチレンのエ
チルベンゼンへの転化の電流効率を測定したところ約84
%であり、前記水素吸蔵合金の水素化室内への充填によ
り約10%電流効率が上昇したことが判った。
粉末をバインダーであるデキストリンと共に成型しかつ
水素ガス中450 ℃でルースシンタリングして多孔体とし
た。この多孔体を実施例1で使用したパラジウム板にア
ルゴン雰囲気中で抵抗溶接し、これを実施例1の電解槽
内に、実施例1の水素吸蔵合金を充填した陰極の代わり
に設置した。このときの水素吸蔵合金の充填率は理論値
に対して40〜45%であった。
対して水柱で20cm)を通し、かつ前記陰極に電解室内の
ジルコニウム製のワイヤメッシュを通して通電し、温度
40℃、電流密度5A/dm2 で電解を行なった。この条件で
は電解室側では水素の発生は実質的に観察されず、発生
水素のほぼ全量が前記パラジウム陰極を透過して水素吸
蔵合金側に移行した。又水素化室から取り出される反応
生成物中の原料であるエチレンから生成物であるエタン
への転化の電流効率を液体クロマトグラフィーを使用し
て測定したところ、約85%であった。
吸蔵合金MmNi4.2Al0.3Mn0.3 を使用した。この合金粉末
をアルゴン雰囲気中1300℃で3時間焼結し更にアルゴン
雰囲気中で鍛造して厚さ0.8 mmの板とした。この板の片
面に同じミッシュメタル系水素吸蔵合金の粉末をデキス
トリンをバインダーとして塗布し、水素ガス中450 ℃で
ルースシンタリングした。この片面に多孔性の合金層を
有する陰極の該多孔性部分との反対側表面を#60のアミ
ルナサンドでブラスト掛けを行ない表面を荒らして活性
化した。前記ミッシュメタル系水素吸蔵合金板にに対す
る多孔性部分の充填率は約33%であった。
が陽イオン交換膜に密着するように設置し、該陽イオン
交換膜の反対側に、厚さ0.5 mmのチタンエクスパンドメ
ッシュの表面に硝酸イリジウム及び硝酸タンタルの水溶
液を塗布し熱分解して酸化イリジウム(75%)−酸化タ
ンタル(25%)を電極物質として被覆した不溶性陽極を
密着させた。電解室内はイオン交換水を満たし、水素化
室内にはパラフィン粒子を懸濁したエチルアルコール
(パラフィン粒子の体積割合は約20%)を流し、温度40
℃、電流密度5A/dm2 で電解を行なった。この条件では
電解室側では水素の発生は実質的に観察されず、又水素
化室内に油状物質の形成が認められた。これはパラフィ
ンの一部に水素添加が起こり長鎖の断裂が起こったため
と推測できた。
0 ppm を含む水溶液を供給した。液量は外部タンク9内
と合わせて500 mlとし、ポンプ10により電解槽内に10ml
/分で供給し、かつ前記タンク9へ循環させた。又電解
室側には20%の水酸化ナトリウム水溶液を満たした。隔
壁を兼ねる陰極としてパラジウム−銀(23%)の合金箔
を使用し、水素化室内には0.3 g/m2 に相当するパラ
ジウムを置換めっきしたニッケル製セルメット(住友電
工株式会社製#4)を4枚重ね合わせて充填した。温度
40℃、電流密度10A/dm2 で電解を行なったところ、硝酸
イオン濃度は5時間後に20ppm に、又10時間後には1pp
m 未満となった。硝酸イオンの減少に伴ってアンモニウ
ムイオンが副生するが、これも徐々に減少し、24時間経
過後の総窒素減少率は70%であった。
こと以外は実施例4と同一条件で電解を行なったとこ
ろ、10時間後の硝酸イオン濃度は250 ppm であり、多量
の硝酸イオンが検出された。
ら成る陰極を有する電解槽の前記陰極の前記陽極との反
対面に被反応物を接触させながら電解を行ない、前記陰
極で発生し吸蔵、透過した活性水素により前記被反応物
の水素化を行なう水素化方法において、前記陰極の水素
化室側に多孔性の水素吸蔵体を電気的に接続し、該水素
吸蔵体により前記被反応物の水素化を行なうことを特徴
とする被反応物の水素化方法である。本発明方法による
と、電解により陰極表面で生成する水素がそのまま陰極
に吸収され吸蔵されかつ原子状水素又は活性水素として
水素化室に供給される。そして該水素化室には水素吸蔵
合金が存在するため、被反応物が存在せずあるいは少量
の被反応物しか存在しない場合でも、過剰の活性水素は
そのまま放出されることなく前記水素吸蔵合金内に吸蔵
される。従って実質的に全ての電解生成水素を被反応物
の水素化又は還元に有効に使用できる。
ため、従来の水素吸蔵金属を使用する水素化法と異なっ
て水素が枯渇することがなく、連続して有機化合物等の
水素化を行なうことができる。水素化に使用する活性水
素は任意の水素発生電解反応により得られるが、電解反
応や材料の簡便性等から水電解により前記活性水素を得
ることが望ましい。
により、陽極を含む電解室と被反応物が供給され水素化
される水素化反応室に区画され、該水素化反応室に前記
陰極に電気的に接続された多孔性の水素吸蔵体を充填し
たことを特徴とする被反応物の水素化用電解槽である。
本発明装置によっても、前述した本発明方法の場合と同
様に連続的に被反応物を水素化して目的の有機化合物等
を得ることができる。使用する水素吸蔵及び/又は水素
透過能を有する陰極の材質としてはパラジウム又はその
合金が最適であり、更にニッケルを含む水素吸蔵合金の
使用も可能である。
室 4・・・水素化室 5・・・陽極 6・・・陽極ガス取出口 7・・・被反
応物溶液供給口 8・・・生成物取出口 9・・・被反
応物溶液貯留タンク 10・・・ポンプ 11・・・電源
12・・・隔膜 13・・・集電体
Claims (4)
- 【請求項1】 陽極及び水素吸蔵材料から成る陰極を有
する電解槽の前記陰極の前記陽極との反対面に被反応物
を接触させながら電解を行ない、前記陰極で発生し吸
蔵、透過した活性水素により前記被反応物の水素化を行
なう水素化方法において、前記陰極の水素化室側に多孔
性の水素吸蔵体を電気的に接続し、該水素吸蔵体により
前記被反応物の水素化を行なうことを特徴とする被反応
物の水素化方法。 - 【請求項2】 活性水素を生成する電解反応が水電解で
ある請求項1に記載の水素化方法。 - 【請求項3】 水素吸蔵材料から成る陰極により、陽極
を含む電解室と被反応物が供給され水素化される水素化
反応室に区画され、該水素化反応室に前記陰極に電気的
に接続された多孔性の水素吸蔵体を充填したことを特徴
とする被反応物の水素化用電解槽。 - 【請求項4】 水素吸蔵体が、パラジウム、パラジウム
合金、及びニッケルを含む水素吸蔵合金から選択される
請求項3に記載の水素化用電解槽。
Priority Applications (1)
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