JPH10193160A - スパッタ飛散防止装置 - Google Patents

スパッタ飛散防止装置

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JPH10193160A
JPH10193160A JP9001764A JP176497A JPH10193160A JP H10193160 A JPH10193160 A JP H10193160A JP 9001764 A JP9001764 A JP 9001764A JP 176497 A JP176497 A JP 176497A JP H10193160 A JPH10193160 A JP H10193160A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタの飛散を防止すると共に、上部集塵
を行い、しかも互換性のあるスパッタ飛散防止装置を提
供することにある。 【解決手段】 加工ヘッドを包囲しそれに接触しながら
上下動可能に取り付けられた加工ヘッドカバーと、該加
工ヘッドカバーと集塵機にそれぞれ結合され、加工ヘッ
ドカバーと同期して上下動可能に取り付けられているダ
クトとを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスパッタ飛散防止装
置、特にパンチ・レーザ複合機において加工中に発生し
たスパッタが周辺機器に飛散しないようにしたスパッタ
飛散防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ加工機においては、加
工ヘッドからワークへレーザビームを照射すると、該ワ
ークからスパッタが飛散することは、よく知られてい
る。
【0003】ところが、このスパッタが加工ヘッドの周
辺機器に飛散すると、その周辺機器の機能が低下し、加
工効率が低下する等の悪影響を招く。
【0004】例えば、加工中のワークを把持するクラン
プには、該ワークをX軸方向とY軸方向に移動するため
のボールねじが設けられ、このボールねじに上記スパッ
タが飛散して付着すると、ボールねじの機能が低下す
る。
【0005】即ち、ボールねじの表面には、グリースが
塗布されており、粘着性に富んでいる。従って、ワーク
から飛散したスパッタはボールねじに容易に付着し、ワ
ークを所定の位置まで正確に移動させることができず、
位置決め精度の低下等の悪影響をもたらす。
【0006】また、このクランプには、ガイドとしてL
Mガイドが設けられ、このLMガイドに上記スパッタが
飛散した場合にも、同様である。
【0007】特に、レーザ加工機が単体機ではなく、例
えば、パンチ・レーザ複合機の場合には、単体機として
の機器の他に、パンチプレスの金型を取り付けたタレッ
トディスク等の周辺機器が多数設けられているので、ス
パッタの飛散による悪影響は、一層著しい。
【0008】これを解決するため、従来は、加工ヘッド
にシールドやカバーを直接に取り付け、上記スパッタの
飛散を防止すると共に、ダクトを介してスパッタを上方
に導いて集塵させる、いわば上部集塵を行っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
は、レーザ加工中にワークから飛散するスパッタが周辺
機器に悪影響を及ぼさないように、スパッタの飛散を防
止すると共に、上部集塵を行っていた。
【0010】しかし、スパッタ飛散防止手段であるシー
ルドやカバーは、加工ヘッドに直接取り付けられてい
る。
【0011】従って、例えば、加工ヘッド全体が損傷を
受け、全部を新たに交換しなければならない場合にも、
加工ヘッドを交換するだけでなく、それに取り付けられ
ている上記シールドやカバーも交換しなければならな
い。
【0012】この場合、本来は加工ヘッドだけを交換す
るだけでよいにもかかわらず、シールドやカバーも交換
し、しかも加工ヘッドに取り付けなければならない。
【0013】このため、従来は、加工ヘッドに関して互
換性がない場合がある。
【0014】また、例えば、シールドやカバーだけを交
換したい場合でも、簡易に行うことはできず、その加工
ヘッドに合ったものを手に入れ、更にそれを加工ヘッド
に取り付けなければならない。
【0015】この場合、加工ヘッドに取り付けるのが面
倒で、しかも時間がかかり、コストの面も無視できず、
シールドやカバーに関しても互換性がない場合が多い。
【0016】本発明の目的は、スパッタの飛散を防止す
ると共に、上部集塵を行い、しかも互換性のあるスパッ
タ飛散防止装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、図1〜図2に示すように、(A)加工ヘ
ッド2を包囲し、該加工ヘッド2に接触しながら上下動
可能に取り付けられた加工ヘッドカバー1と、(B)一
端部が加工ヘッドカバー1に、他端部が集塵機10にそ
れぞれ結合されていると共に、該加工ヘッドカバー1と
同期して上下動可能に取り付けられているダクト8によ
り構成され、上記加工ヘッドカバー1とダクト8を降下
させ、該加工ヘッドカバー1により加工ヘッド2を被覆
し、加工中においてワークWから発生したスパッタ9を
上記ダクトを介して集塵機に集めるという技術的手段を
講じている。
【0018】従って、この発明の構成によれば、上記加
工ヘッドカバー1とダクト8を降下させ、該加工ヘッド
カバー1により加工ヘッド2を被覆することにより、ワ
ークWから発生するスパッタの飛散は防止され、またス
パッタをダクト8を介して上部集塵でき、更に、加工ヘ
ッド2と加工ヘッドカバー1は、それぞれ独立して設け
られているので、互換性もある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施の形態によ
り添付図面を参照して、説明する。図1は本発明の実施
の形態を示す図である。
【0020】図1は、本発明に係るスパッタ飛散防止装
置をパンチ・レーザ複合機に適用した場合を示してい
る。
【0021】パンチ・レーザ複合機は、図示する例では
パンチ部とレーザ部が独立しており、加工テーブル17
上に戴置されたワークWに対して、パンチ加工、又はレ
ーザ加工を施す。
【0022】パンチ部は、対向して配置された上部タレ
ット11と下部タレット12、及び上部タレット11の
上方に配置されたラムシリンダ13を有している。
【0023】上部タレット11と下部タレット12の外
周には、図示するように、それぞれ対応したパンチP
1、P2・・・とダイD1、D2・・・が環状に配置さ
れてい。
【0024】従って、上部タレット11と下部タレット
12を同期回転させることにより、所定の金型、例えば
パンチP1とダイD1を選択し、ラムシリンダ13を作
動させれば、ワークWにパンチ加工を施すことができ
る。
【0025】また、上記パンチ部に隣接してレーザ部が
設置され、該レーザ部は、加工ヘッド2と加工ヘッドカ
バー1を備えている。
【0026】加工ヘッド2は、円筒状であって、X軸方
向とY軸方向とZ軸方向に移動可能に取り付けられ、ワ
ークWにレーザービームを照射することにより所定のレ
ーザ加工を施す。
【0027】この加工ヘッド2には、円周方向に、つま
み30が2個(図1(B))、調整ねじ31が4個、ロ
ックピン32が1個それぞれ取り付けられ、ノズルやレ
ンズ等の交換を容易ならしめている。
【0028】加工ヘッドカバー1は、上記つまみ30等
の突起物を含む加工ヘッド2を包囲し、図示するよう
に、全体としてほぼ楕円柱形状を有し、ラムシリンダ3
等により構成されたパンチ部との干渉を避けている。
【0029】この加工ヘッドカバー1は、本体1Aと底
部1Bから成り、底部1Bはフローティング機構33
(図3(C))を介して本体1Aに結合され、底部1B
には、ワークW(図1(A))と接触する耐熱性ブラシ
5が取り付けられている。
【0030】上記フローティング機構33を設けたこと
により、加工ヘッド2が厚さの異なるワークWを加工す
る場合でも、その厚さに追従して耐熱性ブラシ5が揺動
できるようにし、加工ヘッドカバー1の追従性を高めて
いる。
【0031】また、上記本体1Aには、加工ヘッド2と
接触する耐熱性ブラシ6が取り付けられ、加工ヘッド2
と直接に干渉しないようになっている。
【0032】更に、加工ヘッドカバー1を構成する本体
1Aの側面には、エアーシリンダ3が、電磁石とリミッ
トスイッチから成る脱着機構40を介して結合され、該
エアーシリンダ3により、加工ヘッドカバー1は、Z軸
方向、即ち上下方向に移動できるようになっている。
【0033】即ち、本体1Aの側面の下部には、図1
(A)に示すように、取付部材4Bが固定され、該取付
部材4Aには、例えば電磁石(図示省略)等の簡易脱着
装置が取り付けられている。
【0034】一方、エアーシリンダ3のピストンロッド
4の先端には、取付部材4Aが固定され、該取付部材4
Aにも、例えば電磁石(図示省略)等の簡易脱着装置が
取り付けられている。
【0035】従って、上記2つの電磁石に電流が供給さ
れている限り、電磁石間に働く吸引力により、加工ヘッ
ドカバー1とエアーシリンダ3は結合され、加工ヘッド
カバー1は上下動できるようになっている。
【0036】しかし、上方に反ったワークWや、立体的
なワークWが加工ヘッドカバー1に衝突した場合には、
上記電磁石に内蔵されたリミットスイッチ(図示省略)
がそれを検知することにより、電磁石に供給されている
電流が遮断され、吸引力が働かなくなるので、加工ヘッ
ドカバー1だけがエアーシリンダ3から離れて、脱落す
る。また、装置全体の動作が停止する。
【0037】これにより、エアーシリンダ3の損傷が阻
止される。
【0038】即ち、上記脱着機構40は、加工ヘッドカ
バー1とエアーシリンダ3の組立体に、上記ワークW等
が衝突した場合に、加工ヘッドカバー1だけを脱落させ
ることにより、構造的に弱いエアーシリンダ3を保護し
ている。
【0039】使用を再開する場合には、再度電磁石に電
流を供給すれば吸引力が働き、上記脱着機構40を介し
て加工ヘッドカバー1とエアーシリンダ3は結合する。
【0040】また、加工ヘッドカバー1の円弧状の後部
には、排出口18が設けられ、該排出口18には、ダク
ト8の一端部が結合されていると共に、該ダクト8の他
端部は、集塵機10(図1(A))に結合されている。
【0041】この構成により、レーザ加工中にワークW
から発生したスパッタ9を、上記ダクト8を介して集塵
機10に集塵させることができる。
【0042】上記ダクト8は、蛇腹構造を有し、ゴム等
柔軟な材料により形成されていて伸縮自在であり、既述
したように、エアーシリンダ3により加工ヘッドカバー
1が上下動すると、それに同期してダクト8も上下動す
るようになっている。
【0043】一方、加工テーブル17の上方には、キャ
リッジベース14が配置され、該キャリッジベース14
には、キャリッジ15を介してクランプ16が取り付け
られている。
【0044】このキャリッジベース14は、よく知られ
ているように、ボールねじ20を介して、該パンチ・レ
ーザ複合機のフレームに内蔵したX軸モータに結合さ
れ、キャリッジ15は、ボールねじ21を介して、キャ
リッジベース14に内蔵したY軸モータに結合されてい
る。
【0045】この構成により、ワークWを把持したクラ
ンプ16を、X軸モータを駆動することにより、キャリ
ッジベース14と共にX軸方向に移動させ、またY軸モ
ータを駆動することにより、LMガイド22に沿ってY
軸方向に移動させることにより、ワークWをレーザ加工
位置やパンチ加工位置に位置決めするようになってい
る。
【0046】以下、上記構成を有する本発明の動作を、
図2に基づいて、説明する。先ず、ステップ101にお
いて、図1のパンチ・レーザ複合機をレーザモードに
し、ワークWを把持した上記クランプ16をX軸方向と
Y軸方向に移動させることにより、ワークWをレーザ加
工位置に位置決めし、次にステップ102において、加
工ヘッド2を降下させ、ステップ103において、加工
ヘッドカバー1を降下させる。
【0047】即ち、既述したように、エアーシリンダ3
を作動させると、加工ヘッドカバー1は、耐熱性ブラシ
6を加工ヘッド2に接触させた状態で、降下する。ま
た、このとき同時に、ダクト8も加工ヘッドカバー1と
共に降下する。
【0048】この場合、加工ヘッドカバー1は、図1
(A)に示すように、加工ヘッド2を覆っており、耐熱
性ブラシ5はワークWに接触し、耐熱性ブラシ6は加工
ヘッド2に接触しているので、加工ヘッドカバー1と加
工ヘッド2との間には、ワークWから発生するスパッタ
9に対しては、密閉空間が形成されている。
【0049】次いで、ステップ104において、集塵機
10を起動させ、ステップ105において、レーザ部を
起動させる。
【0050】これにより、ステップ106において、加
工ヘッド2によりワークWに対してレーザ加工が施され
ると共に、該ワークWからのスパッタ9は、加工ヘッド
カバー1があるために、ボールねじ20等の周辺機器へ
は飛散せず、ダクト8を通って上方へ導かれ、集塵機1
0により上部集塵が行われる(図1(A))。
【0051】また、この間、厚さが異なるワークWに対
しても、フローティング機構33によって、耐熱性ブラ
シ6が揺動してワークWに追従し、レーザ加工が円滑に
行われ、更に、上方に反ったワークW等が加工ヘッドカ
バー1に衝突しても、脱着機構40により、加工ヘッド
カバー1だけがエアーシリンダ3から離れて脱落するの
で、エアーシリンダ3が保護される。
【0052】ステップ107において、レーザ加工は終
了か否かの判断が行われ、終了せず続行する場合には
(NO)、上記ステップ106の動作を繰り返し、終了
する場合には(YES)、ステップ108において、レ
ーザ部と集塵機10の動作を停止させる。
【0053】次いで、ステップ109において、加工ヘ
ッドカバー1を上昇させる。
【0054】即ち、再度エアーシリンダ3を作動させる
と、それに脱着機構40を介して結合している加工ヘッ
ドカバー1は、上昇する。また、加工ヘッドカバー1と
同期してダクト8も上昇する。
【0055】最後に、ステップ110において、加工ヘ
ッド2を上昇させ、図1のパンチ・レーザ複合機をパン
チモードに切り替えることにより、全ての動作を終了す
る。
【0056】尚、上下動するエアーシリンダ3と加工ヘ
ッドカバー1と加工ヘッド2のストロークについては、
エアーシリンダ3がほぼ220mm、加工ヘッドカバー
1がほぼ210mm、加工ヘッド2がほぼ300mmで
ある。
【0057】このようにして本発明に係るスパッタ飛散
防止装置は、レーザ加工中において、スパッタの飛散を
防止すると共に、上部集塵を行い、しかも加工ヘッド2
と加工ヘッドカバー1とは独立して設けられているの
で、それぞれの互換性もある。
【0058】また、上記の実施形態においては、パンチ
・レーザ複合機に適用される場合を説明したが、本発明
はこれに限定されず、レーザ加工機の単体機等にも適用
され、上記と同様の効果を奏することは勿論である。
【0059】
【発明の効果】上記のとおり、本発明によれば、スパッ
タ飛散防止装置を、加工ヘッドを包囲しそれに接触しな
がら上下動可能に取り付けられた加工ヘッドカバーと、
該加工ヘッドカバーと集塵機にそれぞれ結合され、加工
ヘッドカバーと同期して上下動可能に取り付けられてい
るダクトにより構成したことにより、スパッタの飛散を
防止すると共に、上部集塵を行い、しかも互換性のある
スパッタ飛散防止装置を提供するという効果がある。
【0060】また、加工ヘッドカバーと、その上下動手
段であるエアーシリンダとを、脱着機構を介して結合さ
せたことにより、加工ヘッドカバーが障害物に衝突した
場合でも、エアーシリンダから離れて脱落するので、エ
アーシリンダが保護され、上下動可能な加工ヘッドカバ
ー全体の耐久性が向上するという効果もある。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の動作を説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 加工ヘッドカバー 2 加工ヘッド 3 エアーシリンダ 4 ピストンロッド 5、6 耐熱性ブラシ 8 ダクト 9 スパッタ 10 集塵機 11 上部タレット 12 下部タレット 13 ラムシリンダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工ヘッドを包囲し、該加工ヘッドに接
    触しながら上下動可能に取り付けられた加工ヘッドカバ
    ーと、 一端部が加工ヘッドカバーに、他端部が集塵機にそれぞ
    れ結合されていると共に、加工ヘッドカバーと同期して
    上下動可能に取り付けられているダクトにより構成さ
    れ、上記加工ヘッドカバーとダクトを降下させ、該加工
    ヘッドカバーにより加工ヘッドを被覆し、加工中におい
    てワークから発生したスパッタを上記ダクトを介して集
    塵機に集塵させることを特徴とするスパッタ飛散防止装
    置。
  2. 【請求項2】 上記加工ヘッドカバーが本体と底部から
    構成され、底部はフローティング機構を介して本体に結
    合され、本体には、加工ヘッドと接触する耐熱性ブラシ
    が、底部には、ワークと接触する耐熱性ブラシがそれぞ
    れ取り付けられている請求項1記載のスパッタ飛散防止
    装置。
  3. 【請求項3】 上記加工ヘッドカバーを構成する本体の
    側面には、エアーシリンダが脱着機構を介して結合さ
    れ、該脱着機構は電磁石とリミットスイッチから構成さ
    れている請求項2記載のスパッタ飛散防止装置。
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