JPH10193148A - 溶接位置の決定方法及び装置並びに溶接管の製造方法及び装置 - Google Patents

溶接位置の決定方法及び装置並びに溶接管の製造方法及び装置

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JPH10193148A
JPH10193148A JP8351669A JP35166996A JPH10193148A JP H10193148 A JPH10193148 A JP H10193148A JP 8351669 A JP8351669 A JP 8351669A JP 35166996 A JP35166996 A JP 35166996A JP H10193148 A JPH10193148 A JP H10193148A
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approximation
curve
straight line
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JP8351669A
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English (en)
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Noriaki Yagi
則明 八木
Taketo Yagashira
武人 野頭
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ溶接においてレーザ光の照射位置を鋼
板の端面衝合部の変動に追従させる際に、その照射位置
(溶接位置)を精度良く決定する方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 溶接部直前の帯状金属板の被溶接材1を
CCDカメラ3にて撮影し、その撮影画像を処理して被
溶接材1の端縁を検出する際に、各走査線毎の端縁デー
タに基づいて近似直線(または近似曲線)を求め、その
近似直線(または近似曲線)より所定距離以上離れた位
置に存在する端縁データは誤抽出データとして取り除
き、残った端縁データに基づいて再度近似直線(または
近似曲線)を求める。このようにして求めた左右夫々の
近似直線(または近似曲線)の交点を溶接位置として決
定する。決定した溶接位置のデータに応じて、サーボモ
ータ9によりレーザヘッド2を被溶接材1の移動方向と
交差する方向へ移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光等のエネ
ルギビームを用いて溶接管を製造する際の溶接位置を決
定する方法及び装置、並びに、その決定した溶接位置に
エネルギビームの照射位置を設定制御する溶接管の製造
方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ではレーザ光を用いて溶接管を製造
することが行われている。このレーザ溶接は、他の溶接
方法と比較して熱源のエネルギが高いので溶接管への溶
け込みが深く、高速な溶接が可能である。また、総入熱
量が他の溶接方法よりも少ないので、溶接部分の状態が
良好になる。
【0003】図8は、レーザ溶接により溶接管を製造す
る一般的な状態を示す模式的斜視図である。帯状金属板
からなる被溶接材51を矢符で示すその長手方向に移動
させ、被溶接材51を幅方向の両側端縁が相対向するよ
う湾曲させて、オープンパイプ状に形成し、形成された
オープンパイプを挾んで対向しているスクイズロール5
2,52を回転させて、オープンパイプの両側端縁の端
面を衝合させる。また被溶接材51の端面衝合部Wから
被溶接材51の移動方向上流側(矢符と反対方向)へ適
長離隔した位置を、加熱コイルHCにより高周波加熱し
て被溶接材51の端面に入熱して予熱する。そして被溶
接材51の端面衝合部Wにレーザ光LBを照射し、その
端面衝合部Wを高温度に加熱して溶着させて、溶接管を
連続的に製造する。
【0004】このようなレーザ溶接による溶接管の製造
方法においては、レーザ光のスポット径が小さいため、
MIG,TIG等の一般的な溶融溶接法と比較して、溶
融ビード幅が狭い溶接管を製造することができる。しか
しながら、レーザ光を端面衝合部に正確に照射できなか
った場合は、端面衝合部が完全に溶着しない溶接不良部
分が発生する。そこで、レーザ光の照射位置を正確に端
面衝合部に追従させる必要がある。レーザ光の照射位置
を被溶接材の端面衝合部に追従させる方法、つまりシー
ム倣い制御方法が、特公平4−31799号公報に示さ
れている。
【0005】図9は、そのシーム倣い溶接制御方法を実
施する模式的斜視図である。オープンパイプ状に湾曲さ
れた被溶接材51の端面をスクイズロール52,52に
より衝合させながら被溶接材51を矢符方向へ移動さ
せ、また加工ヘッド53から被溶接材51の端面衝合部
へレーザ光LBを照射する。また端面衝合部より被溶接
材51の移動方向上流側であって、その移動方向に所定
間隔を離隔している2箇所の位置を検出位置とし、この
検出位置での端縁A1 ,B1 の中間点M1 、端縁A2
2 の中間点M2 夫々について溶接基準線Lからのずれ
ベクトルを測定し、夫々のずれベクトルと夫々の検出位
置の端面衝合部からの距離D1 ,D1 +D 2 とに基づ
き、端面衝合部の溶接基準線Lからのずれを算出し、そ
れに応じて端面衝合部にレーザ光LBの照射位置を一致
させる制御を行う。
【0006】上述した従来のシーム倣い制御では、2箇
所の検出位置に何らかの外乱要素が影響する場合が多
く、それにより端面衝合部に以下の如き誤差が生じる。
この誤差は、レーザ溶接に要求される±0.1mmの精
度を考えると許容できない大きさになる。即ち、オープ
ンパイプ状に曲成された被溶接材51の端縁は、図1
0,図11に示すようにスケールF,ばりGによって必
ずしも直線ではない。従って、スケールF,ばりGの部
分を端縁と誤検出して誤差が大きくなる。またこのよう
なスケールFは材質によっては常時発生しており、ばり
Gも多発(0.5m程度で1回)する。
【0007】また、レーザ溶接により、溶接部からは図
12に示すように多数のスパッタHが発生する。そのス
パッタHが検出位置を通過した場合に端縁を誤検出して
誤差が発生する。更に、スパッタHが加工ヘッドに付着
した場合は、それ以降の倣い制御が不可能になる。この
ように、オープンパイプ状に曲成された被溶接材51の
端縁は微小な凹凸状となっており、一見直線であって
も、単に2箇所の検出位置で端縁を検出した場合は、誤
差が大きくなる。
【0008】更にまた、前述したシーム倣い制御では、
被溶接材51の端縁を直線と見做してその直線が交差す
る交点を端面衝合部としている。しかしながら、端面衝
合部が変化する場合、被溶接材51の端縁は次のように
湾曲する。即ち、被溶接材51の端縁は、図13に示す
ように端面衝合部Wの上流側の図示しない最終成形ロー
ル(フィンパスロール)により拘束され、その際の端縁
位置は、溶接基準線Lから等寸法位置になる。一方、両
端縁が衝合する部分は図示しないスクイズロールにより
拘束されるが、その際の位置は被溶接材51の曲がり
(キャンバー)等の要因により変動する。つまり、端面
衝合部Wの位置が溶接基準線Lに対して変動する。
【0009】そのため、両ロール間の被溶接材51は、
圧縮,引張力を受けて図14,図15に示すように湾曲
する。従って、図15に示すように端縁が直線として、
その直線の交点を求めた場合は誤差αが発生する。そし
てこの誤差αは高精度に端面衝合部を追従するレーザ溶
接においては許容できない大きさとなる。因みにこの端
縁の湾曲の程度は、オープンパイプ状の被溶接材の径寸
法,肉厚,材料強度等に依存する。また、端面衝合部が
溶接基準線から外れる程大きく湾曲する。従って、誤差
の大きさは、その状況に応じて様々であるが、例えば溶
接基準線に対する端縁のずれが約5mmの場合は、誤差
αは0.7mm程度に達し、高精度のレーザ溶接が不可
能であるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、特公平
4−31799号公報に示された従来のシーム倣い溶接
制御方法では種々の問題がある。そこで、本発明者等
は、溶接直前の被溶接材を撮像手段により撮像し、その
撮像データに基づいてレーザ光の照射位置を追従させて
シーム倣い制御を行うことにより、オープンパイプ状に
曲成された被溶接材の端縁の非対称,端縁の湾曲及び端
縁の凹凸による影響を受けずに、レーザ光を被溶接材の
端面衝合部に正確に追従して照射でき、溶接精度が極め
て高い溶接管の製造方法及び装置を、特願平7−353
884号で提案している。以下、このシーム倣い制御に
ついて簡単に説明する。
【0011】図16は、特願平7−353884号で提
案した溶接管の製造装置の模式的構成図である。溶接管
10を製造すべく帯状金属板からなる被溶接材1を、オ
ープンパイプ状に曲成しながら矢符方向へ移動させる。
曲成された被溶接材1の端面衝合部Wの上方には、端面
衝合部Wに向けてレーザ光LBを照射するレーザヘッド
2が配設されている。このレーザヘッド2は被溶接材1
の移動方向と直交する方向に移動可能になしてある。端
面衝合部Wの位置から被溶接材1の移動方向上流側の上
方には、2次元のCCDカメラ3が設置されている。C
CDカメラ3の左,右側方には、撮像領域X及びその付
近を照明する光源4,4が配設されている。
【0012】CCDカメラ3が撮像した撮像データはパ
ーソナルコンピュータPCの画像処理部5へ入力され
る。画像処理部5は、入力された撮像データによる画像
を画像処理して、撮像した被溶接材1の端縁A,Bを示
す所要点数の端縁データを抽出し、その抽出した端縁デ
ータを演算部6へ出力する。演算部6は、入力された端
縁データにより、被溶接材1の左,右各端縁A,Bの近
似直線または近似曲線を示す直線データまたは曲線デー
タを算出すると共に、左端縁の近似曲線または近似直線
と右端縁の近似直線または近似曲線との交点のデータを
算出し、算出した交点のデータを出力部7へ出力する。
出力部7は、入力された交点データに相応する制御信号
をレーザヘッド2へ出力し、該制御信号に応じてレーザ
ヘッド2は被溶接材1の移動方向と直交する方向へ移動
する。
【0013】図16に示す構成のレーザ溶接装置では、
被溶接材1の撮像データから多数の左右夫々の端縁デー
タを抽出し、これらの端縁データから左右夫々の端縁を
近似した左右夫々の端縁近似直線または端縁近似曲線を
求め、夫々の端縁近似直線または端縁近似曲線の交点を
溶接すべき位置であると認識し、その交点に応じてレー
ザヘッド2を移動させてレーザ光の照射位置を制御す
る。従って、被溶接材1(帯状金属板)の端面衝合部W
を、対向する両側端縁の非対称,端縁の湾曲及び端縁の
凹凸による影響を受けずに正確に検出でき、端面衝合部
Wに追従してレーザ光を照射でき、高い溶接精度が得ら
れる。
【0014】上述したような特願平7−353884号
で提案したレーザ溶接における画像データを利用したシ
ーム倣い制御方法は、画期的な手法であり、今後のレー
ザ光を用いる溶接管の製造技術の発展に寄与できるので
ある。本発明者等は、更にこの画像データを利用したシ
ーム倣い制御の開発を推進していく過程で、上述した手
法では、ある条件においては端面衝合部の位置を正確に
決定できない場合があることを知見した。以下、この知
見について説明する。
【0015】CCDカメラ3により撮像される端面衝合
部直前の画像は、図17(a)に示すように、被溶接材
1(帯状金属板)の内面側の端縁と外面側の端縁とが同
時に撮影された画像である。通常の製管状態において
は、その内面側の端縁及び外面側の端縁の何れか一方が
他方と比較して充分にその輝度のコントラストが大きい
ため、容易に端縁データを抽出することができる。しか
しながら、図18(a)に示すように、成形条件の変
動,被溶接材1(帯状金属板)の形状・汚れ等の変動に
よって両端縁のコントラストの差が縮まりまたは逆転す
ることになると、誤った位置を端縁と認識する場合があ
る。
【0016】つまり、撮影画像におけるある走査線での
輝度プロフィールを検出した場合、通常の製管状態で
は、図17(b)に示すように、内面側の端縁の方がコ
ントラストは明確に大きくなるが、製管条件または成形
条件の変動或いは端縁に付着する汚れ等によって、図1
8(b)に示すように、内面側の端縁のコントラストの
優位性が失われる場合がある。このような場合には、誤
認識された端縁データに基づいて近似直線または近似曲
線が求められることになるので、その求められた近似直
線または近似曲線も、また真の端縁に対して誤差を含ん
だものとならざるを得ない。
【0017】このように、特願平7−353884号で
提案した方法では、特定の条件(製管条件または成形条
件の変動の発生等)下において、正確に端面衝合部の位
置(溶接位置)を求めることができず、改善の余地があ
るという課題がある。
【0018】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であって、先に出願した技術を改良させたものであり、
製管条件または成形条件が変動する場合、端縁に汚れが
付着している等、溶接時における溶接位置の決定に不利
な条件下であっても、正確にその溶接位置を決定するこ
とができる溶接位置の決定方法及び装置、並びに、その
決定方法にて決定した溶接位置に応じてエネルギビーム
の位置を高精度に制御でき、溶接管を連続的に良好な条
件で製造することができる溶接管の製造方法及び装置を
提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る溶接位置
の決定方法は、帯状金属板をその長手方向に移動させ、
該帯状金属板をその幅方向の両側端縁が相対向するよう
に湾曲させてオープンパイプ状に形成し、両側端縁の端
面衝合部にエネルギビームを照射して端面衝合部を溶接
する際に、前記エネルギビームを照射すべき溶接位置を
決定する方法において、前記端面衝合部より前記帯状金
属板の移動方向上流側における帯状金属板の両側端縁を
撮像し、撮像した両側端縁夫々の端縁位置を示す複数の
端縁データを抽出し、抽出した端縁データに基づいて各
端縁を直線近似した端縁近似直線または曲線近似した端
縁近似曲線を求め、前記抽出した端縁データと求めた端
縁近似直線または端縁近似曲線との距離を求め、求めた
距離が所定の閾値以下である端縁データを前記抽出した
端縁データから選択し、選択した端縁データに基づいて
各端縁を直線近似した端縁近似直線または曲線近似した
端縁近似曲線を求め、各端縁に対応している端縁近似直
線または端縁近似曲線の交点を前記溶接位置として決定
することを特徴とする。
【0020】請求項2に係る溶接位置の決定方法は、請
求項1において、端縁データと求めた端縁近似直線また
は端縁近似曲線との距離を求め、求めた距離が所定の閾
値以下である端縁データを前記端縁データから選択し、
選択した端縁データに基づいて各端縁を直線近似した端
縁近似直線または曲線近似した端縁近似曲線を求めるこ
とを、複数回繰り返すことを特徴とする。
【0021】請求項3に係る溶接位置の決定装置は、帯
状金属板をその長手方向に移動させ、該帯状金属板をそ
の幅方向の両側端縁が相対向するように湾曲させてオー
プンパイプ状に形成し、両側端縁の端面衝合部にエネル
ギビームを照射して端面衝合部を溶接する際に、前記エ
ネルギビームを照射すべき溶接位置を決定する装置にお
いて、前記端面衝合部より前記帯状金属板の移動方向上
流側における帯状金属板の両側端縁を撮像する撮像手段
と、該撮像手段により撮像した両側端縁夫々の端縁位置
を示す複数の端縁データを抽出する手段と、抽出した端
縁データに基づいて各端縁を直線近似した端縁近似直線
または曲線近似した端縁近似曲線を求める手段と、前記
抽出した端縁データと求めた端縁近似直線または端縁近
似曲線との距離を求める手段と、求めた距離が所定の閾
値以下である端縁データを前記抽出した端縁データから
選択する手段と、選択した端縁データに基づいて各端縁
を直線近似した端縁近似直線または曲線近似した端縁近
似曲線を求める手段と、各端縁に対応している端縁近似
直線または端縁近似曲線の交点を前記溶接位置として決
定する手段とを備えることを特徴とする。
【0022】請求項4に係る溶接管の製造方法は、帯状
金属板をその長手方向に移動させ、該帯状金属板をその
幅方向の両側端縁が相対向するように湾曲させてオープ
ンパイプ状に形成し、両側端縁の端面衝合部にエネルギ
ビームを照射して端面衝合部を溶接する溶接管の製造方
法において、前記端面衝合部より前記帯状金属板の移動
方向上流側における帯状金属板の両側端縁を撮像し、撮
像した両側端縁夫々の端縁位置を示す複数の端縁データ
を抽出し、抽出した端縁データに基づいて各端縁を直線
近似した端縁近似直線または曲線近似した端縁近似曲線
を求め、前記抽出した端縁データと求めた端縁近似直線
または端縁近似曲線との距離を求め、求めた距離が所定
の閾値以下である端縁データを前記抽出した端縁データ
から選択し、選択した端縁データに基づいて各端縁を直
線近似した端縁近似直線または曲線近似した端縁近似曲
線を求め、各端縁に対応している端縁近似直線または端
縁近似曲線の交点を求め、求めた交点のデータに基づい
て前記エネルギビームの照射位置を前記移動方向と交差
する方向へ移動させることを特徴とする。
【0023】請求項5に係る溶接管の製造方法は、請求
項4において、端縁データと求めた端縁近似直線または
端縁近似曲線との距離を求め、求めた距離が所定の閾値
以下である端縁データを前記端縁データから選択し、選
択した端縁データに基づいて各端縁を直線近似した端縁
近似直線または曲線近似した端縁近似曲線を求めること
を、複数回繰り返すことを特徴とする。
【0024】請求項6に係る溶接管の製造装置は、帯状
金属板をその長手方向に移動させ、該帯状金属板をその
幅方向の両側端縁が相対向するように湾曲させてオープ
ンパイプ状に形成し、両側端縁の端面衝合部にエネルギ
ビームを照射して端面衝合部を溶接する溶接管の製造装
置において、エネルギビームを出射するエネルギビーム
出射手段と、前記端面衝合部より前記帯状金属板の移動
方向上流側における帯状金属板の両側端縁を撮像する撮
像手段と、該撮像手段により撮像した両側端縁夫々の端
縁位置を示す複数の端縁データを抽出する手段と、抽出
した端縁データに基づいて各端縁を直線近似した端縁近
似直線または曲線近似した端縁近似曲線を求める手段
と、前記抽出した端縁データと求めた端縁近似直線また
は端縁近似曲線との距離を求める手段と、求めた距離が
所定の閾値以下である端縁データを前記抽出した端縁デ
ータから選択する手段と、選択した端縁データに基づい
て各端縁を直線近似した端縁近似直線または曲線近似し
た端縁近似曲線を求める手段と、各端縁に対応している
端縁近似直線または端縁近似曲線の交点を求める手段
と、求めた交点のデータに基づいて前記エネルギビーム
出射手段を前記移動方向と交差する方向へ移動させる手
段とを備えることを特徴とする。
【0025】本発明では、帯状金属板の移動方向上流側
位置で、帯状金属板の幅方向に対向する端縁を撮像す
る。撮像した画像を画像処理して帯状金属板の両側端縁
位置を示す複数の端縁データを抽出する。抽出した端縁
データにより両側端縁夫々の端縁近似直線または端縁近
似曲線を算出する。算出した両側端縁夫々の端縁近似直
線または端縁近似曲線と、抽出した全ての端縁データと
の距離を求める。求めた距離が所定値以内であるような
端縁データを選択する。選択した端縁データのみにより
両側端縁夫々の端縁近似直線または端縁近似曲線を再び
算出する。この距離を求める処理、端縁データを選択す
る処理及び端縁近似直線または端縁近似曲線を再び算出
する処理からなる一連の処理を1または複数回繰り返
す。そして、一側端縁に対応する端縁近似直線または端
縁近似曲線と、他側端縁に対応する端縁近似直線または
端縁近似曲線との交点を算出し、算出した交点を溶接位
置(端面衝合部)として検出する。また、算出した交点
データに応じて、帯状金属板に照射するエネルギビーム
を帯状金属板の移動方向と交差する方向へ移動させる。
【0026】抽出された端縁データの全てが真の端縁を
表すデータであるとは限らない。そこで本発明では、端
縁データの中で端縁近似直線または端縁近似曲線から大
きく離れている端縁データ、つまり、真の端縁を表さな
い誤抽出された端縁データは、異常なデータと判断し
て、端縁データから削除する。そして、このような誤っ
た端縁データを除去した後、正確に端縁を表す残った真
の端縁データにより端縁近似直線または端縁近似曲線を
求める。よって、正確に端縁を表す端縁データのみから
求められる端縁近似直線または端縁近似曲線もまた近似
度が良好であり、左右の端縁近似直線または端縁近似曲
線の交点として求められる溶接位置も極めて精度が高く
なる。そして、溶接位置を正確に決定できるので、その
端面衝合部に追従してエネルギビームを照射でき、高い
溶接精度が得られる。
【0027】なお、端縁データと求めた端縁近似直線ま
たは端縁近似曲線との距離を求め、求めた距離が所定の
閾値以下である端縁データのみを選択し、選択した端縁
データに基づいて各端縁を直線近似した端縁近似直線ま
たは曲線近似した端縁近似曲線を求めることを、複数回
繰り返すことにすれば、溶接位置の決定精度、及び、エ
ネルギビームの追従精度を高くすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0029】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態の模式的構成図である。図1において、
図16と同一構成部分には同一番号及び同一符号を付し
ている。溶接管10を製造する際の原材としての帯状金
属板からなる被溶接材1は、オープンパイプ状に曲成さ
れながら矢符方向(図面左方向)へ移動されるようにな
っている。曲成された被溶接材1の端面衝合部Wの上方
には、端面衝合部Wに向けてレーザ光LBを照射するレ
ーザヘッド2が配設されている。このレーザヘッド2
は、サーボモータ9の駆動により、被溶接材1の移動方
向と直交する方向に移動可能になしてある。なお、サー
ボモータ9はシーケンサ8からの制御信号に応じて駆動
する。
【0030】端面衝合部Wの位置から被溶接材1の移動
方向の上流側へ適長離隔した位置の上方には、撮像領域
Xを縦,横数十mmの矩形領域に調整した数十万画素の
2次元のCCDカメラ3が、その受光面を被溶接材1側
に向けて設置されている。なお、CCDカメラ3の水平
走査方向を被溶接材1の移動方向と直交する方向に一致
させて、CCDカメラ3は固定されている。これによ
り、CCDカメラ3は一水平走査で被溶接材1の左右の
端縁の各データが得られるようになっており、水平走査
線を480本とすれば、左右の端縁夫々について480
点の端縁データが得られるようになっている。
【0031】CCDカメラ3の左,右側方には光源4,
4が配設されており、光源4,4の出射光は撮像領域X
及びその付近を照明するようになっている。CCDカメ
ラ3が撮像した撮像データはパーソナルコンピュータP
Cの画像処理部5へ入力される。画像処理部5は、入力
された撮像データによる画像に対して前処理,微分処理
等の画像処理を施し、撮像した被溶接材1の端縁の所要
点数(左右夫々480点ずつ)の端縁データを抽出する
ようになっている。この画像処理部5で抽出された端縁
データは演算部6へ入力される。
【0032】演算部6は、入力された端縁データによ
り、左,右各端縁の端縁近似直線または端縁近似曲線を
示す直線データまたは曲線データを算出すると共に、左
端縁の端縁近似直線または端縁近似曲線と右端縁の端縁
近似直線または端縁近似曲線との交点のデータを算出す
るようになっている。本発明の特徴部分である該演算部
6における演算処理の詳細は後に詳述する。
【0033】交点のデータは演算部6から出力部7へ送
られ、更にその交点のデータが溶接位置を示すディジタ
ル信号としてシーケンサ8へ入力される。シーケンサ8
は、入力されるディジタル信号に応じた制御信号をサー
ボモータ9へ出力する。そして、この制御信号に従った
駆動により、レーザヘッド2が被溶接材1の移動方向と
直交する方向へ移動されるようになっている。
【0034】次に、このように構成したレーザ溶接装置
により、レーザ溶接を行う動作を説明する。図2,図3
は、本発明の特徴部分である画像処理による溶接位置の
決定手順を示すフローチャートである。
【0035】帯状金属板からなる被溶接材1をオープン
パイプ状に曲成しつつ矢符方向へ移動させて、レーザ光
の照射位置で被溶接材1の端面を衝合させ、端面衝合部
Wを形成する。光源4,4から光を撮像領域Xの近傍に
投射して被溶接材1の端縁を明瞭に判別できるようにし
た状態で、CCDカメラ3により撮像領域Xを撮影し、
その撮影画像を画像処理部5へ入力する(ステップS
1)。画像処理部5は、入力された撮影画像に対してま
ず前処理を施す(ステップS2)。前処理は、例えば画
像のノイズ成分を軽減するための平滑化処理,画像処理
範囲を決定するための処理等を含む。
【0036】次に、その画像に微分処理を施す(ステッ
プS3)。この微分処理は、原画像の輝度コントラスト
を強調するための処理である。そして、微分処理後の画
像において最大値または最小値を持つ点が最もコントラ
ストが大きい点となる。480本の各走査線毎に、左右
夫々の端縁候補点を抽出する(ステップS4)。具体的
には、各走査線毎に最大値をとる座標X1 〜X480 を左
端縁候補点として抽出し、また、各走査線毎に最小値を
とる座標x1 〜x480 を右端縁候補点として抽出する。
抽出された480点ずつの左端縁候補点及び右端縁候補
点は、画像処理部5から演算部6へ出力される。
【0037】演算部6では、480点の左端縁候補点の
座標X1 〜X480 に基づいて、左端縁(図1の端縁A)
を示す左端縁近似直線または左端縁近似曲線を算出する
(ステップS5)。次に、内部に備えたカウンタの値C
を1に設定する(ステップS6)。算出した左端縁近似
直線または左端縁近似曲線と480点の左端縁候補点
(座標X1 〜X480 )との距離D1 〜D480 を算出する
(ステップS7)。
【0038】算出した各距離D1 〜D480 を所定の閾値
1 と比較し、対応する距離D1 〜D480 がその閾値T
1 以下である左端縁候補点のみを正確な左端縁候補点と
して選択する(ステップS8)。図4にこの選択の概念
を示す。図4において、×印を付した点が、ステップS
4で左端縁候補点として抽出した点であり、線L1 がス
テップS5で算出した左端縁近似直線または左端縁近似
曲線である。この線L 1 からの距離が閾値T1 以下であ
る左端縁候補点(図4では○印を付した3点以外の点)
を、正確な左端縁候補点として選択する。つまり、48
0個の左端縁候補点の中で左端縁近似直線または左端縁
近似曲線から大きく離れている点(図4では○印を付し
た3点)については異常点であると判断して、これらの
左端縁候補点を480個の左端縁候補点から除去する。
なお、図4は候補点を選択する概念図を示したものであ
り、画像の明暗を示したものではない。
【0039】次に、左端縁近似直線または左端縁近似曲
線までの距離が閾値T1 以下であって正常な左端縁候補
点と判断されて選択された左端縁候補点の座標に基づい
て、左端縁を示す左端縁近似直線または左端縁近似曲線
を再度算出する(ステップS9)。図4の線L2 がステ
ップS9で再度算出した左端縁近似直線または左端縁近
似曲線を示す。そして、カウンタの値Cに1を加算する
(ステップS10)。カウンタの値Cが所定数CT に達
しているか否かを判定し(ステップS11)、達してい
れば、ステップS9で算出した左端縁近似直線または左
端縁近似曲線を左仮想端縁と決定する(ステップS1
2)。
【0040】一方、カウンタの値Cが所定数CT に達し
ていない場合には、ステップS7に処理が戻って、その
値Cが所定数CT に達するまで、ステップS7〜S10
の処理を繰り返す。即ち、ステップS9で算出した左端
縁近似直線または左端縁近似曲線と左端縁候補点(削除
済みの点は除く)との距離を算出し、その距離が閾値T
k (k=2,…,CT −1)以下である点のみを正常な
左端縁候補点として選択し、それらの正常な左端縁候補
点に基づいて左端縁近似直線または左端縁近似曲線を算
出し、カウンタの値Cに1を加算し、その値CがCT
達しているか否かを判定するという処理を繰り返す。
【0041】また、演算部6では、上述した左端縁の場
合と同様に、480点の右端縁候補点の座標x1 〜x
480 に基づいて、右端縁(図1の端縁B)を示す右端縁
近似直線または右端縁近似曲線を算出し(ステップS1
3)、内部に備えたカウンタの値cを1に設定した後
(ステップS14)、算出した右端縁近似直線または右
端縁近似曲線と480点の右端縁候補点(座標x1 〜x
480 )との距離d1 〜d48 0 を算出する(ステップS1
5)。
【0042】算出した各距離d1 〜d480 を所定の閾値
1 と比較し、距離距離d1 〜d48 0 がその閾値t1
下である右端縁候補点のみを正確な右端縁候補点として
選択する(ステップS16)。この際の選択処理は、上
述した左端縁の場合と同様であり、480個の右端縁候
補点の中で右端縁近似直線または右端縁近似曲線から大
きく離れている点については異常点であると判断して、
これらの右端縁候補点を480個の右端縁候補点から除
去する。
【0043】次に、上述した左端縁の場合と同様に、右
端縁近似直線または右端縁近似曲線までの距離が閾値t
1 以下であって正常な右端縁候補点と判断されて選択さ
れた右端縁候補点の座標に基づいて、右端縁を示す右端
縁近似直線または右端縁近似曲線を再度算出し(ステッ
プS17)、カウンタの値cに1を加算した後(ステッ
プS18)、カウンタの値cが所定数ct に達している
か否かを判定する(ステップS19)。達していれば、
算出した右端縁近似直線または右端縁近似曲線を右仮想
端縁と決定する(ステップS20)。一方、カウンタの
値cが所定数c t に達していない場合には、上述した左
端縁の場合と同様に、ステップS15に処理が戻って、
その値cが所定数ct に達するまで、ステップS15〜
S18の処理を繰り返す。
【0044】ここで、ステップS5,S9,S13,S
17で行われる近似直線または近似曲線の算出方法につ
いて説明する。直線または曲線の近似方法は多数存在す
るが、最も一般的な方法として多項式近似がある。これ
は、下記(1)式で表わされるn次関数の直線または曲
線に対し、誤差が最小となるような係数ai (i=0〜
n)を決定する方法である。nが大きくなるに従い、よ
り高精度な曲線が得られるが、nが大きすぎると、演算
に長い時間を要するため、ある程度の折り合いのところ
で実施する必要がある。
【0045】
【数1】
【0046】次いで、ステップS12で決定した左仮想
端縁を示す左端縁近似直線または右端縁近似曲線と、ス
テップS20で決定した右仮想端縁を示す右端縁近似直
線または右端縁近似曲線との交点を、溶接位置として算
出する(ステップS21)。算出された交点のデータ
が、演算部6から出力部7へ入力される(ステップS2
2)。
【0047】そして、その交点のデータに応じた溶接位
置を示すディジタルの信号を、出力部7はシーケンサ8
へ出力する。シーケンサ8から、入力されるディジタル
信号に応じた制御信号がサーボモータ9へ出力され、こ
の制御信号に従ったサーボモータ9の駆動により、レー
ザヘッド2が被溶接材1の移動方向と直交する方向へ移
動され、レーザヘッド2が出射するレーザ光が端面衝合
部Wへ正しく照射され、端面衝合部Wを溶接することに
なる。また、サーボモータ9からシーケンサ8へレーザ
ヘッド2に対する駆動信号がフィードバックされる。
【0048】以上のような動作が連続的に行われる結
果、レーザヘッド2は端面衝合部Wに追従することにな
り、レーザヘッド2からのレーザ光の照射点が溶接位置
の変動に追従し、端面衝合部Wと照射したレーザ光との
ずれが生じず、溶接精度を大幅に向上させることができ
る。
【0049】なお、上述したカウンタの所定数CT ,c
t の値は2以上であれば任意の数であって良く、このC
T ,ct は、各端縁候補点と近似直線または近似曲線と
の距離の算出、正常な端縁候補点の選択、新たな近似直
線または近似曲線の算出という一連の処理(ステップS
7〜S9,S15〜S17)を何回繰り返すかを設定す
る数であり、大きな数に設定すれば、正常な端縁候補点
の抽出精度が向上し、その結果、左右端縁を示す近似直
線または近似曲線もより正確に算出できるようになる。
【0050】ところで、本発明の溶接位置の決定動作
は、左右端縁を2次元的に撮影し、多数の端縁候補点を
抽出することにより有効なものとなる。よって、端縁候
補点を抽出する際に、必ずしも上述したように480本
の全走査線を使う必要はないが、少なくとも20本以
上、可能であれば120本以上の走査線を使用すること
が良い。
【0051】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施の形態の模式的構成図である。図5において、
図1と同一構成部分には同一番号及び同一符号を付して
いる。前述した第1の実施の形態では、光源4,4を被
溶接材1の上方に設けてその照明を上側から行うように
したが、図5にその構成を示す第2の実施の形態では、
光ファイバ15を用いて被溶接材1の内部からその照明
を行っている。
【0052】曲成された被溶接材1から溶接管10内に
は、マンドレルバー12が挿入されており、マンドレル
バー12の先端は溶接位置より少し下流側に位置決めさ
れ、その先端部に溶接管10の内面のビードを切削する
ための切削用バイト12aが取り付けられている。ま
た、マンドレルバー12内に、外部光源14にその一端
が接続された光ファイバ15が導入されている。光ファ
イバ15はマンドレルバー12の空洞部まで延在し、そ
の他端は、発光面を上方に向けて、固定座13上の支持
部材17に支持された発光部16に接続している。発光
部16はCCDカメラ3の下方に位置決めされている。
また、発光部16の上方には、発光部16を保護する保
護部材18が支持部材17に支持されて設けられてい
る。そして、発光部16からの光が、保護部材18,マ
ンドレルバー12の穴19を通ってCCDカメラ3下方
の被溶接材1に照射され、CCDカメラ3の撮影領域及
びその付近を照明するようになっている。更に、11は
冷却水を被溶接材1内に供給する導水管である。
【0053】図5に示す各構成部材の仕様の具体例とし
ては、CCDカメラ3が768×494画素の2次元モ
ノクロCCDカメラであって、その撮影視野は約30m
m×30mmであり、溶接位置より約100mm上流側
の被溶接材1を撮影する。また、走査線の本数は第1の
実施の形態と同じ480本である。また、発光部16の
発光面は60mm×60mmである。画像ボードはCO
MET(商品名,MATROX社製)であり、パーソナ
ルコンピュータPCはDOS/V機(Pentium−
90MHz)を使用する。
【0054】次に、溶接位置の決定動作及びレーザヘッ
ド2の溶接位置への追従動作について説明する。帯状金
属板からなる被溶接材1をオープンパイプ状に曲成しつ
つ矢符方向へ移動させて、レーザ光の照射位置で被溶接
材1の端面を衝合させ、端面衝合部を形成する。光ファ
イバ15に連なる受光部16から光を撮像領域の近傍に
投射して被溶接材1の端縁を明瞭に判別できるようにし
た状態で、CCDカメラ3により撮像領域を撮影し、そ
の撮影画像を画像処理部5へ入力する。以下の動作は、
上述した第1の実施の形態(図2,図3のフローチャー
ト)と同じであるので、その説明は省略する。
【0055】なお、例えば本例では、図2,図3でのフ
ローチャートにおいて、CT =ct=3とし、左右端縁
夫々について、各端縁候補点と近似直線または近似曲線
との距離の算出、正常な端縁候補点の選択、新たな近似
直線または近似曲線の算出という一連の処理(ステップ
S7〜S9,S15〜S17)を2回繰り返す。この
際、例えば本例では、ステップS8,S16での最初の
閾値をT1 =t1 =3.5画素とし、2回目の閾値をT
2 =t2 =1.5画素として、左右端縁の近似直線また
は近似曲線を夫々求める。
【0056】次に、本発明例と従来例との比較について
説明する。図6は、本発明例(近似直線または近似曲線
との距離が閾値より大きいような端縁候補点は除去し
て、新たに近似直線または近似曲線を算出する例)にお
ける、溶接位置へ追従させるためのレーザヘッド2に対
する指示の経時変化を示すグラフである。また、図7
は、従来例(本発明のような端縁候補点の除去・選択処
理を行わない特願平7−353884号で提案した近似
直線または近似曲線の算出例)における、溶接位置へ追
従させるためのレーザヘッド2に対する指示の経時変化
を示すグラフである。本発明例では従来例と比較して、
明らかに指示のばらつきが小さくなっている。これは、
溶接位置の決定精度が向上したことに起因している。
【0057】ところで、被溶接材1の端面衝合部とレー
ザ光照射位置との許容誤差を考えると、レーザ光のスポ
ット径は0.6mmであるので、端面衝合部はこの0.
6mmの範囲内に位置させる必要があり、レーザヘッド
2の制御精度は単純には±0.3mmが必要となる。し
かし、CCDカメラ3の撮像誤差,レーザヘッド2を駆
動するサーボモータ9の駆動誤差等の誤差要因も考慮す
ると、光学的な誤差は±0.1mm以下である必要があ
る。
【0058】良好な撮影条件時には、本発明例と従来例
とにおいて明瞭な差異は見られないが、端縁周辺部の研
磨が不充分である場合、または、特に肉厚部において
油,スケール等によって汚れがひどい場合には、本発明
例と従来例とでは0.2〜0.5mm程度の指示の違い
がある。この値は、上述したようにレーザ溶接において
必要とされる溶接位置の決定精度(0.1mm程度)か
ら考えると充分に大きい。よって、本発明のように端縁
候補点の除去・選択処理を行わない場合には、連続的に
良好な溶接品質を保つレーザ溶接管の製造は不可能であ
る。これに対して、本発明では、正常な端縁候補点のみ
に基づいて端縁近似直線または端縁近似曲線を求めるの
で、端面衝合部とレーザ光照射位置との誤差を0.1m
m以内に確保でき、高い溶接精度が得られることにな
る。
【0059】なお、上述した実施の形態では、エネルギ
ビームとしてレーザ光を利用する場合について説明した
が、電子ビーム等、他のエネルギビームを用いる場合に
ついても同様に行えることは勿論である。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の溶接位置の
決定方法及び装置では、抽出した端縁データに基づいて
端縁の近似直線または近似曲線を一旦算出し、その算出
した近似直線または近似曲線と端縁データとの距離を所
定値と比較し、距離が所定値より大きい端縁データは削
除して距離が所定値以下である端縁データのみを選択
し、その選択した端縁データに基づいて端縁の近似直線
または近似曲線を再度算出するようにしたので、正確に
端縁を表す端縁データのみから左右の端縁近似直線また
は端縁近似曲線を算出し、それらの交点として溶接位置
を決定することができ、製管条件または成形条件が変動
する場合、または、端縁に汚れが付着している場合等に
おいても、正確にその溶接位置を決定でき、その決定精
度は高くなる。
【0061】また、本発明の溶接管の製造方法及び装置
では、上述した手法にて高精度に決定した溶接位置に応
じて、帯状金属板に照射するエネルギビームを帯状金属
板の移動方向と交差する方向へ移動するようにしたの
で、端面衝合部に高精度にエネルギビームを照射でき、
溶接管を連続的に良好な条件で製造することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接管の製造装置の第1の実施の
形態の模式的構成図である。
【図2】本発明に係る溶接位置の決定方法の手順を示す
フローチャートである。
【図3】本発明に係る溶接位置の決定方法の手順を示す
フローチャートである。
【図4】本発明に係る溶接位置の決定方法における端縁
候補点と仮想近似直線(曲線)と閾値との関係を示す説
明図である。
【図5】本発明に係る溶接管の製造装置の第2の実施の
形態の模式的構成図である。
【図6】本発明に係る溶接管の製造方法における溶接位
置への追従のためのレーザヘッドに対する指示の経時変
化を示すグラフである。
【図7】従来例の溶接管の製造方法における溶接位置へ
の追従のためのレーザヘッドに対する指示の経時変化を
示すグラフである。
【図8】レーザ光を用いて溶接管を製造する状態を示す
斜視図である。
【図9】従来のシーム倣い制御方法の説明図である。
【図10】被溶接材の端縁の模式的拡大図である。
【図11】被溶接材の端縁の模式的拡大図である。
【図12】溶接時における被溶接材上面の模式図であ
る。
【図13】被溶接材の端縁の状態図である。
【図14】オープンパイプ状に曲成された帯状金属板の
端縁の状態図である。
【図15】端面衝合部と中間点を通る直線とのずれが発
生する説明図である。
【図16】従来の溶接管の製造装置の模式的構成図であ
る。
【図17】溶接管の内外面の端縁の輝度コントラストが
大きい場合の撮影画像例と輝度プロフィールとを示す図
である。
【図18】溶接管の内外面の端縁の輝度コントラストが
小さい場合の撮影画像例と輝度プロフィールとを示す図
である。
【符号の説明】
1 被溶接材 2 レーザヘッド 3 CCDカメラ 4 光源 5 画像処理部 6 演算部 7 出力部 8 シーケンサ 9 サーボモータ 10 溶接管 14 外部光源 15 光ファイバ 16 発光部 PC パーソナルコンピュータ W 端面衝合部 A,B 端縁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状金属板をその長手方向に移動させ、
    該帯状金属板をその幅方向の両側端縁が相対向するよう
    に湾曲させてオープンパイプ状に形成し、両側端縁の端
    面衝合部にエネルギビームを照射して端面衝合部を溶接
    する際に、前記エネルギビームを照射すべき溶接位置を
    決定する方法において、前記端面衝合部より前記帯状金
    属板の移動方向上流側における帯状金属板の両側端縁を
    撮像し、撮像した両側端縁夫々の端縁位置を示す複数の
    端縁データを抽出し、抽出した端縁データに基づいて各
    端縁を直線近似した端縁近似直線または曲線近似した端
    縁近似曲線を求め、前記抽出した端縁データと求めた端
    縁近似直線または端縁近似曲線との距離を求め、求めた
    距離が所定の閾値以下である端縁データを前記抽出した
    端縁データから選択し、選択した端縁データに基づいて
    各端縁を直線近似した端縁近似直線または曲線近似した
    端縁近似曲線を求め、各端縁に対応している端縁近似直
    線または端縁近似曲線の交点を前記溶接位置として決定
    することを特徴とする溶接位置の決定方法。
  2. 【請求項2】 端縁データと求めた端縁近似直線または
    端縁近似曲線との距離を求め、求めた距離が所定の閾値
    以下である端縁データを前記端縁データから選択し、選
    択した端縁データに基づいて各端縁を直線近似した端縁
    近似直線または曲線近似した端縁近似曲線を求めること
    を、複数回繰り返すことを特徴とする請求項1記載の溶
    接位置の決定方法。
  3. 【請求項3】 帯状金属板をその長手方向に移動させ、
    該帯状金属板をその幅方向の両側端縁が相対向するよう
    に湾曲させてオープンパイプ状に形成し、両側端縁の端
    面衝合部にエネルギビームを照射して端面衝合部を溶接
    する際に、前記エネルギビームを照射すべき溶接位置を
    決定する装置において、前記端面衝合部より前記帯状金
    属板の移動方向上流側における帯状金属板の両側端縁を
    撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像した両側端
    縁夫々の端縁位置を示す複数の端縁データを抽出する手
    段と、抽出した端縁データに基づいて各端縁を直線近似
    した端縁近似直線または曲線近似した端縁近似曲線を求
    める手段と、前記抽出した端縁データと求めた端縁近似
    直線または端縁近似曲線との距離を求める手段と、求め
    た距離が所定の閾値以下である端縁データを前記抽出し
    た端縁データから選択する手段と、選択した端縁データ
    に基づいて各端縁を直線近似した端縁近似直線または曲
    線近似した端縁近似曲線を求める手段と、各端縁に対応
    している端縁近似直線または端縁近似曲線の交点を前記
    溶接位置として決定する手段とを備えることを特徴とす
    る溶接位置の決定装置。
  4. 【請求項4】 帯状金属板をその長手方向に移動させ、
    該帯状金属板をその幅方向の両側端縁が相対向するよう
    に湾曲させてオープンパイプ状に形成し、両側端縁の端
    面衝合部にエネルギビームを照射して端面衝合部を溶接
    する溶接管の製造方法において、前記端面衝合部より前
    記帯状金属板の移動方向上流側における帯状金属板の両
    側端縁を撮像し、撮像した両側端縁夫々の端縁位置を示
    す複数の端縁データを抽出し、抽出した端縁データに基
    づいて各端縁を直線近似した端縁近似直線または曲線近
    似した端縁近似曲線を求め、前記抽出した端縁データと
    求めた端縁近似直線または端縁近似曲線との距離を求
    め、求めた距離が所定の閾値以下である端縁データを前
    記抽出した端縁データから選択し、選択した端縁データ
    に基づいて各端縁を直線近似した端縁近似直線または曲
    線近似した端縁近似曲線を求め、各端縁に対応している
    端縁近似直線または端縁近似曲線の交点を求め、求めた
    交点のデータに基づいて前記エネルギビームの照射位置
    を前記移動方向と交差する方向へ移動させることを特徴
    とする溶接管の製造方法。
  5. 【請求項5】 端縁データと求めた端縁近似直線または
    端縁近似曲線との距離を求め、求めた距離が所定の閾値
    以下である端縁データを前記端縁データから選択し、選
    択した端縁データに基づいて各端縁を直線近似した端縁
    近似直線または曲線近似した端縁近似曲線を求めること
    を、複数回繰り返すことを特徴とする請求項4記載の溶
    接管の製造方法。
  6. 【請求項6】 帯状金属板をその長手方向に移動させ、
    該帯状金属板をその幅方向の両側端縁が相対向するよう
    に湾曲させてオープンパイプ状に形成し、両側端縁の端
    面衝合部にエネルギビームを照射して端面衝合部を溶接
    する溶接管の製造装置において、エネルギビームを出射
    するエネルギビーム出射手段と、前記端面衝合部より前
    記帯状金属板の移動方向上流側における帯状金属板の両
    側端縁を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像し
    た両側端縁夫々の端縁位置を示す複数の端縁データを抽
    出する手段と、抽出した端縁データに基づいて各端縁を
    直線近似した端縁近似直線または曲線近似した端縁近似
    曲線を求める手段と、前記抽出した端縁データと求めた
    端縁近似直線または端縁近似曲線との距離を求める手段
    と、求めた距離が所定の閾値以下である端縁データを前
    記抽出した端縁データから選択する手段と、選択した端
    縁データに基づいて各端縁を直線近似した端縁近似直線
    または曲線近似した端縁近似曲線を求める手段と、各端
    縁に対応している端縁近似直線または端縁近似曲線の交
    点を求める手段と、求めた交点のデータに基づいて前記
    エネルギビーム出射手段を前記移動方向と交差する方向
    へ移動させる手段とを備えることを特徴とする溶接管の
    製造装置。
JP8351669A 1996-12-27 1996-12-27 溶接位置の決定方法及び装置並びに溶接管の製造方法及び装置 Pending JPH10193148A (ja)

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