JPH10197327A - 音源レベル測定方法および音源レベル測定装置 - Google Patents

音源レベル測定方法および音源レベル測定装置

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JPH10197327A
JPH10197327A JP228697A JP228697A JPH10197327A JP H10197327 A JPH10197327 A JP H10197327A JP 228697 A JP228697 A JP 228697A JP 228697 A JP228697 A JP 228697A JP H10197327 A JPH10197327 A JP H10197327A
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貴昭 武捨
Tatsuo Kikuchi
達夫 菊池
Mutsuo Takashima
睦男 高嶋
Hironobu Hase
弘信 長谷
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Japan Steel Works Ltd
Technical Research and Development Institute of Japan Defence Agency
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J R C TOKKI KK
Japan Steel Works Ltd
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】正確な音源レベルを測定する音源レベル測定方
法および音源レベル測定装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】音源から音波を送信したときのこの音波の
最大到達距離を指標するこの音源の音源レベルを測定す
る音源レベル測定方法において、音源からの音波の送信
方向を横切ってこの音源の前面に広がる面内の複数の測
定点の各音圧を測定し、上記複数の測定点についての複
数の音圧と、この複数の測定点を含む面がこの複数の測
定点それぞれを含む複数の分割面に分割されてなる各分
割面の位置、面積および向きとに基づいて所定の遠点で
の音圧を求め、上記遠点での音圧と、上記音源とこの遠
点との間の距離とに基づいてこの音源の音源レベルを求
めた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音源レベル測定方
法および音源レベル測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、海底地質や海底地形の調査方
法の1つとして、海洋調査船にソーナーを装備してソー
ナーから音波を海底に向かって送信し、海底から反射し
て戻ってきた反射波を受信して、この反射波を解析する
ことによって調査する方法が用いられている。特に、深
海の海底の調査をする場合には、音波が遠方にまで到達
するように低周波の音波を送信するソーナーが用いられ
ている。このソーナーを用いて海底地質や海底地形を調
べる際には、あらかじめ、ソーナーがどの位の深さの海
底まで調査できる性能があるのかを調べなければならな
い。この性能の示す最も重要な要素はソーナーの音源レ
ベルであり、以下に、従来の音源レベルを測定する方法
について述べる。
【0003】図7は、ソーナーを装備した海洋調査船の
模式図(a)と、ソーナーに装備された送波アレイを示
す拡大図(b)であり、図8は、従来のソーナーの音源
レベルの測定方法を示す図である。図7(a)に示す海
洋調査船71にはソーナー72が装備されており、この
ソーナー72には図7(b)に示す送波アレイ74を備
えている。この送波アレイ74には、複数の送波源が配
列されており、この送波アレイ74から送信される音波
によってビーム73が形成される。このソーナー72の
音源レベルを測定するために、図8に示す音源レベル測
定装置が使用されている。
【0004】図8に示す音源レベル測定方法では、海洋
調査船81の船底に装備された低周波の音波を送信する
ソーナー82からビーム83を形成し、このビーム83
を海洋調査船81の外へさお84を用いてぶらさげられ
た単一のハイドロホン85で取り込んで電気信号に変換
し、この電気信号をアンプ86で増幅してオシロスコー
プ87で観測し、音源レベルを測定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
方法では、ハイドロホンをソーナーの近くに配備した場
合、ソーナーから形成されるビームが低周波であるので
海面と干渉を起こし、この干渉を起こしたビームがハイ
ドロホンに取り込まれ正確な音源レベルを測定できない
という問題がある。
【0006】したがって、正確な音源レベルを測定する
ためには、ハイドロホンをビームと海面との干渉領域外
に配備しなければならない。ハイドロホンを干渉領域外
に配備しようとすると、例えば送信アレイから送信され
る音波の周波数が10kHzで送波アレイの大きさが5
mであれば、ハイドロホンをソーナーから70m以上離
さなければならないこととなる。ところが、このように
ハイドロホンをソーナーから離してしまうと、ハイドロ
ホンの正確な位置を知ることが困難であり、また、ハイ
ドロホンとソーナーとの間に存在する媒体(海)により
ビームが吸収される機会が多くなり、やはり正確な音源
レベルを測定できないという問題がある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、正確な音源レ
ベルを測定する音源レベル測定方法および音源レベル測
定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の等価音源レベル測定方法は、音源から音波を送信し
たときのこの音波の最大到達距離を指標するこの音源の
音源レベルを測定する音源レベル測定方法において、音
源からの音波の送信方向を横切ってこの音源の前面に広
がる面内の複数の測定点の各音圧を測定し、上記複数の
測定点についての複数の音圧と、この複数の測定点を含
む面がこの複数の測定点それぞれを含む複数の分割面に
分割されてなる各分割面の位置、面積および向きとに基
づいて所定の遠点での音圧を求め、上記遠点での音圧
と、上記音源とこの遠点との間の距離とに基づいてこの
音源の音源レベルを求めることを特徴とする。
【0009】また、上記目的を達成する本発明の等価音
源レベル測定装置は、音源から音波を送信したときのこ
の音波の最大到達距離を指標するこの音源の音源レベル
を測定する音源レベル測定装置において、 (1)音源からの音波の送信方向を横切ってこの音源の
前面に広がる面内の複数の測定点の各音圧を測定する近
距離音圧測定手段 (2)上記複数の測定点の位置情報を入力する測定位置
情報入力手段 (3)この測定位置情報入力手段により入力された上記
複数の測定点の位置情報に基づいて、上記複数の測定点
を含む面がこの複数の測定点それぞれを含む複数の分割
面に分割されてなる各分割面の位置、面積および向きを
求める形状ファクター計算手段 (4)上記近距離音圧測定手段により測定された上記複
数の測定点の音圧と、上記形状ファクター計算手段によ
り求められた上記複数の分割面の位置、面積および向き
とに基づいて、所定の遠点での音圧を求める遠点音圧演
算手段 (5)この遠点音圧演算手段により求められた上記所定
の遠点での音圧と、上記音源とこの所定の遠点との間の
距離とに基づいて、この音源の音源レベルを求める音源
レベル演算手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の音源レベル測定方法の一実
施形態のアルゴリズムを示す図である。本実施形態の音
源レベル測定方法では、先ず、図1に示す計測周波数入
力ステップ11において、音源から送信される音波の周
波数を音波発振装置に入力する。
【0011】次に、測定ポイント入力ステップ12にお
いて、音圧を測定する位置に関する情報を、音圧測定位
置を制御する装置に入力する。次に、計算方向入力ステ
ップ13において、音源から発振された音波によって形
成されるビームの方向を、求める音源レベルの計算方向
として音源レベル演算装置に入力する。
【0012】次に、形状ファクター計算ステップ14に
おいて、上記音圧測定位置を含む面がこの音圧測定位置
それぞれを含む複数の分割面に分割されてなる各分割面
について、i番目の分割面の面積Si 、i番目の分割面
の法線ベクトルni とビーム方向とのなす角βi から求
められるcosβi 、j番目の分割面の重心を始点とし
i番目の分割面の重心を終点とするベクトルのビーム方
向成分の大きさεijおよび、i番目の分割面におけるc
osβi とj番目の分割面におけるcosβjを用いて
求められるφij(ただし、φij=1+cosβi +co
sβj +cosβi ・cosβj )を全ての分割面、す
なわちi,j=1,2,3,……,Nについて計算す
る。
【0013】また、測定ポイント入力ステップ12にお
ける演算を実行した後に、計算方向入力ステップ13に
おける演算を実行する一方、音圧測定ステップ15にお
いて、測定ポイント入力ステップ12で入力された音圧
測定位置情報に従って、ハイドロホンアレイを移動さ
せ、上記音圧測定位置を含む面がこの音圧測定位置それ
ぞれを含む複数の分割面に分割されてなる各分割面につ
いて、i番目の分割面の重心の音圧Pi を全ての分割
面、すなわち、i=1,2,3,……,Nについて測定
する。この測定を行なった後、クロススペクトル計算ス
テップ16において、i番目の分割面の重心の音圧Pi
とj番目の分割面の重心の音圧Pj とのクロススペクト
ルCij=Pi ・Pj を全ての分割面、すなわちi,j=
1,2,3……,Nについて計算する。ただしPj はP
j の共役複素数である。
【0014】次に、音圧レベル計算ステップ17におい
て、形状ファクター計算ステップ14で求められた値
と、クロススペクトル計算ステップ16とで求められた
値とを用いて、音圧レベルPs のパワー|Ps2 を計
算する。次に、音源レベル計算ステップ18において、
音源レベルSLを計算する。SLはSL=10log10
|Ps2 で求められる。
【0015】このSL値により、音源の性能を評価する
ことができる。尚、ここでは、クロススペクトル計算ス
テップ16で求められたクロススペクトルCijを求めて
音源レベルSLを計算しているが、クロススペクトル計
算ステップ16に代えて、i番目の分割面の重心の音圧
の振幅|Pi |,j番目の分割面の重心の音圧の振幅|
j |,Pi とPj との位相差φijを求めてるステップ
を置き、このステップで求めた|Pi |,|Pj |,φ
ijを用いてSLを計算してもよい。ただし、クロススペ
クトルCijを用いてSLを求める式と、|Pi |,|P
j |,φijを用いてSLを求める式は異なる。
【0016】以下に、クロススペクトルCijを用いたS
Lの式および|Pi |,|Pj |,φijを用いたSLの
導出について説明する。音源の周りの任意の点Rにおけ
る音圧P(R)は、以下に示すヘルムホルツの積分方程
式で表わされる。
【0017】
【数1】
【0018】ここで、Sは音源を囲む閉曲面、nは閉曲
面Sの法線方向を示しており、Pは閉曲面S上の音圧、
kは音源から送信される音波の波数、rは閉曲面S上の
点と点Rとの間の距離である。(1)式において、点R
が音源から十分遠方にあれば点Rに到達する波は平面波
と考えられるので、以下の近似式が成り立つ。
【0019】
【数2】
【0020】ここで、βは、閉曲面S上の点と点Rとを
結ぶ直線と、閉曲面Sの法線とのなす角である。十分遠
方の点Rでの音圧をPf (R)と表わすと、Pf (R)
は(2)式を(1)式に代入して求められる。
【0021】
【数3】
【0022】離散的な場合を考えると、(3)式は次式
で表わされる。
【0023】
【数4】
【0024】ここでSi は閉曲面Sを有限分割したとき
のi番目の分割面であり、βi は分割面Si 上の所定の
点と点Rとを結ぶ直線と分割面Si の法線とのなす角、
iは分割面Si 上の所定の点から点Rまでの距離、Pi
は分割面Si 上の所定の点の音圧である。したがって
f (R)の2乗振幅値|Pf (R)|2 は次式で表わ
される。
【0025】
【数5】
【0026】ここで、ψij、εijは以下の式 ψij=1+cosβi +cosβj +cosβi ・cosβj εij=ri +rj ……(6) で定義される値である。(5)式の[]の中の項を整理
すると次式となる。
【0027】
【数6】
【0028】またPi とPj のクロススペクトラム
【0029】
【数7】
【0030】を用いると(7)式のcos成分の係数と
sin成分の係数はそれぞれ次式となる。
【0031】
【数8】
【0032】ここで、Re[Cij]はCijの実部であ
り、Im[Cij]はCijの虚部である。(7)式と
(8)式とを用いると(5)式は次式のように変形され
る。
【0033】
【数9】
【0034】(9)式を導出する際にはクロススペクト
ラムを用いたが、このクロススペクトラムを用いる代り
に、Pi の振幅,Pj の振幅,Pi とPj との位相差を
用いて(9)式と同様の式を求めることができる。振幅
と位相差を用いたときの(9)式と同様の式の導出は以
下の通りである。(7)式のcos成分の係数とsin
成分の係数はそれぞれ次式となる。
【0035】
【数10】
【0036】ここで|Pi |,|Pj |はそれぞれP
i ,Pj の振幅であり、φijはPi とPj との位相差で
ある。 (7)式と(10)式とを用いると(5)式は次
式のように変形される。
【0037】
【数11】
【0038】この(11)式がクロススペクトラムを用
いたときの(9)式に代わる、振幅と位相差を用いたと
きの式である。音圧レベルPs はPs =ro ・Pf
(R)(ro :音源から十分遠方にある点Rから音源の
音響中心までの距離)であり、また、点Rは音源から十
分遠方にある点であるから、ro ≒ri ≒rj となる。
したがって|Ps2 は、クロススペクトラムを用いた
ときの(9)式を用いると次式のようになる。
【0039】
【数12】
【0040】また|Ps2 を振幅と位相差を用いたと
きの(11)式を用いて求めると
【0041】
【数13】
【0042】となる。|Ps2 は(12)式あるいは
(13)式を用いて計算することができる。このように
して求められた|Ps2 を用いると音源レベルSLは
次式で求められる。 SL=10log|Ps2 ……(14) このようにして、音源レベルSLが求められる。
【0043】次に、(14)式を導出する際に用いられ
るSi ,cosβi ,εijの計算方法について述べる。
図2は、音源の音響中心を原点とし、その音源を囲む、
有限分割された閉曲面を示す図であり、図3は、その有
限分割された閉曲面の一部を構成する分割面である三角
形の面積ベクトルを示す図である。
【0044】図2は音響中心である点Oを原点としてx
軸,y軸,z軸を有し、点Rは点Oから十分遠方にある
点であり、矢印Wは点Oから点Rに向かうビームを示し
た矢印である。θ,φはそれぞれ、矢印Wとz軸とのな
す角,矢印Wのxy平面成分の矢印W’とX軸とのなす
角であり、
【0045】
【外1】
【0046】は、矢印Wの方向を有する方向単位ベクト
ルであって、次式で表わされる。
【0047】
【数14】
【0048】さらに、図2に示す各点e,m,nを頂点
とする三角形22は閉曲面21を有限分割して得られる
三角形の1つである。図3に示す点e,m,nを頂点と
する三角形は、図2に示す三角形22を拡大して示した
ものであり、点Oは図2に示す音響中心点である。また
(ベクトルr e ),(ベクトルrm ),(ベクトルr
n )はそれぞれ、点Oから点eに向かうベクトル,点O
から点mに向かうベクトル、点Oから点nに向かうベク
トルであり、(ベクトルSi )は三角形の面積ベクトル
である。
【0049】面積ベクトル(ベクトルSi )は(ベクト
ルre ),(ベクトルrm ),(ベクトルrn )を用い
て次式で表わされる。
【0050】
【数15】
【0051】分割面が四角形の場合は、その四角形の頂
点をa,b,c,dとし、点Oからa,b,c,dに向
かうベクトルをそれぞれ、(ベクトルra ),(ベクト
ルr b ),(ベクトルrc ),(ベクトルrd )とする
と、このときの四角形の面積ベクトル(ベクトルSk
は、
【0052】
【数16】
【0053】となる。以上から、Si
【0054】
【数17】
【0055】で決定される。また、cosβi は以下の
ようにして計算される。βi はi番目の分割面の法線単
位ベクトル(ベクトルni )と、i番目の分割面内の所
定の点から点Rに向かう直線とのなす角であるが、ここ
では、点Rは音源から十分遠方にあるとしているので、
i番目の分割面内の所定の点から点Rに向かう直線の代
わりに、図2に示す音源の音響中心Oから点Rに向かう
直線を用いる。すなわち、βi をi番目の分割面の法線
ベクトル(ベクトルni )と音響中心Oから点Rに向か
う直線(矢印W)とのなす角で近似する。
【0056】このように近似すると、図3に示す三角形
22の法線単位ベクトル(ベクトルni )は(ベクトル
i )=(ベクトルSi )/|(ベクトルSi )|であ
るので、cosβi は次式で表わされる。
【0057】
【数18】
【0058】また、εijは以下のようにして計算され
る。εijはi番目の分割面内の所定の点から点Rまでの
距離と、j番目の分割面内の所定の点から点Rまでの距
離との差であるが、ここでは、点Rは音源から十分遠方
にあるとしているので、εijをj番目の分割面内の所定
の点を始点とし、i番目の分割面内の所定の点を終点と
するベクトルの矢印W方向の大きさで近似する。
【0059】このように近似すると、εijは次式で表わ
される。
【0060】
【数19】
【0061】また、ここで(19)式の値を求めるため
には(ベクトルri )−(ベクトルrj )を求める必要
がある。ベクトルri はi番目の分割面内の所定の点を
始点とし、点Rを終点とするベクトルであり、ベクトル
j はj番目の分割面内の所定の点を始点とし、点Rを
終点とするベクトルであるので、(ベクトルri )−
(ベクトルrj )は、j番目の分割面内の所定の点を始
点とし、i番目の分割面内の所定の点を終点とするベク
トルである。したがって、これら所定の点を各分割面の
重心とし、さらに、(ベクトルri )を音響中心Oを始
点としi番目の分割面の重心を終点とする重心ベクトル
とし、(ベクトルrj )を音響中心Oを始点としj番目
の分割面の重心を終点とする重心ベクトルとしたとき、
これら重心ベクトルの差が(ベクトルri )−(ベクト
ルrj )と等しくなっている。このように定義された重
心ベクトル(ベクトルri ),(ベクトルrj )を用い
てε ijを求めることができる。従って、i番目の分割面
が三角形のときは図3より(ベクトルri )は次式で表
わされる。
【0062】
【数20】
【0063】ここでi番目の分割面が四角形の場合は、
(16)式を求める際に使用した(ベクトルra ),
(ベクトルrb ),(ベクトルrc ),(ベクトルr
d )を用いて次式で表わされる。
【0064】
【数21】
【0065】以上のようにして求められたSi ,cos
βi ,εijを用いて、(14)式を求めることができ
る。本実施形態の音源レベル測定方法では、近距離音場
で測定された音圧を用いて遠距離音場の音圧を求め、こ
の遠距離音場での音圧から音源レベルを求めているの
で、媒体(海)による測定誤差を受けずに音源レベルを
測定することができる。
【0066】図4は、本発明の音源レベル測定装置の一
実施形態の計測ブロック図である。図4に示す発信装置
41から発信される信号が音源42に送信され、この音
源42から送波ビーム43が形成される。この送波ビー
ム43の音響信号はハイドロホン44に取り込まれる。
このハイドロホン44は、装着装置45によって船底に
固定されている測定用治具46に装着されている。この
測定用治具46には移動装置47が装着されており、こ
の移動装置47はハイドロホンの移動を制御する移動コ
ントローラ49によって制御される。移動コントローラ
49はコンピュータ48から送信されるコントロール信
号を受信して移動装置47を制御し、この移動装置47
によって、ハイドロホン44は測定用治具46上を移動
する。ハイドロホン44を移動させている間に取り込ま
れた音響信号は電気信号に変換されてシグナルコンデシ
ョナー50で調整され、さらにA/Dコンバータ51で
交流から直流に変換され、発信装置41からコンピュー
タ48に発信される周期用トリガーパルスに同期してコ
ンピュータ48に取り込まれる。このコンピュータ48
に取り込まれた信号から、(12)式あるいは(13)
式を用いて音圧レベルのパワーを計算し、(14)式を
用いて音源レベルを計算する。(14)式を用いて計算
された音源レベルは、ディスプレイ52に出力される。
【0067】上述した音源レベル測定装置40を用いて
音源レベルを測定する。本実施形態の音源レベル測定装
置では、船底に固定されている測定用治具にハイドロホ
ンが装着されているので、ハイドロホンの正確な位置を
知ることができるとともに音源から送信されるビームが
海面と干渉を起こす前にハイドロホンに取り込まれるの
で、正確な音源レベルを求めることができる。
【0068】
【実施例】以下、本発明の音源レベル測定方法の一実施
例について説明する。図5は、音源レベルの測定に使用
される送波器とハイドロホンとを示した図である。送波
器61は高さが0.5mの円柱形状である。
【0069】送波素子62から発信される信号は、図5
に示す矢印の先にある、送波器61を構成する各送波源
に送信され、この送波器61から周波数10kHzの音
波が送信され、送波ビームが63が形成される。そし
て、この送波ビームが63の中心軸63aと垂直になる
とともに図5が描かれている紙面に対して平行にハイド
ロホン64を移動させて送波ビーム63の音響信号を取
り込み電気信号に変換して、この電気信号を解析し、送
波器61の音源レベルを計算した。
【0070】尚、音源レベルを求める際に使用する方向
単位ベクトル(ベクトルt)は送波ビームの中心軸と同
一方向に設定し、|Ps2 は(13)式を用いて算出
した。図6は、図5に示す送波器の音源レベルを測定し
たときの、送波ビームの中心軸からの角度に対する音源
レベルを示したグラフである。
【0071】図6に示す実線は計算値であり、プロット
は実測値である。図6に示す計算値曲線は、送波ビーム
の中心軸からの角度が0度のとき音源レベルが最大値を
示す。そして、送波ビームの中心軸からの角度が−40
°から40°位の間では、角度が0度のときの音源レベ
ルを頂点とし上に凸の放物線となるが、送波ビームの中
心軸からの角度の絶対値が40度より大きくなってくる
と音源レベルは急に大きくなり、送波ビームの中心軸か
らの角度の絶対値が60度を越えると音源レベルはほぼ
一定の値をとった。
【0072】図に示す実測値はほぼ計算値と一致してお
り、特に、送波ビームの中心軸からの角度が−40度か
ら40度位までの間ではよく一致した。このように、本
発明の音源レベル測定方法、ないしその方法の実施を内
包した音源レベル測定装置を使用することにより、音源
レベルを正確に測定することができた。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の音源レベ
ル測定方法ないし音源レベル測定装置によれば、音源レ
ベルを正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音源レベル測定方法の一実施形態のア
ルゴリズムを示す図である。
【図2】音源の音響中心を原点とし、その音源を囲む、
有限分割された閉曲面を示す図である。
【図3】有限分割された閉曲面の一部を構成する分割面
である三角形の面積ベクトルを示す図である。
【図4】本発明の音源レベル測定装置の一実施形態の計
測ブロック図である。
【図5】音源レベルの測定に使用される送波器とハイド
ロホンとを示した図である。
【図6】図5に示す送波器の音源レベルを測定したとき
の、送波ビームの中心軸からの角度に対する音源レベル
を示したグラフである。
【図7】ソーナーを装備した海洋調査船の模式図(a)
と、ソーナーに装備された送波アレイを示す拡大図
(b)である。
【図8】従来のソーナーの音源レベルの測定方法を示す
図である。
【符号の説明】
11 計測周波数入力 12 測定ポイント入力 13 計算方向入力 14 形状ファクター計算 15 音圧計測 16 クロススペクトル計算 17 音圧レベル計算 18 音源レベル計算 40 音源レベル測定装置 41 発信装置 42 音源 43,63 送波ビーム 44,64 ハイドロホン 45 装着装置 46 測定用治具 47 移動装置 48 コンピュータ 49 移動コントローラ 50 シグナルコンデショナー 51 A/Dコンバータ 52 ディスプレイ 61 送波器 62 送波素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高嶋 睦男 神奈川県横浜市港北区新吉田町781番地 ジェイ・アール・シー特機株式会社内 (72)発明者 長谷 弘信 神奈川県横浜市港北区新吉田町781番地 ジェイ・アール・シー特機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源から音波を送信したときの該音波の
    最大到達距離を指標する該音源の音源レベルを測定する
    音源レベル測定方法において、 音源からの音波の送信方向を横切って該音源の前面に広
    がる面内の複数の測定点の各音圧を測定し、 前記複数の測定点についての複数の音圧と、該複数の測
    定点を含む面が該複数の測定点それぞれを含む複数の分
    割面に分割されてなる各分割面の位置、面積および向き
    とに基づいて所定の遠点での音圧を求め、 前記遠点での音圧と、前記音源と該遠点との間の距離と
    に基づいて該音源の音源レベルを求めることを特徴とす
    る音源レベル測定方法。
  2. 【請求項2】 音源から音波を送信したときの該音波の
    最大到達距離を指標する該音源の音源レベルを測定する
    音源レベル測定装置において、 音源からの音波の送信方向を横切って該音源の前面に広
    がる面内の複数の測定点の各音圧を測定する近距離音圧
    測定手段と、 前記複数の測定点の位置情報を入力する測定位置情報入
    力手段と、 該測定位置情報入力手段により入力された前記複数の測
    定点の位置情報に基づいて、前記複数の測定点を含む面
    が該複数の測定点それぞれを含む複数の分割面に分割さ
    れてなる各分割面の位置、面積および向きを求める形状
    ファクター計算手段と、 前記近距離音圧測定手段により測定された前記複数の測
    定点の音圧と、前記形状ファクター計算手段により求め
    られた前記複数の分割面の位置、面積および向きとに基
    づいて、所定の遠点での音圧を求める遠点音圧演算手段
    と、 該遠点音圧演算手段により求められた前記所定の遠点で
    の音圧と、前記音源と該所定の遠点との間の距離とに基
    づいて、該音源の音源レベルを求める音源レベル演算手
    段とを備えたことを特徴とする音源レベル測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009288104A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Ihi Corp 曳航式模型船の水中音計測装置及びその方法
KR101704603B1 (ko) * 2016-07-05 2017-02-08 국방과학연구소 기하학적 좌표와 음파탐지방향을 이용한 해저 위치 추정 방법
CN113624330A (zh) * 2021-07-12 2021-11-09 哈尔滨工程大学 一种水下目标辐射噪声测量组合体积阵及测量方法

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