JPH10194761A - 肉薄板状ガラスの製造方法 - Google Patents

肉薄板状ガラスの製造方法

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JPH10194761A
JPH10194761A JP35074396A JP35074396A JPH10194761A JP H10194761 A JPH10194761 A JP H10194761A JP 35074396 A JP35074396 A JP 35074396A JP 35074396 A JP35074396 A JP 35074396A JP H10194761 A JPH10194761 A JP H10194761A
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JP
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glass
mold
molding
molds
heating coil
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JP35074396A
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Akira Murakami
明 村上
Tetsuya Saito
哲也 斉藤
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/02Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing in machines with rotary tables

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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの成形型における不均一な温度分布およ
び複数の成形型を用いた場合における成形型間の温度差
をなくし、交換保守点検作業も容易であり、かつ一定の
形状の肉薄板状ガラスを製造することができる肉薄板状
ガラスの製造方法を提供すること。 【解決手段】 同一円周上に等間隔に配置された16個
の下型21の内側と外側を取り囲むように1本の加熱コ
イル23を設け、共通の1本の加熱コイル23により誘
導加熱作用で16個の下型21を一括して加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、光
情報記録媒体および光記録媒体などの情報記録媒体用の
基板として、あるいはカメラ用フィルター、マスクブラ
ンクスなどの板状ガラスとして使用することが可能な、
例えば肉厚3mm以下の肉薄板状ガラスをプレス成形に
より製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体などの情報記録媒体用のガ
ラス基板の製造方法として、板状のガラスから切り出す
方法のほか、溶融ガラスから成形型を用いて直接プレス
成形する方法、すなわち、ダイレクトプレス法が採用さ
れている。ダイレクトプレス法の従来例として、特開平
7−133121号公報(株式会社オハラ)には、上・
下型のプレス面の表面温度をガラス転移点近傍に設定す
るとともに、胴型の内表面温度を前記プレス面の表面温
度よりも高く設定することにより、ガラスの延びを阻害
せずにディスク状ガラス製品をプレス成形する方法が開
示されている。
【0003】また、特開平5−105458号公報(コ
ーニング)には、成形表面とガラス原料の温度が軟化点
以下となり平衡となるまで十分な時間をプレスすること
により、近最終形状ガラス製品のプレス成形方法が開示
されている。
【0004】ここで、ガラスをプレス成形する場合に
は、ガラスにヒケやカケを生じさせないように成形型を
予め加熱しておくことが行われている。成形型を加熱す
る手段としては、従来からニクロムヒータが用いられて
いる。図4は、ニクロムヒータを用いた従来の加熱方法
を示す図で、テーブル11上に配置された複数の成形型
12の各々の外周にステンレス13を設け、このステン
レス13中に、成形型1個毎に複数本ニクロムヒータ1
4を埋め込んでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、ニクロムヒ
ータによる加熱法では、上記のように1つの成形型12
に対し複数のニクロムヒータ14を用いる必要があるた
め、ニクロムヒータ14のどれか1つにでも故障や劣化
が発生した場合には、その成形型12に不均一な温度分
布が生じるという問題があった。また、近年、ディスク
状のガラス成形体を大量に生産する等の目的で図4に示
したように成形型12を複数個用いた成形装置が用いら
れているが、成形型12は個別に設けられたヒータで加
熱されるため、全ての成形型12の温度を同一の温度に
制御することは困難であった。さらに、前述のとおり、
1つの成形型12に対して複数のニクロムヒータ14を
用いるため、使用するニクロヒータの総数が多くなるた
め、ニクロムヒータを交換したり、保守、点検する作業
にかなりの手間がかかるという問題があった。さらに、
ニクロムヒータ14は、ニクロム線を金属の筒やパイプ
で覆う構造であるため、加熱速度、冷却速度ともに遅
く、交換等の作業に時間が長くかかり作業効率を低下さ
せていた。また、ディスク状ガラスなどの肉薄板状ガラ
スをプレス成形する場合には、ガラスは薄く引き延ばさ
れ、肉厚のガラスを成形するよりも成形型との接触面積
が大きいことから、成形型の温度の影響を受けやすい。
従って、成形型の温度にバラツキがあると、得られる肉
薄板状ガラスの形状、例えば反りの大きさなどがまちま
ちとなり、同一形状のディスク状ガラスが製造できない
という問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、溶融ガラスをプレス成形して肉薄板状ガ
ラスを製造する方法において、誘導加熱した成形型でプ
レス成形を行う肉薄板状ガラスの製造方法とする。
【0007】誘導加熱とは、コイルに交流電流を流した
ときに生じる交番磁束がコイル内の導電体である被加熱
物を貫通することにより誘導される渦電流により被加熱
物を加熱することをいう。誘導加熱によると、電流の出
力量を一定にすることで加熱状態を一定とすることがで
きるため加熱精度がよく、成形型を安定に加熱すること
が可能である。被加熱物である成形型は導電体であるこ
とが必要であり、その素材としては、鋳鉄、ステンレス
合金などが用いられるが、特に鋳鉄が強度、耐久性とも
に優れるため好適である。また、誘導加熱用のコイル
(以下「加熱コイル」という)に流す交流電流は、高周
波電流であることが好ましい。低周波電流では、トラン
スが大きくなるなど装置が大がかりとなるほか、周波数
が15kHz以下ではヒトの可聴音域となるため騒音が
問題となる。高周波電流の周波数は、成形型の材質や所
望の加熱温度などを考慮して適宜選択することが好まし
い。
【0008】成形型を誘導加熱するためには、加熱コイ
ル内に成形型を設置する必要がある。加熱コイル内に設
置する成形型は、単数個に限らず、複数個であってもよ
い。従って、一つの加熱コイルで複数の成形型が一括し
て加熱されるため、成形型間の温度のバラツキが生じず
均等な加熱が可能となる。また、単数個の成形型を用い
る場合においても部分的な温度差をなくすことができ
る。ここで、単数個の成形型を効率よく加熱するために
は、加熱コイルを成形型の形状に合わせた形状、例えば
円形や四辺形とすることが好ましい。また、複数の成形
型を設置する場合、均等に加熱するためには各成形型と
加熱コイルの距離を一定にすることが好ましい。複数の
成形型の配置は、加熱コイルとの距離が一定に保てる配
置であれば特に限定はされないが、例えば、一列または
円周上への配置が挙げられる。この場合、複数の成形型
の周囲を加熱コイルで囲むことで成形型と加熱コイルと
の距離を一定にすることができるほか、円周上に配置し
た場合は、その周囲すなわち円周の外側のみならず、円
周の内側にも加熱コイルを配することで成形型の加熱効
率を向上させることができる。
【0009】ここで、成形型の好ましい加熱温度は、硝
種、ガラス板の肉厚等のサイズなどにより適宜決定され
るが、肉薄の板状ガラスを成形する場合はガラスを薄く
充分に引き延ばすことが必要となるので、溶融ガラスの
急激な温度低下を防ぐ目的で、一般に肉厚のガラスを成
形する場合よりも比較的高温に加熱温度が設定される
が、誘導加熱によれば、ニクロムヒータによる加熱のよ
うに熱源からの熱伝導を利用して加熱する方法とは異な
り、成形型を直接加熱するため高温加熱が容易である。
また、ニクロムヒータではコイル自身が発熱するため劣
化の問題があるが、誘導加熱はコイルは発熱しないため
劣化しにくく、保守、点検の手間がかからない。
【0010】本発明の製造方法では誘導加熱を上型、下
型の両方に対して行っても、いずれか一方に行ってもよ
く、胴型を用いる場合には、胴型に適用することも可能
である。例えば、上、下型のプレス面の表面温度をガラ
ス転移点近傍に設定し、胴型の内表面温度を前記プレス
面の表面温度よりも高く設定する成形方法においても、
本発明を適用することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
よる肉薄板状ガラスの製造方法の実施の形態を詳細に説
明する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明するた
めの図で、ディスク状ガラス成形体の成形装置、特に下
型装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b線断面図である。この図1に示すように、鋳鉄やステ
ンレスなど導電体からなる下型21はターンテーブル2
2上の同一円周上に合計16個等間隔に配置されてお
り、ターンテーブル22が1ピッチずつ回転するごとに
図に示すAからPの位置を順に通過して以下の工程を経
るようになっている。すなわち、位置Oで成形面に耐熱
性固体潤滑剤粉末が付着され、位置Aでパイプから流下
する溶融ガラスを受け、位置Cでプレス成形が行われ、
位置Dおよび位置Eで反り修正プレスが行われ、位置L
〜Nで肉薄板状ガラスの取り出しが行われる。
【0012】また、このような16個の下型21の内側
と外側を取り囲むように1本の加熱コイル23が配置さ
れており、この加熱コイル23の両端部は交流電源24
に接続されている。そして、加熱コイル23には、プレ
ス成形中、常時、交流電源24から交流電流(高周波電
流)が流されており、したがって、この下型装置では、
共通の1本の加熱コイル23により誘導加熱作用で、導
電体である16個の下型21が一括して加熱される。
【0013】ここで、加熱コイル23はどの位置におい
ても同一断面積となるように形成されており、例えば、
下型部を横切る部分を除いて、図1(b)に示すように
厚みt=4mm、幅w=45mmである。また、この加
熱コイル23は、コイルの内周部と外周部の間隔d1
107.5mm、下型21の直径φ=87.5mm、従
ってコイルと下型との距離d2 は10mmである。そし
て、この加熱コイル23に周波数23kHz、出力7.
8kW(電圧130V、電流60A)で交流電流を流す
ことにより、加熱コイル23内の下型21を誘導加熱
し、下型表面温度を450℃に保っている。なお、加熱
コイル23は下型21からの熱を受けるため、加熱コイ
ル自身の温度が上昇しすぎるのを防止するために、コイ
ルの周囲には、冷却媒体としての水が循環する図示しな
い銅製パイプが配置され、コイルを常に冷却している。
また、加熱コイル23は、下型部を横切る部分において
は、下型21の回転の妨げとならないように、下型21
の高さよりも高い位置に配置されている。
【0014】上記のような下型装置の位置Cにおいて
は、図1(b)に示すように下型21上に上型25が設
けられる。この上型25は、下型21と同様な導電体で
あり、同一円周上に8個設けられて、1ピッチずつ回転
することにより順次1個が下型21上に位置するように
なっている。このような上型装置に対しても、同一円周
上の8個の上型25の外側と内側を囲むように加熱コイ
ルを設けて、下型装置と同様の誘導加熱による加熱手段
が設けられている。ここで、上型用の加熱コイルとして
は、下型用と同様の形状のコイルが、コイルの内周部と
外周部の間隔(図1(b)のd1 に相当する)が115
mm、上型の直径(図1(b)のφに相当する)が95
mm、コイルと上型との距離(図1(b)のd2 に相当
する)が10mmで設けられている。また、この加熱コ
イルに周波数25kHz、出力9.9kW(電圧180
V、電流55A)で交流電流を流すことにより、上型表
面温度を410℃に加熱している。
【0015】実際、図1のような成形装置によって、ガ
ラス転移点Tg=500℃、軟化点Sp=690°のガ
ラス素材(HOYA(株)製、N5)からディスク状ガ
1ス成形体を製造したところ、表1に示すとおり形状に
バラツキのないディスク状ガラス製品が得られた。
【表1】
【0016】図2は本発明の他の実施の形態を示し、
(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線断面図であ
る。この他の実施の形態では、成形型31が5個一列に
配置されており、この5個の成形型31の外側を囲むよ
うに加熱コイル32が設けられ、加熱コイル32の両端
は交流電源33に接続されている。すなわち、この他の
実施の形態は、一列に配置された複数の成形型31に対
して、本発明の一括誘導加熱方法を適用した場合であ
り、この場合は500℃の設定に対して、各成形型31
の温度のバラツキは数℃以内であった。
【0017】図3は本発明の更に他の実施の形態を示
し、成形型41が1個の場合である。この場合は、1つ
の成形型41の外周を、成形型41とコイル42との距
離が一定となるようにして加熱コイル42が取り囲むこ
とにより、成形型41を均一に加熱することができる。
加熱コイル42は交流電源43に接続されている。
【0018】以上の方法において、プレス成形に供せら
れた成形型の温度は溶融ガラスからの熱を受け取って、
プレス成形前に比べて上昇している。従って、どの肉薄
板状ガラスについても同等の温度条件でプレス成形する
ためには、次のプレス成形に供されるまでに、成形型が
成形前の温度に戻っていることが必要である。このと
き、プレス成形に供されたのち次のプレス成形に供され
るまでの時間に自然冷却してプレス成形前の温度に戻る
場合以外は、何らかの冷却手段を講じて温度を戻してや
ることが好ましい。冷却手段としては、成形型の中空部
に水や空気を循環させる方法、水等の液体を成形型の中
空部内面に吹き付けて気化させる方法などを採用するこ
とができる。液体を吹き付けて気化させる方法による
と、液体の気化熱で成形型を冷却することができるた
め、液体を循環させる方法よりも少ない液量で冷却効果
が得られる。従って、水等の気化熱を利用する方法は、
冷却効果の観点ばかりでなく、冷却装置をより小さくす
ることができる観点からも好ましい。さらに、例えば上
型の冷却に時間がかかり、成形後、次の成形までに所定
の温度までに冷却出来ない場合等には、先に述べたよう
に上型を複数個容易し、どれか1つの上型がプレス成形
を行っているときに、他の上型を冷却しておき、複数個
の上型を循環させてもよい。
【0019】また、本発明の肉薄板状ガラスの製造方法
においては、ガラス原料の温度が軟化点以下で、上下型
と熱的に平衡となるまで充分な時間プレスしてもよい
し、あるいは、ガラスが軟化状態にあるときにプレスを
終了してもよい。後者の場合は、肉薄板状ガラスの温度
が、成形型の温度より高く、この時点で肉薄板状ガラス
と成形型は熱的に平衡状態に至っていない。しかし、成
形型があらかじめ所定の温度に保たれているので、成形
後冷却して得られた肉薄板状ガラスは、反り等の形状が
一定した一定の形状をしており、研削・研磨しやすい形
状となっている。また、肉薄板状ガラスと成形型は熱的
に平衡状態に達するまで冷却する必要がないため、成形
時間を短縮することもできる。さらに、プレス時間を短
くする目的で、肉薄板状ガラスの中心部が当該ガラス材
料の軟化点以上の温度でプレス成形を終了してもよい。
また、プレス成形後の肉薄板状ガラスが軟化状態にある
ときは、プレス成形に次いで、肉薄板状ガラスの反りを
修正する工程を行ってもよい。肉薄板状ガラスの反りを
修正する工程とは、例えば、肉薄板状ガラスの片面にの
み空気等を吹きかける等、不均一に熱を奪ったり、上型
と同様な成形面を有した成形型によって、再度プレスし
たりすることによって、反りの大きさを修正する工程の
ことである。
【0020】さらに、溶融ガラスを薄い板状に成形する
ためには、溶融ガラスを外周方向によく引き延ばすこと
が必要であるため、成形型の成形面に固体潤滑剤を付着
させて溶融ガラスの潤滑性を上げることが好ましい。こ
のとき、肉薄板状ガラスを成形する際の成形型は、肉厚
のものをプレス成形する場合よりもより多くの熱を溶融
ガラスから受け取るため高温になる。従って、固体潤滑
剤は高温域においても潤滑性を失わない耐熱性のもので
あることが好ましい。このような耐熱性固体潤滑剤とし
ては、耐熱性に優れるものであれば特に限定されない
が、窒化ホウ素(BN)が好適である。また、極薄い肉
薄板状ガラスであっても機械的強度に優れる板状ガラス
を得るために、ガラス素材としてガラス転移点が高いも
のを用いることがある。このような場合には、成形型も
かなり高温となるため、固体潤滑剤に要求される耐熱性
は非常に高度なものとなる。このような場合にもBN粉
末は好適に用いられる。耐熱性固体潤滑剤は粉末化した
ものを用いることで、ガラスの成形面への均一な付着お
よび余剰分の除去を容易に行うことができる。
【0021】上記の製造方法により得られた肉薄板状ガ
ラスは、研削、研磨等の機械加工を経て、例えば情報記
録媒体用ガラス基板となる。以下、機械加工について詳
しく説明する。機械加工については、具体的には、上記
のガラスの表面を水洗浄し、以下の(1)荒ずり(粗研
磨)、(2)砂掛け(精研削、ラッピング)、(3)第
一研磨(ポリッシュ)、(4)第二研磨(ファイナル研
磨、ポリッシュ)の各工程を経る。
【0022】(1)荒ずり工程 まず、粒度の細かいダイヤモンド砥石で上記ガラス基板
の両面を片面ずつ研削加工した。このときの荷重は10
0kg程度とした。これにより、ガラス基板両面の表面
粗さをRmax(JIS B 0601で測定)で10μm程度に仕上
げた。次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部
分に孔を開けるとともに、外周端面も研削して直径を6
5mmφとした後、外周端面及び内周面に所定の面取り
加工を施した。
【0023】(2)砂掛け(ラッピング)工程 次に、ガラス基板に砂掛け加工を施した。この砂掛け工
程は、寸法精度及び形状精度の向上を目的としている。
砂掛け加工は、ラッピング装置を用いて行い、砥粒の粒
度を#400、#1000と替えて2回行った。詳しく
は、はじめに、粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷
重を100kg程度に設定して、内転ギアと外転ギアを
回転させることによって、キャリア内に収納したガラス
基板の両面を両精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μ
m程度にラッピングした。次いで、アルミナ砥粒の粒度
を#1000に替えてラッピングを行い、表面粗さ(R
max)2μm程度とした。上記砂掛け加工を終えたガラス
基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄
した。
【0024】(3)第一研磨(ポリッシュ)工程 次に、第一研磨工程を施した。この第一研磨工程は、上
述した砂掛け工程で残留したキズや歪みの除去を目的と
するもので、研磨装置を用いて行った。詳しくは、ポリ
シャ(研磨粉)として硬質ポリシャ(セリウムパッドM
HCl:スピードファム社製)を用い、以下の研磨条件
で第一研磨工程を実施した。 研磨液:酸化セリウム+水 荷重:300g/cm2 (L=238kg) 研磨時間:15分 除去量:30μm 下定盤回転数:40rpm 上定盤回転数:35rpm 内ギア回転数:14rpm 外ギア回転数:29rpm 上記第一研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純
水、純水、IPA(イソプロピレンアルコール)、IP
A(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
【0025】(4)第二研磨工程 次に、第一研磨工程で使用した研磨装置を行い、ポリシ
ャを硬質ポリシャから軟質ポリシャ(ポリラックス:ス
ピードファム社製)に替えて、第二研磨工程を実施し
た。研磨条件は、荷重を100g/cm2 、研磨時間を
5分、除去量を5μmとしたこと以外は、第一研磨工程
と同様とした。上記第二研磨工程を終えたガラス基板
を、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプ
ロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に
順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽に超音波を印
加した。このようにして、外径65mmφ、中心部の孔
径20mmφ、厚さ0.5mm、Rmax 40オングスト
ローム、Ra8オングストローム程度の円板状の情報記
録媒体用ガラス基板を得た。なお、本発明により得られ
る肉薄板状ガラスを情報記録媒体用ガラス基板として用
いるにあたり、上記(1)〜(4)のすべての工程を経
る必要はなく、例えば、得られた肉薄板状ガラスが所望
の平坦性、平滑性等を有する場合には、荒ずり工程にお
ける研削加工や、研磨工程を省略することも可能であ
る。
【0026】以上のような方法で製造された情報記録媒
体用ガラス基板は、そのガラス基板上に下地層、磁性
層、保護層、潤滑層を順次積層することにより、磁気記
録媒体を構成する。
【0027】ここで、磁気記録媒体のガラス基板の材質
としては、たとえば、アルミノシリケートガラス、ソー
ダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミ
ノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英
ガラス、チェーンシリケートガラス、または、結晶化ガ
ラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。さらに、
好ましくは、次のような組成のガラスが使用される。 (1)結晶化ガラス1 重量%表示で、SiO2 が60〜87%、Li2 Oが5
〜20%、Na2 Oが0〜5%、K2 Oが0〜10%、
Na2 OとK2 Oが合計で0.5〜10%、MgOが
0.5〜7.5%、CaOが0〜9.5%、SrOが0
〜15%、BaOが0〜13%、ZnOが0〜13%、
2 3 が0〜10%、Al2 3 が0〜10%、P2
5 が0.5〜8%、TiO2 が0〜5%、ZrO2
0〜3%、SnO2 が0〜3%、As2 3 とSb2
3 が合計で0〜2%、、上記金属酸化物の1種以上の金
属元素のフッ化物をFの合計量として0〜5%含有し、
場合により着色成分として、V2 5 、CuO、MnO
2 、Cr2 3 、CoO、MoO3 、NiO、Fe2
3 、TeO2 、CeO2 、Pr2 3 、Nd2 3 、E
2 3 の群より選ばれた少なくとも1種を0〜5%含
有し、主結晶としてリチウムジシリケート、場合により
α−クリストバライト、α−クオーツ、リチウムモノシ
リケート、β−スポジューメン等を含有し、結晶粒の大
きさが3.0μm以下である結晶化ガラス。 (2)結晶化ガラス2 重量%表示で、SiO2 が45〜75%、CaOが4〜
30%、Na2 Oが2〜15%、K2 Oが0〜20%、
Al2 3 が0〜7%、MgOが0〜2%、ZnOが0
〜2%、SnO2 が0〜2%、Sb2 3 が0〜1%、
2 3 が0〜6%、ZrO2 が0〜12%、Li2
が0〜3%、上記金属酸化物の1種以上の金属元素のフ
ッ化物をFの合計量として3〜12%含有し、場合によ
り着色成分としてCr2 3 、Co3 4 等を含有し、
主結晶としてカナサイト又はカリウム・フルオロ・リヒ
テライトを含有し、結晶粒の大きさが1.0μm以下で
ある結晶化ガラス。 (3)ガラス3 重量%表示で、SiO2 が62〜75%、Al2 3
4〜18%、ZrO2が0〜15%、Li2 Oが3〜1
2%、Na2 Oが3〜13%含有するガラス。
【0028】このようなガラス基板は、耐衝撃性や耐振
動性等の向上を目的として、表面に低温イオン交換法に
よる化学強化処理を施すことができる。ここで、化学強
化方法としては、従来より公知の化学強化法であれば特
に制限されないが、例えば、ガラス転移点の観点から転
移温度を超えない領域でイオン交換を行う低温型化学強
化などが好ましい。化学強化に用いるアルカリ溶融塩と
しては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、あるいは、そ
れらを混合した硝酸塩などが挙げられる。
【0029】下地層としては、例えば、Cr、Mo、T
a、Ti、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ば
れる少なくとも一種以上の材料からなる下地層等が挙げ
られる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特
性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好
ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種
の層を積層した複数層構造とすることもできる。例え
ば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、Cr
V/CrV、Al/Cr/CrMo、Al/Cr/C
r、Al/Cr/CrV、Al/CrV/CrV等の多
層下地層等が挙げられる。
【0030】磁性層としては、例えば、Coを主成分と
するCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、C
oCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNi
CrPt、CoNiCrTa、CoCrTaPt、Co
CrPtSiOなどの磁性薄膜が挙げられる。磁性層
は、磁性膜を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、Cr
Vなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成(例
えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoC
rTaPt/CrMo/CoCrTaPtなど)として
もよい。磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は大型磁気
抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁性層としては、
Co系合金に、Y、Si、希土類元素、Hf、Ge、S
n、Znから選択される不純物元素、又はこれらの不純
物元素の酸化物を含有させたものなども含まれる。ま
た、磁性層としては、上記の他、フェライト系、鉄−希
土類系や、SiO2 、BNなどからなる非磁性膜中にF
e、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子が分散
された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、
磁性層は、内面型、垂直型のいずれの記録形式であって
もよい。
【0031】保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合
金膜、カーボン膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げら
れる。これらの保護層は、下地層、磁性層等とともにイ
ンライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、
これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一
又は異種の膜からなる多層構成としてもよい。さらに、
上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保
護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、
Cr膜の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶
媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して
塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2 )膜を形
成してもよい。
【0032】潤滑層は、例えば、液体潤滑剤であるパー
フロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶
媒で希釈し、媒体表面にディッピング法、スピンコート
法、スプレイ法によって塗布し、必要に応じ加熱処理を
行って形成する。
【0033】以上本発明について詳述し、図1は複数の
成形型が同一円周上に配置された場合、図2は複数の成
形型が一直線状に配置された場合、図3は成形型が1つ
の場合であるが、本発明はその他の配列の成形型に対し
ても適用できる。また、成形型の個数も上記実施の形態
に限定されるものではない。さらに、実施の形態では、
ディスク状(円板状)の肉薄板状ガラスを製造したが、
四角形などその他形状の肉薄板状ガラスを製造すること
もできる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の肉薄板状ガラスの
製造方法によれば、誘導加熱により成形型を加熱するよ
うにしたので、1つの成形型における不均一な温度分布
をなくすことができるとともに、複数の成形型を用いた
場合に各成形型間における型の温度差をなくすことがで
き、交換保守点検作業も容易となり、しかも一定の形状
の肉薄板状ガラスを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による肉薄板状ガラスの製造方法の実施
の形態を説明するための平面図および断面図。
【図2】本発明の他の実施の形態を説明するための平面
図および断面図。
【図3】本発明の更に他の実施の形態を説明するための
平面図。
【図4】従来の成形型の加熱方法を説明するための平面
図。
【符号の説明】
21 下型 23,32,42 加熱コイル 24,33 交流電源 25 上型 31,41 成形型

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ガラスをプレス成形して肉薄板状ガ
    ラスを製造する方法であって、誘導加熱した成形型でプ
    レス成形を行うことを特徴とする肉薄板状ガラスの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 誘導加熱用のコイル内に複数の成形型が
    配置されていることを特徴とする請求項1記載の肉薄板
    状ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 複数の成形型が円周上に所定間隔に配置
    されて順次位置が移動するように構成され、この複数の
    成形型の外側と内側を囲むように誘導加熱用コイルが配
    置されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の肉薄板状ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】 複数の成形型が一列に配置され、この複
    数の成形型の外側を囲むように誘導加熱用コイルが配置
    されていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    肉薄板状ガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成形型のうち下型を誘導加熱するこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の肉
    薄板状ガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    製造方法において、肉薄板状ガラスが情報記録媒体用ガ
    ラス基板である情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    製造方法により肉薄板状ガラスを製造したのち、少なく
    とも研磨工程を行うことを特徴とする情報記録媒体用ガ
    ラス基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の製造方法により
    情報記録媒体用ガラス基板を製造したのち、少なくとも
    磁性層を形成する工程を行うことを特徴とする情報記録
    媒体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1301222C (zh) * 2003-04-28 2007-02-21 Hoya株式会社 压模成形设备、压模成形方法以及制造光学元件的方法
WO2013001722A1 (ja) * 2011-06-30 2013-01-03 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 Hdd用ガラス基板の製造方法

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