JPH10194756A - 肉薄板状ガラスの製造方法 - Google Patents
肉薄板状ガラスの製造方法Info
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- JPH10194756A JPH10194756A JP493797A JP493797A JPH10194756A JP H10194756 A JPH10194756 A JP H10194756A JP 493797 A JP493797 A JP 493797A JP 493797 A JP493797 A JP 493797A JP H10194756 A JPH10194756 A JP H10194756A
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Abstract
に加熱される肉薄板状ガラスのプレス成形においても優
れた離型性を得ることができ、かつ溶融ガラスの延びを
よくして薄い板状ガラスを量産性よく得ることができ、
さらに作業効率を高めることができる肉薄板状ガラスの
製造方法を提供すること。 【解決手段】 下型11および上型の成形面に耐熱性固
体潤滑剤粉末であるBN粉末を付着させた上で、プレス
成形を行う。
Description
磁気記録媒体および光記録媒体などの情報記録媒体用の
基板として、あるいはカメラ用フィルター、マスクブラ
ンクスなどの板状ガラスとして使用することが可能な、
例えば肉厚3mm以下の肉薄板状ガラスをプレス成形に
より製造する方法に関する。
ラス基板の製造方法として、板状のガラスから切り出す
方法のほか、溶融ガラスから成形型を用いて直接プレス
成形する方法、すなわち、ダイレクトプレス法が採用さ
れている。ダイレクトプレス法の従来例として、特開平
7−133121号公報(株式会社オハラ)には、上・
下型のプレス面の表面温度をガラス転移点近傍に設定す
るとともに、胴型の内表面温度を前記プレス面の表面温
度よりも高く設定することにより、ガラスの胴型方向の
延びを阻害せずにディスク状ガラス製品をプレス成形す
る方法が記載されている。
で、溶融ガラスを肉薄板状ガラスに成形するためには、
形の小さい溶融ガラスゴブから径の大きい板状ガラスに
する過程、すなわち溶融ガラスを外周方向によく引き延
ばす過程を経る。このとき、ガラスをよく引き延ばすた
めに、通常、溶融ガラスの温度は比較的高温に設定され
ている。しかし、溶融ガラスの温度が高いとガラスの型
への融着がおこり易く、結果的にガラスを薄く引き延ば
すことが困難となる。また、肉薄板状ガラスを成形する
場合は、肉厚のガラスを成形する場合と異なりガラスと
成形型との接触面積が大きいため、成形型は、高温な溶
融ガラスからの熱を受け取り温度が急上昇するため型に
与える負担が大きく、結果的に型寿命を短くする要因と
なっていた。
グ)には、ガラス原料の温度が軟化点以下となり熱的に
平衡になるまで十分な時間をプレスする成形方法におい
て、黒鉛、MoS2 、BN(窒化ホウ素)などを水や耐
熱油などの溶媒に分散させた分散液を成形型に塗布し、
これらの固化層として成形型表面に離型材層を形成した
成形型でディスク状ガラス製品を製造することが記載さ
れている。
00℃程度)で離型性を喪失してしまうため、高温の成
形型の潤滑剤としては適当でない。また、固化層として
成形面に形成された離型材層は高温にさらされると剥離
し易く、特にディスク状ガラス製品のような肉薄板状ガ
ラス製品の場合はなおさらである。そして、一旦、離型
材層の剥離が生じると、残った離型材層を除去したのち
に改めて離型材層を形成することが必要となり、作業効
率に著しくかける面がある。
媒体の分野をはじめとするあらゆる分野において、極く
薄い平板状であっても機械的強度や耐熱性に優れるガラ
ス素材が要求される傾向がある。このようなガラス素材
は、一般的に成形可能な温度がかなり高温域にあるた
め、これを用いて肉薄の板状ガラスを製造する場合には
潤滑剤にも耐熱性に優れることが不可欠である。
決するために、溶融ガラスをプレス成形して肉薄板状ガ
ラスを製造する方法において、成形型の成形面に耐熱性
固体潤滑剤粉末を付着させたのち、プレス成形を行う肉
薄板状ガラスの製造方法とする。
形して肉薄板状ガラスを製造する方法に適用される。こ
のような成形は、通常、下型が、溶融ガラスを受け、次
いで、対向して配置される上型との間でプレスすること
により行われる。このとき、溶融ガラスは、一定の粘度
に調整されているため厚みのあるオハジキ状となってい
るが、プレス時に外周方向に引き延ばされて肉薄の板状
ガラスに成形される。
において、成形型の成形面に耐熱性固体潤滑剤粉末を付
着させたのちに、プレス成形を行うことを特徴とする肉
薄板状ガラスの製造方法である。ここで、耐熱性固体潤
滑剤とは、プレス成形時に成形型のガラスに接する成形
面が達する温度にあっても潤滑性を失わない固体潤滑剤
をいう。かかる温度においても潤滑性を失わない固体潤
滑剤を用いることにより溶融ガラスを外周方向によく引
き延ばすことができるため、ごく肉薄の板状ガラスを製
造することが可能となる。また、耐熱性固体潤滑剤を成
形型と溶融ガラスの間に介在させることにより、溶融ガ
ラスと成形型との接触面においてガラスから成形型への
熱の移行量を少なくすることができる。このため、成形
型との接触によりガラスが急激に温度低下するのが緩和
され、ガラスの固化層を薄くすることができ、固化層が
厚くなることにより所望の厚さの肉薄板状ガラスが得ら
れなくなるのを防止できる。さらに、成形型への熱の移
行が少ないことで、成形型の温度が急激に上昇するのを
防いで型寿命を延ばすことができる。さらにまた、ガラ
スが軟化状態であるときにプレスを終了する場合にも、
成形型を肉薄板状ガラスから引き離す際に優れた離型性
を発揮する。
達する温度はガラスの種類、溶融ガラスの温度、所望の
肉薄板状ガラスの厚さ、径等により異なる。通常は、成
形型の設定温度から溶融ガラスの温度の間にあるが、場
合により溶融ガラスの温度に近い温度に達することもあ
る。かかる温度において、潤滑性を失わない固体潤滑剤
であれば本発明において耐熱性固体潤滑剤として適用す
ることができるが、中でも、およそ900℃まで潤滑性
を失わない窒化ホウ素(BN)、特にα型の窒化ホウ素
が好適に用いられる。
型の成形面に付着させることが好ましい。粉末状である
と、粉末粒子間に空気などの気体を含んだ状態で成形面
に付着させることができるため、耐熱性固体潤滑剤を付
着させたことによる断熱性をより高めることができる。
また、粉末状で付着させることにより、成形後に成形面
に残留している耐熱性固体潤滑剤をエアー噴射等により
容易に除去することが可能となるため、繰り返し成形型
を用いて肉薄板状ガラスを製造することが効率よく行え
る。耐熱性固体潤滑剤粉末の粒径は特に限定されない
が、例えば、BN粉末の場合には平均粒径が5〜15μ
mのものを使用することができる。
る方法としては、特に限定されず、例えば空気などの気
体とともに噴射する方法のほか、刷毛等で塗布する方法
を挙げることができるが、気体とともに噴射する方法に
よれば、均一に成形面に付着させることが容易であるほ
か、同時に噴射される気体による成形面の冷却効果を利
用することもできる。耐熱性固体潤滑剤粉末を成形型の
成形面に均一に所定量付着させるために、成形面を適
宜、粗面に形成しておくことも好ましい。また、耐熱性
固体潤滑剤粉末を均一に付着させる手段としては、耐熱
性固体潤滑剤粉末の水分量を調整することも有効であ
る。耐熱性固体潤滑剤粉末として窒化ホウ素粉末を使用
した場合には、その水分量は1重量%未満であることが
好ましい。
説明する。図1は本発明の実施の形態を説明するための
図で、肉薄板状ガラスの成形装置、特に下型装置を示す
平面図である。この図1に示すように、下型11(41
0℃に加熱される)はターンテーブル12上の同一円周
上に合計16個等間隔に配置されており、ターンテーブ
ル12が1ピッチずつ回転するごとに図に示すAからP
の位置を順に通過して以下の工程を経るようになってい
る。すなわち、位置Oで成形面に耐熱性固体潤滑剤粉末
が付着され、位置Aでパイプから流下する溶融ガラスを
受け、位置Cでプレス成形が行われ、位置Dおよび位置
Eで反り修正プレスが行われ、位置L〜Nで肉薄板状ガ
ラスの取り出しが行われる。
OにおいてBN粉末が噴射装置13により噴射され、付
着される。図2は、噴射装置13を具体的に示す構成図
である。この噴射装置13は、BN粉末21が噴射装置
本体22に内蔵されており、さらに噴射装置本体22に
空気の流入パイプ23と、空気およびBN粉末21の流
出パイプ24が接続されている。空気の流入パイプ23
の一端は、空気を例えば圧力4kg/cm2 で間欠的に
送り出すシーケンサ25に接続され、他の一端は噴射装
置本体22中のBN粉末21の堆積層に差し込まれてい
る。したがって、シーケンサ25から圧力4kg/cm
2 で流入パイプ23に流出した空気は、噴射装置本体2
2内の流入パイプ23の穴23aから噴射して噴射装置
本体22の中でBN粉末21を巻き上げると同時に、流
出口の弁26を開いてBN粉末21とともに流出パイプ
24に流出する。そして、この流出した空気およびBN
粉末は、流出パイプ24上の途中で加速器27からの4
kg/cm2 の加速空気で加速されて、流出パイプ24
先端のノズル28から図1の下型11の成形面の向けて
噴射される。その結果、BN粉末が下型11の成形面に
付着されるとともに、下型11が噴射空気により熱交換
で冷却される。このとき、下型11の成形面を例えば面
粗さ(Ra)が0.5〜2.0μmの粗面に形成してお
くことにより、BN粉末の付着を向上させることができ
る。
ズル28の先端開口部の正面図である。この図のよう
に、ノズル28の開口部は、メッシュ29を取り付けて
メッシュ状の開口部としてある。さらに、開口部の中央
部は閉塞部材30によって塞いである。このようにメッ
シュ状の開口部とすることと、その中央部を塞ぐこと
で、BN粉末および空気が下型11の成形面の中央部に
集中することを防止している。
置Oに達する度に1回BN粉末の噴射を受ける。このと
き、BN粉末の水分量は1重量%未満が好ましい。さら
に、BN粉末としては、純度:98%上、平均粒径:5
〜15μm、比表面積:3〜10m2 /g、かさ密度:
0.2〜0.6g/cm3 、真比重:2.26のh−B
N粉末(水島合金鉄株式会社製、HP)を用いた。
型11上にプレス成形のために上型(400℃に加熱さ
れる)が配置される。この上型に対しても、図2のよう
な噴射装置が設けられて、成形面にBN粉末が噴射され
付着される。
配置され、ガラスゴブの供給の工程、プレス成形の工
程、成形品の取り出し工程等の工程を順次経るように設
計され、例えば図1のようにターンテーブルの円周上に
個々の下型を配置し、下型が各工程を経るようにターン
テーブルを回転させることが好ましいが、直線方向に移
動するように設計してもよい。また、各工程に、同時に
供せられる下型の数は、単数であっても、複数個であっ
てもよい。一方、上型は、プレス成形の工程に位置した
下型に対向して配置される。従って、上型は、一度のプ
レス成形に使用される下型と少なくとも同数が必要であ
るが、それ以上の個数を備えてもよい。
の温度は、プレス成形開始時に、ある所定温度に調節さ
れることが必要である。ここで、成形型について所定の
温度とは、ガラス材料を、肉薄の板状に成形するのに適
した温度をいう。かかる温度は、硝子種、肉厚、ガラス
板のサイズ等により適宜決定される温度である。
型の成形面の温度を前記所定温度に調節するために、下
型および上型に対して、必要に応じて加熱する手段、お
よび冷却する手段が講じられる。加熱する手段として
は、例えば、ニクロムヒータを成形型の周囲に複数配置
して加熱する方法、成形型の周囲を取り囲むように配置
したコイルに電流を流して導電体からなる成形型を誘導
加熱する方法、ガスにより加熱する方法等があるが、均
一な加熱ができる点で誘導加熱による方法が好ましい。
誘導加熱によると、ニクロムヒータによる加熱の場合の
ように複数の熱源で一つの成形型を加熱する方法と異な
り、一つのコイルで一または二以上の成形型を加熱する
ことができるため熱源温度のバラツキという問題がな
く、成形型とコイルの距離を一定にすることで成形型を
均一に加熱することができる。また、誘導加熱を用いる
場合、誘導加熱を上型、下型の両方に対して行っても、
あるいは、いずれか一方に行ってもよく、胴型を用いる
場合には、胴型に適用することも可能である。ここで、
誘導加熱の際にコイルに流す電流は、高周波電流である
ことが好ましい。低周波電流では装置が大がかりにな
り、また、人の可聴音域であるため騒音が問題となるこ
とがある。
度は、溶融ガラスからの熱を受け取って、プレス成形前
に比べて上昇している。従って、どの肉薄板状ガラスに
ついても同等の温度条件でプレス成形するためには、次
のプレス成形に供されるまでに、成形型が成形前の温度
に戻っていることが好ましい。このとき、プレス成形に
供されたのち次のプレス成形に供されるまでの時間に自
然冷却してプレス成形前の温度に戻る場合以外は、何ら
かの冷却手段を講じて温度を戻してやることが好まし
い。冷却手段としては、成形型の中空部に水や空気を循
環させる方法、水等の液体を成形型の中空部内面に吹き
付けて気化させる方法などを採用することができる。液
体を吹き付けて気化させる方法によると、液体の気化熱
で成形型を冷却することができるため、液体を循環させ
る方法よりも少ない液量で冷却効果が得られる。従っ
て、水等の気化熱を利用する方法は、冷却効果の観点ば
かりでなく、冷却装置をより小さくすることができる観
点からも好ましい。さらに、例えば上型の冷却に時間が
かかり、成形後、次の成形までに所定の温度までに冷却
出来ない場合等には、上型を複数個容易し、どれか1つ
の上型がプレス成形を行っているときに、他の上型を冷
却しておき、複数個の上型を循環させてもよい。
化状態にあるときにプレスを終了するので、プレス成形
終了時に、肉薄板状ガラスの温度が、成形型の温度より
高く、この時点で肉薄板状ガラスと成形型は熱的に平衡
状態に至っていない。しかし、成形型があらかじめ所定
の温度に保たれているので、成形後冷却して得られた肉
薄板状ガラスは、反り等の形状が一定した一定の形状を
しており、研削・研磨しやすい形状となっている。ま
た、肉薄板状ガラスと成形型は熱的に平衡状態に達する
まで冷却する必要がないため、成形時間を短縮すること
もできる。さらに、プレス時間を短くする目的で、肉薄
板状ガラスの中心部が当該ガラス材料の軟化点以上の温
度でプレス成形を終了してもよい。また、プレス成形後
の肉薄板状ガラスは軟化状態にあるので、プレス成形に
次いで、肉薄板状ガラスの反りを修正する工程を行って
もよい。肉薄板状ガラスの反りを修正する工程とは、例
えば、肉薄板状ガラスの片面にのみ空気等を吹きかける
等、不均一に熱を奪ったり、上型と同様な成形面を有し
た成形型によって、再度プレスしたりすることによっ
て、反りの大きさを修正する工程のことである。
は、上、下型のプレス面の表面温度をガラス転移点近傍
に設定し、このプレス面の表面温度よりも胴型の内表面
温度を高く設定してもよい。さらに、成形型は、耐熱性
の材料、例えばグラファイト、タングステン合金、窒化
物、炭化物、耐熱金属等で形成されるが、高周波加熱を
行う場合には、これによって加熱できる耐熱金属等に限
定される。その場合、特に鋳鉄が強度、耐久性に優れる
ため好ましい。
ラスは、研削、研磨等の機械加工を経て、例えば情報記
録媒体用ガラス基板となる。以下、機械加工について詳
しく説明する。機械加工については、具体的には、上記
のガラスの表面を水洗浄し、以下の(1)荒ずり(粗研
磨)、(2)砂掛け(精研削、ラッピング)、(3)第
一研磨(ポリッシュ)、(4)第二研磨(ファイナル研
磨、ポリッシュ)の各工程を経る。
の両面を片面ずつ研削加工した。このときの荷重は10
0kg程度とした。これにより、ガラス基板両面の表面
粗さをRmax(JIS B 0601で測定)で10μm程度に仕上
げた。次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部
分に孔を開けるとともに、外周端面も研削して直径を6
5mmφとした後、外周端面及び内周面に所定の面取り
加工を施した。
程は、寸法精度及び形状精度の向上を目的としている。
砂掛け加工は、ラッピング装置を用いて行い、砥粒の粒
度を#400、#1000と替えて2回行った。詳しく
は、はじめに、粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷
重を100kg程度に設定して、内転ギアと外転ギアを
回転させることによって、キャリア内に収納したガラス
基板の両面を両精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μ
m程度にラッピングした。次いで、アルミナ砥粒の粒度
を#1000に替えてラッピングを行い、表面粗さ(R
max)2μm程度とした。上記砂掛け加工を終えたガラス
基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄
した。
述した砂掛け工程で残留したキズや歪みの除去を目的と
するもので、研磨装置を用いて行った。詳しくは、ポリ
シャ(研磨粉)として硬質ポリシャ(セリウムパッドM
HCl:スピードファム社製)を用い、以下の研磨条件
で第一研磨工程を実施した。 研磨液:酸化セリウム+水 荷重:300g/cm2 (L=238kg) 研磨時間:15分 除去量:30μm 下定盤回転数:40rpm 上定盤回転数:35rpm 内ギア回転数:14rpm 外ギア回転数:29rpm 上記第一研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純
水、純水、IPA(イソプロピレンアルコール)、IP
A(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
ャを硬質ポリシャから軟質ポリシャ(ポリラックス:ス
ピードファム社製)に替えて、第二研磨工程を実施し
た。研磨条件は、荷重を100g/cm2 、研磨時間を
5分、除去量を5μmとしたこと以外は、第一研磨工程
と同様とした。上記第二研磨工程を終えたガラス基板
を、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプ
ロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に
順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽に超音波を印
加した。このようにして、外径65mmφ、中心部の孔
径20mmφ、厚さ0.5mm、Rmax 40オングスト
ローム、Ra8オングストローム程度の円板状の情報記
録媒体用ガラス基板を得た。
体用ガラス基板は、そのガラス基板上に下地層、磁性
層、保護層、潤滑層を順次積層することにより、磁気記
録媒体を構成する。
としては、たとえば、アルミノシリケートガラス、ソー
ダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミ
ノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英
ガラス、チェーンシリケートガラス、または、結晶化ガ
ラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。さらに、
好ましくは、次のような組成のガラスが使用される。 (1)結晶化ガラス1 重量%表示で、SiO2 が60〜87%、Li2 Oが5
〜20%、Na2 Oが0〜5%、K2 Oが0〜10%、
Na2 OとK2 Oが合計で0.5〜10%、MgOが
0.5〜7.5%、CaOが0〜9.5%、SrOが0
〜15%、BaOが0〜13%、ZnOが0〜13%、
B2 O3 が0〜10%、Al2 O3 が0〜10%、P2
O5 が0.5〜8%、TiO2 が0〜5%、ZrO2 が
0〜3%、SnO2 が0〜3%、As2 O3 とSb2 O
3 が合計で0〜2%、、上記金属酸化物の1種以上の金
属元素のフッ化物をFの合計量として0〜5%含有し、
場合により着色成分として、V2 O5 、CuO、MnO
2 、Cr2 O3 、CoO、MoO3 、NiO、Fe2 O
3 、TeO2 、CeO2 、Pr2 O3 、Nd2 O3 、E
r2 O3 の群より選ばれた少なくとも1種を0〜5%含
有し、主結晶としてリチウムジシリケート、場合により
α−クリストバライト、α−クオーツ、リチウムモノシ
リケート、β−スポジューメン等を含有し、結晶粒の大
きさが3.0μm以下である結晶化ガラス。 (2)結晶化ガラス2 重量%表示で、SiO2 が45〜75%、CaOが4〜
30%、Na2 Oが2〜15%、K2 Oが0〜20%、
Al2 O3 が0〜7%、MgOが0〜2%、ZnOが0
〜2%、SnO2 が0〜2%、Sb2 O3 が0〜1%、
B2 O3 が0〜6%、ZrO2 が0〜12%、Li2 O
が0〜3%、上記金属酸化物の1種以上の金属元素のフ
ッ化物をFの合計量として3〜12%含有し、場合によ
り着色成分としてCr2 O3 、Co3 O4 等を含有し、
主結晶としてカナサイト又はカリウム・フルオロ・リヒ
テライトを含有し、結晶粒の大きさが1.0μm以下で
ある結晶化ガラス。 (3)ガラス3 重量%表示で、SiO2 が62〜75%、Al2 O3 が
4〜18%、ZrO2が0〜15%、Li2 Oが3〜1
2%、Na2 Oが3〜13%含有するガラス。
動性等の向上を目的として、表面に低温イオン交換法に
よる化学強化処理を施すことができる。ここで、化学強
化方法としては、従来より公知の化学強化法であれば特
に制限されないが、例えば、ガラス転移点の観点から転
移温度を超えない領域でイオン交換を行う低温型化学強
化などが好ましい。化学強化に用いるアルカリ溶融塩と
しては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、あるいは、そ
れらを混合した硝酸塩などが挙げられる。
a、Ti、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ば
れる少なくとも一種以上の材料からなる下地層等が挙げ
られる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特
性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好
ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種
の層を積層した複数層構造とすることもできる。例え
ば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、Cr
V/CrV、Al/Cr/CrMo、Al/Cr/C
r、Al/Cr/CrV、Al/CrV/CrV等の多
層下地層等が挙げられる。
するCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、C
oCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNi
CrPt、CoNiCrTa、CoCrTaPt、Co
CrPtSiOなどの磁性薄膜が挙げられる。磁性層
は、磁性膜を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、Cr
Vなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成(例
えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoC
rTaPt/CrMo/CoCrTaPtなど)として
もよい。磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は大型磁気
抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁性層としては、
Co系合金に、Y、Si、希土類元素、Hf、Ge、S
n、Znから選択される不純物元素、又はこれらの不純
物元素の酸化物を含有させたものなども含まれる。ま
た、磁性層としては、上記の他、フェライト系、鉄−希
土類系や、SiO2 、BNなどからなる非磁性膜中にF
e、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子が分散
された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、
磁性層は、内面型、垂直型のいずれの記録形式であって
もよい。
金膜、カーボン膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げら
れる。これらの保護層は、下地層、磁性層等とともにイ
ンライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、
これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一
又は異種の膜からなる多層構成としてもよい。さらに、
上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保
護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、
Cr膜の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶
媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して
塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2 )膜を形
成してもよい。
フロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶
媒で希釈し、媒体表面にディッピング法、スピンコート
法、スプレイ法によって塗布し、必要に応じ加熱処理を
行って形成する。
形態は、ディスク状(円板状)ガラスをプレス成形する
場合であるが、四角形などその他形状の肉薄板状ガラス
をプレス成形する場合にも勿論本発明は適用できる。さ
らに、耐熱性固体潤滑剤粉末の付着装置も図2の噴射装
置に限定されるものではない。
製造方法によれば、成形型の成形面に耐熱性固体潤滑剤
粉末を付着させるようにしたので、溶融ガラスが高温で
あり、かつ成形型が高温に加熱される肉薄板状ガラスの
プレス成形においても優れた離型性を得ることができ、
かつ溶融ガラスの延びをよくして薄い板状ガラスを量産
性よく得ることができる。さらに、耐熱性固体潤滑剤粉
末は、付着、残留分の除去も容易であるため、作業効率
を高めることができる。
の形態を説明するための平面図。
体的に示す構成図。
Claims (7)
- 【請求項1】 溶融ガラスをプレス成形して肉薄板状ガ
ラスを製造する方法において、成形型の成形面に耐熱性
固体潤滑剤粉末を付着させたのち、プレス成形を行うこ
とを特徴とする肉薄板状ガラスの製造方法。 - 【請求項2】 耐熱性固体潤滑剤粉末がBN粉末である
ことを特徴とする請求項1記載の肉薄板状ガラスの製造
方法。 - 【請求項3】 耐熱性固体潤滑剤粉末を、噴射して成形
型の成形面に付着させることを特徴とする請求項1また
は2記載の肉薄板状ガラスの製造方法。 - 【請求項4】 成形型の成形面が粗面加工されているこ
とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の肉
薄板状ガラスの製造方法。 - 【請求項5】 耐熱性固体潤滑剤粉末を気体とともに噴
射して成形型に付着させると同時に、前記気体と成形型
との熱交換により成形型の冷却を行うことを特徴とする
請求項1ないし4のいずれかに記載の肉薄板状ガラスの
製造方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
の製造方法により肉薄板状ガラスを製造したのち、少な
くとも研磨工程を行うことを特徴とする情報記録媒体用
ガラス基板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の製造方法により情報記
録媒体用ガラス基板を製造したのち、少なくとも磁性層
を形成する工程を行うことを特徴とする情報記録媒体の
製造方法。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2021084682A1 (ja) * | 2019-10-31 | 2021-05-06 | ユアサ化成株式会社 | ガラスセルの製造装置及び製造方法 |
-
1997
- 1997-01-14 JP JP00493797A patent/JP4080561B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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