JPH10195187A - ポリエステルエラストマー - Google Patents

ポリエステルエラストマー

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JPH10195187A
JPH10195187A JP8357937A JP35793796A JPH10195187A JP H10195187 A JPH10195187 A JP H10195187A JP 8357937 A JP8357937 A JP 8357937A JP 35793796 A JP35793796 A JP 35793796A JP H10195187 A JPH10195187 A JP H10195187A
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Atsushi Watabe
淳 渡部
Takashi Shimada
貴志 嶋田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高融点を有し、製造に要する時間が短縮され
たポリエステルエラストマーを提供すること。 【解決手段】 硬質成分として結晶性芳香族ポリエステ
ル、軟質成分として脂肪族ポリエステル、ポリエーテル
およびポリカーボネートの群から選ばれた少なくとも1
種、および1分子中に2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物を少なくとも1種含むイソシ
アネート基含有化合物を反応させて得られるポリエステ
ルエラストマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリエステル
エラストマーに関するものである。更に詳しくは、硬質
成分として結晶性芳香族ポリエステルと軟質成分として
脂肪族ポリエステル、ポリエーテルおよびポリカーボネ
ートの群から選ばれた少なくとも1種、およびイソシア
ネート基含有化合物とからなるポリエステルエラストマ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性芳香族ポリエステルを硬質成分と
するポリエステルエラストマーは古くから知られてお
り、例えば米国特許第2623031号、同第3446
778号等で開示されている。米国特許第262303
1号の方法は、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステ
ルとを溶融状態で混合するもので、相溶性の悪い両ポリ
エステルからエラストマーを得るためには長時間反応を
行う必要があり、得られるポリマーの物性も十分な伸度
を有していない等問題がある。米国特許第344677
8号は、非晶性脂肪族ポリエステルに若干量の芳香族酸
を共重合させることで結晶性芳香族ポリエステルとの相
溶性を改善し、さらにN−アシルポリラクタムまたはN
−アシルポリアミドを用いて結合する。しかしながら、
この方法で用いられる原料は非常に高価であり、また、
ポリマーの色相を悪化させる原因になる。
【0003】特公昭48−4115号、特公昭48−4
116号、特公昭52−49037号では、芳香族ポリ
エステルとラクトン類を反応させる方法および多官能ア
シル化剤を反応させる方法が報告されている。しかし、
これらの方法、特に固相重合を行う特公昭52−490
37号の方法はラクトンの重合反応に長時間の反応時間
が必要であり、特公昭48−4115号、特公昭48−
4116号の方法では得られるポリマーの融点が低下す
るとか、生成する樹脂中のラクトン残分の除去が必要等
の問題を有する。また、米国特許第2623031号お
よび特公昭48−4116号の方法では十分な機械的物
性を有する高分子量のポリマーを得るためには高分子量
の芳香族ポリエステルが必要となるが、一般に芳香族ポ
リエステルは高分子量のものほど製造コストが上昇する
ため好ましくない。これを回避するため、比較的低分子
量のポリエステルエラストマーを種々の鎖延長剤により
高分子量化する方法が特公昭48−4115、特公昭6
0−4518、特公平3−77826、特公平63−3
1491に報告されている。しかしながら、これらの方
法はいずれも前述したような方法で得たポリエステルエ
ラストマーを鎖延長するものであり、長すぎる反応時
間、融点が低いこと等の問題を解決していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高融
点を有し、製造に要する時間が短縮されたポリエステル
エラストマーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、硬質成分
として結晶性芳香族ポリエステル、軟質成分として特別
に選択された樹脂および特定されたイソシアネート基含
有化合物を反応させて得られるポリエステルエラストマ
ーによりかかる課題を解決し得ることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、硬質成分として結晶性
芳香族ポリエステル、軟質成分として脂肪族ポリエステ
ル、ポリエーテルおよびポリカーボネートの群から選ば
れた少なくとも1種、および1分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有するイソシアネート化合物を少なくと
も1種含むイソシアネート基含有化合物(以下、「イソ
シアネート基含有化合物」と称する)を反応させて得ら
れるポリエステルエラストマーを提供する。また、本発
明は硬質成分として結晶性芳香族ポリエステル、軟質成
分として脂肪族ポリエステル、ポリエーテルおよびポリ
カーボネートの群から選ばれた少なくとも1種、更に1
分子中に2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物
(以下、「水酸基含有化合物」と称す)またはエポキシ
化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物、および前
記イソシアネート基含有化合物を反応させて得られるポ
リエステルエラストマーを提供する。これらのポリエス
テルエラストマーは、高融点を有し、しかも短い製造時
間で得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において硬質成分として用いられる結晶性芳香族
ポリエステルとは、主としてエステル結合またはエステ
ル結合とエーテル結合とからなるポリマーであって、少
なくとも1個の芳香族基を主たる繰り返し単位に有し、
分子末端に水酸基、カルボキシル基を有するもので分子
量は好ましくは2000〜200,000、更に好まし
くは5,000〜100,000のものである。分子末
端としての水酸基、カルボキシル基含量は合計1.5〜
2.5当量/モルの範囲が好ましい。この値が2当量/モ
ルに近いほど好ましい。この値が低過ぎると、イソシア
ネートとの反応が十分に進行せず、生成するポリマーの
物性が低下する。逆に高いと生成するポリマー中でゲル
化が進行しやすくなる。カルボキシル基含量は0〜2当
量/モルの範囲が好ましい。イソシアネート化合物の水
酸基との反応性は、一般にカルボキシル基との反応性よ
りも高い。従って、原料中のカルボキシル基含量が高い
場合は、後述する条件でエポキシ化合物を添加する。
【0008】一方、結晶性芳香族ポリエステルの分子量
が低いと、使用するイソシアネート基含有化合物の量が
増加し、十分な融点を有するポリマーを得ることが難し
くなる。逆に分子量が高すぎると生成するポリマーにエ
ラストマーとしての物性が発現しない。結晶性芳香族ポ
リエステルの好適な具体例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,
4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレートなどのホモエステルお
よび任意の成分との共縮合ポリエステルを挙げることが
できる。
【0009】本発明で軟質成分として用いられる脂肪族
ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネートとは、
主としてエステル結合および/またはエーテル結合から
なるポリマーであって、分子末端に水酸基、カルボキシ
ル基を有するもので分子量は好ましくは1000〜20
0,000、更に好ましくは20,000〜100,0
00のものである。分子末端としての水酸基、カルボキ
シル基は合計で1.5〜2.5当量/モルが好ましく、
2当量/モルに近いほど好ましい。この値が低いと、イ
ソシアネートとの反応が十分に起こり難く、生成するポ
リエステルエラストマーの物性が低下する。原料ポリマ
ーのカルボキシル基含量は0〜0.5当量/モルの範囲
が好ましい。イソシアネート基含有化合物の水酸基との
反応性は、一般にカルボキシル基との反応性より高い。
従って、原料中の酸価が高い場合は、後述する条件でエ
ポキシ化物を添加する。
【0010】一方、この原料ポリマーの分子量が低い
と、使用するイソシアネート基含有化合物の量が増加
し、十分な融点を有するポリエステルエラストマーを得
ることが難しくなる。逆に分子量が高すぎると生成する
ポリマーにエラストマーとしての物性が発現しない。こ
の原料ポリマーの好適な具体例としては、ポリε−カプ
ロラクトン、ポリブチロラクトン、ポリエナントラクト
ン、ポリカプロラクトンなどのポリラクトン類、ポリ乳
酸、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバケート
などの脂肪族ポリエステル、ポリエチレングリコール、
ポリブチレングリコールなどのポリエーテルおよびポリ
カーボネート等のホモポリマーが、さらにこれらの主成
分としての芳香族ポリエステル、主成分以外の前記成分
を共重合成分とする共重合ポリエステル、共重合ポリエ
ーテルエステル等である。これらの中、ポリラクトン類
が軟質成分として好適に用いられる。
【0011】前記硬質成分および軟質成分は、それぞれ
2種以上を同時に用いることができる。本発明において
硬質成分と軟質成分の組成比は、重量比で硬質成分/軟
質成分=30/70から95/5、好ましくは50/50
〜90/10、さらに好ましくは60/40〜80/2
0である。硬質成分がこれより少ないと硬質成分の結晶
性が阻害され、得られるポリマーの物性が低下する。逆
に95%より多いと、得られるポリマーのエラストマー
性が発現しない。
【0012】本発明に用いられるイソシアネート基含有
化合物としては、同一分子内に1個以上のイソシアネー
ト基を有するものであればいかなる構造を有していても
使用可能であるが、同一分子内に2個以上のイソシアネ
ート基を有する化合物を必ず用いなければならない。こ
のような化合物としては、一般にウレタンの合成に用い
られるイソシアネート類が挙げられる。具体的にはジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジ
イソシアネート、ポリメリックMDI、ジアニシジンジ
イソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、オルソトリジンジイソシアネート、ナフタレンジイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トリイソシアネートフェニルチオフォスフェート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、メ
タキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソ
シアネート、イソフロピリデンビス−4−シクロヘキシ
ルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートの2量体等を挙げることができ
る。イソシアネートは2種以上を併用してもよい。
【0013】本発明の別の態様として、前記硬質成分、
軟質成分、イソシアネート基含有化合物の他に、更に前
記水酸基含有化合物またはエポキシ化合物から選ばれた
少なくとも1種の化合物を反応させて得られるポリエス
テルエラストマーを提供できる。ここで、該水酸基含有
化合物とは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合
物であり、具体的にはプロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサング
リコール等のジオール類、トリメチロールプロパン、グ
リセリンヘキサントリオール、燐酸等のトリオール類が
挙げられる。更に他の官能基を同一分子内に有するもの
であってもよい。
【0014】このような水酸基含有化合物は、前記硬質
成分または軟質成分の少なくとも1種のエステル結合等
と反応し、硬質成分、軟質成分を低分子量化すると同時
にその末端基を水酸基にするために用いられる。用いる
硬質成分、軟質成分の分子量が高い場合、末端基濃度が
減少するため生成する樹脂中に未反応の軟質成分が残存
し、樹脂物性を悪化させる。これを防ぐため硬質成分、
軟質成分の原料の分子量が大きい場合には該水酸基含有
化合物を多く用い、原料の分子量が十分に低いときには
用いる必要はない。硬質成分と軟質成分の末端水酸基総
モルと末端カルボキシル基総モルの和に対して好ましく
は0.1〜10倍モル、更に好ましくは0.5〜5倍モ
ルが用いられる。
【0015】本発明に用いられるエポキシ化合物とは、
1分子中にエポキシ基を少なくとも1個有する化合物で
ある。このような化合物としては、ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンを反応させて得られるビスフェノー
ル型エポキシ化合物、ノボラック樹脂とエピクロルヒド
リンより得られるノボラック型エポキシ樹脂、ポリカル
ボン酸とエピクロルヒドリンより得られるポリグリシジ
ルエステル類、脂環化合物から得られる脂環化合物型エ
ポキシ化合物、アルコール性水酸基を有する脂肪族化合
物とエピクロルヒドリンより得られるグリシジルエーテ
ル類、エポキシ化ブタジエン、および2重結合を有する
化合物と過酸化物から得られるエポキシ化合物がある。
具体的にはメチルグリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、エ
ポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化SBS等が挙げら
れる。
【0016】このようなエポキシ化合物は、前記硬質成
分または軟質成分の少なくとも一方の末端カルボキシル
基と反応し、分子末端に水酸基を生成するために用いら
れる。 従って、硬質成分、軟質成分の分子末端がほと
んど水酸基である場合には使用量は少なくてよい。逆に
硬質成分、軟質成分の分子末端がほとんどカルボキシル
基である場合には使用量は多くなる。硬質成分と軟質成
分の末端水酸基総モルと末端カルボキシル基総モルの和
の0.8〜2.0倍モルが用いられる。さらに好ましく
は硬質成分および軟質成分の酸価から求められるカルボ
キシル基含量に対し1.0〜1.5倍当量のエポキシ化
合物が用いられる。水酸基含有化合物またはエポキシ化
合物の少なくとも一方を用いることにより硬質成分、軟
質成分、イソシアネート基含有化合物の反応が促進され
る。これによりポリエステルエラストマーの製造に要す
る時間が短縮されることは明らかで、更にカルボキシル
基による物性の低下を抑制することができる。
【0017】本発明におけるイソシアネート基含有化合
物の添加量は、前記硬質成分と軟質成分の末端水酸基総
モルと末端カルボキシル基総モルの和の0.5〜2倍モ
ル、更に好ましくは0.5〜1.0倍モルが用いられ
る。また、本発明の別の態様において、ポリエステルエ
ラストマーが前記水酸基含有化合物を含む場合は、硬質
成分、軟質成分の水酸基末端総モルと末端カルボキシル
基総モルおよび該水酸基含有化合物の水酸基総モルの和
に対し好ましくは0.5〜2倍モル、更に好ましくは
0.5〜1.0倍モルが用いられる。
【0018】ポリエステルエラストマー製造に際しイソ
シアネート基含有化合物は、溶融状態で添加し反応に供
する。イソシアネート基含有化合物の溶融混練温度(反
応温度)は、硬質成分、軟質成分、生成する樹脂が実際
に溶融する温度であればよい。通常170〜280℃の
温度で行われる。反応温度が高い場合には硬質成分、軟
質成分、生成する樹脂の熱分解に注意する必要があり、
反応温度が低い場合には結晶化や反応速度の低下に注意
する必要がある。混練時間は1〜100分程度であり、
混合方式や温度、後述するカルボン酸類の反応などの条
件により決定される。好ましくは2〜60分で設定す
る。
【0019】このようなイソシアネート基含有化合物の
反応は、触媒の存在下に行うことができる。一般のイソ
シアネート類の反応に使用されるものはすべて使用で
き、アミン類、種々の有機金属化合物が挙げられる。ア
ミン類としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチル
シクロヘキシルアミン等のモノアミン類、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等のジアミ
ン類、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチ
レントリアミン等のトリアミン類、トリエチレンジアミ
ン、ピペラジンやイミダゾール骨格を分子内に有する環
状アミン類、その他のアルコールアミン類、エーテルア
ミン類等が用いられる。有機金属化合物としては主に有
機錫系の化合物およびそのカルボン酸塩、ハロゲン化物
が用いられ、具体的にはスタナスオクトエート、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫ジマーカブチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、
ジブチル錫ジマレート、ジオクチル錫ジマーカブチドが
挙げられる。触媒は2種以上併用してもよい。このよう
な触媒は、イソシアネート基含有化合物と同時に添加し
てもよいし、イソシアネート基含有化合物をあらかじめ
溶融状態で硬質成分、軟質成分に分散させた後添加して
もよいし、逆にあらかじめ触媒を分散させてもよい。
【0020】水酸基含有化合物またはエポキシ化合物の
少なくとも1種の化合物を用いる場合は、好ましく硬質
成分、軟質成分の一方または両方にあらかじめ溶融状態
でこのものを添加するが、イソシアネート基含有化合物
と同時に硬質成分および軟質成分に溶融状態で添加して
もよい。水酸基含有化合物またはエポキシ化合物の少な
くとも1種の化合物を含んだ際の反応温度は、硬質成
分、軟質成分、生成する樹脂が実際に溶融する温度であ
ればよく、好ましくは170〜280℃で行われる。反
応温度が高い場合には硬質成分、軟質成分、生成する樹
脂の熱分解が起こることがあり、反応温度が低い場合に
は、結晶化や反応速度の低下を起こすことがある。反応
時間は好ましくは1〜100分程度、さらに好ましくは
2〜60分であり混合方式や温度等の諸条件により決定
される。
【0021】水酸基含有化合物またはエポキシ化合物の
少なくとも1種の化合物を含んだ際の反応は、触媒の存
在下で行うことができる。触媒としては、実際にエステ
ルと水酸基のエステル交換反応に用いられる触媒であれ
ばいずれの触媒も用いることができ、具体例としてはリ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジュウム、セシウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチ
ウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマ
ニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、
カドミウム、マンガンのような金属、その酸化物、その
有機金属化合物、その有機酸塩、そのハロゲン化物、ア
ルコキシドなどである。これらの中好ましいものとして
は、錫、アルミニウム、チタンの有機金属化合物、有機
酸塩、ハロゲン化物、アルコキシドなどがあり、更に好
ましいものとしては有機錫が挙げられる。例えば、錫テ
トラアセテート、モノブチル錫ヒドロキシオキサイド、
モノブチル錫トリ−2−エチルヘキサノエート、ジブチ
ル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、錫ジオクタ
ノエートなどである。また、もう一つは実際にエポキシ
基の反応に使用できるものはすべて使用でき、アミン
類、燐化合物、カルボン酸、有機スルホン酸、硫酸およ
びこれら酸性化合物の金属塩が具体例として挙げられ
る。このような触媒は2種以上を併用してもよい。
【0022】このような触媒は、水酸基含有化合物また
はエポキシ化合物の少なくとも1種の化合物と同時に添
加してもよいし、あるいはこれをあらかじめ溶融状態で
硬質成分および/または軟質成分に分散させた後、触媒
を添加してもよい。また、逆にあらかじめ触媒を分散さ
せてもよい。あるいは水酸基含有化合物とエポキシ化合
物とを別々に添加しても差し支えない。
【0023】本発明により実施されるそれぞれの反応
は、酸素や空気の雰囲気下でも行うことができるが、生
成する樹脂の着色を防止する観点から不活性ガスの雰囲
気下で行うのが好ましい。具体的には窒素、ヘリウム、
アルゴン、メタン等が挙げられる。圧力は反応温度およ
び用いるイソシアネート化合物、カルボン酸類、触媒の
物性により変化するが,好ましくは0.001〜10T
orr、さらに好ましくは0.01〜2Torrの範囲
内が望ましい。試薬類の留出が問題となる場合は高い圧
力を保ち、逆に残存する低沸点成分を取り除くためには
0.1Torr以下に保つとよい。
【0024】本発明において、硬質成分、軟質成分、イ
ソシアネート化合物、水酸基含有化合物、エポキシ化合
物および触媒を溶融状態で混練、反応する方法は、それ
ぞれを異なる方法で行ってもよい。また、その方法は回
分式、半連続式、連続式のいずれであってもよい。また
装置の形式も特に制限はなく、撹拌型反応器、ニーダー
型反応器、押出機型反応器等が使用できる。さらに前記
の方法、装置を繰り返し、または2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0025】本発明により得られるポリエステルエラス
トマーは、押出成形、射出成形、ブロー成形等の種々の
成形方法が適用でき、各種成形品、例えばチューブ、ホ
ース、フィルム、シート、パッキン、ボトル、ロール、
ベルト、ギア、ネームプレート、カバー、フック、スイ
ッチ、樹脂バネ、ファスナー、自動車外装部品、防振制
振材等の成形品あるいはコーティング剤として使用し得
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】(評価方法) 1.平均分子量およびMw/Mn:GPC(50℃,流
量1ml/分)、クロロホルム/ヘキサフルオロイソプ
ロパノール=9/1(容量比)を溶媒に用い、GPC測
定により算出された標準ポリスチレン換算数分子量 2.溶融粘度:島津製作所製メルトフローテスター使
用,240℃,10kg/cm2 3.PBT/PCL重量比:1H−NMRから算出 4.PBT鎖長、PCL鎖長(単位):13C−NMRか
ら算出,参考文献「高分子論文集」Vol.49,No.7,pp561-
568(Jul.1992) 5.引張強度50%モジュラス(kg/cm2):JIS
K7113 6.破断強度(kg/cm2):JIS K7113 7.破断伸度(%):JIS K7113
【0028】(実施例1)撹拌機、窒素導入管、減圧設
備を備えた20リットル回分式反応槽に、結晶性芳香族
ポリエステル樹脂として、数平均分子量19,000の
ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチックス
(株)社製、ジェラネート400FP)を12kg、脂
肪族ポリエステル樹脂として、数平均分子量10,00
0のポリカプロラクトン(ダイセル化学(株)社製、プ
ラクセルHIP)8kgおよび触媒としてモノブチル錫
トリス(2−エチルヘキサネート)20gを仕込み、反
応槽内を十分窒素置換した後、窒素を流しながら230
℃に加熱溶融させた。温度を230℃に保ち、窒素を流
した状態で100torrに減圧し20分間撹拌混合し
た。混合後減圧を解き、2気圧に圧力をかけて内容物の
ストランドを水槽で冷却し、ペレタイザーでペレットと
した。得られたペレットは、窒素気流下160℃で2時
間乾燥した。次いで、乾燥ペレットを平均滞留時間が5
分である二軸押出機の仕込み口に定量フィーダーを用い
15kg/時間で供給し、イソシアネート化合物として
ヘキサメチレンジイソシアネートを定量ポンプを用い
0.07kg/時間で仕込み口に供給し、240℃で溶
融混練を実施し、押出物を水槽で冷却しポリエステルエ
ラストマーを得た。このもののGPCで測定した平均分
子量、溶融粘度、PBT/PCL重量比、PBTセグメ
ント鎖長、PCLセグメント鎖長、融点、結晶化温度お
よび引張試験結果を表1に示した。
【0029】(比較例1)実施例1と同様の20リット
ル回分式反応槽に結晶性芳香族ポリエステル樹脂とし
て、数平均分子量19、000のポリブチレンテレフタ
レート(ポリプラスチックス(株)社製、ジュラネート
400FP)を12kgおよびε−カプロラクトンモノ
マー8kgを仕込み、反応槽内を窒素置換した後230
℃で加熱溶融させた。温度を230℃に保ち、ε−カプ
ロラクトンモノマーの開環重合反応およびエステル交換
反応を進行させるため90分混合撹拌した。更に窒素を
流した状態で徐々に減圧にして、10torr減圧下で
30分間撹拌混合し、ポリエステルエラストマーを製造
した。このものも実施例1と同様にペレット化した後物
性測定を行った。このものの物性評価結果を表1に示し
た。
【0030】(比較例2)結晶性芳香族ポリエステル樹
脂(A)を数平均分子量41,000のポリブチレンテ
レフタレート(ポリプラスチックス(株)社製、ジュラ
ネート800FP)を用いる以外は比較例1と同様に行
った。このものの物性評価結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、硬質成分
として結晶性芳香族ポリエステルと軟質成分として脂肪
族ポリエステル、ポリエーテルおよびポリカーボネート
の群から選ばれた少なくとも1種を、あらかじめ溶融状
態で、場合により1分子中に2個以上の水酸基を有する
水酸基含有化合物またはエポキシ化合物の少なくとも1
種の化合物を加え、前記イソシアネート基含有化合物と
反応させることにより、高融点を有するポリエステルエ
ラストマーが簡便に、短縮された時間で得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 63/60 C08G 63/60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬質成分として結晶性芳香族ポリエステ
    ル、軟質成分として脂肪族ポリエステル、ポリエーテル
    およびポリカーボネートの群から選ばれた少なくとも1
    種、および1分子中に2個以上のイソシアネート基を有
    するイソシアネート化合物を少なくとも1種含むイソシ
    アネート基含有化合物を反応させて得られるポリエステ
    ルエラストマー。
  2. 【請求項2】更に、1分子中に2個以上の水酸基を有す
    る水酸基含有化合物またはエポキシ化合物から選ばれた
    少なくとも1種の化合物を反応させて得られることを特
    徴とする請求項1記載のポリエステルエラストマー。
  3. 【請求項3】硬質成分と軟質成分とが重量比で硬質成分
    /軟質成分=30/70から95/5であり、イソシアネ
    ート基含有化合物を硬質成分と軟質成分の末端水酸基総
    モルと末端カルボキシル基総モルの和の0.5〜2.0
    倍モル含むことを特徴とする請求項1記載のポリエステ
    ルエラストマー。
  4. 【請求項4】硬質成分と軟質成分とが重量比で硬質成分
    /軟質成分=30/70から95/5であり、1分子中に
    2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物を硬質成分
    および軟質成分の末端水酸基総モルと末端カルボキシル
    基総モルの和の0.1〜10倍モル、エポキシ化合物を
    硬質成分と軟質成分の末端水酸基総モルと末端カルボキ
    シル基総モルの和の0.1〜2.0倍モル、イソシアネ
    ート基含有化合物を硬質成分、軟質成分の水酸基末端総
    モルと末端カルボキシル基総モルおよび1分子中に2個
    以上の水酸基を有する水酸基含有化合物の水酸基総モル
    の和の0.5〜2.0倍モル含むことを特徴とする請求
    項2記載のポリエステルエラストマー。
  5. 【請求項5】軟質成分がポリラクトン類からなることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステ
    ルエラストマー。
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