JPH10185661A - 1自由度力学系のパラメータ推定装置および方法 - Google Patents

1自由度力学系のパラメータ推定装置および方法

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JPH10185661A
JPH10185661A JP35637196A JP35637196A JPH10185661A JP H10185661 A JPH10185661 A JP H10185661A JP 35637196 A JP35637196 A JP 35637196A JP 35637196 A JP35637196 A JP 35637196A JP H10185661 A JPH10185661 A JP H10185661A
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JP35637196A
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Shinji Wakui
伸二 涌井
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2400/00Indexing codes relating to detected, measured or calculated conditions or factors
    • B60G2400/20Speed
    • B60G2400/206Body oscillation speed; Body vibration frequency
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2400/00Indexing codes relating to detected, measured or calculated conditions or factors
    • B60G2400/60Load
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60G2400/90Other conditions or factors
    • B60G2400/91Frequency

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高精度にモーダルパラメータあるいは物
理パラメータを推定できる。 【解決手段】 物体2に駆動力を付与するアクチュエー
タ5および物体2の物理量を検出するための物理量検出
センサ6を有する1自由度力学系7と、1自由度力学系
のモーダルパラメータまたは物理パラメータを、検出さ
れる物理量に基くコ・クアド線図のデータから得るパラ
メータ推定部10とを備える。物理量検出センサは、位
置センサ、速度センサ、または加速度センサの何れかで
ある。コ・クアド線図のデータは、応答がコンプライア
ンスの場合の実数部のデータ、応答がモビリティの場合
の虚数部のデータ、または応答がイナータンスの場合の
実数部のデータである。あるいは、応答がコンプライア
ンスの場合の実数部のデータをjw変換したデータ、応
答がモビリティの場合の虚数部のデータ、または応答が
イナータンスの場合の実数部のデータを(jw)-1変換
したデータであってもよい。コ・クアド線図のデータの
極大値、極小値およびこれらの差を得、これらの値に基
きモーダルパラメータまたは物理パラメータを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1自由度力学系のパ
ラメータ推定装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】高
度なシミュレーションシステムあるいは高性能な制御シ
ステムの開発のためには、制御対象の動特性を正確に把
握せねばならない。周波数応答分析装置(通称、サーボ
アナライザ)の普及に伴って周波数特性の測定は容易に
なり、実測したボード線図におけるゲイン曲線上の特徴
的ポイントを読み取ることによってパラメータを算出す
る方法が、簡易な1自由度のパラメータ推定法として測
定現場に定着している。一方、1自由度力学系のモーダ
ルパラメータ推定法として、コ・クアド線図を用いる方
法も知られている。同方法によれば、ボード線図利用の
振幅応答法に比較して、近接するモードをより正確に識
別できる、と言われている。しかし、パラメータ推定法
としてボード線図ほどの利用がなされている状況には至
っていない。また、近年、加速度センサ(サーボ式、圧
電式など)や速度センサ(ドップラセンサ、ジオフォン
センサなど)などの振動センサが安価に入手できるよう
になり、対象とする機構ダイナミクスの特性評価やパラ
メータ推定の用にコンプライアンスのみならずモビリテ
ィやイナータンスを測定する場面は頻繁になってきた。
しかし、これらのコ・クアド線図に基づくパラメータ推
定法は、単純な1自由度力学系を対象とするにも拘らず
明確には示されてはいなかった。
【0003】ところでコンピュータを持たない測定現場
では、力学系を1自由度と近似し周波数応答からモーダ
ルパラメータおよび物理パラメータを推定することが多
い。イナータンスを例にとって従来のパラメータ推定法
を示そう。まず、周知のようにイナータンスの伝達関数
i は、1自由度力学系のモデルを示す図3における記
号を使って次式で与えられる。ただし、m[kg]は質
量、c[Ns/m]は粘性摩擦係数、k[N/m]はば
ね定数であり、ωn =(k/m)1/2 、ζ=c/2(m
k)1/2 とおいた。
【0004】
【数1】 ボード線図のゲイン曲線は、図4のようになる。ここ
で、共振倍率MP とこれを与えるfP を読みとり、
(2)式から(5)式までの計算を順次実施していく
と、モーダルパラメータζ、ωおよび物理パラメータ
m、c、kが算出できる。ここで、mは既知とする。
【0005】
【数2】 P とωP の測定によってモーダルパラメータが算出さ
れ、続いて同パラメータと既知のm(質量測定あるいは
機械図面に基づく計算値)を使ってcとkが算出でき
る。したがって、mの確度はc、kの推定精度を支配し
ている。なお、大重量物のmを既知にすることは実際に
は困難なことを付記しておく。トンを越える質量を容易
に測定可能な設備環境は極めて限られる。また、大重量
物を構成する寸法や材料が判れば容易に質量は算出でき
るとも考えられるが、一般には多数の締結用ボルト、電
子機器、ケーブル等が配設されているため簡単ではな
い。
【0006】また、図4より高域ゲインが1/mである
ことを利用してmは算出できるが、主モード近傍に副振
動が重畳してきた場合など、高域ゲインを一定と決めて
数値を読み取る行為は曖昧であり、もちろん、その値を
使うc、kの推定も同様となる。また、共振倍率MP
高域の一定値を基準にした共振ピーク点のゲイン倍率で
あるから、高域読み値の基準決定が上述したように曖昧
であるとMP の値も同様となり、モーダルパラメータお
よび物理パラメータの推定精度に影響を及ぼすことは明
らかである。
【0007】以上のように、従来のモーダルおよび物理
パラメータ推定法には曖昧性が多々あって高精度なパラ
メータの算出は期待できず、したがって、高度なシミュ
レーションシステムや高精度な制御システムの開発を行
なうに際して障害になっていた。
【0008】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、より高精度にモーダルパラメータあるいは
物理パラメータを推定できる1自由度力学系のパラメー
タ推定装置および方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明では、コ・クアド線図を利用するとともに、高精
度のパラメータ推定式に基づいてパラメータ推定を行な
うようにしている。すなわち、ボード線図のゲイン特性
を使用した従来のパラメータ推定に代えて、測定される
応答がコンプライアンスの場合は応答曲線(コ・クアド
線図)の実数部を、モビリティの場合は虚数部を、そし
てイナータンスの場合は実数部をそれぞれ利用するもの
である。周知のように、コ・クアド線図は実数部と虚数
部の各曲線が対となって構成されている。考察の結果、
コンプライアンス、モビリティ、イナータンスという応
答の種類によって利用価値の高い曲線は異なることが判
明した。
【0010】より具体的には、本発明の1自由度力学系
のパラメータ推定装置は、物体に駆動力を付与するアク
チュエータおよび前記物体の物理量を検出するための物
理量検出センサを有する1自由度力学系と、前記1自由
度力学系のモーダルパラメータまたは物理パラメータ
を、検出される前記物理量に基くコ・クアド線図のデー
タから得るパラメータ推定部とを備えたことを特徴とす
る。
【0011】ここで、物理量検出センサは位置、速度、
または加速度の何れかである。パラメータ推定部は、前
記アクチュエータを駆動するための電力増幅器を励磁す
る発振器と、発振器の信号出力タイミングに応じて物理
量検出センサから、応答の種別に対応するデータを取り
込む入出力データ取込み部と、応答の種別に対応させて
前記取り込まれるデータに対する処理を選択する処理選
択部と、この処理選択に応じた所定の演算を行ってモー
ダルパラメータおよび物理パラメータを得る演算手段と
を備える。
【0012】演算手段は、処理選択に応じ、応答の種別
がコンプライアンスの場合は前記コ・クアド線図の実数
部のデータに基いてその極大値ωLc、極小値ωUcおよび
これらの差ΔRec を得るとともにこれらの値に基いて
前記モーダルパラメータおよび物理パラメータを得、前
記応答の種別がモビリティの場合は前記コ・クアド線図
の虚数部のデータに基いてその極大値ωLm、極小値ωUm
およびこれらの差ΔImm を得るとともにこれらの値に
基いて前記モーダルパラメータおよび物理パラメータを
得、そして前記応答の種別がイナータンスの場合は前記
コ・クアド線図の実数部のデータに基いてその極大値ω
Ui、極小値ωLiおよびこれらの差ΔRei を得るととも
にこれらの値に基いて前記モーダルパラメータおよび物
理パラメータを得る。
【0013】他の態様として、演算手段は、応答の種別
がモビリティの場合は前記コ・クアド線図の虚数部のデ
ータに基いて、コンプライアンスの場合は前記コ・クア
ド線図の実数部のデータをjw変換し、この変換したデ
ータに基いて、また、イナータンスの場合は前記コ・ク
アド線図の実数部のデータを(jw)-1変換し、この変
換したデータに基いて、その極大値ωLm、極小値ωUm
よびこれらの差ΔImm を得るとともにこれらの値に基
いて前記モーダルパラメータおよび物理パラメータを得
るものであってもよい。
【0014】なお、入出力データ取込み部には、コンプ
ライアンス、モビリティあるいはイナータンスの応答を
取得するため、発振器の出力と物理量検出センサの出力
が入力信号として取り込まれる。
【0015】また、本発明の1自由度力学系のパラメー
タ推定方法は、1自由度力学系についてのコ・クアド線
図のデータから前記1自由度力学系のモーダルパラメー
タまたは物理パラメータを得るに際し、前記コ・クアド
線図のデータとして、応答がコンプライアンスの場合の
実数部のデータ、応答がモビリティの場合の虚数部のデ
ータ、または応答がイナータンスの場合の実数部のデー
タを用いることを特徴とする。あるいは、前記コ・クア
ド線図のデータとして、応答がコンプライアンスの場合
の実数部のデータをjw変換したデータ、応答がモビリ
ティの場合の虚数部のデータ、または応答がイナータン
スの場合の実数部のデータを(jw)-1変換したデータ
を用いるようにしてもよい。前記コ・クアド線図のデー
タの極大値、極小値およびこれらの差を得、これらの値
に基きモーダルパラメータまたは物理パラメータを得る
ことができる。
【0016】周波数応答を使ってパラメータ推定を行な
う場合、注目するパラメータが変動したとき周波数応答
の曲線上にその影響が敏感に現出するものであることが
望ましい。何故ならば、感度の鈍い曲線よりも敏感な変
化を生じる曲線からの方が、より精度が高いパラメータ
推定が行なえるからである。この点に鑑み、コンプライ
アンス、モビリティ、イナータンスに対するボード線図
とコ・クアド線図のパラメータ感度を比較した結果、何
れも、本発明のようにコ・クアド線図を使用するのが好
ましく、応答の種類に応じてコンプライアンス実数部、
モビリティ虚数部、イナータンス実数部の感度が高いこ
とが判明している。同時に、パラメータ推定のための解
析式も比較的簡単なものが得られたのである。したがっ
て、本発明によれば、従来のボード線図のゲイン曲線を
利用する方法に比較してより高精度なパラメータ推定が
行なえるように作用するのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る1自由度力学
系のパラメータ推定装置を示す。図において、1は設置
基礎である床、2は床からの振動伝達を遮断したい定
盤、3は定盤2を支持するばね要素、4は粘性要素、5
は定盤2に駆動力を与えるアクチュエータ、6は定盤2
の物理量を検出する物理量検出センサであり、これらを
以って1自由度力学系7を構成している。さらに、8は
アクチュエータに電流を通電する電力増幅器、9は物理
量検出センサ6の出力を電気信号に変換する検出器であ
る。
【0019】ここで、アクチュエータ5は電磁タイプで
あるが、これに限定されるものではなく、要は定盤2に
駆動力を付与できるものであればよい。また物理量検出
センサ6は、位置センサ、速度センサ、加速度センサの
うちの何れかとする。物理量検出センサ6が位置センサ
の場合で、電力増幅器8の入力から検出器9の出力まで
の応答が測定されると、応答種別はコンプライアンスと
なり、物理量検出センサ6が速度センサの場合はモビリ
ティに、そして物理量検出センサ6が加速度センサの場
合にはイナータンスとなる。10はモーダルパラメータ
および物理パラメータを推定するパラメータ推定部であ
り、その詳細な構造については順を追って説明する。
【0020】まず、質量がm[kg]の物体が、ばね定
数がk[N/m]のばねおよび粘性摩擦係数がc[Ns
/m]の粘性要素によって支持されている1自由度力学
系を対象として、外力F[N]から変位x[m]、速度
【0021】
【外1】 [m/s]または加速度
【0022】
【外2】 [m/s2 ]までの応答を吟味する。すなわちコンプラ
イアンス、モビリティ、イナータンスの各応答である。
コンプライアンスGc については既に(1)式で伝達関
数を与えてあるが、モビリティGm 、イナータンスGi
は次式のように表現される。
【0023】
【数3】 図5にコンプライアンス、モビリティ、イナータンスの
ボード線図およびコ・クアド線図の形状を示す。曲線の
最大・最小値を与える角周波数は、各応答関数をωに関
して微分しそれを零となす解である。極値は同解を代入
することにより求められる。これらの関係式は図中に書
き込んでおこう。
【0024】さて、モーダルパラメータや物理パラメー
タなどのパラメータ推定を行なう場合、ボード線図のゲ
イン曲線、コ・クアド線図の実数部あるいは虚数部のい
ずれかの使用が考えられる。従来から、ボード線図のゲ
イン曲線を使うことによってパラメータ推定が行なわれ
ていることは既に述べた。パラメータ推定の精度を気に
しなければボード線図のゲイン曲線の使用で事は足りて
しまう。しかしながらボード線図の使用時に比べてより
高精度でパラメータ推定を行なおうと考えた場合にはコ
・クアド線図を用いるべきである。さらに、コ・クアド
線図は実数と虚数部の曲線の対であるが、応答の種類に
応じてその使い分けが必要である。コ・クアド線図の使
用がボード線図のそれに勝り、コ・クアド線図の中でも
応答の種類に応じて実数部と虚数部のどちらか一方を使
った方が良い。この理由はパラメータ感度を使って明ら
かにすることができる。その手法の詳細については、特
願平8−14777号(平成8年1月4日出願)を参照
されたい。結果のみ述べると、コンプライアンス、モビ
リティ、イナータンスの何れの応答も、ボード線図とコ
・クアド線図のパラメータ感度を比較すると後者の方が
高いことが判明する。さらに、コ・クアド線図の中での
感度比較では、コンプライアンスでは実数部が、モビリ
ティでは虚数部が、そしてイナータンスでは実数部の感
度が高い。そこで、パラメータ推定に際しては、パラメ
ータ感度の高い応答曲線を用いれば高精度の推定が期待
できるのである。従来、コンプライアンスの実数部、モ
ビリティの虚数部、そしてイナータンスの実数部から各
パラメータを算出する推定式は知られていなかったので
整理して以下に示す。
【0025】
【数4】
【0026】
【数5】
【0027】
【数6】 なお、図5から明らかなように、コンプライアンスの実
数部、モビリティの虚数部、イナータンスの実数部の各
応答曲線が零を横切る点がωn なのでωLc、ωLm
ωLi、ωUc、ωUm、ωUiを用いたωn の算出は冗長な計
算手続きになるとも考えられる。しかし、一般に周波数
特性は多数の周波数ポイントの測定結果が直線で結ばれ
たものであって、そこからωn を読み取る場合、その近
傍の急激な応答変化に原因して結局のところωn 前後の
測定値を使って補間演算せねばならないことが多い。も
ちろん、測定時の周波数分解能には依存する。したがっ
て、ωn 前後の測定値の読取りと、ωLc、ωLm、ωLi
ωUc、ωUm、ωUiに対するそれとは同じ行為となるが、
後者の場合にはその読取りがΔRec 、ΔImm あるい
はΔRei の測定ともなり、その3つの測定値を使って
モーダルおよび物理パラメータを同時に算出できるもの
である。
【0028】さて、以上の準備をした上で再び図1に戻
って、パラメータ推定部10を構成する各要素について
説明する。図において、11はアクチュエータ5を電力
増幅器8を使って励磁するための発振器、12は発振器
11の発振タイミングと同期した入出力データ取込み
部、13は測定する応答の種類に応じて入出力データに
対する計算処理を変える処理選択部、14cはコンプラ
イアンスの入出力データから実数部のデータを算出する
実数部計算部、14mはモビリティの入出力データから
虚数部のデータを算出する虚数部計算部、14iはイナ
ータンスの入出力データから実数部のデータを算出する
実数部計算部、15cはΔRec 、ωUc、ωLcの変曲点
検出部、15mはΔImm 、ωUm、ωLmの変曲点検出
部、15iはΔRei 、ωUi、ωLiの変曲点検出部、1
6cはコンプライアンスに対するパラメータ算出部、1
6mはモビリティに対するパラメータ算出部、16iは
イナータンスに対するパラメータ算出部である。
【0029】ここで、発振器11からの出力は電力増幅
器8を励磁し、これによりアクチュエータ5が駆動する
ことによって定盤2を変動させる。このときの物理量で
ある位置、速度、加速信号は物理量センサ6で検出さ
れ、検出器9によって電気信号に変換され、入出力デー
タ取込み部12に取り込まれる。測定した応答の種類、
すなわちコンプライアンス、モビリティ、イナータンス
に応じて入出力データ取込み部12に取り込まれたデー
タは処理先を異にするため、処理選択器13によって振
り分けられる。コンプライアンスの場合には選択器13
が左側に倒されて実数部計算部14cにデータが渡さ
れ、変曲点検出部15cにおいて実数部計算部14cの
データからΔRec 、ωUc、ωLcを探索してこれを確定
する。続いてこれら3つのパラメータから(8)〜(1
2)式に基づきパラメータ算出部16cでモーダルパラ
メータωn 、ζおよび物理パラメータm、c、kを算出
する。同様に、モビリティの応答が測定された場合に
は、入出力データ取込み部12のデータは虚数部計算部
14m、変曲点検出部15mへと流れ、パラメータ算出
部16mで(13)〜(17)式に基づいてωn 、ζ、
m、c、kが算出できる。イナータンスの応答を測定し
た場合には、入出力データ取込み部12のデータは実数
部計算部14i、変曲点検出部15iへと流れ、パラメ
ータ算出部16iで(18)〜(22)式に基づいてω
n 、ζ、m、c、kが算出できる。
【0030】最後に、本発明の有用性が検証できる実例
を示す。それは重量測定が不可能な大質量の物体がばね
と粘性要素で支持されている機構系に対するモーダルパ
ラメータおよび物理パラメータの推定例である。物体に
は加速度センサが簡単に装着できるのでイナータンス応
答は容易に測定できる。図6にボード線図の実測例を示
す。同図より、主共振の上で15Hz近傍に副振動が存
在し、そこから高周波数に向かって徐々にゲインの低下
をみせていることが分かる。高域のゲイン平坦性を仮定
し、それを読み取ることは多分に恣意的となる。そこ
で、ボード線図をコ・クアド線図へと変換して図7を得
る。ここでもイナータンス実数部の高域平坦部の値を読
み取ることによってmは算出できる。しかし、実測の高
域は副振動の影響で平坦であるべき応答が低下してお
り、その読み取りが困難である。したがって、(18)
式〜(22)式に基づきパラメータを算出する。実数部
応答から、ΔRei =2.60958[V/V]、fLi
=4.3027[Hz]、fUi=6.0255[Hz]
の数値が読み取れた。ここで、ω=2πfであり、外力
Fを発生させて、質量mを駆動する駆動力変換定数kt
と、加速度
【0031】
【外3】 の検出感度ka の実際の値を考慮してfn =ωn /2π
=4.952[Hz]、ζ=0.162、m=2.43
[t]、c=2.449x104 [Ns/m]、k=
2.348x106 [N/m]を得る。ここで、機械図
面に基づき大物構造物のみ計算値を積み上げると2.0
9[t]を得、ボード線図の振幅応答において高域のゲ
イン平坦性を仮定して算出すると3.17[t]を得
た。後者の算出結果は明らかに過大であり、しかもゲイ
ン読み値が1dB異なるだけで約340[kg]の推定
差を招いた。前者の結果には、計算値に算入していない
ものが明らかに含まれ、実際の質量はこれより大である
ことは確かなので、結局のところm=2.43[t]の
数値は3つの方法で求めた値の中で一番信頼できるもの
となっている。
【0032】
【他の実施例】図1の例では、モーダルパラメータおよ
び物理パラメータの推定に際して、コンプライアンスの
場合はコ・クアド線図の実数部を、モビリティの場合は
虚数部を、イナータンスの場合は実数部を使うように構
成されている。しかし(13)式〜(17)式を参照し
て明らかなように、モビリティの場合のパラメータ推定
式は他の2種のものに比較して簡便である。したがっ
て、イナータンスの場合は取得データに(jω)-1の変
換を、コンプライアンスの場合は取得データにjωの変
換を施し、すべての応答をモビリティの応答となすこと
によって、簡便な計算によってパラメータ推定が可能と
なる。モビリティ応答が直接的に測定することができ
ず、コンプライアンスまたはイナータンスの応答しか測
定することができない場合であって、簡単な計算によっ
て物理パラメータを算出するときには便利となる。した
がって、本実施例の構成は図2のようになる。
【0033】同図において、処理選択部13までのデー
タの流れは図1と同様である。コンプライアンスの測定
がなされた場合、処理選択部13のスイッチはjω変換
部17を選択する。これにより測定データは、jω変換
部17においてモビリティの応答に変換され、続いて虚
数部計算部14m、変曲点検出部15mでの処理を経由
し、最終的にはパラメータ計算部16mにおいて(1
3)〜(17)式に従ったパラメータ推定に供される。
イナータンスの測定が行なわれた場合には、処理選択部
13のスイッチは(jω)-1変換部18を選択する。し
たがって、測定データは、モビリティの応答に変換さ
れ、続いて虚数部計算部14m、変曲点検出部15mで
の処理を経由し、最終的にはパラメータ計算部16mに
おける同様のパラメータ推定に供される。
【0034】(13)〜(17)式のパラメータ推定式
は、コンプライアンスの場合のパラメータ推定を与える
(8)〜(12)式やイナータンスの場合のパラメータ
推定を与える(18)〜(22)式の何れと比較しても
簡単である。したがって、計算負荷の軽減のみならず、
コンプライアンス、モビリティ、イナータンスという応
答の種類に依らない同一のデータ処理ルーチンを設ける
ことができるという理由により、パラメータ推定部10
をハードないしはソフトによって実現する際の実装負担
も軽減できる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果がある。
【0036】(1)従来、モーダルパラメータおよび物
理パラメータを推定する際には、ボード線図を測定する
場面がほとんどであったが、パラメータ推定精度の観点
からコ・クアド線図を使用すべきことを示した。しか
も、同線図は実数部と虚数部の対であるが、本発明で
は、コンプライアンスの場合は実数部を、モビリティの
場合は虚数部を、そしてイナータンスの場合は実数部の
みを算出すればよいことを明確にした。したがって、パ
ラメータ推定における計算に際して無駄なメモリを必要
としない、という効果がある。
【0037】(2)コンプライアンスの実数部、モビリ
ティの虚数部、そしてイナータンスの実数部の曲線は何
れも急峻であり、変曲点の読み取りに際しては、ボード
線図のゲイン曲線からのデータ読み取りのように曖昧性
が入り込む余地はない。したがって精度が高いパラメー
タ推定が行なえるという効果がある。
【0038】(3)測定される応答がコンプライアンス
の場合は測定データにjωの変換を施し、イナータンス
の場合は(jω)-1の変換をそれぞれ施すことによっ
て、モビリティの応答の場合のデータとなる。モビリテ
ィにおけるパラメータ推定式は他2種のそれに比較して
極めて単純である。したがって、計算コストが低減でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る1自由度力学系のパ
ラメータ推定装置を示す図である。
【図2】 本発明の他の実施例に係る1自由度力学系の
パラメータ推定法およびその制御装置を示す図である。
【図3】 1自由度力学系のモデルを示す図である。
【図4】 イナータンスのボード線図である。
【図5】 コンプライアンス、モビリティ、イナータン
スのボード線図およびコ・クアド線図の形状を示す図で
ある。
【図6】 イナータンスのボード線図の測定例を示す図
である。
【図7】 図6の結果のコ・クアド線図の表示を示す図
である。
【符号の説明】
1:設置基礎である床、2:定盤、3:ばね要素、4:
粘性要素、5:アクチュエータ、6:振動センサ、7:
1自由度力学系、8:電力増幅器、9:検出器、10:
パラメータ推定部、11:発振器、12:入出力データ
取込み部、13:処理選択部、14c:実数部計算部、
14m:虚数部計算部、14i:実数部計算部、15
c:ΔRec 、ωUc、ωLcの変曲点検出部、15m:Δ
Imm ,ωUm,ωLmの変曲点検出部、15i:ΔRe
i ,ωUi,ωLiの変曲点検出部、16c:パラメータ算
出部、16m:パラメータ算出部、16i:パラメータ
算出部、17:jω変換部、18:(jω)-1変換部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に駆動力を付与するアクチュエータ
    および前記物体の物理量を検出するための物理量検出セ
    ンサを有する1自由度力学系と、前記1自由度力学系の
    モーダルパラメータまたは物理パラメータを、検出され
    る前記物理量に基くコ・クアド線図のデータから得るパ
    ラメータ推定部とを備えたことを特徴とする1自由度力
    学系のパラメータ推定装置。
  2. 【請求項2】 前記物理量検出センサは、位置センサ、
    速度センサ、または加速度センサの何れかであることを
    特徴とする請求項1記載のパラメータ推定装置。
  3. 【請求項3】 前記コ・クアド線図のデータは、応答が
    コンプライアンスの場合の実数部のデータをjw変換し
    たデータ、応答がモビリティの場合の虚数部のデータ、
    または応答がイナータンスの場合の実数部のデータを
    (jw)-1変換したデータであることを特徴とする請求
    項1記載のパラメータ推定装置。
  4. 【請求項4】 前記コ・クアド線図のデータは、応答が
    コンプライアンスの場合の実数部のデータ、応答がモビ
    リティの場合の虚数部のデータ、または応答がイナータ
    ンスの場合の実数部のデータであることを特徴とする請
    求項1記載のパラメータ推定装置。
  5. 【請求項5】 前記パラメータ推定部は、前記コ・クア
    ド線図のデータの極大値、極小値およびこれらの差を
    得、これらの値より前記モーダルパラメータまたは物理
    パラメータを得る演算手段を有することを特徴とする請
    求項3または4に記載のパラメータ推定装置。
  6. 【請求項6】 前記パラメータ推定部は、 前記アクチュエータを駆動するための電力増幅器を励磁
    する発振器と、 前記発振器の信号出力タイミングに応じて前記物理量検
    出センサから、応答の種別に対応するデータを取り込む
    入出力データ取込み部と、 前記応答の種別に対応させて前記取り込まれるデータに
    対する処理を選択する処理選択部と、 この処理選択に応じ、前記応答の種別がコンプライアン
    スの場合は前記コ・クアド線図の実数部のデータに基い
    てその極大値ωLc、極小値ωUcおよびこれらの差ΔRe
    c を得るとともにこれらの値に基いて前記モーダルパラ
    メータおよび物理パラメータを得、前記応答の種別がモ
    ビリティの場合は前記コ・クアド線図の虚数部のデータ
    に基いてその極大値ωLm、極小値ωUmおよびこれらの差
    ΔImmを得るとともにこれらの値に基いて前記モーダ
    ルパラメータおよび物理パラメータを得、そして前記応
    答の種別がイナータンスの場合は前記コ・クアド線図の
    実数部のデータに基いてその極大値ωUi、極小値ωLi
    よびこれらの差ΔRei を得るとともにこれらの値に基
    いて前記モーダルパラメータおよび物理パラメータを得
    る演算手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の
    パラメータ推定装置。
  7. 【請求項7】 前記物理量検出センサは、位置センサ、
    速度センサおよび加速度センサを有し、前記パラメータ
    推定部は、 前記アクチュエータを駆動するための電力増幅器を励磁
    する発振器と、 前記発振器の信号出力タイミングに応じて前記物理量検
    出センサから、応答の種別に対応するデータを取り込む
    入出力データ取込み部と、 前記応答の種別に対応させて前記取り込まれるデータに
    対する処理を選択する処理選択部と、 この処理選択に応じ、前記応答の種別がモビリティの場
    合は前記コ・クアド線図の虚数部のデータに基いて、コ
    ンプライアンスの場合は前記コ・クアド線図の実数部の
    データをjw変換し、この変換したデータに基いて、ま
    た、イナータンスの場合は前記コ・クアド線図の実数部
    のデータを(jw)-1変換し、この変換したデータに基
    いて、その極大値ωLm、極小値ωUmおよびこれらの差Δ
    Imm を得るとともにこれらの値に基いて前記モーダル
    パラメータおよび物理パラメータを得る演算手段とを備
    えることを特徴とする請求項1記載のパラメータ推定装
    置。
  8. 【請求項8】 1自由度力学系についてのコ・クアド線
    図のデータから前記1自由度力学系のモーダルパラメー
    タまたは物理パラメータを得るに際し、前記コ・クアド
    線図のデータとして、応答がコンプライアンスの場合の
    実数部のデータをjw変換したデータ、応答がモビリテ
    ィの場合の虚数部のデータ、または応答がイナータンス
    の場合の実数部のデータを(jw)-1変換したデータを
    用いることを特徴とする1自由度力学系のパラメータ推
    定方法。
  9. 【請求項9】 1自由度力学系についてのコ・クアド線
    図のデータから前記1自由度力学系のモーダルパラメー
    タまたは物理パラメータを得るに際し、前記コ・クアド
    線図のデータとして、応答がコンプライアンスの場合の
    実数部のデータ、応答がモビリティの場合の虚数部のデ
    ータ、または応答がイナータンスの場合の実数部のデー
    タを用いることを特徴とする1自由度力学系のパラメー
    タ推定方法。
  10. 【請求項10】 前記コ・クアド線図のデータの極大
    値、極小値およびこれらの差を得、これらの値に基き前
    記モーダルパラメータまたは物理パラメータを得ること
    を特徴とする請求項8または9に記載のパラメータ推定
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0960752A3 (de) * 1998-05-22 1999-12-08 DaimlerChrysler AG Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung von schwingungs- und fahrzeugspezifischen Grössen eines Fahrzeuges während der Fahrt und deren Verwendung
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WO2019161589A1 (zh) * 2018-02-24 2019-08-29 大连理工大学 一种结构模态参数实时追踪方法

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